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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1310692
審判番号 不服2014-18780  
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-09-19 
確定日 2016-02-03 
事件の表示 特願2013-519730「サイズとイントラモードとに基づいて又はエッジ検出に基づいてイントラブロック符号化の周波数変換を適応させること」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 1月12日国際公開、WO2012/006568、平成25年 9月 5日国内公表、特表2013-534794〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1.手続
本願は、2011年(平成23年)年7月8日(パリ条約による優先権主張、2010年7月9日、2010年8月17日、2010年8月26日、2011年7月7日、米国)を国際出願日とする出願(特願2013-519730号)であって、手続の概要は以下のとおりである。

手続補正 :平成25年 3月22日
拒絶理由通知 :平成25年11月 7日(起案日)
手続補正 :平成26年 4月14日
拒絶査定 :平成26年 5月 2日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成26年 9月19日
手続補正 :平成26年 9月19日
前置審査報告 :平成26年11月14日(起案日)
上申書 :平成27年 3月17日

2.査定
原査定の理由は、概略、次のとおりである。

この出願の請求項1ないし46に係る発明(平成26年4月14日付け手続き補正後)は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明又はその出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



1.Thomas Davies,et.al., "Suggestion for a Test Model", [online], 15-23 April 2010, Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11, Document: JCTVC-A033, [平成25年11月5日検索],インターネット〈URL:http://phenix.int-evry.fr/jct/doc_end_user/documents/1_Dresden/wg11/JCTVC-A033.zip〉

第2 補正却下の決定
平成26年9月19日付けの手続補正について次のとおり決定する。

[補正却下の決定の結論]
平成26年9月19日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.本願発明と補正後の発明
上記手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前の平成26年4月14日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、

「【請求項1】
ビデオエンコーダがビデオデータを符号化する方法であって、
ビデオデータのブロックのためのイントラ予測モードの第1のセット中の第1のイントラ予測モードを決定することと、
前記イントラ予測モードの前記第1のセットよりも小さいイントラ予測モードの第2のセットから、前記第1のイントラ予測モードがマッピングされる第2のイントラ予測モードを決定することと、前記第2のイントラ予測モードは前記第1のイントラ予測モードとは異なる、
前記第2のイントラ予測モードがマッピングされる方向性変換を決定することと、
前記第1のイントラ予測モードを使用して予測ブロックを生成することと、
前記ビデオデータの前記ブロックと前記予測ブロックとの間の差分に基づいて残差データを計算することと、
符号化されたビデオデータのブロックを復号するために、前記予測ブロックと残差ブロックを合成することと、 前記ブロックの前記残差データに前記方向性変換を適用することと
を備える、方法。」

という発明(以下、「本願発明」という。)を、平成26年9月19日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1の記載に記載された、

「【請求項1】
ビデオエンコーダがビデオデータを符号化する方法であって、
ビデオデータのブロックのためのイントラ予測モードの第1のセット中の第1のイントラ予測モードを決定することと、
前記イントラ予測モードの前記第1のセットよりも小さいイントラ予測モードの第2のセットから、前記第1のイントラ予測モードがマッピングされる第2のイントラ予測モードを決定することと、前記第2のイントラ予測モードは前記第1のイントラ予測モードとは異なり、前記イントラ予測モードの前記第2のセットは、ITU-T H.264に従って定義されたイントラ予測モードを備える、
前記第2のイントラ予測モードがマッピングされる方向性変換を決定することと、
前記第1のイントラ予測モードを使用して予測ブロックを生成することと、
前記ビデオデータの前記ブロックと前記予測ブロックとの間の差分に基づいて残差データを計算することと、
符号化されたビデオデータのブロックを復号するために、前記予測ブロックと残差ブロックを合成することと、
前記ブロックの前記残差データに前記方向性変換を適用することとを備える、方法。」

という発明(以下、「補正後の発明」という。)に補正することを含むものである。
(なお下線部は、本願発明に対する補正箇所である。)

2.新規事項の有無、補正の目的要件について
本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、本願発明に記載された「イントラ予測モードの第2のセット」について、「ITU-T H.264に従って定義されたイントラ予測モードを備える」という構成を付加して限定し、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項(新規事項)及び特許法第17条の2第5項(補正の目的)の規定に適合している。

3.独立特許要件について
本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。

3.1 補正後の発明
上記「1.本願発明と補正後の発明」の項で「補正後の発明」として認定した以下のとおりのものである。
なお、補正後の発明の分説記号は当審にて付したものである。

「【請求項1】
A.ビデオエンコーダがビデオデータを符号化する方法であって、
B.ビデオデータのブロックのためのイントラ予測モードの第1のセット中の第1のイントラ予測モードを決定することと、
C.前記イントラ予測モードの前記第1のセットよりも小さいイントラ予測モードの第2のセットから、前記第1のイントラ予測モードがマッピングされる第2のイントラ予測モードを決定することと、
D.前記第2のイントラ予測モードは前記第1のイントラ予測モードとは異なり、前記イントラ予測モードの前記第2のセットは、ITU-T H.264に従って定義されたイントラ予測モードを備える、
E.前記第2のイントラ予測モードがマッピングされる方向性変換を決定することと、
F.前記第1のイントラ予測モードを使用して予測ブロックを生成することと、
G.前記ビデオデータの前記ブロックと前記予測ブロックとの間の差分に基づいて残差データを計算することと、
H.符号化されたビデオデータのブロックを復号するために、前記予測ブロックと残差ブロックを合成することと、
I.前記ブロックの前記残差データに前記方向性変換を適用することとを備える、
J.方法。」

3.2 引用発明
原審の拒絶理由において、引用された
Thomas Davies,et.al., "Suggestion for a Test Model", [online], 15-23 April 2010, Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11, Document: JCTVC-A033, [平成25年11月5日検索],インターネット〈URL:http://phenix.int-evry.fr/jct/doc_end_user/documents/1_Dresden/wg11/JCTVC-A033.zip〉
(以下「引用例1」という。)には、「Suggestion for a Test Model」(テストモデルの提案)について、以下の事項が記載されている。
なお、邦訳は当審が作成した。

ア.「Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11
1st Meeting: Dresden, DE, 15-23 April, 2010」(第1頁)
(邦訳)
「ITU-T SG16 WP3とISO/IEC JTC1/SC29/WG11のビデオ符号化に関する合同チーム(JCT-VC)
第1回会合:ドレスデン、ドイツ、2010年4月15-23日」

イ.「Abstract
This document provides a suggestion for a provisional draft of the initial Test Model, following discussions between BBC, Ericsson, Fraunhofer HHI, Nokia, Qualcomm, Samsung, RIM and Tandberg during the Dresden JCT-VC meeting.
The aim of this document is to suggest a first Test Model that provides a coding efficiency close to the best performing proposals in the subjective test of the CfP and a complexity point that is close to the lowest complexity submissions.」(第1頁)
(邦訳)
「要約
この文書は、ドレスデンJCT-VCの会議における、BBC、エリクソン、フラウンホーファーHHI、ノキア、クアルコム、サムスン、RIM及びタンベルグ間での話し合いによる、初期テストモデルの暫定案の提案を提供します。
この文章の目的は、CfPの主観テストにおけるベストパフォーマンス提案に近い符号化効率と、最も複雑度が低い提案に近い複雑度を提供する、最初のテストモデルを提案することです。」

ウ.「4 Intra-frame prediction
For blocks of size 64x64 : 33 Directions (ADI+Planar)
For blocks of size 32x32 : 33 Directions (ADI+Planar)
For blocks of size 16x16 : 33 Directions (ADI+Planar)
For blocks of size 8x8 : 33 directions (Angular+Planar)
For blocks of size 4x4: 9 directions (AVC)」(第12頁)
(邦訳)
「4 イントラフレーム予測
サイズ64×64のブロックに対して:33とおりの方向(ADI+平面)
サイズ32×32のブロックに対して:33とおりの方向(ADI+平面)
サイズ16×16のブロックに対して:33とおりの方向(ADI+平面)
サイズ8×8のブロックに対して:33とおりの方向(角度+平面)
サイズ4×4のブロックに対して:9とおりの方向(AVC)」

エ.「4.3 Angular prediction
In order to be able to accurately represent directional structures the Intra 8x8 coding mode provides a possibility to predict the blocks at any direction shown below.

Available prediction directions in the angular mode of Intra 8x8 macroblocks.

In the angular mode the prediction direction is given by the displacement of the bottom row of the block and the reference row above the block in the case of vertical prediction or displacement of the rightmost column of the block and reference column left from the block in the case of the horizontal prediction. The displacement is signalled at 1 pixel accuracy. When projection of the predicted pixel falls inbetween reference samples, the predicted value for the pixel is linearly interpolated from the reference samples (at 1/8th pel accuracy). The process is illustrated in the picture below for the sixth row of the block when building vertical prediction at +1 pixel displacement.

Figure 4 An example of angular prediction when operating the sixth row of the block with +1 pixel displacement. Projections of the pixels now fall at the 6/8 sub-pixel location (circles) in the reference row of pixels.

4.4 Arbitrary Directional Intra (ADI)
Arbitrary Directional Intra (ADI) generates prediction pixels by directional extrapolation or calculation using the nearest boundary pixels of the already decoded area. But in ADI, even boundary pixels from the left down region may be used as context pixels for prediction as depicted in below

Example of context pixels for ADI

Whilst the 9 prediction modes are defined separately as Vertical, Horizontal, DC, Diagonal Down-Left, Diagonal Down-Right, Vertical-Right, Horizontal-Down, Vertical-Left, and Horizontal-Up in H.264/AVC, most of prediction modes in ADI are defined by integer pair information (dx, dy). The (dx, dy) pair represents the direction which each mode uses for context pixel extrapolation」(第12-14頁)
(邦訳)
「4.3 角度予測
正確な方向構造を表現することができるように、イントラ8×8符号化モードは、以下に示すいずれの方向でもブロックを予測できるようにします。

イントラ8×8マクロブロックの角度モードで使用可能な予測方向。

角度モードにおける予測方向は、垂直予測の場合については、そのブロックの一番下の行とそのブロック上の参照行との間の変位によって、また水平予測の場合については、そのブロックの右端の列とそのブロックの左の参照列との間の変位によって、与えられます。変位は1ピクセル精度で信号伝達されます。予測される画素の投影が参照サンプルの間になってしまう時には、その画素に対する予測値は、参照サンプルから線形補間されます(1/8のペル精度で)。以下の図には、+1ピクセル変位における垂直予測をブロックの6行目に対して構築するときの処理を示します。

図4 ブロックの6行目に+1ピクセル変位の処理をするときの角度予測の例。画素の投影は、画素の参照行の6/8サブピクセル位置(円)に落ちます。

4.4 任意の方向性イントラ(ADI)
任意の方向性イントラ(ADI)は、既に復号化された領域の最も近い境界画素を使用して、方向外挿または計算による予測画素を生成します。しかしADIにおいては、以下に示すように、左下の領域から伸びた境界画素は、予測のためのコンテキストピクセルとして使用することができます

ADIのコンテキストピクセルの例

9とおりの予測モードは、H.264/AVCにおける垂直、水平、DC、対角左下、対角右下、垂直右、水平下、垂直左、および水平上として個別に定義される一方で、ほとんどのADIにおける予測モードは整数ペア情報(dx, dy)で定義されます。(dx, dy)の対は各モードがコンテキストピクセルの外挿に使用する方向を表します。」

オ.「5.3 Mode dependent directional transforms for intra-prediction residuals
In this text, nine directional intra prediction modes are used for block size of 4×4 and 33 directional intra prediction modes are used for block sizes of 8×8 (INTRA4x4 and INTRA8x8). For each directional prediction mode, the prediction residual exhibits a different directionality. In addition, the magnitude of the error increases for predicted pixels farther away from the boundary pixels used for prediction. To take advantage of this, mode dependent directional transforms (MDDT) are used to encode 4×4 and 8×8 intra prediction residuals. The type of MDDT is coupled with the selected intra prediction direction, so is not explicitly signaled. We briefly describe design and implementation of the MDDT.

For the 8×8 block size, the 33 intra prediction directions are clustered into nine separate directions. Thus, for both 4×4 and 8×8 blocks, nine separate MDDT transforms are designed. The Karhunen-Loeve transform (KLT) derived from the statistics of the intra prediction residuals for that mode, would be the optimal transform choice from a rate-distortion perspective. However, KLT is a non-separable transform. For a residual block of size N×N, the size of the KLT matrix is N^(2)×N^(2) . Thus, KLT is prohibitively expensive in term of storage and computational requirement. A separable directional transform is used, which can be described as
Y=C_(i)XR_(i) ,
where X, Y, C, and R are all of size N×N and i is the prediction mode. Singular Value Decomposition (SVD) is applied to the training set of residuals first in the row direction and then, in the column direction. A fixed-point approximation of the transform matrices to reduce computational cost is used.」(第17頁)
(邦訳)
「5.3 イントラ予測残差のためのモード依存方向性変換
このテキストでは、9とおりの方向性イントラ予測モードが4×4のブロックサイズのために使用され、33とおりの方向性イントラ予測モードが8×8のブロックサイズのために使用されます(イントラ4×4及びイントラ8×8)。各方向性予測モードに対応して、予測残差は異なる方向性を示す。加えて、誤差の大きさは、予測されたピクセルが予測に用いられる境界ピクセルから遠くなるほど増大します。これを利用するために、モード依存方向性変換(MDDT)が4×4及び8×8イントラ予測残差を符号化するために使用されます。 MDDTの種類は選択されたイントラ予測方向に関連付けられ、それは明示的に示されません。我々は簡単にMDDTの設計と実装について述べます。

8×8のブロックサイズに対しては、33とおりのイントラ予測方向が9つの個別の方向にまとめられます。このように、4×4と8×8のブロック両方に対して、9つの個別のMDDT変換が設定されます。そのモードのイントラ予測残差の統計から導かれたカルーネン・レーベ変換(KLT)は、レート対歪みの観点から最適な変換の選択となる。しかし、KLTは非分離可能変換です。N×Nサイズの残差ブロックに対して、KLT行列のサイズはN^(2)×N^(2)です。このように、KLTはストレージおよび計算要件の点から見て非常に高価です。分離可能な方向性変換が使用され、次のように示すことができます
Y=C_(i)XR_(i) ,
ここで、X、Y、C、およびRは、すべてN×Nのサイズであり、iは予測モードを表します。特異値分解(SVD)は、トレーニングセットの残差に対してまず行方向に、そして列方向に施されます。計算コストを削減するために、変換行列の固定小数点近似を用います。」

カ.「8.2.4 Binarization and context modeling
As already mentioned above, we have reused the binarization and context modeling schemes of H.264/AVC CABAC for most syntax elements in this video coding algorithm, especially for those which have already been present in H.264/AVC like, e.g., syntax elements related to intra prediction modes or motion parameters. For entropy coding of novel syntax elements like, e.g., flags indicating the quadtree structure, suitable context models have been designed. In addition, for coding of syntax elements related to transform coefficients of larger block sizes, an improved context modeling scheme has been employed.」(第28頁)
(邦訳)
「8.2.4 二値化とコンテキストモデリング
既に上述したように、我々はすでに、このビデオ符号化アルゴリズムにおける構文要素のほとんどに対し、特に、例えばイントラ予測や動きのパラメータに関する構文要素として、H.264/AVCにおいて示したように、H.264/AVCの二値化やコンテキストモデリングであるCABACを再利用してきた。例えば、4分木構造を示すフラグのような、新しい構文要素のエントロピー符号化のために、適切なコンテキストモデルが設計されます。さらに、より大きなブロックサイズの係数の変換に関する構文要素の符号化のために、改良されたコンテキストモデリング方式が採用されています。」

上記ア.?カ.の記載及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して、公然知られた発明について検討する。

(1) 上記ア.には、引用例の内容が、2010年4月15-23日に開催された国際会議において公表されたものであることが記載されていることから、引用例に記載された発明は、遅くとも本願優先権主張日前である2010年4月23日には「公然知られた発明」であったものと認められる。

(2) 上記イ.には、引用例が、CfPの主観テストにおけるベストパフォーマンス提案に近い符号化効率と、最も複雑度が低い提案に近い複雑度を提供する、最初のテストモデルを提案するものであると記載されており、上記カ.には、引用例に記載されているテストモデルが「ビデオ符号化アルゴリズム」であることが記載されている。
したがって、引用例には、「ビデオ符号化アルゴリズム」が記載されている。

(3) 上記オ.には、「8×8のブロックサイズ」のために「33とおりの方向性イントラ予測モード」が使用されるとともに、モード依存方向性変換のために「イントラ予測方向」が「選択」されることが記載されている。
ここで、上記エ.の4.3には、イントラ8×8マクロブロックの角度モード、すなわち8×8のブロックサイズのための方向性をもったイントラ予測モードにおいて、図中33とおりの予測方向が使用可能であることが記載されていることから、上記オ.の記載における「イントラ予測方向」は、「方向性イントラ予測モード」に対応しており、モード依存方向性変換のために「方向性イントラ予測モード」の中から「選択」されるものであることは明らかである。
したがって、引用例には、「8×8のブロックサイズのために使用される33とおりの方向性イントラ予測モードの中からイントラ予測方向を選択」することが記載されている。

(4) 上記オ.には、「9とおりの方向性イントラ予測モードが4×4のブロックサイズのために使用され」、「モード依存方向性変換(MDDT)」、「MDDTの種類は選択されたイントラ予測方向に関連付けられ」、「4×4と8×8のブロック両方に対して、9つの個別のMDDT変換が設定されます」と記載されていることから、
(ア) 引用例には、4×4ブロックサイズの9とおりの方向性イントラ予測モードそれぞれに関連付けられた9つの個別のモード依存方向性変換が、8×8のブロックサイズに対しても設定されていることが記載されているといえる。

また、上記オ.には、「33とおりの方向性イントラ予測モードが8×8のブロックサイズのために使用されます」、「モード依存方向性変換(MDDT)が4×4及び8×8イントラ予測残差を符号化するために使用されます。MDDTの種類は選択されたイントラ予測方向に関連付けられ」と記載されていることから、
(イ) 引用例には、8×8のブロックサイズにおいて、33とおりの方向性イントラ予測モードの中から選択されたイントラ予測方向に関連付けられるモード依存方向性変換が使用されることが記載されているといえる。

また、上記オ.には、「9とおりの方向性イントラ予測モードが4×4のブロックサイズのために使用され、33とおりの方向性イントラ予測モードが8×8のブロックサイズのために使用され」、「33とおりのイントラ予測方向が9つの個別の方向にまとめられます。このように、4×4と8×8のブロック両方に対して、9つの個別のMDDT変換が設定されます」と記載されており、「33とおりのイントラ予測方向」が「8×8のブロックサイズで使用される33とおりの方向性イントラ予測モード」を指し、「9つの個別の方向」が「4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モード」を指すことは明らかであることから、
(ウ) 引用例には、8×8のブロックサイズで使用される33とおりの方向性イントラ予測モードが4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モードにまとめられることが記載されている。

そして(イ)によれば、
8×8のブロックサイズにおいて、33とおりの方向性イントラ予測モードの中から選択されたイントラ予測方向に関連付けられるモード依存方向性変換を使用するものであり、
(ア)によれば、
8×8ブロックサイズにおける9つの個別のモード依存方向性変換は、4×4ブロックサイズの9とおりの方向性イントラ予測モードに関連付けられているものであって、
(ウ)によれば、
8×8のブロックサイズで使用される33とおりの方向性イントラ予測モードが4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モードにまとめられているものであることから、
引用例には、
「8×8のブロックサイズで使用される33とおりの方向性イントラ予測モードの4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モードへのまとめから、8×8のブロックサイズにおいて、33とおりの方向性イントラ予測モードの中から選択されたイントラ予測方向に関連付けられる、4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モードの中の対応するイントラ予測モードを決定し、
決定された対応するイントラ予測モードに関連付けられたモード依存方向性変換を決定する」
ことが記載されているといえる。

(5) 上記ウ.には、イントラフレーム予測において、サイズ4×4のブロックに対して、9とおりの方向(AVC)があることが記載されており、上記エ.の4.4には、「9とおりの予測モード」が、垂直、水平、DC、対角左下、対角右下、垂直右、水平下、垂直左、及び水平上、という「H.264/AVC」において「定義される」ものであることが記載されている。そして、上記ウ.に記載されたイントラフレーム予測おける9とおりの方向(AVC)が、上記エ.の4.4に記載された、H.264/AVCで定義される9とおりの予測モードに対応することは明らかである。
したがって、引用例には、「サイズ4×4のブロックの9とおりの予測モードは、H.264/AVCにおいて定義されるもの」であることが記載されている。

(6) 上記エ.の4.3には、「イントラ8×8マクロブロック」で使用可能な予測方向として図中に示された33とおりの「予測方向」のいずれの方向でも「ブロックを予測」できることが記載されている。
また、上記オ.には、イントラ予測方向、すなわちイントラ予測で使用された方向が「選択」されたものであることが記載されている。
したがって、引用例には、「イントラ8×8マクロブロックの33とおりの予測方向の中の選択された予測方向を使用してブロックを予測」することが記載されている。

(7) 上記オ.には、「8×8イントラ予測残差」を符号化することが記載されていることから、符号化対象となる「8×8イントラ予測残差」を計算していることは明らかである。
したがって、引用例には、「8×8イントラ予測残差を計算」することが記載されている。

(8) 上記オ.には、「8×8イントラ予測残差」に選択されたイントラ予測方向に関連付けられた「モード依存方向性変換」を「使用」することが記載されている。
したがって、引用例には「8×8イントラ予測残差にモード依存方向性変換を使用する」ことが記載されている。

よって、引用例には、以下の発明が記載されており、これは、本願出願の優先権主張日前である平成22年4月23日には「公然知られた発明」(以下、「引用発明」という。)である。

(引用発明)
「a.ビデオ符号化アルゴリズムであって、
b.8×8のブロックサイズのために使用される33とおりの方向性イントラ予測モードの中からイントラ予測方向を選択すること、
c.8×8のブロックサイズで使用される33とおりの方向性イントラ予測モードの4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モードへのまとめから、8×8のブロックサイズにおいて、33とおりの方向性イントラ予測モードの中から選択されたイントラ予測方向に関連付けられる、4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モードの中の対応するイントラ予測モードを決定し、
d.サイズ4×4のブロックの9とおりの予測モードは、H.264/AVCにおいて定義されるものであり、
e.決定された対応するイントラ予測モードに関連付けられたモード依存方向性変換を決定することと、
f.イントラ8×8マクロブロックの33とおりの予測方向の中の選択された予測方向を使用してブロックを予測し、
g.8×8イントラ予測残差を計算し、
h.8×8イントラ予測残差にモード依存方向性変換を使用する、
i.ビデオ符号化アルゴリズム。」


3.3 対比・判断
補正後の発明と引用発明とを対比する

(1) 補正後の発明の構成要件Aと引用発明の構成要件aの対比
引用発明における「ビデオ符号化アルゴリズム」が「ビデオデータを符号化する方法」であることは明らかである。
また、明示されていないものの、ビデオ符号化アルゴリズムを実行するハードウェアが存在することは自明であり、ビデオ符号化アルゴリズムを実行するハードウェアは「ビデオエンコーダ」であるといえる。
したがって、引用発明1の構成要件a「ビデオ符号化アルゴリズム」は、補正後の発明の構成要件A「ビデオエンコーダがビデオデータを符号化する方法」に相当する。

(2) 補正後の発明の構成要件Bと引用発明の構成要件bの対比
ビデオ符号化アルゴリズムである引用発明において、「8×8のブロックサイズのために使用される」「方向性イントラ予測モード」は、8×8のブロックサイズのビデオデータのブロックのために使用されるイントラ予測モードを指すことはビデオ符号化の当業者であれば明らかであることから、補正後の発明における「ビデオデータのブロックのためのイントラ予測モード」に相当し、引用発明における「33とおり」の方向性イントラ予測モードは、補正後の発明のイントラ予測モードの「第1のセット」といえる。
また、上記、第2の3.2(3)で検討したとおり、引用発明における「イントラ予測方向」と「方向性イントラ予測モード」とが対応するものであることから、引用発明の前記33とおりの方向性イントラ予測モードの中から「イントラ予測方向を選択すること」は、補正後の発明のイントラ予測モードの第1のセットの中から「第1のイントラ予測モードを決定すること」に相当する。
したがって、引用発明の構成要件b「8×8のブロックサイズのために使用される33とおりの方向性イントラ予測モードの中からイントラ予測方向を選択すること」は、補正後の発明の「ビデオデータのブロックのためのイントラ予測モードの第1のセット中の第1のイントラ予測モードを決定すること」に相当する。

(3) 補正後の発明の構成要件C?Eと引用発明の構成要件c?eの対比
引用発明における「4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モード」は、「8×8のブロックサイズで使用される33とおりの方向性イントラ予測モード」よりも小さい「9とおり」の「方向性イントラ予測モード」であることから、補正後の発明における「前記イントラ予測モードの前記第1のセットよりも小さいイントラ予測モードの第2のセット」に相当し、引用発明における「8×8のブロックサイズにおいて、33とおりの方向性イントラ予測モードの中から選択されたイントラ予測方向」は、上記第2の3.3(2)で検討したとおり、補正後の発明における「前記第1のイントラ予測モード」に相当する。
また、引用発明における、「8×8のブロックサイズで使用される33とおりの方向性イントラ予測モードの4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モードへのまとめから」、8×8のブロックサイズにおいて、33とおりの方向性イントラ予測モードの中から「選択されたイントラ予測方向に関連付けられる」、4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モードの中の「対応するイントラ予測モードを決定」することは、補正後の発明における、「前記第1のイントラ予測モードがマッピングされる第2のイントラ予測モードを決定」することに相当する。

ここで、引用発明における「選択されたイントラ予測方向」は33とおりの方向性イントラ予測モードの中から選択されたものであり、「対応するイントラ予測モード」は9とおりの方向性イントラ予測モードの中から決定されたものであることから、元となるイントラ予測モードの数が異なる「選択されたイントラ予測方向」と「対応するイントラ予測モード」のいくつかが異なるものとなることは明らかである。
よって、当該引用発明における、「選択されたイントラ予測方向」と「対応するイントラ予測モード」の関係は、補正後の発明における「前記第2のイントラ予測モードは前記第1のイントラ予測モードとは異な」るものであることに相当する

また、引用発明の「H.264/AVC」が、補正後の発明における「ITU-T H.264」に相当することは技術常識であることから(必要であれば、BUSINESS COMMUNICATION(ビジネスコミュニケーション),Vol.44, No.6(2007年6月号),株式会社ビジネスコミュニケーション社,2007年6月1日,第92頁,ISSN:0385-695X(特に、第92頁中央コラムの下から15?24行目の「このISO/IECとITU-Tは・・・呼ばれていることによる」という記載参照。)、引用発明の「サイズ4×4のブロックの9とおりの予測モードは、H.264/AVCにおいて定義されるものであ」ることは、補正後の発明における「前記イントラ予測モードの前記第2のセットは、ITU-T H.264に従って定義されたイントラ予測モードを備える」ことに相当する。

したがって、引用発明の構成要件c?e「8×8のブロックサイズで使用される33とおりの方向性イントラ予測モードの4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モードへのまとめから、8×8のブロックサイズにおいて、33とおりの方向性イントラ予測モードの中から選択されたイントラ予測方向に関連付けられる、4×4のブロックサイズで使用される9とおりの方向性イントラ予測モードの中の対応するイントラ予測モードを決定」することと、「サイズ4×4のブロックの9とおりの予測モードは、H.264/AVCにおいて定義されるものであ」ること、及び「決定された対応するイントラ予測モードに関連付けられたモード依存方向性変換を決定すること」は、
補正後の発明の構成要件C?E「前記イントラ予測モードの前記第1のセットよりも小さいイントラ予測モードの第2のセットから、前記第1のイントラ予測モードがマッピングされる第2のイントラ予測モードを決定」することと、「前記第2のイントラ予測モードは前記第1のイントラ予測モードとは異なり、前記イントラ予測モードの前記第2のセットは、ITU-T H.264に従って定義されたイントラ予測モードを備える」ことと、及び「前記第2のイントラ予測モードがマッピングされる方向性変換を決定すること」
に相当する。

(4) 補正後の発明の構成要件Fと引用発明の構成要件fの対比
引用発明の「ブロックを予測」することが補正後の発明の「予測ブロックを生成すること」に相当することは明らかであることから、引用発明の「イントラ8×8マクロブロックの33とおりの予測方向の中の選択された予測方向を使用してブロックを予測」することは、補正後の発明における「前記第1のイントラ予測モードを使用して予測ブロックを生成すること」に相当する。

(5) 補正後の発明の構成要件Gと引用発明の構成要件gの対比
引用発明における8×8がブロックサイズを表すことは明らかである。そして、ビデオ符号化の技術分野において、8×8イントラ予測残差を計算することが、符号化対象となるビデオデータのブロックと、イントラ予測された予測ブロックとの間の差分に基づいて残差データを計算することであることは明らかであることから、引用発明の「8×8イントラ予測残差を計算」することは、補正後の発明の「前記ビデオデータの前記ブロックと前記予測ブロックとの間の差分に基づいて残差データを計算することと、」に相当する。

(6) 補正後の発明の構成要件Hと引用発明の対比
引用発明においては、補正後の発明における「符号化されたビデオデータのブロックを復号するために、前記予測ブロックと残差ブロックを合成すること」が特定されていない点で相違する。

(7) 補正後の発明の構成要件Iと引用発明の構成要件hの対比
引用発明の「8×8イントラ予測残差にモード依存方向性変換を使用する」ことは、補正後の発明の「前記ブロックの前記残差データに前記方向性変換を適用する」ことに相当する。

(8) 補正後の発明の構成要件Jと引用発明の構成要件hの対比。
上記第2の3.3(1)で検討したように、引用発明1における「ビデオ符号化アルゴリズム」は、補正後の発明における「方法」に相当することから、上記第2の3.3(6)で検討した相違点を除き、引用発明における「ビデオ符号化アルゴリズム」は、補正後の発明における「方法」に相当する。

したがって、補正後の発明と引用発明とは、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「 ビデオエンコーダがビデオデータを符号化する方法であって、
ビデオデータのブロックのためのイントラ予測モードの第1のセット中の第1のイントラ予測モードを決定することと、
前記イントラ予測モードの前記第1のセットよりも小さいイントラ予測モードの第2のセットから、前記第1のイントラ予測モードがマッピングされる第2のイントラ予測モードを決定することと、前記第2のイントラ予測モードは前記第1のイントラ予測モードとは異なり、前記イントラ予測モードの前記第2のセットは、ITU-T H.264に従って定義されたイントラ予測モードを備える、
前記第2のイントラ予測モードがマッピングされる方向性変換を決定することと、
前記第1のイントラ予測モードを使用して予測ブロックを生成することと、
前記ビデオデータの前記ブロックと前記予測ブロックとの間の差分に基づいて残差データを計算することと、
前記ブロックの前記残差データに前記方向性変換を適用することとを備える、方法。」

(相違点)
補正後の発明における「符号化されたビデオデータのブロックを復号するために、前記予測ブロックと残差ブロックを合成すること」が、引用発明においては特定されていない点

上記相違点について検討する。
原審の拒絶査定中に参考資料(齋藤誠二(外1名),「HD-SDI H.264 超低遅延エンコーダ/デコーダ装置「EHH-1000E/D」とその応用」,映像情報インダストリアル,2009年2月号(第41巻,第2号),産業開発機構(株),2009年2月1日,第15?20頁,ISSN:1346-1362)として示されているように、イントラ予測によって生成された予測画像のマクロブロック(予測ブロック)と逆量子化・逆変換の出力(画像入力のマクロブロックと、予測画像のマクロブロックの減算後の出力であることから、残差ブロックに相当)とを合成することは、ビデオ符号化における周知技術に過ぎない。
よって上記相違点は格別なものではない。

以上のとおり、上記相違点は格別なものではない。
そして、補正後の発明に関する作用・効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって、補正後の発明は公然知られた発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.結語
以上のとおり、本件補正は、補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は上記「第2 補正却下の決定」の「1.本願発明と補正後の発明」の項で「本願発明」として認定したとおりである。

2.引用発明
引用発明は、上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の「3.2 引用発明」の項で認定したとおりである。

3.対比・判断
そこで、本願発明と引用発明とを対比するに、本願発明は補正後の発明から、本件補正に係る構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成に本件補正に係る限定を付加した補正後の発明が、上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項で検討したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、補正後の発明から本件補正に係る限定を省いた本願発明も、同様の理由により、容易に発明できたものである。

第4.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、公然知られた発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶をすべきものである。

よって結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-09-02 
結審通知日 2015-09-08 
審決日 2015-09-24 
出願番号 特願2013-519730(P2013-519730)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保 光宏  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 豊島 洋介
清水 正一
発明の名称 サイズとイントラモードとに基づいて又はエッジ検出に基づいてイントラブロック符号化の周波数変換を適応させること  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 井上 正  
代理人 峰 隆司  
代理人 堀内 美保子  
代理人 野河 信久  
代理人 井関 守三  
代理人 砂川 克  
代理人 河野 直樹  
代理人 佐藤 立志  
代理人 福原 淑弘  
代理人 岡田 貴志  

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