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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G06F
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する G06F
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する G06F
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する G06F
管理番号 1314633
審判番号 訂正2015-390117  
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2015-10-26 
確定日 2016-05-06 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3213585号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3213585号にかかる明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯

本件訂正審判の請求に係る特許第3213585号は、平成10年7月9日に特願平10-194666号として特許出願され、その請求項1?19に係る発明について、平成13年7月19日に特許権の設定登録がなされ、平成26年10月21日に専用実施権が株式会社ダイナトレックに対して設定されたものであって、平成27年10月26日に本件訂正審判の請求がなされ、平成27年12月14日付けで訂正拒絶理由が通知され、これに対して平成28年1月15日付けで意見書が提出され、平成28年2月1日付けで訂正拒絶理由が通知され、これに対して平成28年2月26日付けで意見書が提出されたものである。

第2 請求の要旨

1.請求の趣旨及び訂正の内容

本件訂正審判の請求の趣旨は、本件訂正審判に係る特許第3213585号の明細書及び特許請求の範囲を、本件訂正審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものである。

(1)請求項4?18からなる一群の請求項に係る訂正

ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項4の「データ辞書を具備した装置であって、」の次に、
「前記データベースは、
第1の物理項目を含む第1の物理表と、
第1の物理項目と項目名が異なる第2の物理項目であって第1の物理項目と論理的に一つの項目とされるものを含む第2の物理表とを含み、」を追加する。

イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4の「操作者からなされるデータ検索要求」の前に、「前記定義情報は、第1の物理項目と第2の物理項目を同一項目とみなして単一の表に統合して一つの論理項目として表現するための定義と、該表に対して数値演算を含むデータ加工を行うための定義とを含み、」を追加する。

ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4の「データベースが実行可能な1又は複数の検索命令」を「データベースが実行可能な複数の検索命令」に訂正する。

エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4の「変換された1又は複数の検索命令」を「変換された前記複数の検索命令」と訂正する。

オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項4の「実行結果から成る1又は複数の検索データ」を「実行結果から成る複数の検索データ」と訂正する。

カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項4の「取得された1又は複数の検索データ」を「取得された前記複数の検索データ」と訂正する。

キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項4の「検索データ処理手段」を「検索データ処理手段であって、前記編集は、前記複数の検索データにおける第1の物理項目と第2の物理項目を同一項目とみなして単一の表に統合するとともに、該表に対して数値演算を含むデータ加工を行う工程を含むもの」と訂正する。

ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項7の「検索対象となるデータに関する前記表示情報」を「前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示され、検索対象となるデータに関する表示情報」と訂正する。

ケ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9の「前記表示情報」を「前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示される表示情報」と訂正する。

コ 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項10の「前記抽出条件」を「検索対象となるデータの抽出条件」と訂正する。

サ 訂正事項11
特許請求の範囲の請求項10の「前記論理項目型」を「前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための論理項目型」と訂正する。

シ 訂正事項12
特許請求の範囲の請求項13を削除する。

ス 訂正事項13
特許請求の範囲の請求項14の「1又は複数の検索データ」を「複数の検索データ」と訂正する。

セ 訂正事項14
特許請求の範囲の請求項15の「1又は複数の検索データ」を「複数の検索データ」と訂正する。

ソ 訂正事項15
特許請求の範囲の請求項17の「請求項4乃至16いずれかの項に記載」とあるのを「請求項4乃至12、及び14乃至16いずれかの項に記載」と訂正する。

2.一群の請求項について

上記訂正事項1?15に係る訂正前の請求項4?18は、当該訂正事項を含む訂正前の請求項4の記載を訂正前の請求項5?18が直接的又は間接的に引用しているものであるから、特許法施行規則第46条の2第2号に規定する関係を有する一群の請求項である。
したがって、上記訂正事項1?15に係る訂正前の請求項4?18は、一群の請求項を構成するものであり、本件訂正審判の請求は,特許法第126条第3項の規定に適合するものである。

第3 当審の判断

1.請求項4?18からなる一群の請求項に係る訂正について

願書に添付した特許請求の範囲の請求項4?18(以下,「訂正前の請求項4?18」などという)の記載は,以下のとおりである。

「【請求項4】 非正規データ構造を含んで構築されたデータベース、及び前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報を保持したデータ辞書を具備した装置であって、
操作者からなされるデータ検索要求を前記データ辞書に基づいて入力支援する検索要求入力手段と、
前記データ検索要求の入力完了を契機に、該データ検索要求を前記データ辞書に基づいて解析し、前記データベースが実行可能な1または複数の検索命令に変換する検索要求翻訳手段と、
変換された1または複数の検索命令を前記データベースに対して発行し、該検索命令の実行結果から成る1または複数の検索データを取得する検索処理手段と、
取得された1または複数の検索データを編集して前記データ検索要求に対応する結果データを作成する検索データ処理手段と、
を備えて成るデータ検索装置。

【請求項5】 前記データ辞書は、前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示される表示情報、前記データ検索要求を前記データベースが実行可能な検索命令に変換するための検索命令パターン、及び前記データベースにおける物理情報が、前記データ検索要求におけるデータ単位を表す論理項目毎に各々対応付けられた定義情報を含んで構築されていることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。

【請求項6】 前記データ辞書は、前記論理項目を補完するための副論理項目を含み、当該副論理項目は、前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための論理項目型におけるカテゴリに関する情報が定義されていることを特徴とする、請求項4または5記載のデータ検索装置。

【請求項7】 前記検索要求入力手段は、検索対象となるデータに関する前記表示情報を前記データ辞書に基づいて視認可能に提示し、当該検索対象となるデータの抽出条件を含む前記操作者からの選択的なデータ検索要求の入力をインタラクティブに行うように構成されていることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。

【請求項8】 前記検索要求入力手段は、検索対象となるデータの前記結果データに関する表示形式を前記データ検索要求に含ませて指定可能に構成されていることを特徴とする、請求項4または7記載のデータ検索装置。

【請求項9】 前記検索要求入力手段は、前記操作者により前記表示情報から各々選択される複数の表示項目から、共通の表示項目をキー項目とする前記複数の表示項目を複合可能に前記結果データを作成するように構成されていることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。

【請求項10】 前記検索要求入力手段は、前記抽出条件における論理記述に用いる前記論理項目型に関する情報を、前記データ辞書に対して動的に追加可能に構成されていることを特徴とする、請求項4乃至9のいずれかの項記載のデータ検索装置。

【請求項11】 前記検索要求翻訳手段は、前記データ検索要求を前記データ辞書に基づいて構文解析して当該データ検索要求を形成するデータ検索要求構文パターンを前記データベースが実行可能な対応する検索命令パターンに置換するように構成されていることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。

【請求項12】 前記検索要求翻訳手段は、前記データ検索要求を、所定のSQLに準拠したデータ操作言語における1階述語論理に基づいて正規化された1または複数の検索命令に変換するように構成されていることを特徴とする、請求項4乃至11のいずれかの項記載のデータ検索装置。

【請求項13】 前記検索要求翻訳手段は、前記検索要求に含まれるすべての前記表示項目を前記データ辞書に基づいて展開して各々対応する論理項目に変換するとともに、前記物理情報を形成する物理項目を前記抽出条件に基づいて、異なる物理項目を同一論理項目に統合する列統合、同一物理項目を異なる論理項目に分解する列分解、内容が重複する物理項目から内容重複のない単一の論理項目を選択する行選択、及びキー値により異なる物理項目を選択して単一の論理項目に集約するキー値選択、のいずれかを行うことにより当該検索要求における冗長性を除去し、前記1階述語論理に基づいて正規化された1または複数の検索命令に変換するように構成されていることを特徴とする、請求項4乃至12のいずれかの項記載のデータ検索装置。

【請求項14】 前記検索データ処理手段は、取得した前記検索命令に対応する1または複数の検索データにおける同一の論理項目から形成された項目を統合することにより冗長部分を除去するように構成されていることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。

【請求項15】 前記検索データ処理手段は、前記検索要求に前記結果データに関する表示形式の指定が含まれる場合には、当該表示形式の指定に基づいて前記1または複数の検索データに対するデータ加工及び整表処理を行うように構成されていることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。

【請求項16】 前記非正規データ構造を含んで構築されたデータベースが所定のオブジェクト指向型データベースとして構築されたものであることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。

【請求項17】 請求項4乃至16いずれかの項に記載されたデータ検索装置と複数の検索要求元装置とを双方向通信可能に接続して成り、
前記データ検索装置が前記検索要求元装置からなされるデータ検索要求を取得して対応する検索結果を前記検索要求元装置に対して送出するように構成されていることを特徴とする、データ検索システム。

【請求項18】 前記データ検索要求が、エージェント機能を通じて前記データ検索装置に入力されるように構成されていることを特徴とする、請求項17記載のデータ検索システム。」

(1)訂正の目的、及び当該訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて

ア 訂正事項1について

訂正事項1は、訂正前の請求項4の「データ辞書を具備した装置であって、」の次に、
「前記データベースは、
第1の物理項目を含む第1の物理表と、
第1の物理項目と項目名が異なる第2の物理項目であって第1の物理項目と論理的に一つの項目とされるものを含む第2の物理表とを含み、」を追加するものである。

訂正前の請求項4のデータベースは、「非正規データ構造を含んで構築されたデータベース」とのみ特定されていた。

これに対して、訂正後の請求項4では、「非正規データ構造を含んで構築されたデータベース」の具体的な構成を、
「前記データベースは、
第1の物理項目を含む第1の物理表と、
第1の物理項目と項目名が異なる第2の物理項目であって第1の物理項目と論理的に一つの項目とされるものを含む第2の物理表とを含み、」
と明らかにすることにより、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、訂正事項1は、訂正前の請求項4の「非正規データ構造を含んで構築されたデータベース」の具体的な構成についての発明特定事項を付加するものであり、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

イ 訂正事項2について

訂正事項2は、訂正前の請求項4の「操作者からなされるデータ検索要求」の前に、「前記定義情報は、第1の物理項目と第2の物理項目を同一項目とみなして単一の表に統合して一つの論理項目として表現するための定義と、該表に対して数値演算を含むデータ加工を行うための定義とを含み、」を追加するものである。

訂正前の請求項4の定義情報は、「前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報」とのみ特定されていた。

これに対して、訂正後の請求項4では、「前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報」の具体的な構成を、「前記定義情報は、第1の物理項目と第2の物理項目を同一項目とみなして単一の表に統合して一つの論理項目として表現するための定義と、該表に対して数値演算を含むデータ加工を行うための定義とを含み、」と明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。

よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、訂正事項2は、訂正前の請求項4の「前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報」の具体的な構成についての発明特定事項を付加するものであり、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

ウ 訂正事項3について

訂正事項3は、訂正前の請求項4の「データベースが実行可能な1又は複数の検索命令」を「データベースが実行可能な複数の検索命令」に訂正するものである。
これにより、「1つ又は複数の」を、「複数の」と限定するものであり、複数あった選択肢を選択することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。
よって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、訂正事項3は訂正前の請求項4の「データベースが実行可能な1又は複数の検索命令」を「データベースが実行可能な複数の検索命令」「データベースが実行可能な検索命令」と限定するものであって、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

エ 訂正事項4について

訂正事項4は、訂正前の請求項4の「変換された1又は複数の検索命令」を「変換された前記複数の検索命令」に訂正するものである。
上記訂正事項3と同様の理由で、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項3と同様の理由で、訂正事項4は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

オ 訂正事項5について

訂正事項5は、訂正前の請求項4の「実行結果から成る1又は複数の検索データ」を「実行結果から成る複数の検索データ」に訂正するものである。
上記訂正事項3と同様の理由で、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項3と同様の理由で、訂正事項5は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

カ 訂正事項6について

訂正事項6は、訂正前の請求項4の「取得された1又は複数の検索データ」を「取得された前記複数の検索データ」に訂正するものである。
上記訂正事項3と同様の理由で、訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、上記訂正事項3と同様の理由で、訂正事項6は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

キ 訂正事項7について

訂正事項7は、訂正前の請求項4の「検索データ処理手段」を「検索データ処理手段であって、前記編集は、前記複数の検索データにおける第1の物理項目と第2の物理項目を同一項目とみなして単一の表に統合するとともに、該表に対して数値演算を含むデータ加工を行う工程を含むもの」に訂正するものである。

訂正前の請求項4の「検索データ処理手段」は、「取得された1又は複数の検索データを編集して前記データ検索要求に対応する結果データを作成する検索データ処理手段」であった。

これに対して、訂正事項7による訂正後の請求項4では、「編集」の具体的構成を、「前記複数の検索データにおける第1の物理項目と第2の物理項目とを同一項目とみなして単一の表に統合するとともに、該表に対して数値演算を含むデータ加工を行う工程を含むもの」とすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。

よって、訂正事項7は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、訂正事項7は、訂正前の請求項4の「取得された1又は複数の検索データを編集して前記データ検索要求に対応する結果データを作成する検索データ処理手段」における、「編集」の具体的な構成についての発明特定事項を付加するものであり、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

ク 訂正事項8について

訂正事項8は、訂正前の請求項7の「検索対象となるデータに関する前記表示情報」を、「前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示され、検索対象となるデータに関する表示情報」と訂正するものである。
訂正前の請求項7は、請求項4を引用していたところ、請求項4には「表示情報」という記載は存在せず、その結果、請求項7に係る発明の範囲が不明瞭となっていた。
一方、「表示情報」は、請求項5に存在し、請求項5には「前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示され、検索対象となるデータに関する表示情報」と規定されている。
したがって、請求項7における「前記表示情報」は請求項5における「表示情報」すなわち「前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示され、検索対象となるデータに関する表示情報」を意図していたことは明らかである。
よって、訂正事項8は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

また、訂正事項8は、「前記」が指していた事項を明らかにするものであって、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

ケ 訂正事項9について

訂正事項9は、訂正前の請求項9の「前記表示情報」を「前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示される表示情報」と訂正するものである。
訂正前の請求項9は、請求項4を引用していたところ、請求項4には「表示情報」という記載は存在せず、その結果、請求項9に係る発明の範囲が不明瞭となっていた。
一方、「表示情報」は、請求項5に存在し、請求項5には「前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示され、検索対象となるデータに関する表示情報」と規定されている。
したがって、請求項9における「前記表示情報」は請求項5における「表示情報」すなわち「前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示され、検索対象となるデータに関する表示情報」を意図していたことは明らかである。
よって、訂正事項9は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項9は、訂正事項8と同様の理由により、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

コ 訂正事項10について

訂正事項10は、訂正前の請求項10の「前記抽出条件」を「検索対象となるデータの抽出条件」と訂正するものである。
訂正前の請求項10は、請求項4?9のいずれかを引用していたところ、例えば請求項4には「抽出条件」という記載は存在せず、その結果、請求項10に係る発明の範囲が不明瞭となっていた。
一方、「抽出条件」は、請求項7に存在し、請求項7には「検索対象となるデータの抽出条件」という記載がある。
したがって、請求項9における「前記抽出条件」は請求項5における「検索対象となるデータの抽出条件」を意図していたことは明らかである。
よって、訂正事項10は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項10は、「前記」が指していた事項を明らかにするものであって、明瞭でない記載の釈明をするものであり、かつ発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

サ 訂正事項11について

訂正事項11は、訂正前の請求項10の「前記論理項目型」を「前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための論理項目型」と訂正するものである。
訂正前の請求項10は、請求項4?9のいずれかを引用していたところ、例えば請求項4には「論理項目型」という記載は存在せず、その結果、請求項10に係る発明の範囲が不明瞭となっていた。
一方、「論理項目型」は、請求項6に存在し、請求項6には「前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための論理項目型」という記載がある。
したがって、請求項10における「前記論理項目型」は請求項6における「前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための論理項目型」を意図していたことは明らかである。
よって、訂正事項11は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項11は、「前記」が指していた事項を明らかにするものであって、明瞭でない記載の釈明をするものであり、かつ発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

シ 訂正事項12について

訂正事項12は、訂正前の特許請求の範囲の請求項13を削除するものであり、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
さらに、上記訂正事項12は発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

ス 訂正事項13について

訂正事項13は、訂正前の特許請求の範囲の請求項14の「1又は複数の検索データ」を「複数の検索データ」と訂正するものであり、訂正事項4と同様の訂正であって、上記 エ 訂正事項4について の記載と同様に、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

セ 訂正事項14について

訂正事項14は、訂正前の請求項15の「1又は複数の検索データ」を「複数の検索データ」と訂正するものであり、訂正事項4と同様の訂正であって、上記 エ 訂正事項4について の記載と同様に、特許法第126条第1項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

ソ 訂正事項15について

訂正事項15は、訂正前の請求項17の「請求項4乃至16いずれかの項に記載」とあるのを「請求項4乃至12、及び14乃至16いずれかの項に記載」と訂正するものである。
訂正事項15は、訂正事項12により訂正前の請求項13が削除されたことに基づき、明瞭でない記載を釈明するため、「請求項4乃至16いずれかの項に記載」を「請求項4乃至12、及び14乃至16何れかの項に記載」と訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、上記訂正事項15は、訂正前の請求項17が引用する請求項から請求項13を削除するものであり、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。


(2)当該訂正が願書に添付した明細書、特許請求の範囲の範囲又は図面に記載した事項内の訂正であることについて

ア 訂正事項1について

本件訂正審判の請求に係る特許3213585号の【図10】(a)は、以下のとおりである。


また、該特許の明細書段落【0065】には以下の記載がある。
「【0065】・・・図10(a)は、異なる物理項目を同一論理項目に統合する場合(列統合)の例を示している。図中の例では、並列関係にある算出表V1及びV2を用い、特定の論理項目Pに関して、算出表V1は、物理表T1上の物理項目A(値a)を参照し、一方、算出表V2では、同一物理表T1上の物理項目B1(値b)、または異なる物理表T2上の物理項目B2(値b)を参照するように定義することにより、論理項目Pに値aを含むレコードと、値bを含むレコードの両方が検索データとして作成される。・・・」

ここで、段落【0065】の「物理表T1」「物理項目A」「物理表T2」「物理項目B2」は、当該訂正事項における「第1の物理表」「第1の物理項目」「第2の物理表」「第2の物理項目」に該当するものである。

してみると、該特許の明細書及び図面には
「前記データベースは、
第1の物理項目を含む第1の物理表と、
第1の物理項目と項目名が異なる第2の物理項目であって第1の物理項目と論理的に一つの項目とされるものを含む第2の物理表とを含み、」
という事項が開示されていることから、訂正事項1は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の記載に適合するものである。

イ 訂正事項2について

(ア)本件訂正審判の請求に係る特許3213585号の明細書の段落【0017】には以下の記載がある。

「【0017】前記検索要求翻訳手段は、前記データ検索要求を前記データ辞書に基づいて構文解析して当該データ検索要求を形成するデータ検索要求構文パターンを前記データベースが実行可能な対応する検索命令パターンに置換するように構成する。具体的には、前記データ検索要求を、所定のSQLに準拠したデータ操作言語における1階述語論理に基づいて正規化された1または複数の検索命令に変換するように構成する。また、前記検索要求に含まれるすべての前記表示項目を前記データ辞書に基づいて展開して各々対応する論理項目に変換するとともに、前記物理情報を形成する物理項目を前記抽出条件に基づいて、異なる物理項目を同一論理項目に統合する列統合、同一物理項目を異なる論理項目に分解する列分解、内容が重複する物理項目から内容重複のない単一の論理項目を選択する行選択、及びキー値により異なる物理項目を選択して単一の論理項目に集約するキー値選択、のいずれかを行うことにより当該検索要求における冗長性を除去し、前記1階述語論理に基づいて正規化された1または複数の検索命令に変換するように構成する。」

また、該特許の明細書の段落【0030】には以下の記載がある。
「【0030】データ辞書16は、検索対象となるデータベース17における各種定義、及びデータ検索装置1固有の機能を駆動するためのデータ処理構造及びデータ処理方法の定義情報が記述されている。データ検索装置1における制御の中核となるデータ辞書16により、利用者が理解し易く且つデータ操作が容易になる上位層としての仮想的なデータ構造が実現される。」

さらに、該特許の【図10】(a)は前掲のとおりであり、該特許の明細書段落【0061】【0065】には以下の記載がある。

「【0061】データ統合加工処理部14は、データベース検索処理部13において取得された検索データに対する統合、加工、及び結果データ編集の機能を含んで構成される。・・・データ統合加工処理部14におけるデータ統合処理では、・・・同一の論理項目から生成された項目は同一項目とみなして単一の表形式に統合することにより、複数の検索データ間の関係に含まれる非正規性(冗長部分)を除去する。」

「【0065】・・・図10(a)は、異なる物理項目を同一論理項目に統合する場合(列統合)の例を示している。図中の例では、並列関係にある算出表V1及びV2を用い、特定の論理項目Pに関して、算出表V1は、物理表T1上の物理項目A(値a)を参照し、一方、算出表V2では、同一物理表T1上の物理項目B1(値b)、または異なる物理表T2上の物理項目B2(値b)を参照するように定義することにより、論理項目Pに値aを含むレコードと、値bを含むレコードの両方が検索データとして作成される。・・・」
(下線は合議体が付した)

ここで、図10(a)を参酌すると、段落【0065】の「物理項目A」「物理項目B2」は、当該訂正事項における「第1の物理項目」「第2の物理項目」に相当するものである。
また、「特定の論理項目P」に関して、算出表V1の論理項目Pは物理項目A(値a)を、算出表V2の論理項目Pは物理項目B2(値b)を、それぞれ参照するものであるといえる。

してみると、【0017】【0030】【0061】【0065】及び図10(a)の記載より、
「検索要求翻訳手段はデータ検索要求をデータ辞書に基づいて構文解析して複数の検索命令に変換するにあたり、検索要求に含まれるすべての表示項目を前記データ辞書に基づいて展開して各々対応する論理項目に変換するとともに、物理情報を形成する物理項目を抽出条件に基づいて、異なる物理項目を同一論理項目に統合する列統合を行うものであって、
同一の論理項目から生成された項目(異なる物理項目)は同一項目とみなして単一の表形式に統合されるものであり、
列統合を行うにあたり、第1の物理表T1上の第1の物理項目Aと第2の物理表T2の第2の物理項目Bを、異なる算出表において特定の同一論理項目として参照するための定義を用いる」
ことは、明細書、特許請求の範囲又は図面の記載から導きだすことができるものであり、
ここで「列統合を行う」にあたって「列統合に用いられる定義」は「データ辞書の記述に基づく」ことは明細書の記載から自明であるといえる。

(イ)さらに、該特許の明細書【0022】【0031】【0034】には以下の記載がある。

「【0022】コンピュータ装置により実現されるこのデータ検索装置1は、コンピュータ装置の内部あるいは外部記憶装置に非正規データ構造を含んで構築されたデータベース17、当該非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報を含んで構築されたデータ辞書16を具備する・・・」
「【0031】次に、本実施形態のデータ辞書16におけるデータ構造について、図3を参照して説明する。・・・
【0034】論理項目定義304において、・・・。また、論理項目定義304には、抽出条件設定方法、参照コード表等の検索要求指示制御のためのパラメータ、並びに、書式編集、デフォルト値等の結果データに対する加工編集方法の記述も含まれている。」
(下線は合議体が付した)

加えて、該特許の明細書段落【0062】には以下の記載がある。
「【0062】データ加工処理では、データ統合処理で統合された表に対して、検索要求において指示されたグルーピング指定に基づいてグルーピング処理を行うとともに、データ辞書16における論理項目定義中にデータ加工の記述がある場合には、数値演算、文字列操作、日付変換、コード変換等の機能により、所要のデータ加工処理を行う。」
(下線は合議体が付した)

以上の記載からすると、
・非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報を含んで構築されたデータ辞書16における論理項目定義304には結果データに対する加工編集方法の記述があること、
・データ加工の記述がある場合には数値演算等の所要のデータ加工処理を行うこと、
がいえるから、
「非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報を含んで構築されたデータ辞書において、論理項目定義には数値演算を含むデータ加工を行うための定義が含まれる」
ことは明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されているものといえる。

(ウ) (ア)(イ)を総合すると、該特許の明細書及び図面には、
「定義情報を保持したデータ辞書を具備した装置であって、前記定義情報は、第1の物理項目と第2の物理項目を同一項目とみなして単一の表に統合して一つの論理項目として表現するための定義と、該表に対して数値演算を含むデータ加工を行うための定義とを含み、」
という事項が開示されていることから、訂正事項2は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の記載に適合するものである。

ウ 訂正事項3について

本件訂正審判の請求に係る特許3213585号明細書の段落【0026】には以下の記載がある。

「【0026】検索要求翻訳処理部12は、検索要求指示制御部11から発行された検索要求を、データ辞書16に記述された各種定義情報に基づいてデータベースが実行可能な検索命令に翻訳するものである。・・・検索要求から1階述語論理で実行可能な1または複数の正規化検索命令を生成するように構成される。」

上記記載からすると、願書に添付した明細書には「データベースが実行可能な1又は複数の検索命令」に変換することが開示されている以上、「データベースが実行可能な複数の検索命令」に変換することについて当然に開示されている。
してみると、訂正事項3は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の記載に適合するものである。

エ 訂正事項4について

上記のウ 訂正事項3について と同様の理由により、訂正事項4は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の記載に適合するものである。

オ 訂正事項5について

上記のウ 訂正事項3について と同様の理由により、訂正事項5は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の記載に適合するものである。

カ 訂正事項6について

上記のウ 訂正事項3について と同様の理由により、訂正事項6は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の記載に適合するものである。

キ 訂正事項7について

本件訂正審判の請求に係る特許3213585号の【図10】(a)は前掲のとおりである。

また、該特許の明細書の段落【0061】-【0062】には以下の記載がある。
「【0061】データ統合加工処理部14は、データベース検索処理部13において取得された検索データに対する統合、加工、及び結果データ編集の機能を含んで構成される。・・・データ統合加工処理部14におけるデータ統合処理では、・・・同一の論理項目から生成された項目は同一項目とみなして単一の表形式に統合することにより、複数の検索データ間の関係に含まれる非正規性(冗長部分)を除去する。」

【0062】データ加工処理では、データ統合処理で統合された表に対して、検索要求において指示されたグルーピング指定に基づいてグルーピング処理を行うとともに、データ辞書16における論理項目定義中にデータ加工の記述がある場合には、数値演算、文字列操作、日付変換、コード変換等の機能により、所要のデータ加工処理を行う。」

加えて、該特許の【図10】(a)は前掲のとおりであり、該特許の明細書段落【0065】には以下の記載がある。

「【0065】次に、データ検索装置1における非正規データ構造を含むデータベースの検索について説明する。図10及び図11は、データ統合加工処理を表す概念図である。図10(a)は、異なる物理項目を同一論理項目に統合する場合(列統合)の例を示している。図中の例では、並列関係にある算出表V1及びV2を用い、特定の論理項目Pに関して、算出表V1は、物理表T1上の物理項目A(値a)を参照し、一方、算出表V2では、同一物理表T1上の物理項目B1(値b)、または異なる物理表T2上の物理項目B2(値b)を参照するように定義することにより、論理項目Pに値aを含むレコードと、値bを含むレコードの両方が検索データとして作成される。当該検索データに対して、データ加工処理を施すことにより、最終的な結果データf(P)を得ることができる。」

(下線は合議体が付した)

上記明細書及び図面の記載からすると、
「データ統合加工処理部14はデータベース検索処理部13において取得された検索データに対する統合、加工、及び結果データ編集の機能を含むものであり、
データ統合加工処理においては、異なる物理項目を同一論理項目に統合する場合(列統合)を行うものであって、
同一の論理項目から生成された項目(異なる物理項目)は同一項目とみなして単一の表形式に統合されるものであり、
列統合を行うにあたり、第1の物理表T1上の物理項目Aと第2の物理表T2上の物理項目B2を、異なる算出表において同一の論理項目として参照するための定義を用いるものであり、
データ統合処理で統合された表に対して、数値演算を含む所定のデータ加工処理を行う」ことが導き出せる。

してみると、該特許の明細書及び図面には、
「検索データ処理手段であって、前記編集は、前記複数の検索データにおける第1の物理項目と第2の物理項目を同一項目とみなして単一の表に統合するとともに、該表に対して数値演算を含むデータ加工を行う工程を含むもの」
という事項が開示されていることから、訂正事項7は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の記載に適合するものである。

ク 訂正事項8について

訂正事項8は、「前記」が指していた事項を明らかにするものであって、明瞭でない記載の釈明をするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ケ 訂正事項9について

訂正事項9は、訂正事項8と同様の理由により、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

コ 訂正事項10について

訂正事項10は、「前記」が指していた事項を明らかにするものであって、明瞭でない記載の釈明をするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

サ 訂正事項11について

訂正事項11は、「前記」が指していた事項を明らかにするものであって、明瞭でない記載の釈明をするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

シ 訂正事項12について

訂正事項12は、訂正前の特許請求の範囲の請求項13を削除するものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ス 訂正事項13について

訂正事項13は、訂正前の特許請求の範囲の請求項14の「1又は複数の検索データ」を「複数の検索データ」と訂正するものであり、訂正事項4と同様の訂正であって、上記 エ 訂正事項4について の記載と同様に、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

セ 訂正事項14について

訂正事項14は、訂正前の請求項15の「1又は複数の検索データ」を「複数の検索データ」と訂正するものであり、訂正事項4と同様の訂正であって、上記 エ 訂正事項4について の記載と同様に、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ソ 訂正事項15について

訂正事項15は、訂正前の請求項17が引用する請求項から請求項13を削除するものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか

請求項4?18に係る訂正事項1?15は、特許請求の範囲の減縮、不明瞭な記載の釈明を含むものであるから、訂正後の請求項4?12,14?18に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けられるものでなければならないが、訂正後の請求項4?12,14?18に係る発明について、特許出願の際独立して特許を受けられないとする理由はない。
してみると、請求項4?18に係る訂正事項1?15は特許法第126条第7項の規定に適合する。

第4 むすび

以上のとおり,本件訂正は,特許法第126条第1項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とし,かつ同条第5項乃至第7項の規定に適合する。

よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
データ検索方法及び装置、データ検索システム、記録媒体
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データベース構築技術に係り、特に、非正規性のデータ構造を含んで構築されたデータベースから汎用的にデータを検索する手法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、データベースの主流を占めているリレーショナルデータベース(関係データベース、以下、RDB)では、処理対象となるデータが正規化(冗長性を無くしたこと、以下同じ)されていることを前提としてモデリングされている。正規化されたデータに対しては、SQL等のデータベース操作言語(Data Manipulation Language:以下、DML)を用いて容易に検索することが可能であり、また、汎用的な検索用ツールも数多く実用化されている。しかしながら、実際のRDBにおいては、完全なデータの正規化は困難であり、非正規性をもつデータも数多くデータベース中に存在しているのが現状である。以下に、RDBの関係(リレーション)理論における正規化条件を示す。
【0003】(A1)関係における個々の要素が関係を持たず、原始的であること(第1正規型条件)。
(A2)関係のキー以外のいずれの属性も、その値を一意に決定する際に、すべてのキーの値を与える必要がある(第2正規型条件)。
(A3)関係の二つの属性X、Yにおいて、一方の属性Xが決まれば他方の属性Yも決まるとき、XはYのキーでなければならない(第3正規型条件)。
【0004】しかしながら、大規模なデータベースにこれらの条件を厳密に適用すると、必要なテーブル数が増加するとともに、検索時におけるテーブル間結合の数も増大し、検索速度が著しく低下する。そのため、データベース設計上、ある程度のデータの非正規性が許容されているのが通例である。以下に、RDBにおける非正規性の例を示す。
【0005】(B1)異なるデータ構造を持つ部門や分野のデータを横断的に全体検索しようとする場合。
(B2)種類数が多いために、大分類/中分類/小分類のように、階層的にカテゴライズされている場合。
(B3)検索効率を高めるために、部分的に使用頻度の高いデータを事前に集計し、これらが重複して提供される場合。
(B4)少数の例外的なデータを、枝番、フラグ、識別子等によって特殊処理している場合。
【0006】特に、正規化モデルが二次元、三次元等の整数のデータ空間次元のみを扱うのに対し、階層的にカテゴライズされた非正規性のデータ構造は、全体構造を損なうことなく簡便にフラクタクル性(非整数次元)を付加する手法として、実用上、多用されているのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のようなRDBにおいて、非正規性を含むデータを検索するための検索命令におけるロジックは、一般的なDMLが前提とする1階述語論理による記述が困難であるという特性を有するものである。具体的には、最も標準的なDMLであるSQLも、副問い合わせや、HAVING句といった多階論理機能を一部装備しているが、これらの機能は貧弱で制約が多く、且つ論理の見通しも悪いという欠点を有しており、利用頻度も高くはないのが現状である。
【0008】従って、非正規性を含むデータの検索を行う場合、データベースに付属する言語機能に依存した既存の汎用データベース検索ツールの活用は困難であり、個別にアプリケーション・プログラムを開発するか、あるいは基となるデータを抽出してから利用者が別途加工する等の原始的手法をとらざるを得ない状況にある。そのため、検索に多大な手間とコストを要するとともに、検索結果が得られるまでの処理時間も長くなってしまうという問題があった。
【0009】また、データの局所的操作を可能にするためにデータ及びアルゴリズムを一体的にカプセル化したオブジェクト指向データベース(以下、OODB)が用いられる場合がある。しかし、OODBにおいても、データ量の増加に伴い、処理効率の低下やデータ構造の変換作業の手間がかかるため、大規模なデータベースでの実用化は困難である。
【0010】さらに、データベースに蓄積された、複雑で理解困難な非正規性を含むデータを利用者から直接的に検索対象や検索条件として指定する場合には、例えば、表イメージのような単純なデータ構造として表現することが望ましい。このために、OLAP(オンライン分析処理)の分野では、基となるデータ構造そのものを多次元空間で正規化するというアプローチも採用されているが、正規化に関して既存のデータ構造の見直しとデータ変換に膨大な作業を要するという問題や、例外的なデータや検索ニーズのために全体構造の変更が頻発するという問題等があり、必ずしも、あらゆる局面で有効な手法とはならなかった。
【0011】上述の各問題は、物理的には非正規性を含むデータ構造(以下、非正規データ構造)を、利用者に対して、論理的に正規化されたデータ構造(以下、正規データ構造)として提示可能なものであれば解消することができるものである。
【0012】そこで、本発明は、非正規データ構造を含んで構築されたデータベースから汎用的にデータ検索が可能となるデータ検索方法を提供することを課題とする。本発明の他の課題は、上記データ検索方法の実施に適したデータ検索装置を提供することにある。本発明の他の課題は、上記データ検索方法及び装置等を、汎用のコンピュータ上で実現するための記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明のデータ検索方法は、非正規データ構造を含んで構築されたデータベースにおける前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するためのデータ定義情報を構築しておき、操作者からのデータ検索要求を前記データ定義情報に基づいて解析し、前記データベースが実行可能な検索命令に変換するとともに、前記データベースに対して当該検索命令を実行して検索結果を取得する過程と、取得されたデータ検索結果を前記データ定義情報に基づいて編集し、前記検索要求に対応する最終的な検索結果を生成する過程とを含み、前記非正規データ構造を前記データ定義情報に基づいて汎用的な正規データ構造として表現し、データ検索に適用することを特徴とする。
【0014】また、本発明のデータ検索装置は、非正規データ構造を含んで構築されたデータベース、及び前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報を保持したデータ辞書を具備し、さらに、操作者からなされるデータ検索要求を前記データ辞書に基づいて入力支援する検索要求入力手段と、前記データ検索要求の入力完了を契機に該データ検索要求を前記データ辞書に基づいて解析し、前記データベースが実行可能な1または複数の検索命令に変換する検索要求翻訳手段と、変換された1または複数の検索命令を前記データベースに対して発行し、該検索命令の実行結果から成る1または複数の検索データを取得する検索処理手段と、取得された1または複数の検索データを編集して前記データ検索要求に対応する結果データを作成する検索データ処理手段とを備えたものである。
【0015】前記データ辞書は、例えば、前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示される表示情報、前記データ検索要求を前記データベースが実行可能な検索命令に変換するための検索命令パターン及び前記データベースにおける物理情報が、前記データ検索要求におけるデータ単位を表す論理項目毎に各々対応付けられた定義情報を含んで構築される。好ましくは、前記論理項目を補完するための副論理項目を含んで構築する。この場合、当該副論理項目は、前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための論理項目型におけるカテゴリに関する情報を定義しておく。
【0016】前記検索要求入力手段は、検索対象となるデータに関する前記表示情報を前記データ辞書に基づいて視認可能に提示し、当該検索対象となるデータの抽出条件を含む前記操作者からの選択的なデータ検索要求の入力をインタラクティブに行うように構成する。また、検索対象となるデータの前記結果データに関する表示形式を前記データ検索要求に含ませて指定できるようにする。さらに、前記操作者により前記表示情報から各々選択される複数の表示項目から、共通の表示項目をキー項目とする前記複数の表示項目を複合可能に前記結果データを作成するように構成する。なお、好ましくは、前記抽出条件における論理記述に用いる前記論理項目型に関する情報を、前記データ辞書に対して動的に追加できるように構成する。
【0017】前記検索要求翻訳手段は、前記データ検索要求を前記データ辞書に基づいて構文解析して当該データ検索要求を形成するデータ検索要求構文パターンを前記データベースが実行可能な対応する検索命令パターンに置換するように構成する。具体的には、前記データ検索要求を、所定のSQLに準拠したデータ操作言語における1階述語論理に基づいて正規化された1または複数の検索命令に変換するように構成する。また、前記検索要求に含まれるすべての前記表示項目を前記データ辞書に基づいて展開して各々対応する論理項目に変換するとともに、前記物理情報を形成する物理項目を前記抽出条件に基づいて、異なる物理項目を同一論理項目に統合する列統合、同一物理項目を異なる論理項目に分解する列分解、内容が重複する物理項目から内容重複のない単一の論理項目を選択する行選択、及びキー値により異なる物理項目を選択して単一の論理項目に集約するキー値選択、のいずれかを行うことにより当該検索要求における冗長性を除去し、前記1階述語論理に基づいて正規化された1または複数の検索命令に変換するように構成する。
【0018】前記検索データ処理手段は、例えば、取得した前記検索命令に対応する1または複数の検索データにおける同一の論理項目から形成された項目を統合することにより冗長部分を除去するように構成する。前記検索要求に前記結果データに関する表示形式の指定が含まれる場合には、当該表示形式の指定に基づいて前記1または複数の検索データに対するデータ加工及び整表処理を行うようにする。
【0019】本発明のデータ検索システムは、上記のように構成されるデータ検索装置と複数の検索要求元装置とを双方向通信可能に接続して成り、前記データ検索装置が前記検索要求元装置からなされるデータ検索要求を取得して対応する検索結果を前記検索要求元装置に対して送出するように構成されたものである。この場合、前記データ検索要求を、エージェント機能を通じて前記データ検索装置に入力されるように構成することが処理の高速化を図る上で好適となる。
【0020】本発明の記録媒体は、非正規データ構造を含んで構築されたデータベース、及び前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報を保持したデータ辞書を具備したコンピュータ装置において読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体であって、このプログラムが、少なくとも下記の処理をコンピュータ装置に実行させるものである。
(1)操作者からなされるデータ検索要求を前記データ辞書に基づいて入力支援する処理、(2)前記データ検索要求の入力完了を契機に、該データ検索要求を前記データ辞書に基づいて解析し、前記データベースが実行可能な1または複数の検索命令に変換する処理、(3)変換された1または複数の検索命令を前記データベースに対して発行し、該検索命令の実行結果から成る1または複数の検索データを取得する処理、(4)取得された1または複数の検索データを編集して前記データ検索要求に対応する結果データを作成する処理。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)図1は、本発明を適用したデータ検索装置1の実施の形態を示す機能ブロック図である。図中、実線は処理の流れ、破線は制御データの流れを表している。
【0022】コンピュータ装置により実現されるこのデータ検索装置1は、コンピュータ装置の内部あるいは外部記憶装置に非正規データ構造を含んで構築されたデータベース17、当該非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報を含んで構築されたデータ辞書16を具備するとともに、コンピュータ装置のCPUが所定のプログラムを読み込んで実行することにより形成される、検索要求指示制御部11、検索要求翻訳処理部12、データベース検索処理部13、データ統合加工処理部14、結果データ出力処理部15の機能ブロックを具備して構成される。
【0023】なお、コンピュータ装置上で上記各機能ブロックを形成可能な任意の構成形態、例えば、検索要求指示制御部11及び結果データ出力処理部15の入出力関連機能のみを利用者端末UTとして用いられるコンピュータ装置上で実行し、また、データベース検索処理部13は、データベース17を格納したデータベースサーバで実行するとともに、それ以外の部分は、専用のアプリケーションサーバ上で実行し、コンピュータ装置相互間を構内ネットワーク、あるいは広域ネットワークで接続することにより協調的に動作させるように構成しても良い。
【0024】上記のプログラム及びデータは、例えばコンピュータ装置とは分離可能なCD-ROMやFD等の可搬型記録媒体、あるいはネットワークに接続されたプログラムサーバ等に記録され、使用時に読み込まれて上記コンピュータ装置の内部あるいは外部記憶装置にインストールされるものであっても良い。
【0025】検索要求指示制御部11は、後述するデータ辞書16に基づいて利用者端末UTの画面制御、即ち、検索対象の選択、検索条件の指定、表示形式の指定、検索方法の指定等の利用者操作に対するナビゲーションを行うとともに、利用者からの指示内容に基づいた検索要求を発行するものである。利用者端末UTの画面は、データ辞書16に記述された定義情報に基づく仮想的なデータ構造に即して制御され、コード表等のデータ内容を表示する場合には実際にオリジナルデータの変換を行いながら表示を行う。
【0026】検索要求翻訳処理部12は、検索要求指示制御部11から発行された検索要求を、データ辞書16に記述された各種定義情報に基づいてデータベースが実行可能な検索命令に翻訳するものである。この検索要求翻訳処理部12には、図2に示すようなデータ変換機能、具体的には、後述する物理項目を検索要求における利用者からの指示内容に基づいて、異なる物理項目を同一論理項目に統合する列統合機能、同一物理項目を条件により異なる論理項目に分解する列分解機能、内容が重複する物理項目から条件により内容重複のない単一の論理項目を選択する行選択機能、及びキー値により異なる物理項目を選択して単一の論理項目に集約するキー値選択機能等を含み、検索要求から1階述語論理で実行可能な1または複数の正規化検索命令を生成するように構成される。
【0027】データベース検索処理部13は、検索要求翻訳処理部12で作成される1または複数の正規化検索命令をデータベース17に対して実行し、検索結果を取得する。
【0028】データ統合加工処理部14は、データベース検索処理部13における処理過程で、分割作成される複数の中間的な検索結果を一つの表に統合する。また、データ辞書16に記述された各種定義情報に基づいて1階述語論理のみでは記述不能な付加的なデータ加工を処理することにより、検索要求における指示内容に適合する最終的な検索結果を作成する。なお、以降の説明では、データ検索処理部13における検索結果を「検索データ」、一方、データ統合加工処理部14における最終的な検索結果を「結果データ」として説明する。
【0029】結果データ出力処理部15は、利用者の指示に対応する上述の過程を経て作成された結果データを利用者端末UTへ出力する。
【0030】データ辞書16は、検索対象となるデータベース17における各種定義、及びデータ検索装置1固有の機能を駆動するためのデータ処理構造及びデータ処理方法の定義情報が記述されている。データ検索装置1における制御の中核となるデータ辞書16により、利用者が理解し易く且つデータ操作が容易になる上位層としての仮想的なデータ構造が実現される。また、データ辞書16は、例えば、データベース管理者等により管理者端末DTを用いて作成・編集され、一元的に管理されるものである。
【0031】次に、本実施形態のデータ辞書16におけるデータ構造について、図3を参照して説明する。表示表索引定義301は、利用者がデータベース中から所望の検索対象データを容易に選択可能に構成された表示表における索引の定義情報である。具体的には、ツリー構造、連想構造、音順リスト等、用途・目的に応じた任意の形態で適宜構成されている。
【0032】表示表定義302は、利用者が同時に検索可能な表示項目の集合である表示表における定義情報である。利用者は、1または複数の表示表を選択することにより、検索の対象が絞り込まれるようになる。
【0033】表示項目定義303は、各表示表に含まれる個々の表示項目における定義情報である。この表示項目は、必ずいずれかの論理項目に関連付けられており、表示表が複数選択される場合には、同一論理項目に関連付けられた異なる表示項目は、同一項目として扱われるように構成されている。この論理項目は、論理項目定義304に記述されたデータ辞書16における最も基本となる要素であり、利用者からの検索要求におけるデータの単位であるとともに、データベースの検索結果として提供される検索データの単位でもある。また、論理項目の各々が完全独立であり且つ構造を持たないため、利用者に対して視認可能に提示される表示項目と実際にデータベース検索を行う算出項目との間での自在な関係付けが可能である。
【0034】論理項目定義304において、論理項目は、キー候補項目と属性候補項目とに区分される。キー候補項目は、検索要求において抽出条件設定やグルーピング指定における識別用の論理項目として用いられ、結果データにおいては見出し部として扱われる。また、属性候補項目は、集計等の集合演算の処理対象となる論理項目であり、結果データにおいては本体部として扱われる。また、論理項目定義304には、抽出条件設定方法、参照コード表等の検索要求指示制御のためのパラメータ、並びに、書式編集、デフォルト値等の結果データに対する加工編集方法の記述も含まれている。
【0035】論理項目型定義305は、データ検索装置1で取り扱うことができる論理項目の型(タイプ)を登録するための定義を記述しており、前述の論理項目定義304は、論理項目型定義305のいずれか1つに対応付けられている。データ検索装置1の機能では、論理項目型に依存するアルゴリズムが組み込まれており、この型に基づいて動的な表示画面切り替え等の最適な動作が可能なように構成されている。また、論理項目型に依存するアルゴリズム部分をアドイン可能な外部モジュールとして構成することにより、利用者等のニーズに対して論理項目型の動的な追加が可能となる。この論理項目型には、数値型、通貨型、文字列型、コード型、階層コード型、時間型、郵便番号型、電話番号型、音声型、画像型、動画型等を含むものである。
【0036】副論理項目定義306は、論理項目定義304を補完するものであり、例えば、項目値あるいは項目値パターンにより、論理項目の扱いが異なる場合における個々の論理項目に関する定義情報である。具体的には、階層コード型においては、利用者が大分類のカテゴリを一つを指定することにより、当該カテゴリに関連付けられた中分類のカテゴリを一覧表示し、さらに中分類のカテゴリを一つを指定することにより、小分類のカテゴリを一覧表示を行うための、大分類/中分類/小分類における個々の定義及び相互の関連付け定義情報を含むものである。なお、副論理項目に対応付けられる選択条件値は、特定の値、値の範囲、値のパターンないしそれらの集合及び組み合わせであっても良い。
【0037】適用可能算出表307は、特定の表示表に対して検索時に適用可能な算出表の定義情報である。この場合、一つの表示表に対して複数の算出表を関連付けることができ、適用した一つの算出表以外の他の算出表からは検索しない関係(直列関係)や、適用した一つの算出表以外の他の算出表からも検索可能な関係(並列関係)等の定義も可能である。さらに、直列関係と並列関係との入れ子を含む組み合わせとすることも可能である。
【0038】算出表定義308は、データベース17から同時算出が可能な算出項目の集合に関する定義情報である。当該定義情報に基づいて算出表における算出項目をグループ化することにより、データベース検索命令の発行回数が最適化される。
【0039】算出項目定義309は、使用する算出構文、算出定義式等のデータベース17からの具体的な項目算出方法等の定義情報である。当該定義情報は、算出表毎に各論理項目に対して最大一つ定義され、算出項目が定義されない場合の該当する論理項目は、当該算出表では算出できないものとする。また、論理項目が副論理項目を持つ場合には、算出項目を副論理項目にも対応付けることにより、特定の論理項目値の場合にのみ、当該算出項目が有効であるようにすることができる。
【0040】算出構文定義310は、検索に用いるデータベースの言語構文を、変数を含むパターンとして定義した定義情報である。構文パターンのうち変数部分を検索要求の解析結果に基づいて自動的に有効な式に置換することにより、データベース検索命令が生成される。
【0041】物理表結合定義311は、結合物理表を用いる場合の、基準物理表と結合物理表との結合条件を定義した定義情報である。具体的には、前述の算出表定義308において、基準物理表としてデフォルトで用いる物理表が一つと、結合物理表として補完的に結合参照される任意数の他の物理表が対応付けられている。この定義情報により、データベース検索命令生成時に、自動的に必要な物理表間の結合条件が付加されるようになる。
【0042】物理表定義312は、検索するデータベース17に格納されている表(テーブル)の定義と同一の定義情報、あるいはその必要部分の転記である。
【0043】物理項目定義313は、物理表に含まれる項目(フィールド)及びその属性の定義と同一の定義情報、あるいはその必要部分の転記である。
【0044】データベース定義314は、検索するデータベース17への接続手順、データベース17が取り扱うことができるデータ型の種類、データベース17に装備されている関数の種類等、データベース固有の情報等が定義された定義情報である。
【0045】次に、データ検索装置1における各機能ブロックの詳細について、個別に説明する。図4は、検索要求指示制御部11における機能ブロック図である。検索要求指示制御部11は、検索対象選択部111、抽出条件指定部112、表示形式指定部113、及び検索要求発行部114を含んで構成される。
【0046】検索対象選択部111において、利用者は、まず、表示表索引から特定の表示表を選択するとともに、当該表示表の中から表示項目を選択する。この選択では、複数の表示表から同時に項目を選択して、データ辞書16の定義されたデータ構造に基づくことにより、複合された結果データを作成することが可能になる。図5は、検索対象選択部111における項目選択の複合を表す模式図である。図中における、複数の表示表(a)及び(b)が選択された場合のキー候補項目は、図中の「商品」のように複数の表に共通している項目のみが有効となる。また、表示表(a)及び(b)を複合した図中の(c)では、「売上数量」、「売上金額」、「仕入数量」、「仕入金額」のような属性候補項目については、各表示表におけるすべての項目を任意に選択できるようになる。
【0047】抽出条件指定部112においては、選択されたキー候補項目について、検索時の抽出条件を指定する。具体的には、多数のパターンの抽出条件設定画面を用意しておき、各項目の論理項目型に基づいて最適な画面を選択的に表示することにより、利用者は、簡便に抽出条件を指定することが可能となる。例えば、コード型項目の場合には、データベース17からデータ辞書16で指定されたコード表を検索して表示することにより、利用者は、表示された一覧から特定のコードの選択指定が可能となる。また、上述した大分類/中分類/小分類の階層化された階層コード項目についても同様に、指定されたキー値を判定して表示する表及び項目を選択するようにデータ辞書16を定義することにより、コードの階層的な一覧表示が可能になっている。
【0048】時点型項目の場合には、例えば、カレンダーや時計を備えることにより、時系列情報に基づいて視覚的に条件設定を行うことが可能になる。さらに、特定の項目について、最適な抽出条件設定画面やアルゴリズムを別途作成して実行時にダイナミックにアドインすることにより、あたかも専用アプリケーションであるかのようなわかりやすさと操作性とを実現することも可能である。
【0049】表示形式指定部113においては、検索結果のタイトル、項目の並びの方向(行方向、列方向)、並びの順序(昇順、降順)、合計や小計等の有無、最大表示行数等の検索結果に対する表示形式を指定することができる。
【0050】検索要求発行部114は、上述した各機能ブロックにおいて利用者が指示した内容を一連のコマンド群に組み立て、検索要求として検索要求翻訳処理部12に送出する。検索要求の記述形式は、検索対象とする項目リスト、検索対象とする表リスト、抽出条件の指定、グルーピングの指定、ソート順の指定、検索結果の出力先、及び検索結果を表示する書式の指定等を含んで構成され、標準SQL構文を拡張して使用することも可能であり、あるいは専用の構文を用いても良い。
【0051】次に、検索要求翻訳処理部12について説明する。図6は、検索要求翻訳処理部12における入力された検索要求に対する処理手順図である。また、図7及び図8は、検索要求翻訳処理部12における検索処理を表す模式図である。図6において、検索要求翻訳処理部12は、まず、入力された検索要求における項目リスト、グルーピング指定及びソート指定に現れる表示項目のすべてについて、データ加工定義や書式編集定義が記述されている場合は、各々対応する定義情報に基づいてこれらを展開して論理項目に変換する(ステップS101)。さらに、重複する論理項目を排除して、検索データに含まれるべき論理項目の一意のリストを作成する(ステップS102)。
【0052】図7における上段右側は該処理の過程を表すものである。また、図中、検索要求に含まれる抽出条件「((A=101 or A=1102)and B=’ab’)」について、表示項目を論理項目に変換するとともに、抽出条件の中に副論理項目を有する論理項目が含まれる場合、即ち(Aに対して、A(1),A(2)がある)には、その条件値を検索して個々の条件値に対応する副論理項目を求め、同一副論理項目と条件値とのセットに分解する。さらに、AND条件の内側にOR条件を含む場合には、論理的な等価性を保ちつつ、OR条件が最も外側となるように変換してからOR条件を取り除くことにより、AND条件のみから構成され、異なるレベルの副論理項目を含まない複数の正規抽出条件に分解する(ステップS103)。該分解の結果得られた正規抽出条件の各々について、前述の論理項目の一意のリストにおいて当該正規抽出条件に含まれる論理項目を加えて、正規条件毎の論理項目セットを抽出する(ステップS104)。図7における中段は、この例による論理項目セットを示している。
【0053】次に、抽出された論理項目セットについて、算出表適合条件に基づいて算出表の検査を行い、適合する算出表(以下、適合算出表)を検出する(ステップS105)。算出表適合条件は、具体的には以下のようなものである。なお、以降では、グルーピング指定または抽出条件の中で使われている論理項目をキー項目と呼び、それ以外の論理項目を属性項目と記述する。
【0054】(1)論理項目セットに含まれているキー項目をすべて含んでおり、且つ論理項目セットに含まれている属性項目を一つ以上含んでいる場合、当該算出表を適合算出表とする。
(2)さらに、論理項目セット中の論理項目に副論理項目が指定されている場合には、算出表の論理項目に割り当てられている副論理項目も同一であることを条件とする。
(3)複数の算出表が直列関係で定義されている場合には、先行する算出表に適合した属性項目は、以降の算出表を検査するための論理項目セットから除外する。
(4)複数の算出表が並列関係で定義されている場合には、先行する算出表に適合した属性項目でも、以降の算出表を検査するための論理項目セットに残す。
(5)以上の手順を、以降の算出表を検査するための論理項目セットに属性項目が無くなるまで、あるいはすべての算出表を検査するまで繰り返す。
【0055】さらに、適合算出表の各々について、一回のデータベース検索で検索する単位であるところの検索単位の算出項目を、以下の手順で求める(ステップS106)。
(I)算出表中の属性項目に対応する算出項目を求め、算出項目が異なる算出構文定義や選択定義式を有する場合には、同一なもののみでグルーピングする。
(II)算出表中のキー項目に対応する算出項目をすべて求め、上記(I)で求めた属性項目に対応する算出項目グループの各々を加えたものを、各検索単位の算出項目セットとする。
【0056】次に、検索要求翻訳処理部12は、求められた検索単位の各々における検索項目リスト、グルーピング指定及びソート指定について、項目名を物理表及び物理項目を用いて記述されている算出項目の算出定義式に基づいて式展開する(ステップS107)。正規抽出条件についても同様に、項目名を算出項目の算出定義式に基づいて式展開する(ステップS108)。この処理を表す一例を図8に示す。
【0057】また、算出表における基準物理表以外の物理表が、補完物理表として算出定義式の中で使われている場合、基準物理表と補完物理表とに基づいて物理表結合定義を求め、表参照式、あるいは抽出条件式に追加する(ステップS109)。
【0058】適合算出表に対応する算出構文定義中の検索項目リスト、グルーピング指定式リスト、ソート指定式リスト、抽出条件式、表参照式等の各命令要素に対して、以上の式展開して得られた式を代入することにより、論理項目レベルでの部分値集合を求め、且つデータベース17上で実行可能な正規化検索命令の一つが生成される(ステップS110)。
【0059】以上の過程を、適合算出表内の検索単位の個数、正規抽出条件毎の適合算出表の個数、及び正規抽出条件の個数回繰り返すことにより(ステップS111?S113)、図8の下段に示すように、指示された検索要求を満足するために必要な、すべての論理項目値の集合から成る一連の正規化検索命令の組を得ることができる。
【0060】データベース検索処理部13は、検索対象となるデータベース17とのインタフェースを有し、検索要求翻訳処理部12において得られた正規化検索命令を当該データベース17に対して発行し、該実行結果である検索データを取得して一時保管領域に格納する。検索データの一時保管領域は、例えば、データベース17上における一時テーブル、磁気記憶媒体上の一時ファイル、メモリ上の記憶領域等を用いて構成すれば良い。
【0061】データ統合加工処理部14は、データベース検索処理部13において取得された検索データに対する統合、加工、及び結果データ編集の機能を含んで構成される。図9は、データ統合加工処理部14における処理を表す模式図である。データ統合加工処理部14におけるデータ統合処理では、分割して求められた複数の検索データの各項目について、正規化検索の過程や副論理項目の相違等を無視し、また、同一の論理項目から生成された項目は同一項目とみなして単一の表形式に統合することにより、複数の検索データ間の関係に含まれる非正規性(冗長部分)を除去する。図9における上段の表は、データベース検索処理部13により得られた検索データを示し、また、図9における中段の表は、当該検索データの統合処理結果である。
【0062】データ加工処理では、データ統合処理で統合された表に対して、検索要求において指示されたグルーピング指定に基づいてグルーピング処理を行うとともに、データ辞書16における論理項目定義中にデータ加工の記述がある場合には、数値演算、文字列操作、日付変換、コード変換等の機能により、所要のデータ加工処理を行う。
【0063】また、結果データ編集処理では、検索要求の指示に基づいて行列入れ替えによるクロス集計、タイトルや見出しの付加といった整表処理を行い、最終的な結果データを作成する。結果データ出力処理部15は、データ統合加工処理部14からの結果データを取得して、利用者端末UTの画面上に表示、印刷出力、ファイル等への出力、あるいは他のデータ加工ないし表示を行うアプリケーションへの出力を行う。
【0064】なお、利用者端末UT及び管理者端末DTでは、例えば、管理者等は、GUI(Graphical User Interface)等から構成された編集ツール等を用いることにより、定義情報の更新及びメンテナンスが容易になり、一方、利用者等は、グラフィカルな操作環境により、データベースに関する詳細な知識が無くとも容易な作業が可能となる。
【0065】次に、データ検索装置1における非正規データ構造を含むデータベースの検索について説明する。図10及び図11は、データ統合加工処理を表す概念図である。図10(a)は、異なる物理項目を同一論理項目に統合する場合(列統合)の例を示している。図中の例では、並列関係にある算出表V1及びV2を用い、特定の論理項目Pに関して、算出表V1は、物理表T1上の物理項目A(値a)を参照し、一方、算出表V2では、同一物理表T1上の物理項目B1(値b)、または異なる物理表T2上の物理項目B2(値b)を参照するように定義することにより、論理項目Pに値aを含むレコードと、値bを含むレコードの両方が検索データとして作成される。当該検索データに対して、データ加工処理を施すことにより、最終的な結果データf(P)を得ることができる。これにより、データベース上では列方向に配置されている項目を仮想的に行方向に再配置し、その結果に対して任意の演算を行うことが可能となる。
【0066】図10(b)は、同一物理項目を条件により異なる論理項目に分解する場合(列分解)の例を示している。図中の例では、並列関係にある算出表V1及びV2を用い、算出表V1は、条件xの場合にのみ論理項目Pが物理表T上の物理項目A(値a)を参照するように定義し、一方、算出表V2は、条件yの場合にのみ論理項目Qが同じ物理表T上の物理項目A(値b)を参照するように定義することにより、条件xで論理項目Pに値aを含むレコードと、条件yで論理項目Qに値bを含むレコードの両方が検索データとして作成される。当該検索データに対して任意のデータ加工処理を施すことにより、最終的な結果データf(P)及びg(Q)を得ることができる。これにより、データベース上は、行方向に配置されている項目を仮想的に列方向に再配置し、その結果に対して任意の演算を行うことが可能となる。なお、本実施形態においては、条件を算出表にではなく、算出項目の選択定義式において記述する手法を採用しているが、選択定義式に応じて複数の検索単位を自動生成することから、実際の効果は同一となる。
【0067】図11(a)は、特定の条件により、内容が重複する物理項目から重複のない単一の論理項目を選択する場合(行選択)の例を示している。図中の例では、直列関係にある算出表V1及びV2を用い、算出表V1は、条件xの場合にのみ論理項目Pが物理表T1上の物理項目A(値a)を参照するように定義し、一方、算出表V2は、条件yの場合にのみ同一物理表T1上の物理項目B1(値a’)、または、異なる物理表T2上の物理項目B2(値a’)を参照するように定義することにより、条件xが成り立つ場合には検索データの論理項目Pに物理項目A(値a)を含むレコードだけが作成され、内容が重複している物理項目B1あるいは物理項目B2は除外される。このようにして得られる検索データに対して、任意のデータ処理を施すことにより、内容重複のない結果データf(P)を得ることができる。このときの条件には、条件値以外にも、検索要求における分類条件や抽出条件に係る設定の有無も含むことができる。例えば、得意先別売上高と、得意先別商品別売上高の両方のデータがある場合に、検索要求で商品別が要求されていないときには、データ量の少ない得意先別売上高から検索し、商品別が要求されているときには、得意先別商品別売上高から検索するような、検索対象の自動最適化機能を実現することが可能となる。
【0068】図11(b)は、キー値により異なる物理項目を選択して単一の論理項目に集約する場合(キー値選択)の例を示している。図中の例では、キー項目である論理項目Pの下位に、選択条件値xに対応付けられた副論理項目M及び選択条件値yに対応付けられた副論理項目Nを定義する。また、並列関係にある算出表V1,V2を用意し、算出表V1は副論理項目Mが物理表T1上の物理項目A(値x)を、算出表V2は副論理項目Nが同一物理表T1上の物理項目B1(値y)あるいは異なる物理表T2上の物理項目B2(値y)を参照するように定義する。これにより、論理項目Pのキー条件値として、値xが指定されたときには、論理項目Pの副論理項目としてMが選択され、従って、副論理項目Mを含んでいる算出表V1が適合算出表となり、物理項目Aが参照される。また、キー条件値として、yが指定されたときには、同様に、物理項目B1あるいは物理項目B2が参照される。データの取得時には、異なる項目を同一項目に統合する場合(列統合)と同じ手順により、物理項目A及びB1あるいはB2は、単一の論理項目Pに統合される。
【0069】図12?図15は、実際のデータ検索における一例を表す模式図である。図12の例では、物理表としてT1及びT2の2つのテーブルに対して発行された検索要求に対応する結果データが得られる過程を表している。この例では、V1、V2及びV3の3つの算出表により並列関係が統合された検索データQが得られ、当該検索データQに対してデータ加工処理を施した結果データR即ち「科目別合計金額表」が得られている。つまり、異なる物理項目を同一の論理項目に統合(列統合)する場合の過程を表している。
【0070】図13の例では、物理表即ちテーブルTに対して発行された検索要求に対応する結果データが得られる過程を表している。この例では、条件「科目=給料」に対応するV1、条件「科目=保険料」に対応するV2、及び条件「科目=税金」に対応するV3の3つの算出表により並列関係が統合された検索データQが得られ、当該検索データQに対してデータ加工処理を施した結果データR即ち「個人別給与明細表」が得られている。つまり、同一の物理項目を条件により異なる論理項目に分解(列分解)する場合の過程を表している。
【0071】図14の例では、物理表としてT1及びT2の2つのテーブルに対して発行された検索要求に対応する結果データが得られる過程を表している。この例では、V1、V2及びV3の3つの算出表により直列関係が統合された検索データQが得られ、当該検索データQに対してデータ加工処理を施した結果データR即ち「得意先別売上表」が得られている。つまり、内容の重複する物理項目から条件により単一の論理項目を選択(行選択)する場合の過程を表している。
【0072】図15の例では、物理表としてT1、T2及びT2に対応付けられたT3の3つのテーブルに対して発行された検索要求に対応する結果データが得られる過程を表している。この例では、検索要求における条件値Cから分解された副論理項目Dに基づいたV1、V2及びV3の3つの算出表により並列関係が統合された検索データQが得られ、当該検索データQに対してデータ加工処理を施した結果データRが得られている。つまり、異なる物理項目をキー値により選択して単一の論理項目に集約(キー値選択)する場合の過程を表している。
【0073】このように本実施形態のデータ検索装置1では、検索処理の基本となるロジック、オリジナルデータの関係等の基本パターンを含む定義情報をデータ辞書16に登録しておくことにより、データ辞書16に基づいて検索要求時に必要な処理を自動的に組み立てて実行することが可能となる。
【0074】また、データベースに蓄積された複雑な非正規データ構造を、データ辞書16に基づいて利用者から直接的に検索対象や検索条件として指定可能な仮想的に正規化されたデータ構造として検索可能なことから、従来手法のように、正規化に関して既存のデータ構造の見直しとデータ変換に膨大な作業を要するという問題や、例外的なデータや検索ニーズのために全体構造の変更が頻発するという問題等が回避できる。
【0075】また、非正規データ構造を含んで構築されたデータベースからデータを検索する場合に、個別にアプリケーション・プログラムの開発や、基となるデータを抽出してから利用者が別途加工する等の原始的手法を用いることなく、データベースに付属する言語機能に依存した既存の汎用データベース検索ツールを活用したデータ検索が可能となる。
【0076】また、システム管理者等は、データ辞書16に対する編集を行うことにより、従来手法のように、利用者個々のニーズやデータソース毎にシステムを構築する必要がなく、検索ツール導入時やデータメンテナンス時における負担が大幅に軽減される。
【0077】また、データの高度な加工及び編集ロジックを組み込んだデータ辞書16により、複雑な構造を有するデータに対しても直接的に操作可能となり、また、利用者に対するナビゲーション的な支援機能によりダイナミック(動的)なニーズに対応するデータ検索が可能となる。
【0078】また、データベースにおいて、例えば、合計と明細との関係のような「サマリ構造」、大・中・小分類のような「多階層構造」、及び部門別のような「分散構造」等の複雑な構造を有する形態のデータを加工することなく当該形態に即した検索が可能となる。
【0079】また、例えば、多階層構造を有するデータベースにおいて、利用者等は、視覚的に階層表示されるナビゲーション的な支援機能により、物理的なデータベース構造を意識することなく所望のデータへの快適なアクセスが可能となる。
【0080】また、検索要求における副論理項目に対応付けられる選択条件値により、大分類、中分類、小分類といった、階層関係にある複数のキー項目の組を単一の階層型項目として扱うことが可能になり、利用時のデータ構造が単純化されるとともに、利用者の利便性が大きく向上する。
【0081】また、本手法をOODBにおいて適用することにより、データ量の増加に伴う処理効率の低下やデータ構造の変換作業の手間がかかることなく、大規模なデータベース下における実用化が可能となる。
【0082】(第2実施形態)本発明は、通信回線としてインタネット等の公衆網を介して双方向通信可能に接続された複数のコンピュータ装置、例えば、データ検索装置であるところのデータ検索サーバ、要求元装置であるところの複数のクライアント、を配備したデータ検索システムとして実施することも可能である。
【0083】この場合のデータ検索サーバは、例えば、ネットワーク環境における複数の大規模なデータベースに対するサーチエンジンとして位置づけられ、その構成例としては、コンピュータ装置の内部あるいは外部記憶装置上に上記データ辞書16及びデータベース17と各々同一のデータベースを構築し、公衆網を介してクライアントと通信を行う通信制御部を具備するとともに、上記データ検索装置1と同様の検索要求指示制御部11、検索要求翻訳処理部12、データベース検索処理部13、データ統合加工処理部14、結果データ出力部15、を具備して構成する。
【0084】クライアントも同様に、データ検索サーバに対して検索要求を送信し、対応する検索結果を受信する通信制御部を具備するとともに、検索要求指示制御部11及び結果データ出力処理部15と同様の機能ブロックを具備して構成する。このデータ検索システムが上記データ検索装置1と相違する点は、通信制御を行う通信制御部を具備する点であり、クライアントにおいて、検索要求指示制御部11からの検索要求は、通信制御部を介して公衆網上のデータ検索サーバに対して送信され、また、データ検索サーバからの検索結果は、通信制御部を介して受信され、結果データ出力処理部15に入力するように構成される。
【0085】一方、データ検索サーバにおいて、クライアントからの検索要求を通信制御部を介して受信し検索要求指示制御部11に入力し、また、当該検索要求に対応する結果データ出力処理部15からの検索結果を通信制御部を介してクライアントへ送信するように構成させることで代替が可能となり、上記データ検索装置1と同等の効果を得ることが可能となる。
【0086】また、データ検索サーバは、例えば、インタネット環境におけるサーバのエージェント技術と融合することにより、複数のクライアントからなされる検索要求に対して自動的なデータ検索が可能となるデータ検索システムが実現される。
【0087】このことから、本実施形態のデータ検索システムでは、自由度が高く且つ大規模データベースにも最適なシステム構築が可能となり、データ検索に係る処理時間が短縮されるとともに、システム全体における処理コストが大幅に低減される。
【0088】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、物理的には非正規性を含むデータ構造を、論理的に正規化されたデータ構造として取り扱うことができるという、特有の効果がある。これにより、非正規性を含むデータ構造から構築されたデータベースから、汎用的にデータ検索が可能となる効果がある。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 非正規データ構造を含んで構築されたデータベースにおける前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するためのデータ定義情報を構築しておき、操作者からのデータ検索要求を前記データ定義情報に基づいて解析し、前記データベースが実行可能な検索命令に変換するとともに、前記データベースに対して当該検索命令を実行して検索結果を取得する過程と、取得されたデータ検索結果を前記データ定義情報に基づいて編集し、前記検索要求に対応する最終的な検索結果を生成する過程と、を含み、前記非正規データ構造を前記データ定義情報に基づいて汎用的な正規データ構造として表現し、データ検索に適用することを特徴とする、データ検索方法。
【請求項2】 前記データ検索要求は、検索対象となるデータを限定的に特定するためのデータ抽出条件を含み、前記データベースが実行可能な検索命令は、当該データ抽出条件における論理記述を前記データ定義情報に基づいて1階述語論理により正規化した検索命令であることを特徴とする、請求項1記載のデータ検索方法。
【請求項3】 前記最終的な検索結果は、前記検索命令を実行して得られた検索結果に含まれるデータの冗長性を除去したものであることを特徴とする、請求項1記載のデータ検索方法。
【請求項4】 非正規データ構造を含んで構築されたデータベース、及び前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報を保持したデータ辞書を具備した装置であって、
前記データベースは、
第1の物理項目を含む第1の物理表と、
第1の物理項目と項目名が異なる第2の物理項目であって第1の物理項目と論理的に一つの論理項目とされるものを含む第2の物理表とを含み、
前記定義情報は、第1の物理項目と第2の物理項目を同一項目とみなして単一の表に統合して一つの論理項目として表現するための定義と、該表に対して数値演算を含むデータ加工を行うための定義とを含み、
操作者からなされるデータ検索要求を前記データ辞書に基づいて入力支援する検索要求入力手段と、
前記データ検索要求の入力完了を契機に、該データ検索要求を前記データ辞書に基づいて解析し、前記データベースが実行可能な複数の検索命令に変換する検索要求翻訳手段と、
変換された前記複数の検索命令を前記データベースに対して発行し、該検索命令の実行結果から成る複数の検索データを取得する検索処理手段と、
取得された前記複数の検索データを編集して前記データ検索要求に対応する結果データを作成する検索データ処理手段であって、前記編集は、前記複数の検索データにおける第1の物理項目と第2の物理項目を同一項目とみなして単一の表に統合するとともに、該表に対して数値演算を含むデータ加工を行う工程を含むものと、
を備えて成るデータ検索装置。
【請求項5】 前記データ辞書は、前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示される表示情報、前記データ検索要求を前記データベースが実行可能な検索命令に変換するための検索命令パターン、及び前記データベースにおける物理情報が、前記データ検索要求におけるデータ単位を表す論理項目毎に各々対応付けられた定義情報を含んで構築されていることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。
【請求項6】 前記データ辞書は、前記論理項目を補完するための副論理項目を含み、当該副論理項目は、前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための論理項目型におけるカテゴリに関する情報が定義されていることを特徴とする、請求項4または5記載のデータ検索装置。
【請求項7】 前記検索要求入力手段は、前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示され、検索対象となるデータに関する表示情報を前記データ辞書に基づいて視認可能に提示し、当該検索対象となるデータの抽出条件を含む前記操作者からの選択的なデータ検索要求の入力をインタラクティブに行うように構成されていることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。
【請求項8】 前記検索要求入力手段は、検索対象となるデータの前記結果データに関する表示形式を前記データ検索要求に含ませて指定可能に構成されていることを特徴とする、請求項4または7記載のデータ検索装置。
【請求項9】 前記検索要求入力手段は、前記操作者により前記入力支援の際に前記操作者に対して選択可能に提示される表示情報から各々選択される複数の表示項目から、共通の表示項目をキー項目とする前記複数の表示項目を複合可能に前記結果データを作成するように構成されていることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。
【請求項10】 前記検索要求入力手段は、検索対象となるデータの抽出条件における論理記述に用いる前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための論理項目型に関する情報を、前記データ辞書に対して動的に追加可能に構成されていることを特徴とする、請求項4乃至9のいずれかの項記載のデータ検索装置。
【請求項11】 前記検索要求翻訳手段は、前記データ検索要求を前記データ辞書に基づいて構文解析して当該データ検索要求を形成するデータ検索要求構文パターンを前記データベースが実行可能な対応する検索命令パターンに置換するように構成されていることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。
【請求項12】 前記検索要求翻訳手段は、前記データ検索要求を、所定のSQLに準拠したデータ操作言語における1階述語論理に基づいて正規化された1または複数の検索命令に変換するように構成されていることを特徴とする、請求項4乃至11のいずれかの項記載のデータ検索装置。
【請求項13】 (削除)
【請求項14】 前記検索データ処理手段は、
取得した前記検索命令に対応する複数の検索データにおける同一の論理項目から形成された項目を統合することにより冗長部分を除去するように構成されていることを特徴とする、
請求項4記載のデータ検索装置。
【請求項15】 前記検索データ処理手段は、
前記検索要求に前記結果データに関する表示形式の指定が含まれる場合には、当該表示形式の指定に基づいて前記複数の検索データに対するデータ加工及び整表処理を行うように構成されていることを特徴とする、
請求項4記載のデータ検索装置。
【請求項16】 前記非正規データ構造を含んで構築されたデータベースが所定のオブジェクト指向型データベースとして構築されたものであることを特徴とする、請求項4記載のデータ検索装置。
【請求項17】 請求項4乃至12、及び14乃至16いずれかの項に記載されたデータ検索装置と複数の検索要求元装置とを双方向通信可能に接続して成り、
前記データ検索装置が前記検索要求元装置からなされるデータ検索要求を取得して対応する検索結果を前記検索要求元装置に対して送出するように構成されていることを特徴とする、データ検索システム。
【請求項18】 前記データ検索要求が、エージェント機能を通じて前記データ検索装置に入力されるように構成されていることを特徴とする、請求項17記載のデータ検索システム。
【請求項19】 非正規データ構造を含んで構築されたデータベース、及び前記非正規データ構造を論理的に正規データ構造として表現するための定義情報を保持したデータ辞書、を具備したコンピュータ装置において読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体であって、前記プログラムが、少なくとも、操作者からなされるデータ検索要求を前記データ辞書に基づいて入力支援する処理、前記データ検索要求の入力完了を契機に、該データ検索要求を前記データ辞書に基づいて解析し、前記データベースが実行可能な1または複数の検索命令に変換する処理、変換された1または複数の検索命令を前記データベースに対して発行し、該検索命令の実行結果から成る1または複数の検索データを取得する処理、取得された1または複数の検索データを編集して前記データ検索要求に対応する結果データを作成する処理、を前記コンピュータ装置に実行させるものであることを特徴とする、記録媒体。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2016-03-31 
結審通知日 2016-04-06 
審決日 2016-04-19 
出願番号 特願平10-194666
審決分類 P 1 41・ 853- Y (G06F)
P 1 41・ 856- Y (G06F)
P 1 41・ 851- Y (G06F)
P 1 41・ 854- Y (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 池田 聡史  
特許庁審判長 金子 幸一
特許庁審判官 川崎 優
手島 聖治
登録日 2001-07-19 
登録番号 特許第3213585号(P3213585)
発明の名称 データ検索方法及び装置、データ検索システム、記録媒体  
代理人 関 大祐  
代理人 廣瀬 隆行  
代理人 廣瀬 隆行  
代理人 佐野 辰巳  
代理人 佐野 辰巳  
代理人 関 大祐  
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