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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1307651
審判番号 不服2014-13849  
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-07-16 
確定日 2015-11-11 
事件の表示 特願2012-530117「Java(登録商標)ソフトウェアを携帯端末に統合するための方法及び装置、そして携帯端末」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 7月28日国際公開、WO2011/088683、平成25年 2月21日国内公表、特表2013-506174〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成22年9月10日(パリ条約による優先権主張外国官庁受理平成22年1月22日(以下、「優先日」という。)、中国)を国際出願日とする出願であって、それ以降の主な手続きは以下のとおりである。

国内書面(提出日) 平成24年 3月27日
審査請求(提出日) 平成24年 3月27日
拒絶理由通知(起案日) 平成25年 7月 5日
意見、手続補正(提出日) 平成25年 9月24日
拒絶理由通知<最後>(起案日) 平成25年11月 6日
意見、手続補正(提出日) 平成26年 2月 6日
補正却下の決定、拒絶査定(起案日) 平成26年 3月11日
審判請求、手続補正(提出日) 平成26年 7月16日
前置報告(作成日) 平成26年 9月17日
上申(提出日) 平成26年11月27日

第2.平成26年7月16日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成26年7月16日付け手続補正を却下する。
[理由]
1.本件補正
平成26年7月16日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲は次のとおり補正された。
[本件補正前]
「【請求項1】
Java(登録商標)ソフトウェアを携帯端末に統合するための方法であって、
拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定されたJava(登録商標)ソフトウェアをインストールして分析するステップと、
前記コンタクトデータに従って、前記携帯端末のユーザインタフェースにおける既存のアプリケーションのメニューに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加するステップとを含み、
前記コンタクトデータが、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリのデータを含み、
前記オプションは、ユーザが前記Java(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、前記メニューから自動的に削除されることを特徴とする方法。
【請求項2】
拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定されたJava(登録商標)ソフトウェアを導入して分析する前記ステップが、
前記Java(登録商標)ソフトウェアのJava(登録商標)アプリケーション記述子(JAD)ファイルから、前記ファイルを分析することによって、前記拡張属性を獲得するステップと、
前記Java(登録商標)ソフトウェアのJava(登録商標)アーカイブ(JAR)ファイルから、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの前記記憶場所を獲得するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加する前記ステップが、
前記Java(登録商標)ソフトウェアのインストール情報を、前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールに送信するステップと、
最初に前記ユーザインタフェースに対応する前記機能モジュールが起動されるか、もしくは前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記インストール情報が受信される場合に、前記ユーザインタフェースに対応する前記機能モジュールによって、前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記コンタクトデータを獲得するステップと、
前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記コンタクトデータに従って、前記ユーザインタフェースに対応する前記機能モジュールによって、前記Java(登録商標)ソフトウェアのオプションを前記ユーザインタフェース上に表示するステップと
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加する前記ステップの後に、前記方法が、
前記Java(登録商標)ソフトウェアを呼び出すための前記オプションを通じて、前記コンタクトデータにおける前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記アプリケーションエントリをトリガするステップを更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記オプションの前記形式が、メニューオプション、ソフトキー、またはリストを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
Java(登録商標)ソフトウェアを携帯端末に統合するための装置であって、
拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定さ
れたJava(登録商標)ソフトウェアをインストールして分析するように構成された分析モジュールと、
前記コンタクトデータに従って、前記携帯端末のユーザインタフェースにおける既存のアプリケーションのメニューに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加するように構成された追加モジュールとを備え、
前記オプションは、ユーザが前記Java(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、前記メニューから自動的に削除されることを特徴とする装置。
【請求項7】
前記Java(登録商標)ソフトウェアを呼び出すための前記オプションを通じて、前記コンタクトデータにおける前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリをトリガするように構成された呼び出しモジュールを更に備えることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
携帯端末であって、
請求項6または請求項7に記載されたJava(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末に統合するための装置を備えることを特徴とする携帯端末。」(以下、上記引用の請求項各項を「補正前請求項」という)

[補正後発明]
「【請求項1】
Java(登録商標)ソフトウェアを携帯端末に統合するための方法であって、
拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定されたJava(登録商標)ソフトウェアをインストールして分析するステップと、
前記コンタクトデータに従って、前記携帯端末のユーザインタフェースにおける既存のアプリケーションのメニューに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加するステップとを含み、
前記コンタクトデータが、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリのデータを含むと共に、前記オプションが追加される前記既存のアプリケーションを定義し、
前記オプションは、ユーザが前記Java(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、前記メニューから自動的に削除されると共に、
前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加する前記ステップが、前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって実施される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定されたJava(登録商標)ソフトウェアを導入して分析する前記ステップが、
前記Java(登録商標)ソフトウェアのJava(登録商標)アプリケーション記述子(JAD)ファイルから、前記ファイルを分析することによって、前記拡張属性を獲得するステップと、
前記Java(登録商標)ソフトウェアのJava(登録商標)アーカイブ(JAR)ファイルから、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの前記記憶場所を獲得するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加する前記ステップが、
前記ユーザインタフェースに対応する前記機能モジュールによって、前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記コンタクトデータを獲得するステップと、
前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記コンタクトデータに従って、前記ユーザインタフェースに対応する前記機能モジュールによって、前記Java(登録商標)ソフトウェアのオプションを前記ユーザインタフェース上に表示するステップと
を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加する前記ステップの後に、前記方法が、
前記Java(登録商標)ソフトウェアを呼び出すための前記オプションを通じて、前記コンタクトデータにおける前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記アプリケーションエントリをトリガするステップを更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記オプションの前記形式が、メニューオプション、ソフトキー、またはリストを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
Java(登録商標)ソフトウェアを携帯端末に統合するための装置であって、
拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定されたJava(登録商標)ソフトウェアをインストールして分析するように構成された分析モジュールと、
前記コンタクトデータに従って、前記携帯端末のユーザインタフェースにおける既存のアプリケーションのメニューに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加するように構成された追加モジュールとを備え、
前記コンタクトデータが、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリのデータを含むと共に、前記オプションが追加される前記既存のアプリケーションを定義し、
前記オプションは、ユーザが前記Java(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、前記メニューから自動的に削除されると共に、
前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加することが、前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって実施される
ことを特徴とする装置。
【請求項7】
前記Java(登録商標)ソフトウェアを呼び出すための前記オプションを通じて、前記コンタクトデータにおける前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリをトリガするように構成された呼び出しモジュールを更に備えることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
携帯端末であって、
請求項6または請求項7に記載されたJava(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末に統合するための装置を備えることを特徴とする携帯端末。」(以下、上記引用の請求項各項を「補正後請求項」という。下線は補正事項を示すものとして出願人が付与したものである。)


2.補正の目的要件
本件補正が、特許法第17条の2第5項の規定を満たすものであるか否か、すなわち、本件補正が、特許法第17条の2第5項に規定する請求項の削除、特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る)、誤記の訂正、或いは、明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れかを目的としたものであるかについて、以下に検討する。

(1)本件補正のうち補正後請求項1、請求項3及び請求項6についてする補正は、次の補正事項よりなるものである。

<補正事項1>
補正前請求項1の第4段落の「前記コンタクトデータが、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリのデータを含み、」を「前記コンタクトデータが、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリのデータを含むと共に、前記オプションが追加される前記既存のアプリケーションを定義し、」とする補正。

<補正事項2>
補正前請求項1の第5段階の「前記オプションは、ユーザが前記Java(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、前記メニューから自動的に削除される」を「前記オプションは、ユーザが前記Java(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、前記メニューから自動的に削除されると共に、
前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加する前記ステップが、前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって実施される」とする補正。

<補正事項3>
補正前請求項3の第2段落「前記Java(登録商標)ソフトウェアのインストール情報を、前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールに送信するステップと、」の記載を削除する補正。

<補正事項4>
補正前請求項3の第3段落の「最初に前記ユーザインタフェースに対応する前記機能モジュールが起動されるか、もしくは前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記インストール情報が受信される場合に、前記ユーザインタフェースに対応する前記機能モジュールによって、前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記コンタクトデータを獲得するステップと」を「前記ユーザインタフェースに対応する前記機能モジュールによって、前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記コンタクトデータを獲得するステップと」とする補正。

<補正事項5>
補正前請求項6に「前記コンタクトデータが、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリのデータを含むと共に、前記オプションが追加される前記既存のアプリケーションを定義し、」との記載を追加する補正。

<補正事項6>
補正前請求項6の第4段落の「前記オプションは、ユーザが前記Java(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、前記メニューから自動的に削除される」を「前記オプションは、ユーザが前記Java(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、前記メニューから自動的に削除されると共に、
前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加することが、前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって実施される」とする補正。


(2)当審の判断

(2-1)補正事項1について
補正事項1は、補正前請求項1の「コンタクトデータが、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプション」を限定した事項である「前記オプションが追加される前記既存のアプリケーションを定義し」との記載を追加するものであり、産業上の利用分野及び解決しようとする課題を変更するものではない。したがって、補正事項1は、特許請求の範囲を減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)(以下「限定的減縮」という。)を目的としたものと認められる。

(2-2)補正事項2について
補正事項2は、補正前請求項1の第3段落の「前記携帯端末のユーザインタフェースにおける既存のアプリケーションのメニューに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加するステップ」を限定した事項である「前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって実施される」処理を追加する補正であり、産業上の利用分野及び解決しようとする課題を変更するものではない。したがって、補正事項2は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的としたものと認められる。

(2-3)補正事項3について
補正事項3は、補正前請求項3の第1段落の「前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加する前記ステップが」という処理ステップに対して、直列的に特定した事項である事項を削除するものである。これは、直列的に記載された発明特定事項の一部の削除であり、特許請求の範囲を減縮するものではない。また、請求項の削除、誤記の訂正、或いは、明瞭でない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)(以下単に「明瞭でない記載の釈明」という)を目的としたものではない。

(2-4)補正事項4について
補正事項4は、補正前請求項3の第3段落の「前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記コンタクトデータを獲得するステップ」を限定した事項である「最初に前記ユーザインタフェースに対応する前記機能モジュールが起動されるか、もしくは前記Java(登録商標)ソフトウェアの前記インストール情報が受信される場合に、」との記載を削除するものである。これは、直列的に記載された発明特定事項の一部の削除を認められ、特許請求の範囲の減縮に該当しない。また、請求項の削除、誤記の訂正、或いは、明瞭でない記載の釈明を目的としたものではない。

(2-5)補正事項5について
補正事項5は、補正前請求項6の「コンタクトデータ」を限定した事項である「前記コンタクトデータが、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリのデータを含むと共に、前記オプションが追加される前記既存のアプリケーションを定義」することを追加する補正であり、産業上の利用分野及び解決しようとする課題を変更するものではない。したがって、補正事項5は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的としたものと認められる。

(2-6)補正事項6について
補正事項6は、補正前請求項6の「前記携帯端末のユーザインタフェースにおける既存のアプリケーションのメニューに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加するように構成された追加モジュール」における「追加モジュール」を限定した事項でなく、補正後請求項6の「前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加すること」が補正前請求項1の何に対応するのかが不明である。そのため、補正後請求項6の「前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって実施される」ことは、補正前請求項6に記載された事項を限定するものでなく、特許請求の範囲の減縮に該当しない。また、請求項の削除、誤記の訂正、或いは、明瞭でない記載の釈明を目的としたものではない。

(3)小括
補正事項3、4及び6は、特許法第17条の2第5項に規定する請求項の削除、特許請求の範囲の限定的減縮、誤記の訂正、或いは、明瞭でない記載の釈明の何れをも目的としたものでないので、本件補正は、特許法第17条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするものに限られるものではない。

4.独立特許要件
本件補正が仮に限定的減縮を目的としたものであったとして、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)、以下に検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、平成26年7月16日付けの手続補正(本件補正)により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものである。(再掲する。)

「Java(登録商標)ソフトウェアを携帯端末に統合するための方法であって、
拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定されたJava(登録商標)ソフトウェアをインストールして分析するステップと、
前記コンタクトデータに従って、前記携帯端末のユーザインタフェースにおける既存のアプリケーションのメニューに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加するステップとを含み、
前記コンタクトデータが、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリのデータを含むと共に、前記オプションが追加される前記既存のアプリケーションを定義し、
前記オプションは、ユーザが前記Java(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、前記メニューから自動的に削除されると共に、
前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加する前記ステップが、前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって実施される
ことを特徴とする方法。」

(2)引用文献に記載されている引用発明の認定

(2-1)引用文献1
原審の拒絶の査定の理由である上記平成25年11月6日付けの拒絶理由通知において引用され、本願の優先日前に既に頒布または電気通信回線を通して公衆に利用可能となった文献である特開2006?286003号公報(以下、「引用文献1」という。)には、関連図面とともに、以下の技術的事項が記載されている。(下線は、参考のために当審で付与したものである。)

A.段落【0005】「Java2プラットホーム対応、マイクロ・エディション(J2ME)は、プログラマーが上記Javaプログラミング言語を用いて、携帯電話、携帯情報端末(PDA;Personal Digital Assistance)、ページャなど、組み込み機器用のアプリケーションを開発することを可能にする技術である。なお、本明細書において、これらのような装置を移動通信機器と総称する。」
段落【0006】「 また、モバイル情報デバイスプロファイル(MIDP;Mobile Information Device Profile)は、アーキテクチャ、および、MID用のアプリケーション開発環境を容易に実現させるための、関連するアプリケーションプログラミングインターフェース(API;Application Program Interface)を定義するものである。そして、このMIDP用に作成されたアプリケーションを、MIDletと称する。また、MIDletスイートとは、Javaクラスファイル、およびMIDletの一部として使用可能な、例えば画像のようなコンテンツファイルを集めたものである。また、これらMIDletスイートにおけるファイルは、Javaアーカイブ(JAR)ファイル内に格納可能であり、MIDletスイートは1つのMIDletを含むものであってもよいし、あるいは複数のMIDletを含むものであってもよい。なお、ここで用いられているように、MIDletという用語は、独立型のMIDlet、またはMIDletスイートの一部であるMIDletを指すものである。」
段落【0008】「 ところで、現行のMIDletに機能を付加することが望ましいという状況が望まれる場合がある。この状況を実現する1つの方法としては、追加の機能を有する、新しいバージョンのMIDletを生成することが挙げられる。この追加の機能を手に入れるために、ユーザは新しいバージョンのMIDlet全体をそのままダウンロードすればよい。」

B.段落【0062】「 本発明の実施形態に係る、アプリケーションに機能を追加し拡張するためのシステムおよびその方法の実施例を以下に説明する。なお、本発明に係る実施形態は、付属図面(図1?図9)を伴った以下の記述と請求項とによってより明らかにされるであろう。また、これらの図面は単に実施形態の一例を示しているだけであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり付属図面は、本発明の実施形態の一例をさらに具体的かつ詳細に説明するものである。」
段落【0063】「現行のMIDletに機能を追加し、拡張するためのシステムおよび方法について説明する。本実施の形態に係る方法は、ダウンロードのための1つ以上のMIDletスイートとMIDlet記述子を提供するサーバシステムとによって実現される。そして、MIDletに機能を追加し、拡張するための、1つ以上のファイルが提供される。また、パッケージ化構成部は、MIDlet機能拡張部を形成するために1つ以上のファイルをパッケージする。さらにまた、パッケージ化構成部は、MIDlet機能拡張部用の記述子も形成する。」

C.段落【0082】「図2では、本実施の形態に係る、MIDlet機能拡張部108用の記述子212を示している。この記述子212は、すでにMIDPの仕様によって規定されている様々な標準的なプロパティ213を含んでいる。更に、この記述子212には、1以上の拡張プロパティ214があり、この拡張プロパティ214には名前プロパティ214a、ベンダプロパティ214b、バージョンプロパティ214cなどがある。」
段落【0083】「ネームプロパティ214aには、機能拡張されたMIDletの名前を識別する名前情報216aを含んでいる。なお、いくつかの実施例では、この名前情報216aを、「MIDlet-Extends-Name」と設定するものとする。」
段落【0084】「また、ベンダプロパティ214bには、機能拡張されたMIDletのベンダを識別する、ベンダ情報216bを含んでいる。なお、いくつかの実施例では、このベンダ情報216bを、「MIDlet-Extends-Vendor」と設定するものとする。」
段落【0085】「また、バージョンプロパティ214cには、機能拡張されたMIDletのバージョンを識別する、バージョン情報216cを含んでいる。なお、いくつかの実施例では、バージョン情報216cを「MIDlet-Extends-Version」と設定する。」
段落【0086】「また、上記記述子212には他の拡張プロパティ214dも含まれる。なお、これらの他の拡張プロパティ214dは、オリジナルのMIDletが機能拡張を認識し、クラスファイルに対するエントリーポイントを得るために、オリジナルのMIDletによって定義される。そして、この拡張プロパティ214dにより、拡張対象を発見し、インスタンス化することができる。」

D.段落【0089】「図3に示すシステム300では、MIDPサーバシステム302と電気的に通信している、移動通信機器(MID)320を備える構成である。そして、このMID320は、アプリケーションマネージャ322を備えている。いくつかの実施例では、このアプリケーションマネージャ322は、Javaアプリケーションマネージャ(Java Application Manager:JAM)であってもよい。なお、MIDPの仕様では、アプリケーションマネージャ322を、アプリケーションマネージャソフトウェア(Application Management Software;AMS)と称する場合がある。」
段落【0090】「上記アプリケーションマネージャ322は、MIDletのダウンロードおよび寿命(ライフサイクル)を管理するように構成されている。本実施の形態において、MIDlet342に対する機能拡張部308が、MIDPサーバ302からのダウンロード用に利用可能となると、上記アプリケーションマネージャ322は、MIDlet機能拡張部308のダウンロードと寿命とを管理する。」
段落【0091】「さらに具体的にいうと、ある時点で、アプリケーションマネージャ322は、MID320に対して、MIDlet機能拡張部308用の記述子312を転送する旨の要求324をMIDPサーバシステム302に送信する。なお、この要求324は、複数の記述子をMID320に転送する旨の一般的な要求として含まれるものである。例えば、いくつかの実施例では、アプリケーションマネージャ322は、MIDPサーバシステム302に対して、MID320で利用可能となる、いくつかの新しい記述子を転送するように定期的に要求している。」
段落【0092】「この要求324に応じて、MIDPサーバシステム302が備える、リクエストハンドラ334は、記述子312をMID320に転送する。そして、MID320では、アプリケーションマネージャ322が、リクエストハンドラ334から記述子312を受信すると、該記述子312からの情報328をMID320のユーザに対して、ユーザインタフェース326を通じて提供する。このようにして、本実施の形態に係るMID320は、MIDlet機能拡張部308がダウンロード可能であることを、ユーザに通知するという効果を奏する。」
段落【0093】「ここで例えば、ゲーム(MIDlet342)をMID320にインストールすると仮定する。そして少なくとも1つの新しいレベルのゲーム(MIDlet機能拡張部308)が利用可能となったものと仮定する。新しいレベルのゲームがダウンロード可能となったある時点で、アプリケーションマネージャ322は、MIDPサーバシステム302から新しいレベルのゲームに関する記述子をダウンロードする。そして、アプリケーションマネージャ322は、記述子からの情報(例えばゲームの新しいレベルについての短い記述)をMID320のユーザに対して表示する。このようにして、新しいレベルのゲームがダウンロード可能になったことをユーザに知らせることができる。」
段落【0094】「ここで、ユーザが、記述子312に対応するMIDlet機能拡張部(新しいレベルのゲーム)308をダウンロードする場合、ユーザは、このMIDlet機能拡張部308をダウンロードするために、要求330を、ユーザインタフェース326を通じてアプリケーションマネージャ322に送出する。そして、アプリケーションマネージャ322は、このユーザの要求330を受信する。」
段落【0095】「このユーザの要求330に応じて、アプリケーションマネージャ322は、MIDlet機能拡張部308をMID320に転送する旨の要求332を、MIDPサーバシステム302に対して送信する。MIDPサーバシステム302では、アプリケーションマネージャ322からの要求332を受信すると、リクエストハンドラ334が、この要求332を満たし、MIDlet機能拡張部308をMID320に転送する。
段落【0096】「ある場合では、図3で示すシステム300は、公知のJ2MEのシステムと比較していくつか有利な点を有している。上述したとおり、公知のJ2MEシステムでは、開発者は以前のバージョンのMIDletに対して、追加機能を含む新しいバージョンのMIDletを作ることができる。しかしながら、このJ2MEシステムでは、他のMIDletファイルから、新しい機能を実行するMIDletファイルを分離する仕組みがない。それ故、MIDにて実行する新しい機能を有するためには、すでにダウンロードされ、MIDにおいてインストールしているいくつかのファイルを含むような場合であっても、新しいバージョンのMIDletを全てダウンロードしなければならない。この方法では、いくつかのMIDletファイルを複数回ダウンロードしてインストールすることになるので非効率的となる。」
段落【0097】「これに対して、図3に示したシステム300では、MID320のユーザは、オリジナルのMIDlet342をダウンロードすることなく、MIDlet機能拡張部308だけをダウンロードすればよい。言い換えれば、MIDPサーバシステム302からMIDlet機能拡張部308を、MID320に転送する場合、オリジナルのMIDlet342をMID320に再転送する必要がない。つまり、オリジナルのMIDlet342がすでにMID320にダウンロードされており、インストールされているので、MIDPサーバシステム302とMID320との両者のリソースをより効率的に使うこのような方法を提供できる。」
段落【0098】「MIDPサーバシステム302からMID320がMIDlet機能拡張部308を受信した場合、上記アプリケーションマネージャ322は、インストーラ336を呼び出す。そして、このインストーラ336は、アプリケーションマネージャ322からの指示に応じて、MIDlet機能拡張部308をMID320にインストールする。このようにMIDlet機能拡張部308がMID320にインストールされると、アプリケーションマネージャ322は、オリジナルのMIDlet342に関連付けられた拡張プロパティ340をアップデートする。この拡張プロパティ340とは、システムレベルのプロパティであり、例えば、MID320により保持されているものである。すなわち、システム500に関連するプロパティである。そして、この拡張プロパティ340は、MIDlet342に関する機能拡張部がMID320にいくつインストールされているかを示している。ある実施例では例えば、システムレベルの拡張プロパティ340の値がN(Nはゼロ以上の任意の整数)である場合、MID320には、MIDlet342に対するN個の機能拡張部がインストールされることとなる。」

E.段落【0102】「ここで、図示した実施形態では、アプリケーションマネージャ422は、MID420にインストールされたMIDlet442に対する一つの機能拡張部408があると決定する。そして、このアプリケーションマネージャ422は、機能拡張部408を発見する。言い換えれば、アプリケーションマネージャ422は、MID420にインストールされている他のMIDlet、および/またはMIDlet機能拡張部の中からMIDlet機能拡張部408を認識する。なお、アプリケーションマネージャ422は、MIDlet442に関連付けられた記述子412における、拡張プロパティ414に問い合わせることで、MIDlet機能拡張部408を発見することができる。」
段落【0103】「このようにMIDlet機能拡張部408を発見すると、アプリケーションマネージャ422は、このMIDlet機能拡張部408を呼び出す。より具体的には、アプリケーションマネージャ422は、JVM444にMIDlet機能拡張部408をロードする。なお、MIDlet442とMIDlet機能拡張部408とは、互いのクラス、コンテンツファイルにアクセスできるように、MIDlet442とMIDlet機能拡張部408とがリンクされている。」
段落【0104】「上記した議論では、MID420のユーザがMIDlet442を呼び出すことに応じて、アプリケーションマネージャ422を含む、様々な構成部材の操作に焦点をおいて説明した。上記で述べたように、アプリケーションマネージャ422は、MIDlet442のユーザによる呼び出しに応じて、MIDlet442に対する機能拡張部408を、自動的に呼び出すように構成されていた。いくつかの実施例では、MID420のユーザは、MIDlet442ではなく、MIDlet機能拡張部408を呼び出す構成であってもよい。このような構成の場合、ユーザからのMIDlet機能拡張部408の呼び出しに応じて、アプリケーションマネージャ422は、自動的にオリジナルのMIDlet442を呼び出すように構成される。」

F.段落【0105】「またある時点で、MIDのユーザは、MIDから、MIDlet機能拡張部をアンインストールする事を決定することができる。いくつかの実施例では、オリジナルのMIDletをアンインストールしないで、MIDlet機能拡張部をMIDからアンインストールすることができる。なお、図5は、この機能を実現するために用いられる様々な構成部材について示している。」
段落【0106】「より具体的には、図5に示したシステム500では、MIDlet542およびMID520にインストールされているMIDlet542用のMIDlet機能拡張部508を有している。MIDlet機能拡張部508のアンインストールを所望する場合、ユーザは、ユーザインタフェース526を通じて、MIDlet機能拡張部508をアンインストールする旨の要求548をアプリケーションマネージャ522に送出する。この要求548に応じて、アプリケーションマネージャ522は、アンインストーラ550を呼び出す。このアンインストーラ550は、アプリケーションマネージャ522からの指示に応じて、MIDlet機能拡張部508をアンインストールする。このアンインストーラによる機能拡張部508のアンインストールは下記のようにして実現できる。すなわち、ユーザからの指示に応じて、アップリケーションマネージャ522は、機能拡張部に関連する拡張プロパティを読み出す。そして、該拡張プロパティから、インストールされているMIDlet機能拡張部に関する情報を抽出し、ユーザインタフェース526を通じてユーザに示す。ユーザはこの示された情報に応じて、MIDlet機能拡張部508をアンインストールするか否かを判断する。ここで、ユーザがアンインストールすると判断した場合、その旨を示す指示がユーザインタフェース526を通じてアプリケーションマネージャ522に送出される。アプリケーションマネージャ522は、ユーザから受信したこの指示に応じて、ユーザに示した上記拡張プロパティに対応するMIDlet機能拡張部508をアンインストールする。この方法の優れている点は、オリジナルのMIDlet542をアンインストールすることなく、MIDlet機能拡張部508をアンインストールする点である。」
段落【0107】「 例えば、MIDlet542がゲームであり、機能拡張部508がこのゲームに対して少なくとも一つのレベルを追加するものであるとする。ここで、追加したレベルがもはや不要となった場合、ユーザはゲームそのものをアンインストールすることなく、この追加のレベルをアンインストールできる。」
段落【0108】「 MIDlet機能拡張部508がアンインストールされると、アプリケーションマネージャ522は、MIDlet542用のMIDlet機能拡張部508がMID520にいくつインストールされているかを示す、システムレベルの拡張プロパティ540をアップデートする。例えば、MIDlet機能拡張部508のアンインストール前において、拡張プロパティ540の値が1であるとする。この場合、MID520には、MIDlet542に対するMIDlet機能拡張部508が1つインストールされていることになる。ここで、MIDlet機能拡張部508のアンインストール後において、アプリケーションマネージャ522が、上記値が「0」となるようにプロパティ540をアップデートしたとする。この場合、MID520にインストールされている、MIDlet542に対するMIDlet機能拡張部508が無いということを示す。」

(2-2)引用発明の認定

ここで、引用文献1に記載されている事項を検討する。

ア.前記A.において、段落【0005】には「Java2プラットホーム対応、マイクロ・エディション(J2ME)は、プログラマーが上記Javaプログラミング言語を用いて、携帯電話、携帯情報端末(PDA;Personal Digital Assistance)、ページャなど、組み込み機器用のアプリケーションを開発することを可能にする技術である。」、段落【0006】には「また、モバイル情報デバイスプロファイル(MIDP;Mobile Information Device Profile)は、アーキテクチャ、および、MID用のアプリケーション開発環境を容易に実現させるための、関連するアプリケーションプログラミングインターフェース(API;Application Program Interface)を定義するものである。そして、このMIDP用に作成されたアプリケーションを、MIDletと称する。」と記載されていることから、引用文献1には「MIDlet」は「MID(移動通信装置)プロファイル用に作成されたアプリケーション(Javaソフトウェア)である」旨が記載されている。
また、前記B.において、段落【0062】には「本発明の実施形態に係る、アプリケーションに機能を追加し拡張するためのシステムおよびその方法の実施例を以下に説明する。」、段落【0063】には「現行のMIDletに機能を追加し、拡張するためのシステムおよび方法について説明する。」と記載されていることから、引用文献1には「MIDlet(Javaソフトウェア)を携帯通信端末に追加し、拡張するためのシステム及び方法」が記載されている。
即ち、引用文献1には「MIDlet(Javaソフトウエア)を携帯通信機器に統合するための方法」が記載されていると認められる。

イ.前記D.において、段落【0094】には「ユーザが、記述子312に対応するMIDlet機能拡張部(新しいレベルのゲーム)308をダウンロードする場合、(中略)アプリケーションマネージャ322は、このユーザの要求330を受信する。」、段落【0097】には「オリジナルのMIDlet342をダウンロードすることなく、MIDlet機能拡張部308だけをダウンロードすればよい。」と記載されていることから、引用文献1には「記述子に対応するMIDlet機能拡張をダウンロードする場合、オリジナルのMIDletをダウンロードすることなく、MIDlet機能拡張部だけをダウンロードすれば良い」旨が記載されている。ここで、ダウンロードされる「MIDlet機能拡張部」は、「記述子に対応するJavaソフトウェア」と言える。
また、段落【0098】には「MIDPサーバシステム302からMID320がMIDlet機能拡張部308を受信した場合、上記アプリケーションマネージャ322は、インストーラ336を呼び出す。そして、このインストーラ336は、アプリケーションマネージャ322からの指示に応じて、MIDlet機能拡張部308をMID320にインストールする。このようにMIDlet機能拡張部308がMID320にインストールされると、アプリケーションマネージャ322は、オリジナルのMIDlet342に関連付けられた拡張プロパティ340をアップデートする。」と記載されていることから、引用文献1には「MIDlet機能拡張部がインストールされると、オリジナルMIDletに関連付けられている拡張プロパティをアップデートする」旨が記載されている。ここで、「オリジナルMIDletに関連付けられた拡張プロパティーをアップデート」するために、何らかの「分析」が必要なのは明らかであるので、「記述子に対応するJavaソフトウェアをインストール」されると、「オリジナルのMIDletに関連付けられた拡張プロパティをアップデートするために分析」していると言える。また、「拡張プロパティ」は「記述子の一部」でもあるので、「オリジナルのMIDletに関連付けられた拡張プロパティをアップデート」することは、「拡張プロパティに対応する記述子を獲得する」ことにもなる。
即ち、引用文献1には「拡張プロパティに対応する記述子を獲得するために、記述子に対応するJavaソフトウエアをインストールし、分析」する旨が記載されていると認められる。

ウ.前記E.において、段落【0102】には「アプリケーションマネージャ422は、MIDlet442に関連付けられた記述子412における、拡張プロパティ414に問い合わせることで、MIDlet機能拡張部408を発見することができる。」と記載されていることから、引用文献1には「MIDletに関連付けられた記述子における拡張プロパティに従って、MIDlet機能拡張部を発見する。」旨が記載されている。
また、段落【0103】には「このようにMIDlet機能拡張部408を発見すると、アプリケーションマネージャ422は、このMIDlet機能拡張部408を呼び出す。より具体的には、アプリケーションマネージャ422は、JVM444にMIDlet機能拡張部408をロードする。なお、MIDlet442とMIDlet機能拡張部408とは、互いのクラス、コンテンツファイルにアクセスできるように、MIDlet442とMIDlet機能拡張部408とがリンクされている。」と記載されていることから、引用文献1には「MIDlet機能拡張部を発見すると、MIDlet機能拡張部をロードし、MIDlet442とMIDlet機能拡張部408とは、互いのクラス、コンテンツファイルにアクセスできるように,MIDletとMIDlet機能拡張部408がリンクさせる。」旨が記載されている。
ここで、「MIDlet442」は、「移動通信機器内の既存のMIDlet」であることは明らかであり、「MIDlet機能拡張部」は、「機能拡張部からロードしたJavaソフトウェア」なので、「MIDlet442とMIDlet機能拡張部408とが、互いのクラス、コンテンツファイルにアクセスできるように、MIDlet442とMIDlet機能拡張部408がリンク」させることは、「移動通信機器内の既存のMIDletと記述子に対応するJavaソフトウェアとを連携又は起動できるように追加すること」と解せる。
即ち、引用文献1には「MIDletに関連付けられた記述子における拡張プロパティに従って、記述子に対応したJavaソフトウェアをロードし、移動通信機器内の既存のMIDletと記述子に対応するJavaソフトウェアと連携又は起動できるように追加」する旨が記載されていると認められる。

エ.前記C.において、段落【0082】には「図2では、本実施の形態に係る、MIDlet機能拡張部108用の記述子212を示している。この記述子212は、すでにMIDPの仕様によって規定されている様々な標準的なプロパティ213を含んでいる。更に、この記述子212には、1以上の拡張プロパティ214があり、この拡張プロパティ214には名前プロパティ214a、ベンダプロパティ214b、バージョンプロパティ214cなどがある。」と記載されていることから、引用文献1には「MIDlet機能拡張用の記述子が、名前プロパティ、ベンダプロパティ、バージョンプロパティがある。」旨が記載されている。
段落【0086】には「また、上記記述子212には他の拡張プロパティ214dも含まれる。なお、これらの他の拡張プロパティ214dは、オリジナルのMIDletが機能拡張を認識し、クラスファイルに対するエントリーポイントを得るために、オリジナルのMIDletによって定義される。そして、この拡張プロパティ214dにより、拡張対象を発見し、インスタンス化することができる。」と記載されていることから、引用文献1には「記述子には、機能拡張を認識し、クラスファイルに対するエントリポイントを得るために定義されており、拡張プロパティにより、拡張対象を発見し、インスタンス化できる。」旨が記載されている。
ここで、MIDlet機能拡張用の記述子には、拡張対象を発見しインスタンス化できる情報も含まれていると解せる。即ち、引用文献1には、「MIDlet機能拡張用の記述子が、名前プロパティ、ベンダプロパティ、バージョンプロパティ、拡張対象を発見しインスタンス化できる情報を含む」旨が記載されていると認めれる。

オ.前記F.において、段落【0106】には「ユーザからの指示に応じて、アップリケーションマネージャ522は、機能拡張部に関連する拡張プロパティを読み出す。そして、該拡張プロパティから、インストールされているMIDlet機能拡張部に関する情報を抽出し、ユーザインタフェース526を通じてユーザに示す。ユーザはこの示された情報に応じて、MIDlet機能拡張部508をアンインストールするか否かを判断する。ここで、ユーザがアンインストールすると判断した場合、その旨を示す指示がユーザインタフェース526を通じてアプリケーションマネージャ522に送出される。アプリケーションマネージャ522は、ユーザから受信したこの指示に応じて、ユーザに示した上記拡張プロパティに対応するMIDlet機能拡張部508をアンインストールする。この方法の優れている点は、オリジナルのMIDlet542をアンインストールすることなく、MIDlet機能拡張部508をアンインストールする点である。」と記載されていることから、引用文献1には「ユーザからの指示に応じて、MIDlet機能拡張部をアンインストールする場合、拡張プロパティに対応するMIDlet機能拡張部をアンインストールされる」旨が記載されている。
段落【0108】には「MIDlet機能拡張部508がアンインストールされると、アプリケーションマネージャ522は、MIDlet542用のMIDlet機能拡張部508がMID520にいくつインストールされているかを示す、システムレベルの拡張プロパティ540をアップデートする。」と記載されていることから、引用文献1には「MIDlet機能拡張部がアンインストールされると、拡張プロパティをアップデートする」旨が記載されている。
ここで、拡張プロパティに対応するMIDlet機能拡張部のアンインストールは、拡張プロパティのアップロードまでが自動的に実施されていると解せるので、引用文献1には「MIDlet機能拡張部は、ユーザからの指示に応じて、MIDlet機能拡張部をアンインストールする場合、拡張プロパティに対応するMIDlet機能拡張部が自動的にアンインストールされるものである。」旨が記載されていると認められる。

カ.前記ア.乃至前記オ.で検討した事項を踏まえると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「MIDLet(Javaソフトウェア)を携帯通信機器に統合するための方法であって、
拡張プロパティに対応する記述子を獲得するために、記述子に対応するJavaソフトウエアをインストールし、分析し
MIDletに関連付けられた記述子における拡張プロパティに従って、記述子に対応したJavaソフトウェアをロードし、移動通信機器内の既存のMIDletと記述子に対応するJavaソフトウェアと連携又は起動できるように追加し、
MIDlet機能拡張用の記述子が、名前プロパティ、ベンダプロパティ、バージョンプロパティ、拡張対象を発見しインスタンス化できる情報を含み、
MIDlet機能拡張部は、ユーザからの指示に応じて、MIDlet機能拡張部をアンインストールする場合、拡張プロパティに対応するMIDlet機能拡張部が自動的にアンインストールされるものである
ことを特徴とする方法」

(3)周知慣用技術の認定

ここで、引用文献に記載されている事項について検討する。

(3-1)引用文献2
原審の拒絶の査定の理由である上記平成25年11月6日付けの拒絶理由通知において引用され、本願の優先日前に既に頒布または電気通信回線を通して公衆に利用可能となった刊行物「Erich Gamma,他1名著,小林健一郎訳,「Eclipseプラグイン開発」,ソフトバンクパブリッシング株式会社,2004年12月24日初版発行(以下、「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。

G.(23頁)
「図1.3はEclipseの3つの階層を表している。
○プラットフォーム(Platform)
Eclipseのプラットフォームは、言語に依存しない共通のプログラミング環境を与える。
○Java開発ツール(Java Development Tools/JDT)
JDTは、Eclipseに完全なJavaIDE(統合開発環境)を付け加える。
○プラグイン開発環境(Plug-in Development Environment/PDE)
PDEはプラグイン開発のためのサポートをJDTに付け加える。」
(33頁)
「(前略)すべてのツールがコントリビューション(プラグイン)である。これらのツールは、Eclipseに組み込まれているのではない。Eclipseは、「何も付け加えることができない」というようなものではないのだ。図3.1にあるように、Eclipseは小さな核(ランタイムカーネル)を持ち、そこにたくさんのコントリビューションを付け加える構造になっている。(後略)」
(34頁)
「(前略)コントリビューション(プラグイン)には、大きいものもある。つまり、Javaのクラス・ファイル(あるいはそれがJavaアーカイブJARにまとめられたもの)はロードするのに、ときに数秒もかかってしまうのだ。(後略)」

H.(38頁)
「(前略)マニフェスト・ファイルとよばれるplugin.xmlはプラグインの見え方と構造を記述するファイル(中略)である。また、JARをビルドするときにソースがどこにあるかをPDE(プラグイン開発環境)に知らせるbuild.propertiesと、ソースを入れるsrcフォルダーもある。(後略)」

I.(40頁)
「このプラグインにボタンを付けるには、次のようにplugin.xmlに書き込む。・・(中略)・・すべてのボタンにはアクション(Action)というものが対応付けられる。ボタンが押されたときにアクションのオブジェクトが生成され呼び出されるのだ。そして一般に、ボタンはツールバーの中で関連するもの同士にグループ分けされる。(後略)」
(42頁)
「(前略)図3.13のように、ランタイム・ワークベンチを再起動すると[Hello]という表示のボタンが現れる。(後略)」(「図3.13 現れたボタン)を参照)

(3-2)引用文献3
原審の拒絶の査定の理由である上記平成25年11月6日付けの拒絶理由通知において引用され、本願の優先日前に既に頒布または電気通信回線を通して公衆に利用可能となった刊行物「鎌滝雅久,他5名著,「オープンガイドブック OpenOffice.org 3」,株式会社翔泳社,2009年3月19日初版第1版発行(以下、「引用文献3」という)には、次の事項が記載されている。

J.(18頁)
「(前略)「JRE付き」を選ぶことによって、OpenOffice.orgのインストール時にJavaもインストールされ、OpenOffice.orgのすべての機能を利用できるようになります。(後略)」

K.(438頁)
「(前略)メニューに新しい項目を追加するにはaddons.xcuというXMLファイルを作成し、拡張機能に収録されたマクロの情報、メニューに表示する項目名などを記述します。(後略)」

L.(439頁)
「(前略)Addons.xcuでメニューを設定する方法を簡単に説明します。8行目からのAddonMenuノードの下に拡張機能用の子ノードを置き、メニューの項目名を「Title」で、マクロの格納先を「URL」で、コマンドを実行するフレーム(ウインドウ)を「Target」で、メニューを表示するアプリケーション名を「Context」で、メニューに表示する画像の保存先を「ImageIdentifier」で指定します。(後略)」

M.(441頁)
「(前略)Windowsでは、エクスプローラでCSVtoCalc.oxtファイルをダブルクリックすれば、自動的に「拡張機能マネージャ」が起動しインストールできます。OpenOFFICE.orgを起動し、[ツール]メニューに新しく[アドオン]という項目が加わり、その中に[CSVファイルの読み込み]というメニューが加わっているはずです。(後略)」

(3-3)引用文献4
原審の拒絶の査定の理由である上記平成25年11月6日付けの拒絶理由通知において引用され、本願の優先日前に既に頒布または電気通信回線を通して公衆に利用可能となった刊行物「小野誠,“OpenOffice.orgで実現! 次世代オフィススィート活用法 (6)アドオンパッケージ作成講座”,SoftwareDesign(2006/5),(株)技術評論社,2006年5月18日発行(以下、「引用文献4」という。)には、次の事項が記載されている。

N.(165頁)
「(前略)本章では、さらに進んでアドオンプログラム開発の一手法を説明します。(中略)開発言語はJavaで(後略)」
(169頁)
「(前略)メニュー項目を付ける。(中略)UIを追加するにはAddons.xcuというXMLファイルを記述します。(中略)★3(前略)このメニューが追加されるのがCalcであることが指定されています。Writerなどにメニューを追加した場合は表1を参照して下さい。(後略)」

(3-4)引用文献5
原審の拒絶の査定の理由である上記平成25年11月6日付けの拒絶理由通知において引用され、本願の優先日前に既に頒布または電気通信回線を通して公衆に利用可能となった刊行物「松本美保,“ODFレポート 《PDF編集が可能に!》「OpenOffice3.0」用プラグイン”,I/O(2008/11),株式会社工学社,2008年11月1日発行(以下「引用文献5」という。)には、次の事項が記載されている。

O.(120頁)
「「Sun PDF Import Extensions」を使うには、まず、「OpenOffice3.0」をインストールしておく必要があります。その後、[ツール]メニューの[拡張機能マネージャ-]からインストールします。ダウンロードした「pdfimport.oxt」ファイルをダブル・クリックしても[拡張機能マネージャ-]が自動起動します。」

(3-5)周知慣用技術の認定

キ.前記G.のとおり、引用文献2には「Eclipseの3つの階層を表している。○プラットフォーム(Platform)Eclipseのプラットフォームは、言語に依存しない共通のプログラミング環境を与える。○Java開発ツール(Java Development Tools/JDT) JDTは、Eclipseに完全なJavaIDE(統合開発環境)を付け加える。○プラグイン開発環境(Plug-in Development Environment/PDE) PDEはプラグイン開発のためのサポートをJDTに付け加える。すべてのツールがコントリビューション(プラグイン)である。Eclipseは小さな核(ランタイムカーネル)を持ち、そこにたくさんのコントリビューションを付け加える構造になっている。コントリビューション(プラグイン)には、大きいものもある。つまり、Javaのクラス・ファイル(あるいはそれがJavaアーカイブJARにまとめられたもの)はロードするのに、ときに数秒もかかってしまうのだ。」と記載されていることから、引用文献2には「Javaソフトウェアにおいては、コントリビューション(プラグイン)を付け加える構造となっている。JARにまとめたものをロードする。」旨が記載されている。
前記I.のとおり、引用文献2には「このプラグインにボタンを付けるには、次のようにplugin.xmlに書き込む。・・(中略)・・すべてのボタンにはアクション(Action)というものが対応付けられる。ボタンが押されたときにアクションのオブジェクトが生成され呼び出されるのだ。そして一般に、ボタンはツールバーの中で関連するもの同士にグループ分けされる。」と記載されていることから、引用文献2には「plugin.xmlに、ツールバー(既存のアプリケーションのメニュー)にアクションと対応付けられるボタンを追加する記述ができる。」旨が記載されている。
引用文献2の「Plugin.xml」は、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子」と言え、引用文献2の「アクションと対応付けられるボタン」は、「Javaソフトウェアを起動するためのオプション」と言えるので、 引用文献2から、Javaソフトウェアにおいて、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子)に従って、「既存のアプリケーションのメニューにJavaソフトウェアを起動するためのオプションを追加する」構成とすることは、当業者にとって周知技術であると言える。
また、前記L.のとおり、引用文献3には「メニューに新しい項目を追加するにはaddons.xcuというXMLファイルを作成し、拡張機能に収録されたマクロの情報、メニューに表示する項目名などを記述します。」と記載されていることから、引用文献3には「Addon.xcuに、既存アプリケ-ションのメニューに拡張機能の項目を追加する。」旨が記載されている。
引用文献3の「Addon.xcu」は「プラグイン(追加するオプション)に関する記述子」と言え、引用文献3の「メニューに拡張機能の項目を追加」することは、「メニューにJavaソフトウェアを起動するためのオプションを追加」することと言えるので、引用文献3から、Javaソフトウェアにおいて、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子」に従って、「既存のアプリケーションのメニューにJavaソフトウェアを起動するためのオプションを追加する構成とすること」は、当業者にとって周知技術であると言える。
即ち、Javaソフトウェアにとって、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子」に従って、既存のアプリケーションのメニューにJavaソフトウエアを起動するためのオプションを追加する構成とすることは、周知慣用技術である。

ク.前記H.のとおり、引用文献2には「マニフェスト・ファイルとよばれるplugin.xmlはプラグインの見え方と構造を記述するファイル(中略)である。また、JARをビルドするときにソースがどこにあるかをPDE(プラグイン開発環境)に知らせるbuild.propertiesと、ソースを入れるsrcフォルダーもある。」と記載されている。ここで、「plugin.xml」は、「追加するオプション(プラグイン)の記述子」と言え、「プラグインの見え方と構造」は「プラグインの形式」と言え、「ソースがどこにあるか」は「プラグインの記憶場所」とも言えることから、引用文献2には「追加するオプションに関する記述子(pluginlxml)」に「追加するオプション(プラグイン)の関連情報」として、「追加されるオプションの記憶場所、形式を含める」旨が記載されている。
前記L.のとおり、引用文献3には「Addons.xcuでメニューを設定する方法として、Addons.xcuにマクロの格納先、コマンドを実行するフレーム、メニューを表示するアプリケーション名、メニューに表示する画像の保存先など指定する」旨が記載されている。ここで、「メニューに表示するアプリケーション名」や「メニューに表示する画像の保存先」などは、「アプリケーションエントリのデータ」と言えるので、即ち、引用文献3には「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子(Addonx.xcu)」に「追加するオプションの関連情報」として、「オプションの記憶場所及びアプリケーションエントリのデータ」を含めることが記載されている。
即ち、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子」に「追加するオプションの関連情報」として、「オプションの記憶場所、形式及びアプリケーションエントリのデータを含む」めることは当業者が適宜なし得る周知慣用技術である。

ケ.前記K.のとおり、引用文献3には「メニューに新しい項目を追加するにはaddons.xcuというXMLファイルを作成し、拡張機能に収録されたマクロの情報、メニューに表示する項目名などを記述します。」、前記L.のとおり、引用文献3には「Addons.xcuでメニューを設定する方法を簡単に説明します。8行目からのAddonMenuノードの下に拡張機能用の子ノードを置き、メニューの項目名を「Title」で、マクロの格納先を「URL」で、コマンドを実行するフレーム(ウインドウ)を「Target」で、メニューを表示するアプリケーション名を「Context」で、メニューに表示する画像の保存先を「ImageIdentifier」で指定します。」と記載されていることから、引用文献3には「Addon.xcuというファイルを作成して、既存アプリケ-ションのメニューに拡張機能の項目を追加する。Addons.xcuでメニューを設定する方法として、拡張機能用の子ノードを置き、メニューを表示するアプリケーション名を「Context」で指定する」旨が記載されている。
引用文献3における「メニューを表示するアプリケーション名」は、拡張機能されるアプリケーション名であるため、既存のアプリケーション名も含まれことは明らかであるので、「Addons.xcu」が「オプションが追加される既存のアプリケーションを定義」すると言える。即ち、引用文献3から、Javaソフトウェアにおいて、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子(Addons.xcu」が「オプションが追加される既存のアプリケーションを定義」することは、当業者にとって周知慣用技術であると言える。
前記N.のとおり、引用文献4には「アドオンプログラム開発の一手法を説明します。メニュー項目を付ける。UIを追加するにはAddons.xcuというXMLファイルを記述します。★3(前略)このメニューが追加されるのがCalcであることが指定されています。Writerなどにメニューを追加した場合は表1を参照して下さい。」と記載されていることから、引用文献4には「Addons.xcuに記述することにより、既存のUIに追加することができる。Addons.xcuの中でメニューを追加する対象のアプリケーション(Calc、Writer)を指定する。」旨が記載されている。引用文献4における「メニューを追加する対象のアプリケーション(Calc、Writer)」は「オプションを追加する既存アプリケーション」と言えるので、引用文献4から、Javaソフトウェアにおいて、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子(Addons.xcu)」が「オプションが追加される既存のアプリケーションを定義」することは、当業者にとって周知慣用技術であると言える。
即ち、Javaソフトウェアにおいて、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子」が「オプションが追加される既存のアプリケーションを定義」することは、当業者にとって周知慣用技術である。

コ.前記M.のとおり、引用文献3には「Windowsでは、エクスプローラでCSVtoCalc.oxtファイルをダブルクリックすれば、自動的に「拡張機能マネージャ」が起動しインストールできます。OpenOFFICE.orgを起動し、[ツール]メニューに新しく[アドオン]という項目が加わり、その中に[CSVファイルの読み込み]というメニューが加わっているはずです。」と記載されている。ここで、「[ツール]メニューに新しく[アドオン]という項目」は、「ユーザインターフェースにJavaソフトウェアを起動するためのオプション」と言えるので、引用文献3には「ユーザインタフェースにJavaソフトウェアを起動するためのオプションを追加するときに、拡張機能マネージャを起動し、OpenOffice.orgを起動させることによって実施させる」旨が記載されている。
前記O.のとおり、引用文献5には「[ツール]メニューの[拡張機能マネージャー]からインストールします。ダウンロードした「pdfimport.oxt」ファイルをダブル・クリックしても、[拡張機能マネージャー]が自動起動します。OpenOfficeでは、ユーザインタフェースに対応する機能モジュール(pdfimport)によって、拡張機能マネージャを自動起動する。」と記載されていることから、引用文献5には「OpenOfficeにおいて、ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって、拡張機能マネージャを自動起動させる」ことが記載されている。
したがって、Javaソフトウェアにおいて、「ユーザインタフェースにJavaソフトウェアを起動するためのオプションを追加するときに、前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって実施させる」ことは、当業者にとって周知慣用技術である。


(4)対比

本件補正発明と引用発明を対比する。

(4-1)
サ.引用発明における「MIDlet」「移動通信機器」は、本件補正発明における「Javaソフトウェア」「携帯端末」にそれぞれ相当するので、引用発明の「MIDLet(Javaソフトウェア)を携帯通信機器(MID)に統合するための方法」は、本件補正発明の「Javaソフトウェアを携帯端末に統合するための方法」に相当する。

シ.引用発明における「MIDlet機能拡張部用の記述子」「拡張プロパティ(記述子の一部)」は、本件補正発明における「コンタクトデータ」「拡張属性」にそれぞれ相当するので、
引用発明の「拡張プロパティに対応する記述子を獲得するために、記述子に対応するJavaソフトウエアをインストールし、分析すること」は、本件補正発明の「拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定されたJavaソフトウェアをインストールして分析するステップ」に相当する。

ス.引用発明における「MIDletに関連付けられた記述子における拡張プロパティに従って、記述子に対応したJavaソフトウェアをロードし、移動通信機器内の既存のMIDletと記述子に対応するJavaソフトウェアと連携又は起動できるように追加」することは、本件補正発明における「コンタクトデータに従って、前記携帯端末の既存のアプリケーションにJavaソフトウェアのオプションを追加するステップ」に相当する。

セ.引用発明における「MIDlet機能拡張用の記述子が、名前プロパティ、ベンダプロパティ、バージョンプロパティ、拡張対象を発見しインスタンス化できる情報を含む」ことは、本件補正発明における「コンタクトデータが、前記Javaソフトウエアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Javaソフトウェアのアプリケ-ションエントリのデータ」に対応し、両者は上位概念として「コンタクトデータが、Javaソフトウェアに関して追加する前記オプションの関連情報を含む」ことである点で一致する。

ソ.引用発明は「MIDlet機能拡張部は、ユーザからの指示に応じて、MIDlet機能拡張部をアンインストールする場合、拡張プロパティに対応するMIDlet機能拡張部を自動的にアンインストールされる」のであるから、本件補正発明と同様に「前記オプションは、ユーザが前記Javaソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、自動的に削除する」ものであると言える。

タ.よって、本件補正発明は、下記の一致点で引用発明と一致し、下記の相違点で引用発明と相違する。

<一致点>

「Javaソフトウェアを携帯端末に統合するための方法であって、
拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定されたJavaソフトウェアをインストールして分析するステップと、
前記コンタクトデータに従って、前記携帯端末の既存のアプリケーションに前記Javaソフトウェアのオプションを追加するステップとを含み、
コンタクトデータが、Javaソフトウェアに関して追加する前記オプションの関連情報を含み、
前記オプションは、ユーザが前記Javaソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、自動的に削除する
ことを特徴とする方法」

<相違点1>
本件補正発明の「追加するステップ」においては、「ユーザインターフェースにおける既存のアプリケーションのメニューに前記Javaソフトウェアを起動するためのオプションを追加」しているのに対して、その点は引用発明に限定されていない。

<相違点2>
本件補正発明のコンタクトデータが、「追加するオプションの関連情報」として、「前記Javaソフトウエアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Javaソフトウェアのアプリケ-ションエントリのデータを含む」と明記しているのに対して、その点は引用発明に限定されていない。

<相違点3>
本件補正発明のコンタクトデータが、「前記オプションが追加される前記既存のアプリケーションを定義」するのに対して、その点は引用発明に限定されていない。

<相違点4>
本件補正発明においては「前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Javaソフトウエアを起動するためのオプションを追加する前記ステップが、前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって実施される」のに対して、その点は引用発明に限定されていない。

(5)当審の判断

(5-1)相違点1について
前記キ.で記述したとおり、Javaソフトウェアにとって、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子」従って、既存のアプリケーションのメニューにJavaソフトウエアを起動するためのオプションを追加する構成することは、引用文献2又は3に示すとおり適宜なし得る周知慣用技術である。
これを、引用発明の機能拡張したMIDletを起動させるための手段として、引用発明に「既存のアプリケーションのメニューにJavaソフトウエアを起動するためのオプションを追加する」ものとすることは、当業者が適宜なし得ることである。

(5-2)相違点2について
前記ク.で記述してとおり、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子」に「追加するオプションの関連情報」として、「オプションの記憶場所、形式及びアプリケーションエントリのデータを含む」めることは当業者が適宜なし得る周知慣用技術である。
これを、引用発明における「追加するオプションの関連情報」として「オプションの記憶場所、形式及びアプリケーションエントリのデータを含む」ようにすることは、当業者が容易に想到しうることである。

(5-3)相違点3について
前記ケ.で記述したとおり、Javaソフトウェアにおいて、「追加するオプション(プラグイン)に関する記述子」が「オプションが追加される既存のアプリケーションを定義」することは、当業者にとって適宜なし得る周知慣用技術である。
これを、引用発明における「MIDlet機能拡張用の記述子」に「オプションが追加される既存のアプリケーションを定義(記述)」させることは、当業者が容易になし得ることである。

(5-4)相違点4について
前記コ.で記述したとおり、Javaソフトウェアにおいて、「ユーザインタフェースにJavaソフトウェアを起動するためのオプションを追加するときに、前記ユーザインタフェースに対応する機能モジュールによって実施させる」ことは、当業者にとって適宜なし得る周知慣用技術である。
これを、引用発明の「既存のMIDletにMIDlet機能拡張部を追加するステップ」おいて「ユーザインターフェースに対応する機能モジュールによって実施」させることは、当業者が適宜なし得ることである。

したがって、本件補正発明の構成は当業者が引用発明及び引用文献2乃至引用文献5にみられる周知慣用技術から容易に想到しうるものである。

そして、本件補正発明の構成により奏する効果も、引用文献1に記載された事項、引用文献2乃至引用文献5にみられる周知慣用技術から当然予測される範囲内のもので、格別顕著なものとは認められない。

(6)小括
本件補正後における特許請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第7項の規定に違反する。また、本件補正が仮に限定的減縮が目的であったとしても、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反する。
即ち、本件補正は、特許法第17条の2第5項及び第6項に規定する要件を満たしていないので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3.本願発明について

1.本願発明

平成26年7月16日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、、本願の請求項に係る発明は、平成25年9月24日付けの手続補正書の請求の範囲の請求項1?請求項8に記載された事項により特定されるものである。そして、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、明細書及び図面の記載からみて、請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。(再掲する。)

「Java(登録商標)ソフトウェアを携帯端末に統合するための方法であって、
拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定されたJava(登録商標)ソフトウェアをインストールして分析するステップと、
前記コンタクトデータに従って、前記携帯端末のユーザインタフェースにおける既存のアプリケーションのメニューに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加するステップとを含み、
前記コンタクトデータが、前記Java(登録商標)ソフトウェアに関して追加された前記オプションの記憶場所と形式、及び前記Java(登録商標)ソフトウェアのアプリケーションエントリのデータを含み、
前記オプションは、ユーザが前記Java(登録商標)ソフトウェアを前記携帯端末から削除する場合、前記メニューから自動的に削除される
ことを特徴とする方法。」

2.先行技術文献の記載事項

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1乃至引用文献5並びに各文献の記載事項は,上記「第2.平成26年7月16日付けの手続補正についての補正却下の決定」の[理由]「4.独立特許要件」(2)に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願発明は,上記「第2.平成26年7月16日付けの手続補正についての補正却下の決定」の[理由]「4.独立特許要件」(1)に記載した本件補正発明から,「前記オプションが追加される前記既存アプリケーションを定義し」及び「前記携帯端末のユーザインタフェースに前記Java(登録商標)ソフトウェアを起動するためのオプションを追加する前記ステップが、前記ユーザインターフェースに対応する機能モジュールによって実施される」との限定事項を削除したものである。

そうすると,本願発明の発明特定事項をすべて含み,さらに他の事項を附加したものに相当する本件補正発明が,上記「第2.平成26年7月16日付けの手続補正についての補正却下の決定」の[理由]「3.独立特許要件」(3)乃至(5)に記載したとおり、引用発明、引用文献2乃至引用文献5にみられる周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、引用文献2乃至引用文献5にみられる周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。
したがって、本願発明は特許法第29条第2項の規定する要件を満たしていないので、特許を受けることができない。

4.平成26年11月27日付けの上申書について
請求人は、平成26年11月27日付けの上申書において、「平成26年9月17日付けの前置報告書を参照し、添付の補正案のように補正する機会をいただきたく、お願い申し上げます。」と主張している。
当該上申書において提示された補正案(以下、「上申補正案」という。)を検討する。

(1)新規事項について
上申補正案においては、「前記コンタクトデータが(中略)既存アプリケーションを定義し、」の段落の直後に「前記Java(登録商標)ソフトウェアのインストール情報が前記既存のアプリケーションに対応する機能モジュールに送信され」との記載を追記している。明細書の段落【0055】等からは、「ソフトウェアのインストール情報が、電話帳に対応する機能モジュールに送信される」のは、分析モジュールが分析した後で「送信する」と解せるが、上申補正案のように「コンタクトデータ」が「送信する」と解することができない。そうすると、上申補正案は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされていないものであるので、特許法第17条の2第3項に適合していない。

(2)目的要件について
上申補正案において、「Java(登録商標)ソフトウェアを携帯端末に統合するための方法」を「Java(登録商標)を携帯端末に統合するための装置の作動方法」と補正し、「拡張属性に対応するコンタクトデータを獲得するために、前記拡張属性によって設定されたJava(登録商標)ソフトウェアをインストールして分析する前記ステップが、前記装置の分析モジュールによって実施され」という事項を追記している。これは、「前記装置の分析モジュール」という新たな構成要素を追加するものであり、「分析するステップ」を限定的に減縮しているものでない。また、特許法第17条の2第5項に規定する請求項の削除、誤記の訂正、或いは、明瞭でない記載の釈明の何れも目的としたものでないので、上申補正案は、特許法第17条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするものに限られるものではない。

(3)進歩性について
上申補正案は「Javaソフトウェアのインストール情報が既存のアプリケーションの対応する機能モジュールに送信され」ることを限定するものであるが、前記キ.で記述したとおり、引用文献2及び3には、既存のアプリケーション(のメニュー)にJavaソフトウェアを起動するためのオプション追加することが引用文献2及び3に記載されており、Javaソフトウェアのイントール情報(Javaソフトウェアを起動させるために情報)を既存アプリケーションに認識させていると言える。即ち、「Javaソフトウェアのインストール情報」を「既存アプリケーションに対応する機能モジュール」に認識(送信)されることは周知技術である。よって、引用発明の「記述子に対応したJavaソフトウェアをロードし、移動通信機器内の既存のMIDletと記述子に対応するJavaソフトウェアと連携又は起動できるように追加」するときに、「Javaソフトウェアのインストール情報」が「既存アプリケーションの対応する機能モジュール」に認識(送信)されるようにすることは、当業者が容易に想到しうることである。
また、分析するステップを「分析モジュール」と称するプログラム(モジュール)によって実施させることも、当業者が適宜なし得ることである。即ち、上申補正案に記載されている事項により特定される発明は、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができない。

上記(1)乃至(3)に示すとおり、上申補正案は、特許法第17条の2第3項及び第5項に適合しておらず、仮に当該補正案どおり補正がなされたとしても、これは、同法同条第6項にも適合していないので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものとなる。よって、さらなる補正の機会を設ける事に益はない。

5.むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-06-08 
結審通知日 2015-06-09 
審決日 2015-06-26 
出願番号 特願2012-530117(P2012-530117)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前田 浩多賀 実  
特許庁審判長 山崎 達也
特許庁審判官 木村 貴俊
高木 進
発明の名称 Java(登録商標)ソフトウェアを携帯端末に統合するための方法及び装置、そして携帯端末  
代理人 木内 敬二  
代理人 佐伯 義文  
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