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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1305914
審判番号 不服2013-21974  
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-11-08 
確定日 2015-09-24 
事件の表示 特願2008-525468「改善された生物学的利用能をもつ剤型」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 2月15日国際公開、WO2007/017249、平成21年 2月 5日国内公表、特表2009-504590〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 出願の経緯
本願は,2006年8月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2005年8月8日 米国(US))を国際出願日とする特許出願であって,平成24年5月29日付けで拒絶の理由が通知され,同年11月30日に意見書及び手続補正書が提出され,平成25年7月3日付けで拒絶査定がされたのに対し,同年11月8日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され,同年12月27日に審判請求書の手続補正書が提出され,平成26年2月7日付けで前置審査の結果が報告され,同年7月29日付けで審尋がされ,平成27年2月5日に回答書が提出されたものである。

第2 平成25年11月8日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成25年11月8日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正の内容
平成25年11月8日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)は,特許請求の範囲の請求項1について,補正前の
「【請求項1】
(i)1種の活性成分または2種以上の活性成分の混合物の有効量および、
(ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは2種以上のヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物の有効量を含む、溶融-押出しプロセスによって調製される、固体分散体であって、
前記の固体分散体が式
0.35>ΔH_(tr)
(式中、ΔH_(tr)は約230℃?約260℃の範囲にある吸熱ピーク温度での転移を伴う吸熱量(J/g)を表す)を満たす固体分散体。」
を,補正後の
「【請求項1】
(i)1種の活性成分または2種以上の活性成分の混合物の有効量および、
(ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは2種以上のヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物の有効量を含む、
押出機操作温度およびノズル温度が約195℃?約300℃の範囲にあり、スクリュー回転数が毎分100回転超毎分350回転までの溶融-押出しプロセスによって調製される、固体分散体であって、
前記の固体分散体が式
0.35>ΔH_(tr)
(式中、ΔH_(tr)は約230℃?約260℃の範囲にある吸熱ピーク温度での転移を伴う吸熱量(J/g)を表す)を満たす固体分散体。」
と補正することを含むものである。

(2)補正の目的
請求項1についての補正は「押出機操作温度およびノズル温度が約195℃?約300℃の範囲にあり、スクリュー回転数が毎分100回転超毎分350回転までの」との事項を追加するものであるところ,補正前には溶融-押出しプロセスなる事項が特定されているものの,押出機操作温度及びノズル温度並びにスクリュー回転数についての記載はないから,それらを特定する補正は,補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであるということはできない。
したがって,請求項1についての補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下,「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものではない。
そして,請求項1についての補正は改正前特許法第17条の2第4項に掲げる請求項の削除,誤記の訂正,明りようでない記載の釈明のいずれの事項を目的とするものでもない。

(3)むすび
よって,本件補正は,改正前特許法第17条の2第4項の規定に違反するから,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
(1)本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項1?29に係る発明は,平成24年11月30日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?29に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ,請求項1に係る発明は,以下のとおりのもの(以下,「本願発明」という。)である。

「【請求項1】
(i)1種の活性成分または2種以上の活性成分の混合物の有効量および、
(ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは2種以上のヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物の有効量を含む、溶融-押出しプロセスによって調製される、固体分散体であって、
前記の固体分散体が式
0.35>ΔH_(tr)
(式中、ΔH_(tr)は約230℃?約260℃の範囲にある吸熱ピーク温度での転移を伴う吸熱量(J/g)を表す)を満たす固体分散体。」

(2)原査定の拒絶の理由の概要
これに対して,原査定の拒絶の理由である理由1は,
「1.この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。」
というものであり,具体的には,
「請求項1?29に係る発明は、固体分散体について、特定の範囲にある吸熱ピーク温度での転移を伴う吸熱量が特定の吸熱量未満であるとした発明であり、大きい生物学的利用能の実現を目的としたものである・・・発明の詳細な説明は、当業者が請求項1?29に係る発明における固体分散体を作ることができるように、また使用することができるように、明確かつ十分に記載されていない。」
というものである。

(3)判断
そこで,発明の詳細な説明の記載は,当業者が本願発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものであるかについて検討する。
本願明細書には,以下の記載がある。
「【0001】
本発明は、改善された生物学的利用能をもつ新規剤型、ならびにそれらの調製のためのプロセスに関する。」
「【0006】
欧州特許出願第1323416号明細書は、活性成分およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからの固体分散体の調製を示す。該資料は、固体分散体が粉砕されたとき、繊維状物質が生成したと報告している。おそらく、繊維状物質の生成は、その固体分散体の最適とまでは及ばない均質性を示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さらに大きい生物学的利用能をもつ、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをベースとした剤型を提供することが望ましい。」
「【0011】
ΔH_(tr)は、示差走査熱量(DSC)測定によって求められる。より具体的には、溶融吸熱曲線が、まず示差走査熱量計を使用する以下の方法によって作成される。分散体の微細に磨砕された試料が示差走査熱量計の開放されたアルミニウムパンの中に置かれる。-20℃と300℃の間の吸熱量が、10℃/分の昇温速度で試料を加熱することによって得られる。最大のピークが、約230℃から約260℃、好ましくは約240℃から約250℃の範囲の、このように作成された溶融吸熱曲線の中に観測され(以下“約240℃での吸熱量”とも称する)、そして、それに関して観測されるエンタルピーの変化率(固体分散体の1gあたりのジュールによる)が吸熱量ΔHtrであると判断される。エンタルピーの変化率は、ピークと補間されたベースラインの間で囲まれた領域に相当する。」
「【0014】
理論に縛られることを望むことなく、我々は、結晶状態からネマティックな“液体”状態へのポリマー“溶融”は、中間(結晶性液体)段階を経る変化を含む経路を使用していると、考える。出発原料のヒドロキシプロピルメチルセルロースが不完全に“溶融”しているならば、いくらかの中間的な領域は高分子マトリックス中に残存する。この中間的な領域は、それを溶融物と結晶の中間に配置させる熱力学的性質を持ち、したがって、約240℃で観測された吸熱量は、転移の潜熱、すなわち中間領域の溶融に起因する、と我々は考える。エンタルピーの変化率が小さくなればなるほど、製剤中の中間領域比率は小さくなり、かつ高分子マトリックスはより均質になる。高い生物学的利用能は、非常に均質なマトリックスと関連があると思われる。」
「【0061】
HPMCの分子量は、通常、粉砕された押出物の放出特性(release profile)ならびにその物理的性状の両方に影響する。こうして、適切な分子量のHPMCを選択することによって、望ましい放出特性を設計することが可能である。」
「【0062】
HPMC出発原料の粒径分布は固体分散体の性質に対して二次的に影響すると考えられているが、・・・を有する。」
「【0065】
本発明の固体分散体は、溶融-押出しプロセスによって調製される。
【0066】
溶融-押出しプロセスは、通常以下の工程を含む:
a)活性成分とヒドロキシプロピルメチルセルロースを混合すること、
b)均質な溶融物を得るために該混合物を加熱すること;
c)こうして得られた溶融物を1個以上のノズルに強制的に通過させること;および
d)固体分散体を得るために該溶融物を固化させること。
【0067】
具体的には、該方法は以下の工程を含む:
a)(i)1種の活性成分または2種以上の活性成分の混合物の有効量と、(ii)1種のヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは2種以上のヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物の有効量とを混合すること;
b)均質な溶融物を得るために、予め設定された温度条件、剪断条件および処理速度の下で、該混合物を加熱すること;
c)このようにして得られた溶融物を1個以上のノズルに強制的に通過させること;
d)固体分散体を得るために溶融物を固化させること;
e)得られた固体分散体の代表的な試料を示差走査熱量測定にかけること;および、必要ならば、
f)固体分散体が、式
0.35>ΔH_(tr)、
好ましくは0.20>ΔH_(tr)、
より好ましくは0.15>ΔH_(tr)
(式中、ΔH_(tr)は約230℃?約260℃、好ましくは約240℃?約250℃の範囲にある吸熱ピーク温度での転移を伴う吸熱量(J/g)を表す)を満たすように、工程b)で使用される温度条件、剪断条件および処理速度を調節すること。」
「【0069】
溶融および/または混合は、この目的のために通例使用される装置内で行われる。押出機または混練機が特に適している。適切な押出機は、単軸スクリュー押出機、噛合いスクリュー押出機あるいは多軸スクリュー押出機、好ましくは、共回転あるいは逆回転が可能であるとともに任意に混練ディスクを具備した二軸スクリュー押出機である。あらゆる二軸スクリュー配合押出機の中心はそのスクリューである。通常、スクリューは、原料を運ぶために前方送り用素子(forward-flighted elements)を含む;さらに、それらは、圧力場を創るために後方送り用素子(reverse-flighted elements)を、そして溶融物に混練作用を及ぼすために混練機および剪断素子を含む。スクリューは、スクリュープログラムに組み込まれた剪断素子の数およびタイプに基づいて、剪断を強力にしたり、弱めたりすることができる。
【0070】
本発明の方法では、溶融物は、押出機の混練セクションにおいて混練作用にかけられることが好ましい。混練セクションは、混練ディスクまたは回転羽根を備えている。」
「【0073】
溶融-押出製造の間のエネルギー導入量が良好な生物学的利用能にとって重要であることが分かっている。あとに続く実施例の結果に基づいて、押出プロセスにおけるエネルギー導入量が高くなればなるほど、マトリックス中の活性成分の分散は良くなることが想定される。約240℃での低い吸熱量は、より良好な分散を示唆する。
【0074】
溶融-押出プロセスの間のエネルギー導入量を支配する最も重要なパラメータの一つは、溶融-押出機が作動している温度および溶融物を強制的に押し出すノズルまたはダイがが保持する温度である。温度は、押出機バレルの長さに沿って異なることがある。本明細書における目的にとって、“操作温度”とは、混合物が押出機を通るその通過の間で接する最高温度である。操作温度およびノズル温度は約195℃?約300℃の範囲にあるべきであると判った。195℃より低い温度では、押出物は、必要とされる生物学的利用能を持たない。そのうえ、該プロセスは、混合物の高い粘度のために困難である。300℃を超える温度では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが許容外のレベルまで分解することがある。作業温度はまた、使用される押出機の中の押出機の種類または配置の種類によって決定される。
【0075】
処理速度もまた重要である。混合物が発熱素子とより長く接触したままであるほど、エネルギー導入量はより高くなる。
【0076】
押出機中において成分を溶融し、混合し、溶解するために必要とされるエネルギーの大部分は、普通発熱素子によって供給されるが、押出機中での原料の摩擦もまたエネルギーのかなりの量を混合物に供給し、成分の均質な溶融物の生成を助ける。こうして、押出機のスクリュー回転数の変化は、エネルギー導入量に影響を与える。我々は、通常、毎分80回転を超えるスクリュー回転数、好ましくは、毎分100回転超毎分350回転までの、スクリュー回転数が十分な混合および剪断をもたらすために必要であることを確認した。
【0077】
当業者は、上記の説明およびあとに続く実施例に基づいて、ΔH_(tr)に関係する上記の式を満たす押出物を作るために溶融押出プロセスにとって適当なパラメータを選択することができるであろうこと、が察知されるであろう。」
これらの記載から,ΔH_(tr)(以下,「吸熱量」ともいう。)の測定方法,吸熱量がヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下,「HPMC」ともいう。)の中間領域の溶融に起因し,これが小さくなるほど製剤中の中間領域比率は小さくなり,高分子マトリックスはより均質になること,HPMCの分子量は粉砕された押出物の物理的性状に影響し,HPMC出発原料の粒径分布は固体分散体の性質に対して二次的に影響すること,溶融,混合は単軸スクリュー押出機,多軸スクリュー押出機等で行われ,好ましくは共回転あるいは逆回転が可能であるとともに任意に混練ディスクを具備した二軸スクリュー押出機が用いられること,溶融-押出製造の間のエネルギー導入量が良好な生物学的利用能にとって重要であること,押出プロセスにおけるエネルギー導入量が高いほど、マトリックス中の活性成分の分散は良くなること,吸熱量が低いことは、より良好な分散を示唆すること,溶融-押出プロセスの間のエネルギー導入量を支配する最も重要なパラメータの一つは、溶融-押出機が作動している温度および溶融物を強制的に押し出すノズルまたはダイが保持する温度であり,処理速度もまた重要であり,押出機中での原料の摩擦もエネルギーを混合物に供給し、成分の均質な溶融物の生成を助けること,押出機のスクリュー回転数の変化は、エネルギー導入量に影響を与えること,は理解できる。
しかし,以上のことはいずれも一般的な事項を説明するに過ぎず,発明の詳細な説明には,本願発明の「0.35>ΔH_(tr)」の要件を満たす固体分散体,及びその製造方法についての実施例等の具体的な記載はない。
また,溶融-押出時に用いる装置,その操作温度及びノズル温度,押出機のスクリュー回転数等についての一般的な記載はあるものの,それらが,ΔH_(tr)にどの程度影響し,それらのどのような組み合わせを選択すれば,「0.35>ΔH_(tr)」の要件を満たす固体分散体が得られるかは,発明の詳細な説明からは不明である。
さらに,HPMCについてもその分子量,粒径分布が物理的性状,固体分散体の性質に影響するとされているが,どのようなHPMCを用いれば「0.35>ΔH_(tr)」の要件を満たす固体分散体が得られるかは発明の詳細な説明の記載からは不明である。
そうしてみると,発明の詳細な説明の記載からは,本願発明の「0.35>ΔH_(tr)」の要件を満たす固体分散体をどのようにして得るか不明であるといわざるを得ない。
さらに付け加えるならば,本発明は、改善された生物学的利用能をもつ新規剤型等に関するとされている(段落0001)ところ,発明の詳細な説明の記載からは,本願発明によって改善された生物学的利用能をもつ新規剤型が得られることは確認できない。
したがって,本願の発明の詳細な説明の記載は,当業者が本願発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということはできない。
以上のとおりであるから,本願は特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たさない。

第4 審判請求人の主張について
審判請求人は,上記意見書において,本願明細書の段落0073,0069?0070の記載を挙げ,「本願発明を実施するための手段は、本願発明を実施可能に表現する技術用語によって明確に開示されていると本願出願人は考えています。本願では、押出機のデザインの可能性が広く与えられているので、当業者はある程度の試行錯誤を行わなくてはならないかも知れません。しかし、本願の開示により、当業者はほんの少しの試行を行うことによって、多少の失敗はあっても本願発明を実施することができ」る等指摘して,実施可能要件を満たす旨を,上記審判請求書において,意見書で新規性進歩性の反論のために提示された実験1,3,本願明細書の段落0069,0070,0074を指摘し,また,「エネルギー導入量が十分となるように「溶融-押出の温度条件、スクリューの形状および回転数」を調整することによって、特定の吸熱量を満足し、良好な生物学的利用能を有する固体分散体を得られることは明白」であり,「これらの説明と出願時の技術常識に基づいて、当業者は本願発明を理解し、押出プロセスのための適切な条件を選択して(例えば、原料が分解するような高い温度を避けながら)、特定の吸熱量を満足する固体分散体を製造することができ」,「作業温度は使用される押出機の種類や形状によって195℃?300℃の範囲の中で決定することができ」る等指摘して,実施可能要件を満たす旨を,上記回答書において,本願明細書の段落0006,0014,0070,0073?0076,上記実験1,3を指摘し,また,「本願明細書には十分な開示がされているので、一般的な技術常識を踏まえれば、当業者であれば初期に失敗があってもそれを評価して必然的および直接的に本願発明の実施に成功できるものであると考えます。したがって、本願発明を実施するにあたり、いくらかの試行錯誤があったとしても、それは常識的に許容できる範囲であり、当業者に過度な実験を強いるものではありません」,「したがって、当業者が本願発明の実施により最初に得た製剤が必要な吸熱量を満たさなかった場合であっても、本願明細書を参照することにより、どのような方法を取るべきかを把握することができます。例えば、問題が生じたときに当業者は、合理的に高い温度(温度の上限はヒドロキシプロピルメチルセルロースや活性成分の劣化により制限されます)、長い滞留時間、スクリュー回転数、スクリュー形状(前方送り用素子や後方送り用素子だけではなく、溶融物に混練作用を及ぼす混練機および剪断素子を含むもの等)に着目して、その後の試行錯誤実験を成功に導くことができます」等指摘して,実施可能要件を満たす旨,を主張する。
しかし,審判請求人の主張する本願明細書の記載はいずれも,目的とする吸熱量を有する固体分散体を得るための一応の指針が示されているという程度に過ぎず,それらの記載をみても,実際に「0.35>ΔH_(tr)」なる要件を満たす固体分散体を得るために,溶融-押出時に用いる装置,その操作温度及びノズル温度,押出機のスクリュー回転数等をどのように組み合わせて選択すればよいかは不明である。また,本願の発明の詳細な説明の段落【0073】及び【0077】に,あとに続く実施例に基づいて,ΔH_(tr)に関係する上記の式を満たす押出物を作るために溶融押出プロセスにとって適当なパラメータを選択することができるであろう等の記載があるが,本願の発明の詳細な説明に実施例の記載がないことは上で述べたとおりである。さらに,上記実験1,3は本願出願後に提示された実験結果であり,出願当初の発明の詳細な説明に記載された事項に基づくものではないため,それらを参酌して実施可能要件を判断することはできず,仮に参酌するとしても,当該結果は特定の態様において「0.35>ΔH_(tr)」なる要件を満たすことが理解できるに過ぎないものである。
したがって,本願発明の「0.35>ΔH_(tr)」なる要件を満たす固体分散体を得るには,多くの選択肢を有する各項目(装置,温度,回転数等。なお、上記回答書には,吸熱量にはスクリュー押出機の多くのパラメータが影響することも記載されている)について,個々に条件を選択・設定して,それらを組み合わせ,上記要件を満たすかを確認するという,当業者に期待し得る程度を超える試行錯誤を課すこととなる。そして,上記組合せが極めて多数になることを考慮すれば,当該試行錯誤は,請求人の主張するような,「ほんの少しの試行を行うことによって、多少の失敗はあっても」,「初期に失敗があってもそれを評価して必然的および直接的に本願発明の実施に成功できるものである」,「いくらかの試行錯誤があったとしても、それは常識的に許容できる範囲であ」るという程度のものであるとはいえない。
したがって,上記審判請求人の主張を採用することはできない。

第5 付言
(1)本件補正(平成25年11月8日付けの手続補正)について
本件補正が改正前特許法第17条の2第4項の規定に違反するから,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであることは上記「第2」で述べたとおりであるが,仮に,本件補正における請求項1についての補正が,本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「溶融-押出しプロセス」を限定するものである結果,同法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮(限定的減縮)を目的とするものに該当するとしたとしても,以下に示すとおり,本件補正は,同法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定(独立特許要件)に違反すると判断されるから,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであるので,この点について以下に述べる。

(1-1)特許法第36条第4項第1号違反について
本件補正後の請求項1に係る発明(以下,「本件補正発明」という。)は,本願発明にさらに「押出機操作温度およびノズル温度が約195℃?約300℃の範囲にあり、スクリュー回転数が毎分100回転超毎分350回転までの」との事項が特定されたものであるが,当該事項は上記第3の(3)において摘示した,本願明細書の【0074】及び【0076】に記載された事項であり,それらを含めた発明の詳細な説明の記載を参酌しても,本件補正後の発明に係る「0.35>ΔH_(tr)」の要件を満たす固体分散体をどのようにして得るか不明であること,改善された生物学的利用能をもつ新規剤型が得られることは確認できないことは,上記第3の(3)で述べたとおりである。
したがって,本願の発明の詳細な説明の記載は,当業者が本件補正発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということはできず,本願は特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

(1-2)本件補正発明についての平成24年5月29日付け拒絶理由通知書に記載の理由2及び3(新規性進歩性)について

1.引用刊行物・刊行物に記載の発明
上記拒絶理由で引用された,本願の優先日前に頒布された刊行物である,
刊行物A:特表平11-509238号公報
には,以下の事項が記載されている。

A1)「1.(a)イトラコナゾールあるいはその立体異性体の1つ又はその立体異性体の2つもしくは3つもしくは4つの混合物、ならびに
(b)1種又はそれ以上の製薬学的に許容され得る水溶性ポリマーを含む固体分散体(solid dispersion)からなる粒子。」(請求項1)

A2)「5.水溶性ポリマーが、・・・である請求の範囲第1?4項のいずれか1つに記載の粒子。
6.水溶性ポリマーが
・・・
-ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシブチルセルロース、
・・・などのヒドロキシアルキルアルキルセルロース類、
・・・
から成る群より選ばれる請求の範囲第5項に記載の粒子。
7.水溶性ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロースHPMC2910 5mPa.sである請求の範囲第6項に記載の粒子。」(請求項5?7)

A3)「9.成分を溶融-押し出しし、摩砕し、場合により篩別することにより得ることができる請求の範囲第1?8項のいずれか1つに記載の粒子。」(請求項9)

A4)「12.治療的に有効な量の請求の範囲第1?11項のいずれか1つに記載の粒子を含む製薬学的投薬形態。」(請求項12)

A5)「18.投薬形態の合計重量に基づく重量により、
97.43%の錠剤芯を与える
21.65% イトラコナゾール(200mg)
32.48% HPMC 2910 5mPa.s(300mg)
・・・
を含む請求の範囲第12項に記載の投薬形態。」(請求項18)

A6)「本発明は・・・。これらの新規な組成物はイトラコナゾール及び適した水溶性ポリマーを含む混合物を溶融押し出しし、続いて該溶融押し出しされた混合物を摩砕ことにより得られる革新的粒子を含む。」(7頁3?8行)

A7)「イトラコナゾール・・・は、経口的、非経口的及び局所的使用のた
めに開発された広範囲の抗菌性化合物であり」(7頁20?25行)

A8)「「固体分散体」という用語は、少なくとも2つの成分を含み、1つの成分が単数又は複数の他の成分全体にいくぶん均等に分散されている固体状態(液体又は気体状態に対して)にある系を定義するものである。成分の該分散体が、系が全体にわたって化学的に及び物理的に均質又は均一であるようなものであるか、あるいは熱力学において定義される1相から成るような場合、そのような固体分散体は下記において「固溶体」(“solid solution”)と呼ばれるであろう。固溶体は好ましい物理的系であり、それは通常その中の成分がそれらが投与される生物にとって容易に生物学的利用可能であるからである。」(11頁9?16行)

A9)「溶融押し出しの最も重要なパラメーターの1つは、溶融押し出しが作業される温度である。作業温度は簡便に約120℃?約300℃の範囲であることができると見いだされた。120℃より低温では、イトラコナゾールがほとんどの水溶性ポリマー中に完全には溶解せず、押し出し物は必要な生物学的利用性を有していないであろう。さらに混合物の高粘度の故にプロセスが困難である。300℃より高温では、水溶性ポリマーが許容され得ない程度まで分解し得る。イトラコナゾール活性成分は熱的に非常に安定なので、300℃までの温度においてイトラコナゾールの分解を恐れる必要はないことを注釈することができる。
・・・
当該技術分野における熟練者は上記の範囲内で溶融押し出し法のパラメーターを最適化することができることがわかるであろう。作業温度は用いられる押し出し機の種類又は押し出し機内の形状の種類によっても決定されるであろう。押し出し機における成分の溶融、混合及び溶解に必要なエネルギーのほとんどは加熱部品により与えることができる。しかし押し出し機内における材料の摩擦も実質的量のエネルギーを混合物に与え、成分の均一な溶融体の形成を助けることができる。」(12頁22行?13頁10行)

A10)「実施例1
a)Triaset^(R)の製造
イトラコナゾール(21.74kg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 5mPa.s^((1))もしくはHPMC 2910 5mPa
.s(32.11kg)の40/60(w/w)混合物の両方をふるい、混合物が均一になるまで遊星型ミキサーで混合した。イトラコナゾールとHPMCのこの物理的混合物はTriaset^(R)としても既知である。
b)溶融押し出し物の製造
1500gのTriaset^(R)を以下の運転パラメーターを有するAPV-Baker MP19L/D 15型の2軸スクリュー溶融押し出し機中に供給した:第1室の温度は245℃であり、第2室の温度は265℃であり、2軸スクリューは20?300回転/分の速度を有し、120分間押し出した。押し出し物をFitzmill型のハンマーミル中に入れ、ふるいのメッシュは0.125インチ(=0.32cm)であり、回転速度は1分当たり1640回転であった。摩砕された押し出し物を、今回はメッシュが0.063インチ(=0.16cm)のふるい及び1分当たり1640回転の回転速度を有するハンマーミルに再び入れた。1169g(78%)を得た。
c)錠剤形成混合物の調製
微結晶セルロース(351g、21%(w/w))、クロスポビドン(117g)7%(w/w))、Aerosil(コロイド二酸化ケイ素)(5g、0.3%(w/w))及びSterotex(8g、0.5%(w/w))をふるい、摩砕された押し出し物(1169g、71%(w/w))と一緒に、均一な混合物が得られるまで(15分間)遊星型ミキサーを用いて混合した。
d)錠剤形成
c)で得られる混合物を用い、Excenterpress Courtoy 27上で706mgの楕円凹凸半-刻み付き錠剤を1450個製造した(ダイ長さ=17.6mm、幅=8.4mm)。」(24?25頁の実施例1)

A11)「実施例3
絶食状態で2種類の調剤としての200mgの1回の経口的投与の後の健康なボランティアにおけるイトラコナゾール血漿量
入手可能な先行技術のイトラコナゾールカプセルを用いる処置
絶食状態の5人のボランティアにおける2個の100mgコーテッドコア-カプセル(Sporanox^(R))としての200mg

絶食状態における実施例1で製造された本発明の錠剤、すなわち1個の200mg「溶融押し出し錠剤」を用いる処置

ボランティアにおけるこの限られた研究(n=5)は、絶食状態において溶融押し出し錠剤が、2回のSporanox^(TM)の100mgカプセルとして投与される場合のイトラコナゾールのAUC(イトラコナゾールの生物利用性に関する尺度である)の2.3倍であるイトラコナゾールのAUCを与えることを示している。非-パラメーター試験(non-parametric test)(WILCOXON)を用いると、この差は90%の信頼度で有意であると思われる。」(25?27頁の実施例3)

上記摘示A1,A2,A4,A5,A10からみて,刊行物Aには,イトラコナゾール及びHPMCを含有する固体分散体が記載されており,該固体分散体は溶融-押し出しにより製造されるものであり(摘示A3,A6),当該溶融-押し出しの作業温度は約120℃?約300℃であり(摘示A9),溶融押し出し機のスクリューの回転速度は20?300回転/分である(摘示A10)。
また,イトラコナゾールとHPMCが有効量存在することは明らかである。
そうしてみると,刊行物Aには,
「(i)イトラコナゾールの有効量および、(ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースの有効量を含む、押出機作業温度が約120℃?約300℃の範囲にあり、スクリュー回転数が毎分20?300回転での溶融-押出しプロセスによって調製される、固体分散体。」(以下,「刊行物A発明」という。)が記載されていると認める。

2.対比・判断
本件補正発明と刊行物A発明とを対比する。刊行物A発明のイトラコナゾールが活性成分であることは明らかである(摘示A7)から,本件補正発明と刊行物A発明とは
「(i)1種の活性成分の有効量および、(ii)ヒドロキシプロピルメチルセルロースの有効量を含む、溶融-押出しプロセスによって調製される、固体分散体。」である点で一致し,

<相違点1>
本件補正発明が,押出機操作温度およびノズル温度が約195℃?約300℃の範囲にあり、スクリュー回転数が毎分100回転超毎分350回転までであるとしているのに対し,刊行物A発明では,押出機作業温度が約120℃?約300℃の範囲にあり、スクリュー回転数が毎分20?300回転であるとしている点,

<相違点2>
本件補正発明が,固体分散体が式0.35>ΔH_(tr)(式中、ΔH_(tr)は約230℃?約260℃の範囲にある吸熱ピーク温度での転移を伴う吸熱量(J/g)を表す)を満たすとしているのに対し,刊行物A発明ではかかる特定がされていない点,

で相違する。

上記各相違点について検討する。

<相違点1>について
刊行物A発明の「押出機作業温度」は本件補正発明の「押出機操作温度」に相当すると認められるところ,押出機操作温度について,本件補正発明と刊行物A発明とはその範囲の相当部分において重複するものであり,刊行物Aには,本件補正発明の範囲内に含まれる具体的な温度も記載されている(摘示A10,245℃,265℃)。そして,刊行物Aに記載の押出機作業温度とは,押出機で作業する際の温度を意味するものであるから,ノズル温度もこれに含まれると解され,上記温度(245℃,265℃)と同程度のものであると認められる。したがって,本件補正発明と刊行物A発明とで押出機操作温度及びノズル温度は実質的に相違しない。
仮に両者においてノズル温度が相違するとしても上記押出機作業温度と同程度の温度とすることは当業者が容易に行うことであり,それによって予測し得ない顕著な効果を奏するとはいえない。
また,スクリュー回転数について,本件補正発明と刊行物A発明とはその範囲の相当部分において重複するものであるから,実質的に相違するものとはいえない。
仮に両者においてスクリュー回転数が相違するとしても,成分の均一な溶融体が形成できるように(摘示A9),刊行物A発明の範囲において,回転数を決定することは当業者が容易に行うことであり,それによって予測し得ない顕著な効果を奏するとはいえない。

<相違点2>について
本願明細書の「エンタルピーの変化率が小さくなればなるほど、製剤中の中間領域比率は小さくなり、かつ高分子マトリックスはより均質になる。高い生物学的利用能は、非常に均質なマトリックスと関連があると思われる。」(段落0014)との記載によれば,ΔH_(tr)の値は,高分子マトリックスの均質さに関連し,均質なマトリックスと生物学的利用能は関連するものであるいえる。また,本願明細書の「前記の成分の分散が、該システムが一貫して化学的かつ物理的に均一または均質である場合、または(熱力学で定義されているような)一つの相からなっている場合には、そのような分散は”固溶体”と呼ばれる。」(段落0012),「用語“固体分散体”は固溶体より一貫して均質さの劣る分散体をも含む。そのような分散体は、一貫して化学的および物理的に一様ではない、または一つを超える数の相を含む。」(段落0013)との記載から固体分散体の中でも固溶体は一貫して均質であるといえる。
これらのことから,マトリックスが均質になれば,ΔH_(tr)の値が小さくなり,生物学的利用能が大きくなることを意味すると解され,このことは,上記意見書における実験結果(実験3)におけるΔH_(tr)の値と生物学的利用能との関係をみても,ΔH_(tr)の値が小さくなれば生物学的利用能が大きくなっている(2つの実験番号3-1及び実験番号3-2の比較)こととも一致する。
一方,刊行物Aにも,固体分散体の中でも,化学的及び物理的に均一である「固溶体」が好ましいこと,固溶体は容易に生物学的利用可能であることが記載されている(摘示A8)ことから,固溶体の形態が生物学的利用能の面から好ましいものであることは,すでに刊行物Aに記載されていた事項である。
すなわち,本件補正発明における「0.35>ΔH_(tr)」との特定事項に直接関連する思想は,引用発明においても共通するものであって,本件補正発明とは差異があるとはいえないものである。
また,生物学的利用能の尺度の一つとして,AUCが挙げられることは周知であるところ,本願にかかる意見書において提示された実験結果において,本件補正発明のΔH_(tr)の値についての要件を満たす錠剤の対照試験品(Sporanox(登録商標))に対するAUCのパーセンテージ(%)が84.3%,116.7%であるのに対し(実験3。なお,有効成分は刊行物A発明と同じイトラコナゾールである),刊行物Aには,AUCについて,同じ対照試験品に対して,実施例1の錠剤(摘示A10)が2.3倍であったことが記載されている(摘示A11)。
そうしてみると,刊行物Aに記載の固体分散体から得られた錠剤(実施例1の錠剤)は,本件補正発明のΔH_(tr)の値の要件を満たす固体分散体から得られた錠剤よりも優れた生物学的利用能を有しているのであるから,刊行物Aに記載の当該固体分散体は,少なくとも本件補正発明のΔH_(tr)の値についての要件を満たす固体分散体の1例であるとするのが適切である。
したがって,本件補正発明と刊行物A発明とはこの点では実質的に相違しない。

3.まとめ
以上のとおりであるから,本件補正発明は刊行物Aに記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号の規定に該当し,特許を受けることができず,また,刊行物Aに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(1-3)むすび
以上のとおり,仮に,本件補正における請求項1についての補正が限定的減縮を目的とするものに該当するとしたとしても,本件補正発明について,本願は特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たすものでなく,また,本件補正発明は,同法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができるものではなく,同法同条第2項の規定により特許を受けることができるものではないから,特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。したがって,本件補正は,改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定(独立特許要件)に違反するから,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである,ということになる。

(2)本願発明についての平成24年5月29日付け拒絶理由通知書に記載の理由2(新規性)について
本願発明について,いわゆる実施可能要件を満たさないことは,上記第3の(3)で述べたとおりであるが,本願発明は新規性も有するものではないと判断されるので,以下に述べる。
本願発明は,本件補正発明において特定される「押出機操作温度およびノズル温度が約195℃?約300℃の範囲にあり、スクリュー回転数が毎分100回転超毎分350回転までの」との事項が特定されていないものであるところ,当該事項が特定されている本件補正発明が上記刊行物Aに記載された発明である(上記第5の(1-3))以上,かかる特定のない本願発明も刊行物Aに記載された発明である。
したがって,本願発明は,特許法第29条第1項第3号の規定に該当し,特許を受けることができないと判断される。

第6 むすび
以上のとおりであるから,本願は,他の理由を検討するまでもなく,拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-04-14 
結審通知日 2015-04-21 
審決日 2015-05-08 
出願番号 特願2008-525468(P2008-525468)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61K)
P 1 8・ 57- Z (A61K)
P 1 8・ 121- Z (A61K)
P 1 8・ 536- Z (A61K)
P 1 8・ 113- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 澤田 浩平  
特許庁審判長 星野 紹英
特許庁審判官 冨永 保
関 美祝
発明の名称 改善された生物学的利用能をもつ剤型  
代理人 特許業務法人川口國際特許事務所  
代理人 特許業務法人 信栄特許事務所  

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