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審決分類 |
審判 訂正 特36条4項詳細な説明の記載不備 訂正する A61K 審判 訂正 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 訂正する A61K |
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管理番号 | 1313283 |
審判番号 | 訂正2015-390120 |
総通号数 | 198 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-06-24 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2015-11-09 |
確定日 | 2016-02-18 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5629684号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5629684号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第5629684号に係る特許出願(特願2011-521524)は、平成21年7月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2008年8月7日 米国)を国際出願日として出願され、平成26年10月10日に特許権の設定登録がされ、平成27年11月9日に本件訂正審判の請求がされた。 2.請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5629684号の明細書、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正すること、すなわち下記訂正事項に係る訂正を求めるものである。 3.訂正事項 訂正事項は以下のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1において、「10Kpa・s」とあるのを、「10Kcps」と訂正するとともに、請求項1を引用する請求項2も同様に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3において、「10Kpa・s」とあるのを、「10Kcps」と訂正するとともに、請求項3を引用する請求項4?6も同様に訂正する。 (3)訂正事項3 願書に添付した明細書の段落【0002】、【0011】、【0012】、【0014】、【0015】、【0018】、【0069】、及び【0113】において、「Kps」又は「Kpa・s」とあるのを、それぞれ「Kcps」と訂正する。 (4)訂正事項4 願書に添付した明細書の段落【0069】において、「25または」とあるのを、「25または50」と訂正する。 4.当審の判断 (1)訂正の目的について (特許法第126条第1項ただし書) ア)訂正事項1について 本件訂正前明細書(特許明細書)には、本件発明に用いられるワセリンについて、特定の製造条件、製造原料等により得られる特殊なワセリンであることは記載されておらず、実施例では「Snow White Petrolatum」というPenreco社から市販されているものを用いる旨記載されていることからも、本件発明に用いられるワセリンは、市販されている、通常のワセリンであるといえる。 そして、本件訂正前請求項1には、「b.・・・32℃で10Kpa・sの最小粘度を有するワセリン・・・」と規定されているが、請求人が審判請求書に添付して提出した甲2号証の 「結果: ワセリン「Snow White」の粘度は、オーバーヘッド撹拌機による撹拌直後で11,800cps(11.8Kcps)、さらなる撹拌を行わずに33℃のウォーターバスで保存後の粘度は11,200cps(11.2Kcps)であった。 当該実験結果は、ワセリン「Snow White」の粘度が本件特許の請求項1に規定される「10KPa・s」という数値(10,000Kcpsに相当)とは大きく異なることを明確に示すものである。」 との記載からみて、通常のワセリンが、32℃で10Kpa・sの最小粘度を有するとの規定は、技術常識に反するものであると認識できる。 それに加え、本件訂正前請求項1の「10Kpa.s」は、願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項1で記載されていた「10Kps」を、審査段階において、「Kps」が粘度の単位として不明確である点を指摘されたことに対して補正したものであることに鑑みると、「10Kpa・s」は、その数値に誤りがあるのではなく、その単位に誤りがあると理解するのが自然である。 そして、「Kpa・s」が何の誤記であったかについて検討するに、粘度の単位に関連して、本件訂正前明細書には、「Kpa・s」以外に、「cps」(【0026】、【0076】、【0115】、【0128】)を用いることが記載されているところ、通常のワセリンが、32℃で10,000cps、即ち10Kcpsのオーダーを有することは、上記請求人が審判請求書に添付して提出した甲2号証の記載にあるとおり、技術常識である。 また、その他に、本件訂正前明細書には、粘度の単位についての記載はない。 以上より、本件訂正前明細書、願書に最初に添付した特許請求の範囲、審査経緯、及び技術常識からみて、特許請求の範囲の請求項1に係る発明が、「b.・・・32℃で10Kcpsの最小粘度を有するワセリン・・・」に関する発明であるとして当業者に認識されることは明らかであるから、上記のとおり、粘度の単位に誤りのあることが明らかな特許請求の範囲の請求項1の「10Kpa・s」を、「10Kcps」に訂正することは、誤記の訂正とみることができる。 請求項1を引用する請求項2についても、誤記の訂正とみることができる。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 b)訂正事項2について 特許請求の範囲の請求項3の「10Kpa・s」を、「10Kcps」に訂正することは、上記a)で検討したとおり、誤記の訂正とみることができる。 請求項3を引用する請求項4?6についても同様に、誤記の訂正とみることができる。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 c)訂正事項3について 訂正事項3の「Kps」又は「Kpa・s」とあるのを、それぞれ「Kcps」と訂正するのは、上記a)で検討したとおり、誤記の訂正とみることができる。 よって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 d)訂正事項4について 訂正事項4の「25または」とあるのを、「25または50」と訂正するのは、願書に最初に添付した明細書の【0069】には「25または50」と記載されていたものが、平成26年2月10日付け手続補正書における補正において「50」が欠落したことにより、「25または」となっていた誤記を、「25または50」に訂正するものである。 よって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 (2)新規事項追加について(特許法第126条第5項) 上記(1)のとおり、訂正事項1?4に係る訂正は、「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであって、出願当初の「Kps」なる単位は、ワセリンの最小粘度を表すものであること、及び明細書の他の箇所における単位の記載を踏まえると、「Kcps]の誤記であることは、当業者において明らかであるといえ、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてなされたものであるといえる。 したがって、訂正事項1?4に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更について(特許法第126条第6項) 上記(1)のとおり、訂正事項1?4は、「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、ワセリンの最小粘度についての特定事項であることに鑑みれば、当業者は「10Kpa・s」との記載が「10Kcps」の誤記であることを直ちに認識することから、特許請求の範囲の記載内容を実質的に変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項1?4に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)独立特許要件について (特許法第126条第7項) 訂正事項1、2により、訂正後の特許請求の範囲に記載された請求項1?6に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのか検討する。 本件特許に係る出願に審査過程で出願人に通知された拒絶理由において引用された刊行物である国際公開第01/17500号、特表2005-500985号公報、特公昭54-3882号公報には、いずれもワセリン相粒子の50体積%超は、標準粒子サイズ法で測定した100ミクロンより大きい直径を有し、かつ標準反射率法で測定して80%の最大反射率を有する、洗浄組成物は記載されていない。そして、本件訂正後の請求項1?6に係る発明は、ワセリン相粒子の50体積%超は、標準粒子サイズ法で測定した100ミクロンより大きい直径を有し、かつ標準反射率法で測定して80%の最大反射率を有する、洗浄組成物とすることにより、訂正明細書に記載された格別の効果を奏することは明らかであるから、本件訂正後の請求項1?6に係る発明は、上記いずれの刊行物に記載された発明であるとも、これらの刊行物に記載された発明から当業者が容易に発明することができたものであるとも認められない。 そうすると、訂正後における特許請求の範囲の請求項1?6にそれぞれ記載されている事項により特定される発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 したがって、訂正事項1、2に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 5.むすび したがって、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 液体個人用洗浄組成物 【技術分野】 【0001】 (発明の背景) 1.発明の分野 本発明は、ヒトの身体(肌および髪など)を洗浄するための局所適用に適した液体洗浄組成物に関する。特に、本発明は、特定の融点範囲を有するワセリンを主要疎水性皮膚軟化剤として含有する、低反射率で、安定した多相性の、等方性またはゲル型(本明細書中以下「等方性」)個人用洗浄組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 2.技術の背景 市販されている液体個人用洗浄組成物、即ちシャワーゲル、洗顔料、およびハンドソープなどで、疎水性皮膚軟化性油を豊富に含むものは、一般に、肌を洗浄すると同時に潤いを与えるために用いられる。液晶性洗浄組成物は相当量の油状物を組織化し得るが、その外観は乳白色であり、これを魅力的に思わない使用者もいる。等方性洗浄組成物は、透明であるか、そうでなければ反射率が低いことが多く、使用者の多くに魅力的な見た目であるが、不利なことに、疎水性皮膚軟化剤を相当レベルで組織化して、肌に潤いを与えるのに効果的な安定した製品をもたらすことができない。本明細書中、安定した製品とは、以下に記載される安定試験条件下、目に見える相分離を起こさないものとして定義される。驚いたことに、魅力的な低い反射率を有すると同時にワセリンも相当レベルで組織化することができる、安定した多相性の、等方性構造化洗浄組成物が発見された。この組成物において、ワセリンは潤いを与えるのに効果的であるように35から80℃の融点および32℃で10Kcpsの最小粘度を有するもの(本明細書中以下「ワセリン」)であり、組成物は、魅力的な外観および独特のワセリン粒子サイズ分布を達成するために、特定レベルを超えて他の疎水性皮膚軟化剤を含んではならない。 【0003】 疎水性皮膚軟化性油を有する等方性液体洗浄剤は、既知である。米国特許番号6,001,344(1999年12月14日発行、Villa et al.)は、平均直径が1から500ミクロンの範囲の大きい油滴を有する等方性洗浄組成物を開示している。 【0004】 米国特許番号5,854,293および米国特許番号6,066,608(それぞれ、1998年12月29日、および2000年5月23日に発行、Glenn Jr.)は、含まれる親油性肌保湿剤の液滴の少なくとも10%が、直径200ミクロンより大きいものである、保湿性個人用洗浄乳濁液を開示している。Glenn Jr.はさらに、結晶性の、ヒドロキシル含有安定剤、重合体増粘剤、C10-C18ジエステル、非晶質シリカ、およびスメクタイト粘土から選択される安定剤の使用を開示している。 【0005】 米国特許番号5,965,500(1999年10月12日発行、Puvvada)は、界面活性剤レベル以上の高いレベルで皮膚軟化剤を含有する安定した等方性液体洗浄組成物を開示する。この組成物は、好適な実施形態において、さらにC2-C24脂肪酸および/またはカチオン重合体を含有する。 【0006】 米国特許番号5,661,189(1997年8月26日発行、Grieveson et al.)は、50から500ミクロンの範囲に重量平均粒子サイズを有する濃厚な有益剤、ならびに粘土、脂肪酸およびその誘導体、架橋ポリアクリラート、ポリビニルピロリドン、天然ゴム、多糖類誘導体、ポリオール、ポリオールのエステルおよび無機塩から選択される任意選択の組織化剤を含む等方性水性液体洗浄保湿組成物を開示している。 【0007】 米国特許番号7,098,180(2006年8月29日発行、Ganopolsky et al.)は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、および疎水性修飾された架橋アニオン性アクリル酸共重合体を含有する等方性洗浄組成物を開示している。 【0008】 米国特許公開番号2004/0121925(2004年6月24日公開、Harmalker)は、アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤、キサンタンガムおよびグアーガム増粘剤を含有し、含有される作用剤の粒子が200から2500ミクロンの直径範囲で懸濁している分散相を有し、粒子を含まない連続相の透明度が20NTU以下である、安定した等方性洗浄組成物を開示している。粒子は、ガムやゼラチンなどからなり、粒子中に油を含有していてもよい。 【0009】 米国特許番号7,084,104(2006年8月1日発行、Martin et al.)は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、疎水性修飾された架橋アニオン性アクリル酸共重合体増粘剤、揮発性シリコーン調整剤、および保湿剤を含有する等方性洗浄組成物を開示している。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0010】 【特許文献1】米国特許第6,001,344号明細書 【特許文献2】米国特許第5,854,293号明細書 【特許文献3】米国特許第6,066,608号明細書 【特許文献4】米国特許第5,965,500号明細書 【特許文献5】米国特許第5,661,189号明細書 【特許文献6】米国特許第7,098,180号明細書 【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0121925号明細書 【特許文献8】米国特許第7,084,104号明細書 【発明の概要】 【課題を解決するための手段】 【0011】 (発明の簡単な記述) 本発明の1つの態様は、安定した多相性等方性洗浄組成物であり、以下を含むがそれらに限定されない: a.組成物全体を基準として、水約99から84重量%、 b.組成物全体を基準として、35から80℃の融点および32℃で10Kcpsの最小粘度を有するワセリン約1から16重量%、 c.水相は、組成物全体を基準として、非石鹸のアニオン性界面活性剤約1から25重量%、および組成物全体を基準として、両性界面活性剤約1から20重量%を含み、 d.水相は、組成物全体を基準として、重合体分散安定剤を全部で約0.5から10重量%含有し、 e.組成物全体を基準として、疎水性グリセリド、ワセリン以外の炭化水素、またはシリコーン油もしくはその混合物および誘導体を合計で約2重量%未満、 f.組成物全体を基準として、液晶性組織化剤、結晶性ヒドロキシル含有安定剤、C10-C22エチレングリコール脂肪酸エステル、シリカ、粘土、またはそれらの混合物を合計で約1.5重量%未満。 【0012】 本発明の別の態様は、安定した多相性等方性洗浄組成物の調製方法であり、以下の工程を、順序を指定せずに含むがそれらに限定されない: a.水、界面活性剤、および重合体分散安定剤を均一になるまで混合して、油を含まない、透明な、等方性水性予備混合物にする工程、 b.水性予備混合物を混合管に供給し、この水性予備混合物を1分あたり約22.7から113.7kg(50-250lbs.)の速度で混合管に通す工程、 c.35から80℃の融点および32℃で10Kcpsの最小粘度を有するワセリンを、ワセリン約1%対水性予備混合物99%からワセリン約16%対水性予備混合物84%の重量%比範囲の混合物を形成するのに十分な速度で、多口注入器(管路出口を2つ以上有するものとして定義される。)から混合管に供給する。 【図面の簡単な説明】 【0013】 【図1】本発明の方法の好適な実施形態の模式的なプロセス流れ図である。 【図2】図1に示した多口弁100の好適な実施形態を詳細に拡大した斜視図である。 【図3】実施例3に記載される対照試料M、本発明の試料B、および比較試料L中の粒子の粒子サイズ分布をグラフで示したものである。 【図4】実施例4に記載される本発明の試料B4からB7中のワセリン液滴の粒子サイズ分布をグラフで示したものである。 【図5】実施例4に記載される本発明の試料B8およびB9中のワセリン液滴の粒子サイズ分布をグラフで示したものである。 【発明を実施するための形態】 【0014】 (発明の詳細な記述) 本発明の1つの態様は、安定な多相性等方性洗浄組成物であり、以下を含むがそれらに限定されない: a.組成物全体を基準として、水約99から84重量%、 b.組成物全体を基準として、35から80℃の融点および32℃で10Kcpsの最小粘度を有するワセリン約1から16重量%、 c.水相は、組成物全体を基準として、非石鹸のアニオン性界面活性剤約1から25重量%(好ましくは、約4、8、または12重量%の最小濃度および約16、20、または25重量%の最大濃度で)、および組成物全体を基準として、両性界面活性剤約1から20重量%(好ましくは、約2、4、または6重量%の最小濃度および約12、16、または20重量%の最大濃度で)を含み、 d.水相は、組成物全体を基準として、重合体分散安定剤を全部で約0.5から10重量%(好ましくは、約1.0、1.5、または2重量%の最小濃度および約8または9重量%の最大濃度で)含有し、 e.組成物全体を基準として、疎水性グリセリド、ワセリン以外の炭化水素、またはシリコーン油もしくはその混合物および誘導体を合計で約2重量%未満(好ましくは、約1.5、1、または0.5重量%未満)、 f.組成物全体を基準として、液晶性組織化剤、結晶性ヒドロキシル含有安定剤、C10-C22エチレングリコール脂肪酸エステル、シリカ、粘土、任意選択で不溶性顔料、またはそれらの混合物を合計で約1.5重量%未満(好ましくは約1.0または0.5重量%未満)。 【0015】 本明細書中、安定組成物は、45℃、37℃、25℃、または4℃のいずれかの温度で3ヶ月間貯蔵後に、または50℃で2週間貯蔵後に、相分離が観測されない製品として定義される。好ましくはワセリンは、約2.5、3、3.5、または4重量%の最小濃度および約4、6、8、または12重量%の最大濃度で存在する。より好ましくは、ワセリンは、32℃で約20Kcps、35Kcps、または50Kcpsの最大粘度を有する。 【0016】 好適な実施形態において、本発明の洗浄組成物は、水相および油相のみを含有する。好ましくは、洗浄組成物は、以下に記載される標準反射法で測定して、80%の最大反射率を有する。より好ましくは、最大反射率は、70、60、または50%である。 【0017】 有利には、洗浄組成物は、標準粒子サイズ法で測定して、50、100、150、または200ミクロンより大きい直径を有するワセリン相粒子を50体積%より多く有する。好ましくは、90体積%より多くのワセリン相粒子が、10、20、30、または40ミクロンより大きい直径を有する。 【0018】 本発明の別の態様は、安定した多相性等方性洗浄組成物の調製方法であり、以下の工程を、順序を指定せずに含むがそれらに限定されない: a.水、界面活性剤、および重合体分散安定剤を均一になるまで混合して、油を含まない、透明な、等方性水性予備混合物にする工程、 b.水性予備混合物を混合管に供給し、この水性予備混合物を1分あたり約22.7から113.7kg(50から250lbs.)の速度で混合管に通す工程、 c.35から80℃の融点および32℃で10Kcpsの最小粘度を有するワセリンを、ワセリン約1%対水性予備混合物99%からワセリン約16%対水性予備混合物84%の重量%比範囲の混合物を形成するのに十分な速度で、多口注入器から混合管に供給する工程。ワセリンは、水性予備混合物に供給する前に、他の構成要素と任意に混合してワセリン予備混合物を形成してもよい。 【0019】 好ましくは水性予備混合物とワセリンを一緒に混合する前に、水性予備混合物の温度を、約40℃以下(好ましくは35℃未満、より好ましくは約32℃)に調整し、ワセリンの温度を、50から70℃に調整する。より好ましくはワセリンを、50℃または55℃超、さらに好ましくは約60℃に調整する。より好ましくは、混合後の最終生成物の温度は、37℃を超えない。 【0020】 多口注入器は、有利なように最少でも3、4、5、6、7、または8箇所の管路口を有する。好適な実施形態において、多口注入器の管路口は、対称なパターンに配置される。好ましくは、3頂点以上の星形で各頂点が水性予備混合物の流れに対して垂直方向を向いており混合管路の周囲に沿って配置されている。より好ましくは、管路口は、約2から20mmの範囲に、約4、6、または8mmの最少直径および約18、16、14、または12mmの最大直径で、直径を有する。より好ましくは直径は約9mmである。 【0021】 方法の説明: 好適な実施形態において、本発明の組成物は、以下に説明する、図1のプロセス流れ図に描かれる方法を用いて、ワセリンまたはその非水性予備混合物を等方性水性予備混合物に注入することで調製される。ワセリン予備混合物は、ワセリンおよび任意選択の活性剤(以下に定義されるとおりのもの)または他の任意選択の成分からなり、他の任意選択の成分として、ワセリンマトリクス中に安定して分散または懸濁させることができる粒子(ポリエチレンまたはミクロテン(microthene)または他の粒子またはそれらの混合物など)を挙げることができ、それらは本発明から具体的に排除されていないか、生成物の反射率を50、60、70、または80%より増やさないかのいずれかである。ワセリンまたはワセリン予備混合物は、指定の流速および温度条件下で注入により水性予備混合物に加えられた場合、バッチプロセスでは容易に達成できない、または再現できない、ワセリン粒子サイズ分布および製品の肌沈着性をもたらす。好適な実施形態において、ワセリン予備混合物を注入するのに、多口注入が用いられ、適した8つ口星形注入器100の例を図2に示す。その他の多口星形または非星形の対称または非対称配置の管路口も、ワセリンが水相に注入される地点でワセリンまたはワセリン予備混合物を複数の流れに分割するために、有利なように用いることができる。 【0022】 本発明の別の実施形態において、修飾したバッチプロセスを用いて等方性水相を調製し、続いてワセリンまたはワセリン予備混合物を制御して混合しながらバッチ槽に注入することができる。撹拌しすぎると、不透明な生成物の外観になる、即ち乳化した(極小の)油滴になり、その平均直径は、50、30、10、または1ミクロン未満、代表的にはサブミクロンの範囲にある。そのような過剰撹拌生成物は、本発明の組成物の有利な粒子サイズ分布、反射率レベル、または生成物性能属性を有さない。 【0023】 多口注入を用いるインライン注入の実施形態は、バッチプロセスよりも一貫した生成物属性を達成すると見られる。図1に示されるインライン注入プロセスで観測される別の望ましい特性は、水性予備混合物流およびワセリン予備混合物流のそれぞれの流速が、一定圧での混合の前および後の両方で一定であることである。一定の流速は、生成物の粒子サイズ分布および反射率のばらつきを最小にすると見られる。 【0024】 好適な実施形態において、ワセリン予備混合物槽20は、温度制御用の温水ジャケットを装着しており、振盪撹拌器24は、オフセットミキサーとスクレープウオール(scrape wall)ミキサーの両方からなる。 【0025】 多口注入器28は、特定の温度および流速条件下、ワセリン予備混合物流を細分し油流を液滴に分割するように機能する。注入器を通過する液体流は、系の圧、通常は注入器にかかる上流圧と排出圧(通常は常圧)の差に依存する。インライン注入については、液体流は、以下のように計算することができる: GPM=K(Psig(上流)-Psig(注入器出口)) K=使用した特定の注入器の定数。 【0026】 粘度が100cps(系の温度において)を超える流体は一般に空気なしで霧化することが難しいので、液体流の粘度は、注入器性能に影響を及ぼす。本発明の方法において(is)、または本発明の生成物には、霧化のために空気は使用しない。好ましくは、本明細書中用いられる粘度範囲は、用いるプロセス温度で(例えばBrookfieldスピンドル5を用いて20rpmで測定して)約100から20,000cpsである。好適な実施形態において、図2に示す8つ口星形注入器では、100-1000ミクロンの範囲でワセリン予備混合物液滴の実質的な形成が可能であることが観測された。この注入器の他の特徴として、管路130の出口端で中心オリフィス120を注入器口110が取り囲んでいることが挙げられる。フランジ140は、管路130の反対の端に配置され、密封ガスケット160を受けるのに適合した同心円状の溝(図示せず)を含む。管路170は、延長管路164、前方端に接続したフランジ172、および後方端に接続したフランジ180を有する。フランジ172は、密封ガスケット160を受けるのに適合した同心円状の溝174を含む。延長管路164は、球150を受ける大きさであり、管路130に収まる大きさである。正の流れの操作において、液体は管路170を流れ、次いで管路164および管路130を通過することで、球150が移動してオリフィス120を中心部分をふさぎ、そうしながらも液体は注入器口110を通って流れることができる。 【0027】 単一流体ノズル(無空気系)についての液滴サイズ形成は、系の圧の小さな変化(Δ40PSIG(約276kPa)のオーダー)についての以下の等式で求めることができる。 【0028】 D2/D1=(P2/P1)^-.3 【0029】 液体比重は、注入器ノズルを通過する液体流に影響を及ぼすことが既知である。比重(SG)が異なる流体の間には以下の関係式が存在する。式中、Qは体積/時間の単位で与えられる。 【0030】 Q1/Q2=(SG1/SG2)^.5 【0031】 注入時の粘度の特定の上昇は、本発明の方法の液滴形成を左右する。水性予備混合物流(全配合の約95%)が、ワセリン予備混合物を冷却するのに必要な熱容量を提供することによって、粘度の上昇をもたらし、ワセリン液滴形成と粒子サイズを大きくするのに好ましいようにしている。 【0032】 図1の方法の好適な実施形態において、静止型ミキサー56を用いて、流速、粘度または、密度特性に関らず、生成物を均一に、即ち液滴サイズ分布を一様にする。静止型ミキサー56は、仕上がった生成物の移送ライン62など主に層流状態が存在するところを効果的に混合する要素を含む。以下の理論的説明に縛られることは望まないが、層流状態が、従来の開いた管路の中心で最大速度となる速度勾配をもたらすと思われる。水性媒体中の密度のより低いワセリン液滴は最大速度領域へ移動する傾向がある。静止型ミキサー56の中心に位置する混合要素は、この速度勾配を崩し、それにより最終生成物の均質性をより完全なものにする。 【0033】 KMR-SAN6(Chemineer Corp.,Andover,MA)などの静止型ミキサーについて、(M)は、以下の等式に従って要素数(N)に比例する: M=2^N 【0034】 例として、1台あたり6つの要素がある2台の静止型ミキサーは、十分な混合を提供し、本発明の生成物の均一性を達成した。 【0035】 M=2^12、即ち4096本の生成物流分割。 【0036】 ワセリン予備混合物加工処理工程(200kgバッチ) 1.)ここで図1を参照して、ワセリン予備混合物槽20の熱水ヒーター(図示せず)を60℃に設定する。 2.)ワセリン108.8kgを槽20に入れる。 3.)槽振盪撹拌器24を以下のように設定する:タービン-40Htz、スクレープ-0Htz 4.)ワセリン予備混合物を60℃に加熱し続ける。温度が57から60℃に達したところで、ポリエチレンビーズを任意選択で加えることができる。ビーズ38kgをゆっくり加える。加える時間は約2分である。ビーズを加えるにつれて、油相を飛び散らせることなくタービンの速度を最大まで上昇させる。 5.)任意のビーズ添加の完了後、撹拌を以下のように設定する:タービン-40Htz、スクレープ-最大。この速度で2.0分間混合する。 6.)2.0分間混合の完了後、振盪撹拌器24を以下の設定に変える:タービン-40Htz、スクレープ-80Htz。 7.)撹拌を続けながらこの予備混合物を60℃に加熱する。 【0037】 水性基材加工処理手順(4000kgバッチ)。 【0038】 1.)脱イオン水1600kgを基材調製槽30に入れて55℃に加熱する。 2.)Carbopol Aqua SF-1重合体240kgを水に加えて振盪し溶解させる。 3.)SLESとCMEAの混合物700kg(SLESを51.4重量%、CMEAを6.67重量%)を振盪撹拌器32で振盪しながら、55℃で20分間混合する。 4.)コカミドプロピルベタイン240.4kg、EDTA四ナトリウム塩(39%)2kg;脱イオン水89kg、水酸化ナトリウム(50重量%)6kg;および脱イオン水925.66kgを、この順番で加え、溶解するまで振盪し、次いで混合物を35から40℃に冷却する。 5.)次に、DMDMヒダントイン(55%)7.2kg;ColorantYellow0.72kg、香料40kg、およびCaptivates HC(登録商標)1576(Blue)黄色ビーズ20kgを順次加え、均一になるまで混合する。 【0039】 基材水相へのワセリン予備混合物注入 1.)ワセリン予備混合物槽再循環ライン27を開く。 2.)ワセリン予備混合物再循環ラインを槽頂口25から外し、廃液容器に入れる。 3.)側面のワセリン予備混合物槽弁29を開く。 4.)ワセリン予備混合物ポンプ22を2.47Ibs/分に設定する。 5.)ワセリン予備混合物ポンプ22をオンにして、ラインをパージしてどのような水も鉱物油も追い出し、それからポンプをオフにする。 6.)再循環ライン27をワセリン予備混合物槽20の頂部に直ちに接続し、ワセリン予備混合物ポンプ22をオンにする。ワセリン予備混合物が槽20の頂部に戻され再循環していることを確認する。これで水相および油相の両方とも混合できる状態になる。 7.)基材ポンプ42を所望の移送速度に設定する(全体速度50Ibs./分の場合、基材ポンプ42を47.53Ibs./分に設定する。)。ワセリン予備混合物ポンプのメーターを確認して2.47Ibs./分で再循環していることを確認する。 8.)充填剤移送ライン62は、3.0分間パージすべきである。 9.)基材ポンプ42とワセリン予備混合物ポンプ22の両方の流速は、それぞれ、47.53Ibs./分+/-3%および2.47Ibs./分+/-3%に制御されなくてはならない。 10.)ワセリン予備混合物の温度は、設定温度60℃の+/-2℃に制御されなくてはならず、水性基材は35℃以下でなくてはならない。 11.)混合圧(静止型ミキサー要素(56)の直後にある圧力ゲージで測定して)は、32psi(約220kPa)+/-3psi(約20kPa)に維持されなければならない。 12.)保持槽ポンプ42の出口で記録されるポンプ圧は、80psi(約550kPa)以下でなければならない。 【0040】 界面活性剤: 界面活性剤は、本発明の洗浄組成物の必須構成要素である。界面活性剤は、これ自体が溶解した水溶液の界面張力を下げる働きをする疎水性部分および親水性部分を有する化合物である。有用な界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびカチオン性界面活性剤、ならびにそれらの混合物が挙げられる。 【0041】 アニオン性界面活性剤: 本発明の洗浄組成物は、1種以上の非石鹸のアニオン性洗浄剤を含有する。非石鹸のアニオン性界面活性剤は、好ましくは、最低でも1、4、8、または12重量%のレベルで、および最高でも16、20、または25重量%のレベルで用いられる。組成物は、中性から弱酸性、即ち最大pHが約7.0、好ましくは約6.8またはより好ましくは約6.5である必要があるため、石鹸は0.1重量%未満で存在し、好ましくは本発明の洗浄組成物には存在しない。最少pHは、好ましくは約3.5、より好ましくは約4.5、さらにより好ましくは約5.5である。 【0042】 本発明で使用できるアニオン性洗浄活性剤として、脂肪族スルホナート(第一級アルカン(例えば、C_(8)-C_(22))スルホナート、第一級アルカン(例えば、C_(8)-C_(22))ジスルホナート、C_(8)-C_(22)アルケンスルホナート、C_(8)-C_(22)ヒドロキシアルカンスルホナート、またはアルキルグリセリルエーテルスルホナート(AGS)など);または芳香族スルホナート(アルキルベンゼンスルホナートなど)が可能である。このアニオン性剤は、アルキルスルファート(例えば、C_(12)-C_(18)アルキルスルファート)またはアルキルエーテルスルファート(アルキルグリセリルエーテルスルファートを含む。)も可能である。アルキルエーテルスルファートとは、以下の式を有するものである: RO(CH_(2)CH_(2)O)_(n)SO_(3)M 式中、Rは炭素を8から18個、好ましくは炭素を12から18個有するアルキルまたはアルケニルであり、nは1.0より大きい、好ましくは3より大きい平均値を有し、およびMは可溶化カチオン(ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムなど)である。アンモニウムラウリルエーテルスルファートおよびナトリウムラウリルエーテルスルファートが好ましい。 【0043】 アニオン性剤は、アルキルスルホスクシナート(モノおよびジアルキル、例えば、C_(6)-C_(22)スルホスクシナートを含む。);アルキルおよびアシルタウラート、アルキルおよびアシルサルコシナート、スルホアセタート、C_(8)-C_(22)アルキルホスファートおよびホスファート、アルキルホスファートエステルおよびアルコキシルアルキルホスファートエステル、アシルラクタート、C_(8)-C_(22)モノアルキルスクシナートおよびマレアート、スルホアセタート、アルキルグルコシド、ならびにアシルイセチオナートなども可能である。 【0044】 スルホスクシナートとして、以下の式のモノアルキルスルホスクシナート: R^(4)O_(2)CCH_(2)CH(SO_(3)M)CO_(2)M;および 以下の式のアミド-MEAスルホスクシナート; R^(4)CONHCH_(2)CH_(2)O_(2)CCH_(2)CH(SO_(3)M)CO_(2)M 式中、R^(4)はC_(8)-C_(22)のアルキルであり、Mは可溶化カチオンである: が可能である。 【0045】 サルコシナートは一般に以下の式で示される: R^(1)CON(CH_(3))CH_(2)CO_(2)M、 式中、R^(1)はC_(8)-C_(20)のアルキルであり、Mは可溶化カチオンである。 【0046】 タウラートは一般に以下の式で示される: R^(2)CONR^(3)CH_(2)CH_(2)SO_(3)M 式中、R^(2)はC_(8)-C_(20)のアルキルであり、R^(3)はC_(1)-C_(4)アルキルであり、Mは可溶化カチオンである。 【0047】 本発明の洗浄組成物は、C_(8)-C_(18)アシルイセチオナートを含有してもよい。これらのエステルは、アルカリ金属イセチオナートを、炭素原子を6から18個有する混合脂肪族脂肪酸および価数20未満のヨウ素と反応させることで調製される。混合脂肪酸の少なくとも75%は、炭素原子を12から18個有し、上限25%までが炭素原子を6から10個有する。 【0048】 アシルイセチオナートは、llardi et al.,米国特許番号5,393,466、表題「Fatty Acid Esters of Polyalkoxylated isethonic acid」(1995年2月28日発行、本明細書中に参照により組み込まれる。)に記載されるものなどのアルコキシル化イセチオナートであってもよい。この化合物は以下の一般式を有する: RC-O(O)-C(X)H-C(Y)H_(2)-(OCH-CH_(2))_(m)-SO_(3)M^(+) 式中、Rは炭素を8から18個有するアルキル基であり、mは1から4の整数であり、XおよびYは水素または炭素を1から4個有するアルキル基であり、M^(+)は一価カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、またはアンモニウムなど)である。 【0049】 両性界面活性剤 1種以上の両性界面活性剤が本発明で使用される。両性界面活性剤は、好ましくは最低でも2、4、または6重量%のレベル、および最高でも12、16、または20重量%のレベルで用いられる。そのような界面活性剤は少なくとも1つの酸基を含む。この基は、カルボン酸またはスルホン酸基が可能である。両性界面活性剤は第四級窒素を含み、従って第四級窒素アミド酸である。両性界面活性剤は一般に、炭素原子が7から18個のアルキルまたはアルケニル基を含むはずである。両性界面活性剤は通常、以下の全体の構造式に従う: R^(1)-[-C(O)-NH(CH_(2))_(n)-]_(m)-N^(+)-(R^(2))(R^(3))X-Y 式中、R^(1)は、炭素原子が7から18個のアルキルまたはアルケニルであり; R^(2)およびR^(3)は、それぞれ独立して、炭素原子が1から3個のアルキル、ヒドロキシアルキル、またはカルボキシアルキルであり; nは2から4であり; mは0から1であり; Xは、炭素原子が1から3個のアルキレンであってヒドロキシルで置換されていてもよく、および Yは-CO_(2)-または-SO_(3)-である。 【0050】 上記の一般式の中で適した両性界面活性剤として、以下の式の単純ベタイン: R^(1)-N^(+)-(R^(2))(R^(3))CH_(2)CO_(2)^(-) および以下の式のアミドベタイン: R^(1)-CONH(CH_(2))_(n)-N^(+)-(R^(2))(R^(3))CH_(2)CO_(2)^(-) 式中、nは2または3である; が挙げられる。 【0051】 両方の式において、R^(1)、R^(2)、およびR^(3)はすでに定義したとおりである。R^(1)は、詳細には、ココナッツ油に由来するC_(12)アルキル基とC_(14)アルキル基の混合物であってもよく、従って、R^(1)基の少なくとも半分、好ましくは少なくとも4分の3は、炭素原子を10から14個有する。R^(2)およびR^(3)は、好ましくはメチルである。 【0052】 さらに可能なものとして、両性洗浄剤は以下の式のスルホベタインである: R^(1)-N^(+)-(R^(2))(R^(3))(CH_(2))_(3)SO_(3)^(-) または R^(1)-CONH(CH_(2))_(m)-N^(+)-(R^(2))(R^(3))(CH_(2))_(3)SO_(3)^(-) 式中、mは2または3であるか、または-(CH_(2))_(3)SO_(3)^(-)を以下で置き換えた変異形であり: -CH_(2)C(OH)(H)CH_(2)SO_(3)^(-) これらの式中、R^(1)、R^(2)、およびR^(3)はすでに定義したとおりである。 【0053】 アンホアセタート(amphoacetate)およびジアンホアセタート(diamphoacetate)も、可能な双性および/または両性化合物に包含されるものとし、例えば、ナトリウムラウロアンホアセタート(lauroamphoacetate)、ナトリウムココアンホアセタート(cocoamphoacetate)、およびそれらの混合物などを用いることができる。 【0054】 非石鹸のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤および重合体分散安定剤(以下で説明)全体の組合せは、好ましくは組成物の約5から30重量%であるべきである。 【0055】 非イオン性界面活性剤 1種以上の非イオン性界面活性剤を本発明の洗浄組成物に用いることができる。非イオン性界面活性剤は、好ましくは、最低でも0.5、1、1.5、または2重量%のレベル、および最高でも6、8、10、または12重量%のレベルで用いられる。使用可能な非イオン性剤として、特に、疎水性基および反応性水素原子を有する化合物の反応生成物(例えば、脂肪族アルコール、酸、アミド、またはアルキルフェノールと、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシドを単独でまたはプロピレンオキシドともに反応させた生成物)が挙げられる。具体的な非イオン性洗浄剤化合物は、アルキル(C_(6)-C_(22))フェノールエチレンオキシド縮合物、脂肪族(C_(8)-C_(18))の第一級または第二級の直鎖または分岐鎖アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物、およびエチレンオキシドがプロピレンオキシドとエチレンジアミンの反応生成物に縮合した生成物である。その他のいわゆる非イオン性洗浄剤化合物として、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホスフィンオキシド、およびジアルキルスルホキシドなどが挙げられる。 【0056】 好適な非イオン性界面活性剤として、以下の構造を有する脂肪酸/アルコールエトキシラートが挙げられる: a)HOCH2(CH2)n(CH2CH2O)xHまたは b)HOOC(CH2)m(CH2CH2O)yH; 式中、m、nは、独立して<18であり;およびx、yは、独立して>1である。好ましくはm、nは、独立して6から18であり;x、yは、独立して1から30である; c)HOOC(CH2)i-CH=CH-(CH2)k(CH2CH2O)zH; 式中、i、kは、独立して5から15であり;およびzは独立して5から50である。好ましくはi、kは、独立して6から12であり;およびzは独立して15から35である。 【0057】 非イオン性剤として、糖アミド(多糖アミドなど)も挙げることができる。具体的には、界面活性剤は、米国特許番号5,389,279(Au et al.表題「Compositions Comprising Nonionic Glycolipid Surfactants」、1995年2月14日発行;本明細書中に参照により組み込まれる。)に記載されるラクトビオンアミドの1種が可能であり、特許番号5,009,814(Kelkenberg、表題「Use of N-PoIy Hydroxyalkyl Fatty Acid Amides as Thickening Agents for Liquid Aqueous Surfactant Systems」、1991年4月23日発行;本明細書中に参照により組み込まれる。)に記載される糖アミドの1種が可能である。 【0058】 カチオン性肌調整剤 本発明の組成物中有用な構成要素は、カチオン性の肌の感触に作用する作用剤または重合体(例えば、カチオン性セルロースなど)である。カチオン性重合体は、好ましくは、最低でも約0.1から2%から最高でも特定の重合体の溶解限度まで、または好ましくは上限約4から5重量%までであるが、ただし特定のカチオン性重合体またはその混合物の溶解限度を超えない。 【0059】 カチオン性セルロースは、Amerchol Corp.(Edison,NJ,USA)から、重合体シリーズのPolymer JR(登録商標)およびLR(登録商標)で、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロース塩(この産業(CTFA)ではPolyquaternium10と称する。)として入手可能である。別の種類のカチオン性セルロースとして、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの重合第四級アンモニウム塩(この産業(CTFA)ではPolyquaternium24と称する。)が挙げられる。これらの材料は、Polymer LM-200の登録商標で、Amerchol Corp.(Edison,NJ,USA)から入手可能である。 【0060】 使用可能なカチオン性多糖類重合体で特に好適な種類は、カチオン性グアーガム誘導体(グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Rhone-PoulencからJAGUAR登録商標シリーズで市販されている。)など)である。例として、カチオン性基の置換度が低く粘度が高いJAGUAR C13S、置換度が中程度で粘度が低いJAGUAR C15、JAGUAR C17(高置換度、高粘度)、置換基ならびにカチオン性第四級アンモニウム基を低レベルで含有するヒドロキシプロピル化カチオン性グアー誘導体であるJAGUAR C16、および透明度が高く粘度が中程度の置換度が低いグアーであるJAGUAR 162がある。 【0061】 特に好適なカチオン性重合体は、JAGUAR C13S、JAGUAR C15、JAGUAR C17およびJAGUAR C16、ならびにJAGUAR C162、特にJAGUAR C13S、およびJAGUAR C-14/BFGである。JAGUAR C14/BFG材料は、JAGUAR C13と同じ分子であるが、ただしグリオキサール架橋剤がホウ素に置き換わっている。当分野で既知の他のカチオン性の肌の感触に作用する作用剤を用いることもできるが、ただしそれらは本発明の配合物と適合性があるものである。 【0062】 上記の界面活性剤の他の使用可能な適した例が、「Surface Active Agents and Detergents」(Vol.I&II)by Schwartz,Perry&Berch(その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。)に記載されている。 【0063】 また、本発明の洗浄組成物は、以下の任意選択成分を0から15重量%含んでもよい:香料;封鎖剤(エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA)、EHDP、または0.01から1%、好ましくは0.01から0.05%の量の混合物など);および可溶性着色剤など。これらは全て、製品の外観または化粧性を向上するのに有用である。 【0064】 組成物はさらに、抗菌剤(2-ヒドロキシ-4,2’,4’トリクロロジフェニルエーテル(DP300)など);保存料(ジメチロールジメチルヒダントイン(Glydant XL1000)、パラベン、ソルビン酸など)などを含んでもよい。 【0065】 組成物はまた、ココナツアシルモノまたはジエタノールアミドを発泡ブースターとして含んでもよく、強くイオン化する塩(塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムなど)も有利なように用いることができる。好ましくは、強くイオン化する塩、電解質として既知であるが、これは3、2、または1重量%未満で存在する。 【0066】 抗酸化剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)など)は、適切ならば、約0.01%以上の量で有利なように用いることができる。 【0067】 皮膚軟化剤 「皮膚軟化剤」という用語は、肌の水分量を増やすか、または脂質およびその他肌の栄養分を加えるか交換する、またはその両方により、肌(角質層)を柔らかくするか、肌の弾力性、外観、および若々しさを改善し、さらに肌の水分量の減少を遅らせることにより肌を柔らかく保つ物質として定義される。 【0068】 多価アルコール(例えばグリセリンおよびプロピレングリコールなど)およびポリオール(ポリエチレングリコールなど)などの保湿剤でもある湿潤剤を、親水性皮膚軟化剤として用いることができる。保湿剤は、好ましくは、最低でも1、3、または5重量%のレベルで、および最高でも6、8、または10重量%のレベルで用いられる。 【0069】 本発明において、ワセリンは、好ましくは、最低でも1、3、または4重量%のレベルで、および最高でも5、6、8、12、または16重量%のレベルで用いられる。ワセリンは、石油由来の、35から80℃の融点(ASTM D127-08,「Standard Test Method for Drop Melting Point of Petroleum Wax,including Petrolatum」,ASTM International,West Conshohocken,PAにより測定して)および32℃で10Kcpsの最小粘度を有する液体炭化水素の混合物として定義される。好ましくは、ワセリンは32℃で10から35Kcpsの範囲の粘度を有する。より好ましくは粘度の上限は、32℃で25または50Kcpsである。 【0070】 他の非ワセリンの疎水性皮膚軟化剤は、好ましくは、本発明の組成物中、合計レベルで約1.5、1.0、または0.5重量%未満で存在し、より好ましくは組成物に含まれない。こうした疎水性皮膚軟化剤として以下が挙げられるがそれらに限定されない: (a)直鎖および環状ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン油およびその修飾物;アミノ、アルキル、アルキルアリール、およびアリールシリコーン油; (b)以下をはじめとする油脂:天然油脂(ホホバ油、大豆油、ヒマワリ油、米ぬか油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、杏仁油、ヒマシ油、ココナツ油、ミンク油;カカオ脂;牛脂、ラード;上記の油の水素化により得られる硬化油など)、ならびに合成モノ、ジ、およびトリグリセリド(ミリスチン酸グリセリドおよび2-エチルヘキサン酸グリセリドなど); (c)ワックス(カルナバ、クジラのろう、ミツロウ、ラノリン、およびそれらの誘導体など); (d)疎水性および親水性植物抽出物; (e)非ワセリン炭化水素(ポリブテン、流動パラフィン、微結晶ワックス、セレシン、スクアレン、プリスタン、および鉱物油など); (f)高級脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸(lanolic acid)、イソステアリン酸、アラキドン酸、およびポリ不飽和脂肪酸(PUFA)など); (g)高級アルコール(ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、コレステロール、および2-ヘキシデカノールアルコールなど); (h)エステル(オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、乳酸アルキル、クエン酸アルキル、および酒石酸アルキルなど); (i)精油およびそのエキス(ハッカ、ジャスミン、ショウノウ、ホワイトシダー(white cedar)、トウヒ、リュウ(ryu)、テルペンチン、ケイヒ、ベルガモット、温州みかん(citrus unshiu)、ショウブ、マツ、ラベンダー、ローリエ(bay)、チョウジ、ヒバ(hiba)、ユーカリ、レモン、スターフラワー(starflower)、タイム、ペパーミント、バラ、セージ、ゴマ、ショウガ、バジル、ジュニパー、レモングラス、ローズマリー、ローズウッド、アボカド、ブドウ、ブドウ種子、ミルラ、キュウリ、クレソン、キンセンカ、エルダーフラワー(elder flower)、ゼラニウム、リンデンブロッサム(linden blossom)、アマランス、海藻、イチョウ、朝鮮人参、ニンジン、ガラナ、ティーツリー、ホホバ、コンフリー、オートミール、カカオ、ネロリ、バニラ、緑茶、ペニーローヤル(penny royal)、アロエベラ、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネル、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、マツヨイグサ、ショウノウ、チモール、スピラントール(spirantol)、ペネン(penene)、リモネン、およびテルペノイド油など); (j)上記構成要素の任意の混合物など。 【0071】 等方性ミセル相組成物: 本発明の洗浄組成物は、等方性ミセル相微小構造を有する。液体洗浄液も含めて、全ての界面活性剤溶液のレオロジー挙動は、この微小構造、即ち、溶液中のミセルまたはその他の自己集合構造の形状および濃度に強く依存する。 【0072】 ミセルを形成するのに十分な界面活性剤が存在する場合(臨界ミセル濃度即ちCMCを超える濃度)、例えば、球状、シリンダー状(ロッド様または円盤状)、球面円柱状、または楕円状ミセルが形成され得る。界面活性剤濃度が上がるにつれて、整列した液晶性相(ラメラ相、六方晶相、立方晶相、またはL3スポンジ相など)が形成され得る。非等方性六方晶相は、六方格子中に配列した長いシリンダー状ミセルからなる。一般に、ほとんどの個人用ケア製品の微小構造は、球状ミセルおよびロッドミセルを含む等方性分散液、または整列した液晶性相(ラメラ分散液など)のいずれかからなる。 【0073】 上記のとおり、ミセルは球状またはロッド様が可能である。球状ミセルを有する配合物は、粘度が低くてニュートン剪断挙動を示す傾向がある(即ち、粘度が剪断速度の関数として一定のままである。)。従って製品の注ぎやすさが望まれる場合、その溶液の粘度を下げる。これらの系において、粘度は界面活性剤濃度に合わせて一次増加する。 【0074】 ロッドミセル溶液は、もっと粘性がある。なぜならミセルが長い分、動きが制限されるからである。臨界剪断速度において、ミセルは整列し、溶液は構造粘性になる(shear thinning)。塩の添加は、ロッドミセルを大きくし、ゼロ剪断粘度(即ち、容器中に静置したときの粘度)を上げる。これにより粒子の分散が助けられるだけでなく臨界剪断速度(生成物が構造粘性になる点;臨界剪断速度が高いほど生成物を注ぎにくいことを意味する。)を上げる。 【0075】 ラメラおよび他の結晶性分散液は本発明に含まれない。そのような分散液は、球状ミセルおよびロッド様ミセルのどちらとも異なる。なぜならそれらの分散液は高いゼロ剪断粘度を有することができる(構成ラメラ液滴の配列が密に詰まったものであるため)ものの、非常に構造粘性である(注ぐときに容易に出てくる。)からである。即ち、これらの液は、中程度の剪断速度でロッドミセル溶液よりも構造粘性になり得る。 【0076】 等方性ミセル分散液(本明細書中以下「等方性組成物」)を特性決定する方法の1つとして、以下に記載するとおりのコーン・アンド・プレート(cone and plate)粘度測定が挙げられる。本発明の等方性組成物は、以下に記載するとおりのコーン・アンド・プレート技法で測定して、25℃で1/秒の剪断速度で約500から約300,000cpsの範囲の粘度を有する。好ましくは粘度は、25℃で約1,000から20,000cpsの範囲にある。 【0077】 重合体分散安定剤: 水溶性または水分散性重合体分散剤が、本発明の組成物に含まれる。適した分散剤として、炭水化物ガム、例えば、セルロースガム、微結晶性セルロース、セルロースゲル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルカルボキシメチルセルロース、カラギーナン、ヒドロキシメチルカルボキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、グアーガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラビアガム、アカシアガム、寒天ガム、キサンタンガム、およびそれらの混合物などが挙げられる。 【0078】 好適な炭水化物ガムは、ヒドロキシプロピルメトセルロース(Methocel(登録商標)40-100およびMethocel40-202(DowChemicals,Midland,Michigan)など)、ナトリウムヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(Pure-Gel B990(Grain Processing Corp.,Muscatine,Iowa)など)、およびキサンタンガム(Keltrol CG(CPKelco,,Atlanta,Georgia)など)である。 【0079】 適した重合体分散剤として、同種重合体および共重合体を含有するアクリラート(CARBOPOLの登録商標で入手可能な架橋ポリアクリラート、AQUAの登録商標およびPEMULENの登録商標で入手可能な疎水修飾した架橋ポリアクリラート(全てLubrizol Company,Wickliffe,Ohioから販売)、ならびにRohm and Haas(Philadelphia,PA)からARYSOLまたはACULYNの登録商標で販売されているアルカリ膨潤性アクリルラテックス重合体など)も挙げられる。好適なアクリラートは、Aqua SF-1(登録商標)およびCarbopol Ultrez21(登録商標)重合体である。 【0080】 液晶性組織化剤、粘土組織化剤、およびシリカ組織化剤: 液晶性ネットワーク構造(上記のようなラメラ構造など)の形成を助ける組織化剤および界面活性剤溶液中にコロイド状またはその他のネットワークを形成する、または形成を助ける不溶性作用剤(粘土およびシリカなど)は、合計濃度で1.5、1、または0.5重量%未満で存在し、好ましくは本発明の組成物中に存在しない。含まれない液晶性組織化剤として、以下が挙げられるがそれらに限定されない:C_(14)からC_(30)飽和脂肪アルコール、エチレンオキシド約1から約5モルを含有するC_(16)からC_(30)飽和脂肪アルコール、C_(16)からC_(30)飽和ジオール、C_(16)からC_(30)飽和モノグリセロールエーテル、C_(16)からC_(30)飽和ヒドロキシ脂肪酸、C_(14)からC_(30)ヒドロキシル化および非ヒドロキシル化飽和脂肪酸、C_(14)からC_(30)エトキシ化飽和脂肪酸、エチレンオキシドジオール約1から約5モルを含有するアミンおよびアルコール、モノグリセリド含量が少なくとも40%であるC_(14)からC_(30)飽和グリセリルモノエステル、約1から約3個のアルキル基および約2から約3個の飽和グリセロール単位を有するC_(14)からC_(30)飽和ポリグリセロールエステル、C_(14)からC_(30)グリセリルモノエーテル、C_(14)からC_(30)ソルビタンモノ/ジエステル、エチレンオキシド約1から約5モルを有するC_(14)からC_(30)エトキシ化飽和ソルビタンモノ/ジエステル、C_(14)からC_(30)飽和メチルグルコシドエステル、C_(14)からC_(30)飽和スクロースモノ/ジエステル、エチレンオキシド約1から約5モルを有するC_(14)からC_(30)エトキシ化飽和メチルグルコシドエステル、平均でグルコース単位を1から2個有するC_(14)からC_(30)飽和ポリグルコシド、ならびにそれらの混合物。上記の組織化剤として、約1から約8のHLBおよび少なくとも約45℃の融点を有するものが挙げられる。 【0081】 比較の液晶性組織化剤のさらなる例として、以下が挙げられるがそれらに限定されない:ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、エチレンオキシド単位を平均で約1から約5個有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、エチレンオキシド単位を平均で約1から約5個有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、ならびにそれらの混合物。以下も挙げられる:ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレンオキシド単位を平均で約2個有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(steareth-2)、エチレンオキシド単位を平均で約2個有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、ならびにそれらの混合物。 【0082】 他の比較の液晶性組織化剤として、以下が挙げられるがそれらに限定されない:結晶性、ヒドロキシル含有安定剤(ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪エステルまたは脂肪石鹸、水不溶性ワックス様物質など)。 【0083】 例えば、結晶性、ヒドロキシ含有安定剤は、以下からなる群より選択することができる: (i)CH_(2)(OR_(1))CH_(2)(OR_(2))CH_(2)(OR_(3)) 式中、R_(1)は-COR_(4)(CHOH)_(x)R_(5)(CHOH)_(y)R_(4)であり; 式中、 R_(1)は、-C-R_(4)(CHOH)_(x)R_(5)(CHOH)_(Y)R_(6)であり; R_(2)は、R_(1)またはHであり R_(3)は、R_(1)またはHであり R_(4)は、C_(0-20)アルキルであり; R_(5)は、C_(0-20)アルキルであり; R_(6)は、C_(0-20)アルキルであり; R_(4)+R_(5)+R_(6)=C_(10-20)であり ただし1≦x+y≦4であり; (ii)R_(7)COOM 式中 R_(7)は、-R_(4)(CHOH)_(x)R_(5)(CHOH)_(y)R_(6)であり MはNa^(+)、K^(+)、またはMg^(++)であるか、Hであり;および iii)それらの混合物。 【0084】 他の比較のヒドロキシル含有安定剤として、以下が挙げられるがそれらに限定されない:12-ヒドロキシステアリン酸、9,10-ジヒドロキシステアリン酸、トリ-9,10-ジヒドロキシステアリン、およびトリ-12-ヒドロキシステアリン(水素化ヒマシ油はほとんどがトリ-12-ヒドロキシステアリンである。)。 【0085】 比較の組織化剤のこのクラスに同じく含まれるのは、C10-C22エチレングリコール脂肪酸エステルである。 【0086】 上記のとおり、粘土、シリカ、およびその他の粒子を主体とする比較の組織化剤は、本発明の組成物中に1.5、1、または0.5重量%未満で存在し、好ましくは存在しない。こうした組織化剤として、以下が挙げられるがそれらに限定されない:フュームドシリカおよび沈降シリカからなる群より選択される分散非晶質シリカ、およびそれらの混合物。本明細書中用いられる場合、「分散非晶質シリカ」という用語は、平均凝集粒子サイズが約100ミクロン未満である、小さな細分された非結晶性シリカを示す。 【0087】 比較の組織化剤の他の例として、以下が挙げられるがそれらに限定されない:ベントナイトおよびヘクトライトを含む分散セメクタイト粘土、およびそれらの混合物。ベントナイトはコロイド状硫酸アルミニウム粘土(aluminum clay sulfate)である。ヘクトライトは、ナトリウム、マグネシウム、リチウム、ケイ素、酸素、水素、およびフッ素を含有する粘土である。 【0088】 任意選択の活性剤 有利なことに、上記で定義される調整剤(皮膚軟化剤または湿潤剤など)以外の活性剤を、製品の配合から使用時の肌の手入れまでの間に、安全有効量で洗浄組成物に添加することができるが、ただしそれらは溶解限度を超えない。超えると反射率が洗浄組成物の80%を超える値に上がる。適した活性成分として、水相に溶解するもの、ワセリン相に溶解するもの、および両方の相に溶解するものが挙げられる。適した活性剤は、有利なように、抗菌および抗真菌活性剤、ビタミン、ニキビ抑制剤;シワ取り、抗皮膚萎縮、および皮膚修復活性剤;肌保護層修復活性剤;非ステロイドの化粧鎮静剤;人工日焼け剤および促進剤;肌美白活性剤;日焼け防止剤;皮脂作用剤(stimulator);皮脂抑制剤;抗酸化剤;プロテアーゼ抑制剤;肌引き締め剤;かゆみ止め成分;発毛抑制剤;5-α レダクターゼ抑制剤;落屑性酵素促進剤;抗糖化剤;表面麻酔薬、およびそれらの混合物などから選択することができる。 【0089】 これらの活性剤は、水溶性活性剤、油溶性活性剤、それらの医薬的に許容される塩および混合物から選択され得る。有利なように、活性剤は洗浄組成物に溶解するものまたは分散するものである。「活性剤」という用語は、本明細書中使用される場合、用いることで肌および/または毛髪に有益効果をもたらすことができるものであって、一般に、本明細書中すでに記載した保湿剤および皮膚軟化剤でもたらされるような調整効果をもたらすのに用いられるのではない個人用ケア活性剤を意味する。「安全有効量」という用語は、本明細書中使用される場合、手入れすべき状態を修飾するのに、または所望の肌の手入れの有益効果をもたらすのに十分なほど多いが、重篤な副作用を回避するのに十分なほど少ない、活性剤の量を意味する。「有益」という用語は、本明細書中使用される場合、特定の状態を1種以上の本明細書中記載される活性剤で手入れすることに伴う、治療的、予防的、および/または慢性的な利益を意味する。活性成分の安全有効量がどのくらいであるかは、具体的な活性剤、その活性剤の肌浸透能力、使用者の年齢、健康、および肌状態、ならびにその他同様な要因によって様々である。好ましくは本発明の組成物は、活性剤構成要素を重量で、約0.01%から約50%、より好ましくは約0.05%から約25%、さらにより好ましくは0.1%から約10%、よりいっそう好ましくは0.1%%から約5%含む。 【0090】 ニキビ抑制剤は、毛嚢脂腺小胞の慢性的障害である尋常性座瘡を治療するのに有効となり得るものである。有用なニキビ抑制剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:角質溶解剤(サリチル酸(o-ヒドロキシ安息香酸)、サリチル酸誘導体(5-オクタノイルサリチル酸および4-メトキシサリチル酸など)、およびレソルシノールなど);レチノイド(レチノイン酸およびその誘導体(例えば、cis体およびtrans体)など);硫黄含有Dアミノ酸およびLアミノ酸ならびにそれらの誘導体および塩、特にそれらのN-アセチル誘導体、それらの混合物、など。 【0091】 抗菌および抗真菌活性剤は、細菌および真菌の増殖および成長を防止するのに有効となり得るものである。抗菌および抗真菌活性剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:b-ラクタム薬、キノロン薬、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(trichlorobanilide)、フェノキシエタノール、トリクロサン;トリクロカルバン;およびそれらの混合物など。 【0092】 シワ取り、抗皮膚萎縮、および皮膚修復活性剤は、表皮層を補充するまたは活性化するのに有効となり得るものである。これらの活性剤は、一般に、落屑の自然なプロセスを促進または維持することにより、それらの望ましいスキンケア効果を提供する。シワ取りおよび抗皮膚萎縮活性剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:ビタミン、ミネラル、および肌の栄養(ミルク、ビタミンA、E、およびKなど);ビタミンCアルキルエステルを含むビタミンアルキルエステル;マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛、およびその他の金属要素;レチノイン酸およびその誘導体(例えば、cis体およびtrans体);レチナール;レチノール;レチニルエステル(酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル、およびプロピオン酸レチニルなど);ビタミンB3化合物(ナイアシンアミドおよびニコチン酸など)、α ヒドロキシ酸、β ヒドロキシ酸、例えばサリチル酸およびその誘導体など(5-オクタノイルサリチル酸、ヘプチルオキシ4サリチル酸、および4-メトキシサリチル酸など);それらの混合物など。 【0093】 肌保護層修復活性剤は、表皮の天然の保湿保護機能を修復および補充する助けとなり得るスキンケア活性剤である。肌保護層修復活性剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:脂質(コレステロール、セラミド、スクロースエステル、および欧州特許明細書番号556,957に記載されるとおりの疑似セラミドなど);アスコルビン酸;ビオチン;ビオチンエステル;リン脂質、それらの混合物など。 【0094】 非ステロイドの化粧鎮静剤は、肌の炎症を予防または治療するのに有効となり得るものである。鎮静剤は、本発明の肌外観への有益効果を向上させる。例えば、そのような作用剤は、肌の調子や色をより均一におよび受け入れやすいものにするのに寄与する。化粧鎮静剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下のカテゴリーが挙げられる:プロピオン酸誘導体;酢酸誘導体;フェナム酸誘導体;それらの混合物など。こうした化粧鎮静剤の多くは、米国特許番号4,985,459(Sunshine et al.,1991年1月15日発行、本明細書中にその全体が参照により組み込まれる。)に記載される。 【0095】 人工日焼け剤は、肌のメラニンを増加させることにより、または肌のメラニンが増加した外観を作り出すことにより、自然な日焼けをまねる助けとなり得るものである。人工日焼け剤および促進剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:ジヒドロキシアセトン(dihydroxyacetaone);チロシン;チロシンエステル(エチルチロシナートおよびグルコースチロシナートなど);それらの混合物など。 【0096】 肌美白活性剤は、肌のメラニン量を実際に減少させることができる、またはその他の機構によりそのような効果を提供することができるものである。本明細書中有用な肌美白活性剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:アロエ抽出物、α-グリセリル-L-アスコルビン酸、アミノチロキシン(aminotyroxine)、乳酸アンモニウム、グリコール酸、ヒドロキノン、4ヒドロキシアニソール、それらの混合物など。 【0097】 同じく本明細書中有用であるのは、日焼け防止剤である。多様な日焼け防止剤が以下に記載されている:米国特許番号5,087,445(Haffey et al.,1992年2月11日発行);米国特許番号5,073,372(Turner et al.,1991年12月17日発行);米国特許番号5,073,371(Turner et al.1991年12月17日発行),およびSegarin,et al.,at Chapter VIII,pages 189 et seq.,of Cosmetics Science and Technology。これらは全て本明細書中にその全体が参照により組み込まれる。本発明の組成物に有用な日焼け防止剤の、制限ではなくあくまでも例は、以下からなる群より選択されるものである:メトキシケイヒ酸(methoxyl cinnamate)オクチル(Parsol MCX)およびブチルメトキシベンゾイルメタン(Parsol 1789)、p-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル、N,N-ジメチル-p-アミノ安息香酸2-エチルヘキシル、p-アミノ安息香酸、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、オキシベンゾン、それらの混合物など。 【0098】 皮脂作用剤は、皮脂腺による皮脂産生を増加させることができるものである。皮脂作用剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:ブリオノール酸(bryonolic acid)、デヒドロエピアンドロステロン(dehydroetiandrosterone)(DHEA)、オリザノール、それらの混合物など。 【0099】 皮脂抑制剤は、皮脂腺による皮脂産生を減少させることができるものである。有用な皮脂抑制剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:アルミニウムヒドロキシクロリド、コルチコステロイド、デヒドロ酢酸およびその塩、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン(Elubiolから入手可能)、それらの混合物など。 【0100】 同じく本発明で活性剤として有用なのは、プロテアーゼ抑制剤である。プロテアーゼ抑制剤は大きく2つのクラスに分けることができる:プロテイナーゼとペプチダーゼである。プロテイナーゼは、タンパク質の特定の内部ペプチド結合に作用し、ペプチダーゼはタンパク質末端の遊離アミノ基またはカルボキシル基に隣接するペプチド結合に作用してタンパク質を外界から切り離す。本発明で用いるのに適したプロテアーゼ抑制剤として、以下が挙げられるがそれらに限定されない:プロテイナーゼ(セリンプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、およびアスパルチルプロテアーゼなど)およびペプチダーゼ(カルボキシペプチダーゼ(carboxypepidases)、ジペプチダーゼ、およびアミノペプチダーゼなど)、それらの混合物など。 【0101】 本発明で活性成分として有用なその他のものは、肌引き締め剤である。本発明の組成物で有用な肌引き締め剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:重合体を肌に結合させることができる単量体(ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、および長鎖アルキル(メタ)アクリラートを含む疎水性単量体のターポリマーなど)、それらの混合物など。 【0102】 本発明の活性成分として、かゆみ止め成分も挙げることができる。本発明の組成物で有用なかゆみ止め成分の適した例として、以下が挙げられる:ヒドロコルチゾン、メトジラジン(methdilizine)、およびトリメプラジン(trimeprazineare)、それらの混合物など。 【0103】 本発明の組成物で有用な発毛抑制剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:17β エストラジオール、血管新生阻害ステロイド、ウコン抽出物、シクロオキシゲナーゼ抑制剤、マツヨイグサ油、リノール酸など。適した5-α レダクターゼ抑制剤(エチニルエストラジオールおよびそのゲニスチン(genistine)混合物など)など。 【0104】 本発明の組成物で有用な落屑性酵素促進剤の、制限ではなくあくまでも例として、以下が挙げられる:アラニン、アスパラギン酸、Nメチルセリン、セリン、トリメチルグリシン、それらの混合物など。 【0105】 本発明の組成物で有用な抗糖化剤の、制限ではなくあくまでも例として、Amadorine(Barnet Products Distributorから入手可能)などを挙げることができる。 【0106】 本発明は、以下の非限定実施例により、さらに詳細に説明される。実施例は例示のみを目的とし、いかなる方法でも本発明を制限することを意図しない。物理試験法を以下に記載する: 【0107】 操作および比較例、またはその他に明確に示される場合を除いて、材料または条件または反応の量または比、材料の物性、および/または使用を示す記載における数字は全て、「約」という単語で修飾されているものと理解されるはずである。 【0108】 本明細書で用いられる場合、「含む(comprising)」という用語は、記載される特徴、整数、工程、構成要素の存在を含むことを意図するが、1つ以上の特徴、整数、工程、構成要素、またはそれらの群の存在または追加を排除することを意図しない。 【0109】 本明細書および実施例の百分率は全て、他に記載がないかぎり、重量%であるものとする。 【実施例1】 【0110】 反射率および粒子サイズにおける混合強度および水性基材の温度の影響を、ワセリンをそれぞれ2、4、6、および8重量%含む組成物(発明の試料AからD)で調べた。以下に記載の手順に従って、試料を調製した。表1Aおよび表2Aには、低い混合強度で調製した試料の反射率をまとめる。同様に、表1Bおよび表2Bには、高い混合強度(200rpm)で調製した試料の粒子サイズをまとめる。試料AからDの組成を表3に示す。組成物AからDは、以下の実施例2に示す比較例と比べて、概して反射率が低く相対的に平均粒子サイズが大きくなることが見出された。 【0111】 【表1】 【0112】 【表2】 【0113】 【表3】 【実施例2】 【0114】 以下に記載の手順を用いて、表4に従って比較の洗浄組成物EからKを配合し、それらの反射率を測定して、本発明の試料B1と比較した。試料B1は、実施例1で示した試料Bと組成が同一であり、水性基材を油相に加える際にその温度を32.2℃にした以外は同様に調製する。比較の配合物は、C12およびC18脂肪酸(即ちEおよびF)、およびワセリンの定義外の非ワセリン油(即ちGからK)を含む。比較例は全て、実質的にB1よりも大きい反射率を示した。 【0115】 【表4】 【実施例3】 【0116】 比較例Lおよび対照Mを、以下の表5に従って配合し、それらの反射率および粒子サイズ分布を測定し、本発明の組成物Bと比較して図3に示した。実施例Bは、図1に示すインライン注入プロセスにより作成した。実施例Lは、以下に記載する従来のバッチプロセスで作成し、これには大豆油および液晶性組織化剤ラウリン酸が含有されている。実施例Lは、本発明の実施例Bと比較して、粒子サイズがより小さく反射率がより高い方へ目に見えて移動しており、これは一部には大きさが10ミクロンより小さいワセリン粒子が生成物の外観に悪影響を及ぼしているためと思われる。 【0117】 対照例Mに用いられた、ワセリン予備混合物を含まない水性基材配合物は、粒子サイズ範囲が1から100ミクロンであることを示す。これらの粒子は、完全には分散および/または溶解していない個々のまたは凝集した重合体および界面活性剤(例えばSLES/共重合体)粒子からなると思われる。注入プロセスによるワセリン予備混合物の添加(実施例B)は、添加したワセリン粒子に代表される100から1000ミクロンの範囲のより大きな粒子サイズ分布をはっきりと示す。 【0118】 【表5】 【0119】 実施例Lの作成プロセス: 1.主混合槽にDl水1383部を加え65℃に加熱する 2.白色ワセリン150部、ラウリン酸165部、PEG8ステアラート15部、コカミドMEA100部を撹拌しながら加える。 3.80℃に加熱する。 4.再循環ループに、3:1の比で、コカミドプロプロピルベタイン100部、SLES 1 EO70%714部を>65℃で注入し、10分間混合する。 5.35℃に冷却し始める。 6.コカミドプロピルベタイン614部およびDl水1328部を注入し、10分間混合する。 7.グリセリン50部を加える 8.分離槽Aに、Dl水100部、無水クエン酸5部、および二酸化チタン2部を加え、均質になるまで混合する。 9.分離槽Bに、大豆油150部およびグアーヒドロキシプロピルトリモニウム35部を加える 10.槽Aおよび槽Bの内容物を、再循環しながら主混合槽に加える。 11.<44℃に冷却する 12.DMDMヒダントイン9部、EDTA四ナトリウム塩6部、39%イソステアリン酸0.5部、および着色溶液5部を加える。 13.香料65部を加える。 14.再循環を20分間続ける。 【実施例4】 【0120】 本発明の実施例Bの粒子サイズ分布における、1)混合前の水相および油相の温度、および2)油相流速(注入圧に直接比例する。)の影響を調べた(図4および図5を参照)。粒子サイズ分布は、調べた注入温度および流速(圧)にわたって、狭く定義された範囲内で様々であることがわかった。 【0121】 より詳細には、図4は、32psig(約220kPa)および42psig(約290kPa)での結果を比較するもので、平均粒子サイズは圧力と反比例するようである。図5は、水性基材温度を下げるとワセリン粒子サイズが全体的に大きくなることを示す、即ち60℃でのワセリン粒子の方が大きく65.5℃でのワセリン粒子の方が小さい。 【0122】 B4:油相温度60℃、注入点での圧力32psig。 B5:油相温度65.5℃、注入点での圧力42psig。 B6:油相温度60℃、注入点での圧力42psig。 B7:油相温度65.5℃、注入点での圧力32psig。 B8:水性基材温度35℃、注入点での圧力42psig。 B9:水性基材温度31℃、注入点での圧力42psig。 試料B4からB7;水性基材温度は32℃であった 試料B8およびB9;油相温度は60℃であった 【0123】 試料調製法: 実施例AからKは、以下のとおりに調製した: 1.水を混合容器に投入し、57.2℃に加熱し始める。 2.Aqua SF-1を主容器に加える。 3.ラウレス硫酸ナトリウムおよびコカミドMEAを容器に加え、76.7℃に加熱し続ける。 4.EDTA四ナトリウム塩を主ビーカーに加える。 5.コカミドプロピルベタインを主容器に加え、混合を続ける。 6.水酸化ナトリウムを加えpH=6.1から6.5に中和する。 7.ポリプロピレングリコール希釈剤を加えて粘度を下げる。 8.保存料および香料を加える。 9.35℃で、生成物の粘度、外観、一貫性を確認し、所望の粘度を達するのに必要にあわせて希釈剤を加える。 10.IKA(登録商標)RW20ミキサー(IKA Works,Inc.,Germany)で低速(<100rpm)を維持して混合しながら、ワセリン(または他の疎水性油または脂肪酸)を主ビーカーに加える;Lightnin(登録商標)A320ミキサーブレードを用い、ワセリン(または他の疎水性油または脂肪酸)が均一に分散するまで混合する。 【0124】 方法: A)反射率法 Hunterlab Labscan XE分光光度計(Hunter Associates Laboratory,Inc.,Reston,VA)を用いて生成物の反射率を以下のとおり測定した: 1.2”ポートを用いて、標準黒タイルおよび白タイルで装置を標準化する。 2.全ての試料について、生成物約50gを用いて、試料ホルダーを満たして高さを一定にする。 3.測定を行なう。 4.複数の試料で繰り返し、平均を取る。 【0125】 B)粒子サイズ法: 標準粒子サイズ(液滴サイズ)測定プロトコル: 身体洗浄料試作品中の皮膚軟化油の粒子サイズ分布は、周囲条件にて、Malvern Mastersizer(登録商標)2000(Malvern Instruments,Malvern,UK)を用いた光回折測定により特性決定する。Mastersizer 2000ソフトウェアで一次データを分析する。 【0126】 試料の調製は、光散乱測定を左右する。試料は、脱イオン水で1:1の比に予備希釈し、実際のシャワー条件を見積もった。希釈した試料を穏やかに混合して分散チャンバに入れ、そうしてそれぞれワセリンおよび他の粒子を含有する十分に分散した試料を測定した。 【0127】 実験手順: 1.Malvern試料分散アクセサリー類、光学ユニット、およびMastersizer 2000ソフトウェアのスイッチを順に入れる。 2.系に試料分散アクセサリーの自動洗浄を行なわせ、光学系を整列させ、光学的背景を測定し、サイズ分布を計算し、記録を保存する。 3.各実験について、実験サイクルを10回行ない、各サイクル間は5秒空ける。平均した結果を記録する。 4.正常感度および異常粒子形状を設定して、液滴サイズ分布を計算する。ワセリンの屈折率は1.4847であり、水の屈折率は1.3300である。 5.脱イオン水を加えて、レーザー信号強度が80%以上に達するまで試料アクセサリーを清浄にする。 6.掩蔽バー(obscuration bar)が緑色範囲の中間値に達するまで試料をアクセサリーに加える。試料の粘度が非常に高い場合は、アクセサリーに加える前に予備分散が必要になるかもしれない。 7.測定を行なう。 【0128】 C)粘度測定 この方法は、本明細書中記載される粘度の測定を包括する。この方法は、生成物の組織化度を測定するのにも用いられる。 【0129】 装置: Brookfield RVT粘度計; RV接続用チャック/ウェイト/クローサーアセンブリ; RV-スピンドル5; 直径が2.5インチより大きいプラスチックカップ 手順: 1.装置の背後の泡水準器を参照して粘度計が水平であることを確認する。 2.チャック/クローサー/ウェイトアセンブリを粘度計に接続する 3.スピンドル5を脱イオン水で清浄にし、Kimwipe(登録商標)シートで押さえて水気を切る。スピンドルをクローサーに差し込み締める。 4.回転速度を20RPMに設定する。デジタル粘度計(DV)の場合、%モードを選択し、モーターのスイッチを入れるときに自動ゼロも押す。 5.生成物を内径が2.5インチより大きいプラスチックカップに入れる。カップ内の生成物の高さは少なくとも3インチはあるべきである。生成物の温度は、本明細書中その他に記載されない限り、25℃であるべきである。 6.スピンドルを下げて生成物に入れる。 7.粘度計を起動する。 8.粘度計を1分間稼動させる。 9.デジタルで読んだ値を2,000倍し、粘度の読み取りをcpsで記録する。 【0130】 本発明をその特定の実施形態について記載してきたが、本発明のその他多くの形態および修飾が当業者に明らかであることは明白である。添付の特許請求の範囲および本発明は、本発明の真の精神および範囲内にあるそうした明らかな形態および修飾全てを包含すると一般に解釈されるはずである。 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 安定した多相性の等方性洗浄組成物であって、 a.組成物全体を基準として、水相97.5から84重量%、 b.濃度が組成物全体を基準とする、35から80℃の融点および32℃で10Kcpsの最小粘度を有するワセリン1から16重量%、ここで、ワセリン相粒子の50体積%超は、標準粒子サイズ法で測定して100ミクロンより大きい直径を有する、 c.水相は、組成物全体を基準として、非石鹸のアニオン性界面活性剤1から25重量%、および両性界面活性剤1から20重量%を含み、 d.水相は、組成物全体を基準として、重合体分散安定剤を全部で0.5から10重量%含有し、 e.組成物全体を基準として、疎水性グリセリド、ワセリン以外の炭化水素、またはシリコーン油またはその混合物を合計で2重量%未満、 f.組成物全体を基準として、液晶性組織化剤、結晶性ヒドロキシル含有安定剤、C10-C22エチレングリコール脂肪酸エステル、シリカ、粘土、またはそれらの混合物を合計で1.5重量%未満、 を含み、ならびに g.洗浄組成物は、標準反射率法で測定して80%の最大反射率を有する、 洗浄組成物。 【請求項2】 水相および油相のみを含有する、請求項1の洗浄組成物。 【請求項3】 安定した多相性等方性洗浄組成物の調製方法であって、 a.水、界面活性剤、および重合体分散安定剤を均一になるまで混合して、油を含まない、透明な、等方性水性予備混合物にする工程、 b.水性予備混合物を混合管に供給し、この水性予備混合物を1分あたり22.7から113.7kg(50から250lbs.)の速度で混合管に通す工程、および c.35から80℃の融点および32℃で10Kcpsの最小粘度を有するワセリンを、ワセリン1%対水性予備混合物99%からワセリン16%対水性予備混合物84%の重量%比範囲の混合物を形成するのに十分な速度で、多口注入器から混合管に供給する工程 を含み、ならびに d.洗浄組成物は、標準反射率法で測定して80%の最大反射率を有し、および、ワセリン相粒子の50体積%超は、標準粒子サイズ法で測定して100ミクロンより大きい直径を有する 方法。 【請求項4】 混合する前に、水性予備混合物の温度は40℃以下に調整し、ならびにワセリンの温度は50から70℃の範囲に調整する、請求項3の方法。 【請求項5】 多口注入器は最少でも3つの管路口を有する、請求項3の方法。 【請求項6】 多口注入器の管路口は対称的なパターンで配置される、請求項5の方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2016-01-20 |
結審通知日 | 2016-01-22 |
審決日 | 2016-02-08 |
出願番号 | 特願2011-521524(P2011-521524) |
審決分類 |
P
1
41・
537-
Y
(A61K)
P 1 41・ 536- Y (A61K) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 松本 直子 |
特許庁審判長 |
松浦 新司 |
特許庁審判官 |
小川 慶子 齊藤 光子 |
登録日 | 2014-10-10 |
登録番号 | 特許第5629684号(P5629684) |
発明の名称 | 液体個人用洗浄組成物 |
代理人 | 安藤 健司 |
代理人 | 小野 誠 |
代理人 | 市川 英彦 |
代理人 | 重森 一輝 |
代理人 | 岩瀬 吉和 |
代理人 | 青木 孝博 |
代理人 | 城山 康文 |
代理人 | 小野 誠 |
代理人 | 坪倉 道明 |
代理人 | 坪倉 道明 |
代理人 | 金山 賢教 |
代理人 | 市川 英彦 |
代理人 | 安藤 健司 |
代理人 | 重森 一輝 |
代理人 | 岩瀬 吉和 |
代理人 | 青木 孝博 |
代理人 | 金山 賢教 |
代理人 | 城山 康文 |