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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1309552
審判番号 不服2014-25463  
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-12-12 
確定日 2016-01-04 
事件の表示 特願2012-122217「太陽電池セル」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 8月23日出願公開、特開2012-160768〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続きの経緯
本願は、平成22年11月29日に出願した特願2010-265592号(以下「原出願」という。)の一部を平成24年5月29日に新たな特許出願としたものであって、平成26年6月19日付けで拒絶理由が通知され、同年8月5日付けで意見書が提出されるとともに同日付けで手続補正がなされたが、同年9月29日付けで拒絶査定がなされた。本件は、これに対して同年12月12日に審判請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。


第2 平成26年12月12日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成26年12月12日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 平成26年12月12日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)により、本件補正前の平成26年8月5日付け手続補正の特許請求の範囲の請求項1である
「【請求項1】
4つの角部が面取り状である矩形状の光電変換部と、
前記光電変換部の一主面の上に配された電極と、
を有し、
前記一主面は、
第1の方向において前記面取り状角部が設けられている端部と、
前記第1の方向において前記面取り状角部よりも中央側に位置している中央部と、
を含み、
前記電極は、
前記端部に設けられており、前記第1の方向に対して垂直な前記第2の方向に沿って延びる複数の線状電極部と、
前記複数の線状電極部の端部を接続しており、前記面取り状角部の端辺に沿って延びる斜辺部と、
前記第2の方向に配列されており、前記第1の方向に沿って延びる複数のバスバー部と、
を有し、
前記複数の線状電極部と前記斜辺部と前記バスバー部とで構成された複数の台形状電極部が前記第1の方向に離間して配列されている太陽電池セル。」が、
「【請求項1】
4つの角部が面取り状である矩形状の光電変換部と、
前記光電変換部の一主面の上に配された電極と、
を有し、
前記一主面は、
第1の方向において前記面取り状角部が設けられている端部と、
前記第1の方向において前記面取り状角部よりも中央側に位置している中央部と、
を含み、
前記電極は、
前記端部に設けられており、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に沿って延びる複数の線状電極部と、
前記第2の方向に配列されており、前記第1の方向に沿って延びる複数のバスバー部と、
前記複数の線状電極部の端部を接続し、前記面取り状角部の端辺に沿って互いに離間して延びており、前記複数のバスバー部のいずれとも直接接続されていない複数の斜辺部と、
を有し、
前記複数の線状電極部と前記斜辺部と前記バスバー部とで構成された複数の台形状電極部が前記第1の方向に離間して配列されている太陽電池セル。」
と補正された(下線は請求人が付与したものである。)。

2 本件補正の目的
本件補正により、補正前の請求項1において、「前記複数の線状電極部の端部を接続しており、前記面取り状角部の端辺に沿って延びる斜辺部」を「前記複数の線状電極部の端部を接続し、前記面取り状角部の端辺に沿って互いに離間して延びており、前記複数のバスバー部のいずれとも直接接続されていない複数の斜辺部」と「斜辺部」について限定するものである。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含むものである。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)本願補正発明の認定
本願補正発明は、上記1において、本件補正後の請求項1として記載したとおりのものと認める。

(2)刊行物の記載事項及び引用発明の認定
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の原出願の出願前に頒布された刊行物である、米国特許第4487989号明細書(以下「引用文献」という。)には、以下の記載がある(当審にて仮訳。また、下線は当審にて付与した。)。

ア 「By way of introduction, the front and back of a solar cell 12 are shown in FIGS. 1 and 2. The cell has the shape of a square having its corners cut off at angles of 45°. The solar cell has a semiconductor body 14 (see FIG. 5); a front electrical contact 16 (see FIGS. 1, 3 and 5); and a rear electrical contact 20 (see FIGS. 2, 4 and 5). In accordance with the indicated shape of the body of the solar cell, and as is apparent by reference to FIGS. 2 and 3, such body has one pair of opposed, parallel sides and a second pair of opposed, parallel sides which are perpendicular to the first pair. ・・・(中略)・・・That pad-row-parallel pair of body sides consists of a left side 26 and a right side 28 (with reference to the view of FIG. 1). The other, pad-row-transverse pair of body sides consists of a top 30 and bottom 32 side (with reference to the view of FIG. 1). 」(第5欄第28行から第47行)
はじめに、太陽電池12のフロント側、バック側が図1、2に示されている。該セルは45度の角度の面取り状角部が設けられている矩形を有している。太陽電池セルは半導体基体14を有している(図5参照);フロント電極コンタクト16(図1、3、5参照);背面電極コンタクト20(図2、4、5参照)。太陽電池セル基体の示された形状に対応し、また図2、3を参照することから明らかなように、その基体は、一対の対向する平行な両側と、第1の一対の両側と直交する第2の一対の対向する平行な両側とを有する。・・・(中略)・・・パッド列に対し平行になっている基体の側部の組は、左側26と右側28からなる(図1参照)。一方、パッド列に対し横方向になっている基体の側部の組は、上側30と下側32からなる(図1参照)。

イ 「The details of the angle strips, the other strips and the pads are shown in FIG. 3, which shows the lower, right quadrant of FIG. 1. As is apparent by reference to FIG. 1, the upper, right quadrant is symmetrical to the lower, right quadrant, with respect to the midline of the cell face perpendicular to the pad-row-parallel sides 26 and 28; the lower, left quadrant is symmetrical to the lower, right quadrant with respect to the midline perpendicular to the pad-row-transverse body sides 30 and 32; and the upper, left quadrant is symmetrical to the lower, right quadrant with respect to the point of intersection of these two midlines.」(第5欄第60行から第6欄第3行)
傾斜ストリップ、他のストリップ及びパッドの詳細は、図1の右下象限を示す図3に示される。図1から明らかなように、右上象限は、パッド列に対し平行になっている側部26及び28に直交するセル面の中央線に関して、右下象限と対称である;左下象限は、パッド列に対し横方向になっている基体の側部30及び32に直交する中央線に関して、右下象限と対称である。左上象限は、これらの2つの中央線の交差点に関して、右下象限と対称である。

ウ 「Continuing to refer to FIG. 3, there is an outside pad-row-parallel connector strip 112 having two different widths along its length, the greater being three times as large as the lesser. It extends along the row of pads, for example, in the immediate vicinity of the end 106 and the second-from-the-end 108 pad. It also extends the full dimension of the contact. An end inside pad-row-parallel connector strip 114 extends along the row of pads only near the end and second-from-the end pads. It also has two widths along its length, the lesser being the same as the lesser width of the outside pad-row-parallel connector strip, and the greater being the same as the greater width of such strip. ・・・(中略)・・・A pad-row-parallel outside strip 120 in FIG. 3 also has that same, lesser width.」(第9欄第38行から第58行)
図3について続けると、狭いほうの幅の3倍以上の広い幅である長手方向に異なる2つの幅を有する、パッド列に対しに平行になっている外側コネクターストリップ112を有している。それは、例えば、端部106及び端部から2番目のパッド108のすぐ近くでのパッド列に沿って延びている。それは、接続する全ての範囲にも延びている。パッド列に対し平行になっている端部内側コネクターストリップ114は端部のパッド付近から端部から2番目のパッドまでにのみにパッド列に沿って延びている。それも長手方向に2つの幅を有しており、パッド列に対し平行になっている外側コネクターストリップの狭いほうの幅と同じ幅と、パッド列に対し平行になっている外側コネクターストリップの広いほうの幅と同じ幅を有している。・・・(中略)・・・図3に示されるパッド列に対し平行になっている外側ストリップ120もまた、狭いほうの幅と同じ幅を有している。

エ 「Eighteen of a total of thirty-six pad-row-transverse, non-pad-crossing strips 127 are present in FIG. 3. They each have only a single width therealong which is the same as the lesser width discussed in connection with other of the strips.」(第10欄第29行から第31行)
36本のパッド列に対し横方向になっている非パッド接続ストリップ127うちの18本が図3に示されている。それらは、各々他のストリップとの接続において記述された狭いほうの幅と同じ単一の幅を有している。

オ 「A corner strip 128 shown in FIG. 3 has a single width which is the smallest of the widths which have been discussed in connection with other of the strips. The corner strip intersects the pad-row-parallel outside strip 120 and the outside one of the pad-row-transverse-non-pad-crossing strips 126.」(第10欄第64行から第11欄第2行)
図3に示されるコーナーストリップ128は、他のストリップとの接続において記述された幅のうちで最も狭い単一の幅を有している。該コーナーストリップはパッド列に対し平行になっている外側ストリップ120とパッド列に対し横方向になっている非パッド接続ストリップ126と接続している。

カ 図1


キ 図3


ク 図5


ケ 上記イの右上象限と右下象限、左下象限と右下象限、及び、左上象限と右下象限が、それぞれ「対称」であることを考慮すると、上記カ、キの図1、3より、45度の角度の面取り状角部は4つあることが記載されているといえる。

コ 上記カ、キ、クの図1、3、5より、「フロント電極コンタクト16」(図5参照)は、パッド列に平行な方向において「4つの45度の角度の面取り状角部」が設けられている端部と、パッド列に平行な方向において「4つの45度の角度の面取り状角部」よりも中央側を有している中央部を有することが、記載されているといえる。

サ 上記カ、キ、クの図1、3、5より、「フロント電極コンタクト16」は、パッド列に平行な方向において「4つの45度の角度の面取り状角部」が設けられている端部に、パッド列に対し横方向になっている、4本の「非パッド接続ストリップ127」(図3参照)を有することが、記載されているといえる。

シ 上記イの右上象限と右下象限、左下象限と右下象限、及び、左上象限と右下象限が、それぞれ「対称」であることを考慮すると、上記カ、キの図1、3より、パッド列に対し横方向に配列されている、4本の「外側コネクターストリップ112」が、記載されているといえる。
また、上記カ、キ、クの図1、3、5より、「フロント電極コンタクト16」は、複数の「狭いほうの幅の3倍以上の広い幅である長手方向に異なる2つの幅であり、パッド列に対し平行になっている、外側コネクターストリップ112」(図3参照)を有することが、記載されているといえる。

ス 上記カ、キ、クの図1、3、5より、「フロント電極コンタクト16」は、「非パッド接続ストリップ127」の端部を接続し、「45度の角度の面取り状角部」の端辺に沿って延びる「コーナーストリップ128」(図3参照)を有することが、記載されているといえる。
また、上記「(2)」「カ」「キ」の図1、3より、「コーナーストリップ128」は、下側32から1本目と2本目の「非パッド接続ストリップ127」の端部と接続している部分と、下側32から3本目と4本目の「非パッド接続ストリップ127」の端部と接続する部分とを有していることから、「コーナーストリップ128」は、互いに離間して延びている複数の部分を有するといえる。

セ 上記カ、キ、クの図1、3、5より、4本の「非パッド接続ストリップ127」の端部は、「コーナーストリップ128」と、「外側コネクターストリップ112」(図3参照)と接続していることが、記載されているといえる。

上記アないしセより、引用文献には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「4つの45度の角度の面取り状角部が設けられている矩形を有している半導体基体14と、前記半導体基体14上のフロント電極コンタクト16とを有する太陽電池セルであって、

前記フロント電極コンタクト16は、
パッド列に平行な方向において4つの45度の角度の面取り状角部が設けられている端部と、パッド列に平行な方向において4つの45度の角度の面取り状角部よりも中央側を有している中央部とを有し、
前記端部に、パッド列に対し横方向となっている、4本の非パッド接続ストリップ127と、
パッド列に対し横方向に配列されており、狭いほうの幅の3倍以上の広い幅である長手方向に異なる2つの幅であり、パッド列に対し平行になっている、4本の外側コネクターストリップ112と、
前記4本の非パッド接続ストリップ127の端部を接続し、前記45度の角度の面取り状角部の端辺に沿って互いに離間して延びている、コーナーストリップ128の複数の部分と、
を有し、

前記4本の非パッド接続ストリップ127の端部は、前記コーナーストリップ128と、前記外側コネクターストリップ112と接続している、

太陽電池セル。」

(3)対比
ア 本願補正発明と引用発明を対比する。
(ア)引用発明の「半導体基体14」は、本願補正発明の「光電変換部」に相当し、引用発明の「4つの45度の角度の面取り状角部が設けられている矩形を有している半導体基体14」は、本願補正発明の「4つの角部が面取り状である矩形状の光電変換部」に相当する。また、引用発明の「フロント電極コンタクト16」が「半導体基体14」の一主面の上に配された電極を有することは明らかである。
すると、引用発明の「4つの45度の角度の面取り状角部が設けられている矩形を有している半導体基体14と、前記半導体基体14上のフロント電極コンタクト16とを有する太陽電池セル」は、本願補正発明の「4つの角部が面取り状である矩形状の光電変換部と、前記光電変換部の一主面の上に配された電極と、を有」する「太陽電池セル」に相当する。

(イ)引用発明の「パッド列に平行な方向」は、本願補正発明の「第1の方向」に相当する。
すると、引用発明の「前記フロント電極コンタクト16は、パッド列に平行な方向において4つの45度の角度の面取り状角部が設けられている端部と、パッド列に平行な方向において4つの45度の角度の面取り状角部よりも中央側を有している中央部を有」することは、本願補正発明の「前記一主面は、前記光電変換部の一主面の上に配された電極と、を有し、前記一主面は第1の方向において前記面取り状角部が設けられている端部と、前記第1の方向において前記面取り状角部よりも中央側に位置している中央部とを、含」むことに相当する。

(ウ)引用発明の「パッド列に横方向となっている」ことは、本願補正発明の「第1の方向に対して垂直な第2の方向」に相当する。また、引用発明の「非パッド接続ストリップ127」は、本願補正発明の「線状電極部」に、それぞれ相当する。
すると、引用発明の「前記フロント電極コンタクト16は、」「前記端部に、パッド列に横方向となっている、4本の非パッド接続ストリップ127」「を有」することは、本願補正発明の「前記電極は、」「前記端部に設けられており、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向に沿って延びる複数の線状電極部」「を有」することに相当する。

(エ)引用発明の「パッド列に対し横方向に配列されている」ことは、本願補正発明の「前記第2の方向に配列されて」いることに相当する。また、引用発明の「外側コネクターストリップ112」は、本願補正発明の「バスバー部」に相当する。
すると、引用発明の「前記フロント電極コンタクト16は、」「パッド列に対し横方向に配列されており、狭いほうの幅の3倍以上の広い幅である長手方向に異なる2つの幅であり、パッド列に対し平行になっている、4本の外側コネクターストリップ112」「を有する」ことは、本願補正発明の「前記電極は、」「前記第2の方向に配列されており、前記第1の方向に沿って延びる複数のバスバー部」「を有」することに相当する。

(オ)上記「(2)」「カ」及び「キ」の図1、3より、パッド列に平行な方向に沿って延びるストリップのうち、幅が広いストリップは、「外側コネクターストリップ112」及び「端部内側コネクターストリップ114」のみである。そして、上記「(2)」「カ」及び「キ」の図1、3より、「外側コネクターストリップ112」及び「端部内側コネクターストリップ114」の何れとも、引用発明の「コーナーストリップ128の複数の部分」に直接接続していないことは明らかである。
すなわち、引用発明において、「コーナーストリップ128の複数の部分」は、パッド列に対し平行な方向に沿って延び、且つ、幅が広くてバスバーとして機能するストリップの何れとも、直接接続されていない。
すると、引用発明の「前記フロント電極コンタクト16は、」「45度の角度の面取り状角部の端辺に沿って互いに離間して延びている、コーナーストリップ128の複数の部分」「を有」することは、本願補正発明の「前記電極は、」「前記複数の線状電極部の端部を接続し、前記面取り状角部の端辺に沿って互いに離間して延びており、前記複数のバスバー部の何れとも直接接続されていない複数の斜辺部」「を有」することに相当する。
なお、ここで、上記における本願補正発明の「前記複数のバスバー部」は「前記第1の方向に沿って延びる複数のバスバー部」であることに留意のこと。

(カ)上記(エ)、(オ)、上記「(2)」「カ」「キ」の図1、3より、引用発明の下側32から1本目と2本目の「非パッド接続ストリップ127」の端部と接続している「外側コネクターストリップ112」及び「コーナーストリップ128」とで台形状電極部が構成されており、また、引用発明の下側32から3本目と4本目の「非パッド接続ストリップ127」の端部と接続している「外側コネクターストリップ112」及び「コーナーストリップ128」とで台形状電極部が構成されているといえる。
すると、引用発明の「前記4本の非パッド接続ストリップ127の端部は、前記複数のコーナーストリップ128と、前記複数の外側コネクターストリップ112と接続している」ことは、本願補正発明の「前記複数の線状電極部と前記斜辺部と前記バスバー部とで構成された複数の台形状電極部が前記第1の方向に離間して配列されている」ことに相当する。

イ 結論
上記アでの検討によれば、引用発明は本願補正発明の構成をすべて備えている。
よって、本願補正発明は、引用発明である。

(4)独立特許要件についての小括
以上検討のとおり、本願補正発明は、特許法第29条第1項第3号の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものである。

4 本件補正についての結び
上記3の検討によれば、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について
1 本願発明
上記のとおり、本件補正は却下されたので、本願の特許請求の範囲の各請求項に係る発明は、平成26年8月5日付けで補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項によって特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2」「1」において、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1として示したとおりのものである。

2 刊行物の記載事項及び引用発明の認定
上記「第2」[理由]「3(2)」のとおりである。

3 対比・判断
上記「第2」[理由]「2」「本件補正の目的」のとおり、本願発明は、本願補正発明の「前記複数の線状電極部の端部を接続し、前記面取り状角部の端辺に沿って互いに離間して延びており、前記複数のバスバー部のいずれとも直接接続されていない複数の斜辺部」を「前記複数の線状電極部の端部を接続しており、前記面取り状角部の端辺に沿って延びる斜辺部」とし、斜辺部の限定を省くものである。
そして、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに限定を付加した本願補正発明が、引用発明である以上、上記「第2」[理由]「3」での検討と同様の理由により、本願発明は引用発明である。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定により、特許を受けることができないものであるから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-11-02 
結審通知日 2015-11-04 
審決日 2015-11-17 
出願番号 特願2012-122217(P2012-122217)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 俊彦  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 川端 修
井口 猶二
発明の名称 太陽電池セル  
代理人 藤井 兼太郎  
代理人 鎌田 健司  
代理人 前田 浩夫  

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