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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A63F
審判 訂正 1項3号刊行物記載 訂正する A63F
審判 訂正 特39条先願 訂正する A63F
審判 訂正 2項進歩性 訂正する A63F
管理番号 1310946
審判番号 訂正2015-390140  
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-04-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2015-12-10 
確定日 2016-02-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5343415号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5343415号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5343415号(以下、「本件特許」という。)は、平成20年6月18日に出願され、平成25年8月23日に特許権の設定登録がなされ、平成27年12月10日に本件訂正審判の請求がなされたものである。

第2 審判請求の趣旨
本件審判請求は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを求める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
本件特許の訂正内容は、次のとおりである(下線部は、訂正箇所を示す。)。

1 訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1における「前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透光部を有し、」を、「前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透過部を有し、」と訂正する。

2 訂正事項2
願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落【0005】における「前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透光部を有し、」を、「前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透過部を有し、」と訂正する。

第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的
訂正前の請求項1には、「前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透光部を有し、前記光透過部の前後方向および側面方向ごとに光透過率が共通のものであり、前記光透過部の前面側部位よりも側面側部位の方が光透過性が高い」と記載されていた。
このうち、「前記光透過部の前後方向および側面方向ごとに光透過率が共通のものであり、」という記載箇所における「前記光透過部」より前には、「透光性のある光透光部」は記載されていたものの、「前記光透過部」に対応すべき「光透過部」は記載されていなかった。そして、「透光性のある光透光部」が、光を透光させるものであるから、「光透過部」に対応する記載であると認められる。
また、訂正前の請求項1における「前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透光部を有し、」は、平成24年11月26日付け手続補正書により記載されたものであるところ、同日付意見書には、『上記の「前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透光部を有し」は、出願当初の明細書の段落「0111」の記載に基づきます。…すなわち、「透過性の薄膜」が本発明の「光透過部」に相当します。』と記載されている。ここで、意見書において、『「透過性の薄膜」が本発明の「光透過部」に相当します。』と記載されていることから、手続補正書においても、「光透光部」ではなく、「光透過部」と記載する意図があったことが推認できる。
さらに、本件特許明細書等の全体を見ると、「光『透過』性部材」や「第1?第3光『透過』性カバー410?430」等の光透過部に関する記載はあるが、光透光部に関する記載は見当たらない。
したがって、訂正前の請求項1の「前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透光部を有し、」において、「光『透光』部」は、「光『透過』部」の誤記であったといえる。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

(2)新規事項の追加の有無
訂正事項1における「表面処理により透光性のある光透過部」に関連して、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)において、明細書段落【0111】には、「第1?第3光透過性カバー410?430は、…透明部材に対してハーフ蒸着処理を施すことで、その表面に透過性(例えば、光透過率35%)の薄膜(例えば、金色の透過性の薄膜)を一様に形成し、」と記載されている。すなわち、当初明細書等には、「ハーフ蒸着処理を施すことで」「形成」された「透過性の薄膜」が記載されていた。
また、段落【0151】には、「複数個の光透過性部材は、同種の透光性のある表面処理が施されたものとしている…表面処理としては、所定の光透過率を確保した蒸着、電着、塗装などの処理が挙げられ、ハーフ蒸着やオーロラ電着が挙げられる。」と記載されている。すなわち、当初明細書等には、「ハーフ蒸着処理」は、「透光性のある表面処理」の一例であることが記載されていた。
したがって、当初明細書等には、「ハーフ蒸着処理を一例とした表面処理により形成された透光性のある透過性の薄膜」が記載されていた。
この「透光性のある透過性の薄膜」を単に「透光性のある光透過部」と言い換えることは、当初明細書等に記載したすべての事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無
訂正事項1によって、訂正前の「透光性のある光透光部」を、訂正後の「透光性のある光透過部」と訂正することは、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当するものであるとはいえないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件
ア 特許法第29条第1項第3号及び同条第2項
審判請求人は、審判請求書において、2つの公知文献を提示している。
そこで、本件訂正後の請求項1に係る発明(以下、「本件訂正発明」という。)と、より構成が近いと考えられる公知文献を刊行物1、他方を刊行物2とし、刊行物1に記載された発明と同一であるか否か、また、刊行物1に記載された発明及び刊行物2に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるか否かについて以下検討する。

刊行物1:特開2007-282850号公報
刊行物2:特開2007-275367号公報

(ア-1)刊行物1に記載された発明について
刊行物1には、
「遊技盤1に装飾材27がはめ込まれているパチンコ機において(段落【0025】、【0044】)、
装飾材27は、染料又は顔料で着色されていたり、或いは印刷により表面に着色されており、光を透過させてもよく(段落【0045】)、
複数の装飾材27が、一部を重なり合わせ、立体的に配置されて奥行き感が出る(段落【0046】)、
パチンコ機。」
が記載されている(以下、「引用発明1」という。)。

(ア-2)刊行物2に記載された発明について
刊行物2には、
「電飾部品40Uが設けられた遊技機において(段落【0025】、【0026】)、
電飾部品40Uの前面壁には、前側装飾透光部材42が嵌め込まれ(段落【0038】)、
前側装飾透光部材42は、共に青色の透光樹脂で構成された1対の板状透光部材42A,42Aを二枚重ねにして構成され(段落【0038】)、
板状透光部材42A,42Aを重ねた状態で透かして見ると、複数の海草が重なり合って濃淡が生じ、奥行きを感じさせている(段落【0038】)、
遊技機。」
が記載されている(以下、「引用発明2」という。)。

(対比)
本件訂正発明と引用発明1とを対比する。

引用発明1の「装飾材27」は、本件訂正発明の「装飾部材」に相当する。

引用発明1の「染料又は顔料で着色されていたり、或いは印刷により表面に着色されており、光を透過させてもよ」い「装飾材27」は、本件訂正発明の「表面処理が施された」「光透過性部材」に相当し、引用発明1の「装飾材27」は、本件訂正発明の「表面処理により透光性のある光透光部を有し」ているといえる。

引用発明1の「複数の装飾材27」は、本件訂正発明の「複数個の光透過性部材」に相当する。
また、引用発明1の「複数の装飾材27が、一部を重なり合わせ、立体的に配置されて奥行き感が出る」ことは、本件訂正発明の「前記複数個の光透過性部材を所定方向視においてそれらの一部が重なるように配設されて構成されたものであ」ることに相当する。

そうすると、本件訂正発明と引用発明1とを対比すると、以下の点で、両者は一致する。

「装飾部材を有する遊技機において、
前記装飾部材は、表面処理が施された複数個の光透過性部材を備え、且つ、前記複数個の光透過性部材を所定方向視においてそれらの一部が重なるように配設されて構成されたものであり、
前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透過部を有する、
遊技機。」

そして、以下の点で、両者は相違する。

(相違点)
本件訂正発明は、「前記光透過部の前後方向および側面方向ごとに光透過率が共通のものであり、前記光透過部の前面側部位よりも側面側部位の方が光透過性が高い」のに対して、引用発明1は、そのように特定されていない点。

(判断)
引用発明2(上記第4 1(4)ア(ア-2)を参照。)は、上記相違点に係る本件訂正発明の構成である「前記光透過部の前後方向および側面方向ごとに光透過率が共通のものであり、前記光透過部の前面側部位よりも側面側部位の方が光透過性が高い」構成を備えておらず、また刊行物2には、当該構成について記載も示唆もされていない。
したがって、本件訂正発明は、引用発明1と同一のものではなく、また、引用発明1及び2を組み合わせたとしても、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
よって、本件訂正発明は、特許法第29条第1項第3号に該当せず、また、同条第2項の規定により特許を受けることができないものとすることができない。

イ 特許法第39条第2項
本件特許に係る出願には、本件特許に係る出願の一部を、平成26年9月22日に新たな特許出願とした分割出願である特願2013-168583号と、さらに特願2013-168583号の一部を、平成27年11月6日に新たな特許出願とした分割出願である特願2015-126783号があるので、本件訂正発明がそれらの発明と同一であるか否かについても以下検討する。

(イ-1)特願2013-168583号について
特願2013-168583号は、平成27年7月3日付けで、特許第5768845号として特許権の設定登録がなされている。
特許第5768845号の特許請求の範囲には請求項1のみが記載されており、その請求項1は以下のとおりである。
「装飾部材を有する遊技機において、
前記装飾部材は、表面処理が施された光透過性部材を複数個備え、且つ、前記複数個の光透過性部材を所定方向視においてそれらの一部が重なるように配設されて構成されたものであり、
前記光透過性部材は、その前面側及び側面側に表面処理により透光性のある光透過部を有し、
前記光透過部は、その前面側部位よりも側面側部位の方が光透過性が高い
ことを特徴とする遊技機。」

本件訂正発明と、特許第5768845号の請求項1に係る発明とを対比すると、本件訂正発明が、「前記光透過部の前後方向および側面方向ごとに光透過率が共通のものであり、」という発明特定事項を含むのに対して、特許第5768845号の請求項1に係る発明は、その発明特定事項を含んでいない点で、両者は相違する。
本件訂正発明は、本件特許明細書の段落【0110】に、「第1?第3光透過性カバー410?430は、前記ハーフ蒸着によって、例えば、それぞれ全て前後方向についての光透過率が35%で一定となっており、側面側の光透過率が35%よりも高く(例えば、50%)なっており、」と記載されているように、3つの光透過部が、共通の前後方向の光透過率(35%)と、共通の側面方向の光透過率(例えば、50%)となっているものに対応する。
これに対して、特許第5768845号の請求項1に係る発明は、3つの光透過部が、共通の前後方向の光透過率と、共通の側面方向の光透過率となっているものに特定されておらず、本件特許明細書の段落【0135】(特許第5768845号の明細書の段落【0137】)に、「第1光透過性カバー410が光透過率が40%で一定であるものとし、第2光透過性カバー420が光透過率が30%で一定であるものとし、第3光透過性カバー430が光透過率が35%で一定であるものとしたり、」と記載されているように、それぞれの光透過部が、異なる光透過率(30%、35%、40%)となっていることを含むものである。
したがって、本件訂正発明と特許第5768845号の請求項1に係る発明とは同一のものではなく、本件訂正発明が特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができないものとすることができない。

(イ-2)特願2015-126783号について
平成27年11月6日付け手続補正書による特願2015-126783号の特許請求の範囲には請求項1及び2が記載されており、その請求項1及び2は以下のとおりである。
「【請求項1】
装飾部材を有する遊技機において、
前記装飾部材は、表面処理が施された光透過性部材を複数個備え、且つ、前記複数個の光透過性部材を所定方向視においてそれらの一部が重なるように配設されて構成されたものであり、
前記複数個の光透過性部材の裏面側から前面側に向けて光を発する発光手段を備え、
前記複数個の光透過性部材は、
前記発光手段の消灯時には、前記複数個の光透過性部材の一部を重ねることによって形成される装飾が遊技機正面視での前面側から視認可能となり、
前記発光手段の点灯時には、前記複数個の光透過性部材の一部を重ねることによって形成される装飾が遊技機正面視での前面側から視認し難い状態となるものである
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、前記表面処理は、ハーフ蒸着処理である
ことを特徴とする遊技機。」

本件訂正発明と、特願2015-126783号の請求項1に係る発明とを対比すると、本件訂正発明が、「前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透過部を有し、前記光透過部の前後方向および側面方向ごとに光透過率が共通のものであり、前記光透過部の前面側部位よりも側面側部位の方が光透過性が高い」という発明特定事項を含むのに対して、特願2015-126783号の請求項1に係る発明は、その発明特定事項を含んでいない点、また、特願2015-126783号の請求項1に係る発明が、「前記複数個の光透過性部材の裏面側から前面側に向けて光を発する発光手段を備え、前記複数個の光透過性部材は、前記発光手段の消灯時には、前記複数個の光透過性部材の一部を重ねることによって形成される装飾が遊技機正面視での前面側から視認可能となり、前記発光手段の点灯時には、前記複数個の光透過性部材の一部を重ねることによって形成される装飾が遊技機正面視での前面側から視認し難い状態となるものである」という発明特定事項を含むのに対して、本件訂正発明は、その発明特定事項を含んでいない点、の二点において、両者は相違する。
したがって、本件訂正発明と、特願2015-126783号の請求項1に係る発明とは、同一のものではない。また、特願2015-126783号の請求項2は、請求項1を引用するものであるから、本件訂正発明と、特願2015-126783号の請求項2に係る発明とが、同一のものではないことは明らかである。
よって、本件訂正発明が特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができないものとすることができない。

ウ 小括
上記ア及びイで検討したように、本件訂正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明であるとはいえないから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

2 訂正事項2について
(1)訂正の目的
訂正事項2は、本件特許請求の範囲の請求項1において、訂正事項1の訂正を行った結果、記載が一致しなくなった本件特許明細書の段落【0005】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正である。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張又は変更の有無
本件特許明細書の段落【0109】、【0111】、【0151】は、それぞれ、当初明細書等の明細書の段落【0109】、【0111】、【0151】と同一の記載がなされている。
したがって、訂正事項2は、訂正事項1に対する上記第4 1(2)での検討と同様に、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、また、上記第4 1(3)での検討と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

第5 むずび
以上のとおりであるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであり、同条第5項ないし第7項に規定する要件に適合するものであり、訂正事項2は、同条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、同条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤を備えている。一般的には、この遊技盤は、その正面視で略中央箇所に、識別情報を変動表示する液晶表示装置を備えるとともに、その液晶表示装置の下方位置に遊技球が入賞可能な始動口も備えている。例えば、始動口への遊技球の入賞(始動入賞)により、液晶表示装置に表示される識別情報が変動を開始し、それが段階的に停止表示し、最終的に停止した識別情報(図柄)の組合せによって抽選結果を遊技者に示唆している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2002-102462号公報(第3-4頁,第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば、その前面側にランプ部品やカバー部品などの装飾部品が取り付けられている。この装飾部品として、例えば、表面処理(例えば、蒸着処理)などを施すことで、一方部分を濃く他方部分を淡くした濃淡(グラデーション)をつけたものがある。このようなグラデーションのある装飾部品を大量生産する場合には、例えば濃淡をつける蒸着処理(あるいは塗装処理)制御しているため、個体差(ばらつき)が出るという問題があり、このような装飾部品間での色合いばらつきがあるものを使用してパチンコ機を製造した場合に、遊技場のパチンコ島に複数台のパチンコ機が並設された状態において、かかる色合いばらつきによって一部のパチンコ機が他のパチンコ機とは異なった印象を醸し出すという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡易な工程を用いて製造できる装飾性の高い装飾部品を備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
装飾部材を有する遊技機において、
前記装飾部材は、表面処理が施された複数個の光透過性部材を備え、且つ、前記複数個の光透過性部材を所定方向視においてそれらの一部が重なるように配設されて構成されたものであり、
前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透過部を有し、
前記光透過部の前後方向および側面方向ごとに光透過率が共通のものであり、前記光透過部の前面側部位よりも側面側部位の方が光透過性が高い
ことを特徴とする遊技機である。
【0006】
【0007】
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る遊技機によれば、簡易な工程を用いて製造できる装飾性の高い装飾部品を備えた遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の各種の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
【0011】
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J1として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
【0012】
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
【0013】
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。また、内枠12は、図1に示すように、樹脂ベース(図示省略)の前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
【0014】
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図2参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
【0015】
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸J1を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
【0016】
遊技盤30(図2参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースの裏面側に着脱自在に取り付けられる。
【0017】
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
【0018】
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
【0019】
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23と、に大別される。これらの下皿ユニット13と上皿ユニット21とガラス枠部23とは、図示省略のベース板体の前面側各箇所にそれぞれ取り付けられて前面枠セット14が構成されている。
【0020】
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で最下部箇所に固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。
【0021】
球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
【0022】
遊技球発射ハンドル18は、図1に示すように、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が図2に示す遊技盤30の遊技領域30aに打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力部24は、図1に示すように、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
【0023】
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の真上位置)に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で下部箇所に固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
【0024】
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101を備えている。
【0025】
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。ガラスユニット(図示省略)は、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
【0026】
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部300、第2電飾部302および第3電飾部304)を備えている。つまり、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部300(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部302(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部304(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
【0027】
本パチンコ機10では、第1電飾部300、第2電飾部302および第3電飾部304は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部300および第2電飾部302には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
【0028】
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
【0029】
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板でその左側の両角部が取れたような形状としており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて前面枠セット14の前方外側から視認可能な状態となっている。
【0030】
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33(例えば作動チャッカ)、第3の始動口34(例えばスルーゲート)および可変表示装置ユニット35を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34および可変表示装置ユニット35は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33に遊技球が入球し、当該入球が後述する図示省略の検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。
【0031】
また、始動入賞装置33は、図2に示すように、上から順に、第1の始動口33a(例えば作動チャッカ)と第2の始動口33b(例えば作動チャッカ)とが上下に配設された単一の入賞装置で構成されている。そして、上部側の第1の始動口33aには図示省略の第1の始動口33a用の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその第1の始動口33a用の作動口スイッチ(図示省略)により検出されるようになっている。また、下部側の第2の始動口33bには図示省略の第2の始動口33b用の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球をその第2の始動口33b用の作動口スイッチ(図示省略)により検出されるようになっている。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第2の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無く、それらの入球を個別に検出できるようになっている。
【0032】
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30の遊技領域30aには、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘(図示省略)が植設されている。
【0033】
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第3の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
【0034】
第1図柄表示装置40は、例えば、第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等する複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す、第3図柄表示装置42に画面表示される保留表示部40cと、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等する複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40d,40eと、このLED40d,40eでの変動表示の保留数を示す、第3図柄表示装置42に画面表示される保留表示部40fとを備えている。
【0035】
第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等するLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
【0036】
上記と同様に、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等するLED40d,40eは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40d,40eの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40d,40eの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40d,40eが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40d,40eが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40d,40eが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
【0037】
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
【0038】
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、第3図柄表示装置42に画面表示される保留表示部41cとを有し、遊技球が第3の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第2の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第3の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留表示部41cにて表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
【0039】
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、正面視した状態で第3図柄表示装置42の表示画面をほぼ囲むようにしてこの第3図柄表示装置42の前方側にセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
【0040】
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当りの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当りの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特定遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。つまり、本実施例のパチンコ機10は、遊技球の投入数(遊技球発射装置38による遊技球の遊技領域30aへの発射数)の方が、遊技球の賞球払出数(一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34などへの遊技球の入球に基づく賞球払出数)よりも多い通常遊技状態(遊技球消費状態)と、遊技球の賞球払出数の方が遊技球の投入数よりも多い特定遊技状態(例えば、大当り状態)とに状態変移可能なものである。
【0041】
より詳しくは、第1の始動口33aに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特定遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
【0042】
上記と同様に、第2の始動口33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40d,40eが変動表示され、その変動停止後のLED40d,40eの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特定遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40d,40eが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40d,40eが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40d,40eが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
【0043】
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当り状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。また、遊技球が第1の始動口33aを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留表示部40cにて表示されるようになっている。また、遊技球が第2の始動口33bを通過した回数も最大4回まで保留され、その保留回数が保留表示部40fにて表示されるようになっている。なお、保留表示部40c,40fは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示するものとしているが、保留ランプなどを用いて点灯表示するようにしても良い。
【0044】
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略縦楕円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
【0045】
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム54(図2に二点鎖線で示す部材)が位置するようになっている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図2に破線で示すように、外レール52の先端部から内レール51の右側先端部までは、内枠12に形成された壁部60(図2に破線で示す)が位置することにより、遊技領域30aが仕切られている。
【0046】
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
【0047】
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
【0048】
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
【0049】
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14の図示省略の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
【0050】
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台(図示省略)に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを、遊技盤30に取り付けられる別々の取付台(図示省略)に搭載してそれぞれユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を別の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
【0051】
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201?203の詳細な構成については後述する。
【0052】
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201?203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
【0053】
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,第2の始動口33bに対応する位置には第1の始動口33a用の作動口スイッチと第2の始動口33b用の作動口スイッチとがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第3の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第3の始動口34への遊技球の通過を当該ゲートスイッチで検出される。
【0054】
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
【0055】
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第2の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
【0056】
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
【0057】
第1制御基板ユニット201は、例えば略矩形状の取付台(図示省略)を上下2つ有し、遊技盤30の裏面側から見た状態での下側の取付台に主制御装置261が搭載され、上側の取付台にサブ制御装置262が搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース(図示省略)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(図示省略)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは、封印ユニット(図示省略)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス(図示省略)が封印されている。
【0058】
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
【0059】
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
【0060】
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
【0061】
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
【0062】
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
【0063】
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
【0064】
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路等を通じて上皿19に供給される。
【0065】
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
【0066】
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
【0067】
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
【0068】
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
【0069】
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
【0070】
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0071】
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
【0072】
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
【0073】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
【0074】
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0075】
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
【0076】
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
【0077】
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
【0078】
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
【0079】
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
【0080】
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
【0081】
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0082】
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
【0083】
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0084】
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
【0085】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
【0086】
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
【0087】
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
【0088】
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」?「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
【0089】
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
【0090】
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について説明する。
【0091】
前述したように本実施例のパチンコ機10は、図2を用いて前述したように、遊技盤30の略中央箇所に可変表示装置ユニット35が設けられ、この可変表示装置ユニット35は、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)を備えている。本実施形態では第3図柄表示装置42としてLCDを採用するが他の種類の画像表示装置(例えば、PDP:プラズマ・ディスプレイ・パネルや、EL:エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイや、有機ELなど)でもよい。
【0092】
また、可変表示装置ユニット35は、第3図柄表示装置42の表示画面をほぼ囲むようにして第3図柄表示装置42の前方側に配設されたセンターフレーム47も備えている。ここで、このセンターフレーム47の構造について、図6?図13を用いて、詳細に説明する。
【0093】
図6は、センターフレーム47の正面図である。図7は、センターフレーム47を後方左上から見た状態での分解斜視図である。図8は、センターフレーム47を前方右上から見た状態での分解斜視図である。図9は、図6でのA-A線断面図である。図10は、図6でのB-B線断面図である。図11は、グラデーション装飾部品400を構成する第1?第3光透過性カバー410?430の重なり位置関係を示す図である。図12は、グラデーション装飾部品400を後方左上から見た状態での要部分解斜視図である。図13は、グラデーション装飾部品400のグラデーションを示す図である。
【0094】
センターフレーム47は、図6に示すように、正面視で略中央箇所に位置する、第3図柄表示装置42の表示画面のほぼ全体を臨むことができる視認窓390と、この視認窓390の周囲箇所のうちで左横箇所から上部箇所を経て右横斜め下側箇所まで至る長さのグラデーション装飾部品400と、このグラデーション装飾部品400よりも外側に位置する飾り部440と、視認窓390の下部側に位置するステージ部450と、視認窓390の左横箇所から同左横斜め下側箇所まで位置し、ステージ部450へ遊技球を案内するワープ通路部460(遊技球案内通路)とを備えている。これらの構成について以下に説明する。
【0095】
<ワープ通路部460>
図6に示すように、センターフレーム47の右横箇所には、遊技領域30aからの遊技球が入球可能な入球口461が形成されており、この入球口461に入球した遊技球がワープ通路部460を通ってステージ部450まで案内されるようになっている。
【0096】
ワープ通路部460は、図6,図7に示すように、前面側に位置する前面側部材463と、この前面側部材463の裏面側に取り付けられる裏面側部材465とを備え、前面側部材463の裏面側に裏面側部材465を取り付けることで内部に遊技球の通路空間が形成され、上部側に入球口461が形成され、下部側に出球口462が形成されるものである。
【0097】
具体的には、前面側部材463は、図7,図8に示すように、横断面視でコの字状で裏面側に開口した通路溝部464が縦方向に形成された縦樋形状部材としている。また、裏面側部材465は、図7,図8に示すように、略板状部材となっており、前面側部材463の裏面側に取り付けられることで、前面側部材463の通路溝部464の開口部分を塞ぐようになっている。
【0098】
この前面側部材463は、透明(あるいは半透明)な部材としており、ワープ通路部460を通過する遊技球を遊技者が外部から視認できるようになっている。本実施例では、この前面側部材463は、例えば、光透過率が50%の透明樹脂成形品を採用している。なお、前面側部材463は、その少なくとも前面箇所を透明(あるいは半透明)としたものであってもよい。
【0099】
<ステージ部450>
ステージ部450は、ワープ通路部460を通して案内されてきた遊技球を揺動させる揺動通路部451と、この揺動通路部451の中央箇所での緩やかな勾配の凸部452に形成された第1排出口453と、揺動通路部451での凸部452の両側にそれぞれ位置する凹部454に形成された第2排出口456と、を備えている。
【0100】
第1排出口453は、図2に示すように、遊技盤30の始動入賞装置33の真上に位置しているため、揺動通路部451で揺動された遊技球を始動入賞装置33に向けて遊技球を排出するものである。また、第2排出口456は、図2に示すように、遊技盤30の始動入賞装置33の真上箇所よりも横方向に少しずれた箇所に位置しているため、第1排出口453から遊技球が排出される場合と比べて、始動入賞装置33への入賞し易さが劣るものである。
【0101】
<グラデーション装飾部品400>
グラデーション装飾部品400は、図6?図8に示すように、第1?第3光透過性カバー410?430を備え、且つ、この第1?第3光透過性カバー410?430を所定方向視(本実施例では前面視)においてそれらの一部が重なるように配設されて構成されたものである。
【0102】
具体的には、図6,図7に示すように、第1光透過性カバー410が奥側に位置し、図11,図13に示すように、この第1光透過性カバー410よりも手前側に一部が重なるようにして第2光透過性カバー420が位置し、図11,図13に示すように、この第2光透過性カバー420よりも手前側に一部が重なるようにして第3光透過性カバー430が位置している。
【0103】
例えば、図6に示すA-A線断面箇所では、図9に示すように、奥側に第1光透過性カバー410が位置し、その手前側に第2光透過性カバー420が位置している。また、図6に示すB-B線断面箇所では、図10に示すように、奥側に第1光透過性カバー410が位置し、その手前側に第2光透過性カバー420が位置し、さらにその手前側に第3光透過性カバー430が位置している。
【0104】
グラデーション装飾部品400は、図7,図10に示すように、その裏面側に、複数個のLED471(発光ダイオード)が点在配置されたLED実装基板470を備え、LED471からの光が裏面側の所定箇所(LED471に対応する箇所)に入射されて前面側から出射されることで発光態様となるものである。また、LED実装基板470でのLED471の発光とその停止はサブ制御装置262によって制御される。
【0105】
具体的には、図7に示すように、第1光透過性カバー410の裏面側に、LED実装基板470が設けられ、さらにこのLED実装基板470の裏面側に裏面カバー411が設けられている。
【0106】
図7に示すように、センターフレーム47の本体枠480は、その略中央箇所に、第1光透過性カバー410などが取り付けられる窪み部481を備え、この窪み部481の大部分を開口した開口部482を備えている。本体枠480の窪み部481に、裏面カバー411が取り付けられ、この裏面カバー411上にLED実装基板470が取り付けられ、このLED実装基板470上に第1光透過性カバー410が取り付けられるようになっている。また、ワープ通路部460も、LED実装基板470の正面視の左側箇所上に位置するようにしてセンターフレーム47に取り付けられる。
【0107】
続いて、窪み部481は、図7に示すように、その右側箇所に、一段上がった段差部483を備えており、この段差部483上にもう一つのLED実装基板470が取り付けられ、このLED実装基板470上に第2光透過性カバー420が段差部483に取り付けられる。なお、図10に示すように、本体枠480の窪み部481の段差部483にLED実装基板470が取り付けられているが、このLED実装基板470上の一部箇所に第1光透過性カバー410の一部が位置し、この第1光透過性カバー410よりも手前側に第2光透過性カバー420の一部が重なるように位置している。
【0108】
さらに、第3光透過性カバー430は、その略左半分が第1光透過性カバー410上の一部箇所に、右側部分が第2光透過性カバー420上の一部箇所に重なるようにして本体枠480に取り付けられる。そして、第3光透過性カバー430の上部で飾り部440に対して飾り部用前面カバー442が取り付けられる。
【0109】
第1?第3光透過性カバー410?430は、それぞれ同一の透過性のある表面処理(例えば、ハーフ蒸着)が施されたものである。
【0110】
つまり、第1?第3光透過性カバー410?430は、前記ハーフ蒸着によって、例えば、それぞれ全て前後方向についての光透過率が35%で一定となっており、側面側の光透過率が35%よりも高く(例えば、50%)なっており、それぞれ同色(例えば、金色)としている。
【0111】
具体的には、第1?第3光透過性カバー410?430は、元々、透明部材(透明樹脂成形品)であり、この透明部材に対してハーフ蒸着処理を施すことで、その表面に透過性(例えば、光透過率35%)の薄膜(例えば、金色の透過性の薄膜)を一様に形成し、光沢を持たせたものとしている。なお、光沢無しのハーフ蒸着処理を採用してもよい。
【0112】
また、グラデーション装飾部品400は、図10,図11に示すように、第1?第3光透過性カバー410?430の一部を重ね合わせ配置して構成されているので、このグラデーション装飾部品400の背後側に位置するLED実装基板470のLED471が消灯時には、図13に示すように、第1?第3光透過性カバー410?430が全て重なる箇所が最も濃く(図13での箇所OL3参照)、第1?第3光透過性カバー410?430のうちの2つが重なる箇所OL2(より具体的には、第1光透過性カバー410と第3光透過性カバー430とが重なる箇所や、第2光透過性カバー420と第3光透過性カバー430とが重なる箇所)がそれよりも淡く、第1?第3光透過性カバー410?430での全く重ならない箇所OL1が最も淡くなるというグラデーションを実現できる。また、グラデーション装飾部品400の背後側がLED471の消灯のため暗くなっているので、グラデーション装飾部品400の背後側が前面側から透けて見えないあるいは見え難くすることができる。
【0113】
これとは逆に、グラデーション装飾部品400の背後側に位置するLED実装基板470のLED471が点灯時には、グラデーション装飾部品400の背後側が明るくなるため、グラデーション装飾部品400の背後側が前面側から透けて見える。また、LED471の点灯時には、前述の第1?第3光透過性カバー410?430の重なりによるグラデーションはほとんど分からない状態となる。
【0114】
さらに、図12に示すように、第1?第3光透過性カバー410?430は、LED実装基板470と対向する箇所に、第3図柄表示装置42の表示画面の周囲方向に沿った複数本の凸部412,422,432が連接形成されている。
【0115】
さらに、図12に示すように、第1?第3光透過性カバー410?430は、LED実装基板470と対向する方向に延出した延出壁413,423,433を備え、この延出壁413,423,433は、その延出方向に沿った複数本の凸部414,424,434が当該延出壁413,423,433の幅に亘って形成されている。
【0116】
また、グラデーション装飾部品400の背後側に位置するLED実装基板470のLED471が消灯時には、図12に示すように、第1?第3光透過性カバー410?430は、その前面側よりも光透過率の高い延出壁413,423,433から拡散光が出射されるので、ステージ450や第3図柄表示装置42の表示画面の方を照らすことができ、特に、遊技盤30の遊技領域30aから突出して配置されている始動入賞装置33や一般入賞口31や可変入賞装置32も照らすことができる。
【0117】
また、第1?第3光透過性カバー410?430の複数本の凸部412,422,432や、第1?第3光透過性カバー410?430の延出壁413,423,433の複数本の凸部414,424,434は、断面視で円弧形状としているが、山形、半球状、V状、ギザギザ状、折れ直線、折れ曲線またはこれらの組み合わせの形状としてもよい。
【0118】
<視認窓390>
視認窓390は、図7に示すように、センターフレーム47の本体枠480の略中央箇所の窪み部481での開口部482と、この開口部482の周囲の所定箇所、つまり、左横箇所から上部箇所を経て右横斜め下側箇所までの長さのグラデーション装飾部品400と、本体枠480の左横箇所のワープ通路部460と、本体枠480のステージ部450とにより構成されている。
【0119】
なお、センターフレーム47は、図7,図8に示すように、その裏面側に透明板485が取り付けられるようになっており、視認窓390が透明板485で完全に塞がれるため、遊技領域30aを流下する遊技球がセンターフレーム47の視認窓390の方へ勢いよく入ってきた場合でも、その遊技球が透明板485によって遮られてそれ以上奥側に侵入できないようになっており、第3図柄表示装置42の表示画面に遊技球が当たることを防止でき、さらに、不正な細状部材を視認窓390から挿入するような不正行為も低減することができる。
【0120】
<飾り部440>
飾り部440は、図7に示すように、センターフレーム47の本体枠480での窪み部481よりも上側の領域部分であって遊技に関する表示を行う表示部441と、この表示部441を覆う飾り部用前面カバー442とを備えている。この飾り部440の表示部441は、図2に示すように第1図柄表示装置40および第2図柄表示装置41も備えている。
【0121】
なお、上述したグラデーション装飾部品400が本発明における装飾部材に相当し、上述した第1?第3光透過性カバー410?430が本発明における複数個の光透過性部材に相当し、上述した第3図柄表示装置42が本発明における表示手段に相当し、上述したLED471およびLED実装基板470が本発明における発光手段に相当し、上述したサブ制御装置262が本発明における制御手段に相当し、上述したLED471が本発明における発光部に相当する。
【0122】
グラデーション装飾部品400の消灯時のグラデーション表示から点灯表示の変更(点滅表示も含む)は、以下の条件や状態時に実行するなどしてもよい。
【0123】
・遊技状態の設定に応じた点灯表示(点滅表示)
第1図柄表示装置40での第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態が発生し、その両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示すことになるが、これらは主制御基板261での大当り抽選の結果に応じて行われており、遊技状態の抽選結果(確変大当りや通常大当りあるいはその一方のみ)に応じて、グラデーション装飾部品400を点灯表示(点滅表示)させるようにしてもよい。こうすることで遊技者の興趣を一層盛り上げる演出が可能となる。
【0124】
・演出の種類の設定に応じた点灯表示(点滅表示)
演出の種類(例えば、パチンコ機では、スペシャルリーチやスーパーリーチなどのリーチ演出の種類)の設定(抽選)に応じて、グラデーション装飾部品400を点灯表示(点滅表示)させることができる。主制御基板261では、大当り抽選の他に、大当り抽選が外れであり、且つ、あと一つの第3図柄が揃わずに外れとなることを示すリーチ演出の抽選を行う機能も備えている。例えば、スペシャルリーチに当選した場合に、グラデーション装飾部品400を点灯表示(点滅表示)させるようにしてもよい。
【0125】
・デモ表示時の点灯表示(点滅表示)
パチンコ機10が遊技者に遊技されていない場合(非遊技中の場合)、グラデーション装飾部品400を点灯表示(点滅表示)させる(いわゆるデモ用点灯)ようにしてもよい。例えば、カードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)が挿入されておらず、遊技球発射ハンドル18が遊技者に回動操作されていない状態の時にグラデーション装飾部品400を点灯表示(点滅表示)によるデモ用点灯をする。パチンコ機10に遊技者が居ない場合に、ホール内の周囲の遊技者の気を引くことができ、パチンコ機10のホールでの稼働率を挙げることができる。
【0126】
・エラー時の点灯表示(点滅表示)
パチンコ機10にエラーが発生していると判定された場合に、グラデーション装飾部品400を点灯表示(点滅表示)させることで、エラーに関する情報を表示させることができる。
【0127】
・遊技者の操作による点灯表示(点滅表示)
遊技者のボタン操作などに応じて、グラデーション装飾部品400を点灯表示(点滅表示)されるようにしてもよい。
【0128】
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、グラデーション装飾部品400は、第1?第3光透過性カバー410?430を備え、且つ、当該第1?第3光透過性カバー410?430を所定方向視(例えば前面視)においてそれらの一部が重なるように配設されて構成されたものである。この第1?第3光透過性カバー410?430は、その部材ごとに光透過率が一定のものとしている。したがって、グラデーション装飾部品400を前面視した場合において、グラデーション装飾部品400を構成する第1?第3光透過性カバー410?430での重なりが多い箇所ほど濃くなり、重なりが少ない箇所ほど淡くなるというグラデーションを有するグラデーション装飾部品400を実現することができる。また、これらの第1?第3光透過性カバー410?430は、その第1?第3光透過性カバー410?430ごと(光透過性部材ごと)に光透過率が一定としているので、光透過性部材自体を一定の光透過率のものとして製造できることから、単一部品自体にグラデーションをつけて製造する場合に比べて、製造が簡易になる。例えば、同種の光透過性部材間(つまり、同一光透過率の光透過性部材間)の個体差を低減できる。よって、この第1?第3光透過性カバー410?430からなるグラデーション装飾部品400同士での色合いばらつきを低減でき、第1?第3光透過性カバー410?430の一部を重ね合わせているので、階調感のあるグラデーション装飾部品400(装飾部品)とすることができる。その結果、簡易な工程を用いて製造できる装飾性の高い装飾部品を備えた遊技機を提供することができる。
【0129】
また、第1?第3光透過性カバー410?430は、同色のものとしているので、同色でのグラデーションを実現でき、単一色にもかかわらず色の深みを持たせたグラデーション装飾部品400を実現でき、グラデーション装飾部品400同士での色合いのばらつきを低減できる。よって、このグラデーション装飾部品400を用いた遊技機を複数台並べた状態においても、グラデーション装飾部品400の色合いのばらつきが原因で一部の遊技機が他の遊技機とは異なった印象を醸し出すという問題を低減できる。
【0130】
また、第1?第3光透過性カバー410?430は、同種の表面処理(本実施例ではハーフ蒸着)が施されたものとしているので、第1?第3光透過性カバー410?430に対して、種類の異なる表面処理をする必要がなく、同種の表面処理をするだけでよいので、同種の表面処理設備(ハーフ蒸着設備)を備えるだけでよく、初期の設備投資を少なくすることができる。
【0131】
また、グラデーション装飾部品400は、正面視で第3図柄表示装置42の表示画面の周囲の所定箇所に配設され、その裏面側にLED実装基板470が配設され、LED実装基板470のLED471からの光が裏面側の所定箇所に入射されて前面側の所定箇所から出射されることで発光態様となる。サブ制御装置262は、LED471の発光とその停止を制御する。したがって、LED471が発光すると、グラデーション装飾部品400の裏側が明るくなり、グラデーション装飾部品400の裏面が透けて見える。また、LED471が消灯すると、グラデーション装飾部品400の裏側が暗くなり、グラデーション装飾部品400の裏側が透けて見えないあるいは見え難くすることができる。
【0132】
また、LED実装基板470は、複数個のLED471が点在配置されたものであり、グラデーション装飾部品400の裏面側に設けられている。第1?第3光透過性カバー410?430は、LED実装基板470と対向する箇所に、表示画面の周囲方向に沿った複数本の凸部412,422,432が形成されている。したがって、グラデーション装飾部品400の裏面側の発光部からの光は、複数本の凸部412,422,432の並び方向に引き伸ばされ、グラデーション装飾部品400を前面視した状態で複数個のLED471の存する各箇所に放射状に発光する発光筋をそれぞれ形成することができる。
【0133】
また、第1?第3光透過性カバー410?430は、LED実装基板470と対向する方向に延出した延出壁413,423,433を備え、この延出壁413,423,433は、その延出方向に沿った複数本の凸部414,424,434が当該延出壁413,423,433の幅に亘って形成されている。したがって、グラデーション装飾部品400の裏面側のLED471からの光は、延出壁413,423,433での複数本の凸部414,424,434の並び方向に引き伸ばされ、つまり、延出壁413,423,433の幅全体に亘って発光させることができる。
【0134】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
【0135】
<1>上述した実施例では、第1?第3光透過性カバー410?430を全て光透過率が35%で一定のものとしているが、第1?第3光透過性カバー410?430ごとに光透過率が一定としてもよい。例えば、第1光透過性カバー410が光透過率が40%で一定であるものとし、第2光透過性カバー420が光透過率が30%で一定であるものとし、第3光透過性カバー430が光透過率が35%で一定であるものとしたり、第1光透過性カバー410および第3光透過性カバー430が光透過率が35%で一定であるものとし、第2光透過性カバー420が光透過率が30%で一定であるものとしたりするなど、種々の組合せを採用してもよい。
【0136】
また、1回または複数回のハーフ蒸着工程によって、所定の光透過率の第1?第3光透過性カバー410?430をそれぞれ製造してもよい。また、第1?第3光透過性カバー410?430ごとにハーフ蒸着工程の回数を異ならせることで、各光透過率(濃度)を異ならせるようにしてもよい。例えば、第1光透過性カバー410を1回のハーフ蒸着(あるいは吹き付け塗装など)をすることによって光透過率35%とし、第2光透過性カバー420を2回のハーフ蒸着(あるいは吹き付け塗装など)をすることによって光透過率35%より低くすることが挙げられる。
【0137】
<2>上述した実施例では、第1?第3光透過性カバー410?430を同色としているが、第1?第3光透過性カバー410?430を同系色としてもよい。この場合には、同系色でのグラデーションを実現でき、同系色でかつ濃淡を有するという色の深みを持たせたグラデーション装飾部品400を実現でき、グラデーション装飾部品400同士での色合いのばらつきを低減できる。よって、このグラデーション装飾部品400を用いた遊技機を複数台並べた状態においても、グラデーション装飾部品400の色合いのばらつきが原因で一部の遊技機が他の遊技機とは異なった印象を醸し出すという問題を低減できる。
【0138】
<3>上述した実施例では、第1?第3光透過性カバー410?430はハーフ蒸着による表面処理を施しているが、他の蒸着や電着や塗装などを施すようにしてもよい。
【0139】
<4>上述した実施例では、グラデーション装飾部品400の裏面側にLED実装基板470を設けているが、小型の電球やランプなど各種の発光部品や発光素子を採用してもよい。また、LED実装基板470のLED471の発光をサブ制御装置262で発光制御しているが、主制御装置261や表示制御装置45で発光制御するようにしてもよい。
【0140】
<5>上述した実施例では、第1?第3光透過性カバー410?430は、LED実装基板470と対向する箇所に、表示画面の周囲方向に沿った複数本の凸部412,422,432を形成しているが、この凸部412,422,432に替えて凹部を採用しても、同様の効果が得られる。また、第1?第3光透過性カバー410?430のうちの少なくとも一つに凸部412,422,432または凹部を形成するようにしてもよい。
【0141】
<6>上述した実施例では、第1?第3光透過性カバー410?430は、LED実装基板470と対向する方向に延出した延出壁413,423,433を備え、この延出壁413,423,433は、その延出方向に沿った複数本の凸部414,424,434を当該延出壁413,423,433の幅に亘って形成したものとしているが、この凸部414,424,434に替えて凹部を採用しても、同様の効果が得られる。また、第1?第3光透過性カバー410?430のうちの少なくとも一つに凸部414,424,434または凹部を形成するようにしてもよい。
【0142】
<7>上述した実施例では、センターフレーム47にグラデーション装飾部品400を設けるようにしているが、例えば、前面枠セット14の所定箇所や、遊技盤30の所定箇所など、センターフレーム47以外の部材や部品に設けるようにしてもよい。
【0143】
<8>また、第1?第3光透過性カバー410?430を構成する樹脂自体の透明度や色度を異ならせるようにしてもよい。例えば、樹脂の色を混ぜわせるようにしてもよいし、樹脂の厚みを異なるようにしてもよい。また、樹脂の厚みや凹凸で見た目の印象を異なるようにしてもよい。
【0144】
<9>上述した実施例では、パチンコ機を例に挙げて説明しているが、スロットマシンにも適用可能である。
【0145】
<10>上述した実施例では、本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0146】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0147】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(0) 装飾部材を有する遊技機において、
前記装飾部材は、表面処理が施された複数個の光透過性部材を備え、且つ、前記複数個の光透過性部材を所定方向視においてそれらの一部が重なるように配設されて構成されたものであり、
前記複数個の光透過性部材は、その部材ごとに光透過率が共通の透光性のある表面処理が施されたものである
ことを特徴とする遊技機である。
前記(0)に記載の発明によれば、装飾部材は、表面処理が施された複数個の光透過性部材を備え、且つ、当該複数個の光透過性部材を所定方向視においてそれらの一部が重なるように配設されて構成されたものである。この複数個の光透過性部材は、その部材ごとに光透過率が共通の透光性のある表面処理が施されたものとしている。したがって、装飾部材を前記の所定方向視した場合において、装飾部材を構成する複数個の光透過性部材での重なりが多い箇所ほど濃くなり、重なりが少ない箇所ほど淡くなるというグラデーションを有する装飾部材を実現することができる。また、これらの光透過性部材は、その光透過性部材のごとに光透過率が共通(例えば、一定)の透光性のある表面処理が施されたものとしているので、光透過性部材自体を共通(例えば、一定)の光透過率のものとして製造できることから、単一部品自体にグラデーションをつけて製造する場合に比べて、製造が簡易になる。例えば、同種の光透過性部材間(つまり、同一光透過率の光透過性部材間)の個体差を低減できる。よって、この複数個の光透過性部材からなる装飾部材同士での色合いばらつきを低減でき、光透過性部材の一部を重ね合わせているので、階調感のある装飾部品とすることができる。その結果、簡易な工程を用いて製造できる装飾性の高い装飾部品を備えた遊技機を提供することができる。
なお、光透過性部材は、その部位によって光透過方向性がある方が好ましい。例えば、光透過性部材の前面側部位よりも側面側部位の方が光透過性が良いようにすることが挙げられる。この場合には、装飾部材の前面視では光透過性部材の一部の重なりによってグラデーションをつけることができ、装飾部材の側面つまり光透過性部材の側面側部位は光透過性が前面側部位よりも良いため、側面から出射された光でその周囲を照らすことができる。
【0148】
(1) 前記(0)に記載の遊技機において、
前記複数個の光透過性部材は、同色または同系色のものであることを特徴とする遊技機。
【0149】
前記(1)に記載の発明によれば、複数個の光透過性部材は、同色または同系色のものとしている。したがって、複数個の光透過性部材を同色とした場合には、同色でのグラデーションを実現でき、単一色にもかかわらず色の深みを持たせた装飾部材を実現でき、装飾部材同士での色合いのばらつきを低減できる。よって、この装飾部材を用いた遊技機を複数台並べた状態においても、装飾部材の色合いのばらつきが原因で一部の遊技機が他の遊技機とは異なった印象を醸し出すという問題を低減できる。また、複数個の光透過性部材を同系色とした場合には、同系色でのグラデーションを実現でき、同系色でかつ濃淡を有するという色の深みを持たせた装飾部材を実現でき、装飾部材同士での色合いのばらつきを低減できる。よって、この装飾部材を用いた遊技機を複数台並べた状態においても、装飾部材の色合いのばらつきが原因で一部の遊技機が他の遊技機とは異なった印象を醸し出すという問題を低減できる。
【0150】
(2)前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)に記載の遊技機において、
前記複数個の光透過性部材は、同種の透光性のある表面処理が施されたものであることを特徴とする遊技機。
【0151】
前記(2)に記載の発明によれば、複数個の光透過性部材は、同種の透光性のある表面処理が施されたものとしているので、複数個の光透過性部材に対して、種類の異なる表面処理をする必要がなく、同種の表面処理をするだけでよいので、同種の表面処理設備を備えるだけでよく、初期の設備投資を少なくすることができる。例えば、この表面処理としては、所定の光透過率を確保した蒸着、電着、塗装などの処理が挙げられ、ハーフ蒸着やオーロラ電着が挙げられる。
【0152】
(3)前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技盤の遊技領域の所定箇所に配設され、遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を知らせるための識別情報を変動表示する表示手段と、
を備え、
前記装飾部材は、正面視で前記表示手段の表示画面の周囲の所定箇所に配設され、その裏面側に発光手段が配設され、前記発光手段からの光が裏面側の所定箇所に入射されて前面側の所定箇所から出射されることで発光態様となるものであり、
前記発光手段の発光とその停止を制御する制御手段を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【0153】
前記(3)に記載の発明によれば、遊技盤は、遊技球が打ち込まれる遊技領域を有する。表示手段は、遊技盤の遊技領域の所定箇所に配設され、遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を知らせるための識別情報を変動表示する。装飾部材は、正面視で前記表示手段の表示画面の周囲の所定箇所に配設され、その裏面側に発光手段が配設され、発光手段からの光が裏面側の所定箇所に入射されて前面側の所定箇所から出射されることで発光態様となる。制御手段は、発光手段の発光とその停止を制御する。したがって、発光手段が発光すると、装飾部材の裏側が明るくなり、装飾部材の裏面が透けて見える。また、発光手段での発光が停止すると、装飾部材の裏側が暗くなり、装飾部材の裏側が透けて見えないあるいは見え難くすることができる。
【0154】
(4) 前記(3)に記載の遊技機において、
前記装飾部材の裏面側に、前記発光手段を構成する複数個の発光部が点在配置された発光部実装部材を備え、
前記複数個の光透過性部材のうちの少なくとも一つの光透過性部材は、前記発光部実装部材と対向する箇所に、前記表示画面の周囲方向に沿った複数本の凸部または凹部が形成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0155】
前記(4)に記載の発明によれば、発光部実装部材は、発光手段を構成する複数個の発光部が点在配置されたものであり、装飾部材の裏面側に設けられている。複数個の光透過性部材のうちの少なくとも一つの光透過性部材は、発光部実装部材と対向する箇所に、表示画面の周囲方向に沿った複数本の凸部または凹部が形成されている。したがって、装飾部材の裏面側の発光部からの光は、複数本の凸部または凹部の並び方向に引き伸ばされ、装飾部材を前面視した状態で複数個の発光部の存する各箇所に放射状に発光する発光筋をそれぞれ形成することができる。
【0156】
(5) 前記(4)に記載の遊技機において、
前記複数個の光透過性部材のうちの少なくとも一つの光透過性部材は、前記発光部実装部材と対向する方向に延出した延出壁を備え、前記延出壁は、その延出方向に沿った複数本の凸部または凹部が当該延出壁の幅に亘って形成されている
ことを特徴とする遊技機。
【0157】
前記(5)に記載の発明によれば、複数個の光透過性部材のうちの少なくとも一つの光透過性部材は、発光部実装部材と対向する方向に延出した延出壁を備え、この延出壁は、その延出方向に沿った複数本の凸部または凹部が当該延出壁の幅に亘って形成されている。したがって、装飾部材の裏面側の発光部からの光は、延出壁での複数本の凸部または凹部の並び方向に引き伸ばされ、つまり、延出壁の幅全体に亘って発光させることができる。
【0158】
(6) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0159】
前記(6)に記載の遊技機によれば、グラデーションのある装飾部品間での色合いばらつきを低減したパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0160】
(7) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0161】
前記(7)に記載の遊技機によれば、グラデーションのある装飾部品間での色合いばらつきを低減したスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0162】
(8) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0163】
前記(8)に記載の遊技機によれば、グラデーションのある装飾部品間での色合いばらつきを低減した、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【産業上の利用可能性】
【0164】
以上のように、この発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に適している。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】
本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】
遊技盤の構成を示す正面図である。
【図3】
パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図4】
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】
第3図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。
【図6】
実施例のセンターフレームの正面図である。
【図7】
実施例のセンターフレームを後方左上から見た状態での分解斜視図である。
【図8】
実施例のセンターフレームを前方右上から見た状態での分解斜視図である。
【図9】
図6でのA-A線断面図である。
【図10】
図6でのB-B線断面図である。
【図11】
グラデーション装飾部品を構成する第1?第3光透過性カバーの重なり位置関係を示す図である。
【図12】
グラデーション装飾部品を後方左上から見た状態での要部分解斜視図である。
【図13】
図13は、グラデーション装飾部品のグラデーションを示す図である。
【符号の説明】
【0166】
30 …遊技盤
30a…遊技領域
42 …第3図柄表示装置(表示手段)
262 …サブ制御装置(制御手段)
400 …グラデーション装飾部品(装飾部材)
410 …第1光透過性カバー(光透過性部材)
412 …凸部
413 …延出壁
414 …凸部
420 …第2光透過性カバー(光透過性部材)
422 …凸部
423 …延出壁
424 …凸部
430 …第3光透過性カバー(光透過性部材)
432 …凸部
433 …延出壁
434 …凸部
470 …LED実装基板(発光部実装部材)
471 …LED(発光部)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾部材を有する遊技機において、
前記装飾部材は、表面処理が施された複数個の光透過性部材を備え、且つ、前記複数個の光透過性部材を所定方向視においてそれらの一部が重なるように配設されて構成されたものであり、
前記複数個の光透過性部材は表面処理により透光性のある光透過部を有し、
前記光透過部の前後方向および側面方向ごとに光透過率が共通のものであり、前記光透過部の前面側部位よりも側面側部位の方が光透過性が高い
ことを特徴とする遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2016-01-19 
結審通知日 2016-01-21 
審決日 2016-02-03 
出願番号 特願2008-158968(P2008-158968)
審決分類 P 1 41・ 856- Y (A63F)
P 1 41・ 113- Y (A63F)
P 1 41・ 852- Y (A63F)
P 1 41・ 121- Y (A63F)
P 1 41・ 4- Y (A63F)
最終処分 成立  
特許庁審判長 本郷 徹
特許庁審判官 長崎 洋一
遠藤 孝徳
登録日 2013-08-23 
登録番号 特許第5343415号(P5343415)
発明の名称 遊技機  
代理人 杉谷 勉  
代理人 杉谷 勉  

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