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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G06F 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する G06F 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G06F |
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管理番号 | 1299593 |
審判番号 | 訂正2015-390001 |
総通号数 | 186 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-06-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2014-12-26 |
確定日 | 2015-02-19 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5524148号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5524148号に係る明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1.請求の趣旨および訂正の内容 1.請求の趣旨 本件審判の請求の趣旨は、特許第5524148号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものである。 2.訂正の内容 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「キーボードの接続されたと判定されると、前記第2のキーボードドライバを実行する判定実行手段と、」 とあるのを、 「キーボードが接続されたと判定されると、前記第2のキーボードドライバを実行する判定実行手段と、」 と訂正する。 (2)訂正事項2 願書に添付した明細書の段落【0004】に 「キーボードの接続されたと判定されると、前記第2のキーボードドライバを実行する判定実行手段と、」 とあるのを、 「キーボードが接続されたと判定されると、前記第2のキーボードドライバを実行する判定実行手段と、」 と訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1で最初に登場する「キーボード」との記載の後に請求項1中で登場する「キーボード」との記載(3箇所、「キーボードドライバ」との記載を除く)を、「前記キーボード」と訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項2に登場する「キーボード」との記載(「キーボードドライバ」との記載を除く)を、「前記キーボード」と訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項1?3の「キーボード」との記載(6箇所、「キーボードドライバ」との記載を除く)を、「外付けキーボード」と訂正する。 (6)訂正事項6 願書に添付した明細書の段落【0004】?【0008】の「キーボード」との記載(9箇所、「キーボードドライバ」との記載を除く)を、「外付けキーボード」と訂正する。 第2.当審の判断(訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の当否) 1.訂正事項1について (1)訂正の目的 訂正事項1に係る「キーボード」と「接続された」とは、請求項1に係る発明の内容からみて、主語-述語の関係にあることは明らかであって、「キーボード」に続く助詞として主格を表す「が」を用いるのが正しく、「の」を用いたのは誤記であることは明らかである。したがって、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とするものである。 (2)新規事項 上述したように、訂正事項1は単に誤記を訂正するものであるから、訂正事項1は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更 上述したように、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とするものであって、この訂正の前後で特許請求の範囲は変わらないものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 2.訂正事項2について (1)訂正の目的 訂正事項2は、上記訂正事項1に係る「キーボードが接続された」とする訂正(特許請求の範囲の訂正)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とが整合するように、発明の詳細な説明の段落【0004】を訂正するものであり、記載が整合せず不明瞭であったものを明瞭にするものであるから、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項 上述したように、訂正事項2は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正事項1の記載と整合させるものであるから、訂正事項2は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更 上述したように、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない訂正事項1の記載と整合させる訂正をするものであるから、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 3.訂正事項3について (1)訂正の目的 請求項1で最初に登場する「キーボード」と、その後に請求項1に登場する「キーボード」(3箇所)は、同じキーボードを指すのか否かは明瞭でないが、最初の「キーボード」に続く後の3箇所の「キーボード」を「前記キーボード」と訂正することにより、請求項1に登場する全ての「キーボード」は同じものであることが明瞭になるものである。したがって、訂正事項3は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項 当初明細書の【0028】、【0029】、【0032】には、「キーボード3がコンピュータ1に接続されていないとき」、「キーボード3が接続されたと判定された場合」、「キーボード3でのコンピュータ1への入力が可能となる」と記載されている。すなわち、請求項1でいう「キーボードが接続されていない」、「キーボードが接続された」、「キーボードが接続されたと判定される」、「キーボードによる入力が可能となる」との記載の「キーボード」を何れも同じキーボード3とした実施例が記載されている。 したがって、請求項1の上記4箇所に記載された「キーボード」が同じものを指すとする訂正事項3は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更 上述したように、訂正事項3は、請求項1に登場する全ての「キーボード」は同じものであることを明瞭にするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 4.訂正事項4について (1)訂正の目的 請求項2の「キーボード」と、請求項1に登場する「キーボード」は、同じキーボードを指すのか否かは明瞭でないが、請求項2の「キーボード」を「前記キーボード」と訂正することにより、請求項2の「キーボード」と請求項1に登場する「キーボード」は同じものであることが明瞭になるものである。 したがって、訂正事項4は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項 当初明細書の【0031】には、「中央制御装置10は、キーボード3の中央制御装置30と通信して、ROM30aに記憶されたキーボード種別データ314(図2(b)参照)を読み出す処理を実行する。ここで、キーボードの種別とは、例えば、101/102英語キーボード、106 日本語(A01)キーボードと言った種別である。そして、中央制御装置10は、キーボード種別データ314を読み出し、このキーボード種別データ314に基づいて、HDD12からキーボードドライバ124(図2(a)参照)を検索して読出し、次にS24の処理を実行する。」と記載されている。すなわち、請求項2でいう「接続されたキーボードの種類」、請求項1でいう「キーボードが接続されていない」、「キーボードが接続された」、「キーボードが接続されたと判定される」、「キーボードによる入力が可能となる」との記載の「キーボード」を何れも同じキーボード3とした実施例が記載されている。 したがって、請求項2の「キーボード」と請求項1に登場する「キーボード」が同じものを指すとする訂正事項4は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更 上述したように、訂正事項4は、請求項2の「キーボード」が請求項1に登場する「キーボード」が同じものであることを明瞭にするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 5.訂正事項5について (1)訂正の目的 訂正事項5に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項1-3に記載された「キーボード」を「外付けキーボード」に限定するものであるから、訂正事項5は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項 当初明細書の【0046】には、「従って、本実施形態のコンピュータシステムを用いると、キーボード3をコンピュータ1に接続するだけで、使い慣れたキーボード3で使い慣れた設定でコンピュータ1を操作することが可能となり、また、ICM34a?34cにより、使い慣れた状態に保存されたデータをいつでも利用することができるため、使い慣れないパソコンでも手軽に扱うことができる。また、このコンピュータシステムを用いると、コンピュータ1を散点的に配置しておけば、キーボード3を持ち歩くだけで、どのコンピュータ1もユーザーの利用しやすい環境で利用することができる。」と記載されている。すなわち、ユーザがキーボードをコンピュータに接続して操作することが記載されており、このようなキーボードを「外付けキーボード」と呼ぶのは普通のことであるから、当初明細書には、「外付けキーボード」が記載されているといえる。 したがって、訂正事項5は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更 訂正事項5に係る訂正は、上述したように、「キーボード」を「外付けキーボード」に限定することにより、特許請求の範囲を減縮するものであるから、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 6.訂正事項6について (1)訂正の目的 訂正事項6は、上記訂正事項5に係る「外付けキーボード」とする訂正(特許請求の範囲の訂正)に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とが整合するように、発明の詳細な説明の段落【0004】-【0007】を訂正するものであり、記載が整合せず不明瞭であったものを明瞭にするものであるから、訂正事項6は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項 上述したように、訂正事項6は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正事項5の記載と整合させるものであるから、訂正事項6は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更 上述したように、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない訂正事項5の記載と整合させる訂正をするものであるから、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 第3.当審の判断(独立特許要件) 請求項1-3に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正を含むものであるから、訂正後の請求項1-3に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けられるものでなければならないが、訂正後の請求項1-3に係る発明について、特許出願の際独立して特許を受けられないとする理由はない。 第4.むすび 以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第2号、第3号に掲げる事項を目的とするものあり、また、同法同条第5項、第6項、第7項に規定する要件に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 コンピュータ装置 【技術分野】 【0001】 本発明は、コンピュータ装置に関する。 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0002】 近年パソコンは、仕事や生活に欠かせない家電製品の一つとなっている。 【0003】 本発明では、ホットプラグ等によりキーボードを接続可能なコンピュータ装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 上記目的を達成するための請求項1に記載のコンピュータ装置は、 外付けキーボードが接続されていないときに実行される第1のキーボードドライバと、 外付けキーボードが接続されたときに実行される第2のキーボードドライバと、 外付けキーボードが接続されたと判定されると、前記第2のキーボードドライバを実行する判定実行手段と、 を備え、 前記判定実行手段により前記第2のキーボードドライバが実行されると、外付けキーボードによる入力が可能となるものである。 【0005】 このコンピュータに対して外付けキーボードをコンピュータに接続するだけで、使い慣れた外付けキーボードでコンピュータを操作することができる。 【0006】 次に、請求項2に記載したコンピュータ装置のように、判定実行手段は、接続された外付けキーボードの種類に応じた第2のキーボードドライバを実行するようにしてもよい。 【0007】 外付けキーボードには複数の種類があるので、それぞれに対応した入力が可能となる。 【0008】 なお、本発明のコンピュータ装置は、判定実行手段により外付けキーボードの接続が検出されると、第1のキーボードドライバを停止するようにしてもよい。 【図面の簡単な説明】 【0018】 【図1】本実施形態のコンピュータシステムで用いられるコンピュータ1及びキーボード3の内部構成を示すブロック図である。 【図2】本実施形態で用いられるコンピュータ1のHDD12や、キーボード3の中央制御装置30のROM30aに記憶されたプログラムやデータをブロックで示した説明図で、(a)はHDD12、(b)はROM30aのブロック図である。 【図3】本実施形態で用いられるキーボード3の外観を説明するための説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はキーボード3を折り畳んだ様子を示す側面図である。 【図4】本実施形態で用いられるコンピュータ1のモニタ14に表示される画面の説明図で、(a)はキーボードのコンピュータへの未接続時、(b)はキーボードのコンピュータへの接続時にモニタ14に表示される画面である。 【図5】常時処理のフローチャートである。 【図6】接続時処理のフローチャートである。 【発明を実施するための形態】 【0019】 以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。 図1は、本実施形態のコンピュータシステムで用いられるコンピュータ1及びキーボード3の内部構成を示すブロック図、図2は、コンピュータ1のHDD12や、キーボード3の中央制御装置30のROM30aに記憶されたプログラム(一点鎖線)やデータ(実線)をブロックで示した説明図で、(a)はHDD12、(b)はROM30aのブロック図、図3は、キーボード3の外観を説明するための説明図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はキーボード3を折り畳んだ様子を示す側面図、図4は、コンピュータ1のモニタ14に表示される画面の説明図で、(a)はキーボード3のコンピュータへの未接続時、(b)はキーボード3のコンピュータ1への接続時にモニタ14に表示される画面である。 【0020】 本実施形態のコンピュータシステムは、図1に示すように、コンピュータ1およびキーボード3を備えている。 コンピュータ1は、CPU、ROM、RAM等からなる中央制御装置10と、各種プログラムや各種データを記録可能なハードディスク12(以下HDD12という)と、中央制御装置10で実行される処理に従って各種画面を表示するモニタ14と、ホットプラグ(活線接続)可能に構成され、キーボード3その他の周辺機器をコンピュータ1に対し通信可能に接続可能なUSB規格のインターフェイス回路16と、フロッピーディスクドライブその他の機器18とを備えている(フロッピー:商標名)。中央制御装置10は、これら各装置12?18と互いに通信して、本実施形態のコンピュータシステム、その他の処理を実行する。 【0021】 このように構成されたコンピュータ1のうち、HDD12には、図2(a)に示すような各種プログラムや各種データが記憶されている。 記憶されているプログラムは、オペレーティングシステム(以下「OS」という:例えばWindows(商標名)などが適用できる)120、本実施形態のコンピュータシステム122、キーボードドライバ124、仮想キーボードドライバ125、ICメモリドライバ126、アプリケーションソフト128、その他129に関するものである。尚、キーボードドライバ124、ICメモリドライバ126については、本実施形態のコンピュータ1は、様々な種類のキーボード、ICメモリーのそれぞれに適用可能な複数のドライバを備えているが、ここでは説明簡単のためそれぞれ一種類のドライバしか記載していない。また、アプリケーションソフト128についても、同様である。 【0022】 記憶されているデータは、コンピュータ1にインストールされているアプリケーションソフトの一覧を示すリストデータ130、各アプリケーションソフト起動用のアイコンの画像データ132、アプリケーションソフト128等を利用することによりユーザーが作成したユーザーデータ134、その他のデータ136である。尚、アイコンの画像データ132も、説明簡単のため、一つしか記載していない。 【0023】 キーボード3は、図1に示すように、MPU、ROM30a、RAM等からなる中央制御装置30と、複数のキーからなるキー群32と、各種プログラムや各種データを記録可能なICメモリー34a?34c(以下ICM34a?34c)と、コンピュータ1に対しキーボード3を通信可能に接続可能なUSB規格のインターフェイス回路36とを備えている。このうち、中央制御装置30は、キー群32、インターフェイス回路36と互いに通信して、本実施形態のコンピュータシステムについての処理や、キー群32を操作して入力を行うキー入力の機能に必要な処理やその他の処理を実行する。また、インターフェイス回路36はハブ機能を有しており、そのため、キーボード3をコンピュータ1に接続すると、コンピュータ1は、中央制御装置30及びキー群32と、各ICメモリー34a?34cに対し、それぞれ別々に通信することができる。また、キーボード3は、図3に示すように、長さ方向の中央部分にヒンジ部39を備え、このヒンジ部39を中心に二つ折りに畳むことができるように構成されている。 【0024】 このように構成されたキーボード3のうち、ROM30aには、図2に示すような各種プログラムや各種データが記憶されている。 記憶されているプログラムは、キー入力300、その他302に関するものである。 【0025】 記憶されているデータは、ユーザーのキーボード3の個人設定に関する情報である個人設定データ310、ユーザーが使用するものとして予め設定したアプリケーションソフトの一覧を示す個人リストデータ312、キーボードの種類を示すキーボード種別データ314、各ICメモリ34a?34cを起動するための起動データ316、各ICメモリ34a?34cを停止するための停止データ318、その他のデータ320である。 【0026】 上記のように構成されたコンピュータ1では、電源が投入されると、中央制御装置10が、OS120をHDD12から読み出して実行する。すると、中央制御装置10は、OS120での処理に従って、コンピュータ1が備えている機器や、コンピュータ1に接続されている周辺機器用のドライバをHDD12から読み出して実行する。このとき、本実施形態では、図4(a)に示すように、インターネット用のアイコン14aと、コンピュータ1あるいはコンピュータ1に接続されているドライブにアクセスするためのフォルダ14b(Windows(商標名)の初期設定では「マイコンピュータ」という名で表示されるフォルダに相当する。)だけを表示する設定で起動する。 【0027】 一方、本実施形態の中央制御装置10は、OS120とは別に、コンピュータ1の電源投入時に、本実施形態のコンピュータシステム122も実行している。 以下、本実施形態のコンピュータシステムについて説明するが、まずは、キーボード3の接続の有無に関わらず実行される常時処理について説明する。 【0028】 ここで、図5は、キーボード3がコンピュータ1に接続されていないときにコンピュータ1の中央制御装置10で実行される常時処理のフローチャートである。 中央制御装置10は、この常時処理を開始すると、HDD12から仮想キーボードドライバ125を読み出して実行する(S10)。OS120を実行すると、OS120からコンピュータ1にキーボードが接続されていることを前提として、そのキーボードの種別を判定したり、キーボードの初期化を行ったり、キーボードドライバを実行するなどの処理が行われるので、本実施形態では、この仮想キーボードドライバ125を実行して、これらの処理に対応している。そして、OSが立ち上がって、このS10での処理が終了すると、次にS12の処理を実行する。 【0029】 S12では、中央制御装置10は、キーボード3がコンピュータ1に接続されたか否かを判定する処理を実行する。本実施形態のインターフェイス回路16は、ホットプラグ(活線接続)が可能な回路であり、キーボード3が接続されると、その旨を伝える接続信号が中央制御装置10に出力される。そのため、ここ(S12)では、中央制御装置10は、この接続信号が入力されたか否かにより、キーボード3がコンピュータ1に接続されたか否かを判定している。そしてこの判定(S12)で、キーボード3が接続されていないと判定された場合は(S12:NO)、S14の処理を実行する。一方、この判定(S12)で、キーボード3が接続されたと判定された場合は(S12:YES)、S20の処理を実行する。尚、S14?S18の処理は、S20以降の処理の説明が終わった後に説明する。 【0030】 S20では、中央制御装置10は、キーボード3がコンピュータ1に接続されていることを示す後述するONフラグが中央制御装置10に立っているか否かを判定する。この判定で、ONフラグが立っていると判定されたら(S20:YES)、再びS12の処理を実行し、ONフラグが立っていないと判定されたら(S20:NO)、次にS22の処理を実行する。 【0031】 S22の処理では、S12でキーボード3の接続が検出されていると、この処理を開始する時までにすでに、インターフェイス回路16を介してコンピュータ1側からキーボード3に電源が供給され、中央制御装置30が処理を開始しているので、中央制御装置10は、キーボード3の中央制御装置30と通信して、ROM30aに記憶されたキーボード種別データ314(図2(b)参照)を読み出す処理を実行する。ここで、キーボードの種別とは、例えば、101/102英語キーボード、106 日本語(A01)キーボードと言った種別である。そして、中央制御装置10は、キーボード種別データ314を読み出し、このキーボード種別データ314に基づいて、HDD12からキーボードドライバ124(図2(a)参照)を検索して読出し、次にS24の処理を実行する。 【0032】 S24では、中央制御装置10は、再び中央制御装置30と通信して、ROM30aに記憶された個人設定データ310(図2(b)参照)を読み出す処理を実行する。そして、中央制御装置10は、その読み出したキーボード種別データ314に基づいて、S22で読み出したキーボードドライバ124を更新し、その更新したキーボードドライバ124を実行する。これ以後、キーボード3でのコンピュータ1への入力が可能となる。そして、S10で処理を開始した、仮想キーボードドライバを停止する。 【0033】 尚、キーボード3では、電源の供給が開始されると、中央制御装置30がキー入力のプログラムを開始し、キー群32のスキャンを開始して操作されたキーに対応するスキャンコードをコンピュータ1に送信する処理を開始する。キーボードドライバ124は、そのスキャンコードをOS120で処理可能な対応する仮想キーコードに変換する処理を行う。ここで本実施形態でいうところの個人設定データ310は、ユーザーが個別に各キーに割り当てられていた設定を変更したことを示す情報で、例えば、左右にShiftキーがある場合に一方をTabキーに変更するといった類のものである。本実施形態では、HDD12に記憶されたキーボードドライバ124は初期設定の状態に保たれており、Shiftキーのスキャンコードに対しては、Shiftキーの仮想キーコードが割り当てられているが、本実施形態では、個人設定データ310により、例えば、Shiftキーのスキャンコードに対しては、Tabキーの仮想キーコードが割り当てられるよう、HDD12から中央制御装置10に読み出されたキーボードドライバ124を更新している。このようにすれば、どのコンピュータ1を用いても、ユーザーは、ユーザーが設定した個人設定データに基づいて、自分に慣れたキーボード3を使用して、慣れた入力方法でコンピュータ1への入力が行える。 【0034】 S26では、中央制御装置10は、さらに中央制御装置30と通信して、ROM30aに記憶された各ICM34a?34cを起動させるための起動データ316と、各ICM34a?34cを停止させるための停止データ318とを読み出す処理を実行する。これらの起動データ及び停止データは、各ICM34a?34cをコンピュータ1の一定のドライブにマウントさせるため、ドライバを指定する情報を含んでおり、本実施形態では、FドライブにマウントさせるICM34aについては、起動情報は、「KIDOU@F」、停止情報は「TEISHI@F」という情報となっている。ドライバを指定する情報は@以下の「F」である。その他、本実施形態では、ICM34bをGドライブ、ICM34cをHドライブにマウントするよう設定されている。 【0035】 S28では、中央制御装置10は、またさらに中央制御装置30と通信して、ROM30aに記憶された個人リストデータ312を読み出す処理を実行する。この個人リストデータ312は、ユーザーがコンピュータ1で使用するものとして予め設定したアプリケーションソフトの一覧を示す情報である。 【0036】 S30では、中央制御装置10は、S28で読み出した個人リストデータ312とHDD12に記憶されたリストデータ130とを照会する処理を実行し、両方のデータに含まれるアプリケーションに対応するアンコンの画像データ132をHDD12から読出し、図4(b)に示すように、その読み出した画像データ132に基づいてアイコン14c?14eをモニタ14に表示する処理を実行する。 【0037】 S32では、中央制御装置10は、以上のS20?S30までの処理を終了すると、キーボード3の設定が終了し、キーボード3によるコンピュータ1への入力が可能になったことを示すONフラグ(後述するS16で立てたOFFを消去する)を中央制御装置10内にたて、再びS12の処理を実行する。 【0038】 以上の処理を実行して、キーボード3がコンピュータ1に接続されているときに、キーボード3がコンピュータ1から切り離されると、S12において否定判定される。インターフェイス回路16は、キーボード3が切り離されると、その旨を伝える切断信号が中央制御装置10に出力される。そのため、ここ(S12)では、中央制御装置10は、この切断信号が入力されたか否かにより、キーボード3がコンピュータ1に接続されたか否かを判定している。そしてこの判定(S12)で、キーボード3が接続されていないと判定された場合は(S12:NO)、S14の処理を実行する。 【0039】 S14では、中央制御装置10は、キーボード3がコンピュータ1から切り離された事を示すOFFフラグが立てられているか否かを判定し、立てられている場合は再びS12の処理を実行し、立てられていない場合は、S16の処理を実行し、OFFフラグを立てる処理を実行する(ONフラグを消去する)。 【0040】 そして、S18では、中央制御装置10は、HDD12に記憶された仮想キーボードドライバのプログラムを呼び出す処理を読み出す処理を実行し、キーボードドライバ124の処理を停止し、また、後述する接続処理で、コンピュータ1にマウントされているICM34があったら、これをアンマウントして、再びS12の処理を実行する。 【0041】 次に、キーボード3がコンピュータ1に接続されているときに実行される接続時処理について説明する。 ここで、図6は、接続時処理のフローチャートである。 【0042】 この接続時処理(S5)が開始されると、中央制御装置10は、S50の処理が実行される。 S50では、中央制御装置10は、ONフラグが中央制御装置10に立っているか否かを判定する。この判定で、ONフラグが立っていなければ(S50:NO)、再びS50の処理が開始され、ONフラグが立っていたら、S52の処理を実行する。 【0043】 S52では、中央制御装置10は、起動データ316あるいは停止データ318が入力されたか否かを判定する。具体的には、常時処理のS26で、コンピュータ1側に起動データ316及び停止データ318が読み込まれているので、スキャンコードが入力されるたび、その入力されたスキャンコードを順次記憶し、K→I→D→O→U→@→Fの順に記憶されたか、T→E→I→S→H→I→@→Fの順に記憶されたか否かを判定している。そして、この処理(S52)で、起動データ316、停止データ318のいずれの情報も入力されていないと判定された場合は(S52:NO)、再びS50の処理を実行する。 【0044】 一方、起動データ316が入力されたと判定された場合(S52:YES1)、中央制御装置10は、該当するドライブのICM34a?34cに起動情報を送信してICM34a?34cを起動させ、該当するドライブにICM34a?34cをマウントする処理を実行し(S54)、図4(b)に示すように、そのマウントしたドライブのフォルダ14fをモニタ14に表示して(S56)、再びS50の処理を実施する。他方、停止データが入力されたと判定された場合は(S52:YES2)、該当するドライブのICM34a?34cを停止すると共にアンマウントする処理を実行し(S58)、そのアンマウントしたドライブのフォルダ14fをモニタ14から消去して(S60)、再びS30の処理を実施する。 【0045】 以上説明したコンピュータシステムを用いると以下のような効果がある。 本実施形態では、キーボード3の設定をユーザーが使用しやすいように変更しているので、いずれのコンピュータ1に接続しても、その変更後の設定でキーボード3を利用することができる。また、本実施形態のコンピュータシステムで用いられるキーボード3にはICM34a?34cが備えられ、中央制御装置10でのS52の処理でICM34a?34cの起動命令を受けると、S54の処理でICM34a?34cがマウントするよう構成されている。 【0046】 従って、本実施形態のコンピュータシステムを用いると、キーボード3をコンピュータ1に接続するだけで、使い慣れたキーボード3で使い慣れた設定でコンピュータ1を操作することが可能となり、また、ICM34a?34cにより、使い慣れた状態に保存されたデータをいつでも利用することができるため、使い慣れないパソコンでも手軽に扱うことができる。また、このコンピュータシステムを用いると、コンピュータ1を散点的に配置しておけば、キーボード3を持ち歩くだけで、どのコンピュータ1もユーザーの利用しやすい環境で利用することができる。しかも、このコンピュータシステムでは、そのような環境を構築しつつ、しかし、起動命令がないとICM34a?34cが起動しないので、必要がなければICM34a?34cを起動しないことで、記憶されたデータを適切に保護することができる。また、本実施形態のキーボード3は折り畳み可能に構成されているので、携帯に便利である。 【0047】 また、本実施形態では、キーボード3は、ICM34a?34cをコンピュータ1にマウントするための起動データ134に含まれるドライブ情報をROM30aに記憶し、コンピュータ1の中央制御装置10は、このROM30aに記憶されたドライブ情報に基づくドライブにICM34a?34cをマウントしている。このようにすると、コンピュータ1にマウントされるときのドライブが一定なので、使い慣れないパソコンでもより一層手軽に扱うことができる。 【0048】 さらに、本実施形態では、キーボード3を操作してICM34a?34cの停止データ318を入力すると、その停止データ318に従って、コンピュータ1からICM34a?34cをアンマウントするよう構成されている。このようにすると、キーボード3を操作することにより、コンピュータ1にマウントされたICM34a?34cをコンピュータ1から自由に切り離すことができるので、例えば、接続が不要なICM34a?34cをコンピュータ1から切り離すことで、このICM34a?34cに記憶されたデータを確実に保護することができる。 【0049】 また、本実施形態では、キーボード3のROM30aに記録されたアプリケーションの個人リストデータHDD12のリストデータとを比較して一致するものがあれば、そのアプリケーションのアイコン14c?14eをモニタ14に表示している。そのため、このコンピュータシステムを用いると、キーボード3をコンピュータ1に接続すれば、キーボード3のユーザーが普段使用しているアプリケーションのアイコン14c?14eが、モニタ14に表示される。従って、このコンピュータシステムを用いると、使い慣れないコンピュータでもよりいっそう手軽に扱うことができる。 【0050】 さらに、本実施形態では、ICM34a?34cがコンピュータ1にマウントされると、コンピュータ1が備えるモニタ14に、マウントされたICM34a?34cのフォルダ14fが表示されるので、各ICM34a?34cへのアクセスが容易になる。 【0054】 尚、以上本発明の一実施形態ついて説明したが、本発明はこの実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。 【0055】 例えば、上記実施形態では、キーボード3のキー群を操作して、ICM34をマウントさせたり、アンマウントさせたりしているが、例えば、コンピュータ1側に、これらのICM34をマウントあるいはアンマウントさせるための専用の操作ボタン等が備えられ、これらを操作することによって、ICM34をマウントあるいはアンマウントさせる構成としてもよい。この場合の上記実施形態からの変更点としては、上記の操作ボタンを操作したときに、上述した起動データや停止データを中央制御装置10に出力する構成とすればよい。 【0056】 また、上記実施形態では、コンピュータ1にキーボード3を接続するコンピュータシステムについて説明したが、コンピュータ1は、いわゆるパソコンだけでなく、例えばテレビなどコンピュータを備えているものであれば、どのようなものでもよい。 【0057】 さらに、本実施形態のキーボード3は、マウス等ポインティングデバイスに関する操作装置と一体に構成されていてもよい。 【符号の説明】 【0058】 1…コンピュータ、3…キーボード、10…中央制御装置、12…ハードディスク、14…モニタ、16…インターフェイス回路、30…中央制御装置、32…キー群、34a?34c…ICメモリ、36…インターフェイス回路、39…ヒンジ部 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 外付けキーボードが接続されていないときに実行される第1のキーボードドライバと、 前記外付けキーボードが接続されたときに実行される第2のキーボードドライバと、 前記外付けキーボードが接続されたと判定されると、前記第2のキーボードドライバを実行する判定実行手段と、 を備え、 前記判定実行手段により前記第2のキーボードドライバが実行されると、前記外付けキーボードによる入力が可能となることを特徴とするコンピュータ装置。 【請求項2】 前記判定実行手段は、 接続された前記外付けキーボードの種類に応じた前記第2のキーボードドライバを実行することを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。 【請求項3】 前記判定実行手段により前記外付けキーボードが接続されたと判定されると、前記第1のキーボードドライバを停止することを特徴とする請求項1?2のいずれか1項に記載のコンピュータ装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2015-02-10 |
出願番号 | 特願2011-179761(P2011-179761) |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(G06F)
P 1 41・ 853- Y (G06F) P 1 41・ 852- Y (G06F) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 森田 充功 |
特許庁審判長 |
小曳 満昭 |
特許庁審判官 |
千葉 輝久 白石 圭吾 |
登録日 | 2014-04-18 |
登録番号 | 特許第5524148号(P5524148) |
発明の名称 | コンピュータ装置 |
代理人 | 名古屋国際特許業務法人 |
代理人 | 名古屋国際特許業務法人 |