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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 C10M
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C10M
管理番号 1313653
審判番号 不服2015-3640  
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-02-25 
確定日 2016-04-21 
事件の表示 特願2009-135460号「潤滑油組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成22年12月16日出願公開、特開2010-280825号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 A.手続の経緯
本願は、平成21年6月4日の出願であって、平成25年8月21日付けの拒絶理由の通知に対し、同年10月28日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成26年3月19日付けの拒絶理由の通知に対し、同年5月23日付けで意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年11月13日付けの補正の却下の決定により平成26年5月23日付けの手続補正書でした補正が却下されると同時に拒絶査定がなされ、これに対し、平成27年2月25日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、同年8月24日に上申書が提出されたものである。

B.平成27年2月25日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成27年2月25日付け手続補正(以下、「本件補正」という)を却下する。
[理由]
(B-1)本件補正の内容
平成26年5月23日付けの手続補正書でした補正は却下されたことからして、補正前の特許請求の範囲の請求項1、2は、平成25年10月28日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された、
「【請求項1】
100℃における動粘度が1?20mm^(2)/sである潤滑油基油と、
ジエステルおよびモノエステルからなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物であるエステル化合物と、
^(13)C-NMRにより得られるスペクトルにおいて、全ピークの合計面積に対する化学シフト36-38ppmの間のピークの合計面積M1と化学シフト64-66ppmの間のピークの合計面積M2の比M1/M2が0.20以上であるポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤と、
を含有することを特徴とするエンジン用潤滑油組成物。
【請求項2】
前記ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤が、下記式(1)で表される構造単位を含有することを特徴とする請求項1に記載のエンジン用潤滑油組成物。
【化1】


[式(1)中、R^(1)は水素またはメチル基を示し、R^(2)は炭素数16以上の直鎖または分枝状の炭化水素基、あるいは、酸素および/または窒素を含有する炭素数16以上の直鎖または分枝状の有機基を示す。]」であり、
請求項1、2の記載を併せると、
「100℃における動粘度が1?20mm^(2)/sである潤滑油基油と、
ジエステルおよびモノエステルからなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物であるエステル化合物と、
^(13)C-NMRにより得られるスペクトルにおいて、全ピークの合計面積に対する化学シフト36-38ppmの間のピークの合計面積M1と化学シフト64-66ppmの間のピークの合計面積M2の比M1/M2が0.20以上であり、かつ下記式(1)で表される構造単位を含有するポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤と、
を含有することを特徴とするエンジン用潤滑油組成物。
【化1】


[式(1)中、R^(1)は水素またはメチル基を示し、R^(2)は炭素数16以上の直鎖または分枝状の炭化水素基、あるいは、酸素および/または窒素を含有する炭素数16以上の直鎖または分枝状の有機基を示す。]」(以下、「本件補正前の請求項2」という。)となる。

補正後の特許請求の範囲の請求項1は、平成27年2月25日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、以下のものである。
「【請求項1】
ジエステルおよびモノエステルからなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物であるエステル化合物と、
前記エステル化合物以外の潤滑油基油であって、100℃における動粘度が1?20mm^(2)/sである潤滑油基油と、
^(13)C-NMRにより得られるスペクトルにおいて、全ピークの合計面積に対する化学シフト36-38ppmの間のピークの合計面積M1と化学シフト64-66ppmの間のピークの合計面積M2の比M1/M2が0.20以上3.0以下であり、かつ下記式(1)で表される構造単位を0.5モル%以上含有するポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤と、
を含有することを特徴とするエンジン用潤滑油組成物。
【化1】


[式(1)中、R^(1)は水素またはメチル基を示し、R^(2)は炭素数16以上の直鎖または分枝状の炭化水素基、あるいは、酸素および/または窒素を含有する炭素数16以上の直鎖または分枝状の有機基を示す。]」(以下、「本件補正後の請求項1」という。)(下線部は、請求人が補正箇所として付与したものである。以下同じ。)

ここで、本件補正は、
(α)補正事項1
本件補正前の請求項2の「100℃における動粘度が1?20mm^(2)/sである潤滑油基油と、
ジエステルおよびモノエステルからなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物であるエステル化合物と、」を、
本件補正後の請求項1の「ジエステルおよびモノエステルからなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物であるエステル化合物と、
前記エステル化合物以外の潤滑油基油であって、100℃における動粘度が1?20mm^(2)/sである潤滑油基油と、」と補正し、
(β)補正事項2
本件補正前の請求項2の「M1/M2が0.20以上であり、かつ下記式(1)で表される構造単位を含有するポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤」を、
本件補正後の請求項1の「M1/M2が0.20以上3.0以下であり、かつ下記式(1)で表される構造単位を0.5モル%以上含有するポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤」と補正するものである。

(B-2)本件補正の適否
(B-2-1)本件補正の目的について
(α)補正事項1について
補正事項1は、潤滑油基油の内にエステル化合物が包含されないことに限定するものである。
(β)補正事項2について
補正事項2は、ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤におけるM1/M2の範囲を具体的に限定すると共に、同向上剤における式(1)で表される(メタ)アクリレート構造単位の含有割合を具体的に限定するものである。
上記(α)(β)からして、本件補正は、発明特定事項を具体的に限定し、かつ、本件補正後の請求項1に記載された発明と本件補正前の請求項1に記載された発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(B-2-2)独立特許要件違反について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について検討する。

(B-2-2-1)特許法第36条第6項1号(いわゆるサポート要件)について
特許請求の範囲の記載は、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものである、または、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであることが必要であり、本願明細書のいわゆるサポート要件については、本願出願人、即ち、審判請求人が証明責任を負うと解するのが相当である(知財高裁特別部判決平成17年(行ケ)第10042号参照)

以下、本願補正発明が発明の詳細な説明の記載においてサポートされているかについて検討する。
■発明の詳細な説明の記載
(ア)「本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、粘度指数が十分に高く、省燃費性および潤滑性に優れた潤滑油組成物を提供することを目的とする。」(当初明細書の【0007】)

(イ)「上記課題を解決するために、本発明は、ジエステルおよびモノエステルからなる群より選ばれる1種または2種以上の混合物であるエステル化合物と、前記エステル化合物以外の潤滑油基油であって、100℃における動粘度が1?20mm^(2)/sである潤滑油基油と、^(13)C-NMRにより得られるスペクトルにおいて、全ピークの合計面積に対する化学シフト36-38ppmの間のピークの合計面積M1と化学シフト64-66ppmの間のピークの合計面積M2の比M1/M2が0.20以上3.0以下であり、かつ下記式(1)で表される構造単位を0.5モル%以上含有するポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤と、を含有することを特徴とするエンジン用潤滑油組成物を提供する。
【化1】


[式(1)中、R^(1)は水素またはメチル基を示し、R^(2)は炭素数16以上の直鎖または分枝状の炭化水素基、あるいは、酸素および/または窒素を含有する炭素数16以上の直鎖または分枝状の有機基を示す。]」(平成27年2月25日付けの手続補正書の明細書の【課題を解決するための手段】【0008】)

(ウ)「本発明によれば、粘度指数が十分に高く、省燃費性と潤滑性に優れる潤滑油組成物を提供することが可能となる。」(当初明細書の【発明の効果】 【0013】)

(エ)「(実施例1?3、参考例4、比較例1?2)
実施例1?3、参考例4および比較例1?2においては、以下に示す基油および添加剤を用いて潤滑油組成物を調製した。基油A-1の性状を表1に、潤滑油組成物の組成を表2に、それぞれ示す。
(基油)
A-1(基油1):n-パラフィン含有油を水素化分解/水素化異性化した鉱油
(添加剤)
B-1(エステル1):オレイン酸-2-エチルヘキシルエステル、100℃動粘度:2.67mm^(2)/s、40℃動粘度:8.26mm^(2)/s、粘度指数183
B-2(エステル2):ネオペンチルグリコール-2-エチルヘキシルエステル、100℃動粘度:2.05mm^(2)/s、40℃動粘度:7.47mm^(2)/s、粘度指数52
B-3(エステル3):アゼライン酸-2-エチルヘキシルエステル、100℃動粘度:3.01mm^(2)/s、40℃動粘度:10.7mm^(2)/s、粘度指数146
B-4(エステル4):トリメチロールプロパントリエステル、100℃動粘度:4.41mm^(2)/s、40℃動粘度:19.6mm^(2)/s、粘度指数139
C-1:ポリメタアクリレート(メチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび、炭素数12?20のアルキル基であるメタクリレートを合計して90モル%と、炭素数22の分岐鎖状アルキル基であるメタクリレート10モル%との共重合体、M1=0.60、M2=0.95、M1/M2=0.64、ΔKV40/ΔKV100=2.2、ΔHTHS100/ΔHTHS150=1.51、MW=400,000、PSSI=20、Mw/Mn=2.2、Mw/PSSI=20000)
C-2:分散型ポリメタクリレート(メチルメタクリレート、炭素数12の直鎖状アルキル基であるメタクリレート、炭素数13の直鎖状アルキル基であるメタクリレート、炭素数14の直鎖状アルキル基であるメタクリレート、炭素数15の直鎖状アルキル基であるメタアクリレート、およびジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体、M1=0.46、M2=3.52、M1/M2=0.13、ΔKV40/ΔKV100=3.3、ΔHTHS100/ΔHTHS150=1.79、MW=300,000、PSSI=40、Mw/Mn=4.0、Mw/PSSI=7500)
D-1:グリセリンモノオレエート
D-2:モリブデンジチオカーバメート
E-1:金属清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤、流動点降下剤、消泡剤等。」(平成25年10月28日付けの手続補正書の明細書の【0114】)

(オ)「


」(当初明細書の【0115】【表1】)

(カ) 「


」(平成25年10月28日付けの手続補正書の明細書の【0117】【表2】)

(ク)「表2に示したように、エステル化合物を含有し、所定の粘度指数向上剤を添加した実施例1?3の組成物は、エステル化合物を含有しない比較例1の組成物ならびにM1/M2比の低い粘度指数向上剤を用いた比較例2の組成物に比べて、150℃における高温高せん断粘度を維持しながら、粘度指数が高く、省燃費性に優れていることを示す。」(平成25年10月28日付けの手続補正書の明細書の【0118】)

■本願補正発明の課題
上記(ア)(ウ)からして、本願補正発明の課題(効果)は、「粘度指数が十分に高く、省燃費性と潤滑性に優れる潤滑油組成物を提供する」ことにあるということができる。

■発明の詳細な説明の記載により当業者が課題を解決できると認識できる範囲と本願補正発明との対比
本願補正発明は、(i)「^(13)C-NMRにより得られるスペクトルにおいて、全ピークの合計面積に対する化学シフト36-38ppmの間のピークの合計面積M1と化学シフト64-66ppmの間のピークの合計面積M2の比M1/M2が0.20以上3.0以下であり」、また、(ii)「式(1)で表されるポリ(メタ)アクリレート構造単位(式(1)中、R^(1)は水素またはメチル基を示し、R^(2)は炭素数16以上の直鎖または分枝状の炭化水素基、あるいは、酸素および/または窒素を含有する炭素数16以上の直鎖または分枝状の有機基を示す)を0.5モル%以上含有する」「ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤」を発明特定事項にするものであり、上記(i)にはほぼ無限の数の態様があるところ、この(i)に上記(ii)の限定を加えて発明を特定するものである。しかしながら、上記(ii)で限定される式(1)のポリ(メタ)アクリレート構造単位の含有量は、0.5モル%?100モル%の範囲内のいずれのモル%も選択し得るものであり、かつ、式(1)のポリ(メタ)アクリレート構造単位以外の構造単位が特定されていないことからして、本願補正発明が包含し得る「ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤」の数は依然としてほぼ無限であるというべきである。
これに対して、上記発明特定事項(i)及び(ii)に関して、発明の詳細な説明において具体的に示されている内容は、上記(エ)ないし(ク)からして、
(a)ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤のM1/M2の数値は、「M1/M2=0.64」(実施例1ないし3)のみであり、
(b)ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤の式(1)のポリ(メタ)アクリレート構造単位は、「メチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよび、炭素数12?20のアルキル基であるメタクリレートを合計して90モル%と、炭素数22の分岐鎖状アルキル基であるメタクリレート10モル%との共重合体」(実施例1ないし3)のみである。
また、上記発明特定事項(i)及び(ii)に関して、出願時の技術常識を前提にして、本願明細書の全体(特に、【0070】ないし【0089】)をみたとしても、本願発明1ないし3に包含されるほぼ無数の数のポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤が上記課題を解決し得る(所望の効果(性能)が得られる)ものであると認識することは不可能であるというべきである。
上記より、本願明細書の記載は、出願時の技術常識を前提にしたとしても、上記発明特定事項(i)及び(ii)の範囲内であれば、上記課題を解決し得る(所望の効果(性能)が得られる)と当業者において認識できる程度に本願発明1ないし3を十分に開示するものではない。
したがって、本願補正発明は、発明の詳細な説明の記載により当業者が上記課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも、当業者が出願時の技術常識に照らし上記課題を解決できると認識できる範囲のものであるともいえないことからして、本願の特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項1号に適合しておらず同法同条同項に規定する要件を満たしていないので、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(B-2-2-2)独立特許要件についてのまとめ
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

C.本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成25年10月28日付けで提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであり、その請求項1の記載は、上記B.(B-1)で示したとおりのものである。

D.原査定の理由
一方、原査定の拒絶(平成26年3月19日付けの拒絶)の理由3、4は、
「3.この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

4.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。」
『・理由3,4
請求項1に係る発明は、「^(13)C-NMRにより得られるスペクトルにおいて、全ピークの合計面積に対する化学シフト36-38ppmの間のピークの合計面積M1と化学シフト64-66ppmの間のピークの合計面積M2の比M1/M2が0.20以上であるポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤」を用いるものであり、請求項2,3に係る発明は、前記ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤に、特定の式(1)で表される(メタ)アクリレート構造単位が含まれることやそのPSSI値等が特定されるだけのポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤を用いるものであるが、これらの粘度指数向上剤には、本願発明の詳細な説明の段落[0077]?[0081]等を参照すると、多種多様なモノマーから様々な構成比で構成される広範なポリ(メタ)アクリレートポリマーが包含されると思料される。
・・(中略)・・
また、粘度指数向上剤を構成するモノマーやその構成比が異なれば、これを含む潤滑油の粘度指数や動粘度が異なることが技術常識といえるところ、単に、「^(13)C-NMRにより得られるスペクトルにおいて、全ピークの合計面積に対する化学シフト36-38ppmの間のピークの合計面積M1と化学シフト64-66ppmの間のピークの合計面積M2の比M1/M2が0.20以上であるポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤」、または、これに特定の式(1)で表される(メタ)アクリレート構造単位が含まれることやPSSI値等が特定されるだけのポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤のすべてが、本願実施例で用いられた粘度指数向上剤と同様の効果を奏し得るのか否かも直ちに明らかとはいえず、請求項1?4に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。』であり、原査定は、「請求項1に係る発明(本願発明)におけるポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤のすべてが、本願実施例で用いられた粘度指数向上剤と同様の効果を奏し得るのか否かも直ちに明らかとはいえず、請求項1に係る発明(本願発明)の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない」旨を理由の一つ(理由4)にするものであるということができる。

E.本願発明についての検討
本願発明は、本願補正発明よりも広範な技術的範囲を画定するものであるから、上記B.(B-2-2-1)にて検討した「発明の詳細な説明の記載により当業者が課題を解決できると認識できる範囲」を超えるものであることは明らかである。
よって、本願発明は、発明の詳細な説明の記載により当業者が上記課題を解決できると認識できる範囲のものであるとも、当業者が出願時の技術常識に照らし上記課題を解決できると認識できる範囲のものであるともいえないので、本願の特許請求の範囲の記載は、上記の点で特許法第36条第6項1号に適合しておらず同法同条同項に規定する要件を満たしていない。

F.むすび
したがって、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に適合しておらず同法同条同項に規定する要件を満たしていないので、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-02-16 
結審通知日 2016-02-23 
審決日 2016-03-08 
出願番号 特願2009-135460(P2009-135460)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (C10M)
P 1 8・ 537- Z (C10M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲来▼田 優来岩田 行剛坂井 哲也  
特許庁審判長 冨士 良宏
特許庁審判官 豊永 茂弘
日比野 隆治
発明の名称 潤滑油組成物  
代理人 池田 正人  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 平野 裕之  
代理人 城戸 博兒  
代理人 清水 義憲  
代理人 黒木 義樹  
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