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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A63F
管理番号 1305262
審判番号 無効2014-800196  
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2014-11-26 
確定日 2015-09-07 
事件の表示 上記当事者間の特許第4382021号発明「スロットマシン」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第4382021号に係る出願は、平成11年12月22日に出願した特願平11-364262号の一部を平成17年9月21日に新たな特許出願としたものであり、平成21年10月2日に特許権の設定登録がなされたものであり、その後、請求人村野親から無効審判が請求されたものである。
そして、その以降の手続の経緯の概要は、以下のとおりである。

平成26年11月26日差出 無効審判請求書の提出
平成27年 2月13日 答弁書の提出(被請求人)
平成27年 5月22日差出 口頭審理陳述要領書の提出(請求人)
平成27年 6月 4日 口頭審理陳述要領書の提出(被請求人)
平成27年 6月16日 上申書の提出(被請求人)
平成27年 6月18日差出 上申書(口頭審理陳述要領書)の提出
(請求人)
平成27年 6月18日 口頭審理

第2 本件特許第4382021号の請求項1に係る発明
本件特許第4382021号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

【請求項1】
複数の図柄が外周面に描かれた複数のリールをステッピングモータで回転駆動させることにより前記図柄を可変表示する機器前面から観察される可変表示装置と、乱数抽選によって遊技の入賞態様を決定する入賞態様決定手段およびこの入賞態様決定手段によって決定された入賞態様に基づいて前記図柄の可変表示を制御する可変表示制御手段が構成された主制御回路と、前面扉の表面側に設けられた種々の情報を表示する表示装置と、この表示装置の表示を制御する表示制御回路と、効果音を出音するスピーカとを備えて構成されるスロットマシンにおいて、
前記主制御回路に接続された副制御回路であって、前記スピーカの出音を制御すると共に前記入賞態様決定手段およびその時の遊技状態に基づいて前記表示装置に表示する画像演出パターンの選択処理を行う副制御回路を備え、
前記表示制御回路は、前記副制御回路に接続され、前記副制御回路で選択され出力された演出パターンが入力され、
前記主制御回路は機器を収容する筐体の背面内側に取り付けられた基板に構成され、
前記表示制御回路および前記副制御回路は前記前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成されていることを特徴とするスロットマシン。

第3 無効理由についての当事者の主張
1.請求人の主張の概要
請求人は、本件特許の請求項1に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人が負担するとの審決を求め、無効とすべき理由を次のように主張するとともに、証拠方法として甲第1号証ないし甲第34号証を提出している。
なお、請求人は口頭審理陳述要領書において、甲第11号証ないし甲第21号証は参考資料であるとしており、無効理由としての証拠ではない。
(無効理由)
本件特許の請求項1に係る発明は、甲第1号証ないし甲第2号証に記載された発明、及び甲第3号証ないし甲第10号証、甲第22号証ないし甲第34号証に記載された周知技術に基づいて、本件出願の遡及日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。

<証拠方法>
甲第1号証 特開平5-123444号公報
甲第2号証 特開平11-244452号公報
甲第3号証 特開平11-47351号公報
甲第4号証 特開平11-9761号公報
甲第5号証 特開平11-216222号公報
甲第6号証 パチスロ完全攻略事典VOL.10、日本文芸社、平成10年12月20日発行、表紙、裏表紙、30?35頁、74?77頁及び114?117頁の写し
甲第7号証 特開平7-328201号公報
甲第8号証 特開平11-434号公報
甲第9号証 特開平11-276677号公報
甲第10号証 特開平9-220313号公報
甲第11号証 特開2006-006976号公報(本件公開公報)
甲第12号証 拒絶理由通知書(本件特許の審査中のもの)
甲第13号証 特開平7-100251号公報(甲第15号証の引例2)
甲第14号証 特開平7-231974号公報(甲第15号証の引例3)
甲第15号証 特開平6-246050号公報
甲第16号証 意見書(甲第15号証に対するもの)
甲第17号証 手続補正書(甲第15号証に対するもの)
甲第18号証 特許第4208368号公報(原出願の特許公報)
甲第19号証 無効2011-800081号審決(原出願の無効審決)
甲第20号証 平成24年(行ケ)10091号判決
(無効2011-800081号に対する審決取消請求事件)
甲第21号証 特許第4382021号(本件特許)
甲第22号証 特開平 5-007642号公報
甲第23号証 特開平 5-031239号公報
甲第24号証 特開平 5-115597号公報
甲第25号証 特開平 5-115600号公報
甲第26号証 特開平 5-115601号公報
甲第27号証 特開平11-333049号公報
甲第28号証 特開平 7-100249号公報
甲第29号証 特開平 7-185083号公報
甲第30号証 特開平 7-194809号公報
甲第31号証 特開平 7-231974号公報
甲第32号証 特開平 6-254212号公報
甲第33号証 特開平10-249025号公報
甲第34号証 特開平11-114133号公報

2.被請求人の主張の概要
被請求人は、本審判請求は成り立たない、審判費用は、請求人の負担とする、との審決を求め、請求人が主張する無効理由に根拠がないこと旨主張している。

第4 甲第1号証ないし甲第34号証の記載事項
甲第11号証ないし甲第21号証については、本件特許の審査過程における拒絶理由通知書、意見書等に関する資料であり、参考資料であるから説示は省略する。

(1)甲第1号証
本件特許の出願の遡及日前に頒布された(甲第2号証以降においても同様なので説明は省略する。)甲第1号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(1-a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 基枠に対しヒンジを介して開閉可能に片開き形式の前面枠を取り付け、前記前面枠に各種電気部品を取り付けた遊技装置において、前記前面枠の前面側本体部分を樹脂で構成し、該本体部分の裏側周囲を、裏側に凹状溝を有する金属製の補強枠で補強し、前記凹状溝中に、前記電気部品のリード線を通してあることを特徴とする遊技装置。」(下線は、当審が付したものである。以下同様。)

(1-b)「【0002】
【従来の技術】従来、例えば、パチンコ機、コインを用いたスロットマシン、パチンコ球を用いたスロットマシンの如き遊技装置など、各種遊技装置が知られている。この種の遊技装置は、基枠(後壁板がある箱型の基枠、後壁板の無い基枠等も含む。)に対しヒンジを介して開閉可能に支持された片開き形式の前面枠を有する。この前面枠には遊技用の各種電気部品等が取り付けられている。そして、その前面枠の構成材料としては、木板、金属板又は樹脂を使うことが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】樹脂を使用した場合には、木板や金属板を使用した場合に比べて、加工し易く、コスト安になるという利点があるが、重い遊技用の各種部品を支持する耐久性に欠けるだけでなく、前面枠のヒンジを構成する軸受金具の取付部が破損し易い等の問題点がある。また、前面枠として、上記いずれの材料を使った場合においても、前面枠の裏側の配線が複雑で邪魔になり易いという問題点がある。この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、樹脂を採用した前面枠の強度性と裏側配線処理の簡素化とを同時に満足し得る遊技装置を提供することを目的とする。」

(1-c)「【0007】前記本体ケース200は天板205、底板206、左右の側板207,208および背面板209により、上下左右および背面部が囲まれた箱型ケースとして構成されている。前記前面枠100の前面側上部にはパネル表示部10が設けられている。このパネル表示部10の中央には可変表示部としての3つの可変表示窓10b,10c,10dが設けられ、各可変表示窓10b,10c,10dには上、中、下段に1つずつ、合計3つずつ表示が現出されるようになっている。
【0008】パネル表示部10内の左方には賭け数表示部11(11a?11e)が設けられ、各賭け数表示部11(11a?11e)には「5」,「10」,「15」の賭け数(図示省略)が表示され、賭け数がセットされたときにそれら各賭け数表示部11(11a?11e)がその賭け数に対応して点灯するようになっている。また賭け数表示部11(11a?11e)に表示された賭け数に対応する組合せ表示ラインa?c(図2)が設けられている。また、中段の組合せ表示ラインa?aの右端にはボーナスゲーム(後述)時に点灯するボーナスゲーム表示部10rが設けられ、各可変表示窓10b,10c,10dの下部にはストップ操作可能時に点灯するストップ表示部10g,10h,10iが設置されている。
【0009】パネル表示部10の上部中央にはゲーム等に関する各種情報を表示する情報表示部10aが設けられている。そして、その斜め左上側にはビッグチャンス時に点灯するビッグチャンス表示部10eが、右端には役に応じた賞球数を表示したスコア表示部10fが設けられている。パネル表示部10の右側下部には、クレジット数を表示するクレジット数表示部10sが設けられている。」

(1-d)「【0013】本体ケース200内の左寄りには球抜き樋550が設置され、下段右側には、取込球を回収する回収樋940、遊技装置1の制御を行なうメイン制御装置250および該メイン制御装置250に電気を供給する電源装置370が設置されている。この電源装置370には図6に示すようにメインヒューズ371、パネルヒューズ372,DISヒューズ383、排出ヒューズ374、制御ヒューズ375、確率設定キー376および確率設定ボタン377が取り付けられている。この電源装置370の手前側には前面枠開閉検出スイッチ34が設置されている。本体ケース200内のメインタンク(貯留タンク)410に隣接した位置には、図3に示すように、外部接続端子基盤470が設置されている。また、この本体ケース200内の左側上部にはスピーカ260が取り付けられ、右側上部には排出個数表示器291および取込個数表示器292を有するカウンター装置290が設置されている。
【0014】前面枠100裏側の上段側には液晶パネル制御基盤750が、また、その下段右側下部には中継基盤930が、それぞれ、設置されている。また、同下段左側には中継基盤910、および取込とスイッチ類の制御装置920が設置されている。」

(1-e)「【0017】この遊技装置1は、上記のように概略構成されていて、メイン制御装置250、液晶パネル制御基盤750および取込とスイッチ類の制御装置920、その他機械的、電気的構成によって次のような遊技動作を行なうようになっている。
【0018】先ず、電源装置370の電源が投入された遊技前の状態においては、可変表示窓10b,10c,10d中の可変表示(可変表示ドラム(後述)の回転に基づく可変表示)は停止していて、賭け数表示部11中のランプ、操作用把手94中のスタートランプ、ストップ表示部10g,10h,10j中のランプ、ボーナスゲーム表示部10r中のランプ、ビッグチャンス表示部10e中のランプ、大役物発生表示部20中のランプは全て消灯している。そして、液晶テレビ制御基盤750の制御により情報表示部10aへのメッセージ表示が開始され、可変表示窓10b,10c,10d中のランプ、スコア表示部10f中のランプが点灯した状態となる。」

(1-f)「【0021】この状態で、遊技者がスタート操作用把手94を握ってスタート装置90を操作すると、スピーカからスタート音が発せられてスタート操作用把手94中のスタートランプ(後述)が消灯する。そして、内部の3つの可変表示ドラム(後述)がそれぞれ異なった速度での回転を開始して回転音が発せられ、それに伴って可変表示窓10b,10c,10d中の表示の変化が開始される。その開始のときから所定時間経過すると、ストップ表示部15a,15b,15c中のランプが点灯し、さらに所定時間が経過すると、左、中、右の順に可変表示ドラム(後述)が停止されて可変表示窓10b,10c,10d中の表示が確定される。ただし、その所定時間の経過前であっても、一定時間が経過して情報表示部10aに“ストップスイッチを押して下さい。”の表示が現われ、かつ、ストップ表示部15a,15b,15c中のランプが点灯してストップボタン22a,22b,22cの操作が可能となってから、遊技者によってストップボタン(22a,22b,22c)が押圧操作されると、スピーカ260からストップ音が発せられてその押圧操作されたストップボタン(22a,22b,22c)上の可変表示窓(10b,10c,10d)中の可変表示ドラムの回転が停止され、その結果、その可変表示窓(10b,10c,10d)中の表示の変化が停止されて確定する。そのストップボタン(22a,22b,22c)の押す順序はいずれの順に行なってもよい。いずれの場合も、可変表示窓(10b,10c,10d)中の表示の変化が停止されると、その停止ごとに対応するストップ表示部(15a,15b,15c)中のランプが消灯される。」

(1-g)「【0024】そのゲームの結果、特に、可変表示窓10b,10c,10d中の表示の組合せが“ビッグチャンス”を発生させる表示の組合せ(この実施例では、「7,7,7」の組合せ)となったときには、“ビッグチャンス”が発生してビッグチャンス表示部10e中のランプが点灯される。と同時に、“ビッグチャンス”の発生を知らせる効果音が発せられて所定数(例えば、90個)の賞球排出が行なわれ、しかる後、次のような“ビッグチャンスゲーム”に移行される。このビッグチャンスの発生時には情報表示部10aに、“ビッグチャンスおめでとうございます。”の表示と、ボーナスゲームの発生し得る回数(ボーナスゲームの残りの回数)、例えば「ボーナスゲームの残り3」の表示がなされる。」

(1-h)「【0067】図16には本体ケース200の正面図を示す。本体ケース200は可変表示ドラム装置600、メインタンク410、サブタンク420、排出樋430、賞球排出ユニット450、賞球排出制御装置470、球抜き樋550、メイン制御装置250および電源装置370等を収容するもので、前側が開口した箱体状に形成されている。
【0068】この本体ケース200内の中段部には前記棚板36が設置され、背板の上部には換気孔209dが設けられ、該換気孔209dに電動式換気扇265が取り付けられている。また、その背面の中央の上半部と下半部にはそれぞれ換気孔211,212が設けられ、上半部右側には覗き窓221と配線取出用孔222が形成されている。また、この本体ケース200内の上部右端には賞球排出系上半ユニット(後述)を回動可能に支持する支持部材231,232が取り付けられ、それら支持部材231,232には上向きに支持ピン231a,232aが設けられている。一方、この本体ケース200内上半部左端側の上下には前記賞球排出系ユニットを定常位置で回動しないように固定し得る固定部材235,236が取り付けられている。また、本体ケース200内の、前記施錠装置140のフック142,143と対応する側壁部には、それらフック142,143を係合させる施錠受部206,207が設けられている。」

(1-i)「【0111】図29には前記ドラムユニット680の分解斜視図を示す。ドラムユニット660,670,680は3つ共略同じ構成になっているので、その中の1つのドラムユニット680についてのみ説明する。ドラムユニット680は、同図に示すように、仕切板681、該仕切板681に取付枠682を介して取り付けられたパルスモータ(ステッピングモータ等も含む。)683、該パルスモータ683の駆動軸(図に現れていない。)に取り付けられた可変表示ドラム687、および前記仕切板681の内側でかつ前記可変表示ドラム687の内側に取り付けられた照明装置685等を具ている。
【0112】前記仕切板681は前記パルスモータ683、可変表示ドラム687および照明装置685等を支持するものである。が、右側のドラムユニット680の仕切板681はドラムボックス610の側壁板を兼ねている。前記パルスモータ683は、前記可変表示ドラム687をその回転の停止角度位置を制御し得る状態で回転させるもので、前記仕切板681の内側側面中央部に、前記取付枠682を介して取り付けられている。このパルスモータ683の駆動軸に取り付けられたプーリ(図に現れていない)に、前記可変表示ドラム687が取り付けられている。
【0113】前記可変表示ドラム687は、透光性(半透光性)のドラムリール部687aと、このドラムリール部687aに支持片687bを介してその内側中央に設けられた取付部687cとを具えている。可変表示ドラム687はこのように構成されていて、その内側中央の取付部687cを介して前記パルスモータ683の駆動軸に取り付けられた前記プーリ(図に現れていない)に取り付けられている。そして、その取り付けられた状態においてはそのドラムリール部687内に前記照明装置685が臨むようになっている。」

(1-j)「【0163】図57?図62には前記可変表示ドラム装置600の各可変表示ドラム667,677,687のリール部667a,677,687aの外周面に表示された、可変表示ゲーム用の各種表示図柄の例を示す。それらのうち、図57はリール部667aの第1番目から第10番目までの表示図柄、図58はリール部667aの第11番目から第21番目までの表示図柄、図59はリール部677aの第1番目から第10番目までの表示図柄、図60はリール部677aの第11番目から第21番目までの表示図柄、図61はリール部687aの第1番目から第10番目までの表示図柄、図62はリール部687aの第11番目から第21番目までの表示図柄をそれぞれ示す図である。」

(1-k)「【0189】図69には、上記遊技装置1の制御を行なう制御システムの制御ブロック図を示す。メイン制御装置250は遊技装置1の制御システム全体を支配し、ゲームの制御を行なうようになっている。このメイン制御装置250には、球の取込みとスイッチ類の信号に基づく制御を行なう取込とスイッチ類の制御装置920、球の取込みや排出の制御を単独で行なう賞球排出制御装置470、前面枠100に取り付けられた液晶テレビ装置700の図柄表示パターン等を管理する液晶パネル制御基盤750および外部電源(例えば、AC24V)等が接続されている。そして、前記取込とスイッチ類の制御装置920および賞球排出制御装置470は前記メイン制御装置250の支配下に置かれ、前記液晶テレビ制御装置700は前記メイン制御装置250の制御を受けるようになっている。」

(1-l)「【0212】図77には、液晶パネル制御基盤750、賞球排出制御装置470および可変表示ドラム装置600等の制御支配を行うメイン制御装置250の制御ブロック図を示す。メイン制御装置250は例えばコンピュータシステム250Aによって構成されている。
【0213】このコンピュータシステム250Aを構成するマイクロコンピュータ251は読出し専用メモリたる外部ROM251b、読出しと書込みが可能なメモリたる内部RAM251a、カレンダー251c等を有している。これらメモリのうちのROM251bには、可変表示ドラム667,677,687を動かすパルスモータ663,673,683、取込とスイッチ類の制御装置920、賞球排出制御装置470、液晶パネル制御基盤750およびスピーカ260等の制御するための固定制御データプログラムが書き込まれている。一方、RAM251aにはマイクロコンピュータ251に入力される各種信号等を一時的に記憶する記憶領域等が設けられている。」

(1-m)「【0217】図78には、液晶テレビ装置700の制御を行う液晶パネル制御基盤750の制御ブロック図を示す。液晶パネル制御基盤750は例えばコンピュータシステム750Aによって構成されている。このコンピュータシステム750Aを構成するマイクロコンピュータ755はフォントROM755aおよびV-RAM775b等を有している。これらメモリのうちのフォントROM755aには実際に液晶テレビに映し出される各種図柄データや文字データなどが格納されている。
【0218】一方、V-RAM755bはマイクロコンピュータ755の制御の下で前記フォントROM755a中のデータを液晶テレビに映し出す作業等を行なう。そして、前記V-RAM755bにCRTコントローラ755cおよびドライバー755dを介して液晶パネル制御基盤750の前面の液晶表示部755eが接続されている。液晶パネル制御基盤750は上記のように構成されていて、マイクロコンピュータ755により、フォントROM755a中のデータを基に、V-RAM755b、CRTコントローラ755cおよびドライバー755dを介して液晶表示部755eに各種表示がなされる。このマイクロコンピュータ751はメイン制御装置250と通信を行っていて、メイン制御装置250の支配を受ける。」

(1-n)「【0220】図80には、メイン制御装置250によって行われるメイン制御処理の前半部分手順を、図81にはその後半部分の手順を示す。このメイン制御処理としては、賭け球取込処理、可変表示ドラムの回転制御処理、ボーナスゲームへの移行処理、小役集中への移行処理、可変表示ドラムの停止制御処理、役確定分の払出し処理等が行われる。このメイン制御処理が開始されると、まずステップS100でイニシャル処理を行ってから、ステップS102,S104で順に賭け球取込処理、分岐処理を行う。そして、その分岐処理のとき、ステップS100Aでスタートスイッチ23がオン(ON)されると、ステップS106で可変表示ドラム667,677,687の回転制御を行ってから次のステップS108に移行する。ステップS108ではボーナスゲーム中であるか否かを判定する。その結果、ボーナスゲーム中でないと判定したときには、ステップS110でボーナス判定処理をしてからステップS114に移行する。が、ボーナスゲーム中であると判定したときには、ステップS112で設定値内(ボーナス)の小役確率利用の処理を行って、ステップS130(図81)に移行する。」

(1-o)「【0223】ステップS130では小役判定の結果が合格であるか(小役が発生したか)否かを判定し、合格しなかったと判定したときにはステップS132でボーナスフラグ、小役フラグの不成立処理を行ってからステップS136に移行し、合格したと判定したときにはステップS134で小役フラグの成立処理を行ってからステップS136に移行する。ステップS136では可変表示ドラム667,677,687の可変表示タイマがタイムアップしたか否かを判定し、タイムアップしていないと判定したときにはステップS138に移行し、タイムアップしたと判定したときにはステップS140で可変表示ドラム667,677,687の停止制御を行ってステップS142に移行する。ステップS138ではストップスイッチ(42),(43),(44)がオンしたか否かを判定し、オンしないと判定したときにはステップS136に戻り、オンしたと判定したときにはステップS140で可変表示ドラム667,677,687の停止処理を行ってステップS142に移行する。ステップS142では役が確定したか否かを判定し、役が確定していないと判定したときにはそのままステップS102(図81)に戻るが、役が確定したときにはステップS144でその役の確定分に対して球の払い出し処理を行ってからステップS102(図81)に戻る。」

(1-p)「【0242】なお、上記実施例では、パチンコ球を用いたスロットマシンの如き遊技装置について説明したが、それだけに限定せず、パチンコ機、コインを用いたスロットマシン等、基枠(後壁板がある箱型の基枠、後壁板の無い基枠等も含む。)に前面枠が開閉自在に取り付けられた遊技装置はすべて含む。また、前面枠本体110(前面枠100の前面側本体部分)の裏側周囲を補強する補強枠の形状や構成は上記実施例のものに限定せず、設計変更自由である。」

(1-q)「【0258】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、樹脂で構成された前面枠の本体部分が裏側に凹状溝を有する金属製の補強枠で補強されるとともに、前面枠に取り付けられた各種電気部品のリード線が前記補強枠の凹状溝中を通されることによって前面枠裏側の電気配線が簡素となる。」

(1-r)段落【0111】?【0113】及び【0163】の記載から、「各種表示図柄が外周面に表示されたリール部を具えた複数の可変表示ドラムをステッピングモータにより回転させ」ていること、段落【0007】、【0018】の記載から、可変表示ドラムは「前面枠100のパネル表示部10の中央に設けられた可変表示窓10b、10c、10d中で可変表示を行う」ことが分かる。

(1-s)段落【0018】、【0189】、【0218】の記載(なお、段落【0018】の「液晶テレビ制御基盤750」は、「液晶パネル制御基盤750」の誤記と認める。)から、液晶パネル制御基盤750に関して、「液晶パネル制御基盤750のマイクロコンピュータ751はメイン制御装置250と通信を行って」いること、「情報表示部10aへのメッセージ表示が開始されるよう制御するとともに液晶テレビ装置700の図柄表示パターン等を管理する」ことが分かる。

これらの事項を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

「各種表示図柄が外周面に表示されたリール部を具えた複数の可変表示ドラムをステッピングモータにより回転させ、前面枠100のパネル表示部10の中央に設けられた可変表示窓10b、10c、10d中で可変表示を行う可変表示ドラムと、スタートスイッチがオンされると可変表示ドラムの回転制御を行い、ボーナスゲーム中であると判定したときには、小役判定の結果が合格であるかを判定し、合格したと判定したときには小役フラグの成立処理を行い、可変表示タイマがタイムアップしたと判定したときに可変表示ドラムの停止制御を行うメイン制御装置250と、前面枠100のパネル表示部10の上部中央に設けられ、ビッグチャンスの発生時には“ビッグチャンスおめでとうございます”の表示と、ボーナスゲームの発生し得る回数の表示を行う情報表示部10aと、情報表示部10aのメッセージ表示を制御する液晶パネル制御基盤750と、本体ケース200内の左側の上段側に取り付けられ、スタート音等を発するスピーカ260とを備えて構成されるスロットマシンにおいて、
前記液晶パネル制御基盤750および前記スピーカ260を制御するメイン制御装置250のマイクロコンピュータ251と、前記液晶パネル制御基盤750のマイクロコンピュータ751はメイン制御装置250と通信を行っており、情報表示部10aへのメッセージ表示が開始されるよう制御するとともに液晶テレビ装置700の図柄表示パターン等を管理する液晶パネル制御基盤750とを備え、
前記メイン制御装置250は本体ケース200に収容され、
前記液晶パネル制御基盤750は、前面側本体部分を樹脂で構成した前記前面枠100の裏側の上段側に設置されたスロットマシン。」

(2)甲第2号証
甲第2号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(2-a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遊戯機に係わり、特に、パチスロ機、スロットマシン等のメダル遊戯機に関する。さらに詳しくは、本発明は、この遊戯機における内部抽選の結果を遊戯者に予測させる演出を実行するための手段の改良に関する。」

(2-b)「【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のように、予告図柄によるボーナスゲーム成立の告知の他、表示ランプを用いた予告手段であっても、遊戯者がボーナスゲームの種類(ビッグボーナス、レギュラーボーナス等)まで予想させるものでは無かった。」

(2-c)「【0031】図2に示される中央制御装置の機能は、役図柄を発生させるための条件成立、すなわち内部当選を抽選によって判定する内部当選判定部41、内部当選に基づいて、本発明特有の演出動作を決定する演出動作決定部42、決定された演出部の動作の実行を制御する演出動作制御部43、ドラムの動作を制御するドラム回転・停止制御回路44、ドラムが停止したとき、ドラム正面の図柄の配列に応じて役絵柄が成立したか否かを判断する当たり判断部である当たり判定回路45、当たり判断の結果に基づき当たり役の動作を制御する当たり役動作制御部46、を備えている。
【0032】内部当選判定部41は、遊戯用乱数生成回路41aと、遊戯用乱数抽選回路41cと、遊戯用乱数判定回路41dとを備えている。遊戯用乱数発生回路41aは、遊戯者がメダルをパチスロ機に投入してスタートスイッチを押すと、所定の数の乱数を発生させる。遊戯用乱数判定回路41dは、ROMに定められた所定の乱数テーブルに基づいて、抽選された乱数が当たり図柄に該当する乱数か否かを判定する。この判定は、各当たり図柄毎にフラグを立てることによってRAMに保存される。例えば、ビックボーナス(BB)フラグ、レギュラーボーナスの(RB)フラグ、5-15枚程度のメダルが払い出されるだけの小役当たりのフラグ、再遊戯のフラグが設定される。
【0033】演出動作決定部42における、BBフラグ又はRBフラグ成立時の演出パターンも、同様に抽選によって決定される。この演出動作決定部42は、複数のパターンの中から特定の演出パターンを抽選するための演出用乱数生成回路42a、パターン毎の出現確率のテーブルを記憶した演出用確率データROM42b、演出用乱数抽選回路42c、演出用乱数判定回路(フラグの判定回路)42dを備えている。この抽選回路及び判定回路の動作は、既述の遊戯用の回路とほぼ同様である。
【0034】演出動作制御部43は、演出開始・終了制御回路43a、演出用ランプ制御回路43b、スピーカ制御回路43cを備えている。当たり役動作制御部46は、メダル払出し制御回路46a、当たり表示ランプ制御回路46b、スピーカ制御回路46cを備えている。」

(2-d)「【0038】(演出動作の決定)演出動作決定部42は、内部当選の判定結果を参照し、演出動作をすべきか否か、如何なる演出をするかを決定する。具体的には、演出用乱数抽選回路42cが、内部当選判定部41によって判定された役が演出動作をすべき役であれば、演出用乱数生成回路42aで生成されている乱数からの抽選を行う。演出用乱数判定回路42dは、抽選された乱数をもとに、如何なる演出を行うかを判定する。
【0039】図3のフローチャートに、この実施形態における演出動作決定の処理手順が示されている。この処理手順は、パチスロ機内の制御装置により実行される。この処理手順は一定時間毎の割り込み処理として実行される。内部当選判定部41の遊戯用乱数判定回路41dは、内部当選の判定の結果立てられたフラグが、ボーナスゲームのフラグか否かを判定する(ステップS1)。
【0040】ステップS1の判断の結果、ボーナスゲームのフラグである場合には、遊戯用乱数判定回路41dは、そのフラグがビッグボーナスのフラグであるか、レギュラーボーナスのフラグであるかを判断し、その結果が演出用乱数抽選回路42cに送られる(ステップS2)。
【0041】なお、ステップS1の判断の結果、フラグが「ボーナスゲーム以外の当たり」又は「外れ」であった場合には、演出動作は行われず、演出処理ルーチンから抜ける。
【0042】演出用乱数抽選回路42cにステップS2での判定結果が送られると、演出用乱数抽選回路42cは、演出用確率データROM42bに記憶されている確率データを参照して、演出用乱数生成回路42aで生成されている乱数から抽選を行う(ステップS3)。
【0043】演出用確率データROM42bの確率データ設定テーブルには、ビッグボーナスとレギュラーボーナス毎に確率データが記憶されている。
【0044】例えば、演出動作の種類をAパターン、Bパターンの2種類として、次のようにそれぞれのパターンが決定される。確率データとは、それぞれのパターンに割り当てられる乱数の全体数に対する割合である。以下、例を示して説明する。なお、演出用出力手段をランプであるとすると、Aパターンは例えばランプの点滅であり、Bパターンは、これとは異なり、例えば、ランプの常灯である。」

(2-e)「【0067】(演出動作の内容)演出動作制御部43による演出内容としては、既述のように、前記Aパターンの場合に演出用ランプ36又はLEDを一定間隔で点滅させ、前記Bパターンの場合に、演出用ランプ36又はLEDを継続的に点灯させるという、視覚に訴える手段がある。また、AパターンとBパターンとで異なった音声をスピーカ37から出力させるという聴覚に訴える手段がある。また、その組み合わせでも良い。」

(2-f)段落【0032】の記載において、内部当選判定部41において「ビックボーナス(BB)フラグ、レギュラーボーナスの(RB)フラグ、5-15枚程度のメダルが払い出されるだけの小役当たりのフラグ、再遊戯のフラグ」を設定することは、実質的には、ビックボーナス、レギュラーボーナス等の入賞態様を決定するものであるから、内部当選判定部41は入賞態様を決定するといえる。

(2-g)図2より、内部当選判定部41、演出動作決定部42、演出動作制御部43はそれぞれ区別されて記載されているから、演出動作決定部42は、内部当選判定部41及び演出動作制御部43とは別に設けられているといえる。

(2-h)段落【0033】の記載より、演出動作決定部42は、複数のパターンの中から特定の演出パターンを抽選するための演出用乱数生成回路42aを備えており、【0038】の記載より、演出動作決定部42は、内部当選の判定結果を参照し、演出動作をすべきか否か、如何なる演出をするかを決定するから、演出動作決定部42により、入賞態様に基づいて演出パターンの選択処理を行うといえる。

これらの事項及び図示内容を総合すると、甲第2号証には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
「入賞態様を決定する内部当選判定部41及び所定の演出パターンで演出用ランプ36を制御する演出動作制御部43とは別に設けられた演出動作決定部42により、入賞態様に基づいて演出パターンの選択処理を行う遊戯機。」

(3)甲第3号証
甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
「【0039】この判別が“YES”の場合、CPU31によって入賞判定が行われ(ST3)、引き続いてリール2,3,4の回転処理が行われる(ST4)。入賞判定は、スタートレバー15が操作された後の適宜のタイミングに行われ、乱数発生器36で発生し、サンプリング回路37によって特定された1つの乱数値が、入賞判定テーブルにおいてどの入賞グループに属する値になっているか判断されることによって行われる。
【0040】この入賞判定の結果セットされた入賞フラグの種類に応じてリール2,3,4の停止制御が行われる(ST5)。次に、リール停止時の表示が所定の入賞シンボル組合せであるか否かが、入賞シンボル組合せテーブルを参照して判断される(ST6)。入賞が得られなかったときには“NO”となって処理は初めのST1に戻る。また、入賞判定の結果リプレイゲームであるときは処理はST2のスタートレバー15の操作待ち処理に戻る(ST7)。リプレイゲームでない入賞のときには所定枚数のメダルがホッパ38によって払い出される(ST8)。」

(4)甲第4号証
甲第4号証には、以下の事項が記載されている。
(4-a)「【0002】
【従来の技術】例えば、スロットマシン或いはパチスロと称される遊技機は、正面の表示窓内に複数の図柄を表わした回転リールを複数配列することで機械的に構成した可変表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示することで電気的に構成した可変表示装置を有し、遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が可変表示装置を駆動して各リールを回転させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により各リールの回転を順次停止させた時、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組み合わせ(入賞図柄)になった場合にコイン等の遊技媒体を払い出すことで遊技者に利益を付与するものであるが、現在主流の機種においては、回転しているリールが停止した時に入賞図柄が表示部の有効ライン上に揃うのは、遊技機の内部処理で入賞に当たった場合(具体的には、マイコンでの乱数抽出による抽選で当選したとき)である。これは、遊技者の停止操作(タイミング)だけで停止時の図柄を決定すると、遊技者の熟練度によって遊技の結果(勝敗)が決まってしまい、遊技者の技量のみが強調されて遊技の健全さが損なわれると共に、遊技店にとっても遊技機からのコイン払出率等の管理が困難になるという問題を解決するためである。
【0003】このような遊技機では、可変表示の停止時に表示する図柄の決定及びそのような図柄で可変表示を停止させる制御はマイコンで行われるが、遊技者にとっては、停止時の表示態様がどのようになるかを予想するのが困難で、実際に可変表示が停止するまで、遊技の結果が出るのを待つのみであった。そこで、このような遊技の他に何らかの表示を行うことで遊技の物足りなさを補うようにした遊技機が提案されている。」

(4-b)「【0064】上記の処理において、ST3の可変表示は、CPU21がモータ駆動回路31に駆動信号を送り、ステッピングモータ15L,15C,15Rを駆動してリール4L,4C,4Rを回転することにより実現される。また、ST4の入賞判定は、適宜のタイミングで乱数発生器26から乱数をサンプリングし、抽出した乱数の値が前記入賞確率テーブルでどのグループに属するかを判定することにより、実現される。そして、入賞と判定された場合には、CPU21は、入賞の種類に対応した図柄表示位置にリール4L,4C,4Rを停止制御する信号をモータ駆動回路31に送る。これにより、ST11の停止制御が実現される。」

(5)甲第5号証
甲第5号証には、以下の事項が記載されている。
(5-a)「【0091】第2の実施形態によるスロットマシンでは、報知選択抽選処理は、報知選択確率抽選テーブル(図11参照)が参照されて報知する入賞態様が選択され、この入賞態様に応じた報知情報が選択されて予兆報知が行われた。しかし、この第3の実施形態によるスロットマシンの報知選択抽選処理は、後述するように、デモ抽選テーブル選択テーブルが参照され、遊技状態および入賞態様に応じてデモ抽選テーブルが選択される。さらに、選択されたデモ抽選テーブルが参照され、抽選乱数に応じて報知情報が選択されて予兆報知が行われる。

(5-b)「【0094】本実施形態によるスロットマシンでは、図15に示すデモ抽選テーブル選択テーブルおよび図16?図18に示すデモ抽選テーブルがROM32に記憶されている。デモ抽選テーブル選択テーブルおよびデモ抽選テーブルは、入賞態様決定手段で決定された入賞態様に応じて報知手段が点灯制御するリールバックランプ消灯パターンの種類を選択する報知態様選択手段を構成している。」

(6)甲第6号証
甲第6号証には、以下の事項が記載されている。
第33頁左下には、「ボーナス確定パターン」として、「氷そろい+No.9フラッシュ→BIG」、「1リール消灯+NO.8フラッシュ→REG」、「1リール消灯+No.6フラッシュ→BIG」が記載されている。

(7)甲第7号証
甲第7号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(7-a)「【0012】図1は、本発明の遊技機の画像表示装置の一実施例を示すブロック図である。同図において、20は遊技機全体を制御するMPUであり、MPU20には、入出力インタフェース21を介し上述した入賞センサ12A、カウントセンサ13A、大当たり駆動部13B、大入賞センサ13C、大当たりランプ16A、及び遊技動作ランプ17Aが接続されている。MPU20は、入出力インタフェース21を介し各センサ出力を入力すると、入出力インタフェース21を介し該当の各種のランプや各駆動部等を制御する。
【0013】また、MPU20にはLCD制御部30が接続されている。ここでLCD制御部30はMPU20の制御の下に上述のLCD15の表示制御を行う他、大当たりになったときに特有の音楽をスピーカ19から送出する制御を行う。このようなLCD制御部30にはCPU31が設けられ、CPU31はROM32のプログラムを実行してLCD15に対する画像出力及びスピーカ19への音楽出力の各制御を行い、処理の際に必要なデータをRAM33に記憶する。」

(7-b)「【0015】一方、画像制御回路35はこのとき既にLCD同期回路40を駆動してこの同期回路40から同期信号を発生させており、この同期信号に基づき、H/V同期回路41はH(水平)及びV(垂直)の各方向の同期信号を生成してLCD15に供給する。この結果、LCD15にはCPU31により指示された画像が表示されることになる。また、上述の大当たりの条件を満たした場合にCPU31からその旨の指示が行われると、画像制御回路35はROM36に格納されている各画像データの中から該当の符号化された音楽情報を取り出してRAM34を介しCPU31へ転送する。CPU31はこの音楽情報をPCM回路42へ送って音楽データに変換させる。この音楽データはD/A変換器43でアナログ信号に変換され、増幅器44で増幅されたうえスピーカ19から送出される。」

(7-c)「【0018】即ち、上述のROM36には、図8(a)に示すように、音楽データが格納されるサウンドデータ領域の他に、キャラクタデータ領域を有している。このキャラクタデータ領域には、各々が20個のパターンを有する16種の画像データ(図柄)が格納されており、CPU31は、MPU20の制御に基づき画像制御回路35に対し、複数の画像データ(図柄)の中から選択的に1つの画像データ(図柄)を順次出力させるように制御する。この結果、この画像データ(図柄)に対応する画像データ(色調)がRAM39から取り出されてLCD15に出力される。」

(7-d)「【0024】次に図6のフローチャートに基づき本発明の要部動作を示すCPU31の図柄変動処理について説明する。同図(a)に示すステップST21では、MPU20からの受信コマンド中の図柄コードから画像制御回路35によりアクセスされるROM36のキャラクタデータ領域中の該当領域中の画像データ(図柄)のアドレスを計算する。次いでステップST22では、図柄変動タイマに例えば20秒の時間を設定して起動するタイマ初期化を行う。こうして起動された図柄変動タイマは、画像制御回路35からの1/60秒毎の割り込み信号により図6(b)のステップST28で減算される。
【0025】ここでMPU20からコマンドの変更がなくステップST23で「NO」となる場合は、上述のステップST21で計算されたROM36のアドレスをRAM34にセットして画像制御回路35に表示すべき図柄を指示する処理をステップST24で行う。この場合、画像制御回路35はLCD同期回路40を駆動して水平及び垂直の各同期信号をLCD15に供給すると共に、指示されたアドレスの画像データ(図柄)をROM36から読み出して一旦RAM37にセットし、かつこの画像データ(図柄)に応じた画像データ(色調)をRAM39から取り出してD/A変換器38に与えてアナログ信号としてLCD15へ出力させ、表示させる。」

(8)甲第8号証
甲第8号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(8-a)「【0044】遊技制御部202は、パチンコ遊技機101の遊技盤102の背面位置に設けられるものであり、役物制御回路203と、入出力回路204と、表示・音声制御回路205とを備えている。役物制御回路203は、入出力回路204におけるセンサおよびアクチュエータ類の駆動制御を含む遊技制御を統括して行う。ただし、特図ゲームを行ううえで行われる表示および音声処理等に関しては、役物制御回路203から表示・音声制御回路205に対して片方向通信による指示用データを送出することで、表示・音声制御回路205が行う。これによって、処理負担の大きな表示制御処理および音声制御処理は、表示・音声制御回路205が独立して担当する。」

(8-b)「【0055】図9は、遊技制御部における表示・音声制御回路の要部構成を示すものであり、各機能ブロックを示す。表示・音声制御回路205は、主制御部501と、主制御部501からの指示に基づいて、表示制御処理および音声出力処理を行う表示処理部502および音声処理部503とから構成されている。表示・音声制御回路205は、役物制御回路203から入力される指示用データに基づいて、役物制御回路203による制御とは独立して、特別図柄表示装置113での特図ゲームにおける映像表示制御および音声出力制御を行う。これによって、ストーリー性豊かな表示映像および特殊効果表示を実現でき、また、キャラクタのアクションにマッチした音声および効果音等の出力が可能となっている。」

(8-c)「【0057】詳しくは、まず、I/Oポート511を経由して役物制御回路203から送られてきた指示用データを、信号線553を介してRAM514内に、いったん格納する。つぎに、信号線552を介してROM513から読み出した各種制御プログラムや映像データおよび音声データ等と、格納した指示用データとに基づいて、表示映像データの作成編集や音声データの編集を行う。そして、表示処理部502および音声処理部503に対して、編集後のデータおよび指示命令を与える。」

(9)甲第9号証
甲第9号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(9-a)「【0031】図7は、画像制御基板94とその周辺の回路構成を示すブロック図である。画像制御基板94は画像表示手段53の内部に設けられている。画像表示手段53には、コネクタ66、画像制御基板94、CRT63等が含まれる。コネクタ66には、データ信号線CD0?CD7、割り込み信号線INT、接地線GND、電源線+5V,+12Vが接続されている。電源線の電源電圧は主基板84から供給される。コネクタ66は、主基板84のCRT回路54にケーブルで接続されるものである。
【0032】画像制御基板94には、ワンチップ・マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)67が設けられており、種々のデータ処理を行う。マイコン67には、CPU68、作業用RAM69、ROM70等が1チップ内に内蔵されている。画像処理プロセッサ59は、マイコン67からのコマンドにより、画像処理を高速に行う画像処理専用のプロセッサである。画像処理プロセッサ59の画像出力信号はD/Aコンバータ62を介してCRT63に出力される。また、画像処理プロセッサ59からは同期信号もCRT63に出力される。」

(9-b)「【0034】CD-ROM102から読み込まれるデータとしては、CRT63に表示する画像を制御するための画像制御プログラム、CRT63に表示する画像データ、右スピーカ80および左スピーカ81に出力する音声信号を制御するための音声制御プログラム、右スピーカ80および左スピーカ81に出力するための音声データ等がある。これらのプログラムおよびデータは、通常、RAM107に記憶される。マイコン67は、RAM107内の画像制御プログラムに従って、画像処理プロセッサ59にコマンドを送り、所定の手順による一連の画像表示を行う。また、マイコン67は、RAM107内の音声制御プログラムに従って、音声合成回路108にコマンドを送り、画像表示と同期した音声出力を行う。」

(9-c)「【0038】図8は、主基板84のその周辺の回路構成を示すブロック図である。主基板84は、パチンコ機1の各表示器やその他の部品の動作を制御するためのものである。主基板84上の基本回路45には、マイコン71が設けられており、種々のデータ処理を行う。マイコン71には、CPU72、ROM73、RAM74等が1チップ内に内蔵されている。アドレスデコード回路41は、基本回路45に接続される種々の入出力回路の入出力ポートのアドレスをデコードして、マイコン71からアクセス可能とするものである。
【0039】入力回路35は、通過玉検出器13、球数検出器32、特定球検出器33、始動検出器34からの検出信号を入力するためのものである。始動検出器34は、始動口9に入賞したパチンコ玉を検出するものである。基本回路45は、入力回路35からの入力信号により、所定のルールおよび手順に従って、表示器等の各部品の動作を制御する。」

(9-d)「【0042】ランプ回路55は、サイドランプ18等のランプを点灯、点滅制御するためのものである。ソレノイド回路48は、遊技盤3の遊技面に配置された可動部品である可動片14や開閉板22を駆動するためのものである。ソレノイド49は可動片14を駆動するためのものであり、ソレノイド50は開閉板22を駆動するためのものである。また、CRT回路54は、画像表示手段53に対するデータを出力するためのものである。
【0043】主基板84には、CD-ROMドライブ99用のインターフェース回路としてSCSIホスト回路116が設けられている。主基板84とCD-ROMドライブ99とは、連結手段101によってデータ伝送可能に連結されている。マイコン71は、SCSIホスト回路116を介してCD-ROMドライブ99からCD-ROM102内のプログラムおよびデータを読み込んで、RAM74に記憶する。CD-ROM102から読み込まれるデータとしては、パチンコ機1の各表示器やその他の部品の動作を制御するための遊技制御プログラムおよびそのためのデータがある。この遊技制御プログラムおよびデータは、電源オン時の基本回路45の初期動作時にRAM74中に読み込まれる。」

(9-e)「【図面の簡単な説明】・・・
【図8】図8は、主基板の回路構成を示すブロック図である。」

(10)甲第10号証
甲第10号証には、以下の事項が記載されている。
「【0018】また、遊技者が対面するキャビネット21の前面の裏側にはフロントスピーカ23が設置されており、キャビネット21の背面の内側にはリアスピーカ24が設置されている。これらフロントスピーカ23およびリアスピーカ24は、スロットマシン1の遊技状態に応じて効果音を発生する効果音発生手段を構成している。リアスピーカ24はフロントスピーカ23よりも口径が大きく、リアスピーカ24からは効果音の主として低音部が十分に出力され、口径の小さいフロントスピーカ23からは効果音の主として高音部が出力される。」

(11)甲第22号証
甲第22号証には、以下の事項が記載されている。
「【0011】・・・本体ケース2内の下段の一側寄りには遊技装置1の制御を行なうメイン制御装置200と該制御装置200に電気を供給する電源装置300が設置されている。
【0012】前面枠3裏側の上段側には液晶テレビ制御装置150が、また、その下段側にはパネル制御装置70が、それぞれ、設置されている。・・・」

(12)甲第23号証
甲第23号証には、以下の事項が記載されている。
「【0011】・・・本体ケース2内の下段の一側寄りには遊技装置1の制御を行なうメイン制御装置200と該制御装置200に電気を供給する電源装置300が設置されている。
【0012】前面枠3裏側の上段側には液晶テレビ制御装置150が、また、その下段側にはパネル制御装置70が、それぞれ、設置されている。・・・」

(13)甲第24号証
甲第24号証には、以下の事項が記載されている。
「【0013】本体ケース200内の左寄りには球抜き樋550が設置され、下段右側には、取込球を回収する回収樋940、遊技装置1の制御を行なうメイン制御装置250および該メイン制御装置250に電気を供給する電源装置370が設置されている。・・・
【0014】前面枠100裏側の上段側には液晶パネル制御基盤750が、また、その下段右側下部には中継基盤930が、それぞれ、設置されている。・・・」

(14)甲第25号証
甲第25号証には、以下の事項が記載されている。
「【0013】本体ケース200内の左寄りには球抜き樋550が設置され、下段右側には、取込球を回収する回収樋940、遊技装置1の制御を行なうメイン制御装置250および該メイン制御装置250に電気を供給する電源装置370が設置されている。・・・
【0014】前面枠100裏側の上段側には液晶パネル制御基盤750が、また、その下段右側下部には中継基盤930が、それぞれ、設置されている。・・・」

(15)甲第26号証
甲第26号証には、以下の事項が記載されている。
「【0013】本体ケース200内の左寄りには球抜き樋550が設置され、下段右側には、取込球を回収する回収樋940、遊技装置1の制御を行なうメイン制御装置250および該メイン制御装置250に電気を供給する電源装置370が設置されている。・・・
【0014】前面枠100裏側の上段側には液晶パネル制御基盤750が、また、その下段右側下部には中継基盤930が、それぞれ、設置されている。・・・」

(16)甲第27号証
甲第27号証には、以下の事項が記載されている。
「【0011】・・・本体ケース2内の下段の一側寄りには遊技装置1の制御を行なうメイン制御装置200と該制御装置200に電気を供給する電源装置300が設置されている。
【0012】前面枠3裏側の上段側には液晶テレビ制御装置150が、また、その下段側にはパネル制御装置70が、それぞれ、設置されている。・・・」

(17)甲第28号証
甲第28号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(17-a)「【0042】図12は、パチンコ遊技機に用いられる制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路は、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御するためのメイン基本回路67と、このメイン基本回路67からの制御信号を受けて駆動するスイッチ回路69,LCD回路70,LED回路71,ソレノイド回路72,情報出力回路73,アドレスデコード回路62,ランプ回路63,サブCPUコマンド出力回路64,定期リセット回路65,初期リセット回路66等を含む。また、制御回路には、AC24Vの交流電源に接続されて複数種類の直流の電圧を発生するための電源回路68が備えられている。」

(17-b)「【0047】ランプ回路63は、レール飾りランプ13とサイドランプ14と風車ランプ15と袖ランプ16とアタッカランプ19と遊技ランプ35(遊技機本体に装着)との点灯を制御するための回路である。サブCPUコマンド出力回路64は、後述の図13に示すサブ基本回路75へコマンドを出力するための回路である。」

(17-c)「【0049】図13は、前記図12に示した制御回路に接続されるサブ制御回路の構成を示すブロック図である。サブ制御回路には、制御回路のサブCPUコマンド出力回路64から出力されたコマンドデータ(DATA0?6)や定期リセット回路65から出力されるリセット信号(R_RESET)に応じてLEDを点灯制御するための指令信号と、スピーカ78からの音声発生を制御するための信号とを出力するサブ基本回路75が含まれている。」

(17-d)「【図面の簡単な説明】・・・
【図12】パチンコ遊技機に用いられる制御回路の構成を示すブロック図である。
【図13】パチンコ遊技機に用いられるサブ制御回路の構成を示すブロック図である。」

(18)甲第29号証
甲第29号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(18-a)「【0031】図2を参照して、メイン制御回路61の構成について説明する。メイン制御回路61は、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御するための基本回路(以下、「メイン基本回路」という)62と、このメイン基本回路62からの制御指令を受けて駆動する各種の装置用の回路63?73とを含む。装置用の回路としては、スイッチ回路63と、LCD回路64と、LED回路65と、ソレノイド回路66と、情報出力回路67と、アドレスデコード回路68と、ランプ回路69と、サブCPUコマンド出力回路70と、定期リセット回路71と、初期リセット回路72と、電源回路73とがある。」

(18-b)「【0045】次に、図3を参照してサブ制御回路91の構成について説明する。サブ制御回路91は、サブ基本回路92と、LED回路93と、音声合成回路94と、音量増幅回路95とを含む。」

(19)甲第30号証
甲第30号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(19-a)「【0049】図5を参照して、メイン制御回路61の構成について説明する。メイン制御回路61は、制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機の各種機器を制御するための基本回路(以下、「メイン基本回路」という)62と、このメイン基本回路62からの制御指令を受けて駆動する各種の機能別の回路63?73とを含む。機能別の回路としては、スイッチ回路63と、LCD回路64と、LED回路65と、ソレノイド回路66と、情報出力回路67と、アドレスデコード回路68と、ランプ回路69と、サブCPUコマンド出力回路70と、定期リセット回路71と、初期リセット回路72と、電源回路73とがある。」
(19-b)「【0063】次に、図6を参照してサブ制御回路81の構成について説明する。サブ制御回路81は、サブ基本回路82と、LED回路83と、音声合成回路84と、音量増幅回路85とを含む。」

(20)甲第31号証
甲第31号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
(20-a)「【0029】図3は、パチンコ遊技機に用いられる、メイン制御回路を示すブロック図である。パチンコ遊技機のメイン制御回路は、各種機器を制御するためのプログラムに従ってパチンコ遊技機を制御するためのメイン基本回路59と、始動入賞口スイッチ24と特定領域スイッチ25と10カウントスイッチ26a,26bとからの検出信号をメイン基本回路59に与えるためのスイッチ回路64と、メイン基本回路59の指令に従ってソレノイド46を駆動するソレノイド回路67と、メイン基本回路59から与えられるデータに従って、大当りが発生した旨を示す大当り情報や電気的可変表示装置3の可変表示に利用された始動入賞玉の個数を表わす有効始動情報をホストコンピュータであるホール用管理コンピュータ等に対して出力する情報出力回路68とを含む。
【0030】さらに、メイン制御回路は、メイン基本回路59から与えられるデータに従ってV表示LED56を駆動するためのLED回路66と、ランプ風車14とサイドランプ15と肩ランプ16とアタッカーランプ17とレール飾りランプ21などの各種装飾用のランプを駆動するためのランプ回路58とを含む。
【0031】さらに、メイン制御回路には、メイン基本回路59からの制御指令信号に従って、電気的可変表示装置3のCRT表示器47に対し可変表示制御信号を与えるCRT回路65が設けられている。」

(20-b)「【0034】図4は、メイン制御回路に接続されるサブ制御回路の構成を示すブロック図である。サブ制御回路には、メイン制御回路のサブCPUコマンド出力回路60から出力されたコマンドデータや、定期リセット回路61と初期リセット回路62とから出力される信号に応じてサブ制御回路全体を制御するためのサブ基本回路78が含まれている。さらに、サブ制御回路には、サブ基本回路78からの指令信号に応じて、始動記憶表示器10と飾り図柄11と入賞個数表示器12とアタッカーLED18とその他の飾りLED70?76とを駆動するためのLED回路77が設けられている。
【0035】図5は、前記図3に示したCRT表示器47の機能構成を示すブロック図である。CRT表示器47には、画像を表示するためのCRT30と、このCRT30の画像表示を制御するためのCRTコントロール回路86とが含まれている。さらに、CRT表示器47には、CRTコントロール回路86をリセットするためのリセット回路84と、CRTコントロール回路86にクロック信号を入力するための発信回路85と、CRT30に表示する画像のうち使用頻度の高い画像データをキャラクタ単位で予め記憶しておくためのキャラクタROM88と、CRTコントロール回路86が生成した画像データを展開して記憶するためのVRAM87とが含まれている。」

(20-c)「【0037】さらに、CRTコントロール回路86は、効果音等の音を合成してスピーカ145に出力するための音合成回路79に音声合成指令信号を送出する機能を有している。このようにCRT30の画像表示の制御とスピーカ145の音発生の制御とをCRTコントロール回路86によって一括して制御することにより、画像の表示を制御するための画像表示制御回路と、音の発生を制御するための音発生制御回路との両方を備える必要がなくなり、さらには、表示される画像の内容と発生させる音声の内容とを対応させるための制御回路をも備える必要がなくなるので、装置構成が簡素になる。しかも、画像表示と音発生とを同一の制御回路で制御するので、画像と音声とのタイミングを合わせることが容易になる。」

(21)甲第32号証
甲第32号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0007】前記下パネル70は、図5,6に示すように、ドアフレーム21の外側に固定された下パネル板42を備えている。そして、下パネル板42の裏側には、ドアフレーム21の内側に固定され、メダル投入口32とメダル受皿80とを連結するメダル返却通路22が配置されている。前記裏箱30の内部には、図5に示すように、中ランプボード56の透孔57の位置に合わせて回転リール31が固定されている。また、回転リール31の上方には、CPUやROM、RAM、I/O等を取り付けた主基板32及び電源ユニット33が裏箱30の内部に固定されている。さらに、回転リール31の下方には、中ランプボード56の透孔57の位置に合わせて回転リール31が裏箱30の内部に固定されている。」

(22)甲第33号証
甲第33号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0042】リール24の上部に位置するキャビネット25の内側背面には木枠33が設けられており、この木枠33には基板ケース34が取り付けられている。基板ケース34には前述したCPU,RAM,ROM等の電子部品が実装された遊技基板が収納されている。このスロットマシン21においても、前述した入賞判定テーブルといった大当たり確率情報等が記憶されたROMは、ソケットに挿入されて遊技基板に対して着脱自在に実装されている。スロットマシンの遊技機種の変更はこのROMを交換することによって容易に行える。」

(23)甲第34号証
甲第34号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0030】なお上記の各実施例では、制御基板部23を機体本体部1Aの左側の内壁面1aに止着しているが、この制御基板部23の止着位置は、必ずしも左側の内壁面1aである必要はなく、右側の内壁面や背部の内壁面であってもよい。また上記の各実施例では、制御基板部23として、制御回路の構成部品30が実装されたプリント配線基板31を保護ケース32内に収納したものを対象としているが、この発明は、保護ケース32内に収納しない状態のプリント配線基板を対象としたものにも適用できる。」

第5 無効理由の判断
1.対比
本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)と甲1発明とを対比する。
ア 甲1発明における「可変表示ドラム」は、本件発明の「可変表示装置」に相当し、以下同様に、「前面枠100」は「前面扉」に、「メイン制御装置250」は「主制御回路」に、「情報表示部10a」は「表示装置」に、「液晶パネル制御基盤750」は「表示制御回路」に、それぞれ、相当する。

イ 甲1発明において「リール部を具えた複数の可変表示ドラムをステッピングモータにより回転させ」ることにより、複数のリール部がステッピングモータにより回転することになることは明らかである。また、可変表示ドラムは「前面枠100のパネル表示部10の中央に設けられた可変表示窓10b、10c、10d中で可変表示を行う」から、機器前面から観察されることは自明な事項である。
よって、甲1発明の「各種表示図柄が外周面に表示されたリール部を具えた複数の可変表示ドラムをステッピングモータにより回転させ、前面枠100のパネル表示部10の中央に設けられた可変表示窓10b、10c、10d中で可変表示を行う可変表示ドラム」は、本件発明の「複数の図柄が外周面に描かれた複数のリールをステッピングモータで回転駆動させることにより前記図柄を可変表示する機器前面から観察される可変表示装置」に相当する。

ウ 甲1発明において「可変表示ドラム」は、「各種表示図柄が外周面に表示されたリール部を具え」ているから、甲1発明における「可変表示ドラムの回転制御」及び「可変表示ドラムの停止制御」は、本件発明の「図柄の可変表示を制御」することに相当し、甲1発明において、そのような可変表示制御手段を有していることは自明な事項である。
また、甲1発明には、「ボーナスゲーム中であると判定」したり、「小役判定の結果が合格であるかを判定」しており、このようなスロットマシンにおいて、ボーナスゲーム、小役といった遊技の入賞態様を決定する入賞態様決定手段を有することは自明な事項である。
よって、甲1発明の「スタートスイッチがオンされると可変表示ドラムの回転制御を行い、ボーナスゲーム中であると判定したときには、小役判定の結果が合格であるかを判定し、合格したと判定したときには小役フラグの成立処理を行い、可変表示タイマがタイムアップしたと判定したときに可変表示ドラムの停止制御を行うメイン制御装置250」と、本件発明の「乱数抽選によって遊技の入賞態様を決定する入賞態様決定手段およびこの入賞態様決定手段によって決定された入賞態様に基づいて前記図柄の可変表示を制御する可変表示制御手段が構成された主制御回路」とは、「遊技の入賞態様を決定する入賞態様決定手段および前記図柄の可変表示を制御する可変表示制御手段が構成された主制御回路」という点で共通する。

エ 甲1発明の「前面枠100のパネル表示部10の上部中央」は、甲第1号証の図2を見ると、前面枠100の表面側にあることが把握され、甲1発明の「前面扉の表面側」に相当するから、甲1発明の「前面枠100のパネル表示部10の上部中央に設けられ、ビッグチャンスの発生時には“ビッグチャンスおめでとうございます”の表示と、ボーナスゲームの発生し得る回数の表示を行う情報表示部10a」は、本件発明の「前面扉の表面側に設けられた種々の情報を表示する表示装置」に相当する。

オ 甲1発明の「情報表示部10aのメッセージ表示を制御する液晶パネル制御基盤750」は、本件発明の「この表示装置の表示を制御する表示制御回路」に相当する。

カ 甲1発明の「本体ケース200内の左側の上段側に取り付けられ、スタート音等を発するスピーカ260とを備えて構成されるスロットマシン」は、本件発明の「効果音を出音するスピーカとを備えて構成されるスロットマシン」に相当する。

キ 甲1発明の「メイン制御装置250は本体ケース200に収容され」る点と、本件発明の「主制御回路は機器を収容する筐体の背面内側に取り付けられた基板に構成され」る点とは、「主制御回路は機器を収容する筐体側に設けられ」る点で共通する。

ク 甲1発明における「前面枠100の裏側の上段側」は、甲第1号証の図3を見ると、前面枠100の背面側にあることが把握され、本件発明の「前面扉の背面側」に相当するから、甲1発明の「液晶テレビ制御基盤750は前記前面枠100の裏側の上段側に設置され」る点と、本件発明の「表示制御回路および前記副制御回路は前記前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成され」る点とは、「表示制御回路は前記前面扉の背面側に設けられ」る点で共通する。

ケ したがって、本件発明と甲1発明とは、
「複数の図柄が外周面に描かれた複数のリールをステッピングモータで回転駆動させることにより前記図柄を可変表示する機器前面から観察される可変表示装置と、遊技の入賞態様を決定する入賞態様決定手段および前記図柄の可変表示を制御する可変表示制御手段が構成された主制御回路と、前面扉の表面側に設けられた種々の情報を表示する表示装置と、この表示装置の表示を制御する表示制御回路と、効果音を出音するスピーカとを備えて構成されるスロットマシンにおいて、
前記主制御回路は機器を収容する筐体側に設けられ、
前記表示制御回路は前記前面扉の背面側に設けられているスロットマシン。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
本件発明においては、「乱数抽選によって」遊技の入賞態様を決定しているのに対し、甲1発明では遊技の入賞態様をどのように決定しているか、不明である点。

[相違点2]
本件発明においては、「入賞態様決定手段によって決定された入賞態様に基づいて」図柄の可変表示を制御しているのに対し、甲1発明では図柄の可変表示をどのように制御しているか、不明である点。

[相違点3]
本件発明においては、「スピーカの出音を制御する」のが「主制御回路に接続された副制御回路」であるのに対し、甲1発明において「スピーカ260」の出音を制御するのは、本件発明における「主制御回路」に含まれる「マイクロコンピュータ251」であって、「副制御回路」ではない点。

[相違点4]
本件発明においては、副制御回路における「前記表示装置に表示する画像演出パターンの選択処理」が、「前記入賞態様決定手段」及び「その時の遊技状態」に基づくのに対し、甲1発明においては「図柄表示パターン」を選択する処理は、「その時の遊技状態」に基づくものの「入賞態様決定手段」に基づくか否かは不明である点。

[相違点5]
本件発明においては、「画像演出パターンの選択処理」を、「前記主制御回路に接続された副制御回路」が行うのに対し、甲1発明において「図柄表示パターン」を選択する処理を何が行うか不明である点。

[相違点6]
本件発明における「表示制御回路」が「副制御回路」に接続されているのに対し、甲1発明の「液晶パネル制御基盤750」はそのような構成ではない点。

[相違点7]
本件発明における「演出パターン」が「副制御回路で選択され出力され」及び「表示制御回路」に「入力」されるのに対し、甲1発明の「図柄表示パターン」はそのような構成ではない点。

[相違点8]
本件発明における「主制御回路」が筐体の「背面内側に取り付けられた基板に構成され」ているのに対し、甲1発明の「メイン制御装置250」は、「本体ケース200」に収容されているものの、そのような構成ではない点。

[相違点9]
本件発明では、副制御回路は前記前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成されているのに対し、甲1発明ではそのような構成が開示されていない点。

2.判断
相違点の検討内容に鑑み、先ず相違点1、2及び相違点8を検討した後に、相違点3?7、9を検討することとする。
2-1 相違点1、2について
相違点1、2は技術的に密接に関連するので、合わせて検討する。
一般的なスロットマシンにおいて、乱数抽選によって遊技の入賞態様を決定し、決定された入賞態様に基づいて図柄の可変表示を制御することは、周知の技術である(例えば、甲第2号証の段落【0031】、【0035】?【0038】、甲第3号証の段落【0039】?【0040】、甲第4号証の段落【0002】?【0003】、【0064】参照。以下「周知技術A」という。)。
よって、甲1発明に周知技術Aを適用して、相違点1、2に係る本件発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得るものである。

2-2 相違点8について
(1)請求人の主張
ア 審判請求書における主張の概要
「スロットマシンにおいて、各種機器を筐体内のどこに取り付けるかは、当業者が適宜決定しうるものであり、筐体の背面内側に各種機器を取り付けること」は、甲第1号証、甲第10号証に記載された周知の技術である。
よって、甲1発明に甲第1号証、甲第10号証に記載された周知技術を適用して、相違点8に係る本件発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得るものである(審判請求書第41頁20行?第42頁第12行)。

イ 口頭審理陳述要領書、上申書における主張の概要
相違点8は、甲1発明及び周知技術を立証するための甲第22?27号証、甲第32?34号証(参考資料1?6、11?13)に実質的に開示された周知技術である(口頭審理陳述要領書第8頁第12、13行、上申書第8頁第20、21行)。

(2)被請求人の主張
ア 答弁書における主張の概要
請求人の「スロットマシンにおいて、各種機器を筐体内のどこに取り付けるかは、当業者が適宜決定しうるものである」との主張は、本件発明の課題目的及びそれを解決した本件発明の構成を全く無視したものである(答弁書第10頁第15行?第11頁第2行)。

イ 口頭審理陳述要領書、上申書における主張の概要
請求人が甲第22?27号証(参考資料1?6)で副制御回路と主張するものは「液晶パネル制御基盤」であり、本件発明に係る表示制御回路に相当するものである(口頭審理陳述要領書第5頁第10行?第6頁第10行)。
相違点8について、請求人は意味不明な周知技術を用いて判断しているがその論理付けを理解することは困難である(上申書第2頁第1?18行)。

(3)当審の判断
遊技機の主制御基板を筐体内側に取り付ける点は、周知の技術である(例えば、甲第32号証の段落【0007】、図5、甲第33号証の段落【0042】、図12、甲第34号証の段落【0030】、図5参照。以下「周知技術D」という。)。
よって、甲1発明において、メイン制御装置を本体ケースに収容するにあたり、周知技術Dを適用し、相違点8に係る本件発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得ることである。

2-3 相違点3?7、9について
相違点3?7、9は、いずれも副制御回路に関するものであり、技術的に密接に関連するので、合わせて検討する。
当事者は、特に相違点9を中心に以下の主張をしている。
(1)請求人の主張
ア 審判請求書における主張の概要
相違点9について、本件発明における「副制御回路」が「基板に構成されている」のに対し、甲第1号証に記載の発明において、本件発明における「副制御回路」に相当する回路は構成されていない点で相違する(審判請求書第21頁第19行?第22頁第2行)。
「スピーカの出音を制御すると共に主制御回路からのデータに応じて表示制御する副制御回路を、前記主制御回路及び表示制御回路とは別に設けること」は、甲第7号証ないし甲第9号証に記載された周知技術である。
甲1発明に、甲第7号証ないし甲第9号証に記載された周知技術、及び甲2発明を適用し相違点3、相違点5、相違点6、相違点7、相違点9に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得るものである(審判請求書第27頁第3行?第29頁第1行)。
甲1発明に、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第6号証に記載された周知技術を適用して相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到しうるものである(審判請求書第35頁第12行?第36頁第9行)。

イ 口頭審理陳述要領書、上申書における主張の概要
相違点9について、合議体の認定(被請求人が主張する認定)を認める(口頭審理陳述要領書第2頁第14行、上申書第2頁第22行)。
主制御回路、副制御回路、表示制御回路、音声制御回路については、「主制御回路(メイン)と主制御回路からの信号を受ける副制御回路(サブ)とを有し、副制御回路が表示制御回路及び音声制御回路を制御する。」、「主制御回路は、表示制御回路と、音声制御回路としての副制御回路とに、別個に信号を出力する。」のいずれのパターンも周知技術である。
また、甲第7?9号証、甲第28?31号証に記載された発明は、いずれも、副制御基板及び表示制御基板が共に、一体として主制御基板とは別体として構成されている。
更に前記したように、甲第1号証及び甲第22?27号証では、「メイン制御装置」とは異なる制御基盤として「表示制御回路」としての「液晶パネル制御基盤」が前面扉裏側に設けられていることが示されている。
してみると、
(a)表示制御回路を、主制御回路及び副制御回路を介して制御するのか、主制御回路から直接制御するのかということがいずれも周知技術である。
(b)主制御回路とは別体として、副制御回路と表示制御回路と一体にする技術は周知技術である。
(c)主制御回路から直接制御される「表示制御回路」が前面扉裏側に設けられていることは周知技術である。
すると、主制御回路及び副制御回路を介して表示制御回路を制御することとした場合、前面扉裏側に設けられた表示制御回路と一体となっている副制御回路も前面扉裏側に設けられることは、当業者であるならば、単なる周知技術の適用に過ぎない(上申書第27頁第5行?第28頁第7行)。

(2)被請求人の主張
ア 答弁書における主張の概要
請求人の相違点9の認定は誤りであり、正しくは、相違点9は、「本件発明では、副制御回路は前記前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成されているのに対し、甲1発明ではそのような構成が開示されていない点。」である(答弁書第8頁第8行?22行)。
甲第7号証ないし甲第9号証は、いずれもパチンコ機に関する発明であって、本件発明の「表示制御回路および副制御回路は前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成されている」との構成については、一切記載がない(答弁書第10頁第1?6行)。
このように、請求人の主張からは、相違点3、相違点5?7及び相違点9の構成を埋めることはできない(答弁書第10頁第11?14行)。

イ 口頭審理陳述要領書、上申書における主張の概要
甲第7号証ないし甲第9号証に記載された周知技術は、いずれもブロック図等により副制御回路(表示制御回路、音声制御回路等)と主制御回路とが一応別に設けられることが窺われるだけであって、基板として別に設けることは一切記載されていない(口頭審理陳述要領書第7頁第22?28行)。
副制御回路を表示回路と同じ前面扉の背面側に設けることができない理由をあげるとすれば以下の理由が考えられる。
・スロットマシンの前面扉には表示機器、メダル受皿、各種センサ、ボタン等が搭載されており、頻繁に開閉されるものである。この前面扉に副制御回路基板を設けることは、さらに前面扉の重量が増加することになり、遊技機全体のバランス、機械的強度、開閉扉の回動機能等を損なう恐れがある。
・副制御回路基板はゲームの進行において重要な役割を果たすものであるが、これを前面扉の背面側に向けると、遊技者がアクセスしやすくなり、不正行為を誘発する恐れがある(口頭審理陳述要領書第7頁第8?16行)。
甲第7号証にLCD制御部に表示制御回路と副制御回路を設けた例が開示されているとしても、本件特許発明で規定するように表示制御回路と副制御回路が基板に構成されているものではなく、かつ、甲第7号証は前面扉の概念がないパチンコ機の発明であるから、甲第7号証の表示制御回路と副制御回路をスロットマシンの発明である甲1発明に適用する動機付けはない(口頭審理陳述要領書第9頁第7?17行)。
請求人の主張における「前面扉裏側に設けられた表示制御回路と一体になっている副制御回路も前面扉裏側に設けられること」は本来の相違点9と関係ないものであり、さらに、「前面扉裏側に設けられた表示制御回路と一体になっている副制御回路」も、そのような構成がどの証拠に示されているのか意味不明である(上申書第3頁第1?9行)。

(3)当審の判断
ア 甲第1号証における課題、甲2発明、及び周知の技術について
甲第1号証には、「【発明が解決しようとする課題】樹脂を使用した場合には、木板や金属板を使用した場合に比べて、加工し易く、コスト安になるという利点があるが、重い遊技用の各種部品を支持する耐久性に欠けるだけでなく、前面枠のヒンジを構成する軸受金具の取付部が破損し易い等の問題点がある。また、前面枠として、上記いずれの材料を使った場合においても、前面枠の裏側の配線が複雑で邪魔になり易いという問題点がある。この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、樹脂を採用した前面枠の強度性と裏側配線処理の簡素化とを同時に満足し得る遊技装置を提供することを目的とする。」(段落【0002】参照)と記載されている。
すわなち、甲第1号証には、前面枠に樹脂を使用した場合には重い遊技用の各種部品を支持する耐久性に欠け、また、前面枠の裏側の配線が複雑で邪魔になりやすいという課題が記載されているといえる。
そして、上記甲第1号証には、本件発明の「従来のスロットマシン1では、新装にかかる労力および費用の抑制が徹底されないばかりでなく、前面扉2のみを替えるだけの新装では、液晶表示装置13の表示制御回路を替えることができないため、液晶表示装置13の表示内容は従来と変わらず、遊技者に新鮮さを与えることはできなかった。」という課題は、一切記載されていない。
甲2発明は、第4(2)で述べたとおり、「入賞態様を決定する内部当選判定部41及び所定の演出パターンで演出用ランプ36を制御する演出動作制御部43とは別に設けられた演出動作決定部42により、入賞態様に基づいて演出パターンの選択処理を行う遊戯機」である。
上記甲2発明において、「内部当選判定部41」は、本件発明の「主制御回路」に相当し、同様に、「演出動作制御部43」は、「表示制御部」に、「演出動作決定部42」は、「副制御回路」に相当するものである。
また、遊技機において、スピーカの出音を制御するとともに主制御回路からのデータに応じて表示制御回路を制御する副制御回路を、前記主制御回路及び表示制御回路とは別に設けることは、周知の技術(例えば、甲第7号証の段落【0015】、【0018】、【0024】?【0025】、図1等、甲第8号証の段落【0044】、【0057】、図8?9等、甲第9号証の段落【0031】?【0032】、【0034】、【0038】?【0039】、【0042】、図7?8等参照。以下「周知技術B」という。)である。
さらに、遊技機の表示装置において、決定された入賞態様に基づく表示を行うことは、周知の技術である(例えば、甲第2号証の段落【0038】?【0044】等、甲第4号証の段落【0002】?【0003】、【0064】等、甲第5号証の段落【0091】、【0094】等、甲第6号証の第33、77、116?117頁に開示された、ボーナスが決定された場合のフラッシュ及びリール消灯参照。以下「周知技術C」という。)である。
上記の甲1発明、甲2発明、周知技術B、周知技術Cは、いずれも副制御回路が前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成された点について、開示するものではない。
また、他の証拠方法を見ても、このような副制御回路が前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成された点を開示するものは見当たらない。

イ 相違点3?7、9に係る本件発明の容易想到性について
そこで、副制御回路を備えていない甲1発明に、甲2発明、周知技術B及び周知技術Cを適用し、相違点3?7、9に係る本件発明とすることが当業者にとって容易になし得たものかどうか検討する。
甲1発明を主引例として、相違点3?7、9に係る本件発明の構成とするためには、以下のことが必要となる。
すなわち、甲1発明は、メイン制御装置250のマイクロコンピュータ251が液晶パネル制御基盤750および前記スピーカ260を制御するものであるところ、周知技術Bを適用し、マイクロコンピュータ251が行っているスピーカの出音の制御及び液晶パネル制御基盤750の制御について、マイクロコンピュータ251及び液晶パネル制御基盤750とは別の副制御回路に担当させて、副制御回路を液晶パネル制御基盤750に接続する必要がある(相違点3、6に関連する構成)。
そして、甲1発明に周知技術Bを適用して副制御回路を設けた場合において、甲2発明及び周知技術Cを適用し、当該副制御回路に図柄パターンを選択する処理を行わせるとともに(相違点5、7に関連する構成)、当該図柄パターンを決定された入賞態様に基づく表示とする必要がある(相違点4に関連する構成)。
これに加えて、このような甲1発明に周知技術B、甲2発明及び周知技術Cを適用して設けられた副制御回路を、さらに前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成する必要がある(相違点9に関連する構成)。
しかしながら、甲1発明に周知技術B、甲2発明及び周知技術Cを適用して設けられた副制御回路を、前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成するには、以下のような阻害事由がある。
(a)まず、一般に、スロットマシンの前面扉には表示機器、メダル受皿、各種センサ、ボタン等が搭載されており、前面扉は頻繁に開閉されるものであることが知られている。この前面扉に副制御回路を設けることは、さらに前面扉の重量が増加することになり、開閉扉の機械的強度、回動機能等を損なう恐れがある。
よって、甲1発明において、副制御回路を前面枠(前面扉)に取り付けるようにすることは、甲第1号証に、前面枠(前面扉)に樹脂を使用した場合には重い遊技用の各種部品を支持する耐久性に欠けるという課題が記載されているにもかかわらず、前面枠(前面扉)の重量がさらに増加し、耐久性を欠くことになる変更を行うことになる。
(b)次に、甲1発明において、スピーカ260は本体ケース200内の左側の上段側に取り付けられているから、スピーカの出音を制御する副制御回路を前面枠(前面扉)に取り付ける場合には、前面枠側の副制御回路と本体ケース側のメイン制御装置とを配線で結ぶとともに前面枠側の副制御回路と本体ケース側のスピーカ260とを配線で結ぶこととなり、本体ケース200と前面枠(前面扉)を結ぶ配線が増えることになる。
前面枠(前面扉)は頻繁に開閉されるものであるから、本体ケースと前面枠(前面扉)とを結ぶ配線は、極力避けることが望ましいところ、本体ケース200と前面枠(前面扉)を結ぶ配線を増やして、前面枠側の副制御回路から本体ケース側のスピーカ260を制御することは、当業者にとって非合理的な回路配置となるといえる。
よって、甲1発明において、スピーカ260を本体ケース内に取り付けたまま副制御回路を前面枠(前面扉)に取り付けるようにすることは、甲第1号証に、前面枠の裏側の配線が複雑で邪魔になりやすいという課題が記載されているにもかかわらず、さらに配線が増加して邪魔になるような変更を行うことになるとともに、当業者にとって非合理的な回路配置となるような変更を行うことになる。
(c)さらに、上記(b)のような回路配置を避けるためには、スピーカ260を副制御回路とともに前面枠側に配置することが考えられるが、その場合には、更に前面枠(前面扉)の重量が増加して、より一層、耐久性を欠くことになるような変更を行うことになる。
よって、甲第1号証に記載された課題を勘案し、上記(a)?(c)の阻害事由を考慮すれば、甲1発明に周知技術B、甲2発明及び周知技術Cを適用して設けられた副制御回路を、さらに前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成することは当業者の通常の創作能力を超えたものであり、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。

また、効果について、本件発明は、「主制御回路は機器を収容する筐体の背面内側に取り付けられた基板に構成され、表示制御回路および副制御回路は前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成されている」との構成により、「スロットマシンの小規模な新装のために、前面扉を取り替えてその外観に変化をもたらす際、表示装置の表示制御回路が前面扉に集約されていることから、前面扉と共にこの表示制御回路も新たな回路に取り替えることが出来る。また、スピーカの出音を制御すると共に表示装置に表示する情報の種類の選択処理を行う副制御回路が前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成されているため、新装の際に、副制御回路も前面扉と共に新たな回路に取り替えることが出来る。このため、新装にかかる労力および費用の抑制は徹底される。」(段落【0014】参照。)という効果を奏するものであり、この効果は、甲1発明、甲2発明、周知技術B、周知技術Cや他の証拠方法から予測し得るものとはいえない。
以上を踏まえると、甲1発明に、甲2発明、周知技術B及び周知技術Cを適用し、相違点3?7、9に係る本件発明の構成とすることが、当業者にとって容易になし得たものとはいえない。

ウ 請求人の主張について
請求人は、2-3(1)イのとおり、主制御回路とは別体として、副制御回路と表示制御回路と一体にする技術は甲第7?9号証、甲第28?31号証に記載された周知技術であり、他の周知技術との組み合わせることにより、副制御回路を前面扉裏側に設けられることは、当業者であるならば、単なる周知技術の適用に過ぎない旨(上申書第27頁第5行?第28頁第7行)主張するので検討する。
ここで、「一体にする」の技術的な意味が、必ずしも明確ではないため、「一つになって分けられない関係にあること。」[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]と解釈して検討を進めることとする。
甲第7号証には、図1において、MPU20、CPU31、画像制御回路35が記載されており、LCD制御部30の中にCPU31と画像制御回路35を設けたことが把握されるが、図1は、画像表示装置のブロック図であり(段落【0012】参照)、このようなブロック図において、間隔があいていたとしても、MPU20とLDC制御部30は別体であるとはいえず、ブロック図において、同じLDC制御部30に設けられたとしても、CPU31と画像制御回路35が一体であるとはいえない。
甲第8号証には、図7、9において、役物制御回路203、表示・音声制御用CPU512、表示処理部502が記載されているが、表示・音声制御回路205は、表示・音声制御用CPU512と表示処理部502等から構成され(段落【0055】等参照)、遊技制御部202は、役物制御回路203と、表示・音声制御回路205等から構成されるものであるから(段落【0044】参照)、遊技制御部202の中に、役物制御回路203、表示・音声制御用CPU512、表示処理部502が含まれることになり、これらが一体か別体かは把握することはできない。
甲第9号証には、図8において、マイコン71及び画像表示手段53が記載されており、図7において、画像表示手段53の内部に設けられたマイコン67、画像処理プロセッサ59が記載されているが、図8は、主基板の回路構成を示すブロック図であり(【図面の簡単な説明】参照)、主基板上のマイコン71と、画像表示手段53とが一体か別体かは把握できないため、マイコン71と、マイコン67及び画像処理プロセッサ59との関係も一体か別体かは把握することはできない。
甲第28号証には、図12、図13において、メイン基本回路67、サブ基本回路75、LED回路74が記載されているが、図12は、パチンコ遊技機に用いられる制御回路の構成を示すブロック図であり、図13は、パチンコ遊技機に用いられるサブ制御回路の構成を示すブロック図であり(【図面の簡単な説明】参照)、これらの回路が一体か別体かは把握できない。
甲第29号証には、図2、3において、メイン基本回路62、サブ基本回路92、LED回路93が記載されているが、同様に、これらの回路が一体か別体かは把握することはできない。
甲第30号証には、図5、6において、メイン基本回路62、サブ基本回路82、LED回路83が記載されているが、同様に、これらの回路が一体か別体かは把握することはできない。
甲第31号証には、図3においてメイン基本回路59、CRTコントロール回路86等が記載されているが、図3は、パチンコ遊技機に用いられるメイン制御回路の構成を示すブロック図であり(【0029】参照)、メイン基本回路59とCRTコントロール回路86とが一体か別体かは把握することはできない。
以上を踏まえると、主制御回路とは別体として、副制御回路と表示制御回路と一体にする技術は周知技術であるとは認められない。
そして、仮に、「主制御回路とは別体として、副制御回路と表示制御回路と一体にする技術」、さらには、「主制御回路とは別に、副制御回路と表示制御回路と一つの制御部として構成する技術」が周知技術であったとしても、甲第1号証に記載された課題を勘案し、上記(a)?(c)の阻害事由を考慮すれば、甲1発明に周知技術B、甲2発明及び周知技術Cを適用し、さらに、当該周知技術を適用する動機付けはなく、甲1発明に周知技術B、甲2発明及び周知技術Cを適用して設けられた副制御回路を前面扉の背面側に取り付けられた基板に構成することが、当業者が容易になし得たこととはいえない。
よって、2-3(1)イにおける(a)、(c)の周知技術を検討するまでもなく、請求人の主張は採用できない。

エ 小括
したがって、本件発明と甲1発明との相違点は1?9であるが、相違点3?7、9に係る本件発明の構成は、甲1発明、甲2発明、周知技術B及び周知技術Cから、当業者が容易になし得たこととはいえない。

3.まとめ
以上のとおり、本件発明は、甲第1号証ないし甲第2号証に記載された発明、及び甲第3号証ないし甲第10号証、甲第22号証ないし甲第34号証に記載された周知技術に基づいて、本件出願の遡及日前に当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 むすび
本件発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではないから、当該発明に係る特許は、請求人の主張する無効理由及び提出した証拠方法によっては無効にすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-07-15 
結審通知日 2015-07-17 
審決日 2015-07-28 
出願番号 特願2005-273527(P2005-273527)
審決分類 P 1 113・ 121- Y (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 瀬津 太朗  
特許庁審判長 本郷 徹
特許庁審判官 遠藤 孝徳
平城 俊雅
登録日 2009-10-02 
登録番号 特許第4382021号(P4382021)
発明の名称 スロットマシン  
代理人 鹿股 俊雄  
代理人 黒田 博道  
代理人 塩澤 克利  
代理人 瀧本 十良三  
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