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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04R
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04R
管理番号 1315281
審判番号 不服2014-12902  
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-07-03 
確定日 2016-06-15 
事件の表示 特願2012-106827「改良された耳ユニットと呼ばれる装置」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 9月 6日出願公開、特開2012-170136〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成20年5月30日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 平成19年6月1日 ノルウェー(NO))を国際出願日として出願した特願2010-510247号の一部を平成24年5月8日に新たな特許出願としたものであって、平成25年8月29日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年11月29日付けで手続補正がなされたが、平成26年2月24日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年7月3日付けで拒絶査定不服審判の請求及び手続補正がなされたものである。

2.平成26年7月3日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成26年7月3日付けの手続補正を却下する。
[理 由]
(1)補正後の本願発明
平成26年7月3日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
耳に安定して装着するための耳ユニット(10)であって、
前記耳ユニット(10)は、大きな略C字状のカーブ(9)を有しており、
前記略C字状のカーブ(9)は、耳の対耳輪(13)に対応しており、前記略C字状のカーブ(9)が、対耳輪(13)の内側部分に沿って収まるとともに耳の対珠(3)の下に部分的に位置し、且つ、前記略C字状のカーブ(9)の端部(5、8)の間の距離が、耳の耳珠(4)の下に形成された第1空洞部と、対耳輪(13)の下方の節(15)によって覆われた第2空洞部と、の間の距離におおよそ等しくなるように構成されており、
前記耳ユニット(10)は凹状の湾曲部(21)を有して、当該凹状の湾曲部(21)は、耳甲介(22)の内面に従って接触面を提供する、改良された装着をもたらして、耳ユニット(10)が耳の中に配置されたときに、耳甲介(22)に対して密着することを可能にすることを特徴とする耳ユニット。」
と補正された。

上記補正は、
請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である、耳ユニット(10)の「湾曲部(21)」について、「凹状」であるとの限定を付加するものである。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか)否かについて以下に検討する。

(2)引用例
(2-1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された特表2004-527931号公報(以下、「引用例1」という。)には、「自動車電話、電話、スイッチボード又はこれに類するもののためのマイクロホン/イヤホン」について、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
ア.「【請求項1】
マイクロホン/イヤホンと、自動車電話、電話、スイッチボード又はこれに類するものとの間の無線通信による装置であって、
イヤホン(10)が大きなC字形に形成され、
C字部の両端部(5、8)間の距離が、耳の耳珠(4)の下に形成された第1の空洞部と、耳の対耳輪の低い方のこぶ(15)によって覆われた第2の空洞部との間の距離にほぼ等しく、
C字部の上部が、第2の空洞部の下部を覆っているフラップ(2)の下に突出していることを特徴とする装置。」

イ.「【0003】
このように、イヤホン及びマイクロホンは、1つのユニットに一体化され、耳に対して快適で安定した状態でフィットしつつ、単純な仕様で耳につけることができるようになっているのが実用的である。現在、いわゆるイヤプラグ装置と呼ばれる、耳に装着される補聴器が存在する。しかしながら、これらは、安定かつ快適に使用するには、ユーザ毎に個別的に調整しなければならないので、大量生産には適していない。これは、プラグが挿入される耳の開口部が人によって異なるという事実にとくに起因している。外耳もまた人によって異なるが、これらの差異は、さほど大きくない。これは、イヤホンを取りつけるために耳の外形部を使用する上においては、2つ又は3つの異なるサイズがあれば、これらの差異をカバーするのに十分であるということを意味する。
・・・・・(中 略)・・・・・
【0006】
本発明の目的は、マイクロホンを備えたイヤホンの安定かつ快適な支持を確保しつつ、前記の欠点を回避することである。これは請求項1の特徴部分を備えた、最初の部分で述べたタイプの装置により実現される。本発明のさらなる特徴は、その他の従属請求項に記載されている。
【0007】
このイヤホンの形状は、耳道がある程度は周囲に開放された状態となるのを可能にする。これは、耳道を塞ぎ又は閉じるユニットに比べて、より快適なものとなる。」

ウ.「【0010】
本発明によれば、外耳の大部分が利用され、このため以前から知られているものに比べて、ユーザにより良好な快適さを与えつつ、より高い安定性を実現することができる。本発明はまた、対耳輪の低い方のこぶ15及びフラップ2によって覆われた空隙部と、対耳輪13の上部とを利用する。これらは、頭に隣接する耳の外部により上記空洞部を覆っている。」

エ.「【0012】
イヤホン10はC字形であり、この外側のC字部の曲線9は、耳の対耳輪13に対応し、傾斜した表面を有している。このため、C字部は、対耳輪13の内部に入り、C字部の下部は耳の対珠3の下に部分的に位置している。バッテリ部7は、配置され、耳の珠間切痕14により多く又はより少なく配置することにより、イヤホン10の正確な位置決めのためのガイド及び重量を与えつつ、C字部から下向きに突出している。そして、C字部の下部8は、耳の耳珠4の下に形成された空洞部内に突出している。C字部の上部は、対耳輪の低い方のこぶ15によって覆われた空洞部内に突出し、フラップ2の下で上記空洞部の下部を覆っている。」

・上記引用例1に記載の「自動車電話、電話、スイッチボード又はこれに類するもののためのマイクロホン/イヤホン」のうちの「イヤホン」は、上記「イ.」、「ウ.」の記載事項によれば、耳への取りつけに耳の外形部を使用するものであり、その形状は、耳道がある程度は周囲に開放された状態となるのを可能にし、より良好な快適さを与えつつより高い安定性を実現するようにしたものである。
・上記「ア.」、「ウ.」、「エ.」の記載事項、及び図2によれば、イヤホン10は、
(a)大きなC字形であり、その外側のC字部の曲線9は耳の対耳輪13に対応して傾斜した表面を有し、そのためC字部は対耳輪13の内部に入り、C字部の下部は耳の対珠3の下に部分的に位置しており、
(b)さらに、C字部の両端部5,8間の距離が、耳の耳珠4の下に形成された第1の空洞部と、耳の対耳輪13の低い方のこぶ15及びフラップ2によって覆われた第2の空洞部との間の距離にほぼ等しく、
(c)C字部の一端部5(上部)は、対耳輪の低い方のこぶ15及びフラップ2によって覆われた第2の空洞部内に突出し、フラップ2の下で第2の空洞部の下部を覆っており、C字部の他端部8(下部)は、耳の耳珠4の下に形成された第1の空洞部内に突出してなるものである。

したがって、「イヤホン」部分に着目し、上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「耳への取りつけに耳の外形部を使用するものであり、その形状は、耳道がある程度は周囲に開放された状態となるのを可能にし、より良好な快適さを与えつつより高い安定性を実現するようにしたイヤホンであって、
当該イヤホンは、大きなC字形であり、
前記C字形の外側のC字部の曲線は、耳の対耳輪に対応して傾斜した表面を有し、そのため前記C字部は対耳輪の内部に入り、前記C字部の下部は耳の対珠の下に部分的に位置し、
前記C字部の両端部の間の距離が、耳の耳珠の下に形成された第1の空洞部と、耳の対耳輪の低い方のこぶ及びフラップによって覆われた第2の空洞部との間の距離にほぼ等しく、
前記C字部の一端部は、前記第2の空洞部内に突出し、前記フラップの下で前記第2の空洞部の下部を覆っており、前記C字部の他端部は、前記第1の空洞部内に突出しているイヤホン。」

(2-2)引用例2
同じく原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第01/50813号(以下、「引用例2」という。)には、「UNIVERSAL HEARING-AID VOLUTE HOLDER WITH CONICAL EXTENSION BUT WITHOUT AUDITORY DUCT, AND GEOMETRICAL METHOD OF MAKING THE SAME」について、図面とともに以下の記載がある(なお、当審による翻訳文を付記する。下線は当審で付与した。)。
ア.「There are also holders with standard shape. They are provided with an extension fitted to the auditory duct in order to provide a better stability. However, such extension is almost ever a hindrance in the acoustic applications because of the known, troublesome, occlusive effect.
On the other hand, if such extension is lacking, the stability unavoidably fails.
For such reasons, the holders mentioned above did not have further applications.
The present industrial invention seeks to provide a standard anatomic device that does not engage with the auditory duct but is only placed into the concha auricolae in a steady, comfortable, safe, functional manner .」(1頁21行?2頁9行)
(標準型ホルダーもある。それらには安定を良くするために外耳道にはめ込む延長部がある。しかしながら、そのような延長部は、よく知られた煩わしい閉塞作用のために音響応用においてほとんど障害にさえなる。
その一方で、そのような延長部がなければ、安定性がなくなるのは避けられない。
そういうわけで、上述のホルダーはそれ以上応用できなかった。
本発明は、外耳道にはめ込まずに、安定した、快適且つ安全な機能的方法で耳甲介にはめるだけの標準的な解剖学的デバイスを提供することを目指すものである。)

イ.「In order that the device can better adhere to the wall of the concha auricolae, groove (7) receiving the radix of the helix is formed. It is formed by a wide depression connecting relieves (8) and (9) at both sides. Its slightly curved profile is formed by connecting point N ’to O' and the latter to middle point Q of arc H'P' (Fig. 9).」(7頁26行?8頁2行)
(本デバイスが耳甲介の壁により密着できるように、耳輪の耳輪根を受ける溝(7)が形成される。それは両側でレリーフ(8)と(9)とつながっているゆるやかな窪みによって形成される。その僅かに湾曲した輪郭は、N’からO’と円弧H’P’の中点Qの接続線上に形成される(図9)。)

上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例2には、次の技術事項が記載されている。
「外耳道にはめ込む部分がなく、耳甲介にはめるだけのデバイスにおいて、当該デバイスが耳甲介の壁により密着できるように、当該デバイスにおける耳甲介の壁に対向する面に、耳輪根に対応する僅かに湾曲した輪郭の溝(くぼみ)を形成したこと。」

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを対比すると、
ア.引用発明における「イヤホン」は、本願補正発明における「耳ユニット(10)」に相当し、
引用発明における「耳への取りつけに耳の外形部を使用するものであり、その形状は、耳道がある程度は周囲に開放された状態となるのを可能にし、より良好な快適さを与えつつより高い安定性を実現するようにしたイヤホンであって」によれば、
引用発明の「イヤホン」においても、より高い安定性を実現するようにしたものであって、耳に安定して装着するためのものであるといえるから、
本願補正発明と引用発明とは、「耳に安定して装着するための耳ユニットであって」の点で一致する。

イ.引用発明における「当該イヤホンは、大きなC字形であり」によれば、
本願補正発明と引用発明とは、「前記耳ユニットは、大きな略C字状のカーブを有して」いる点で一致することは明らかである。

ウ.引用発明における「耳の対耳輪」、「耳の対珠」、「耳の耳珠」は、それぞれ本願補正発明における「耳の対耳輪(13)」、「耳の対珠(3)」、「耳の耳珠(4)」に相当し、
引用発明における「前記C字形の外側のC字部の曲線は、耳の対耳輪に対応して傾斜した表面を有し、そのため前記C字部は対耳輪の内部に入り、前記C字部の下部は耳の対珠の下に部分的に位置し」によれば、
引用発明の「C字部」について、その外側の曲線が耳の対耳輪に対応して傾斜した表面を有し当該C字部は対耳輪の内部に入るということは、すなわち当該C字部は対耳輪の内側部分に沿って収まるということに他ならず、また、耳の対珠の下に部分的に位置するものであることから、
本願補正発明と引用発明とは、「前記略C字状のカーブは、耳の対耳輪に対応しており、前記略C字状のカーブが、対耳輪の内側部分に沿って収まるとともに耳の対珠の下に部分的に位置」するものである点で一致する。

エ.引用発明における、C字部の「両端部」は、本願補正発明における、略C字状のカーブの「端部(5、8)」に相当し、
また、引用発明における「第1の空洞部」、「対耳輪の低い方のこぶ」、「第2の空洞部」は、それぞれ本願補正発明における「第1空洞部」、「対耳輪(13)の下方の節(15)」、「第2空洞部」に相当し、
引用発明における「前記C字部の両端部の間の距離が、耳の耳珠の下に形成された第1の空洞部と、耳の対耳輪の低い方のこぶ及びフラップによって覆われた第2の空洞部との間の距離にほぼ等しく、前記C字部の一端部は、前記第2の空洞部内に突出し、前記フラップの下で前記第2の空洞部の下部を覆っており、前記C字部の他端部は、前記第1の空洞部内に突出している・・」によれば、
本願補正発明と引用発明とは、「前記略C字状のカーブの端部の間の距離が、耳の耳珠の下に形成された第1空洞部と、対耳輪の下方の節によって覆われた第2空洞部と、の間の距離におおよそ等しくなるように構成され」ている点で一致するといえる。

よって、本願補正発明と引用発明とは、
「耳に安定して装着するための耳ユニットであって、
前記耳ユニットは、大きな略C字状のカーブを有しており、
前記略C字状のカーブは、耳の対耳輪に対応しており、前記略C字状のカーブが、対耳輪の内側部分に沿って収まるとともに耳の対珠の下に部分的に位置し、且つ、前記略C字状のカーブの端部の間の距離が、耳の耳珠の下に形成された第1空洞部と、対耳輪の下方の節によって覆われた第2空洞部と、の間の距離におおよそ等しくなるように構成されていることを特徴とする耳ユニット。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点]
本願補正発明では、「耳ユニットは凹状の湾曲部を有して、当該凹状の湾曲部は、耳甲介の内面に従って接触面を提供する、改良された装着をもたらして、耳ユニットが耳の中に配置されたときに、耳甲介に対して密着することを可能にする」旨特定するのに対して、引用発明では、そのような特定を有していない点。

(4)判断
上記相違点について検討する。
引用例2(上記「(2)(2-2)」を参照)には、外耳道にはめ込む部分がなく、耳甲介にはめるだけのデバイスにおいて、当該デバイスが耳甲介の壁により密着できるようにするために、当該デバイスにおける耳甲介の壁に対向する面に、耳輪根に対応する僅かに湾曲した輪郭の溝(くぼみ)を形成してなる技術事項が記載されている。
そして、引用発明のイヤホンにおいても、耳甲介にはめるだけものであり、快適さに加えて安定性がより望まれることは当然であり、さらなる高い安定性を確保すべく上記引用例2に記載の技術事項を採用し、イヤホンのC字部の耳甲介に接触する面を当該耳甲介の表面状態に倣うような面とすること、より具体的には、イヤホンのC字部が耳の対耳輪に対応するものであることから、対耳輪のすぐ内側部分における耳輪根がゆるやかに出現している凸形状に合わせて、C字部の耳甲介側の接触面に凹状の湾曲部を設け、耳甲介により密着できるようにして上記相違点に係る構成とすることは当業者であれば容易になし得ることである。

そして、本願補正発明が奏する効果についてみても、引用発明及び引用例2に記載の技術事項から当業者が十分に予測できたものであって、格別顕著なものがあるとはいえない。

なお、請求人は、審判請求書において「・・すなわち、引用文献2での幅広の溝7は耳輪脚に対応して大きく窪んだ溝であるのに対して、本願での凹状の湾曲部21は平坦面から少し凹んだ程度に湾曲している。」と主張し、また、平成26年9月17日付け上申書において「・・引用文献2の幅広の溝7は、図5に図示されているように耳輪根での大きく突出した表面形状に適合するのに対して、本願発明のように対耳輪の内側部分にある小さな凸形状に適合するものでは決してありません。」、「いずれの引用文献にも、対耳輪の内側部分にある小さな凸形状に適合するような凹状の湾曲部を設けることについては記載がありません。」などと主張している。
しかしながら、そもそも本願請求項1には、凹状の湾曲部について、凹みの深さや幅の程度については何ら特定(限定)はされていないことに加えて、
仮に本願請求項1において、凹みの深さや幅の程度が対耳輪のすぐ内側部分にある耳輪根の小さな凸形状に適合したものであることが特定(限定)されたとしても、上述のとおり、引用発明に対して引用例2に開示されている、デバイス(イヤホン)における耳甲介に接触する面を当該耳甲介の表面状態に倣うような面としてより密着できるようにするという技術思想を適用する際、イヤホンは耳の対耳輪に対応したC字形であることから、当然、その耳甲介に接触する面は、対耳輪のすぐ内側部分のみの耳甲介の表面状態に倣うような面とすればよいことは明らかであり、対耳輪のすぐ内側部分にある耳輪根の小さな凸形状に適合するような少し凹んだ程度の湾曲部を設けるようにすることも当業者であれば適宜なし得ることである。
よって、請求人の上記主張は採用できない。

(5)むすび
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び引用例2に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成26年7月3日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成25年11月29日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】
耳に安定して装着するための耳ユニット(10)であって、
前記耳ユニット(10)は、大きな略C字状のカーブ(9)を有しており、
前記略C字状のカーブ(9)は、耳の対耳輪(13)に対応しており、前記略C字状のカーブ(9)が、対耳輪(13)の内側部分に沿って収まるとともに耳の対珠(3)の下に部分的に位置し、且つ、前記略C字状のカーブ(9)の端部(5、8)の間の距離が、耳の耳珠(4)の下に形成された第1空洞部と、対耳輪(13)の下方の節(15)によって覆われた第2空洞部と、の間の距離におおよそ等しくなるように構成されており、
前記耳ユニット(10)は湾曲部(21)を有して、当該湾曲部(21)は、耳甲介(22)の内面に従って接触面を提供する、改良された装着をもたらして、耳ユニット(10)が耳の中に配置されたときに、耳甲介(22)に対して密着することを可能にすることを特徴とする耳ユニット。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由で引用された引用例及びその記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記「2.」で検討した本願補正発明の発明特定事項である、耳ユニット(10)の「湾曲部(21)」について、「凹状」であるとの限定を省いたものに相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、更に他の限定事項を付加したものに相当する本願補正発明が前記「2.(4)」に記載したとおり、引用発明及び引用例2に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び引用例2に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2015-04-22 
結審通知日 2015-04-23 
審決日 2015-05-08 
出願番号 特願2012-106827(P2012-106827)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04R)
P 1 8・ 575- Z (H04R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 冨澤 直樹  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 酒井 朋広
井上 信一
発明の名称 改良された耳ユニットと呼ばれる装置  
代理人 山崎 宏  
代理人 前堀 義之  
代理人 田中 光雄  
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