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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61B 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B |
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管理番号 | 1297969 |
審判番号 | 不服2013-15868 |
総通号数 | 184 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-04-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-08-16 |
確定日 | 2015-02-25 |
事件の表示 | 特願2008-533764「スペクトル符号化による光学的撮像方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 4月 5日国際公開,WO2007/038787,平成21年 3月12日国内公表,特表2009-509689〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成18年9月29日(パリ条約による優先権主張日 平成17年9月29日,米国)を国際出願日とする出願であって,平成24年4月26日付けで拒絶理由が通知され,同年11月8日付けで意見書及び手続補正書が提出され,平成25年4月11日付けで拒絶査定がされたのに対し,同年8月16日に拒絶査定不服の審判請求がなされ,それと同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 補正後の請求項1に係る発明 本件補正により,特許請求の範囲の請求項1は, 「【請求項1】 解剖学的構造に電磁放射を送り、前記電磁放射を用いて前記解剖学的構造の少なくとも一つの部分の領域全体を連続的に走査するように移動するレンズを含み、少なくとも一つの特定の信号を生成するように構成された少なくとも一つの第1の装置を備え、前記領域全体は1mm^(2)よりも大きな面積を有し、 前記特定の信号を受信し、前記特定の信号に基づいて、前記電磁放射の光軸に略直交する方向に沿って10μmより小さい分解能を有する少なくとも一つの画像を生成するように構成された少なくとも一つの第2の装置を備える装置。」(下線は補正箇所を示す。)と補正された。 2 補正事項について 補正前の「連続的に走査して」を「連続的に走査するように移動するレンズを含み、」とする補正は,電磁放射を連続的に走査する際に,連続的に走査するように「移動するレンズ」を含む態様に限定したものであるといえる。また,補正前の「10μmより小さい横方向分解能を有する」を「前記電磁放射の光軸に略直交する方向に沿って10μmより小さい分解能を有する」とする補正は,分解能の方向を,あらゆるものに対する横方向を含むものであったものを「電磁放射の光軸に略直交する方向に沿う」ものに限定したものであるといえる。してみれば,両者とも,いわゆる限定的減縮に相当するものであるから,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成18年改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 そこで,本件補正後の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 3 引用刊行物及びその記載事項 (1)本願の優先日前に頒布され,原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2004-105708号公報(以下「引用例1」という。)には,次の事項が記載されている。なお,引用例1の32?60頁に手続補正書の内容も公開されているが,以下の摘記事項において,段落番号の指摘は2?31頁におけるもので記載し,引用発明の認定に関連する箇所に下線を付与した。 (1-ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 短コヒーレンス長さを有する光のビームを発生する光源と、 前記光源に結合され、光路長変更装置を含み、第1の光ファイバを含む基準経路と、 光源に結合され、ビームの焦点を眼の中に合わせるための光学素子を含み、さらに眼の中でビームを走査するための光学走査手段を含むプローブ・モジュールを含み且つ第2の光ファイバを含むサンプル経路と、 前記光路長変更装置により変更される光と、眼の中からの反射光を組合わせ、組合わせ光出力を生じさせるためのビーム組合わせ手段と、 前記組合わせ光出力に光学的に結合され、干渉レスポンスに対応する出力信号を生じさせる検出器と、 出力信号を処理し、前記眼の内部構造のイメージを得るために前記光路長変更装置及び前記検出器と接続されたプロセッサであって、前記光路長変更装置が、イメージ形成情報が得られることになる前記眼の中の縦方向範囲を変更するプロセッサと、 を備えてなる眼の中で光イメージ形成を行うシステム。 【請求項2】 眼の中の特性によって分散された光の変動に相当するイメージの変動を伴った、眼のイメージを表示するためのディスプレイをさらに含む、請求項1に記載のシステム。」 (1-イ)「【0002】 【従来の技術】 生物学的試料または他の試料の距離、厚さおよび光学的特性の高解像度(一般に、10μm以下)のイメージおよびその測定が要求される多くの産業、医療および他の用途が存在する。 【0003】 このような測定を実施するための現在ある手法は、コヒーレンス領域反射計(OCDR)、光学的時間領域反射計(OTDR)、超音波走査レーザ顕微鏡、走査共焦点顕微鏡、走査レーザ検眼鏡、および光学的三角測量法を含む。 ・・・ 【0006】 走査レーザまたは共焦点の顕微鏡および走査レーザ検眼鏡(SLO)は、例えば数μmの横方向分解能で眼の実時間ビデオ・イメージを生じることができる高度に空間的に分解されたイメージを提供する。しかし、SLOの深さの分解能は、開口数が減少するに伴い急速に低下する。」 (1-ウ)「【0032】 【発明の実施の形態】 次に本発明を実施の形態に基づき図を用いて詳細に説明する。 【0033】 まず図1Aにおいて、本発明の教示を盛込んだ光学的コヒーレンス領域反射計(OCDR)10が示される。特に、短いコヒーレンス長さ(広スペクトル帯域幅)光源12からの出力が、光結合器14に対して1つの入力として接続されている。このような結合は、望ましい実施例では光ファイバ経路16である適当な光経路を介して行われる。光源12は、例えば、発光ダイオード、超発光ダイオードまたは適当な波長の他の白光源でよく、あるいは短パルス・レーザでもよい。このような光源は、望ましい実施例では10μm以下のコヒーレンス1_(t)を持つことが望ましい。後で述べるように、光源12のコヒーレンス長さはシステムの分解能を強化するため最小化されることが望ましい。」 (1-エ)「【0077】 先に述べたように、光源12は、当たる低コヒーレンス長さがスペクトル的に広くなければならない。このため、略々10μmのコヒーレンス長さを持つ先に述べた形式の光源の場合は、10μmまでの空間的な分離、従って分解能が得られる。これは、他の現在入手可能な装置において得られるものよりもはるかに高い分解能である。」 (1-オ)「【0083】 図3Aは、図1A?図1Bの組立体28に対する1つの比較的な実施例を示す。この実施例では、ファイバ26はプローブ・モジュール80で終る。このプローブ・モジュールは、1つ以上のイメージ形成レンズを含み、ファイバ26の出力と走査される試料84との間に位置された1つのレンズ82が図に示されている。適当な線形変位段または他の機構86が、2次元走査を行うためプローブ・モジュール80を試料84に対して横断方向または側方に移動させるように接続される。同様な機構(図示せず)が、試料84の3次元走査を行うためプローブを横断方向または側方の前記とは別の方向に移動させるため設けられている(以下本文においては、時に横断方向および側方走査はまとめて横断方向走査と呼ばれる。)。」 (1-カ)図3Aとして,以下の図面が記載されている。 (1-キ)「【0087】 ・・・図3Dの構成は、例えば、患者の眼の感光神経頭の周囲を走査するため用いることができ、この走査は2次元走査を提供するように処理される。機械的な指向機構について先に述べたが、当技術において公知である光電指向機構もまた用いることができる。」 (1-ク)「【0089】 図5は、プローブ・モジュールが、血管、食道などの如き管状構造120のイメージ形成を行うために使用される血管内視鏡または内視鏡の一部である別の実施例を示している。」 (1-ケ)「【0094】 ・・・図8Bに示される如き走査パターンは、特に大量の横方向点がイメージに対して用いられる時に望ましい。図8Bにおいて、完全な横方向走査が縦方向位置毎に行われる。換言すれば、例えば図3Aによれば、機構86は機構46(図1A)の各位置毎に完全な1サイクルを実施することになる。このような走査パターンでは、機構46は連続的に回転させられるのではなく歩進運動させることができる。 【0095】 図8Cは、本発明の教示の実施において用いられる更に別の走査パターンを示す。」 (1-コ)図8B及び図8Cとして,以下の図面が記載されている。 (1-サ)上記摘記(1-オ)と(1-カ)である図3Aの記載から,プローブ・モジュールは,光ビームが試料すなわち眼の中を連続的に走査するように移動するレンズを有しているといえる。 してみれば,上記引用例1の記載事項を総合すると,引用例1には,以下の発明が記載されていると認められる。 「短コヒーレンス長さを有する光のビームを発生する光源と,前記光源に結合され,光路長変更装置を含み,第1の光ファイバを含む基準経路と,光源に結合され,ビームの焦点を眼の中に合わせるための光学素子を含み,さらに眼の中でビームを走査するための光学走査手段を含むプローブ・モジュールを含み且つ第2の光ファイバを含むサンプル経路と,前記光路長変更装置により変更される光と,眼の中からの反射光を組合わせ,組合わせ光出力を生じさせるためのビーム組合わせ手段と,前記組合わせ光出力に光学的に結合され,干渉レスポンスに対応する出力信号を生じさせる検出器と, 出力信号を処理し,前記眼の内部構造のイメージを得るために前記光路長変更装置及び前記検出器と接続されたプロセッサであって,前記光路長変更装置が,イメージ形成情報が得られることになる前記眼の中の縦方向範囲を変更するプロセッサと,眼の中の特性によって分散された光の変動に相当するイメージの変動を伴った,眼のイメージを表示するためのディスプレイを備えてなる眼の中で光イメージ形成を行うシステムにおいて, 上記プローブ・モジュールは,光ビームが眼の中を連続的に走査するように移動するレンズを有しており, 上記光学走査手段は,上記縦方向位置毎に完全な横方向走査を行うものであり, 上記光源から発生する光のビームのコヒーレンス長さは10μm以下である,システム。」(以下「引用発明」という。) 4 対比・判断 (1)対比 補正発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「短コヒーレンス長さを有する光のビーム」及び「眼」は,補正発明の「電磁放射」及び「解剖学的構造」に相当することから,引用発明の「ビームの焦点を眼の中に合わせる」ことは,補正発明の「解剖学的構造に電磁放射を送」ることに相当し,引用発明の「眼の中でビームを走査する」際の走査は連続的に行われるものであるから,引用発明の「眼の中でビームを走査する」ことは,「解剖学的構造の少なくとも一つの部分の領域全体を連続的に走査する」ことに相当する。そして,引用発明の「光ビームが眼の中を連続的に走査するように移動するレンズ」は,補正発明の「解剖学的構造の少なくとも一つの部分の領域全体を連続的に走査するように移動するレンズ」に相当するものである。 イ 引用発明の「光路長変更装置により変更される光と、眼の中からの反射光を組合わせ、組合わせ光出力を生じさせるためのビーム組合わせ手段と、前記組合わせ光出力に光学的に結合され、干渉レスポンスに対応する出力信号を生じさせる」ものは,補正発明の「少なくとも一つの特定の信号を生成するように構成された」ものに相当する。 ウ 上記ア及びイから,引用発明の「短コヒーレンス長さを有する光のビームを発生する光源と、前記光源に結合され、光路長変更装置を含み、第1の光ファイバを含む基準経路と、光源に結合され、ビームの焦点を眼の中に合わせるための光学素子を含み、さらに眼の中でビームを走査するための光学走査手段を含むプローブ・モジュールを含み且つ第2の光ファイバを含むサンプル経路と、前記光路長変更装置により変更される光と、眼の中からの反射光を組合わせ、組合わせ光出力を生じさせるためのビーム組合わせ手段と、前記組合わせ光出力に光学的に結合され、干渉レスポンスに対応する出力信号を生じさせる検出器」で「上記プローブ・モジュールは,光ビームが眼の中を連続的に走査するように移動するレンズを有して」いるものと,補正発明の「解剖学的構造に電磁放射を送り、前記電磁放射を用いて前記解剖学的構造の少なくとも一つの部分の領域全体を連続的に走査するように移動するレンズを含み、少なくとも一つの特定の信号を生成するように構成された少なくとも一つの第1の装置を備え」たものとは,「解剖学的構造に電磁放射を送り、前記電磁放射を用いて前記解剖学的構造の少なくとも一つの部分の領域全体を連続的に走査するように移動するレンズを含み、少なくとも一つの特定の信号を生成するように構成された少なくとも一つの第1の装置を備え」たもので共通している。 エ 引用発明の「出力信号を処理し、前記眼の内部構造のイメージを得」て「眼のイメージを表示するためのディスプレイ」は,補正発明の「前記特定の信号を受信し、前記特定の信号に基づいて」「少なくとも一つの画像を生成するように構成された」ものに相当する。 オ 引用発明の「上記光源から発生する光のビームのコヒーレンス長さは10μm以下である」ことについて,摘記(1-エ)に「略々10μmのコヒーレンス長さを持つ先に述べた形式の光源の場合は、10μmまでの空間的な分離、従って分解能が得られる。」と記載されていることから,光のビームのコヒーレンス長さが10μm以下の時には10μm以下の分解能が得られるものといえる。引用発明は「上記光学走査手段は,上記縦方向位置毎に完全な横方向走査を行うもの」と記載されているとおり,横方向の走査を行うものであるから,その場合,上記10μm以下の分解能とは,横方向の分解能を含むことになる。そして,その横方向とは,上記図8B及び図8Cに記載されているように,入射ビームすなわち電磁放射の光軸に略直交する方向のことであるから,上記10μm以下の分解能は,電磁放射の光軸に略直交する方向に沿って10μm以下の分解能ということになる。 してみれば,引用発明の「上記光源から発生する光のビームのコヒーレンス長さは10μm以下である」ことと,補正発明の「電磁放射の光軸に略直交する方向に沿って10μmより小さい分解能を有する」こととは,「電磁放射の光軸に略直交する方向に沿って10μmより小さい分解能を有する」ことで共通するものである。 カ 上記エ及びオから,引用発明の「出力信号を処理し、前記眼の内部構造のイメージを得るために前記光路長変更装置及び前記検出器と接続されたプロセッサであって、前記光路長変更装置が、イメージ形成情報が得られることになる前記眼の中の縦方向範囲を変更するプロセッサと、眼の中の特性によって分散された光の変動に相当するイメージの変動を伴った、眼のイメージを表示するためのディスプレイを備え」「上記光源から発生する光のビームの短コヒーレンス長さは10μm以下である」ものと,補正発明の「前記特定の信号を受信し、前記特定の信号に基づいて、前記電磁放射の光軸に略直交する方向に沿って10μmより小さい分解能を有する少なくとも一つの画像を生成するように構成された少なくとも一つの第2の装置を備え」たものとは,「前記特定の信号を受信し、前記特定の信号に基づいて、前記電磁放射の光軸に略直交する方向に沿って10μmより小さい分解能を有する少なくとも一つの画像を生成するように構成された少なくとも一つの第2の装置を備え」たもので共通している。 キ 引用発明の「システム」は,補正発明の「装置」に相当する。 してみれば,補正発明と引用発明とは, (一致点) 「解剖学的構造に電磁放射を送り,前記電磁放射を用いて前記解剖学的構造の少なくとも一つの部分の領域全体を連続的に走査するように移動するレンズを含み,少なくとも一つの特定の信号を生成するように構成された少なくとも一つの第1の装置を備え, 前記特定の信号を受信し,前記特定の信号に基づいて,前記電磁放射の光軸に略直交する方向に沿って10μmより小さい分解能を有する少なくとも一つの画像を生成するように構成された少なくとも一つの第2の装置を備える装置。」 の点で一致し,以下の点で相違する。 (相違点) 電磁放射を走査する領域全体の面積について,補正発明では,それが「1mm^(2)よりも大きな面積」であると特定されているのに対し,引用発明では,眼の中でビームを走査する領域全体の面積について特定されていない点。 (2)当審の判断 上記相違点について検討する。引用例1の摘記(1-キ)に「例えば、患者の眼の感光神経頭の周囲を走査するため用いることができ、この走査は2次元走査を提供するように処理される。」と記載されているように,引用発明の眼の中でビームを走査する領域の具体例として「眼の感光神経頭」が記載されている。ここで,眼の感光神経頭の大きさは,患者の個人差はあるものの通常1mm^(2)よりも大きいものであるから,眼の中でビームを走査する領域全体の面積を「1mm^(2)よりも大きな面積」であると特定することは当業者が容易になし得ることである。 加えて,引用発明のシステムでは,イメージ形成を行う対象が「眼の中」となってはいるものの,摘記(1-ク)には,そのシステムでイメージ形成を行う対象として「血管、食道などの如き管状構造」が記載されており,食道の場合,ビームを走査する領域が1mm^(2)よりも大きな面積であることは明らかである。してみれば,引用発明のシステムを「血管、食道などの如き管状構造」に適用し得るものであり,その際,ビームを走査する領域全体の面積を「1mm^(2)よりも大きな面積」であると特定することは当業者が容易になし得ることともいえる。 そして,補正発明に基づく効果として,引用例1の記載事項から予期し得ない格別顕著なものは認められない。 したがって,補正発明は,引用発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 5 まとめ 以上のとおり,本件補正は,平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されることとなるので,本願の請求項1?24に係る発明は,平成24年11月8日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?24に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,次のとおりのものである。 「【請求項1】 解剖学的構造に電磁放射を送り、前記電磁放射を用いて前記解剖学的構造の少なくとも一つの部分の領域全体を連続的に走査して少なくとも一つの特定の信号を生成するように構成された少なくとも一つの第1の装置を備え、前記領域全体は1mm^(2)よりも大きな面積を有し、 前記特定の信号を受信し、前記特定の信号に基づいて10μmより小さい横方向分解能を有する少なくとも一つの画像を生成するように構成された少なくとも一つの第2の装置を備える装置。」 2 引用刊行物及びその記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である上記引用例1の記載事項は,上記第2の3の「引用刊行物及びその記載事項」に記載したとおりである。 3 対比・判断 上記第2の2の「補正事項について」に記載したとおり,補正発明は,本願発明にさらに限定事項を追加したものであるから,本願発明は,補正発明から限定事項を省いた発明といえる。その補正発明が,前記第2の4「対比・判断」に記載したとおり,引用発明に基いて当業者が容易に発明することができたものである以上,本願発明も同様の理由により,当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,その余の請求項に係る発明について言及するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。 よって,結論のとおり,審決する。 |
審理終結日 | 2014-09-17 |
結審通知日 | 2014-09-30 |
審決日 | 2014-10-14 |
出願番号 | 特願2008-533764(P2008-533764) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(A61B)
P 1 8・ 121- Z (A61B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 中村 祐一、森口 正治 |
特許庁審判長 |
神 悦彦 |
特許庁審判官 |
三崎 仁 渡戸 正義 |
発明の名称 | スペクトル符号化による光学的撮像方法および装置 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 鶴田 準一 |
代理人 | 河野 努 |
代理人 | 南山 知広 |