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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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判定2016600042 | 審決 | 特許 |
判定2014600031 | 審決 | 特許 |
判定2015600021 | 審決 | 特許 |
判定2015600034 | 審決 | 特許 |
判定2014600041 | 審決 | 特許 |
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審決分類 |
審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) A23F |
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管理番号 | 1310763 |
判定請求番号 | 判定2015-600032 |
総通号数 | 195 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許判定公報 |
発行日 | 2016-03-25 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 2015-09-29 |
確定日 | 2016-02-12 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第5534268号の判定請求事件について,次のとおり判定する。 |
結論 | イ号製品は,特許第5534268号の請求項1ないし3,5及び6に係る発明の技術的範囲に属しない。 |
理由 |
1 請求の趣旨 本件判定の請求の趣旨は,被請求人らが販売している容器詰コーヒー飲料「スターバックス ブラックコーヒーパイクプレイス(R)ロースト」(ただし,「(R)」は丸付きのR(以下同様)。以下「イ号製品」という。)は,特許第5534268号の請求項1ないし3,5及び6に係る発明の技術的範囲に属する,との判定を求めるものである。 2 本件特許発明 本件特許の請求項1ないし3,5及び6に係る発明(以下,それぞれ「本件特許発明1」などといい,総称して「本件特許発明」という。)は,特許請求の範囲及び明細書の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1ないし3,5及び6に記載された事項により特定されるとおりのものであり,構成要件毎に分説すると次のとおりである。 (本件特許発明1) A QAL(キナ酸ラクトン)濃度X(ppm)含有量と,焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO)の含有量Y(ppm)との相関が下記式(1)を満たすことを特徴とする B 容器詰コーヒー飲料組成物。 (式1) Y < 2.89X + 300 (本件特許発明2) C QAL(キナ酸ラクトン)濃度X(ppm)含有量と,焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO)の含有量Y(ppm)との相関が下記式(2)を満たすことを特徴とする 請求項1記載の容器詰コーヒー飲料組成物。 (式2) Y > 1.09X + 100 (本件特許発明3) D 前記QAL濃度Xが300ppm未満であることを特徴とする 請求項1又は2に記載の容器詰コーヒー飲料組成物。 (本件特許発明5) E 前記焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO)の含有量Y(ppm)とカフェイン含有量B(mg/100ml)との比Y/Bが,下式(4)を満たすことを特徴とする 請求項1?請求項4いずれか1項に記載の容器詰コーヒー飲料組成物。 (式4) 1.0< Y/B < 25.0 (本件特許発明6) F 請求項1?請求項5いずれか1項に記載の容器詰コーヒー飲料組成物を含有する G 容器詰コーヒー飲料。 3 当事者の主張 (1) 請求人 ア イ号製品 請求人は,判定請求書添付「イ号説明書」において,イ号製品の分析結果(甲3号証)に基づき,イ号製品を次のとおり特定している。 商品名:スターバックス ブラックコーヒー パイクプレイス(R)ロースト 内容量:275g 構成: a.キナ酸ラクトン(QAL)の濃度Xが19.21ppmであり b.焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO)の含有量Yが151.75ppmであり, c.カフェインの含有量Bが73.401mg/100g(734.01ppm)であって, d.X,YがY<2.89X+300を満たし e.X,YがY>1.09X+100を満たし f.Y,Bが1.0<Y/B<25.0を満たす g.容器詰コーヒー飲料組成物であって, さらにこれを用いた h.容器詰コーヒー飲料である。 イ 充足性 イ号製品の構成a?hは,本件特許発明の構成要件A?Hを充足する。 (2) 被請求人ら ア 理由1 (ア) イ号製品 a 測定結果 「試験報告書」(甲3号証)には,「他社コーヒー飲料」を分析したとの記載があるのみで,実際にイ号製品を試験したものなのか不明である。 さらに,「試験報告書」には測定結果が記載されておらず,イ号説明書に数値が記載されているにすぎない。 また,サンプルの前処理方法,分析検体数,含有量の算出方法などが記載されていないから,かかる「試験報告書」を基にしたイ号説明書の数値をもって本件特許発明の技術的範囲に属するとの判定はなし得ない。 b 「コーヒー飲料組成物」と「コーヒー飲料」 構成要件AにおけるQAL(キナ酸ラクトン)濃度X(ppm)含有量と,焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO)の含有量Y(ppm)は,「コーヒー飲料組成物」についてのものであり,保存状態に供された「容器詰コーヒー飲料」についてではないところ,殺菌済み容器詰コーヒー飲料であり,既に保存状態に供されたイ号製品におけるそれらの数値を示すことによって,構成要件Aを充足するとはいえず,イ号製品は本件特許発明の技術的範囲に属するとはいえない。 「コーヒー飲料組成物」は,その後に殺菌処理されうるが,耐熱性を有する金属缶等を容器に用いる場合は,容器充填後に例えば121℃,10分のレトルト殺菌が行われるところ(前記2(2)ア(エ)),キナ酸ラクトンは加熱に伴って分解して減少するから(前記2(2)ア(オ)),キナ酸ラクトン量は「コーヒー飲料組成物」中に比べて「コーヒー飲料」中では低くなる。よって,「コーヒー飲料」であるイ号製品中のキナ酸ラクトン量を示すことで「コーヒー飲料組成物」に関する構成要件Aの充足性を判断することはできず,本件特許発明の技術的範囲に属しているとはいえない。 イ 理由2 被請求人らの分析によれば,イ号製品は本件特許発明の構成要件を充足せず,本件特許発明の技術的範囲に属しない(乙1号証)。 4 当審の判断 (1) 本件特許発明の用語について ア 本件特許発明1ないし本件特許発明5は,「容器詰コーヒー飲料組成物」であり,本件特許発明6は「容器詰コーヒー飲料」であるが,「容器詰コーヒー飲料組成物」,「容器詰コーヒー飲料」に関し,本件特許明細書には,以下の記載がある。 (ア) 「・・・その中でも,抽出したコーヒー液を缶,PETボトル等の容器に封入したRTD(Ready To Drink)形態の容器詰コーヒー飲料は,いつでも手軽にコーヒー飲料を楽しむことができるという利便性によって,清涼飲料市場においても,最も大きな市場規模を有し,消費者のニーズも多様化してきている。・・・」(【0002】) (イ) 「1.コーヒー飲料組成物 本実施形態においてコーヒー飲料組成物とは,原料となるコーヒー豆を所定時間焙煎した後に粉砕したものを,熱湯により抽出する抽出工程を経て得られる抽出液を単体若しくは複数種混合したものをいい,使用するコーヒー豆の品種についても,単独及び/又は2以上の豆種を混合して用いることができ,その混合比率も適宜変更することが可能である。・・・ 本願のうち,コーヒー飲料組成物にかかる発明の構成要素の各種数値は,コーヒー飲料組成物としての完成形態,即ちコーヒー飲料に調製する前の最終形態における値を示すものである。」(【0021】,【0022】) (ウ) 「3.コーヒー飲料 本実施形態にあって,コーヒー飲料とは,前記コーヒー飲料組成物を単独,若しくは2種以上を所定割合で混合して調整することにより得ることができる。 前記コーヒー飲料組成物から,コーヒー飲料を製造する場合は,前記の抽出工程に加え,凍結濃縮などの濃縮工程によって,前記コーヒー飲料組成物を濃縮して用いることもできる。 更に,前記濃縮工程に加え,濾過工程や遠心分離工程などの清澄化工程や,加熱殺菌,UV殺菌などの殺菌工程や,品質保持のための冷凍工程や乾燥工程や凍結乾燥工程などや,運搬の簡便性を図るための容器充填工程などを経ることができる。 また,本発明のコーヒー飲料には,本願発明の技術的範囲を逸脱しない限りにおいて,ショ糖,グルコース,フルクトース,キシロース,果糖ブドウ糖液,糖アルコール等の糖分の他,抗酸化剤,pH調整剤,乳化剤,香料,並びに生乳,牛乳,全粉乳,脱脂粉乳,生クリーム,濃縮乳,脱脂乳,部分脱脂乳,及び練乳等の乳成分といった添加物を添加することができるが,コーヒーらしいロースト感や重厚な香りさらに深いコクが得られ且つ舌に残る雑味が少ない好ましい香味バランスを具備したコーヒー飲料組成物及びこれを含有したコーヒー飲料を提供すると言う本願の趣旨を鑑みると,本実施形態におけるコーヒー飲料及び/または容器詰コーヒー飲料は,乳成分を添加しない所謂ブラックコーヒーであることが望ましい。」(【0024】,【0025】) (エ) 「4.容器 本実施形態に係るコーヒー飲料の容器としては,PETボトル,缶(アルミニウム,スチール),紙,プラスチック,レトルトパウチ,瓶(ガラス)等が挙げられる。レトルト殺菌処理への耐用性や加温販売などを考慮する場合には,缶(アルミニウム,スチール),若しくは強化層や酸素吸収層などを有する強化型プラスチック容器を用いることが望ましい。 本実施形態に係るコーヒー飲料の殺菌処理は,例えば金属缶のように容器に充填後加熱殺菌できる場合にあっては,食品衛生法に定められた殺菌条件で行われる。殺菌方法としては,レトルト殺菌等が挙げられる。 耐熱性を有する金属缶等を容器に用いる場合は,容器充填後に例えば121℃,10分のレトルト殺菌を実施することもできる。」(【0028】,【0029】) (オ) 「2.キナ酸ラクトン キナ酸ラクトンは,キノラクトン,若しくはキニドとも称され,キナ酸のカルボキシル基と水酸基が脱水結合することにより生成され,以下の化学式で表される。 キナ酸の環状部におけるエステル結合の配位位置によって,複数種が存在する。 以下は,1,5キノラクトンの構造を示すものである。 ・・・(化学式省略)・・・ 抽出液の加熱に伴って分解して減少する傾向にあることから,抽出液の熱履歴の指標ともなりうる。・・・」(【0014】,【0015】) イ 以上の記載によれば,次のことがわかる。 まず,本件特許発明における「コーヒー飲料組成物」とは,「原料となるコーヒー豆を所定時間焙煎した後に粉砕したものを,熱湯により抽出する抽出工程を経て得られる抽出液を単体若しくは複数種混合したもの」であって,「コーヒー飲料組成物としての完成形態,即ちコーヒー飲料に調製する前の最終形態」のものである。 「QAL(キナ酸ラクトン)濃度X(ppm)含有量」,「焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO)の含有量Y(ppm)」の数値は,このような「コーヒー飲料に調製する前の最終形態における値」である。 次に,本件特許発明における「コーヒー飲料」とは,「コーヒー飲料組成物を単独,若しくは2種以上を所定割合で混合して調整することにより得ることができる」もので,「コーヒー飲料組成物」から,「コーヒー飲料」を製造する場合は,「抽出工程」に加え,「凍結濃縮などの濃縮工程」,「濾過工程や遠心分離工程などの清澄化工程」,「加熱殺菌,UV殺菌などの殺菌工程」,「品質保持のための冷凍工程,乾燥工程,凍結乾燥工程」,「運搬の簡便性を図るための容器充填工程」などを経ることができ,「コーヒー飲料」には,「ショ糖,グルコース,フルクトース,キシロース,果糖ブドウ糖液,糖アルコール等の糖分の他,抗酸化剤,pH調整剤,乳化剤,香料,並びに生乳,牛乳,全粉乳,脱脂粉乳,生クリーム,濃縮乳,脱脂乳,部分脱脂乳,及び練乳等の乳成分といった添加物」を添加することができるものである。 つまり,「コーヒー飲料」とは,「コーヒー飲料組成物を単独,若しくは2種以上を所定割合で混合して調整することにより得ることができる」ものであり,「コーヒー飲料組成物」に対し,濃縮工程などを経たり,添加物を添加したりすることにより得ることができるものである。 そして,「容器詰コーヒー飲料」とは,上記「コーヒー飲料」 を缶,PETボトル等の容器に封入したもので,「容器詰コーヒー飲料組成物」とは,このような「容器詰コーヒー飲料」に調整する前の最終形態である「コーヒー飲料組成物」であると解される。 (2) イ号製品 ア イ号製品は,商品名「ブラックコーヒー パイクプレイス(R)ロースト」である飲料で,ボトル状の缶に詰められたコーヒーであって(甲1号証,甲5号証),原材料がコーヒー,pH調整剤,乳化剤,内容量が275gであり,ホット&コールド(HOT&COLD)兼用のものである(甲5号証)。 請求人が分析を行ったイ号製品は,「ブラックコーヒー パイクプレイス(R)ロースト」(ロット番号:VK/000F)1本(以下「イ号検体」という。)であるが,試験報告書(甲3号証)には,「B缶スターバックスブラック275H&C」についての分析結果が記載されている。上記のように,イ号製品は内容量が275gであり,ホット&コールド(HOT&COLD)兼用のものであるから,試験報告書(甲3号証)に係る分析結果は,イ号検体に係るものであると認められる。 そして,イ号製品のうち成分が立証されているのは,イ号検体のみであるから,以下においては,判定の対象としてイ号検体を特定する。 なお,イ号説明書によれば,キナ酸ラクトン(QAL)の濃度と焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO) の濃度は,本件特許明細書に規定された分析測定方法に基づいて測定され,カフェインの含有量については,イ号説明書に記載の分析測定方法に基づいて測定されたものである。 イ 試験報告書(甲3号証)には,「B缶スターバックスブラック275H&C」についての分析結果として,「RCPO」,「カフェイン」,「QAL」が,それぞれ「151.75」,「734.01」,「19.21」(ppm)であった旨記載されている。 ウ 以上によれば,イ号検体は,以下のとおり特定される(なお,有効数字の桁数は,特許請求の範囲の記載に合わせた。)。 「キナ酸ラクトン(QAL)濃度Xが19.21ppm,焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO)の含有量Yが151.75ppm,カフェインの含有量Bが73.401mg/100g(734.01ppm),すなわち, a.2.89X+300が356であり, b.原材料が,コーヒー,pH調整剤,乳化剤であるボトル缶詰コーヒー飲料であって,さらに, c.1.09X+100が121であり, d.Xが19ppmであり, e.Y/Bが2.1である。」 (3) イ号検体の充足性 ア 本件特許発明1について (ア) 構成要件Aについて イ号検体の構成aからすると,本件特許発明に係る式(1)の左辺が151.75で,右辺が356であるから,イ号検体は式(1)を満足する。しかしながら,イ号検体は,ボトル缶詰「コーヒー飲料」であって,本件特許発明1の「コーヒー飲料組成物」ではないから,イ号検体が式(1)を満足するとしても,本件特許発明1の構成要件Aを充足するものとはいえない。 すなわち,本件特許発明における「コーヒー飲料」とは,上記(1)イのとおり,「コーヒー飲料組成物を単独,若しくは2種以上を所定割合で混合して調整することにより得ることができる」ものであり,「凍結濃縮などの濃縮工程」,「濾過工程や遠心分離工程などの清澄化工程」,「加熱殺菌,UV殺菌などの殺菌工程」,「品質保持のための冷凍工程,乾燥工程,凍結乾燥工程」,「運搬の簡便性を図るための容器充填工程」などを経ることができるとともに,「ショ糖,グルコース,フルクトース,キシロース,果糖ブドウ糖液,糖アルコール等の糖分の他,抗酸化剤,pH調整剤,乳化剤,香料,並びに生乳,牛乳,全粉乳,脱脂粉乳,生クリーム,濃縮乳,脱脂乳,部分脱脂乳,及び練乳等の乳成分といった添加物」を添加することができるものであるから,調整後の「コーヒー飲料」であるイ号検体が式(1)を満足するとしても,イ号検体に係る調整前の「コーヒー飲料組成物」が式(1)を満足するものとはいえない。 また,他にイ号検体に係る「コーヒー飲料組成物」が構成要件Aを充足することについて主張・立証されてはいない。 したがって,イ号検体は構成要件Aを充足するものとはいえない。 (イ) 構成要件Bについて イ号検体は,原材料が,コーヒー,pH調整剤,乳化剤であるボトル缶詰コーヒー飲料(構成b)であるから,本件特許発明の「容器詰コーヒー飲料」に相当する(前記2(2)イ)。 これに対し,本件特許発明1は「容器詰コーヒー飲料組成物」であるから,イ号検体は構成要件Bを充足しない。 (ウ) 以上のとおり,イ号検体の構成が本件特許発明1の構成要件を充足しないから,文言上,イ号検体は本件特許発明1の技術的範囲に属しない。 (エ) なお,上記のとおり,構成要件AにおけるQAL(キナ酸ラクトン)濃度X(ppm)含有量と,焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO)の含有量Y(ppm)は,「コーヒー飲料組成物」についてのものである。 そして,「コーヒー飲料組成物」は,その後に殺菌処理が想定されており,耐熱性を有する金属缶等を容器に用いる場合は,容器充填後に例えば121℃,10分のレトルト殺菌が行われ得るが(前記2(2)ア(ウ),(エ)),その場合,キナ酸ラクトンは加熱に伴って分解して減少するから(前記2(2)ア(オ)),キナ酸ラクトン量は「コーヒー飲料組成物」中に比べて「コーヒー飲料」中では低くなる。 このような事情を踏まえると,「コーヒー飲料」に係るQAL(キナ酸ラクトン)濃度X(ppm)含有量から,当然に「コーヒー飲料組成物」に係るQAL(キナ酸ラクトン)濃度X(ppm)含有量を判断できるものではない,すなわち,ボトル缶詰「コーヒー飲料」であるイ号製品中のQAL(キナ酸ラクトン)濃度X(ppm)含有量から,「コーヒー飲料組成物」に関する構成要件Aの充足性を判断することはできない。 イ 本件特許発明2,本件特許発明3及び本件特許発明5について 上記ア(ア)に記載した理由と同様の理由により,イ号検体は,構成要件C,D,Eを充足するものとはいえない。 したがって,イ号検体は,本件特許発明2,本件特許発明3及び本件特許発明5の技術的範囲に属しない。 ウ 本件特許発明6について 上記のとおり,イ号検体は,本件特許発明の「容器詰コーヒー飲料」に相当するから,本件特許発明6の構成要件Gを充足するが,上記ア(ア),イのとおり,イ号検体に係る調整前の「コーヒー飲料組成物」は,構成要件A,C,D,Eを充足するものとはいえないから,イ号検体は,構成要件Fを充足するものとはいえない。 したがって,イ号検体は,本件特許発明6の技術的範囲に属しない。 (4) イ号検体以外のイ号製品の充足性 イ号検体以外のイ号製品は,イ号検体と同様に,少なくとも本件特許発明の構成要件Bを充足しないことは明らかである。 また,本件特許発明の構成要件A,C?Fについてもみても,被請求人による,イ号製品(イ号検体とはロット番号が異なる。)に係る焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO)の含有量Y(ppm)の分析結果(乙1号証)と,請求人によるそれとの間には大きな差があるなど,イ号製品の数値には製品によって相当程度のばらつきがあると解する余地があり,イ号検体1本の分析結果のみをもって,イ号製品が本件特許発明の構成要件A,C?Fを充足するとすることはできない。 よって,イ号製品は,本件特許発明の技術的範囲に属しているということはできない。 5 むすび 以上のとおり,イ号製品は本件特許発明の構成要件A?Fを充足しないから,イ号製品は,本件特許発明の技術的範囲に属しない。 よって,結論のとおり判定する。 |
判定日 | 2016-02-03 |
出願番号 | 特願2013-17677(P2013-17677) |
審決分類 |
P
1
2・
1-
ZB
(A23F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 北村 弘樹 |
特許庁審判長 |
鳥居 稔 |
特許庁審判官 |
山崎 勝司 窪田 治彦 |
登録日 | 2014-05-09 |
登録番号 | 特許第5534268号(P5534268) |
発明の名称 | コーヒー飲料組成物及びこれを含有するコーヒー飲料、並びに容器詰コーヒー飲料の製造方法及び容器詰コーヒー飲料の呈味改善方法。 |
代理人 | 山本 修 |
代理人 | 山本 修 |
代理人 | 早川 裕司 |
代理人 | 山本 修 |
代理人 | 田岡 洋 |
代理人 | 村雨 圭介 |