• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G02B
管理番号 1301808
審判番号 訂正2015-390034  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2015-04-07 
確定日 2015-05-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5711839号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5711839号に係る明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに(全請求項)訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第5711839号(以下、「本件特許」という。)は、平成22年7月27日に出願した特願2010-167789号(以下「原出願」という。)の一部を平成26年5月9日に新たに出願したものであって、平成27年3月13日に特許権の設定登録がなされ、その後、同年4月7日付けで本件訂正審判の請求がなされたものである。


第2 請求の要旨
1.請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、「特許第5711839号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。

2.訂正事項
特許第5711839号発明の特許請求の範囲の請求項1の第1レンズ群の構成に関する「前記第1レンズ群は、最も物体側から順に、正の屈折率を有するレンズと、正の屈折率を有するレンズと、負の屈折率を有するレンズと、を有し、」との記載における「屈折率」を、「屈折力」と訂正することで、「前記第1レンズ群は、最も物体側から順に、正の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、」に訂正する。(以下「本件訂正事項」という。)


第3 当審の判断
1 本件訂正事項による訂正後の請求項1の記載は、下記のとおりである。

「物体側から像面側に順に、
正屈折力の第1レンズ群と、
正または負の屈折力を有する第2レンズ群と、
正屈折力の第3レンズ群とからなり、
前記第1レンズ群は、最も物体側から順に、正の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、
前記第1レンズ群の物体側面から前記第2レンズ群の物体側面の間に配置された明るさ絞りを有し、
前記第1レンズ群中の最物体側レンズと前記第3レンズ群中の最像側レンズは常時固定であり、
前記第2レンズ群が1つの負レンズ成分からなり、
前記負レンズ成分が単レンズであり、
遠距離から近距離へのフォーカシングに際して前記第2レンズ群のみが像側に光軸移動し、
前記第3レンズ群は、前記第3レンズ群中の最も大きい軸上空気間隔を挟んで物体側に配置された正屈折力のフロントサブレンズ群と像側に配置された負屈折力のリアサブレンズ群からなることを特徴とする結像光学系。」(下線は訂正された部分である。)


2 訂正の目的について

(1)光学レンズ分野における技術常識
ア 光学レンズにおいて、「入射した平行光束を収束させる働きを持つものを凸レンズ」、「発散させるものを凹レンズ」といい、レンズの両面の形状に応じて両凸レンズ、、平凸レンズ、凸凹レンズ(メニスカスレンズ)等といい、両面の相対的な曲率の違いに応じて中央が周囲より厚い場合は凸レンズとして、逆の場合は凹レンズとして働く、さらに、凸レンズを正レンズ、凹レンズを負レンズということのいずれも、技術常識である。

イ また、凸レンズの場合、無限遠からの入射光線がレンズを透過後、像側で焦点を結ぶび、レンズ中心から焦点までの距離を正の値で示される焦点距離として定義され、凹レンズの場合には、無限遠からの入射光線がレンズを透過後、像側で拡散し、拡散する光線を物体側に延長すると焦点を結び、レンズ中心からこの物体側の焦点までの距離を負の値で示される焦点距離として定義され、焦点距離の逆数がレンズの「屈折力」と定義されるから、正の「屈折力」は、凸レンズにおける像側焦点距離の逆数であり、負の「屈折力」は、凹レンズにおける物体側焦点距離の逆数であることも、光学技術における技術常識である。

ウ さらに「屈折率」は、「真空中の光速度cと媒質中の光速度(位相速度)vとの比c/v」(「理化学辞典」第5版、株式会社岩波書店、1998年12月25日、p59「屈折率」の項)であり、光学レンズ技術一般において、光速度に負の速度は定義されないことから、「屈折率」として、負の値がないことも明らかである。

(2)本件特許明細書における第1レンズ群の構成に関する記載
「【0052】
さらに、第1レンズ群について、以下の構成とすることが好ましい。
【0053】
前記第1レンズ群は、前記明るさ絞りの物体側に配置された2枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズを有することが好ましい。
【0054】
正の屈折力を複数の正レンズに分担し、負レンズを用いることで、球面収差やコマ収差、色収差の補正に有利となる。
【0055】
また、前記第1レンズ群は、物体側から像側に順に、正屈折力のレンズ成分と、正レンズと負レンズを有し物体側に凸面を向けた接合レンズ成分とからなることが好ましい。ただし、レンズ成分は、物体側面と像側面の2面のみが空気に接するレンズ体であり、単レンズまたは接合レンズを意味する。
【0056】
正の屈折力を物体側のレンズ成分と像側のレンズ成分の物体側面に分担し、像側のレンズ成分に負レンズを用いることで、球面収差やコマ収差、色収差の補正に有利となる。」

(3)上記本件特許明細書の第1レンズ群に関する記載においては、
「2枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズを有し、(【0053】)
正の屈折力を物体側のレンズ成分と像側のレンズ成分の物体側面に分担し、像側のレンズ成分に負レンズを用いること(【0056】)」
が記載されており、これは、物体側から、2枚の正レンズ、負レンズ、即ち、上記光学レンズの技術常識から、物体側から、2枚の凸レンズ(各レンズがそれぞれ正の屈折力を有することは明らか)、と1枚の負レンズ(負の屈折力を有することは明らか)となることは明らかである。

(4)また、本件特許明細書の上記(1)での摘記箇所には、「正の屈折率」及び「負の屈折率」を用いた説明どころか、「屈折率」を用いた説明もなされていない。
加えて、本件特許明細書全体においては、「屈折率」との技術用語は、【0141】?【0151】における数値実施例において「ndおよびνdはd線(λ=587.6nm)における屈折率およびアッべ数」として説明された数値データの説明のみであり、また、具体的な数値データにおいても、正の値のみが示され負の値は記載されておらず、「正の屈折率」及び「負の屈折率」として、新規なパラメータとしての定義がなされていないことも明らかである。

(5)したがって、上記(1)?(4)の点を踏まえれば、訂正前の請求項1に記載された「正の屈折率」及び「負の屈折率」がそれぞれ「正の屈折力」及び「負の屈折力」の誤記であることは、明らかである。

(6)まとめ
本件訂正事項は、誤記の訂正を目的とするものであり、特許法126条1項ただし書2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。


3 訂正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものであるかついて

(1)当初明細書等には、以下の記載がある。
ア 「【請求項12】 前記第1レンズ群は、前記明るさ絞りの物体側に配置された2枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズを有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1つに記載の結像光学系。
【請求項13】 前記第1レンズ群は、物体側から像側に順に、正屈折力のレンズ成分と、正レンズと負レンズを有し物体側に凸面を向けた接合レンズ成分とからなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載の結像光学系。」
イ 「【0087】 図2は実施例2の光学系の断面図である。図2(a)は実施例2の無限遠合焦時の光学系の断面図、図2(b)は実施例2の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0088】実施例2の光学系は、図2に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1に配置された明るさ絞りSを有する。
【0089】第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸正レンズL11、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13と、両凹負レンズL14と、明るさ絞りSと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL15と、からなる。」
ウ 「両凸正レンズ」が、正の屈折力を有する両凸レンズであり、「正メニスカスレンズ」が正の屈折力を有するメニスカスレンズであり、「負メニスカスレンズ」が、負の屈折力を有するメニスカスレンズであることは、技術常識である。

(2)上記ア?ウから、「第1レンズ群は、最も物体側から順に、正の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有」することは、当初明細書等に記載された事項の範囲内のものである。

(3)したがって、本件訂正事項は、特許法126条5項の規定に適合する。


4.特許請求の範囲の実質上の拡張・変更について

(1)上記2で検討したように、「屈折率」を「屈折力」に訂正することは、誤記を訂正するものであって、この訂正により、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。

(2)したがって、本件訂正事項は、特許法126条6項の規定に適合する。


5 訂正後の発明が、独立して特許を受けることができるものであるかについて

(1)原出願の公開公報である特開2012-27349号公報との関係について
本件特許は、特願2010-167789(特開2012-27349号公報)の一部を新たな特許出願とするものであり、新規な事項を加えていないことは明らかであるから、特許法44条1項に規定する新たな出願である。したがって、上記特開2012-27349号公報は、本件特許の出願前に頒布された刊行物とはならない。

(2)特許法44条2項のみなし規定に基づき本件特許のもとの特許出願の時に出願されたとする本件特許の出願前に公開された特開2004-341512号公報(以下「引用文献1」という。)及び特開平11-258504号公報(以下「引用文献2」という。)との対比判断
本件特許の訂正後の請求項1に係る発明の特定事項である
「物体側から像面側に順に、
正屈折力の第1レンズ群と、
正または負の屈折力を有する第2レンズ群と、
正屈折力の第3レンズ群とからなり、
前記第1レンズ群は、最も物体側から順に、正の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有」する
点について、引用文献1及び引用文献2には記載されておらず、また、引用文献1及び引用文献2に記載された発明から、容易に想到し得たものとも言えない。
したがって、本件特許の訂正後の請求項1、及び訂正後の請求項1の記載を引用する形式で記載された請求項2?18に係る発明は、引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明し得たものではないから特許法29条2項に該当せず、特許出願の際独立して特許を受けることができないものでもない。

(3)また、上記訂正後の請求項1?18に係る発明は、他に、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由も発見しない。

(4)よって、本件訂正事項は、特許法126条7項の規定に適合する。


第4 むすび
本件審判の請求は、特許法126条1項ただし書2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条5項?7項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
結像光学系及びそれを用いた撮像装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置等に用いられる光学系に関し、主にミラーレスタイプのカメラにおける単焦点交換レンズに適する結像光学系及びそれを用いた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、全長を一定に保ち、インナーフォーカス方式を採用し、防塵、フォーカス動作時の防音に有利な結像光学系が知られている。特許文献1及び特許文献2に開示された結像光学系は、物体側から順に、正屈折力の第1レンズ群と、負屈折力の第2レンズ群と、明るさ絞りと、正屈折力の第3レンズ群とからなり、第1レンズ群と第3レンズ群を常時固定とし、遠距離から近距離へのフォーカシングに際して負屈折力の第2レンズ群を像側に移動させるものである。それにより、防塵、防音に有利としつつ、光学性能も良好な結像光学系としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】
特開平11-160617号公報
【特許文献2】
特開2005-321574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された結像光学系は、明るさ絞りよりも物体側に第1レンズ群とフォーカシング時に可動の第2レンズ群が配置される構成である。第1レンズ群と明るさ絞りとの距離が大であり、結果的に第1レンズ群の径が大きくなっている。
【0005】
本願発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、防音、防塵に有利であり、径方向を小さく抑えやすく、光学性能も確保しやすい結像光学系及びそれを用いた撮像装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る結像光学系は、以下のものである。
【0007】
物体側から像面側に順に、正屈折力の第1レンズ群と、正または負の屈折力を有する第2レンズ群と、正屈折力の第3レンズ群とからなり、前記第1レンズ群の物体側面から前記第2レンズ群の物体側面の間に配置された明るさ絞りを有し、前記第1レンズ群中の最物体側レンズと前記第3レンズ群中の最像側レンズは常時固定であり、前記第2レンズ群が1つの負レンズ成分からなり、前記負レンズ成分が単レンズであり、遠距離から近距離へのフォーカシングに際して前記第2レンズ群のみが光軸移動し、前記第3レンズ群は、前記第3レンズ群中の最も大きい軸上空気間隔を挟んで物体側に配置された正屈折力のフロントサブレンズ群と像側に配置された負屈折力のリアサブレンズ群からなることが好ましい。
【0008】
以下、このような構成をとった理由と作用を説明する。
【0009】
結像光学系の最も物体側のレンズと最も像側のレンズを常時固定とし、フォーカシングに際して第2レンズ群のみを光軸方向に移動させるインナーフォーカス方式の結像光学系とすることで、防塵性、防音性の確保に有利となる。
【0010】
そして、明るさ絞りを第2レンズ群よりも物体側に配置することで、結像光学系の大きさに最も影響する第1レンズ群の有効径を小さくでき、光学系の径方向のサイズを小さくしやすくなる。
【0011】
加えて、第1レンズ群の径方向のサイズを抑えることで、正屈折力の第1レンズ群の軸上厚みも小さく抑えやすくなる。それにより、結像光学系の小型化に有利となり、携帯性が向上する。
【0012】
一方、結像光学系の軽量化や遠距離から近距離の物体へのフォーカシングのための第2レンズ群の移動範囲の確保、収差補正を考慮すると、第3レンズ群が明るさ絞りから離れることになる。このとき、明るさ絞りが第2レンズ群よりも物体側にあるため、正屈折力の第3レンズ群は明るさ絞りからいっそう離れることになる。このとき、歪曲収差も含めた補正を行うためには、第3レンズ群では軸上収差と軸外収差の双方を考慮した構成とすることが好ましい。
【0013】
本発明においては、第3レンズ群中の最も大きい軸上空気間隔を挟んで物体側を正屈折力のフロントサブレンズ群とし、その軸上空気間隔の像側を負屈折力のリアサブレンズ群としている。
【0014】
このように、負屈折力のサブレンズ群を正屈折力の第3レンズ群中の像側に配置することで、正屈折力のフロントサブレンズ群での軸上収差をキャンセルする機能を保持しつつ、軸外光線入射高を高くすることで軸外収差(特に歪曲収差)をキャンセルする機能の確保にも有利となる。
【0015】
したがって、上述の構成とすることで、防音、防塵に有利であり、小型化と光学性能の確保に有利な結像光学系となる。
【0016】
上述の発明にて、更に以下の構成の少なくともいずれかを満足することが好ましい。
【0017】
前記第1レンズ群と前記第3レンズ群は常時固定であることが好ましい。
【0018】
第1レンズ群と第3レンズ群を移動させるための構造が必要ないため、メカ構成を簡略化でき好ましい。
【0019】
また、前記第3レンズ群中の前記リアサブレンズ群は、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
-10 < f3r/f3G < -0.05 (1)
ただし、
f3rは、前記リアサブレンズ群の焦点距離、
f3Gは、前記第3レンズ群の焦点距離
である。
【0020】
条件式(1)の下限を下回らないようにリアサブレンズ群の負の屈折力を確保することで、軸上収差と軸外収差(特に歪曲収差)の補正にいっそう有利となる。加えて結像光学系全体として望遠タイプとなり、光学系の全長の短縮にもつながる。
【0021】
条件式(1)の上限を上回らないようにリアサブレンズ群の負の屈折力を適度に抑えることで、補正オーバーを抑えられる。加えて、射出瞳を像面から離しやすくなり、シェーディングの低減に有利となる。
【0022】
また、前記第2レンズ群は、以下の条件式(2)を満足する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の結像光学系。
ことが好ましい。
0.1 < |f/f2G| < 5.0 (2)
ただし、
fは、前記結像光学系の焦点距離、
f2Gは、前記第2レンズ群の焦点距離
である。
【0023】
条件式(2)の下限を下回らないように正または負の屈折力を確保することで、フォーカシングの機能を確保できる。
【0024】
条件式(2)の上限を上回らないようにフォーカシングレンズ群の屈折力を適度に抑えることで、第2レンズ群の軽量化と、第2レンズ群の移動時の収差変動低減に有利となる。
【0025】
また、前記第3レンズ群中の前記フロントサブレンズ群と前記リアサブレンズ群との間の軸上距離は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.01 < D3Gfr/f3G < 0.5 (3)
ただし、
D3Gfrは、前記第3レンズ群中の前記フロントサブレンズ群像側面と前記リアサブレンズ群物体側面との間の軸上距離、
f3Gは、前記第3レンズ群の焦点距離
である。
【0026】
条件式(3)の下限を下回らず、上限を上回らないように両サブレンズ群の間の距離を適度に確保することで、軸上収差、軸外収差の双方の補正に有利となる。
【0027】
また、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上距離は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.22 < D2G3G/D1Gf3G < 0.8 (4)
ただし、
D2G3Gは、前記第2レンズ群像側面と前記第3レンズ群物体側面との間の軸上距離、
D1Gf3Gは、前記第1レンズ群物体側面と前記第3レンズ群物体側面との間の軸上距離
である。
【0028】
条件式(4)の下限値を下回らないように第2レンズ群と第3レンズ群との間の軸上距離を確保することで、第1レンズ群内で発生する軸外収差をキャンセルしやすくなる。結像光学系の軽量化にも有利となる。
【0029】
条件式(4)の上限を上回らないように第2レンズ群と第3レンズ群との間の軸上距離を適度に抑えることで、結像光学系を小さくしやすくなり、特に、交換レンズとして用いた場合の小型化に有利となる。
【0030】
また、最遠距離合焦時にて、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上距離が結像光学系中の軸上空気間隔距離の中で最も大きいことが好ましい。
【0031】
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上距離を確保することで、軸外収差の補正に有利になる。特に、第2レンズ群が負の屈折力を持つ場合は、第2レンズ群の移動スペースの確保につながり至近距離を小さくしやすくなる。
【0032】
次に、フォーカシングを行う第2レンズ群について説明する。
【0033】
また、前記第2レンズ群は、2枚以下のレンズからなることが好ましい。
【0034】
フォーカシング時に移動するレンズ群を軽量にでき、ウォブリング動作、フォーカシング動作時の電力消費量の軽減やAF速度、精度の向上に有利となる。
【0035】
さらに、以下のいずれかとしてよい。
【0036】
前記第2レンズ群が1つの負レンズ成分からなり遠距離から近距離へのフォーカシングに際して像側に移動することが好ましい。
【0037】
ただし、レンズ成分は、物体側面と像側面の2面のみが空気に接するレンズ体であり、単レンズまたは接合レンズを意味する。それにより第2レンズ群の軽量化に有利となる。
【0038】
さらに、前記負レンズ成分が単レンズであることが好ましい。軽量化にいっそう有利となる。
【0039】
さらに、前記第2レンズ群の前記負レンズ成分が以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
-0.99 < SF < 0.99 (5)
ただし、
SF=(R1+R2)/(R1-R2)であり、
R1は、前記負レンズ成分の物体側のレンズ面の近軸曲率半径、
R2は、前記負レンズ成分の像側のレンズ面の曲率半径
である。
【0040】
条件式(5)の下限を下回らないように負レンズ成分の物体側のレンズ面の曲率絶対値が大きくならないようにすることで、フォーカシング時のコマ収差の変動を抑えやすくなる。条件式(5)の上限を上回らないように負レンズ成分の物体側のレンズ面の負の屈折力を確保して、第1レンズ群での収差補正に寄与する。
【0041】
また、前記第2レンズ群が1枚の正レンズ成分からなり、遠距離から近距離へのフォーカシングに際して物体側に移動することが好ましい。ただし、レンズ成分は、物体側面と像側面の2面のみが空気に接するレンズ体であり、単レンズまたは接合レンズを意味する。それにより、第2レンズ群の軽量化に有利となる。
【0042】
また、前記正レンズ成分が単レンズであることが好ましい。結像光学系の軽量化にいっそう有利となる。
【0043】
また、前記第2レンズ群が負レンズと正レンズの2枚のレンズのみからなることが好ましい。それにより第2レンズ群での主に色収差の補正に有利となる。
【0044】
また、前記第2レンズ群中の前記負レンズと前記正レンズとが接合されていることが好ましい。それにより、レンズの偏心による画像への影響を抑えやすくなる。
【0045】
さらに、前記第2レンズ群が2枚の負レンズのみからなることが好ましい。それにより、負屈折力を複数の負レンズで分担でき、主に、コマ収差の低減に有利となる。
【0046】
また、前記第2レンズ群が物体側から像側に順に、物体側に凸面を向けた単レンズと、両凹レンズの2枚のレンズからなることが好ましい。それにより、両凹レンズでは補正しきれない高次の収差をメニスカスレンズで補正でき、性能確保に有利となる。
【0047】
また、前記第1レンズ群の物体側面から前記第3レンズ群の像側面までの軸上距離が以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0.68< LTL/TL < 0.90 (6)
ただし、
LTLは、前記第1レンズ群の物体側面から前記第3レンズ群の像側面までの軸上距離、
TLは、前記LTLと空気換算距離で表したバックフォーカスの和
である。
【0048】
条件式(6)の下限を下回らないように第1レンズ群物体側面から第3レンズ群像側面までの軸上距離を確保することで、第3レンズ群を像面に近づけられ、結像光学系の小型化と光学性能の確保に有利となる。条件式(6)の上限を上回らないようにリアサブレンズ群を像面から離すことで、像面への入射角度を抑えられシェーディングの低減に有利となる。
【0049】
さらに、動画撮影や高速AFを行なう場合、フォーカシングレンズ群は軽いことが好ましい。そのため、明るさ絞りについて以下のようにするとよい。
【0050】
前記明るさ絞りが前記第1レンズ群の像側に配置されることが好ましい。第1レンズ群を小さくしつつ、開口絞り付近にフォーカシングレンズ群が配置されることとなり、フォーカシングレンズ群の小型・軽量化に有利となる。
【0051】
また、前記明るさ絞りが前記第1レンズ群と共に常時固定であることが好ましい。明るさ絞りがフォーカシング動作時に移動しないので、フォーカシング時の移動部材の重量を軽減できる。したがって、動画撮影時のAF動作(ウォブリング動作)や高速AF動作時の電力消費量の軽減やAF速度、精度の向上に有利となる。
【0052】
さらに、第1レンズ群について、以下の構成とすることが好ましい。
【0053】
前記第1レンズ群は、前記明るさ絞りの物体側に配置された2枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズを有することが好ましい。
【0054】
正の屈折力を複数の正レンズに分担し、負レンズを用いることで、球面収差やコマ収差、色収差の補正に有利となる。
【0055】
また、前記第1レンズ群は、物体側から像側に順に、正屈折力のレンズ成分と、正レンズと負レンズを有し物体側に凸面を向けた接合レンズ成分とからなることが好ましい。ただし、レンズ成分は、物体側面と像側面の2面のみが空気に接するレンズ体であり、単レンズまたは接合レンズを意味する。
【0056】
正の屈折力を物体側のレンズ成分と像側のレンズ成分の物体側面に分担し、像側のレンズ成分に負レンズを用いることで、球面収差やコマ収差、色収差の補正に有利となる。
【0057】
さらに、第3レンズ群について、以下の構成とすることが好ましい。
【0058】
前記第3レンズ群中の前記フロントサブレンズ群は2つのレンズを有し、前記第3レンズ群中の前記リアサブレンズ群は1つの負屈折力のレンズ成分からなることが好ましい。
【0059】
フロントサブレンズ群を複数のレンズで構成することで、正屈折力の分担もしくは収差をキャンセルし合うことにより収差の低減に有利となる。また、リアサブレンズ群を1つのレンズ成分とすることで軽量化に有利となる。
【0060】
また、前記第3レンズ群中の前記フロントサブレンズ群は2つの正レンズ成分からなることが好ましい。フロントサブレンズ群を複数のレンズ成分で構成することで、正屈折力の分担により収差の低減に有利となる。
【0061】
さらに、前記第1レンズ群と前記明るさ絞りの有効径が以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
0.5 < ES/E1Gf < 0.95 (7)
ただし、
ESは、前記明るさ絞りの有効径であり、
E1Gfは、前記第1レンズ群の物体側面の有効径であり、
有効径が変化する場合はそれぞれフルアパーチャー時の有効径
である。
【0062】
条件式(7)の下限を下回らないようにすることで、第1レンズ群の小型化につながる。条件式(7)の上限を上回らないように明るさ絞りが物体側よりにならないようにすることで、たる型の歪曲収差の発生を抑えやすくなる。
【0063】
また、前記明るさ絞りが配置される空間を挟む物体側のレンズ面と像側のレンズ面との距離が以下の条件式(8)、(9)を満足することが好ましい。
0.03 < DSon_ax/f < 0.19 (8)
0.03 < DSoff_ax/f < 0.19 (9)
ただし、
DSon_axは、前記明るさ絞りが配置される空間を挟む物体側のレンズ面と像側のレンズ面との光軸上での距離であり、前記光軸上での距離が変化する場合は最小値、
DSoff_axは、前記明るさ絞りが配置される空間を挟む物体側のレンズ面と像側のレンズ面それぞれの最大光線高となる位置の光軸方向に測った距離であり、前記光軸方向に測った距離が変化する場合は最小値、
fは、前記結像光学系の焦点距離
である。
【0064】
条件式(8)、(9)の下限値を下回らないように明るさ絞りが配置されるスペースを確保することで、前記明るさ絞りの開口サイズを可変としたときの明るさ絞り駆動機構を配置するスペースの確保に有利となる。条件式(8)、(9)の上限値を上回らないよう明るさ絞りが配置されるスペースを適度に抑えることで、全長の短縮化に有利となる。
【0065】
これらの結像光学系は、射出瞳を像面から離しやすく高性能化しやすいのでデジタルカメラなどの撮像装置に用いることが効果的である。
【0066】
結像光学系及び結像光学系の像側に配置され光学像を電気信号に変換する撮像面を持つ撮像素子とを有する撮像装置において、その撮像装置の結像光学系は、上記いずれかの結像光学系とすることが好ましい。
【0067】
上述の各構成は、特に記載が無い限り、最も遠距離に合焦した状態での構成とする。また、上述の各構成を複数同時に満足することが、より好ましい。
【0068】
さらに、各条件式において、下限値、及び/または、上限値をより縮減することでその効果をいっそう確実にでき好ましい。
【0069】
条件式(1)について
下限値を-5.0更には-1.6とすることがより好ましい。
上限値を-0.1更には-0.15とすることがより好ましい。
【0070】
条件式(2)について
下限値を0.4更には0.7とすることがより好ましい。
上限値を3.5更には2.5とすることがより好ましい。
【0071】
条件式(3)について
下限値を0.015更には0.017とすることがより好ましい。
上限値を0.35更には0.25とすることがより好ましい。
【0072】
条件式(4)について
下限値を0.24更には0.25とすることがより好ましい。
上限値を0.7更には0.6とすることがより好ましい。
【0073】
条件式(5)について
下限値を-0.85更には-0.7とすることがより好ましい。
上限値を0.85更には0.7とすることがより好ましい。
【0074】
条件式(6)について
下限値を0.7更には0.72とすることがより好ましい。
上限値を0.85更には0.81とすることがより好ましい。
【0075】
条件式(7)について
下限値を0.55更には0.6とすることがより好ましい。
上限値を0.9更には0.84とすることがより好ましい。
【0076】
条件式(8)について
下限値を0.04更には0.05とすることがより好ましい。
上限値を0.17更には0.15とすることがより好ましい。
【0077】
条件式(9)について
下限値を0.04更には0.05とすることがより好ましい。
上限値を0.17更には0.15とすることがより好ましい。
【発明の効果】
【0078】
本発明によれば、防音、防塵に有利であり、小型でありながら、光学性能も確保しやすい結像光学系を提供できる。さらに、このような結像光学系を用いた撮像装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】 実施例1の光学系の断面図である。
【図2】 実施例2の光学系の断面図である。
【図3】 実施例3の光学系の断面図である。
【図4】 実施例4の光学系の断面図である。
【図5】 実施例5の光学系の断面図である。
【図6】 実施例6の光学系の断面図である。
【図7】 実施例7の光学系の断面図である。
【図8】 実施例8の光学系の断面図である。
【図9】 実施例9の光学系の断面図である。
【図10】実施例10の光学系の断面図である。
【図11】実施例1の光学系の無限遠合焦状態の諸収差図である。
【図12】実施例2の光学系の無限遠合焦状態の諸収差図である。
【図13】実施例3の光学系の無限遠合焦状態の諸収差図である。
【図14】実施例4の光学系の無限遠合焦状態の諸収差図である。
【図15】実施例5の光学系の無限遠合焦状態の諸収差図である。
【図16】実施例6の光学系の無限遠合焦状態の諸収差図である。
【図17】実施例7の光学系の無限遠合焦状態の諸収差図である。
【図18】実施例8の光学系の無限遠合焦状態の諸収差図である。
【図19】実施例9の光学系の無限遠合焦状態の諸収差図である。
【図20】実施例10の光学系の無限遠合焦状態の諸収差図である。
【図21】本発明の広角レンズを交換レンズとして用いたレンズ交換式カメラの断面図である。
【図22】
本発明によるデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。
【図23】
図22のデジタルカメラの背面図である。
【図24】
図22のデジタルカメラの横断面図である。
【図25】
図22のデジタルカメラの主要部の内部回路の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本発明の実施例1?10の光学系について説明する。図1?図10は、各実施例の光学系の断面図である。なお、各図中、5つの平行平板は、物体側から、超音波振動により塵を跳ね飛ばす防塵フィルターF1、IRカットコートを施したIRカットフィルターF2、フランジバックを一定にしつつ、画素ピッチの変更に伴うローパスフィルターの厚みの変更をキャンセルさせる調整用平行平板F3、ローバスフィルターF4、カバーガラスCである。
【0081】
図1は実施例1の光学系の断面図である。図1(a)は実施例1の無限遠合焦時の光学系の断面図、図1(b)は実施例1の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0082】
実施例1の光学系は、図1に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、負屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に配置された明るさ絞りSを有する。
【0083】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11と、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13の接合レンズSU11と、からなる。
【0084】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、からなる。
【0085】
第3レンズ群G3は、正屈折力のフロントサブレンズ群G3Fと、負屈折力のリアサブレンズ群G3Rとからなる。フロントサブレンズ群G3Fは、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32とからなる。リアサブレンズ群G3Rは、両凹負レンズL33からなる。
【0086】
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、常時固定である。第2レンズ群G2は、無限遠から至近への合焦に対して像側に移動する。
【0087】
図2は実施例2の光学系の断面図である。図2(a)は実施例2の無限遠合焦時の光学系の断面図、図2(b)は実施例2の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0088】
実施例2の光学系は、図2に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1に配置された明るさ絞りSを有する。
【0089】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸正レンズL11、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13と、両凹負レンズL14と、明るさ絞りSと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL15と、からなる。
【0090】
第2レンズ群G2は、1枚の物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21からなる。
【0091】
第3レンズ群G3は、正屈折力のフロントサブレンズ群G3Fと、負屈折力のリアサブレンズ群G3Rとからなる。フロントサブレンズ群G3Fは、両凹負レンズL31と両凸正レンズL32の接合レンズSU31からなる。リアサブレンズ群G3Rは、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL33からなる。
【0092】
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、常時固定である。第2レンズ群G2は、無限遠から至近への合焦に対して物体側に移動する。
【0093】
図3は実施例3の光学系の断面図である。図3(a)は実施例3の無限遠合焦時の光学系の断面図、図3(b)は実施例3の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0094】
実施例3の光学系は、図3に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、負屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に配置された明るさ絞りSを有する。
【0095】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸正レンズL11と、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13の接合レンズSU11と、からなる。
【0096】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、からなる。
【0097】
第3レンズ群G3は、正屈折力のフロントサブレンズ群G3Fと、負屈折力のリアサブレンズ群G3Rとからなる。フロントサブレンズ群G3Fは、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL31と、両凸正レンズL32とからなる。リアサブレンズ群G3Rは、両凹負レンズL33からなる。
【0098】
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、常時固定である。第2レンズ群G2は、無限遠から至近への合焦に対して像側に移動する。
【0099】
図4は実施例4の光学系の断面図である。図4(a)は実施例4の無限遠合焦時の光学系の断面図、図4(b)は実施例4の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0100】
実施例4の光学系は、図4に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、負屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に配置された明るさ絞りSを有する。
【0101】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸正レンズL11と、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13の接合レンズSU11と、からなる。
【0102】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22と、からなる。
【0103】
第3レンズ群G3は、正屈折力のフロントサブレンズ群G3Fと、負屈折力のリアサブレンズ群G3Rとからなる。フロントサブレンズ群G3Fは、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32とからなる。リアサブレンズ群G3Rは、両凹負レンズL33からなる。
【0104】
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、常時固定である。第2レンズ群G2は、無限遠から至近への合焦に対して像側に移動する。
【0105】
図5は実施例5の光学系の断面図である。図5(a)は実施例5の無限遠合焦時の光学系の断面図、図5(b)は実施例5の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0106】
実施例5の光学系は、図5に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、負屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に配置された明るさ絞りSを有する。
【0107】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸正レンズL11と、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13の接合レンズSU11と、からなる。
【0108】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、からなる。
【0109】
第3レンズ群G3は、正屈折力のフロントサブレンズ群G3Fと、負屈折力のリアサブレンズ群G3Rとからなる。フロントサブレンズ群G3Fは、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32とからなる。リアサブレンズ群G3Rは、両凹負レンズL33からなる。
【0110】
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、常時固定である。第2レンズ群G2は、無限遠から至近への合焦に対して像側に移動する。
【0111】
図6は実施例6の光学系の断面図である。図6(a)は実施例6の無限遠合焦時の光学系の断面図、図6(b)は実施例6の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0112】
実施例6の光学系は、図6に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、負屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に配置された明るさ絞りSを有する。
【0113】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸正レンズL11と、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13の接合レンズSU11と、からなる。
【0114】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22と、からなる。
【0115】
第3レンズ群G3は、正屈折力のフロントサブレンズ群G3Fと、負屈折力のリアサブレンズ群G3Rとからなる。フロントサブレンズ群G3Fは、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32とからなる。リアサブレンズ群G3Rは、両凹負レンズL33からなる。
【0116】
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、常時固定である。第2レンズ群G2は、無限遠から至近への合焦に対して像側に移動する。
【0117】
図7は実施例7の光学系の断面図である。図7(a)は実施例7の無限遠合焦時の光学系の断面図、図7(b)は実施例7の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0118】
実施例7の光学系は、図7に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、負屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に配置された明るさ絞りSを有する。
【0119】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸正レンズL11と、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13の接合レンズSU11と、からなる。
【0120】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹負レンズ21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22の接合レンズSU21からなる。
【0121】
第3レンズ群G3は、正屈折力のフロントサブレンズ群G3Fと、負屈折力のリアサブレンズ群G3Rとからなる。フロントサブレンズ群G3Fは、両凸正レンズL31と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32とからなる。リアサブレンズ群G3Rは、両凹負レンズL33からなる。
【0122】
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、常時固定である。第2レンズ群G2は、無限遠から至近への合焦に対して像側に移動する。
【0123】
図8は実施例8の光学系の断面図である。図8(a)は実施例8の無限遠合焦時の光学系の断面図、図8(b)は実施例8の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0124】
実施例8の光学系は、図8に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、負屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に配置された明るさ絞りSを有する。
【0125】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸正レンズL11と、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13の接合レンズSU11と、からなる。
【0126】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹負レンズL22と、からなる。
【0127】
第3レンズ群G3は、正屈折力のフロントサブレンズ群G3Fと、負屈折力のリアサブレンズ群G3Rとからなる。フロントサブレンズ群G3Fは、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32とからなる。リアサブレンズ群G3Rは、両凹負レンズL33からなる。
【0128】
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、常時固定である。第2レンズ群G2は、無限遠から至近への合焦に対して像側に移動する。
【0129】
図9は実施例9の光学系の断面図である。図9(a)は実施例9の無限遠合焦時の光学系の断面図、図9(b)は実施例9の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0130】
実施例9の光学系は、図9に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、負屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に配置された明るさ絞りSを有する。
【0131】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸正レンズL11と、両凸正レンズL12と像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL13と両凹負レンズL14の接合レンズSU11とからなる。
【0132】
第2レンズ群G2は、1枚の両凹負レンズL21からなる。
【0133】
第3レンズ群G3は、正屈折力のフロントサブレンズ群G3Fと、負屈折力のリアサブレンズ群G3Rとからなる。フロントサブレンズ群G3Fは、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32とからなる。リアサブレンズ群G3Rは、両凹負レンズL33からなる。
【0134】
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、常時固定である。第2レンズ群G2は、無限遠から至近への合焦に対して像側に移動する。
【0135】
図10は実施例10の光学系の断面図である。図10(a)は実施例10の無限遠合焦時の光学系の断面図、図10(b)は実施例10の至近合焦時の光学系の断面図である。
【0136】
実施例10の光学系は、図10に示すように、物体側から像側に順に、正屈折力の第1レンズ群G1と、負屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とからなる。また、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に配置された明るさ絞りSを有する。
【0137】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸正レンズL11と、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13の接合レンズSU11と、からなる。
【0138】
第2レンズ群G2は、1枚の両凹負レンズL21からなる。
【0139】
第3レンズ群G3は、正屈折力のフロントサブレンズ群G3Fと、負屈折力のリアサブレンズ群G3Rとからなる。フロントサブレンズ群G3Fは、両凸正レンズL31と、両凸正レンズL32とからなる。リアサブレンズ群G3Rは、両凹負レンズL33からなる。
【0140】
第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、常時固定である。第2レンズ群G2は、無限遠から至近への合焦に対して像側に移動する。
【0141】
以下に、実施例1?10の数値データを示す。実施例1?10の数値データにおいて、rはレンズ面の曲率半径、dはレンズ肉厚および空気間隔、ndおよびνdはd線(λ=587.6nm)における屈折率およびアッベ数、fは焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角(゜)、fb(in air)は空気換算したバックフォーカス、IHは像高である。
【0142】
数値実施例 1


【0143】
数値実施例 2


【0144】
数値実施例 3



【0145】
数値実施例 4



【0146】
数値実施例 5



【0147】
数値実施例 6


【0148】
数値実施例 7



【0149】
数値実施例 8



【0150】
数値実施例 9



【0151】
数値実施例 10


【0152】
図11?図20は実施例1?10の光学系の諸収差図である。各図中、(a)は無限遠合焦状態の諸収差図、(b)は至近合焦状態の諸収差図である。球面収差と倍率色収差は、435.8nm(g線:一点鎖線),587.6nm(d線:実線),656.3nm(C線:波線)の各波長における数値を示してある。また、非点収差は、実線がサジタル像面、点線がメリジオナル像面を示している。なお、FNOはFナンバー、IHは像高を示す。
【0153】
次に、上記各実施例における条件式(1)?(9)の値を示す。
【0154】

【0155】


【0156】
図21は、本発明のレンズを用い、撮像素子として小型のCCD又はCMOS等を用いた電子撮像装置としての一眼ミラーレスカメラの断面図である。図21において、1は一眼ミラーレスカメラ、2は鏡筒内に配置された撮影レンズ系、3は撮影レンズ系2を一眼ミラーレスカメラ1に着脱可能とする鏡筒のマウント部であり、スクリュータイプのマウントやバヨネットタイプのマウント等が用いられる。この例では、バヨネットタイプのマウントを用いている。また、4は撮像素子面、5はバックモニタである。
【0157】
このような構成の一眼ミラーレスカメラ1の撮影レンズ系2として、例えば上記実施例1?10に示した本発明のレンズが用いられる。
【0158】
以上の本発明によれば、一眼ミラーレスタイプのデジタルカメラに適した交換レンズとして、ディストーション、色収差や像面湾曲などの諸収差が良好に補正され、テレセントリック性を確保した、少ない構成枚数のコンパクトな光学系を提供することが可能となる。
【0159】
図22?図24は、レンズを撮影光学系41に組み込んだ本発明に係る他の撮像装置の構成の概念図を示す。図22はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図23は同背面図、図24はデジタルカメラ40の構成を示す模式的な横断面図である。
【0160】
デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42上に位置する撮影光学系41、ファインダー用光路44上に位置するファインダー光学系43、シャッターボタン45、ポップアップストロボ46、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッターボタン45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例1のレンズを通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成された物体像が、結像面近傍に設けた撮像素子としてのCCD49の撮像面(光電変換面)上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47や、ファインダー用画像表示素子54に表示される。また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。
【0161】
なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよいし、フレキシブルディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
【0162】
さらに、ファインダー用光路44上にはファインダー用接眼レンズ59が配置してある。ファインダー用画像表示素子54に表示された物体像が、このファインダー用接眼レンズ59によって拡大および観察者が見やすい視度に調整され、観察者眼球Eに導かれている。なお、ファインダー用接眼レンズ59の射出側にカバー部材50が配置されている。
【0163】
図25は、上記デジタルカメラ40の主要部の内部回路の構成ブロック図である。なお、以下の説明では、上記の処理手段51は例えばCDS/ADC部24、一時記憶メモリ17、画像処理部18等からなり、記憶手段52は例えば記憶媒体部19等からなる。
【0164】
図25に示すように、デジタルカメラ40は、操作部12と、この操作部12に接続された制御部13と、この制御部13の制御信号出力ポートにバス14及び15を介して接続された撮像駆動回路16並びに一時記憶メモリ17、画像処理部18、記憶媒体部19、表示部20、及び設定情報記憶メモリ部21を備えている。
【0165】
上記の一時記憶メモリ17、画像処理部18、記憶媒体部19、表示部20、及び設定情報記憶メモリ部21はバス22を介して相互にデータの入力又は出力が可能なように構成され、また、撮像駆動回路16には、CCD49とCDS/ADC部24が接続されている。
【0166】
操作部12は各種の入力ボタンやスイッチを備え、これらの入力ボタンやスイッチを介して外部(カメラ使用者)から入力されるイベント情報を制御部に通知する回路である。制御部13は、例えばCPU等からなる中央演算処理装置であり、不図示のプログラムメモリを内蔵し、そのプログラムメモリに格納されているプログラムにしたがって、操作部12を介してカメラ使用者から入力される指示命令を受けてデジタルカメラ40全体を制御する回路である。
【0167】
CCD49は、本発明による撮影光学系41を介して形成された物体像を受光する。CCD49は、撮影駆動回路16により駆動制御され、その物体像の各画素ごとの光量を電気信号に変換してCDS/ADC部24に出力する撮像素子である。
【0168】
CDS/ADC部24は、CCD49から入力する電気信号を増幅しかつアナログ/デジタル変換を行って、この増幅とデジタル変換を行っただけの映像生データ(ベイヤーデータ、以下RAWデータという。)を一時メモリ17に出力する回路である。
【0169】
一時記憶メモリ17は、例えばSDRAM等からなるバッファであり、CDS/ADC部24から出力される上記RAWデータを一時的に記憶するメモリ装置である。画像処理部18は、一時記憶メモリ17に記憶されたRAWデータ又は記憶媒体部19に記憶されているRAWデータを読み出して、制御部13から指定された画質パラメータに基づいて歪曲収差補正を含む各種画像処理を電気的に行う回路である。
【0170】
記憶媒体部19は、例えばフラッシュメモリ等からなるカード型又はスティック型の記録媒体を着脱自在に装着して、それらカード型又はスティック型のフラッシュメモリに、一時記憶メモリ17から転送されるRAWデータや画像処理部18で画像処理された画像データを記録して保持する装置の制御回路である。
【0171】
表示部20は、液晶表示モニター47及びファインダー用画像表示素子54を備え、その液晶表示モニター47及びファインダー用画像表示素子54に画像や操作メニュー等を表示する回路である。設定情報記憶メモリ部21には、予め各種の画質パラメータが格納されているROM部と、そのROM部から読み出された画質パラメータの中から操作部12の入力操作によって選択された画質パラメータを記憶するRAM部が備えられている。設定情報記憶メモリ部21は、それらのメモリへの入出力を制御する回路である。
【0172】
このように構成されたデジタルカメラ40は、本発明により、ある程度ディストーション補正を行いつつ、特に色収差や像面湾曲などの諸収差が良好に補正され、テレセントリック性を確保した、少ない構成枚数のコンパクトな広角光学系を用いた撮像装置を提供することが可能となる。
【0173】
本発明は、以上のような一般的な被写体を撮影する所謂コンパクトデジタルカメラだけではなく、広い画角が必要な監視カメラ等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0174】
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G3F…フロントサブレンズ群
G3R…リアサブレンズ群
S…明るさ絞り
I…像面
1…レンズ交換式カメラ
2…撮影レンズ系
3…マウント部
4…撮像素子面
5…バックモニタ
12…操作部
13…制御部
14、15…バス
16…撮像駆動回路
17…一時記憶メモリ
18…画像処理部
19…記憶媒体部
20…表示部
21…設定情報記憶メモリ部
22…バス
24…CDS/ADC部
40…デジタルカメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッターボタン
46…ポップアップストロボ
47…液晶表示モニター
49…CCD
50…カバー部材
51…処理手段
52…記録手段
54…ファインダー用画像表示素子
59…ファインダー用接眼レンズ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像面側に順に、
正屈折力の第1レンズ群と、
正または負の屈折力を有する第2レンズ群と、
正屈折力の第3レンズ群とからなり、
前記第1レンズ群は、最も物体側から順に、正の屈折力を有するレンズと、正の屈折力を有するレンズと、負の屈折力を有するレンズと、を有し、
前記第1レンズ群の物体側面から前記第2レンズ群の物体側面の間に配置された明るさ絞りを有し、
前記第1レンズ群中の最物体側レンズと前記第3レンズ群中の最像側レンズは常時固定であり、
前記第2レンズ群が1つの負レンズ成分からなり、
前記負レンズ成分が単レンズであり、
遠距離から近距離へのフォーカシングに際して前記第2レンズ群のみが像側に光軸移動し、
前記第3レンズ群は、前記第3レンズ群中の最も大きい軸上空気間隔を挟んで物体側に配置された正屈折力のフロントサブレンズ群と像側に配置された負屈折力のリアサブレンズ群からなる
ことを特徴とする結像光学系。
【請求項2】
前記第1レンズ群と前記第3レンズ群は常時固定である
ことを特徴とする請求項1記載の結像光学系。
【請求項3】
前記第3レンズ群中の前記リアサブレンズ群は、以下の条件式(1)を満足する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の結像光学系。
-10 < f3r/f3G < -0.05 (1)
ただし、
f3rは、前記リアサブレンズ群の焦点距離、
f3Gは、前記第3レンズ群の焦点距離
である。
【請求項4】
前記第2レンズ群は、以下の条件式(2)を満足する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の結像光学系。
0.1 < |f/f2G| < 5.0 (2)
ただし、
fは、前記結像光学系の焦点距離、
f2Gは、前記第2レンズ群の焦点距離
である。
【請求項5】
前記第3レンズ群中の前記フロントサブレンズ群と前記リアサブレンズ群との間の軸上距離は、以下の条件式(3)を満足する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の結像光学系。
0.01 < D3Gfr/f3G < 0.5 (3)
ただし、
D3Gfrは、前記第3レンズ群中の前記フロントサブレンズ群像側面と前記リアサブレンズ群物体側面との間の軸上距離、
f3Gは、前記第3レンズ群の焦点距離
である。
【請求項6】
また、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上距離は、以下の条件式(4)を満足する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の結像光学系。
0.22 < D2G3G/D1Gf3G < 0.8 (4)
ただし、
D2G3Gは、前記第2レンズ群像側面と前記第3レンズ群物体側面との間の軸上距離、
D1Gf3Gは、前記第1レンズ群物体側面と前記第3レンズ群物体側面との間の軸上距離
である。
【請求項7】
最遠距離合焦時にて、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間の軸上距離が結像光学系中の軸上空気間隔距離の中で最も大きい
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の結像光学系。
【請求項8】
前記第2レンズ群の前記負レンズ成分が以下の条件式(5)を満足する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の結像光学系。
-0.99 < SF < 0.99 (5)
ただし、
SF=(R1+R2)/(R1-R2)であり、
R1は、前記負レンズ成分の物体側のレンズ面の近軸曲率半径、
R2は、前記負レンズ成分の像側のレンズ面の曲率半径
である。
【請求項9】
前記第1レンズ群の物体側面から前記第3レンズ群の像側面までの軸上距離が以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の結像光学系。
0.68 < LTL/TL < 0.90 (6)
ただし、
LTLは、前記第1レンズ群の物体側面から前記第3レンズ群の像側面までの軸上距離、
TLは、前記LTLと空気換算距離で表したバックフォーカスの和
である。
【請求項10】
前記明るさ絞りが前記第1レンズ群の像側に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の結像光学系。
【請求項11】
前記明るさ絞りが前記第1レンズ群と共に常時固定である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載の結像光学系。
【請求項12】
前記第1レンズ群は、前記明るさ絞りの物体側に配置された2枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズを有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1つに記載の結像光学系。
【請求項13】
前記第1レンズ群は、物体側から像側に順に、
正屈折力のレンズ成分と、正レンズと負レンズを有し物体側に凸面を向けた接合レンズ成分とからなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載の結像光学系。ただし、前記レンズ成分とは、単レンズまたは接合レンズを意味する。
【請求項14】
前記第3レンズ群中の前記フロントサブレンズ群は2つのレンズを有し、
前記第3レンズ群中の前記リアサブレンズ群は1つの負屈折力のレンズ成分からなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1つに記載の結像光学系。ただし、前記レンズ成分とは、単レンズまたは接合レンズを意味する。
【請求項15】
前記第3レンズ群中の前記フロントサブレンズ群は2つの正レンズ成分からなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1つに記載の結像光学系。
【請求項16】
さらに、前記第1レンズ群と前記明るさ絞りの有効径が以下の条件(7)を満足する
ことを特徴とする請求項1から15の何れかに記載の結像光学系。
0.5 < ES/E1Gf < 0.95 (7)
ただし、
ESは、前記明るさ絞りの有効径であり、
E1Gfは、前記第1レンズ群の物体側面の有効径であり、
有効径が変化する場合はそれぞれフルアパーチャー時の有効径
である。
【請求項17】
また、前記明るさ絞りが配置される空間を挟む物体側のレンズ面と像側のレンズ面との距離が以下の条件式(8)、(9)を満足する
ことを特徴とする請求項1から16のいずれか1つに記載の結像光学系。
0.03 < DSon_ax/f < 0.19 (8)
0.03 < DSoff_ax/f < 0.19 (9)
ただし、
DSon_axは、前記明るさ絞りが配置される空間を挟む物体側のレンズ面と像側のレンズ面との光軸上での距離であり、前記光軸上での距離が変化する場合は最小値、
DSoff_axは、前記明るさ絞りが配置される空間を挟む物体側のレンズ面と像側のレンズ面それぞれの最大光線高となる位置の光軸方向に測った距離であり、前記光軸方向に測った距離が変化する場合は最小値、
fは、前記結像光学系の焦点距離
である。
【請求項18】
請求項1乃至請求項17のいずれか1つに記載の結像光学系、
及び前記結像光学系の像側に配置され光学像を電気信号に変換する撮像面を持つ撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2015-05-01 
出願番号 特願2014-97313(P2014-97313)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (G02B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 森内 正明  
特許庁審判長 藤原 敬士
特許庁審判官 大瀧 真理
清水 康司
登録日 2015-03-13 
登録番号 特許第5711839号(P5711839)
発明の名称 結像光学系及びそれを用いた撮像装置  
代理人 小山 卓志  
代理人 小山 卓志  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ