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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1301854
審判番号 不服2014-2582  
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-02-10 
確定日 2015-06-10 
事件の表示 特願2011-253349「クローズド・キャプション・タグ付システム」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 4月12日出願公開、特開2012- 75162〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯

本願は、2000年9月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1999年9月20日、米国)を国際出願日とした特願2001-525965号の一部を平成23年11月18日に新たな特許出願としたものであって、平成24年8月22日付けの拒絶理由通知に対し、平成25年2月8日付けで、意見書・手続補正書が提出され、平成25年3月5日付けの拒絶理由通知に対し、平成25年9月12日付けで、意見書・手続補正書が提出されたが、平成25年10月1日付けで拒絶査定がなされたものである。
本件は、上記拒絶査定を不服として、平成26年2月10日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、同日付けで手続補正がなされたものである。

第2.平成26年2月10日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成26年2月10日付けの手続補正を却下する。

[理由]

1.補正の内容

上記手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前の平成25年9月12日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項9、17に記載された、

「【請求項9】
受信機が、ビデオ・ストリームの一部を視聴者に再生する手段と、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグを検出する手段であって、前記1個以上の特定タグが、前記受信機に、前記ビデオ・ストリーム内の特定ポイントにアイコンを挿入させて、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話することができることを、前記視聴者に示すように命令する、手段と、
前記ビデオ・ストリームの前記一部を表示する間に、前記受信機が、前記1個以上の特定タグに応じて、前記ビデオ・ストリーム内の前記特定ポイントで前記アイコンを表示する手段と、
前記アイコンの表示に応じて、前記受信機が、第一の入力を受信する手段と、
前記第一の入力の受信に応じて、前記受信機が、
前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、
前記1個以上の特定タグにより示される前記ウェブページまたは前記対話型メニュの何れかを表示し、
視聴者の前記ウェブページ又は前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信する、
手段と、
前記ビデオ・ストリームの再生を再開する手段と、
を備える装置。」
「【請求項17】
受信機が、ビデオ・ストリームの一部を視聴者に再生するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグを検出するステップであって、前記1個以上の特定タグが、前記受信機に、前記ビデオ・ストリーム内の特定ポイントにアイコンを挿入させて、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話することができることを、前記視聴者に示すように命令する、ステップと、
前記ビデオ・ストリームの前記一部を表示する間に、前記受信機が、前記1個以上の特定タグに応じて、前記ビデオ・ストリーム内の前記特定ポイントで前記アイコンを表示するステップと、
前記アイコンの表示に応じて、前記受信機が、第一の入力を受信するステップと、
前記第一の入力の受信に応じて、前記受信機が、
前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、
前記1個以上の特定タグにより示される前記ウェブページまたは前記対話型メニュの何れかを表示し、
視聴者の前記ウェブページ又は前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信するステップと、
前記ビデオ・ストリームの再生を再開するステップとを、
1個以上のプロセッサに実行させる命令を格納するコンピュータ可読記録媒体。」

という発明を、平成26年2月10日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項9、17に記載された、

「【請求項9】
受信機が、ビデオ・ストリームの一部を再生する手段と、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグを検出するステップであって、前記1個以上の特定タグが、前記受信機に、前記ビデオ・ストリーム内の特定ポイントにアイコンを挿入するよう命令し、前記アイコンが、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話するボタンを押すことを、前記視聴者に促す、手段と、
前記ビデオ・ストリームの前記一部を再生する間に、前記受信機が、前記1個以上の特定タグに応じて、前記ビデオ・ストリーム内の前記特定ポイントで前記アイコンを表示する手段と、
前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間に、前記受信機が、前記ボタンの選択を受信する手段と、
前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間の前記ボタンの選択に応じて、前記受信機が、自動的に、前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、かつ前記1個以上の特定タグにより示される前記ウェブ・ページまたは前記対話型メニュの何れかを表示する手段と、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリームの再生を再開する手段とを
を備える装置。」
「【請求項17】
受信機が、ビデオ・ストリームの一部を再生するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグを検出するステップであって、前記1個以上の特定タグが、前記受信機に、前記ビデオ・ストリーム内の特定ポイントにアイコンを挿入するよう命令し、前記アイコンが、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話するボタンを押すことを、前記視聴者に促す、ステップと、
前記ビデオ・ストリームの前記一部を再生する間に、前記受信機が、前記1個以上の特定タグに応じて、前記ビデオ・ストリーム内の前記特定ポイントで前記アイコンを表示するステップと、
前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間に、前記受信機が、前記ボタンの選択を受信するステップと、
前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間の前記ボタンの選択に応じて、前記受信機が、自動的に、前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、かつ前記1個以上の特定タグにより示される前記ウェブ・ページまたは前記対話型メニュの何れかを表示するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリームの再生を再開するステップとを
1個以上のプロセッサに実行させる命令を格納するコンピュータ可読記録媒体。」

という発明に補正するものである。
なお、下線は当審で付したものである。

2.補正の適合性

請求項9に係る補正は、「前記第一の入力の受信(補正により、「前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間の前記ボタンの選択」)に応じて、前記受信機が」行う手段のうち、「視聴者の前記ウェブページ又は前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信する」手段を削除し、請求項17に係る補正は、「前記第一の入力の受信(補正により、「前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間の前記ボタンの選択」)に応じて、前記受信機が」行うステップのうち、「視聴者の前記ウェブページ又は前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信する」ステップを削除することを含むものである。
ここで、補正後の請求項9及び17に係る発明では、「視聴者の前記ウェブページ又は前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信する」という事項が削除されているから、直列的に記載された構成要件の一部の削除にあたり、請求項9及び17に係る補正は特許請求の範囲を減縮することを目的にしたものとは認められない。
また、請求項9及び17に係る上記の補正は、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的としたものとも認められない。
よって、本件補正における請求項9及び17に係る補正は、特許法第17条の2第4項に規定する要件を満たしていない。

3.まとめ

以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

4.請求項1に係る補正について

本件補正は、上記のとおり却下されるべきものであるが、仮に、上記補正が適法であるとして、請求項1に係る補正について、更に検討する。

4-1.請求項1に係る補正の内容

請求項1に係る補正は、

「【請求項1】
受信機が、ビデオ・ストリームの一部を再生するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグを検出するステップであって、前記1個以上の特定タグが、前記受信機に、前記ビデオ・ストリーム内の特定ポイントにアイコンを挿入させて、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話することができることを、前記視聴者に示すように命令する、ステップと、
前記ビデオ・ストリームの前記一部を表示する間に、前記受信機が、前記1個以上の特定タグに応じて、前記ビデオ・ストリーム内の前記特定ポイントで前記アイコンを表示するステップと、
前記アイコンの表示に応じて、前記受信機が、第一の入力を受信するステップと、
前記第一の入力の受信に応じて、前記受信機が、
前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、
前記1個以上の特定タグにより示される前記ウェブページまたは前記対話型メニュの何れかを表示し、
視聴者の前記ウェブページ又は前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリームの再生を再開するステップとを
備える方法。」

という発明を、

「【請求項1】
受信機が、ビデオ・ストリームの一部を再生するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグを検出するステップであって、前記1個以上の特定タグが、前記受信機に、前記ビデオ・ストリーム内の特定ポイントにアイコンを挿入するよう命令し、前記アイコンが、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話するボタンを押すことを、前記視聴者に促す、ステップと、
前記ビデオ・ストリームの前記一部を再生する間に、前記受信機が、前記1個以上の特定タグに応じて、前記ビデオ・ストリーム内の前記特定ポイントで前記アイコンを表示するステップと、
前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間に、前記受信機が、前記ボタンの選択を受信するステップと、
前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間の前記ボタンの選択に応じて、前記受信機が、自動的に、前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、かつ前記1個以上の特定タグにより示される前記ウェブ・ページまたは前記対話型メニュの何れかを表示するステップと、
視聴者の前記ウェブ・ページ又は前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリームの再生を再開するステップとを
備える方法。」

という発明に補正するものである。

4-2.請求項1に係る補正の適合性

請求項1に係る補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、平成25年9月12日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された
「特定タグ」に関して、「前記ビデオ・ストリーム内の特定ポイントにアイコンを挿入させて、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話することができることを、前記視聴者に示すように命令する」を、「前記ビデオ・ストリーム内の特定ポイントにアイコンを挿入するよう命令し、前記アイコンが、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話するボタンを押すことを、前記視聴者に促す」ことに限定し、
「前記アイコンの表示に応じて、前記受信機が、第一の入力を受信する」を、「前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間に、前記受信機が、前記ボタンの選択を受信する」に限定し、
「前記第一の入力の受信に応じて」を、「前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間の前記ボタンの選択に応じて」に限定し、
「前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止」を、「自動的に、前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止」に限定するものである。
したがって、本件補正は,請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項についての限定を付加するものであって,特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

4-3.請求項1に記載された発明の独立特許要件について
本件補正後の請求項1に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)補正後発明

本願の請求項1に係る発明(以下、「補正後発明」という。)は、上記の本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
なお、A.?G.については、説明のために当審にて付したものである。
(以下、「構成A」、・・・「構成G」という。)

「A. 受信機が、ビデオ・ストリームの一部を再生するステップと、
B1.前記受信機が、前記ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグを検出するステップであって、
B2. 前記1個以上の特定タグが、前記受信機に、前記ビデオ・ストリーム内の特定ポイントにアイコンを挿入するよう命令し、
B3. 前記アイコンが、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話するボタンを押すことを、前記視聴者に促す、ステップと、
C. 前記ビデオ・ストリームの前記一部を再生する間に、前記受信機が、前記1個以上の特定タグに応じて、前記ビデオ・ストリーム内の前記特定ポイントで前記アイコンを表示するステップと、
D. 前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間に、前記受信機が、前記ボタンの選択を受信するステップと、
E. 前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間の前記ボタンの選択に応じて、前記受信機が、自動的に、前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、かつ前記1個以上の特定タグにより示される前記ウェブ・ページまたは前記対話型メニュの何れかを表示するステップと、
F. 視聴者の前記ウェブ・ページ又は前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信するステップと、
G. 前記受信機が、前記ビデオ・ストリームの再生を再開するステップとを
備える方法。」

(2)刊行物1発明

原審の拒絶理由に引用された、国際公開第98/48566号(以下、「刊行物1」という。)には、「METHOD AND APPARATUS FOR TIME-SHIFTING VIDEO AND TEXT IN A TEXT-ENHANCED TELEVISION PROGRAM」(訳「テキスト-エンハンスドテレビジョンプログラムのビデオ及びテキストをタイムシフトする方法及び装置」)として、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、各頁左端の行番号が現実の行番号とずれているので、実際に数えた行番号で説明を行う。)
翻訳文については、刊行物1に対応する特表2001-501068号公報の記載を参考に、当審で付したものである。

ア.「The present invention is a system wherein television program-related infomation (PRI) is embedded in the vertical blanking interval (VBI) of a television signal for display on a viewer's television screen at the same time as the television program. The PRI is typically contained in an Internet site, the addresses for which are embedded in the television signal.」(第1頁第8?11行)
(本発明は、テレビジョンプログラムと同時に、テレビジョンプログラム関連情報(PRI)が、視聴者のテレビジョン画面のディスプレイに対するテレビジョン信号の垂直帰線消去期間(VBI)に組込まれたシステムである。PRIは、アドレスがテレビジョン信号に組込まれた、インターネットサイトに一般に含まれる。)

イ.「With so much information on the screen, some of which may be changing at a fairly rapid pace, it is desirable to provide the viewer the option of pausing a particular frame of a text-enhanced program display and then resume viewing the program without losing continuity of the video and PRI portions of the program or program content.
According to one embodiment of the invention, a television system is provided which allows a viewer of a PRI-enhanced television program to pause the program at a particular frame, examine the PRI at his or her leisure, perhaps browse through other, linked Web pages, and then resume viewing the program from that frame, without losing continuity of the video and PRI portions of the program or program content.」(第2頁第2?10行)
(画面上に多くの情報があるが、そのあるものはかなり速いペースで変化しており、テキスト-エンハンスドプログラムディスプレイの特定のフレームを一時停止しそしてプログラム又はプログラム内容のビデオ及びPRI部分の連続性を損なうことなくプログラムを見ることを再開する選択(オプション)を視聴者に供給することが望ましい。
本発明の一実施例によれば、PRI-エンハンスドテレビジョンプログラムの視聴者に特定のフレームでプログラムを一時停止させ、視聴者が暇な時間にPRIを試験させ、あるいは他の、リンクされたウェブページを介して閲覧させ、そして、プログラム又はプログラム内容のビデオ及びPRI部分の連続性を損なうことなしに、そのフレームからプログラムを見ることを再開させるテレビジョンシステムが提供される。)

ウ.「The Storage Device 52 holds a large video data buffer (not shown) for storing the television program in digital form. Preferably, the Storage Device is a random access storage medium allowing concurrent reading and writing operations, so that the incoming television signal data may be written to the Storage Device while earlier stored television signal data is being read out for display on TV 20 (that is, time-shifting of the television signal data is performed). The Storage Device 52 has two heads that are separately positionable. When display of the television program is to be suspended, the read head is kept in the same position until a resume command is received. The write head, however, keeps moving to record the incoming television signal data.」(第5頁第1?9行)
(記憶装置52は、ディジタル形式のテレビジョンプログラムを記憶するための大きなビデオデータバッファ(図示省略)を保持する。記憶装置は、同時読み出し及び書き込み動作を許容し、先に記憶されたテレビジョン信号データがTV20のディスプレイのために読み出される間に入カテレビジョン信号データが記憶装置に書き込まれうる(即ち、テレビジョン信号データのタイムシフトが実行される)、ランダムアクセス記憶媒体であるのが好ましい。記憶装置52は、個別に配置可能な二つのヘッドを有する。テレビジョンプログラムのディスプレイを中断する場合、読み出しヘッドは、再開命令を受取るまで同じ場所に保たれる。しかしながら、書き込みヘッドは、入カテレビジョン信号データを記録すべく動き続ける。)

エ.「To enable a television viewer to access information about a television program that the viewer is watching, PRI is embedded in the VBI of the television signal carrying the television program. For example, the PRI may be textual information regarding actors and actresses in the show, advertisements of program-related merchandise, brief descriptions of the plot of future episodes of the television program, or any other text regarding the television program, or the PRI may be text representing web pages containing such infomation.」(第5頁第10?15行)
(視聴者が見ているテレビジョンプログラムに関する情報をテレビジョン視聴者にアクセスできるようにさせるために、テレビジョンプログラムを搬送するテレビジョン信号のVBIにPRIを組込む。例えば、PRIは、ショーの俳優及び女優に関するテキスト情報、プログラム関連商品の広告、テレビジョンプログラムの将来のエピソードのプロットの概説、又はテレビジョンプログラムに関するあらゆる他のテキストでありうし、或いはPRIは、そのような情報を含んでいるウェブページを表しているテキストでありうる。)

オ.「According to a preferred embodiment, the PRI is contained on a web page, the address for which is embedded in the VBI of the television signal. When the television signal carrying the program being watched is captured by tuner 11, the website data embedded in its VBI is stripped out by VBI decoder 35 and sent to microprocessor 24 for storage in website data memory 36. The memory addresses of the website names are linked to the website addresses in memory 36. An icon appears on the screen of television 20 when the television program is displayed full screen, i.e.. in the TV mode, to inform the viewer that website data accompanies the television signal and is stored in memory 22. If the viewer wishes to access a website in connection with the television program, the viewer presses a button on a viewer input device 28 such as a remote controller, which introduces the Internet mode of operation shown in FIG. 2 and described below. Microprocessor 24 is programmed to carry out this operation. By repeatedly pressing a button on the viewer input device, the viewer can toggle back and forth between the TV mode and the Internet mode. Although viewer inputs are discussed herein as initiated by buttons on a remote controller, other input devices can also be used. For example, a cursor could be displayed on the television screen which is movable around the screen and a selection can be made (i.e., "clicked") when the cursor is in a desired location of the screen. 」(第5頁第16行?第6頁第5行)
(好ましい実施例によれば、PRIは、そのアドレスがテレビジョン信号のVBIに組込まれる、ウェブページに含まれる。観られるプログラムを搬送しているテレビジョン信号がチューナ11によって収集(キャプチャー)される場合、そのVBIに組込まれたウェブサイトデータは、VBIデコーダ35によって剥ぎ取られかつウェブサイトデータメモリ36への記憶のためにマイクロプロセッサ24へ送られる。ウェブサイトネームのメモリアドレスは、メモリ36のウェブサイトアドレスにリンクされる。ウェブサイトデータがテレビジョン信号を伴いかつメモリ22に記憶されるということを視聴者に知らせるために、テレビジョンプログラムが全画面に表示される場合、即ち、TVモードにおいて、アイコンは、テレビジョンの画面に現れる。視聴者がテレビジョンプログラムに関してウェブサイトをアクセスすることを望むならば、視聴者は、図2に示しかつ以下に説明する動作のインターネットモードをもたらす、リモートコントローラのような視聴者入力装置28のボタンを押す。マイクロプロセッサ24は、この動作を実行すべくプログラムされる。視聴者入力装置のボタンを繰り返し押すことによって、視聴者は、TVモードとインターネットモード間をトグルすることができる。視聴者入力がここではリモートコントローラのボタンによって起動されるものとして説明されたが、他の入力装置を用いることもできる。例えば、画面上で移動可能であるテレビジョン画面上にカーソルを表示することができかつカーソルが画面の所望の位置にある場合に選択を行う(即ち、“クリックする”)ことができる。)

カ.「In the Internet mode, the video portion of the television program last viewed in the TV mode is displayed in area 42. As an option, a textual description of the program is displayed in an area 44 and information about the television program, i.e., program title, station name, and channel number are displayed in a banner 49 underneath areas 42 and 44. A message is displayed at the top of an area 46 to prompt the viewer to select from a number of website names displayed in area 46 by moving a cursor 48 with arrow keys on the viewer input device. For example, if the television program is a serial television show, for example, "Married With Children," the website names could be information related to the show. After a website name is selected, the viewer presses a button on the viewer input device. As a result, the website address to which the selected website name is linked is retrieved from memory 36 by microprocessor 24 and sent through the telephone or cable interface to Internet service provider 33. (If desired, this function of microprocessor 24 could be carried out by commercial equipment sold under the trademark WEB TV.) The information at the addressed website is downloaded from Internet service provider 33 over link 34 to microprocessor 24 and then displayed on the screen simultaneously with the television program to which the information relates, as illustrated in FIG. 3. after being composed by video processor 30. As illustrated in FIG. 3, the name of the website can be displayed above the text of the information from the website. If the television program is a serial television show, as previously stated, the displayed information could include information about the episode, cast biographies, and trivia related to the show. The viewer then navigates about the website in the manner dictated by the viewer's software to find the desired information. 」(第6頁第6?26行)
(インターネットモードにおいて、TVモードで最後に視聴されたテレビジョンプログラムのビデオ部分は、領域42に表示される。オプションとして、プログラムのテキスト記述が領域44に表示されかつテレビジョンプログラムに関する情報、即ち、プログラムタイトル、局名、及びチャンネル番号が領域42及び44の下方のバナー49に表示される。メッセージは、視聴者入力装置の矢印キーでカーソル48を動かすことによって視聴者に領域46に表示される多数のウェブサイトネームからの選択を促すべく領域46の上部に表示される。例えば、テレビジョンプログラムが連続テレビジョンショー、例えば、“Married With Children”である場合には、ウェブサイトネームは、ショーに関する情報でありうる。ウェブサイトネームが選択された後、視聴者は、視聴者入力装置のボタンを押す。その結果、選択したウェブサイトネームがリンクされるウェブサイトアドレスがマイクロプロセッサ24によってメモリ36から検索されかつ電話機又はケーブルインタフェースを介してインターネットサービスプロバイダ33に送られる。(所望ならば、マイクロプロセッサ24のこの機能は、WEB TVの商標で市販されている機器によって実行することができる。)アドレス指定されたウェブサイトにおける情報は、マイクロプロセッサ24へリンク34でインターネットサービスプロバイダ33からダウンロードされ、そして、ビデオプロセッサ30により構成された後、図3に示すように、情報が関連するテレビジョンプログラムと同時に画面に表示される。図3に示すように、ウェブサイトのネームは、ウェブサイトからの情報のテキストの上に表示することができる。上述したように、テレビジョンプログラムが連続テレビショーであるならば、表示された情報は、エピソード、キャスト履歴、及びショーに関する事柄に関する情報を含みうる。そして、視聴者は、所望の情報を見出すために視聴者のソフトウェアによって指示された方法でウェブサイトをナビゲートする。)

キ.「Referring back to FIG. 1 , when the viewer interacts with the website data or other PRI displayed on the television screen, the viewer's attention is diverted from the television program being shown to the website data. The viewer is then missing what is happening in the television program until the viewer's interaction with the PRI is concluded. To overcome this situation, an additional component. Storage Device 52, described above, is added to the system to "time-shift" the display of the television program. As the television signal is being received by Tuner 11, the signal is forwarded through IF Amp 12 and Picture DET 13 to VCR 17. The VCR sends the signal through an analog to digital converter (A/D) 50 to Storage Device 52. The Storage Device is under the control of the Microprocessor 24 and is capable of storing the incoming television signal in real-time as digital infonnation for future use.」(第7頁第8?18行)
(図1を再び参照すると、視聴者がテレビジョン画面に表示されたウェブサイトデータ又は他のPRIと対話する場合、視聴者の注意は、表示されているテレビジョンプログラムからウェブサイトデータに転じられる。次いで、視聴者は、PRIとの視聴者の対話が終結するまでテレビジョンプログラムで何が起こっている分からない。この状況を克服するために、更なる構成部分である、上述した、記憶装置52がテレビジョンプログラムの表示を“タイムシフト”すべくシステムに追加される。テレビジョン信号がチューナ11によって受信されると、信号は、中間周波増幅器12及びピクチャ検出器13を介してVCR17に送られる。VCRは、信号をアナログーディジタル変換器(A/D)50を介して記憶装置52に送る。記憶装置は、マイクロプロセッサ24の制御下にありかつ将来の使用に対するディジタル情報としてリアルータイムで入力テレビジョン信号を記憶することができる。)

ク.「As the television signal is being stored, if a viewer wants to interact with the PRI such as website data or other textual information being displayed on the television screen, the viewer sends a command to the microprocessor 24 via the viewer input device 28. The viewer action to send the command could, for example, consist of pushing a button on the viewer input device. In response, the microprocessor 24 controls VCR 17 to output the television signal to the Storage Device 52 which begins storing the television signal, including the PRI information embedded in the VBI. The Storage Device 52 simultaneously outputs the first stored frame of the video signal to the signal processing unit for extended display on television 32. The television 32 continues to display this frame until controlled by the viewer to continue without effect on any viewer activity with the PRI shown in the remainder of the display screen. The viewer then interacts with the PRI as described above.」(第7頁第19行?第8頁第2行)
(テレビジョン信号が記憶され、視聴者が、テレビジョン画面に表示されるウェブサイトデータ又は他のテキスト情報のようなPRIと対話することを欲するならば、視聴者は、視聴者入力装置28を介して命令をマイクロプロセッサ24へ送る。命令を送るための視聴者アクションは、例えば、視聴者入力装置のボタンを押すことから構成される。それに応答して、マイクロプロセッサ24は、VBIに組込まれたPRI情報を含む、テレビジョン信号を記憶することを開始する記憶装置52にテレビジョン信号を出力すべくVCR17を制御する。記憶装置52は、ビデオ信号の最初に記憶されたフレームをテレビジョン32の拡張表示のために信号処理部へ同時に出力する。テレビジョン32は、表示画面の残りの部分に示されるPRIによっていずれかの視聴者アクティビティに影響を与えることなく継続することを視聴者によって制御されるまでこのフレームを表示し続ける。次いで、視聴者は、上述したようにPRIと対話する。)

ケ.「When the viewer is done interacting with the PRI, the viewer sends a command to the microprocessor 24 to resume display of the television program. However, instead of displaying the incoming television signal from Tuner 11, the VCR directs the delivery of the stored television signal data output from the READ head of Storage Device 52 through Digital-to-Analog Converter (D/A) 54 and SW 18 to PIP 19 for display on TV 20. The data displayed is that part of the television program immediately subsequent to the point of suspension. That is, it has been time-shifted. The incoming television signal data continues to be stored by the WRITE head of the Storage Device 52 in a time-ordered manner regardless of the functioning of the READ head. In other words, when display of the television program is to be suspended, the READ head is kept in the same position until a resume command is received. The WRITE head, however, keeps moving to record the incoming television signal data. Hence, at this time the data being stored is not the same data that is being displayed; there is a time lag between the two sets of data. In this manner, the viewer may continue watching the program without losing continuity of the program or PRI content. The viewer can position a cursor and enter input to freeze the display of the television program image on command.」(第8頁第3?18行)
(視聴者がPRIとの対話を行った場合、視聴者は、テレビジョンプログラムの表示を再開すべくマイクロプロセッサ24に命令を送る。しかしながら、チューナ11からの入力テレビジョン信号を表示する代わりに、VCRは、TV20上の表示用にPIP19へディジタル-アナログ変換器(D/A)54及びSW18を介して記憶装置52のREADヘッドから出力された記憶されたテレビジョン信号データの配送を指図する。表示されたデータは、中断の地点に直続するテレビジョンプログラムのその部分である。即ち、それは、タイムシフトされた。入力テレビジョン信号データは、READヘッドの作用に係わりなく時系列で記憶装置52のWRITEヘッドによって記憶され続ける。換言すると、テレビジョンプログラムの表示が中断される場合、READヘッドは、再開命令を受取るまで同じ位置に保たれる。しかしながら、WRITEヘッドは、入力テレビジョン信号データを記録すべく動き続ける。従って、この時記録されるデータは、表示されるものと同じデータではない:二つの組のデータ間に時間のずれがある。このようにして、視聴者は、プログラム又はPRI内容の連続性を損なうことなくプログラムを見ることを続ける。視聴者は、命令でカーソルを配置しかつテレビジョンプログラム画像の表示を凍結すべく入力をエンターすることができる。)

上記ア.?ケ.の記載及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、

(a)刊行物1には、上記ア.?エ.に記載があるように、テレビジョンプログラムに関する情報を視聴者がアクセスできるようにさせるために、インターネットサイトのアドレスのようなテレビジョンプログラム関連情報がVBIに組み込まれたシステムにおいて、ウェブページの閲覧の際に、プログラムの連続性を損なわないように、フレームを一時停止し、そのフレームからプログラムを見ることを再開させるタイムシフト方法について記載されている。

(b)上記エ.、オ.及び図1の記載から、刊行物1のタイムシフト方法において、『テレビジョン信号をチューナによって収集するタイムシフト装置は、TVモードにおいてテレビジョン信号により搬送されるテレビジョンプログラムを表示する』ものである。

(c)上記オ.、カ.、ク.の記載から、刊行物1のタイムシフト方法において、『タイムシフト装置は、テレビジョン信号のVBIに含まれているウェブサイトデータを剥ぎ取り、記憶するものであって、ウェブサイトデータが記憶されることを知らせるために、TVモードにおけるテレビジョンの画面にアイコンを現し、アイコンを見た視聴者がリモートコントローラのボタンを押すことにより、多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面を表示し対話するインターネットモードになる』ものである。

(d)上記オ.、カ.、ク.の記載から、刊行物1のタイムシフト方法では、『TVモードにおいて、タイムシフト装置は、ウェブサイトデータが記憶されることを知らせるために、テレビジョンの画面にアイコンを現す』ものである。

(e)上記オ.、カ.、ク.の記載から、刊行物1のタイムシフト方法では、『TVモードにおいて、テレビジョンの画面にアイコンを現しているときに、視聴者がリモートコントローラのボタンを押すことにより、タイムシフト装置は、インターネットモードになる』ものである。

(f)上記ウ.、カ.?ケ.の記載から、刊行物1のタイムシフト方法では、『TVモードにおいて、テレビジョンの画面にアイコンを現しているときに、視聴者がリモートコントローラのボタンを押すことによりインターネットモードになると、タイムシフト装置は、テレビジョン信号を記憶することを開始する記憶装置にテレビジョン信号を出力し、最初に記憶されたフレームを表示し続け、多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面を表示する』ものである。

(g)上記オ.、カ.、ク.の記載から、刊行物1のタイムシフト方法では、『インターネットモードにおいて、多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面と対話するために、リモートコントローラによる視聴者の選択が送られる』ものである。

(h)上記ウ.、キ.、ケ.の記載から、刊行物1のタイムシフト方法において、『タイムシフト装置は、視聴者の対話が終結すると、テレビジョンプログラムの表示を中断の地点から再開する』ものである。

そうすると、刊行物1には以下の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が開示されている。
なお、a.?g.については、説明のために当審にて付したものである。
(以下、「構成a」、・・・、「構成g」という。)

[刊行物1発明]

「a. テレビジョン信号をチューナによって収集するタイムシフト装置は、TVモードにおいてテレビジョン信号により搬送されるテレビジョンプログラムを表示するステップと、
b1.タイムシフト装置は、テレビジョン信号のVBIに含まれているウェブサイトデータを剥ぎ取り、記憶するものであって、
b2.ウェブサイトデータが記憶されることを知らせるために、TVモードにおけるテレビジョンの画面にアイコンを現し、
b3.アイコンを見た視聴者がリモートコントローラのボタンを押すことにより、多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面を表示し対話するインターネットモードになるステップと、
c.TVモードにおいて、タイムシフト装置は、ウェブサイトデータが記憶されることを知らせるために、テレビジョンの画面にアイコンを現すステップと、
d.TVモードにおいて、テレビジョンの画面にアイコンを現しているときに、視聴者がリモートコントローラのボタンを押すことにより、タイムシフト装置は、インターネットモードになるステップと、
e.TVモードにおいて、テレビジョンの画面にアイコンを現しているときに、視聴者がリモートコントローラのボタンを押すことによりインターネットモードになると、タイムシフト装置は、テレビジョン信号を記憶することを開始する記憶装置にテレビジョン信号を出力し、最初に記憶されたフレームを表示し続け、多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面を表示するステップと、
f.インターネットモードにおいて、多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面と対話するために、リモートコントローラによる視聴者の選択が送られるステップと、
g.タイムシフト装置は、PRIとの視聴者の対話が終結すると、テレビジョンプログラムの表示を中断の地点から再開するステップとを
備える方法。」

(3)補正後発明と刊行物1発明との対比と一致点・相違点の認定

ア.対比

補正後発明と刊行物1発明との対比をする。
なお、本願発明の「ウェブ・ページまたは対話型メニュ」の「または」の記載は択一的な記載であるから、このうちの「対話型メニュ」について検討する。

(ア-1)刊行物1発明の構成aと補正後発明の構成Aについて
構成aの「テレビジョン信号をチューナによって収集するタイムシフト装置」は、テレビジョン信号をチューナによって収集、すなわち受信するものであるから、構成Aの「受信機」に対応する。
構成aの「テレビジョン信号」は、テレビにて表示する画像すなわち動画を搬送するものであるから、構成Aの「ビデオ・ストリーム」に対応する。
構成aの「テレビジョン信号により搬送されるテレビジョンプログラム」は、テレビジョン信号により搬送されるものであるから、テレビジョンプログラムは、テレビジョン信号の一部であり、構成Aの「ビデオ・ストリームの一部」に対応する。
構成aの「TVモードにおいて・・・テレビジョンプログラムを表示」に関して、TVモードでは、動画再生の状態といえるので、構成aの「表示」は、再生を意味するものであり、構成Aの「再生」に対応する。
したがって、刊行物1発明の構成aと、補正後発明の構成Aは、「受信機が、ビデオ・ストリームの一部を再生するステップ」である点で一致する。

(ア-2)刊行物1発明の構成b1と補正後発明の構成B1について
構成b1において、「タイムシフト装置は、「テレビジョン信号のVBIに含まれているウェブサイトデータ」を剥ぎ取り、記憶するものであ」り、タイムシフト装置は、テレビジョン信号のVBIにウェブサイトデータが含まれていることを検出しているといえる。
構成b1における「タイムシフト装置」、「テレビジョン信号」は、上記(ア-1)と同様に、構成B1の「受信機」、「ビデオ・ストリーム」に対応する。
そして、構成b1の「テレビジョン信号のVBIに含まれているウェブサイトデータ」は、テレビジョン信号のVBIに埋め込まれているウェブサイトへ接続するためのデータであるといえるから、構成B1の「ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグ」に対応する。
したがって、刊行物1発明の構成b1と、補正後発明の構成B1は、「前記受信機が、前記ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグを検出するステップ」を有する点で一致する。

(ア-3)刊行物1発明の構成b2と補正後発明の構成B2について
構成b2において、「ウェブサイトデータが記憶されることを知らせる」のは、構成b1を考慮すると、テレビジョン信号のVBIにウェブサイトデータが含まれていることを契機としているものである。そして、「TVモードにおけるテレビジョンの画面」には、テレビジョン信号が再生されているので、構成b2は、ウェブサイトデータが、タイムシフト装置に、テレビジョン信号内にアイコンを挿入するように命令しているといえる。
構成b2における「ウェブサイトデータ」、「タイムシフト装置」、「テレビジョン信号」は、上記(ア-1)、(ア-2)と同様に、構成B1の「1個以上の特定タグ」、「受信機」、「ビデオ・ストリーム」に対応する。
したがって、刊行物1発明の構成b2と、補正後発明の構成B2は、「前記1個以上の特定タグが、前記受信機に、前記ビデオ・ストリーム内にアイコンを挿入するよう命令」する点で共通する。
しかし、アイコンを挿入することに関し、刊行物1発明では、何ら限定がなく、補正後発明のように、特定ポイントで行うものではない点で相違する。

(ア-4)刊行物1発明の構成b3と補正後発明の構成B3について
構成b3の「多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面」は、多数のウェブサイトネームからの選択をするものであるから、メニュといえる。そして、「多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面を表示し対話するインターネットモードになる」ことは、該メニュを利用して対話するものであるから、メニュは対話型メニュといえ、対話型メニュと対話するものといえる。
そして、構成b3の、「アイコンを見た視聴者がリモートコントローラのボタンを押す」のは、視聴者がアイコンを見て、リモートコントローラのボタンを押そうと考えるものであり、ボタンは、「多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面を表示し対話するインターネットモードになる」ためのボタン、すなわち、「対話型メニュと対話する」ためのボタンであるから、構成b3は、アイコンが、視聴者が、対話型メニュと対話するためのボタンを押すことを視聴者に促すものといえる。
ここで、メニュを構成する「多数のウェブサイトネーム」のそれぞれは、VBIのウェブサイトデータに基づくものであるから、構成B3のように、「前記1個以上の特定タグにより指定された」ものである。
したがって、刊行物1発明の構成b3と、補正後発明の構成B3は、「前記アイコンが、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定された対話型メニュと対話するボタンを押すことを、前記視聴者に促す、ステップ」を有する点で一致する。

(ア-5)刊行物1発明の構成cと補正後発明の構成Cについて
(ア-3)で検討したように、「ウェブサイトデータが記憶されることを知らせる」のは、テレビジョン信号のVBIにウェブサイトデータが含まれていることを契機としているものであるから、テレビジョン信号のVBIに含まれているウェブサイトデータに応じて行われているものである。
(ア-1)、(ア-2)を踏まえると、構成cの「TVモード」、「タイムシフト装置」、「ウェブサイトデータ」は、構成Cの「前記ビデオ・ストリームの前記一部を再生する間」、「受信機」、「1個以上の特定タグ」に対応する。
したがって、刊行物1発明の構成cと、補正後発明の構成Cは、「前記ビデオ・ストリームの前記一部を再生する間に、前記受信機が、前記1個以上の特定タグに応じて、前記ビデオ・ストリーム内で前記アイコンを表示するステップ」である点で共通する。
しかし、アイコンを表示することに関し、刊行物1発明では、何ら限定がなく、補正後発明のように、特定ポイントで行うものではない点で相違する。

(ア-6)刊行物1発明の構成dと補正後発明の構成Dについて
構成dの「TVモードにおいて、テレビジョンの画面にアイコンを現しているとき」は、構成Dの「前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間」に対応する。
そして、「視聴者がリモートコントローラのボタンを押すことにより、タイムシフト装置は、インターネットモードになる」ことは、リモートコントローラからタイムシフト装置に、ボタンの選択による制御信号を送信しているものであるから、タイムシフト装置は、ボタンの選択を受信していることとなる。
したがって、刊行物1発明の構成dと、補正後発明の構成Dは、「前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間に、前記受信機が、前記ボタンの選択を受信するステップ」を有する点で一致する。

(ア-7)刊行物1発明の構成eと補正後発明の構成Eについて
構成eの「TVモードにおいて、テレビジョンの画面にアイコンを現しているとき」は、構成Eの「前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間」に対応する。
そして、構成eの「視聴者がリモートコントローラのボタンを押すことによりインターネットモードになると、タイムシフト装置は、テレビジョン信号を記憶することを開始する記憶装置にテレビジョン信号を出力し、最初に記憶されたフレームを表示し続け、」ということは、ボタンを押すと、自動的に、フレームが次の画面にならないということであるから、構成Eの「前記ボタンの選択に応じて、前記受信機が、自動的に、前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、」に対応する。
さらに、構成eの「多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面」は、(ア-4)で検討したように、構成Eの「前記1個以上の特定タグにより示される対話型メニュ」に対応する。
したがって、刊行物1発明の構成eと補正後発明の構成Eは、「前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間の前記ボタンの選択に応じて、前記受信機が、自動的に、前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、かつ前記1個以上の特定タグにより示される前記対話型メニュを表示するステップ」を有する点で共通する。

(ア-8)刊行物1発明の構成fと補正後発明の構成Fについて
構成fの「多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面」は、(ア-4)で検討したように、構成Fの「対話型メニュ」に対応する。
構成fの「リモートコントローラによる視聴者の選択が送られる」ということは、対話型メニュ(多数のウェブサイトネームからの選択を促す画面)と対話するために、(リモートコントローラにおける)視聴者の入力を受信することといえるので、視聴者の入力は、視聴者の対話型メニュとの対話を示すものである。
したがって、刊行物1発明の構成fと補正後発明の構成Fは、「視聴者の前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信するステップ」を有する点で一致する。

(ア-9)刊行物1発明の構成gと補正後発明の構成Gについて
刊行物1発明の構成gの「タイムシフト装置は、PRIとの視聴者の対話が終結すると、テレビジョンプログラムの表示を中断の地点から再開する」は、テレビジョンプログラムの再生を再開することであるから、刊行物1発明の構成gと補正後発明の構成Gは、「前記受信機が、前記ビデオ・ストリームの再生を再開するステップ」を有する点で一致する。

イ.一致点・相違点

したがって、刊行物1発明と補正後発明は、以下の点で一致ないし相違する。

[一致点]
「受信機が、ビデオ・ストリームの一部を再生するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグを検出するステップであって、前記1個以上の特定タグが、前記受信機に、前記ビデオ・ストリーム内にアイコンを挿入するよう命令し、前記アイコンが、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話するボタンを押すことを、前記視聴者に促す、ステップと、
前記ビデオ・ストリームの前記一部を再生する間に、前記受信機が、前記1個以上の特定タグに応じて、前記ビデオ・ストリーム内で前記アイコンを表示するステップと、
前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間に、前記受信機が、前記ボタンの選択を受信するステップと、
前記ビデオ・ストリームの一部を再生しかつ前記アイコンを表示する間の前記ボタンの選択に応じて、前記受信機が、自動的に、前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、かつ前記1個以上の特定タグにより示される前記ウェブ・ページまたは前記対話型メニュの何れかを表示するステップと、
視聴者の前記ウェブ・ページ又は前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリームの再生を再開するステップとを
備える方法。」

[相違点]
ビデオ・ストリーム内にアイコンを挿入すること、ビデオ・ストリーム内でアイコンを表示することに関し、補正後発明は、「特定ポイント」で行うのに対し、刊行物1発明は、そのような限定がない点。

ウ.当審の判断

上記相違点について検討する。

例えば、特開平10-51752号公報(以下、「刊行物2」という。)に記載されているように、VBI方式の伝送において、メッセージが有効になる時刻や有効になる期間も併せて伝送すること(段落【0026】、【0030】?【0031】)は、周知技術である。刊行物1発明において、アイコンの挿入や表示をする際に、特定の時点で行いたいということは、アイコンの挿入や表示を適切に行う上で、普通に考えられる事項であり、そのような場合に、刊行物2に記載されたような周知技術を採用して補正後発明のように、「特定ポイント」で行うようにすることは、容易に想到できるといえる。

よって、相違点については、格別のものではなく、補正後発明に関する作用・効果も、刊行物1発明から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって、補正後発明は、刊行物1発明と、刊行物2に記載されたような周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について

1.本願発明

平成26年2月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし27に係る発明は、平成25年9月12日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし27に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「【請求項1】
受信機が、ビデオ・ストリームの一部を再生するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリーム内の1個以上の特定タグを検出するステップであって、前記1個以上の特定タグが、前記受信機に、前記ビデオ・ストリーム内の特定ポイントにアイコンを挿入させて、視聴者が、前記1個以上の特定タグにより指定されたウェブ・ページまたは対話型メニュと対話することができることを、前記視聴者に示すように命令する、ステップと、
前記ビデオ・ストリームの前記一部を表示する間に、前記受信機が、前記1個以上の特定タグに応じて、前記ビデオ・ストリーム内の前記特定ポイントで前記アイコンを表示するステップと、
前記アイコンの表示に応じて、前記受信機が、第一の入力を受信するステップと、
前記第一の入力の受信に応じて、前記受信機が、
前記ビデオ・ストリームの再生を一時停止し、
前記1個以上の特定タグにより示される前記ウェブページまたは前記対話型メニュの何れかを表示し、
視聴者の前記ウェブページ又は前記対話型メニュとの対話を示す視聴者の入力を受信するステップと、
前記受信機が、前記ビデオ・ストリームの再生を再開するステップとを
備える方法。」

2.刊行物1発明

原審の拒絶理由に引用された刊行物1、及び、その記載事項は、前記第2.4.4-3.(2)に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願発明は、前記第2.4.で検討した補正後発明における限定事項を省いたものである。

そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する補正後発明が前記第2.4.4-3.に記載したとおり、刊行物1に記載された発明と、刊行物2に記載されたような周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1に記載された発明と、刊行物2に記載されたような周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。

第4.まとめ

以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1に記載された発明と、刊行物2に記載されたような周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について言及するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論の通り審決する。
 
審理終結日 2015-01-07 
結審通知日 2015-01-13 
審決日 2015-01-27 
出願番号 特願2011-253349(P2011-253349)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保 光宏  
特許庁審判長 藤井 浩
特許庁審判官 清水 正一
渡辺 努
発明の名称 クローズド・キャプション・タグ付システム  
代理人 沢田 雅男  
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