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審決分類 審判 一部無効 2項進歩性  A01G
管理番号 1306263
審判番号 無効2014-800188  
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2014-11-17 
確定日 2015-09-28 
事件の表示 上記当事者間の特許第3871395号発明「草質材圧着物」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件は、請求人が、被請求人ら(以下「被請求人」という。)が特許権者である特許第3871395号(以下「本件特許」という。)の特許請求の範囲の請求項1,3ないし11に係る発明の特許を無効とすることを求める事件であって、手続の経緯は、概略以下のとおりである。

平成 8年 3月29日:優先権主張の基礎となる先の出願
(特願平8-103810号)
平成 9年 3月28日:本件出願(特願平9-94731号)
平成18年10月27日:設定登録(特許第3871395号)
平成26年11月17日:本件審判請求
平成27年 1月 7日:被請求人より答弁書提出
平成27年 4月20日:審理事項通知書(起案日)
平成27年 5月 7日:請求人より口頭審理陳述要領書提出
平成27年 5月 7日:被請求人より口頭審理陳述要領書提出
平成27年 5月 7日:請求人より上申書提出
平成27年 5月25日:口頭審理


第2 本件発明
本件特許の請求項1ないし11に係る発明は、本件特許公報の特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1,3ないし11に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」,「本件発明3」ないし「本件発明11」といい、また全体を「本件発明」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
きのこ栽培の培地材料として使用されるカサ比重0.15?0.25以下に調整したリグニンに富む草質材の粉砕物をカサ比重0.3?0.7に圧縮、結着して圧着物とし、次いで圧着をほぐしてなる解着物。
【請求項3】
草質材がコーンコブである請求項1記載の解着物。
【請求項4】
圧着物の水分が約15%以下である請求項1記載の解着物。
【請求項5】
きのこ栽培の培地材料として使用されるリグニンに富む草質材をカサ比重0.15?0.25以下に粉砕し、その粉砕物をカサ比重0.3?0.7に圧縮、結着して圧着物とし、次いで圧着物をほぐす解着物の製造法。
【請求項6】
草質材圧着物の水分が約15%以下になるように草質材、その粉砕物または圧着物の水分を調製する請求項5記載の製造法。
【請求項7】
圧縮を50kg/cm^(2)以上の圧力で行う請求項5記載の製造法。
【請求項8】
草質材の破砕を切削により行う請求項5記載の製造法。
【請求項9】
切削を回転する平刃とそれに対向するように設けた固定刃を用いて行う請求項8記載の製造法。
【請求項10】
草質材がコーンコブである請求項5または8記載の製造法。
【請求項11】
コーンコブを切削して粒度4?80メッシュに粉砕し、その粉砕物を圧縮する請求項5、8または10記載の製造法。」


第3 当事者の主張
1 請求人の主張、及び提出した証拠の概要
請求人は、特許第3871395号発明の明細書の請求項1、3、4、5、6、7、8、9、10および11に係る発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その無効理由として以下のとおり主張し(審判請求書、平成27年5月7日付け口頭審理陳述要領書、平成27年5月7日付け上申書を参照。)、証拠方法として甲第1?7号証を提出している。
(なお、上記上申書は、東京地方裁判所平成26年(ワ)第17797号侵害訴訟事件において、被告として提出した準備書面(1)の写しである。)

[無効理由]
本件請求項1,請求項5,請求項7,請求項8及び請求項11に係る特許発明は、甲第1号証,甲第2号証及び周知技術に基づいて、また本件請求項3,請求項4,請求項6及び請求項10に係る特許発明は、甲第1号証,甲第2号証,甲第4号証及び周知技術に基づいて、さらに本件請求項9に係る特許発明は、甲第1号証,甲第2号証,甲第5号証,甲第6号証及び周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は、同法第123条第1項第2号に該当し,無効とされるべきである。(第1回口頭審理調書参照)

(具体的理由)
(1)請求項1及び請求項5
ア 甲第1号証には、次の記載がある。
「・・・破砕処理によって、カサ比重(乾燥物)を0.15?0.35に調整した草質素材を基材としてなるきのこ栽培用培地である。草質材としては、たとえば、モミガラ、コーンコブ、・・・などが挙げられる。・・・これらの草質材は破砕処理して乾燥物のカサ比重を0.15?0.35に調整する。破砕物の大きさは5?50メッシュとするのが望ましい。」(審判請求書7頁10?18行)

イ 本件請求項1に係る発明と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、甲第1号証には、請求項1の「粉砕した草質材(コーンコブ)のカサ比重が0.15?0.25」である点が開示されているが、「草質材の粉砕物をカサ比重0.3?0.7に圧縮、結着して圧着物とし、次いで圧着をほぐして解着物とする」点については開示されていない。(審判請求書9頁23行?10頁3行)

ウ 相違点について検討する。
甲第2号証には、コーンコブ等のリグニンに富む草質材を比重0.4?1.2に圧縮成形すること、輸送時の容積を縮小し輸送コストおよび倉庫料を低下させることが記載されている。一般に、草質材等の嵩張るものを輸送する場合には、甲第3号証等の周知技術に示されるように、圧縮(ダブルコンプレス)して減容することは周知の技術にすぎない。
甲第1号証のものにおいては、コーンコブを粉砕してさらに嵩張るものとなり、その輸送がさらに困難になるという課題は内在しているものといえるから、甲第2号証、および甲第3号証等の周知技術に基づいて、コーンコブを圧縮成形して減容することは、当業者に格別の困難性はなく、当業者が容易に想到することができるものにすぎない。
また、輸送のために一且圧縮して減容したとしても、培地として用いる際には当然にほぐして使用をするものであり、ほぐすことは自明というほかない。(審判請求書10頁4?23行)

エ 上述したように、甲第1号証?甲第3号証のものから、本件請求項1のように構成することは容易であり、その解着物も双方同一のものと解されるから、吸水時間等の作用効果も両者同一の作用効果を奏すると解され、格別のものということはできない。
本審判請求人が行った試験では、甲第7号証に示されるように、草質材を粉砕し、圧縮し、砕いたもの(試料3および4)は、圧縮前の草質材粉砕物(試料1および2)と比して、吸水時間に有為な差異は認められず、吸水性に特に優れているとは認められなかった。草質材を粉砕し、圧縮し、砕いた(もしくはほぐした)ものは、草質材を粉砕した状態に戻したものと言えるので、吸水時間、吸水性に特に差異が認められないのも当然と言える。(審判請求書11頁21行?12頁1行)

(2)請求項3および請求項10
「草質材がコーンコブである」という要件は、甲第1号証、甲第2号証および甲第4号証のいずれにも記載されている。(審判請求書12頁8?9行)

(3)請求項4および請求項6
「圧着物の水分が約15%以下」という要件は、甲第4号証に「コーンコブ粉砕物とオガクズを乾燥重量比で2:1になるように混合し、造粒機を用いて粒状物を作り、自然乾燥し、水分含量8%とした」という記載がある。(審判請求書12頁14?22行)

(4)請求項7
「圧縮を50kg/cm^(2)以上の圧力で行う」という要件は、甲第2号証に「コーンコブを圧縮機に装填して容積が約1/5になるように130kg/cm^(2)、の圧力で圧縮し」という記載がある。(審判請求書13頁1?6行)

(5)請求項8
「草質材の破砕を切削により行う」という要件は、甲第2号証に「リグニンに富む草質材の比重0.4?1.2の圧縮成形物を切削的に破砕してなる草質材破砕物」という記載がある。(審判請求書13頁10?12行)

(6)請求項9
「切削を回転する平刃とそれに対向するように設けた固定刃を用いて行う」という要件は、甲第5号証に「回転する平刃12と固定刃13を有する、牧草・稲藁等のベールを、給飼に適する状態に解切するベールカッター」が開示され、甲第6号証に「回転刃11と固定刃7を有する、飼料粉砕機」が開示されている。(審判請求書13頁17?21行)

(7)請求項11
「コーンコブを切削して粒度4?80メッシュに粉砕し、という要件は、甲第1号証に「破砕物の大きさは5?50メッシュとするのが望ましい。」という記載がある。(審判請求書13頁末行?14頁6行)

(8)吸水時間について
ア 甲第7号証に示される試験成績書における試験に供した試料は、現に請求人が使用している、きのこ栽培用培地の材料たるコーンコブミールであって、特に作為的に乾燥の程度や粒度を調整したものではない。本件特許の請求項1に係る発明も、乾燥の程度や粒度については何ら特定していない。被請求人の主張は、本件特許発明に即した主張ではない。(口頭審理陳述要領書3頁3?8行)

イ 本件特許における吸水時間の測定条件は、本件特許公報中の段落【0025】で示されているように、「水上に浮かんだ解着物がその上部まで全部吸水するまでの時間を測定する」ものであると解される。この点、乙第2号証における写真5、6は、2分経過後の吸水状態を示すものであるが、上部が白くなっていることから明らかなように、水上に浮かんだ解着物がその上部まで全部吸水した状態とは到底言えず、吸水時間が2分とは到底言えない。また、その写真7、8は5分経過後のビーカーの上面の状況を示しているとするが、被請求人も認めるように、「中央の盛り上がった部分」は、吸水状態にはない。このことからすると、乙第2号証に示される試料の吸水時間は、5分よりも長いとする他ない。(口頭審理陳述要領書3頁17?26行)
してみると、乙第2号証に示される試料は、その吸水時間(5分以上)において、本件特許公報に示される実施例1の吸水時間(1.5分)から大きくかけ離れており、本件特許発明は、吸水時間において、「コーンコブを粉砕し、圧着し、次いでほぐしたものの方が、単にコーンコブを粉砕しただけのものよりも、吸水時間の大幅な短縮化が図れる」というような作用効果は奏さない。(口頭審理陳述要領書4頁9?16行)

[証拠方法]
甲第1号証:特開平1-137921号公報
甲第2号証:特開平4-211307号公報
甲第3号証:Dairy Japan 5 2002、平成14年
5月1日発行、32?35頁の写し
甲第4号証:特開平5-23049号公報
甲第5号証:実願昭60-50960号(実開昭61-167740
号)のマイクロフィルム
甲第6号証:実願昭58-126318号(実開昭60-33888
号)のマイクロフィルム
甲第7号証:長野県工業技術総合センター作成の試験成績書の写し

2 被請求人の主張、及び提出した証拠の概要
これに対して、被請求人は、本件無効審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、請求人の主張に対して、以下のとおりの反論を行い(平成27年1月7日付けの審判事件答弁書、平成27年5月7日付け口頭審理陳述要領書を参照。)、証拠方法として乙第1?4号証を提出した。

(具体的理由)
ア 本件特許発明の本質を、甲第2号証の発明と対比して捉えると、本件特許発明は、「適度に粉砕した後で、適度に圧縮し、さらに、ほぐすもの」であるのに対し、甲第2号証の発明は、「適度に圧縮した後で、適度に破砕するもの」であることに、違いがある。(答弁書3頁20?23行)

イ 本件特許発明の工程による方が、吸水性を向上させてキノコの生産を収量と品質の両面で向上させ、さらに輸送性を向上させて粉塵の発生を防止でき、解着するまで塊として扱えるため使い勝手がよいなど、キノコ栽培用の資材として合理的であり、生産性を向上できることを、本件特許の発明者が見いだしたことになる。(答弁書4頁9?13行)

[証拠方法]
乙第1号証:東京地方裁判所平成26年(ワ)第17797号
特許権侵害損害賠償請求事件の原告が提出した
「第2準備書面」の写し
乙第2号証:上記第2準備書面に添付された「吸水試験(解着物の
吸水性の事例)」の写し
乙第3号証:コーンコブミールの圧縮前後の吸水性に関する資料、
小林庸悟作成の写し
乙第4号証:特公平1-58927号公報


第4 無効理由についての当審の判断
1 甲第1?7号証の記載事項
(1)甲第1号証
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第1号証には、以下の事項が記載されている。(下線は当審において付与。以下同様。)
ア 「3. 発明の詳細な説明
<産業上の利用分野>
本発明は、草質素材を用いたきのこ栽培用培地に係わり、特に培地カスも蓄産の飼料に転用できる新しいタイプの培地に関するものである。」(1頁左下欄11?15行)

イ 「<課題を解決するための手段>
本発明者は、上記問題点に関して鋭意研究を行った結果、きのこの収穫量には草質素材のカサ比重が大きく影響し、カサ比重が0.15?0.35のものが培地に適しており、特に0.25前後のものが最も好ましいことが判明した。
また、カサ比重が上記範囲のモミガラにコーンコブを混合した場合、モミガラ単独の場合よりも収量が多く、しかも培地カスは蓄産の飼料に再利用できることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、破砕処理によって、カサ比重(乾燥物)を0.15?0.35に調整した草質素材を基材としてなるきのこ栽培養培地である。
草質素材としては、たとえば、モミガラ、コーンコブ、ワラ、バガス、ソバガラ、麦ヒ、アワガラなどが挙げられる。好ましいものとしては、たとえばモミガラとコーンコブの併用が挙げられる。
これらの草質素材は破砕処理して乾燥物のカサ比重を0.15?0.35に調整する。破砕物の大きさは5?50メッシュとするのが望ましい。」(1頁右下欄16行?2頁左上欄16行)

ウ 「<実施例>
実施例 1
機械的に破砕処理してカサ比重0.23にしたモミガラ200kgとコーンコブ70kg、およびオカラ400kgを配合し、・・・(省略)・・・
実施例2
機械的に破砕処理してカサ比重0.21にしたコーンコブ200kgとモミガラ70kg、およびオカラ400kgを配合し、・・・(省略)・・・」(2頁左下欄16行?右下欄15行)

エ 上記アないしウからみて、甲第1号証には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認める。
「破砕処理によりカサ比重(乾燥物)を0.21又は0.23に調整した草質素材であるコーンコブを基材としてなり、破砕物の大きさは5?50メッシュであるきのこ栽培用培地。」

(2)甲第2号証
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第2号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコーンコブ、大豆、落花生の茎や殻のような草質性農産廃棄物の破砕物および成形物に関し、該破砕物はキノコ栽培の培地、飼料、家畜の敷料などに用いられる。」

イ 「【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解決するもので、リグニンに富む草質材を圧縮成形物を切削的に破砕してなる草質材破砕物およびそのキノコ栽培培地用材料としての用途を指向する。
【0011】本発明の他の一部はコーンコブの圧縮成形物を指向する。
【0012】リグニンに富む草質材としては、たとえば、コーンコブ、そば殻、豆殻、落花生殻などの農産廃棄物が挙げられる。
【0013】本発明においては草質材をその繊維を破断しないように圧縮成形する。圧縮の程度は草質材の種類によって左右されるが一般に比重約0.4?0.8、好ましくは0.5?0.7程度まで圧縮するのがよい。コーンコブの場合は圧縮により材料が互に結着するので約100kg/cm^(2)以上の圧力で圧縮することにより容易に比重0.4?0.8の成形物が得られる。結着し難い材料の場合は、たとえばでんぷん糊、糖液、飛粉(トビコ、こんにゃく精粉製造時の副産物)その他の、無害の結着料を予め加えて成形させるのがよい。
【0014】成形物の形状はたとえば、棒状、板状、塊状など、輸送あるいは次の破砕に都合がよいように選ぶことができる。たとえば、板状に成形すればそのまま輸送できるので、包装の手間と費用が不要になる。
【0015】しかしながら、たとえばエクストルーダーにより草質材を押し出しペレット状に成形することは本発明の意図するところではない。この場合、繊維が破断すると同時にペレット表面が加圧により硬化しているので、そのままでは粗飼料としての効果が劣り、吸水性が弱いのでキノコ培地材料には適していないのみならず、これを切削的に破砕することも困難である。
【0016】成形物は圧縮されているので原料の草質材よりも遙かに安いコストで輸送することができる。
【0017】また成形物は断熱材や遮音材として建築に利用でき、炭や活性炭の原料として用いることもでき、それ自体燃料とすることもできる。
【0018】コーンコブを50%(重量)以上含有するコーンコブと他の固体材料、たとえば、もみ殻、粘土、プラスチック等との混合物を圧縮成形してもよく、その成形物は建築材料などに利用できる。
【0019】成形物がコーンコブのような草質材を圧縮したものであり、それを破砕してキノコ栽培の培地材料を得る場合、破砕物の表面が圧力によって硬化しないように、切削的に破砕を行うのがよい。それは、たとえば、鋸刃で切るようにして行うことができる。多数の小さな刃を植え込んだ回転ローラーに圧接して破砕してもよい。破砕は破砕物がおが屑状になるように行うのがよい。この破砕は小型の破砕機を用いて消費地で行うことができる。
【0020】かくして、微粉末をほとんど含まず、表面の硬化もなく、キノコの栽培に適したカサ比重約0.15?0.35、好ましくは0.18?0.26の破砕物が得られる。」
【0021】この破砕物はキノコ栽培の培地材料として適している許りでなく、家畜の粗飼料、畜舎の敷料あるいは肥料として用いることができる。
【0022】従来の方法により、コーンコブをそのまま、たとえばハンマークラッシャーで破砕し、破砕物をふるいにかけて比重0.21程度の破砕物を得ることもできるが、非常に収量が悪いばかりでなく、破砕に長時間を要し、したがって微粉末の副生が多くて破砕物に混入して商品価値が低下する。しかも下記の試験で明らかなように破砕物の吸水性が極めて悪い。
【0023】二つのコップに水をそれぞれ半分ずつ入れ、その水の上に上記の従来法で造ったコーンコブの破砕物(比重0.21)と本発明のコーンコブの破砕物をそれぞれ5mmの厚さになるように乗せた。本発明の破砕物は数秒内に崩れ落ちるように全部水底に沈んだが、従来法の破砕物は容易に沈まず、全部沈むまでに数十分を要した。
【0024】したがって、従来法の破砕物はキノコ培地材料として吸水性が少な過ぎて適していない。
【0025】また、コーンコブなどの草質材を圧縮せずにそのまま切削的に破砕することが考えられるが、切削が技術的に非常に難しいばかりでなく、カサ比重0.12以下の破砕物が得られ、キノコ培地に用いた場合水分が蒸発し易くて乾燥し過ぎ、養分も不足するため不適である。キノコ栽培においては、培地基材の使用量は重量ではなく、容器の容量で制限されるため、最も少ない原料で高い収量を挙げるにはカサ比重0.19?0.23の範囲が適している。」

ウ 「【0028】
【作用】本発明において、草質材の圧縮成形は容積を縮小して輸送を容易にすると共にその破砕を容易にし、また破砕物にキノコ栽培用の培地材料に適したカサ比重を付与するものである。
実施例1
コーンコブを圧縮機に装填して容積が約1/5になるように130kg/cm^(2)の圧力で圧縮し1m×15cm×13cmの板状成形物(比重約0.6)を得た。この成形物を、多数の小刃を植えた回転するドラムに圧接して破砕しカサ比重0.21のおが屑状破砕物を得た。」

エ 「【0045】
【発明の効果】本発明によれば、キノコ栽培に最も適したカサ比重の草質材破砕物を提供できるばかりでなく、その製造において微粉の発生を防止でき、また草質材をその生産地において圧縮成形して消費地に輸送し破砕することにより輸送時の容積を縮小し輸送コストおよび倉庫料を低下させることができる。また草質材の圧縮成形物はそれ自体建築材料や燃料として、あるいは炭や活性炭の原料として利用できる。」

オ 上記アないしエからみて、甲第2号証には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているものと認める。
「リグニンに富む草質材であるコーンコブを約100kg/cm^(2)以上の圧力で比重約0.4?0.8程度まで圧縮して得られた圧縮成形物を切削的に破砕してなり、きのこ栽培培地用材料を用途とする草質材破砕物。」

(3)甲第3号証
本件特許の出願日後に頒布された刊行物である甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
「しかし、高度成長の走りから稲作が機械化に転じ、飼料向けの粗繊維が大幅に不足し、稲ワラ代替作物としてスーダンの栽培が南カリフォルニアのインペリアル・バーレーで始まり、1980(昭和55)年頃から本格的なダブルコンプレス加工と対日向け輸出が始まりました。」(34頁右欄15?19行)

(4)甲第4号証
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第4号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0014】実施例1
コーンコブ粉砕物〔金商又一株式会社販売〕とオガクズを乾物重量比で2:1になるように混合し、更に米糠とフスマを前記混合物乾重に対して4:2:1となるように混合して粉砕機にかけ、この粉砕物を6メッシュでふるい分けして、6メッシュ以下のものを回収した。これに蒸気を15重量%になるように吹込み、造粒機(CPM社製150馬力JPMフローティングダイ型)を用いて直径6mmで長さ20?30mmの粒状物を作り、造粒時の余熱で自然乾燥し、水分含量8%とした。形成された培養基材は粉塵を発生することはなかった。次に上述した培養基材をシロタモギタケの栽培に使用した。・・・(省略)・・・」

(5)甲第5号証
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第5号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「本考案は、ヘイベーラーにより、ブロック状に圧縮・梱包された牧草・稲藁等のベールを、給飼に適する状態に解切するベールカツターに関する。」(明細書2頁1?4行)

イ 「次に実施例を図面に従い詳述する。
第1図は本考案によるベールカツターAの全体を側面から見た図で、aは藁カツター、(1)は該藁カツターaの本体・・・(省略)・・・。
藁カツターaは、第2図に示している如く、カツター本体(1)のフレームに装架した切截室(10)内の軸心部位に、該切截室(10)を横切るカツター主軸(11)を配位してカツター本体(1)のフレームに軸架し、そのカツター主軸(11)に、刃物取付金を介して回転刃(12)・(12)を組付け支架し、切截室(10)の入口(10a)に臨む部位には、前記回転刃(12)・(12)と対応する固定刃(13)をカツター本体(1)のフレームに固定して設け、」(明細書4頁10行?5頁12行)

(6)甲第6号証
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第6号証には、図面とともに以下の事項が記載されている。
ア 「3 考案の詳細な説明
この考案は、圧縮固型飼料の粉砕機に関するものである。」(明細書1頁12?14行)

イ 「この考案は、基台(A)とモーター(B)と粉砕機本体(C)とから成り、本体(C)は、円筒形フレーム(1)、ホツパー(2)、主軸(3)、側板(4)によつて構成されており、・・・(省略)・・・該側板(4)の内側には、4枚の固定刃(7)が突設し、・・・(省略)・・・又、落下口(5)に対応する位置に2枚の押出し羽根(10_(1))、(10_(2))が設けられると共に、その前方位置に押出し機能を兼ねた回転刃(11_(1))、(11_(2))が設けられている。・・・(省略)・・・側板と回転刃の間に詰つた固型飼料が側板に突設された固定刃と前記回転刃によつて、解ぐすように粉砕するので飼料の繊維質を損うことがない。」(明細書2頁7行?3頁13行)

2 当審の判断
(1)本件発明1について
ア 対比
(ア)甲1発明の「草質素材」は、本件発明1の「草質材」に相当し、また、甲1発明の「草質素材」は、「きのこ栽培用培地」の「基材」となるので、本件発明1の「きのこ栽培の培地材料」にも相当し、そして甲1発明の「破砕処理」した「草質素材」は、本件発明1の「草質材の粉砕物」に相当する。

(イ)甲1発明の「草質素材であるコーンコブ」は、リグニンに富むことが一般的に知られているので(例えば、甲第2号証「上記1(2)イ」参照。)、甲1発明の「草質素材であるコーンコブ」は、本件発明1の「リグニンに富む草質材」に相当する。
甲1発明の「カサ比重(乾燥物)を0.21又は0.23に調整した」ことと、本件発明1の「カサ比重0.15?0.25以下に調整した」こととは、「カサ比重0.21又は0.23に調整した」ことで共通している。

(ウ)そうすると、本件発明1と甲1発明とは、
「きのこ栽培の培地材料として使用されるカサ比重0.21又は0.23に調整したリグニンに富む草質材の粉砕物。」(以下「一致点」という。)で一致し、以下の点で相違している。
(相違点1)草質材の粉砕物を、本件発明1は、「カサ比重0.3?0.7に圧縮、結着して圧着物とし、次いで圧着をほぐしてなる解着物」であるのに対し、甲1発明は、「圧着、結着して圧着物とし、次いで圧着をほぐしてなる解着物」との特定がない点。

イ 判断
(ア)請求人は、上記相違点1に関し、甲第2号証及び周知技術に基づいて、粉砕して嵩張るものとなったコーンコブを圧縮成形して減容することは容易に想到することができ、また、きのこ用培地として用いるものであるから、一旦減容したとしても、当然ほぐして使用するものである、と主張している。(第3 1(具体的理由)(1)ウ)
そこで、甲第2号証及び周知技術の適用容易性について検討する。

(イ)甲第2号証には、上記1(2)オに記載したとおりの甲2発明が記載されている。
甲2発明の草質材破砕物は、草質材を圧縮して得られた圧縮成形物を切削的に破砕したものであるから、圧縮する工程は破砕する前に行っているものである。
さらに圧縮する工程の時期について、甲第2号証には、その効果として「草質材をその生産地において圧縮成形して消費地に輸送し破砕することにより、輸送時の容積を縮小し輸送コストおよび倉庫料を低減させることができる」(上記2(2)エ)と記載されていることからみて、甲2発明は、あくまで輸送後に消費地において破砕することを前提とするものといえる。
そうすると、甲2発明は、草質材を圧縮する工程が何時でも良いものではなく、上記のとおり、草質材を破砕前に行われることを前提とする発明であるから、甲1発明に甲2発明の圧縮と破砕の順序を適用したとすれば、草質材を圧縮した後に破砕を行うのが自然であって、上記相違点1に係る本件発明1の構成のように、草質材の粉砕物を、圧縮、結着して圧着物とし、次いで圧着をほぐすことは、当業者が容易に思い付くことではない。

(ウ)次に、本件特許出願日後に頒布された甲第3号証も一応参照すると、加工の具体的構成は不明であるが、「ダブルコンプレス加工」が1980年頃から始まった旨記載されており、甲第2号証の記載も参酌すれば、草質材全般に関して、圧縮成形することが本件優先日前に周知の技術であったともいえる。
しかし、仮にそのような周知技術があったとしても、破砕したものを圧縮成形することまでが周知であったとはいえないから、一旦破砕した草質材を圧縮成形して、その後ほぐすものとすることを容易に想到し得るとはいえない。
そして、本件発明1は、上記相違点1に係る構成を採用することにより、「消費地では粉砕せずに栽地材料(当審注:「培地材料」の誤記と認める。)として用いることができるので、・・・加工の費用が大巾に節減される。粉塵公害を防止することができる。」(本願明細書段落【0042】参照。)という顕著な効果を奏するものである。
また、請求人が提示したその他の証拠をみても、粉砕した後の草質材を圧縮成形し、次いでほぐすことは記載されていない。
したがって、甲1発明において、甲2発明及び周知技術を適用することにより、上記相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たとすることはできない。

(エ)また、請求人は、本件発明の解着物が吸水時間等の作用効果において、格別のものではないことを主張している。(第3 1(具体的理由)(1)エまたは(8)アイ)
まず、請求人が提出した甲第7号証において、草質材を粉砕し、圧縮し、砕いたもの(試料3,4)と、圧縮前のもの(試料1,2)とは、吸水時間に有為な差異は認められないことを証明しようとしているが、粉砕や圧縮行程を経たかどうか以外に、試料1,2の粉砕時のカサ比重のデータがあるだけで、試料3,4の作成にあたり、最初の粉砕時のカサ比重や、圧縮時のカサ比重のデータがなく、また吸水試験において、試料1?4の水分量等のデータもないことから、試料1,2と試料3,4とが、吸水時間において有為な差異が無かったものとは判断できない。
また、被請求人が提出した乙第2号証で示される試料は、写真5?8によると、解着物が全部吸水するのに5分以上の吸水時間を要しており、本件発明が、給水時間の短縮化を図るという作用効果を奏さない旨主張している。
吸水時間の測定については、本件特許公報の段落【0025】に「水上に浮かんだ解着物がその上部まで全部吸水するまでの時間を測定する。」と記載されているが、乙第2号証の写真5?8をみるに、解着物の吸水状態が、上部まで全部かどうか不明であるものの、ほぼ全部といえるまで吸水していることは明らかであるから、本件発明は、上記作用効果を奏するといえる。
仮に、吸水時間に関して、格別の効果がないとしても、本件発明は、上記(ウ)で説示したように、「消費地では粉砕せずに培地材料として用いることができるので、加工の費用が大巾に節減される。粉塵公害を防止することができる。」との顕著な効果を奏するものである。

ウ 小括
以上のことから、本件発明1は、甲第1号証、甲第2号証及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)本件発明3について
本件発明3は、本件発明1の構成をすべて含み、さらに「草質材がコーンコブである」との限定を付加するものである。
そうすると、本件発明1が上記(1)で検討したとおりであるから、請求人が主張するように、甲第1号証、甲第2号証及び甲第4号証に草質材がコーンコブであるが記載されているとしても、本件発明1の構成要件をすべて含み、さらに限定を加えたものである本件発明3も、同様の理由により甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)本件発明4について
本件発明4は、本件発明1の構成をすべて含み、さらに「圧着物の水分が約15%以下である」との限定を付加するものである。
そうすると、本件発明1が上記(1)で検討したとおりであるから、請求人が主張するように、甲第4号証にコーンコブ破砕物から作った粒状物の水分含量を8%としたことが記載されているとしても、本件発明1の構成要件をすべて含み、さらに限定を加えたものである本件発明4も、同様の理由により甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(4)本件発明5について
ア 対比
(ア)甲1発明の「草質素材」は、「きのこ栽培用培地」の「基材」となるので、本件発明5の「きのこ栽培の培地材料」に相当し、また甲1発明の「草質素材」は、本件発明5の「草質材」にも相当する。そして甲1発明の「破砕処理」することは、本件発明5の「粉砕」することに相当し、甲1発明の「粉砕処理」した「草質素材」は、本件発明5の「粉砕物」に相当する。

(イ)甲1発明の「草質素材であるコーンコブ」は、リグニンに富むことが一般的に知られているので(甲第2号証参照)、甲1発明の「草質素材であるコーンコブ」は、本件発明5の「リグニンに富む草質材」に相当する。
甲1発明の「草質素材」を「破砕処理によりカサ比重(乾燥物)を0.21又は0.23に調整」することと、本件発明5の「草質材をカサ比重0.15?0.25以下に粉砕」することとは、「草質材をカサ比重0.21又は0.23に粉砕」することで共通している。
甲1発明は、「草質素材」を「粉砕処理」するので、「粉砕処理」した「草質素材」の製造法ともいえる。

(ウ)そうすると、本件発明5と甲1発明とは、
「きのこ栽培の培地材料として使用されるリグニンに富む草質材をカサ比重0.21又は0.23に粉砕した粉砕物の製造方法。」(以下「一致点」という。)で一致し、以下の点で相違している。
(相違点1’)粉砕物を、本件発明5は、「カサ比重0.3?0.7に圧縮、結着して圧着物とし、次いで圧着物をほぐす解着物の製造法」であるのに対し、甲1発明は、「圧着、結着して圧着物とし、次いで圧着物をほぐす解着物の製造法」との特定がない点。

イ 判断
上記(1)イで検討したように、甲1発明において、粉砕物を圧着、結着して圧着とし、次いで圧着物をほぐすことは、当業者が容易に想到し得たこととはいえないから、相違点1’に係る本件発明5に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たとすることはできない。

ウ 小括
以上のとおり、本件発明5は、甲第1号証、甲第2号証及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(5)本件発明6について
本件発明6は、本件発明5の構成をすべて含み、さらに「草質材圧着物の水分が約15%以下になるように草質材、その粉砕物または圧着物の水分を調整する」との限定を付加するものである。
そうすると、本件発明5が上記(4)で検討したとおりであるから、請求人が主張するように、甲第4号証にコーンコブ破砕物から作った粒状物の水分含量を8%とすることが記載されているとしても、本件発明5の構成要件をすべて含み、さらに限定を加えたものである本件発明6も、同様の理由により甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(6)本件発明7について
本件発明7は、本件発明5の構成をすべて含み、さらに「圧縮を50kg/cm^(2)以上の圧力で行う」との限定を付加するものである。
そうすると、本件発明5が上記(4)で検討したとおりであるから、請求人が主張するように、甲第2号証にコーンコブを130kg/cm^(2)の圧力で圧縮することが記載されているとしても、本件発明5の構成要件をすべて含み、さらに限定を加えたものである本件発明7も、同様の理由により甲第1号証、甲第2号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(7)本件発明8について
本件発明8は、本件発明5の構成をすべて含み、さらに「草質材の破砕を切削により行う」との限定を付加するものである。
そうすると、本件発明5が上記(5)イで述べたように、甲第1号証、甲第2号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとは認められないことから、甲第2号証に圧縮成形物を切削的に破砕することが記載されているとしても、本件発明5の構成要件をすべて含み、さらに限定を加えたものである本件発明8も、同様の理由により甲第1号証、甲第2号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(8)本件発明9について
本件発明9は、本件発明8の構成をすべて含み、さらに「切削を回転する平刃とそれに対向するように設けた固定刃を用いて行う」との限定を付加するものである。
そうすると、本件発明8が上記(7)で検討したとおりであるから、請求人が主張するように、甲第5号証及び甲第6号証に固定刃(平刃)と回転刃について記載されているとしても、本件発明8の構成要件をすべて含み、さらに限定を加えたものである本件発明9も、同様の理由により甲第1号証、甲第2号証、甲第5号証、甲第6号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(9)本件発明10について
本件発明10は、本件発明5または8の構成をすべて含み、さらに「草質材がコーンコブである」との限定を付加する発明を含むものである。
そうすると、本件発明5または8が上記(5)または(8)で検討したとおりであるので、請求人が主張するように、甲第1号証、甲第2号証及び甲第4号証に草質材がコーンコブであることが記載されているとしても、本件発明5または8の構成要件をすべて含み、さらに限定を加えたものである本件発明10も、同様の理由により甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(10)本件発明11について
本件発明11は、本件発明5の構成をすべて含み、さらに「コーンコブを切削して粒度4?80メッシュに粉砕し、その粉砕物を圧縮する」との限定を付加する発明を含むものである。
そうすると、本件発明5が上記(4)で検討したとおりであるから、請求人が主張するように、甲第1号証に破砕物の大きさを5?50メッシュとすることが記載されているとしても、本件発明5の構成要件をすべて含み、さらに限定を加えたものである本件発明11も、同様の理由により甲第1号証、甲第2号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることがでたとはいえない。

(11)まとめ
上記(1)?(10)のとおり、本件発明1,5,7,8及び11は、甲第1号証,甲第2号証及び周知技術に基づいて、また本件発明3,4,6及び10は、甲第1号証,甲第2号証,甲第4号証及び周知技術に基づいて、さらに本件発明9は、甲第1号証,甲第2号証,甲第5号証,甲第6号証及び周知技術に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものではない。


第5 むすび
以上のとおり、請求人の主張する理由及び証拠方法によって、本件発明1、3ないし11に係る特許を、無効とすることはできない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-07-16 
結審通知日 2015-07-21 
審決日 2015-08-17 
出願番号 特願平9-94731
審決分類 P 1 123・ 121- Y (A01G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉田 佳代子  
特許庁審判長 小野 忠悦
特許庁審判官 赤木 啓二
住田 秀弘
登録日 2006-10-27 
登録番号 特許第3871395号(P3871395)
発明の名称 草質材圧着物  
代理人 特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所  
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