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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A61K |
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管理番号 | 1314620 |
審判番号 | 訂正2016-390021 |
総通号数 | 199 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-07-29 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2016-02-04 |
確定日 | 2016-04-14 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5476404号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5476404号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第5476404号は、平成15年3月4日(パリ条約による優先権主張 2002年3月4日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2003-574116号の一部を新たな特許出願とした特願2009-76394号の一部を、さらに新たな特許出願として平成24年2月23日に出願された特願2012-36968号の請求項1?11に係る発明について、平成26年2月14日に特許権の設定登録がされたものであって、平成28年2月4日付けで本件訂正審判の請求がされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正事項 本件訂正審判は、特許第5476404号特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付の訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、その訂正事項は、以下のとおりである。 (訂正事項) 請求項1、3および7における「キナーゼドメイン受容体(KDR)」を「血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)」と訂正する。 第3 当審の判断 1.本件特許明細書の記載事項 本件特許明細書には、以下の事項が記載されている。 (1)「略語-VEGF、血管内皮増殖因子;・・・;KDR、キナーゼ挿入ドメイン含有受容体(VEGF受容体2とも呼ばれる);・・・」(【0017】) (2)「本発明は、VEGFR-2(KDR)の細胞外ドメインに特異的に結合する抗体を提供する。」(【0019】) 2.訂正の目的について 本件特許明細書には、「KDR」が「キナーゼ挿入ドメイン含有受容体」を意味することが記載されている(上記1.(1))。また、「KDR」が「VEGF受容体2」とも呼ばれること(上記1.(1))、及び、「VEGF受容体2」と「VEGFR-2」が同義であるのは技術常識であることからみて、上記1.(2)の「VEGFR-2(KDR)」との記載が、「KDR」が「VEGFR-2」を意味するものであることを表しているのは明らかである。さらに、「VEGFR-2」が、「血管内皮増殖因子受容体-2」を意味することは技術常識である。 以上のことから、本件特許明細書には、「KDR」なる用語が「キナーゼ挿入ドメイン含有受容体」及び「血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)」を意味するものであることが記載されていると認められる。 一方、本件訂正前の請求項1、3及び7(以下、これらの請求項をまとめて「請求項1等」という。)には、「キナーゼドメイン受容体(KDR)」とあるとおり、「KDR」が「キナーゼドメイン受容体」の意味であることが記載され、「KDR」なる用語の意味が、請求項1等と明細書とで、表記上整合しておらず、請求項1等の記載が明瞭でないものとなっている。 そして、本件訂正は、請求項1等における「キナーゼドメイン受容体(KDR)」との記載を「血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)」と訂正し、請求項1等の記載を本件特許明細書の記載と整合させることによって、請求項1等の記載を明瞭にしようとするものである。 よって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 3.新規事項の追加の有無について 上記2.で述べたとおり、「KDR」なる用語が「血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)」を意味すること、すなわち、「血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)」が「KDR」の別名であることは、本件特許明細書の記載から当業者に明らかな事項である。 したがって、本件訂正は、新規事項を追加するものではなく、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものである。 よって、本件訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 4.特許請求の範囲の実質拡張・変更について すでに述べたところから明らかなとおり、本件訂正前の請求項1等に記載の「キナーゼドメイン受容体(KDR)」と本件訂正後の請求項1等に記載の「血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)」とは同じものであるから、本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、本件訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 配列番号53により表される軽鎖可変ドメイン及び配列番号24により表される重鎖可変ドメインを含む、血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)に選択的に結合する抗体またはその断片を含む、医薬組成物。 【請求項2】 癌治療における使用のための、追加の薬剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。 【請求項3】 配列番号53により表される軽鎖可変ドメイン及び配列番号24により表される重鎖可変ドメインを含む血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)に選択的に結合する抗体またはその断片、ならびに1以上の他の抗腫瘍薬を含む、キット。 【請求項4】 1以上の他の抗腫瘍薬および抗体またはその断片の有効量が、同時に、別々に、または連続的に患者に投与される、請求項3に記載のキット。 【請求項5】 癌の処置のための、請求項1または2に記載の医薬組成物あるいは請求項3または4に記載のキット。 【請求項6】 癌が白血病である、請求項5に記載の医薬組成物またはキット。 【請求項7】 医薬組成物またはキットを製造するための、配列番号53により表される軽鎖可変ドメイン及び配列番号24により表される重鎖可変ドメインを含む、血管内皮増殖因子受容体-2(VEGFR-2)に選択的に結合する、単離抗体またはその断片の使用。 【請求項8】 単離抗体またはその断片が、1以上の他の抗腫瘍薬と組合せて投与される、請求項7に記載の使用。 【請求項9】 1以上の他の抗腫瘍薬および抗体またはその断片の有効量が、同時に、別々に、または連続的に患者に投与される、請求項8に記載の使用。 【請求項10】 医薬組成物またはキットが、癌の処置のための医薬組成物またはキットである、請求項7-9いずれか一項に記載の使用。 【請求項11】 癌が白血病である、請求項10に記載の使用。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2016-03-22 |
結審通知日 | 2016-03-24 |
審決日 | 2016-04-05 |
出願番号 | 特願2012-36968(P2012-36968) |
審決分類 |
P
1
41・
853-
Y
(A61K)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 佐々木 大輔 |
特許庁審判長 |
内藤 伸一 |
特許庁審判官 |
大久保 元浩 關 政立 |
登録日 | 2014-02-14 |
登録番号 | 特許第5476404号(P5476404) |
発明の名称 | KDRに特異的なヒト抗体及びその利用 |
代理人 | 鮫島 睦 |
代理人 | 鮫島 睦 |
代理人 | 落合 康 |
代理人 | 落合 康 |
代理人 | 松谷 道子 |
代理人 | 松谷 道子 |