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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1298592
審判番号 不服2013-17333  
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-09-09 
確定日 2015-03-11 
事件の表示 特願2010-293075「通信システム、基地局装置及び移動局装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 5月26日出願公開、特開2011-103683〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成20年10月16日(国内優先権主張 2007年(平成19年)10月24日)を国際出願日とする国際出願である特願2009-538134号の一部を平成22年12月28日に特願2010-293075号として新たな特許出願としたものであって、平成25年1月21日付けで拒絶理由が通知され、これに対して平成25年3月25日に意見書が提出され、平成25年6月7日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成25年9月9日拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされたものである。


第2 平成25年9月9日付けの手続補正についての補正却下の決定

[結論]
平成25年9月9日付けの手続補正(以下、「本件補正という。」)を却下する。

[理由]
1.補正内容
本件補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項3:
「【請求項3】
移動局装置が、基地局装置より通知されたシグネチャに基づいて生成したランダムアクセスプリアンブルを、ランダムアクセスチャネルを使用して前記基地局装置に送信する通信システムにおける移動局装置であって、
前記基地局装置から通知されたランダムアクセスチャネル番号のランダムアクセスチャネルを使用してランダムアクセスプリアンブルを送信することを特徴とする移動局装置。」を、

「【請求項3】
移動局装置が、ハンドオーバ元基地局装置より通知されたシグネチャに基づいて生成したランダムアクセスプリアンブルを、ランダムアクセスチャネルを使用してハンドオーバ先基地局装置に送信する通信システムにおける移動局装置であって、
複数のランダムアクセスチャネルのそれぞれに付与された異なるランダムアクセスチャネル番号のうちの1つである前記ハンドオーバ元基地局装置から通知されたランダムアクセスチャネル番号のランダムアクセスチャネルを使用してランダムアクセスプリアンブルを前記ハンドオーバ先基地局装置に送信することを特徴とする移動局装置。」

と補正することを含むものである(下線は、請求人が付与)。

すなわち、本件補正は、請求項3において、

a.「基地局装置より通知されたシグネチャ」を「ハンドオーバ元基地局装置より通知されたシグネチャ」と補正し、

b.「ランダムアクセスチャネルを使用して前記基地局装置に送信する」を「ランダムアクセスチャネルを使用してハンドオーバ先基地局装置に送信する」と補正し、

c.「前記基地局装置から通知されたランダムアクセスチャネル番号」を「複数のランダムアクセスチャネルのそれぞれに付与された異なるランダムアクセスチャネル番号のうちの1つである前記ハンドオーバ元基地局装置から通知されたランダムアクセスチャネル番号」と補正し、

d.「ランダムアクセスプリアンブルを送信する」を「ランダムアクセスプリアンブルを前記ハンドオーバ先基地局装置に送信する」と補正するものである。

2.補正の目的
上記補正事項a.は、シグネチャを通知する「基地局装置」を、ハンドオーバ元の基地局装置に限定するものである。

上記補正事項b.は、ランダムアクセスプリアンブルの送信先である「基地局装置」を、ハンドオーバ先の基地局装置に限定するものである。

上記補正事項c.は、ランダムアクセスチャネル番号を通知する「基地局装置」を、ハンドオーバ元の基地局装置に限定するとともに、通知される「ランダムアクセスチャネル番号」を、複数のランダムアクセスチャネルのそれぞれに付与された異なるランダムアクセスチャネル番号のうちの1つであると限定するものである。

上記補正事項d.は、ランダムアクセスプリアンブルの送信先を、ハンドオーバ先の基地局装置に限定するものである。

したがって、本件補正は、特許請求の範囲を限定的に減縮するものである。

そこで、本件補正後の前記請求項3に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

3.引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2007/052746号(以下、「引用例」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は、当審が付与)。

(a)段落[0002]?[0005]
「[0002] 従来の移動通信システムでは、移動局UEと無線基地局NodeBとの間で通信リンクが形成されていない場合、移動局UEは、何らかの手段で無線基地局NodeBに信号を送信する必要がある。
[0003] 移動局UEは、物理レイヤのランダムアクセスチャネル(Random Access Channel、以下、RACH)を用いて、移動局UEからの送信電力を決定することができる。
[0004] RACHを介して無線基地局NodeBに信号を送信する方法の例として、移動局UEが必要な時に随時1つのランダムアクセス要求を送信し、無線基地局NodeBからランダムアクセス要求の確認応答が受信できないことで失敗を知るパワーランピングを用いる方法がある。
[0005] W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)における、パワーランピングの例を示す。まず、移動局UEが、無線基地局NodeBにプリアンブル信号をランダムアクセス要求として送信する。ここで、移動局UEは、段階的に送信電力を上げてランダムアクセス要求を送信する。」

(b)段落[0032]?[0036]
「[0032] 本実施形態に係る移動通信システムは、図1に示すように、複数の無線基地局eNodeB#1及びeNodeB#2と、複数の無線基地局eNodeB#1及びeNodeB#2を制御するセントラルノード(例えば、アクセスルータや無線回線制御局RNC等)とを具備する。
[0033] 本実施形態に係る移動通信システムにおいて、各移動局UEは、ランダムアクセス制御によって、在圏セルを管理する無線基地局eNodeB及びセントラルノード(アクセスルータ,あるいは無線制御装置など)を介して、パケット通信を開始するように構成されている。
[0034] 図2に示すように、移動局UEは、RACH情報取得部11と、RACH情報記憶部12と、ランダムアクセス要求送信部13と、ランダムアクセス応答受信部14と、割当要求送信部15と、割当応答受信部16と、パケットランダムアクセス要求送信部17と、パケットランダムアクセス応答受信部18と、通信部19とを具備している。
[0035] RACH情報取得部11は、在圏セルによって送信された報知チャネル又は当該移動局UEに割り当てられた下り共有チャネルを介して通知されるRACH情報を取得して、RACH情報記憶部12に格納するように構成されている。
[0036] 例えば、RACH情報取得部11は、当該移動局UEのハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBから、当該RACH情報を取得するように構成されていてもよい。」

(c)段落[0039]
「[0039] また、RACH情報には、ランダムアクセスチャネルを識別する情報や、無線基地局eNodeBによって当該無線基地局eNodeB配下のセルに在圏する移動局UEに対して割り当てられている移動局情報等が含まれている。」

(d)段落[0042]
「[0042] ここで、移動局情報は、ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBによって指定された当該移動局UEが用いるべきプリアンブル信号のパターン(RACHのシグネチャ)であってもよい(図4参照)。」

(e)段落[0045]?[0048]
「[0045] ここで、ランダムアクセスチャネルとしては、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規定されているRACH(Random Access Channel)等が想定されるので、以下、かかるランダムアクセスチャネルをRACHと記載することとする。
[0046] RACH情報には、具体的には、RACHや当該RACHに対応する下り共有制御チャネルや下り共有データチャネルに割り当てられる無線リソースを特定するための情報が含まれている。
[0047] ここで、上述の無線リソースを特定するための情報は、周波数リソース(周波数帯域)、時間リソース(タイムスロット、TTI)、符号リソース(拡散符号)、又は、これらの組み合わせを特定するものとする。
[0048] また、RACH情報には、上述の無線リソースを特定するための情報が複数含まれていてもよい。」

(f)段落[0053]?[0054]
「[0053] また、ランダムアクセス要求送信部13は、かかる移動局情報として、上述のRACHのシグニチャ(図4参照)を含むランダムアクセス要求を形成して送信するように構成されていてもよい。
[0054] 具体的には、ランダムアクセス要求送信部13は、ハンドオーバ時等に無線基地局eNodeBによって指定されたプリアンブル信号のパターン(例えば、図4に示す16ビットのアダマール系列)を含むランダムアクセス要求を形成して送信するように構成されていてもよい。」

(g)段落[0095]
「[0095] ここで、図6乃至図9に示す例では、周波数ブロックA内に、RACHが割り当てられるように構成されている。なお、図6の例では、周波数ブロックA内で、複数のRACHが符号分割(CDMA)多重されており、図7の例では、周波数ブロックA内で、複数のRACHが時分割(TDMA)多重されており、図8の例では、周波数ブロックA内で、複数のRACHが周波数分割(FDMA)多重されており、図9の例では、周波数ブロックA内で、複数のRACHが符号分割(CDMA)多重されている。」

したがって、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

移動通信システムにおいて、各移動局UEは、ランダムアクセス制御によって、在圏セルを管理する無線基地局eNodeB及びセントラルノード(アクセスルータ、あるいは無線制御装置など)を介して、パケット通信を開始するように構成され、
周波数ブロックA内に複数のRACHが時分割(TDMA)多重されており、
移動局UEは、RACH情報取得部11と、RACH情報記憶部12と、ランダムアクセス要求送信部13と、ランダムアクセス応答受信部14と、割当要求送信部15と、割当応答受信部16と、パケットランダムアクセス要求送信部17と、パケットランダムアクセス応答受信部18と、通信部19とを具備し、
RACH情報取得部11は、当該移動局UEのハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBから、当該RACH情報を取得するように構成され
RACH情報には、ランダムアクセスチャネルを識別する情報や、無線基地局eNodeBによって当該無線基地局eNodeB配下のセルに在圏する移動局UEに対して割り当てられている移動局情報等が含まれ、
移動局情報は、ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBによって指定された当該移動局UEが用いるべきプリアンブル信号のパターン(RACHのシグネチャ)であり、
RACH情報には、RACHに割り当てられる無線リソースを特定するための情報が含まれており、
上述の無線リソースを特定するための情報は、周波数リソース(周波数帯域)、時間リソース(タイムスロット、TTI)、符号リソース(拡散符号)、又は、これらの組み合わせを特定するものであり、
また、RACH情報には、上述の無線リソースを特定するための情報が複数含まれていてもよく、
ランダムアクセス要求送信部13は、ハンドオーバ時等に無線基地局eNodeBによって指定されたプリアンブル信号のパターンを含むランダムアクセス要求を形成して送信する、
移動局UE。

4.本願補正発明と引用発明の一致点・相違点
引用発明の移動通信システムが、「通信システム」であることは明らかである。

引用発明の移動局UEは、本願補正発明の「移動局装置」に相当する。

引用発明では、移動局UEは、プリアンブル信号のパターン(RACHのシグネチャ)をハンドオーバ先の無線基地局eNodeBから取得しているから、該プリアンブル信号のパターン(RACHのシグネチャ)は、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBから通知されているということができる。
そして、引用発明のプリアンブル信号のパターン(RACHのシグネチャ)は、本願補正発明における「シグネチャ」に相当し、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBと本願補正発明の「ハンドオーバ元基地局装置」とは、「基地局装置」という点で共通しているから、引用発明と本願補正発明とは、「シグネチャ」が「基地局装置から通知され」るという点で一致している。

引用発明のランダムアクセス要求は、プリアンブル信号のパターン(RACHのシグネチャ)を含むから、本願補正発明の「ランダムアクセスプリアンブル」に相当する。
また、引用発明の移動局UEは、上記プリアンブル信号のパターン(RACHのシグネチャ)を含むランダムアクセス要求を形成しており、プリアンブル信号のパターン(RACHのシグネチャ)に基づいてランダムアクセス要求を生成していることは明らかである。
したがって、引用発明と本願補正発明とは、「移動局装置」が、「シグネチャに基づいて」「ランダムアクセスプリアンブル」を「生成し」ているという点で一致している。

引用発明では、複数のRACHが周波数ブロックA内に時分割多重されており、それぞれのRACHに異なる無線リソース(周波数リソース、時間リソース及び符号リソースの組み合わせ)が割り当てられることは技術常識であるから、RACHに割り当てられる無線リソースを特定するための情報は、ランダムアクセスチャネルを特定するための情報であって、複数のランダムアクセスチャネルのそれぞれで異なる情報であるといえる。
そして、本願補正発明の「ランダムアクセスチャネル番号」も、ランダムアクセスチャネルを特定するための情報であって、複数のランダムアクセスチャネルのそれぞれで異なるから、引用発明のRACHに割り当てられる無線リソースを特定するための情報と本願補正発明の「ランダムアクセスチャネル番号」とは、「複数のランダムアクセスチャネルのそれぞれで異なるランダムアクセスチャネルを特定するための情報」であるという点で一致している。

引用発明では、移動局UEは、RACHに割り当てられる無線リソースを特定するための情報を含むRACH情報を、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBから取得しているから、RACHに割り当てられる無線リソースを特定するための情報は、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBから通知されているということができ、引用発明と本願補正発明とは、「ランダムアクセスチャネルを特定するための情報」が、「基地局装置から通知され」るという点で一致している。

引用発明では、RACH情報に、上記無線リソースを特定するための情報が複数含まれていてもよく、このことは、上記無線リソースを特定するための情報が1つだけ含まれていてもよいことを意味するから、引用発明と本願補正発明とは、「基地局装置から通知され」る「ランダムアクセスチャネルを特定するための情報」が、「複数のランダムアクセスチャネルのそれぞれで異なるランダムアクセスチャネルを特定するための情報」のうちの「1つ」であるという点で一致している。

引用発明では、移動局UEが、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBから、RACHに割り当てられる無線リソースを特定するための情報を取得しているから、移動局UEが、当該無線リソースを特定するための情報によって特定されるランダムアクセスチャネルを使用して、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBにランダムアクセス要求を送信していることは明らかであって、該ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBは、本願補正発明の「ハンドオーバ先基地局装置」に相当する。
したがって、引用発明と本願補正発明とは、「移動局装置」が、「ランダムアクセスプリアンブルを、ランダムアクセスチャネルを使用してハンドオーバ先基地局装置に送信する」という点で一致し、さらに、「基地局装置から通知されたランダムアクセスチャネルを特定するための情報で特定されるランダムアクセスチャネルを使用してランダムアクセスプリアンブルをハンドオーバ先基地局装置に送信する」という点で一致している。

よって、本願補正発明と引用発明1の一致点・相違点は、次のとおりである。

[一致点]
「移動局装置が、基地局装置より通知されたシグネチャに基づいて生成したランダムアクセスプリアンブルを、ランダムアクセスチャネルを使用してハンドオーバ先基地局装置に送信する通信システムにおける移動局装置であって、
複数のランダムアクセスチャネルのそれぞれで異なるランダムアクセスチャネルを特定するための情報のうちの1つである前記基地局装置から通知されたランダムアクセスチャネルを特定するための情報で特定されるランダムアクセスチャネルを使用してランダムアクセスプリアンブルを前記ハンドオーバ先基地局装置に送信することを特徴とする移動局装置」である点。

[相違点1]
ランダムアクセスチャネルを特定するための情報として、本願補正発明は、ランダムアクセスチャネルに付与された「ランダムアクセスチャネル番号」を用いているのに対し、引用発明1は、「ランダムアクセスチャネルに割り当てられる無線リソースを特定するための情報」を用いている点。

[相違点2]
シグネチャ及びランダムアクセスチャネルを特定するための情報が、本願補正発明では、「ハンドオーバ元基地局装置」から通知されるのに対し、引用発明1は、「ハンドオーバ先の基地局装置」から通知される点。

5.相違点についての検討
[相違点1について]
引用発明の「ランダムアクセスチャネルに割り当てられる無線リソースを特定するための情報」は、ランダムアクセスチャネルに割り当てられた無線リソースを特定することができるのであれば、どのような情報でもよいことは明らかである。
そして、複数のもののなかから一つを特定する場合に、それぞれを識別するために複数のものそれぞれに異なる番号を付与し、当該番号によって、一のものを特定することは常套手段である。
したがって、相違点1に係る構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。

[相違点2について]
国際公開第2007/066882号(以下、「周知例1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。なお、当審訳として、特表2009-510887号公報を参考する。

・段落[48]?[50]
「[48] If the UE (10) needs to perform handover from the source eNB to an other particular cell, the source eNB (12) may transmit a handover request message to the target eNB (14) in order to request a handover for the UE to the target eNB. (S 12) Here, the handover request message may include a UE identification (ID) and/or a buffer state of the UE.
[49] If the target eNB (14) allows the handover to be performed for the UE upon receiving the handover request from the source eNB (12), the target eNB (14) may transmit a handover confirm message to the source eNB (12) (S13). The handover confirm message may include information that may be necessary in the course of connecting the UE (10) to the target cell. Namely, the necessary information may include information used in the RACH which is used for performing a radio access procedure from the UE to the target eNB. For example, when the RACH is being used while the UE accesses to the target eNB, the UE may utilize a preamble which is selected from signatures contained in the UE. System information transmitted from the eNB may include signatures related information. So, the UE may transmit the preamble to the eNB after selecting one of the signatures. However, in some cases, one or more UEs could select a same signature because there are a limited number of signatures. Therefore, if two or more UEs transmit the preamble of the same signature to the eNB at the same time, the eNB can not possibly determine which UE transmitted such preamble. To avoid this from happening, the UE should not transmit a preamble that is selected from the signatures used in the RACH during the handover, but rather, the UE may transmit a preamble of a previously defined signature through the handover confirm message from the target eNB. Here, the target eNB may acknowledge the mapping relationship between an UE's ID and the signature, where the UE's ID is transmitted from the Handover Request Message. Therefore, when the UE transmits the preamble to the target eNB for establishing a radio connection to the target cell, the target eNB may determine an ID of the UE using the preamble. Also, the Handover Confirm message may include a transmission characteristic of the preamble that is transmitted from the UE (10) to the target eNB (14). The transmission characteristic may relate to frequency and time used in transmitting the preamble information.
[50] If the source eNB (12) receives the Handover confirm message of the UE from the target eNB (14), the source eNB (12) may transmit a Handover Command message to the UE (10). (S 14) The Handover Command message may include necessary information which comes from the target eNB, for establishing the radio connection to the target eNB. Also, the Handover Command message may include information of the signature and the preamble which is to be used in the access procedure to the target eNB.」
(当審訳:[48] UE10を前記ソースeNBから他の特定セルにハンドオーバーさせる必要がある場合、ソースeNB12は、ターゲットeNB14にハンドオーバー要求(HandoverRequest)メッセージを送信して、UE10のハンドオーバーを要求する(S12)。ここで、前記ハンドオーバー要求メッセージは、UEのID及び/又はバッファ状態を含むことができる。)
[49] ソースeNB12から前記ハンドオーバー要求を受信して前記UEのハンドオーバーを許可する場合、ターゲットeNB14は、ソースeNB12にハンドオーバー確認(HandoverConfirm)メッセージを送信する(S13)。前記ハンドオーバー確認メッセージは、UE10をターゲットセルに接続する過程を行うときに必要な情報を含むことができる。すなわち、前記必要な情報は、前記UEが前記ターゲットeNBへの無線接続手順を行うために用いられるRACHで使用された情報を含むことができる。例えば、前記UEが前記ターゲットeNBに接続する過程でRACHを用いるとき、前記UEは前記UEに含まれるシグネチャーから選択された1つのプリアンブルを用いる。前記シグネチャー関連情報は、前記eNBから送信されるシステム情報に含まれる。従って、前記UEは、前記シグネチャーのいずれか1つを選択した後にプリアンブルを前記eNBに送信する。しかし、シグネチャーの数が限られているため、場合によっては1つ又はそれ以上のUEが同一のシグネチャーを選択する。従って、2つ又はそれ以上のUEが同時に同一のシグネチャーのプリアンブルを前記eNBに送信すると、前記eNBは、そのプリアンブルをどのUEが送信したか正確に判断できなくなる。これを防止するために、前記UEは、ハンドオーバー過程でRACHで用いられるシグネチャーから選択されたプリアンブルを送信するのではなく、前記ターゲットeNBからのハンドオーバー確認メッセージにより予め定められたシグネチャーのプリアンブルを送信する。ここで、前記ターゲットeNBは、前記ハンドオーバー要求メッセージにより伝達されたUEのIDと前記シグネチャー間のマッピング関係を知っている。すなわち、前記UEが前記ターゲットセルで無線接続を設定するためにプリアンブルを前記ターゲットeNBに送信すると、前記ターゲットeNBは、前記プリアンブルによって前記UEのIDを判断できる。また、前記ハンドオーバー確認メッセージは、UE10がターゲットeNB14に送信したプリアンブルの伝送特性を含むことができる。前記伝送特性は、前記プリアンブル情報の送信に使用された周波数及び時間に関連する。
[50] ターゲットeNB14から前記UEのハンドオーバー確認メッセージを受信すると、ソースeNB12は、UE10にハンドオーバー命令(HandoverCommand)メッセージを送信する(S14)。前記ハンドオーバー命令メッセージは、前記ターゲットeNBへの無線接続を設定するために前記ターゲットeNBから来る必要な情報を含むことができる。さらに、前記ハンドオーバー命令メッセージは、前記ターゲットeNBへの接続過程で使用されるシグネチャー及びプリアンブル情報を含むことができる。)

上記記載を技術常識に照らすと、次のことがいえる。

周知例1のRACHは、Random Access CHannelの略であり、ランダムアクセスチャネルといえる。

周知例1のUEは、User Equipmentの略であり、ユーザ装置といえる。

周知例1のeNBは、enhanced Node Bの略であり、基地局装置といえる。また、UEは、ソースeNBからターゲットeNBにハンドオーバするから、ソースeNB、ターゲットeNBは、それぞれハンドオーバ元基地局装置、ハンドオーバ先基地局装置といえる。

周知例1では、シグネチャは、ターゲットeNBからソースeNBに送信されるハンドオーバ確認メッセージにより予め定められ、該ハンドオーバ確認メッセージを受信したソースeNBがUEに送信するハンドオーバ命令メッセージにも該シグネチャが含まれるから、シグネチャは、ハンドオーバ先基地局装置からハンドオーバ元基地局装置に送信され、ハンドオーバ元基地局装置からユーザ装置に通知されているといえる。

周知例1のプリアンブル情報は、基地局装置に無線接続を設定するために、ランダムアクセスチャネルを使用して基地局装置に送信されるものであり、ランダムアクセスチャネルに所定の周波数帯域及び時間間隔が割り当てられることは周知であるから、周知例1のプリアンブル情報の送信に使用される周波数及び時間に関連する伝送特性は、ランダムアクセスチャネルを特定するための情報といえる。
そして、上記伝送特性は、ターゲットeNBからソースeNBに送信されるハンドオーバ確認メッセージに含まれており、さらに、ソースeNBからUEに送信されるハンドオーバ命令メッセージには、ターゲットeNBへの無線接続を設定するために前記ターゲットeNBから来る必要な情報が含まれることからして、該伝送特性が、ハンドオーバー命令メッセージにも含まれることは明らかである。

したがって、周知例1では、シグネチャ及びランダムアクセスチャネルを特定するための情報が、ハンドオーバ先基地局装置からハンドオーバ元基地局装置に送信され、ハンドオーバ元基地局装置からユーザ装置に通知されているといえる。

また、「Motorola,” Contention and Non-Contention Based Intra-LTE Handoff”, [online], R2-062897, 3GPP, 9 October 2006, 」(以下、「周知例2」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

・2頁6行?13行
「Option 2 In this case the target cell Timing Advance information is also not known to the UE performing handoff. However the target cell can assign to the UE a specific combination of random access signature and random access TDD/FDD region and by doing that it can prevent collisions - thus making the handoff non-contention based. Target eNode B can assign to the UE specific RACH resources in the handoff preparation stage: it can send the selected combination to the source eNode B first, which would then relay this information to the UE (e.g. in the Handover Command message, figure 9.1.5 in [1]). Because of complexity reasons Target eNode B would select the signature and slot combination from the pool of signatures (and potentially TDD/FDD slots) which are reserved in advance for handoff purposes.」
(当審訳:オプション2 この場合も、ターゲットセルのタイミングアドバンス情報は、ハンドオフを実行するUEに認識されていない。しかしながら、ターゲットセルは、ランダムアクセスシグネチャとランダムアクセスTDD/FDD領域の固有の組合せを、UEに割り当てることができ、そうすることによって、それは、衝突を防ぐことができる-つまり、ハンドオフをノンコンテンションベースにする。ターゲットeNode Bは、ハンドオフ準備段階において、UEに固有のRACHリソースを割り当てることができる。それは、選択された組合せをソースeNode Bにまず送信することができ、ソースeNode Bは、その後、この情報をUEに転送する(例えば、文献[1]の図9.1.5のハンドオーバコマンドメッセージで)。複雑さの理由のために、ターゲットeNode Bは、ハンドオフ目的のために前もって予約されているシグネチャ(と潜在的にはTDD/FDDスロット)のプールから、シグネチャとスロットの組合せを選択する。)

上記記載を技術常識に照らすと、次のことがいえる。

ハンドオフを、ハンドオーバとも呼ぶことは周知である。

周知例2のUEは、User Euipmentの略であり、ユーザ装置といえる。

周知例2のeNode Bは、enhanced Node Bの略であり、基地局装置といえる。また、UEは、ソースeNode BからターゲットeNode Bにハンドオフするから、ソースeNode B、ターゲットeNode Bは、それぞれハンドオーバ元基地局装置、ハンドオーバ先基地局装置といえる。

ランダムアクセスチャネルに、所定の周波数帯域及び時間間隔が割り当てられることは技術常識であるから、周知例2のランダムアクセスTDD/FDD領域は、ランダムアクセスチャネルを特定するための情報といえる。

周知例2のターゲットeNode Bは、ランダムアクセスシグネチャとランダムアクセスTDD/FDD領域の組合せをソースeNode Bに送信し、その後、ソースeNode Bは、その情報をハンドオーバコマンドメッセージでUEに転送するから、周知例2では、シグネチャ及びランダムアクセスチャネルを特定するための情報を、ハンドオーバ先基地局装置からハンドオーバ元基地局装置に送信し、ハンドオーバ元基地局装置からユーザ装置に通知しているといえる。

よって、周知例1及び2から、「シグネチャとランダムアクセスチャネルを特定するための情報を、ハンドオーバ先基地局装置からハンドオーバ元基地局装置に送信し、ハンドオーバ元基地局装置からユーザ装置に通知すること」は、周知である(以下、「周知技術」という。)。

引用発明では、ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBから、シグネチャ及びランダムアクセスチャネルを特定するための情報を移動局UEに通知しているが、どこを経由して通知するかは設計的事項に属する事項である。
また、シグネチャとランダムアクセスチャネルを特定するための情報を、ハンドオーバ先基地局装置からハンドオーバ元基地局装置に送信し、ハンドオーバ元基地局装置からユーザ装置に通知することは、周知技術である。
したがって、引用発明において、シグネチャとランダムアクセスチャネルを特定するための情報を移動局UEに通知する場合に、「ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBから通知する」ことを、ハンドオーバ先の無線基地局eNodeBからハンドオーバ元の無線基地局eNodeBに送信し、ハンドオーバ元の無線基地局eNodeBから移動局UEに通知するようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。

よって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

6.むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について

平成25年9月9日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項3に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成22年12月28日付け願書に添付した特許請求の範囲の請求項3に記載された事項により特定されるものである。

1.刊行物及び引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物及び引用発明は、前記「第2 平成25年9月9日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「3.引用発明」に記載したとおりである。

2.対比・判断
本願発明は、前記「第2 平成25年9月9日付けの手続補正についての補正却下の決定」で検討した本願補正発明から、付された限定を省いたものである。

そうすると、本願発明を特定する事項をすべてを含み、さらに、他の構成要件を付したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 平成25年9月9日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「4.本願補正発明と引用発明の一致点・相違点」及び「5.相違点についての検討」に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.むすび
以上のとおり、本願の請求項3に係る発明は、刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-10-10 
結審通知日 2014-10-14 
審決日 2014-10-28 
出願番号 特願2010-293075(P2010-293075)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H04W)
P 1 8・ 121- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 倉本 敦史  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 江口 能弘
寺谷 大亮
発明の名称 通信システム、基地局装置及び移動局装置  
代理人 加藤 和詳  
代理人 西元 勝一  
代理人 中島 淳  
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