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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2010800088 審決 特許
無効2014800135 審決 特許
無効2012800042 審決 特許
無効2011800071 審決 特許
無効2012800032 審決 特許

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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A61K
管理番号 1315949
審判番号 無効2013-800011  
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2013-01-25 
確定日 2014-09-01 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第4565715号発明「粉体含有皮膚外用剤」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 請求のとおり訂正を認める。 特許第4565715号の請求項1ないし3、5ないし6に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯

(1)本件特許第4565715号の請求項1?6に係る発明(以下、それぞれ、「本件特許発明1」?「本件特許発明6」という。)についての出願は、平成12年8月23日を出願日として出願され、平成22年8月13日にその発明についての特許権の設定の登録がなされたものである。

(2)その後の手続の経緯は、次のとおりである。

平成23年11月 1日付け 特許無効審判請求(無効2011-800221)
平成24年 1月24日付け 答弁書・訂正請求書(被請求人)
同 年 3月12日付け 弁駁書
同 年 5月 8日付け 口頭審理陳述要領書(被請求人)
同 年 5月 9日付け 口頭審理陳述要領書(請求人)
同 年 5月18日付け 上申書(請求人)
同 年 5月22日 第1回口頭審理
同 年 6月 8日付け 審決(「訂正を認める。本件審判の請求は,成り立たない。」として訂正が認められ、その後、確定。)

平成25年 1月22日付け 本件特許無効審判請求(請求人)
同 年 4月11日付け 答弁書・訂正請求書(被請求人)
同 年 7月24日付け 弁駁書(請求人)
同 年 10月 8日付け 訂正拒絶理由通知書・審尋(当審)
同 年 10月30日付け 審尋回答書・意見書(請求人)
同 年 11月 8日付け 意見書に代わる手続補正書(訂正請求書)(被請求人)
同 年 12月 4日付け 審理事項通知書
同 年 12月27日付け 口頭審理陳述要領書(請求人・被請求人)
平成26年 1月15日付け 上申書(請求人)
同 年 1月16日 第1回口頭審理
同 年 1月21日付け 上申書(被請求人)

なお、本件特許発明1?6は、前記のとおり、平成23年11月1日付けで特許無効審判が請求され(無効2011-800221)、平成24年6月8日付け審決(以下、「一次審決」という。)において、訂正が認められ、確定したものである。

第2 訂正の可否に対する判断

(1)平成25年4月11日付け訂正請求は、一次審決によって確定した明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおりに訂正しようとするものであって、その訂正の内容は、平成25年11月8日付け手続補正書によって補正された訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、一群の請求項ごとに訂正することであり、訂正事項は次のとおりである。なお、下線は、訂正箇所を明示するために付したものである。

・訂正事項1
請求項1において、「2)撥水処理粉体」を「2)撥水処理粉体(ただし、撥水処理粉体がキャンデリラワックスとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリルにより表面処理された酸化チタンである場合を除く)」と訂正する。

・訂正事項2
請求項1において、「被覆された二酸化チタン」について、「前記被覆された二酸化チタンにおいて、二酸化チタンが55?69重量%である、」を付加する。

・訂正事項3
請求項3において、「撥水処理」としての「パーフルオロアルキル化処理」について、「前記パーフルオロアルキル化処理が、パーフルオロアルキルエチル燐酸ジエタノールアミン塩および/またはパーフルオロアルキルシランによるコーティング処理である」を付加する。

・訂正事項4
請求項4を削除する。

(2)訂正事項1は、請求項1の「撥水処理粉体」について、甲第1号証に記載された「キャンデリラワックスとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリルにより表面処理された酸化チタンである場合」のみを除くものであり、新たな技術的事項を導入するものではないから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてなされたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項2は、請求項1の「被覆された二酸化チタン」について、二酸化チタンが55?69重量%の範囲であるものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内(明細書段落【0006】の記載「これら(1)、(2)及び二酸化チタンの構成比は、(1)が1?5重量%、(2)が総量で30?40重量%、二酸化チタンが55?69重量%であることが好ましい。」)においてなされたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
訂正事項3は、請求項3の「撥水処理」としての「パーフルオロアルキル化処理」について、パーフルオロアルキルエチル燐酸ジエタノールアミン塩および/またはパーフルオロアルキルシランによるコーティング処理であるものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内(訂正前の請求項4)においてなされたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
そして、訂正事項4は、請求項4の削除であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてなされたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
以上のとおりであるから、平成25年4月11日付け訂正請求は、特許法第134条の2第1項に規定される要件、並びに、同法同条第9項の規定によって準用する同法第126条第5項及び第6項に規定される要件に適合するので、当該訂正を認める。

第3 当事者の主張の概要

前記第2のとおり、訂正が認められる結果、本件明細書には、次のとおり、本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1?3,5?6が記載されているということができるところ、以下では、便宜上、これらの請求項1?3,5?6に係る発明を、それぞれ、「本件訂正発明1」?「本件訂正発明3」、「本件訂正発明5」?「本件訂正発明6」といい、これらをまとめて「本件訂正発明」という。

「【請求項1】
1)(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸、メチルシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種乃至は2種以上(ただし、無水珪酸のみによる場合を除く)とで被覆された二酸化チタンと2)撥水処理粉体(ただし、撥水処理粉体がキャンデリラワックスとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリルにより表面処理された酸化チタンである場合を除く)とを含有することを特徴とする化粧料であって、前記被覆された二酸化チタンにおいて、二酸化チタンが55?69重量%である、化粧料。
【請求項2】
(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸、メチルシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種乃至は2種以上(ただし、無水珪酸のみによる場合を除く)とで被覆された二酸化チタンにおいて、該二酸化チタンの平均粒径が0.01?10μmであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
撥水処理粉体における撥水処理が、パーフルオロアルキル化処理であって、前記パーフルオロアルキル化処理が、パーフルオロアルキルエチル燐酸ジエタノールアミン塩および/またはパーフルオロアルキルシランによるコーティング処理であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
前記二酸化チタンは、(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸及びメチルシロキサン網状重合体、又は無水珪酸及び架橋型メチルポリシロキサンとで被覆されている、請求項1?4のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項6】
メークアップ用であることを特徴とする、請求項1?5のいずれかに記載の化粧料。」

1.請求人の主張の概要

請求人は、本件訂正発明の特許を無効とする、との審決を求め、以下の無効理由1?5を主張し、証拠方法として、以下の甲第1?33号証を提出している。

(1)無効理由1?5

・無効理由1:特許法第29条第1項第3号、同第2項
本件訂正発明1は、甲第1号証に記載された発明である、または、本件訂正発明は、甲第1号証を主引例として、甲第2号証?甲第7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

・無効理由2:特許法第29条第2項
本件訂正発明は、甲第15号証を主引例とし、甲第16号証?甲第18号証に記載された発明と組み合わせることにより当業者が容易に発明することができたものである。

・無効理由3:特許法第29条第2項
本件訂正発明は、甲第9号証を主引例とすることにより当業者が容易に発明することができたものである。

・無効理由4:特許法第36条第6項第2号
本件訂正発明1に記載された用語「架橋型メチルポリシロキサン」は、「架橋型メチルフェニルポリシロキサン」を含むのか否か、その意味する範囲が必ずしも明確でないから、本件訂正発明は、明確性要件を満たさないものである。

・無効理由5:特許法第36条第4項第1号
本件明細書は、実施可能要件を満たさないものである。

(2)証拠方法

甲第1号証 特開平10-251123号公報
甲第2号証 「化粧品原料基準 第二版注解」(1984)501-509頁
甲第3号証 「石原産業株式会社・タイペークカタログ」(1989)
甲第4号証 特開平10-182397号公報
甲第5号証 特開平08-143438号公報
甲第6号証 特開2004-124045号公報
甲第7号証 特許第2509392号公報(1996)
甲第8号証 「石原産業株式会社・TTOシリーズカタログ」(2005)
甲第9号証 フレグランスジャーナル1999-5号(1999)113頁
甲第10号証 特開平11-80588号公報
甲第11号証 特開平6-157244号公報
甲第12号証 フレグランスジャーナル2000-5号(2000)81-85頁
甲第13号証 フレグランスジャーナル1997-8号(1997)65-73頁
甲第14号証 フレグランスジャーナル1996-3号(1996)68-74頁
甲第15号証 特開平3-115211号公報
甲第16号証 特公昭45-2915号公報
甲第17号証 ジョイテック1990年10月号(1990)43-48頁
甲第18号証 特開平8-192101号公報
甲第19号証 「信越化学工業株式会社・化粧品用シリコーンカタログ」(2001)13-14頁
甲第20号証 化粧品種別配合成分規格(1997)268-269頁
甲第21号証 特開平6-199634号公報
甲第22号証 特開平10-182397号公報
甲第23号証 特開昭62-228006号公報
甲第24号証 発明協会公開技報98-682
甲第25号証 特開平11-222420号公報
甲第26号証 特開平11-322564号公報
甲第27号証 特許第2880084号公報(1999)
甲第28号証 田中昌利=古川裕実「発明の進歩性に関する知財高裁の近時の判断傾向の特徴」(知財研フォーラム第86号56-65頁)(2011)
甲第29号証 特許・実用新案審査基準第III部 明細書、特許請求の範囲又は図面の補正 第I節 新規事項
甲第30号証 別の無効審判(無効2011-800221)において審判被請求人が提出した乙第17号証
甲第31号証 東京高判平成13年11月1日(平成12年(行ケ)238)
甲第32号証 特開平11-60444号公報
甲第33号証 「表面」第38巻第8号21頁-31頁 広信社発行(2000年8月1日)

2.被請求人の主張の概要

被請求人は、本件無効審判の請求は成り立たない、との審決を求め、以下のとおり、無効理由1?5に対して理由がない旨主張し、証拠方法として、以下の乙第1?8号証を提出している。

(1)無効理由1?5に対して

・無効理由1:特許法第29条第1項第3号、同第2項
甲第1号証に記載された発明は、アルミナによる被覆がない点で本件訂正発明1と同一はなく、アルミナ処理を行う動機付けがあるとまではいえないから、その甲第1号証を主引例として、本件訂正発明1?6は当業者が容易に発明することができたものであるということはできない。

・無効理由2:特許法第29条第2項
甲第15号証に記載された発明は、被覆二酸化チタンにおける二酸化チタンの量が本件訂正発明と異なり、また、メチルハイドロジェンポリシロキサンの架橋反応が十分でないから、その甲第15号証を主引例として、本件訂正発明は当業者が容易に発明することができたものであるということはできない。

・無効理由3:特許法第29条第2項
甲第9号証に記載された発明は、紫外線散乱剤であり、粉体の撥水処理のみでは防ぎきれない化粧崩れを防ぐために、撥水処理粉体と共に配合することについて、動機付けがないから、甲第9号証を主引例として、本件訂正発明は当業者が容易に発明することができたものであるということはできない。

・無効理由4:特許法第36条第6項第2号
架橋型メチルポリシロキサンが架橋型メチルフェニルポリシロキサンを含まないことは出願時における当業者の常識である。

・無効理由5:特許法第36条第4項第1号
本件明細書の記載から当業者が特許請求の範囲に記載の「物」を製造できることは明らかである。

(2)証拠方法

乙第1号証:知財高裁 平成20年(行ケ)第10096号判決
乙第2号証:発明の進歩性 特許庁、(社)発明協会アジア太平洋工業所有権センター
乙第3号証:知財高裁 平成24年(行ケ)第10020号判決
乙第4号証:特公昭52-17045号公報
乙第5号証:特公昭53-31494号公報
乙第6号証:特開昭58-470611号公報
乙第7号証:特開昭62-185761号公報
乙第8号証:化粧品事典 丸善株式会社発行 平成16年9月25日 712頁?713頁

第4 当審の判断

1.無効理由4について

前記第3の1.(1)のとおり、審判請求人は、本件訂正発明1に記載された用語「架橋型メチルポリシロキサン」が、「架橋型メチルフェニルポリシロキサン」を含むのか否か、その意味する範囲が必ずしも明確でないから、本件訂正発明は、明確性要件を満たさないものである、と主張する。
確かに、本件訂正発明における用語「架橋型メチルポリシロキサン」は、本件明細書において定義されてはいないが、甲第20号証によれば、化粧品の配合成分として使用される「架橋型メチルポリシロキサン」が、「架橋型メチルフェニルポリシロキサン」と区別されるものであることは、技術常識であるということができる。
よって、本件訂正発明の明確性要件適合性違反を主張する無効理由4は、成り立たない。

2.本件訂正発明

前記第2のとおり訂正が認められ、前記1.のとおり本件訂正発明の明確性に関する無効理由4が成り立たないから、新規性進歩性に関する無効理由を検討するに当たり、その判断の前提となる本件発明は、本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1?3,5?6に記載された事項により特定される、前記第3に記載のとおりのものと認める。

3.無効理由1について

(1)甲第1号証の記載事項

ア 甲第1号証には、次の記載がある。なお、下線は当審で付与した(以下、同様である。)。

(甲1a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】一次粒径が0.1?14μmであり、且つ(D90-D10)/D50〔但し、D90、D10及びD50は、それぞれ、粒度分布の積算値が90%、10%及び50%に相当する粒径である。〕で定義されるスパンが2以下であり、且つ表面処理剤で処理された酸化チタン粉末。
【請求項2】酸化チタン粉末の一次粒径が、0.4?10μmであることを特徴とする請求項1記載の表面処理酸化チタン粉末。
【請求項3】表面処理剤が油剤である請求項1又は2記載の表面処理酸化チタン粉末。
【請求項4】表面処理剤がシリコーン化合物である請求項1又は2記載の表面処理酸化チタン粉末。
【請求項5】シリコーン化合物が、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アクリル-シリコーン系グラフト共重合体、有機シリコーン樹脂、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物、部分架橋型ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン重合物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性シリコーンから選ばれる一種又は二種以上である請求項4記載の表面処理酸化チタン粉末。
【請求項6】表面処理剤がフッ素化合物である請求項1又は2記載の表面処理酸化チタン粉末。
【請求項7】フッ素化合物が、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオルアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル基含有重合体から選ばれた一種又は二種以上である請求項6記載の表面処理酸化チタン粉末。
【請求項8】請求項1?7のいずれかに記載の表面処理酸化チタン粉末を含有することを特徴とする化粧料。」

(甲1b)「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な表面処理酸化チタン粉末及びそれを含有する化粧料に関し、更に詳細には、特定の粒径を有し、粒度分布が狭い酸化チタン粉末を表面処理した新規表面処理酸化チタン粉末、並びにそれを配合することにより、耐水性や耐油性が向上し、化粧崩れがし難く、化粧持続性が良好で、かつ製品安定性に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の化粧料において、顔のシミやくすみなどを隠すために隠蔽性の大きい酸化チタンを着色顔料や体質顔料と併せて配合してきた。しかし、従来の酸化チタンは、肌への付着力やキシミ感が大きく、着色顔料との色別れや化粧膜の白さが目立つといった欠点があった。また、酸化チタン粒子は撥水性・撥油性が弱いために、水や油剤に濡れやすく、化粧料に単に配合しただけでは肌に付着させた後に経時的に濡れが進行して色沈みやテカリを生じ、化粧崩れを起こすなどの欠点があった。
【0003】そのために、酸化チタンの表面をアルミナ、シリカ、ジルコニア等の無機表面処理剤にて処理する試みがなされていた。しかしながら、様々な表面処理剤を用いて酸化チタンの表面改質を試みても、前述した酸化チタン特有の性質が強く、感触の良好なものは得られなかった。本発明は、使用感触や肌への付着性が良好で、時間が経過してもきれいな化粧膜を保持する表面処理酸化チタン並びにそれを含有する化粧料を提供することを目的とする。」

(甲1c)「【0009】本発明に用いられる粒度分布が狭い酸化チタン粉末は、その製造方法は必ずしも限定されない。例えば、特開平7-187613号公報に記載されている塩化水素ガスを含有する雰囲気ガス中で酸化チタン又は酸化チタン前駆体を焼成する方法により得ることができる。また、フラックス法を用いて製造される酸化チタン結晶を粉砕し、分級して調製することもできる。更には、酸化チタン粉末を乾式ボールミル、湿式ボールミル、振動ミル、ロールミル、ジェットミル等により粉砕した後に分級して調製することもできる。そして、特定サイズの粒径を有し、且つ粒度分布が狭い酸化チタン粉末を分級によって調製するには、酸化チタン粉末をジャイロシフターやハンマースクリーンのような振動篩、スパイラル分級器や水力分級器のような湿式分級法、動式又は遠心式の風力分級器のような乾式分級器法、あるいは浮遊選鉱法等のような周知の分級工程の一種又は二種以上を組み合わせて行う。
【0010】本発明の表面処理酸化チタン粉末は、上記した一次粒径が0.1?14μmであり、且つ(D90-D10)/D50〔但し、D90、D10及びD50は、それぞれ、粒度分布の積算値が90%、10%及び50%に相当する粒径である。〕で定義されるスパンが2以下の酸化チタン粉末(以下、「単結晶酸化チタン粉末」と称すこともある)を、表面処理剤で処理したものである。表面処理剤としては、油剤、シリコーン化合物、フッ素化合物等が挙げられる。」

(甲1d)「【0011】次に、表面処理剤について詳述する。本発明の表面処理剤に用いられる油剤としては、肌なじみが良好で、単結晶酸化チタン粉末に撥水性を付与できるものが好ましい。例えば、炭化水素油、液状ラノリン、エステル油、モノグリセライド油、ジグリセライド油、トリグリセライド油などの液体油、ワセリン、ラノリン等の半固形油、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレンポリプロピレンコポリマー、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ビーズワックス、モクロウ、モンタンワックス、プロピレングリコール等の固形油、並びにステアリン酸等の高級脂肪酸などの通常化粧料に用いられている油剤で、一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。また、油剤としてその他に金属石鹸、界面活性剤、アミノ酸系化合物も使用することができ、これらも、その一種又は二種以上を適宜選択して、或は上記の油剤と併用することができる。
【0012】単結晶酸化チタンを油剤で処理する方法は特に限定されないが、・・・表面処理に用いる油剤の量は、油剤の種類により異なり限定されないが、撥水性又は使用性を考慮すると、好ましくは単結晶酸化チタンに対して0.01?50重量%(以下、重量%を単に%と記す)、より好ましくは0.1?35%である。本発明の上記の油剤による表面処理酸化チタンの化粧料への配合量は、好ましくは0.1?95%である。
【0013】本発明の表面処理剤に用いられるシリコーン化合物としては、単結晶酸化チタン粉末に撥水性を付与できるものであれば特に限定されないが、好ましくは、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アクリル-シリコーン系グラフト共重合体、有機シリコーン樹脂、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物、部分架橋型ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン重合物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性シリコーンから選ばれる一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。特に好ましいシリコーン化合物はメチルハイドロジェンポリシロキサンである。
・・・
【0022】部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物としては、ベンゼンに不溶であるが、自重と同重量以上のベンゼンを含みうる三次元架橋構造を有するオルガノポリシロキサン重合物で、特公平8-6035号公報等に記載されているものが例示される。市販品としては、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物にシリコーン油を配合したものとして、例えば、KSG15、KSG16、KSG17、KSG18(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。
・・・
【0033】単結晶酸化チタン粉末をシリコーン化合物で処理する方法は特に限定されないが、・・・表面処理に用いるシリコーン化合物量は、その種類により異なり限定されないが、撥水性又は使用性を考慮すると、好ましくは単結晶酸化チタンに対して0.05?40%、より好ましくは、0.5?30%である。また、本発明の化粧料におけるシリコーン化合物処理単結晶酸化チタンの配合量は、好ましくは、0.1?95%である。
【0034】本発明の表面処理剤の用いられるフッ素化合物としては、酸化チタン粒子に撥水性及び撥油性を付与できるものであれば特に限定されないが、好ましくは、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル及びパーフルオロアルキル基を有する重合体から選ばれる一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。特に好ましいものはパーフルオロアルキル基含有エステルである。
【0035】パーフルオロアルキル基含有エステルとしては、下記一般式(8)
(R_(f)C_(m)H_(2m))_(y)PO(OM)_(3-y) ・・・・・・・・・(8)
〔式(8)中、R_(f)は炭素数3?21のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロオキシアルキル基を示し、直鎖状あるいは分岐状であって、単一鎖長のものであっても、混合鎖長のものであってもよい。mは1?12の整数を示し、yは1?3の数を示す。Mは同一又は異なっても良く、水素、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウム等を示す〕で表されるパーフルオロアルキル基含有エステルが挙げられる。例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、そのジエタノールアミン塩、ジヘプタデカフルオロデシルリン酸等のパーフルオロアルキル基を含有するエステル(具体的には、アサヒガードAG-530(旭硝子社製)など)が挙げられる。
・・・
【0044】本発明の表面処理においては、上述した表面処理剤を2種以上用いて同時に、或いは逐次に処理することも可能である。さらに、単結晶酸化チタンをアルミナ、シリカ、ジルコニア等の無機表面処理剤で予め処理した後、上述した表面処理剤で処理することもできる。」

(甲1e)「【0047】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1 単結晶酸化チタン粉末の製造例
メタチタン酸(チタン工業社製)に酸化チタン粉末(商品名;CR-EL、石原産業社製)を添加して混合した粉末を原料として用いた。この原料を30体積%の塩化水素ガス及び70体積%の窒素ガスを含有する雰囲気ガス中で、温度1,000℃にて2時間焼成した。このようにして得られた単結晶酸化チタンのBET比表面積は、2.4m^(2)/gであり、これから求められたBET径は、0.59μmであった。セディグラフ(マイクロメリティックス社製)から求められた粒径D90、D10及びD50は、それぞれ、1.3μm、0.5μm及び0.8μmとなり、スパンは1.0となった。
【0048】製造例2 油剤処理単結晶酸化チタン粉末の製造例
キャンデリラワックス4gとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリル12gを400mlのエタノールに加熱混合する。それに製造例1の単結晶酸化チタン粉末384gを添加混合して、充分撹拌してスラリー状とする。これを撹拌下、減圧乾燥してエタノールを除去する。その後、冷却してボールミルで粉砕し、油剤処理単結晶酸化チタン粉末を得た。
【0049】製造例3 メチルハイドロジェンポリシロキサン処理単結晶酸化チタン粉末の製造例
・・・
【0052】製造例6 部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物処理単結晶酸化チタン粉末の製造例
部分架橋型オルガノポリシロキサン(シリコンKSG-18;信越化学工業社製)20g、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール5g、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(コスモール168ARN;日清製油社製)3gを2-プロパノール400mlに加温溶解する。それに、製造例1の単結晶酸化チタン粉末250gを添加し、充分混合してスラリー状とする。これを攪拌しながら減圧乾燥し、2-プロパノールを除去する。冷却後、ハンマーミルにて粉砕し部分架橋型オルガノポリシロキサン処理単結晶酸化チタン粉末を得た。
・・・
【0056】製造例10 パーフルオロアルキル基含有エステル処理単結晶酸化チタン粉末の製造例
フルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩(アサヒガードAG530;旭硝子社製)8gに水400mlを加えて攪拌してエマルジョンを得た。
・・・
【0057】製造例11 パーフルオロアルキルシラン処理単結晶酸化チタン粉末の製造例
パーフルオロアルキルシラン(LS-160;信越化学工業社製)3gを2-プロパノール100gに溶解し、これに製造例1の単結晶酸化チタン粉末97gを加える。・・・」

(甲1f)「【0075】
実施例4 パウダーファンデーション
(成分) (%)
1.表面処理単結晶酸化チタン(製造例2) 10.0
2.表面処理単結晶酸化チタン(製造例6) 14.0
3.タルク 15.0
4.セリサイト 残量
5.球状ナイロンパウダー 5.0
6.シリカ 5.0
7.着色顔料 5.0
8.流動パラフィン 4.0
9.ポリイソブチレン 2.0
10.トリイソステアリン酸ジグリセリル 3.0
11.美容成分 適量
12.香料 適量」

(甲1g)「【0091】
【発明の効果】本発明の表面処理酸化チタンは、特定範囲の粒径と粒度分布を有するため分散性に優れ、また表面処理によって撥水性、耐水性、撥油性、耐油性を有するので、化粧品用の素材にきわめて有用であり、これを配合した化粧料は、使用性が良好で、化粧崩れが少なく、化粧効果持続性に優れたものである。また、酸化チタンが特定の粒度分布を有するため、この酸化チタンに表面処理を施す際に微粉末に起因する凝集物や粗大粒子に起因する未処理粒子の発生が低減され、表面処理効果が向上すると共に均一に表面処理された酸化チタン粉末を得ることができる。更に、上記特性を有する表面処理酸化チタン粉末を配合した化粧料は、均一な化粧膜、良好な使用感を有し、表面処理効果が充分に発揮されるため耐水性や耐油性が向上し、化粧効果の持続性に優れている。」

(2)甲第1号証に記載された発明

(甲1b)及び(甲1c)によれば、甲第1号証には、特定の粒径を有し、粒度分布が狭い酸化チタン粉末(単結晶酸化チタン粉末)を表面処理した新規表面処理酸化チタン粉末、並びにそれを配合することにより、耐水性や耐油性が向上し、化粧崩れがし難く、化粧持続性が良好で、かつ製品安定性に優れた化粧料に関し、(甲1f)のとおり、実施例4として、パウダーファンデーションが記載され、その構成成分として、製造例2による表面処理単結晶酸化チタン(10.0%)と、製造例6による表面処理単結晶酸化チタン(14.0%)が記載されているところ、(甲1e)によれば、その製造例2は、キャンデリラワックスとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリルにより表面処理された油剤処理単結晶酸化チタン粉末であり、その製造例6は、部分架橋型オルガノポリシロキサンとして、信越化学工業社製のシリコンKSG-18を用いて製造した部分架橋型オルガノポリシロキサン処理単結晶酸化チタン粉末であり、(甲1d)のとおり、表面処理剤に用いられる油剤として、肌なじみが良好で、単結晶酸化チタン粉末に撥水性を付与できるものが記載され、キャンデリラワックスを含めた複数の例が挙げられているから、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているということができる。

(甲1発明):「(製造例1)メタチタン酸(チタン工業社製)に酸化チタン粉末(商品名;CR-EL、石原産業社製)を添加して混合した粉末を原料として用い、この原料を30体積%の塩化水素ガス及び70体積%の窒素ガスを含有する雰囲気ガス中で、温度1,000℃にて2時間焼成し、このようにして得られた単結晶酸化チタンのBET比表面積は、2.4m^(2)/gであり、これから求められたBET径は、0.59μmであり、セディグラフ(マイクロメリティックス社製)から求められた粒径D90、D10及びD50は、それぞれ、1.3μm、0.5μm及び0.8μmとなり、スパンは1.0となった製造例1の単結晶酸化チタン粉末を用意し、
(製造例2)キャンデリラワックス4gとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリル12gを400mlのエタノールに加熱混合し、それに前記製造例1の単結晶酸化チタン粉末384gを添加混合して、充分撹拌してスラリー状とし、これを撹拌下、減圧乾燥してエタノールを除去し、その後、冷却してボールミルで粉砕し、製造例2の油剤処理単結晶酸化チタン粉末を得て、
(製造例6)部分架橋型オルガノポリシロキサン(シリコンKSG-18;信越化学工業社製)20g、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール5g、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(コスモール168ARN;日清製油社製)3gを2-プロパノール400mlに加温溶解し、それに、前記製造例1の単結晶酸化チタン粉末250gを添加し、充分混合してスラリー状とし、これを攪拌しながら減圧乾燥し、2-プロパノールを除去し、冷却後、ハンマーミルにて粉砕し製造例6の部分架橋型オルガノポリシロキサン処理単結晶酸化チタン粉末を得て、
次の成分の配合割合で作成したパウダーファンデーション
(成分) (%)
1.表面処理単結晶酸化チタン(製造例2) 10.0
2.表面処理単結晶酸化チタン(製造例6) 14.0
3.タルク 15.0
4.セリサイト 残量
5.球状ナイロンパウダー 5.0
6.シリカ 5.0
7.着色顔料 5.0
8.流動パラフィン 4.0
9.ポリイソブチレン 2.0
10.トリイソステアリン酸ジグリセリル 3.0
11.美容成分 適量
12.香料 適量」

(3)対比(本件訂正発明1と甲1発明の一致点・相違点の認定)

ア 甲1発明の「パウダーファンデーション」は、本件訂正発明1の「化粧料」に包含されるものである。

イ 甲1発明の「製造例1の単結晶酸化チタン粉末」は、本件訂正発明1の「二酸化チタン」に包含されるものである。

ウ 甲1発明の「製造例2の油剤処理」が、本件訂正発明1の「被覆」及び「表面処理」に相当することも当業者に自明の事項である。

エ 甲1発明の「製造例2の油剤処理単結晶酸化チタン粉末」は、前記(2)のとおり、表面が撥水処理された粉末であるから、本件訂正発明1の「撥水処理粉体(ただし、撥水処理粉体がキャンデリラワックスとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリルにより表面処理された酸化チタンである場合を除く)」と「撥水処理粉体」で共通する。

オ 甲1発明の「製造例6の部分架橋型オルガノポリシロキサン処理単結晶酸化チタン粉末」は、架橋型オルガノポリシロキサンで被覆された二酸化チタンである点で、本件訂正発明1の「架橋型メチルポリシロキサンで被覆された二酸化チタン」と共通する。

カ 甲1発明の「タルク、セリサイト、球状ナイロンパウダー、シリカ、着色顔料、流動パラフィン、ポリイソブチレン、トリイソステアリン酸ジグリセリル、美容成分、香料」については、本件訂正発明1が他の化粧料成分を含み得るものであるから、甲1発明がこれらを含むことは、本件訂正発明1に包含され、相違点とはならない。

キ 以上から、本件訂正発明1と甲1発明には、次の一致点・相違点が存在すると認められる。

(一致点):架橋型オルガノポリシロキサンで被覆された二酸化チタンと撥水処理粉体とを含有する化粧料。

(相違点1):二酸化チタンを被覆する架橋型オルガノポリシロキサンが、本件訂正発明1では「架橋型メチルポリシロキサン」であるのに対して、甲1発明では、「製造例6の部分架橋型オルガノポリシロキサン処理単結晶酸化チタン粉末」である点。

(相違点2):被覆された二酸化チタンが、本件訂正発明1では、酸化アルミニウムと架橋型ポリシロキサンとで被覆されたものであるのに対して、甲1発明では、架橋型オルガノポリシロキサンで被覆されたものであって、酸化アルミニウムで被覆されることについての特定がない点。

(相違点3):撥水処理粉体が、本件訂正発明1では、「撥水処理粉体がキャンデリラワックスとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリルにより表面処理された酸化チタン」である場合が除かれているのに対して、甲1発明では、このキャンデリラワックスとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリルにより表面が撥水処理されたものである点。

(相違点4):二酸化チタンの重量比が、本件訂正発明1では、被覆された二酸化チタンにおいて55?69重量%であるのに対して、甲1発明では特定がない点。

(4)判断(相違点の容易想到性の判断)

(4-1)相違点1に係る構成について

ア 本件訂正明細書には、本件訂正発明1でいう「架橋型メチルポリシロキサン」の架橋について、具体的にどのような架橋までを含むのか記載はないから、架橋しているものであれば、本件訂正発明1に包含されるものと解される。

イ 甲第19号証には、次の記載がある。

(甲19a)最終頁の欄外に「丸C(当審注:○の中にCの記号を表す。)」とともに、「Shin-Etu2001.9/2002.11」と記載されている。

(甲19b)商品名「KSG-15」の欄には、「(旧)化粧品種別許可名」として「架橋型メチルポリシロキサン」が記載されている。(13頁「KSG-15」の欄)

(甲19c)商品名「KSG-16」の欄には、「(旧)化粧品種別許可名」として「デカメチルシクロペンタシロキサン」、「架橋型メチルポリシロキサン」及び「メチルポリシロキサン」が記載されている。(13頁「KSG-16」の欄)

ウ 甲第1号証には、(甲1d)のとおり、「【0022】部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物としては、ベンゼンに不溶であるが、自重と同重量以上のベンゼンを含みうる三次元架橋構造を有するオルガノポリシロキサン重合物で、特公平8-6035号公報等に記載されているものが例示される。市販品としては、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物にシリコーン油を配合したものとして、例えば、KSG15、KSG16、KSG17、KSG18(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。」との記載がある。
ここで、「部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物」として記載された「KSG15、KSG16、KSG17、KSG18(以上、信越化学工業社製)」については、前記(甲19b)、(甲19c)によれば、「KSG15」、「KSG16」なる商品名のものには、「架橋型メチルポリシロキサン」が含まれていることが記載されているものである。

(なお、甲第19号証は、前記(甲19a)のとおり、欄外に著作権を示す「丸C」とともに、「Shin-Etu2001.9/2002.11」と記載されており、本件訂正発明の出願日である平成12年8月23日以降に作成され頒布されたものであると認められる。
しかしながら、KSG15、KSG16は、信越化学工業株式会社の化粧用シリコーンの製品であって、これらの製品は、化粧品を製造する各社に販売され、化粧品に添加されて製品となるものであることは明白である。そして、化粧品製造会社は、その成分を添加するためにKSG15やKSG16を購入するのであって、商品名が同じままで成分が年代によって異なると、化粧品製造会社が混乱することは明らかであるから、本件訂正発明の出願前にも同じ成分で販売されていたことが推認される。)

これを裏付けるように、下記刊行物Aにも、KSG-15、KSG-16,KSG-17が、架橋型メチルポリシロキサンであることが記載されている。
よって、KSG-15及びKSG-16が、架橋型メチルポリシロキサンであることは周知であったといえる。

刊行物A:特開平11-80588号公報

「【0011】本発明で粉体の表面処理に用いられる高重合度ポリシロキサンは、直鎖状若しくは分岐鎖を有するジメチルポリシロキサン若しくはメチルフェニルポリシロキサンである。・・・また、分岐鎖を有するポリシロキサンとしては、架橋型メチルポリシロキサン,架橋型メチルポリシロキサンが例示される。架橋型メチルポリシロキサンは、メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンを付加重合して得たシロキサン結合を骨格として架橋した構造を有するメチルポリシロキサンである。架橋型メチルポリシロキサンは通常低分子量シリコーンなどの溶媒に溶解した状態で市販されており、例えば信越化学工業社より発売されているKSG-15,KSG-16,KSG-17等が例示される。架橋型メチルフェニルポリシロキサンは、メチルハイドロジェンポリシロキサンとビニルメチルフェニルポリシロキサンを付加重合して得られたシロキサン結合を骨格として架橋した構造を有するメチルフェニルポリシロキサンである。これらの高重合度ポリシロキサンの中でも、架橋型メチルポリシロキサンが、肌に塗布した際の伸び,滑りの点から特に好ましい。」

エ したがって、甲第1号証に接した当業者が、甲1発明の「二酸化チタンを被覆する架橋型オルガノポリシロキサン」として、KSG-18に代えて、KSG15、KSG16を用いることによって、架橋型メチルポリシロキサンを用いるに至ること、すなわち、相違点1に係る構成に至ることは、格別困難なことではない。

(4-2)相違点2に係る構成について

ア 甲第1号証の段落【0044】には、(甲1d)のとおり、「本発明の表面処理においては、上述した表面処理剤を2種以上用いて同時に、或いは逐次に処理することも可能である。さらに、単結晶酸化チタンをアルミナ、シリカ、ジルコニア等の無機表面処理剤で予め処理した後、上述した表面処理剤で処理することもできる。」と記載されている。

イ したがって、これに接した当業者であれば、予めアルミナ、シリカ等の無機表面処理剤で処理された二酸化チタンを原料として採用して、これに架橋型オルガノポリシロキサンで被覆する表面処理を行うこともできることを示したものと理解するというべきである。

ウ そして、本件訂正発明1の出願時の文献である、メイクアップ化粧品用の粉体原料の表面処理技術に関する甲第33号証には、化粧品原料としての二酸化チタンについて、次の記載がある。

(ウ1)「酸化チタンはそのままでは表面活性が非常に高いため,使用しにくかったり,より滑沢な感じが出せなかったりする問題があったが,アルミナやシリカで表面コーティングすることにより,これらを改良することができるようになった。現在ではこのコーティングが一般的である。」(甲第33号証23頁左欄12行(最終行)?同右欄6行)

また、化粧品原料基準である甲第2号証には、「酸化チタン」の項に、次の記載がある。

(ウ2)「粒子表面の化学処理:粒子表面の化学処理は,用途によって粒子表面の性質を改質し,着色力,隠ぺい力,分散性,耐候性,耐黄変性,媒体に対する親和性などを改良する重要な工程で,一般にケイ酸や酸化アルミニウム又は酸化亜鉛などの水和物が用いられる。
酸化チタンは現在99%以上のものが生産されているが化粧品に使用する場合には純度よりもむしろ,色,着色力,隠ぺい力,耐候性,分散性などの目的に対する特性が重要である。したがって,酸化チタンの物性をより高度化するために化学的処理を行うので,化粧品用酸化チタンでは純度が低下する。本基準は以上のような実情を考慮して90%以上とした。」(503頁27行?34行)。

これらによれば、化粧品原料としての二酸化チタンについては、予めアルミナやシリカで表面被覆されたものが格別のものではないということができるから、甲第1号証の段落【0044】の解釈としての前記イが裏付けられる。

エ 以上のとおりであるから、甲第1号証に接した当業者であれば、その段落【0044】の記載に導かれて、予めアルミナで被覆された二酸化チタンを原料として採用して、甲1発明の「架橋型オルガノポリシロキサンで被覆された二酸化チタン」とすること、すなわち、相違点2に係る構成を想到することは、容易になし得ることである。

オ この点に関し、被請求人は、平成25年12月27日付け口頭審理陳述要領書及び平成26年1月21日付け上申書において、次のように主張する。

(オ1)「エ アルミナによる酸化チタンの処理は、乙第4号証乃至乙第7号証に示されるように、主に「湿式処理」により行われていた。湿式処理とはどのような処理であるかというと、・・・硫酸アルミニウムのような溶解性アルミニウム塩の溶液を添加した後に水酸化アンモニウムのような塩基(アルミニウム塩がアルカリ性の場合は酸)で中和し、水和アルミナとして沈殿させ、水和アルミナを酸化チタン表面に添着させて溶媒を除去する必要がある。このような湿式処理による表面処理を施した表面処理後の処理粉体は、溶媒を除去する際、例えば水であれば加熱して水を蒸発させる際に、粒子同士が凝集してしまう。このことは、当業者であれば当然理解できることである。」(口頭審理陳述要領書3頁「エ」の項)

(オ2)「ク 加えて、乙第5号証には、二酸化チタン表面に結晶性アルミナ水和物を被覆する際に生じる問題点が多く開示されている(第2頁21行目?第3頁1行目参照)。特に分散液の液体部分にもアルミナ水和物が析出分離することから、二酸化チタン粒子同士の間に付着し二酸化チタン粒子を凝集させたり、単独で結晶として析出する場合もある。このような問題を解決するためには、アルミナ被覆の際にかなりの緻密な調整が必要となることが開示されている(特許請求の範囲1参照)。」(口頭審理陳述要領書4頁「ク」の項)

そして、粒子同士の凝集が生じるとなると、
(オ3)「粒径を細かくするために粒子を砕くことで新たな破砕面が生じ、当該新たな破砕面は当然に表面処理されていないため、表面処理の効果を自ら減ずる処理をすることになる。そのため、当業者は表面処理後の粉体に対し、通常「粉砕」処理を適用しない。」(上申書2頁「ア」の項)

(オ4)「表面処理により凝集した二次粒子に「粉砕」処理を行ったとしても、表面処理前の粒子の状態に戻るわけではなく、「粉砕」処理を行うことで、粒径がブロードになることは当業者が容易に理解できることである。」(上申書2頁「イ」の項)

しかし、(甲1c)のとおり、甲第1号証の段落【0009】においても、化粧料用粉体としての酸化チタンの粒度や粒度分布を調整するために、「粉砕」や「分級」という当技術分野において周知の手段を採用し得る旨が説明されているのであるから、仮に、当業者が、甲第1号証の段落【0044】の記載に従って、湿式処理によるアルミナ被覆を行った場合に、酸化チタンの粒子同士が凝集し、粒度分布がブロードになることを想到するとしても、それのみにとどまらず、その後に、常套手段である粉砕や分級を適用することによって、所望の粒度調整は可能であることも容易に想到し得るところであるというべきである。
したがって、被請求人の前記主張(オ2)?(オ4)は、採用することができない。

また、被請求人は、「アルミナによる酸化チタンの処理は、乙第4号証乃至乙第7号証に示されるように、主に「湿式処理」により行われていた。」(オ1)との前提を置くが、「主に」であって、湿式処理のみで行われたものではない。したがって、「湿式処理」を前提とする主張が正しいとしても、せいぜい、湿式処理では粒子同士が凝集してしまう不都合がある程度のことである。
仮に、湿式処理が被請求人の主張するように適していないのであれば、それ以外の甲1発明に適したアルミナによる酸化チタンの処理法を選ぶか、前記のとおり、常套手段である粉砕や分級を行えばよいだけのことである。

しかも、「粒子同士が凝集してしまう」(オ1)との根拠として呈示された乙第5号証は、訂正発明の出願の20年も前の刊行物であり、出願時の技術常識としては不適切であるし、下記刊行物Bに記載のように湿式処理においても、凝集がないことが、知られている。
そうであれば、湿式処理において「粒子同士が凝集してしまう」というような技術常識が本件訂正発明の出願時にあったともいえず、被請求人の主張を採用することはできない。

刊行物B:国際公開第98/26011号
(刊Ba)「無機化合物被覆顔料および化粧料
技術分野
本発明は、特定の無機化合物で表面が被覆された顔料に関するものであり、より詳細には、水または油分で濡れたときに生じる色の変化および隠蔽性の低下を改善した白色または着色顔料に関するものである。さらに、本発明は、上記の白色または着色顔料が配合された化粧料に関するものである。」(3頁3?7行)

(刊Bb)「実施例5
実施例1で用いたのと同じ酸化チタン白色顔料(W)90gを濃度10重量%となるように水に懸濁した後、80℃に加温し、これにAl_(2)O_(3)に換算して10gの濃度10重量%硫酸アルミニウム水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液を加えて約pH6に維持しながら、4時間かけて添加した。このようにして、懸濁粒子の表面に含水アルミナを析出させることにより、懸濁粒子を被覆した。
次いで、この懸濁粒子を濾過、洗浄し、110℃で乾燥した後、600℃で焼成することにより、アルミナ被覆酸化チタン白色顔料(Wa )を得た。この白色顔料を電子顕微鏡で観察したところ、粒子同士の凝集もなく、アルミナ被覆前と粒子形状および粒径にも変化は認められなかった。」(11頁15?24行)

(4-3)相違点3について

ア 撥水処理粉体に関し、甲第1号証の段落【0011】には、(甲1d)のとおり、「本発明の表面処理剤に用いられる油剤としては、肌なじみが良好で、単結晶酸化チタン粉末に撥水性を付与できるものが好ましい。例えば、炭化水素油、液状ラノリン、エステル油、モノグリセライド油、ジグリセライド油、トリグリセライド油などの液体油、ワセリン、ラノリン等の半固形油、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレンポリプロピレンコポリマー、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ビーズワックス、モクロウ、モンタンワックス、プロピレングリコール等の固形油、並びにステアリン酸等の高級脂肪酸などの通常化粧料に用いられている油剤で、一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。また、油剤としてその他に金属石鹸、界面活性剤、アミノ酸系化合物も使用することができ、これらも、その一種又は二種以上を適宜選択して、或は上記の油剤と併用することができる。」と説明されているから、これに接した当業者であれば、「キャンデリラワックスとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリルによる撥水処理が施された粉体」以外の撥水処理粉体を想到することは、格別困難ではないということができる。

イ したがって、甲第1号証に接した当業者であれば、その段落【0011】の記載に基づいて、相違点3に係る構成を想到することは、容易になし得ることである。

(4-4)相違点4について

ア 本件明細書には、被覆された二酸化チタンにおいて二酸化チタンが55?69重量%であること、すなわち、相違点4に係る構成に関して、格別の技術的意義が記載されたところはなく、段落【0006】において「これら(1)、(2)及び二酸化チタンの構成比は、(1)が1?5重量%、(2)が総量で30?40重量%、二酸化チタンが55?69重量%であることが好ましい。」との記載があるだけである。
一般に、前記(4-2)(ウ2)のとおり、粒子表面の化学処理は、粒子表面の性質を用途に応じて改質し、分散性等の特性を向上させる手段として知られた技術であるから、化粧品原料としての被覆された二酸化チタンにおいて、二酸化チタンの重量比、すなわち、被覆量をどの程度にするかについては、その表面改質の目的や用途などに応じて、当業者が技術常識の範囲内において適宜決定することができる事項であるということができる。
甲第1号証には、表面処理に用いるシリコーン化合物量に関して、前記(1d)のとおり、「種類により異なり限定されないが、撥水性又は使用性を考慮すると、好ましくは単結晶酸化チタンに対して0.05?40%」(段落【0033】)との記載がある。
そうすると、結局、被覆された二酸化チタンにおいて二酸化チタンが55?69重量%である点、すなわち、相違点4に係る構成は、甲第1号証に接した当業者が適宜なし得る域を出るものではないというべきである。

イ よって、相違点4に係る構成は、当業者が技術常識に基づいて適宜なし得るものである。

(4-5)本件訂正発明1の効果について

ア 本件訂正明細書には、次の記載がある。

(ア1)「【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のシリコーン処理粉体やパーフルオロ処理粉体のみでは解決の出来なかった化粧崩れを、抑制する手段を提供することが出来る。」

これによれば、本件訂正発明1の効果は、化粧崩れの抑制であり、ファンデーションが化粧持ちに優れることであるところ、甲1発明も、前記(甲1b)、(甲1g)のとおり、「化粧崩れが少なく、化粧効果持続性に優れたもの」との目的とする技術効果を奏するものであるから、当業者が甲第1号証の記載から予測し得る範囲を超えるものではない。

(4-6)小括

以上(4-1)?(4-5)のとおりであるから、本件訂正発明1は、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(5)本件訂正発明2?6について

(5-1)本件訂正発明2と甲1発明との相違点(相違点5)とその容易想到性について

本件訂正発明2と甲1発明は、前記相違点1?4のほか、二酸化チタンの平均粒径に関し、前者が「0.01?10μm」であるのに対して、後者がこれを特定しない点で相違する(相違点5)が、(甲1e)によれば、甲第1号証の実施例4の化粧料成分である製造例6の表面処理二酸化チタンの平均粒径は、製造例1に記載されているとおり、0.59μm(BET径の場合)であり(段落【0047】)、0.01?10μmの範囲内のものであるから、相違点5に係る構成は、当業者が適宜なし得るところであるということができる。

(5-2)本件訂正発明3と甲1発明との相違点(相違点6)とその容易想到性について

本件訂正発明3と甲1発明は、前記相違点1?5のほか、撥水処理粉体における撥水処理に関し、前者が「パーフルオロアルキル化処理であって、前記パーフルオロアルキル化処理が、パーフルオロアルキルエチル燐酸ジエタノールアミン塩および/またはパーフルオロアルキルシランによるコーティング処理である」のに対して、後者がこれを特定しない点で相違する(相違点6)が、(甲1d)及び(甲1e)によれば、甲第1号証には、フッ素処理酸化チタンとして、パーフルオロアルキルシランによる表面処理が記載され(段落【0034】)、パーフルオロアルキルリン酸エステルのジエタノールアミン塩についても記載され(段落【0035】)、実施例としても記載されている(段落【0056】、【0057】)から、当業者であれば、甲1発明において、撥水処理をフツ素処理、特に、パーフルオロアルキルシランによる処理や、パーフルオロアルキルリン酸エステルのジェタノールアミン塩による処理に変更することは、容易に想到することである。

(5-3)本件訂正発明5と甲1発明との相違点(相違点7)とその容易想到性について

本件訂正発明5と甲1発明は、前記相違点1?6のほか、架橋型メチルポリシロキサンにより表面処理された単結晶酸化チタン粉末に関し、前者が「無水珪酸及び架橋型メチルポリシロキサンとで被覆」された酸化チタン粉末であるのに対して、後者が無水珪酸を特定しない点で相違するが(相違点7)、前記(4-2)ウのとおり、化粧品原料としての二酸化チタンについては、予めアルミナやシリカで表面被覆されたものが格別のものではないということができるから、甲第1号証に接した当業者であれば、その段落【0044】の記載に導かれて、予めアルミナと無水珪酸(シリカの別名として当業者に周知である。)で被覆された二酸化チタンを原料として採用して、甲1発明の「架橋型オルガノポリシロキサンで被覆された二酸化チタン」とすること、すなわち、相違点7係る構成を想到することは、容易になし得ることである。

(5-4)本件訂正発明6と甲1発明との対比

本件訂正発明6と甲1発明は、用途に関し、前者が「メークアップ用」と特定するのに対して、後者はこれを文言どおりに特定しないが、甲1発明のパウダーファンデーションがメークアップ用化粧料であることは当業者において明らかであるから、本件発明6が「メークアップ用」と特定する点は、甲1発明との相違点にはならない。

(5-5)小括

以上(5-1)?(5-4)のとおりであるから、本件訂正発明2?3,5?6は、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(6)まとめ

以上(1)?(5)から、本件訂正発明1?3,5?6は、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。

4.むすび

以上のとおりであるから、本件訂正発明1?3,5?6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、無効理由2,3,5を検討するまでもなく、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

審判に関する費用については、特許法169条2項の規定で準用する民事訴訟法61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
粉体含有皮膚外用剤
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸、メチルシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種乃至は2種以上(ただし、無水珪酸のみによる場合を除く)とで被覆された二酸化チタンと2)撥水処理粉体(ただし、撥水処理粉体がキャンデリラワックスとトリ2-エチルヘキサン酸グリセリルにより表面処理された酸化チタンである場合を除く)とを含有することを特徴とする化粧料であって、前記被覆された二酸化チタンにおいて、二酸化チタンが55?69重量%である、化粧料。
【請求項2】
(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸、メチルシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種乃至は2種以上(ただし、無水珪酸のみによる場合を除く)とで被覆された二酸化チタンにおいて、該二酸化チタンの平均粒径が0.01?10μmであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
撥水処理粉体における撥水処理が、パーフルオロアルキル化処理であって、前記パーフルオロアルキル化処理が、パーフルオロアルキルエチル燐酸ジエタノールアミン塩および/またはパーフルオロアルキルシランによるコーティング処理であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
撥水処理粉体における粉体が、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、紺青、群青からなる群から選択される一種以上の有色粉体を含む、請求項3に記載の化粧料。
【請求項5】
前記二酸化チタンは、(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸及びメチルシロキサン網状重合体、又は無水珪酸及び架橋型メチルポリシロキサンとで被覆されている、請求項1?4のいずれか1項に記載の化粧料。
【請求項6】
メークアップ用であることを特徴とする、請求項1?5のいずれかに記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料、取り分けメークアップ化粧料に好適な皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
メークアップ化粧料等の粉体含有化粧料に於いて、含有されている粉体が、皮膚上に塗布した場合、皮脂を吸収して、経時的に暗い色に変化していく現象は既に知られている現象である。これは所謂化粧崩れとして捉えられており、これは粉体類が皮脂に濡れてその色が変化するものであると考えられている。この為、皮脂濡れしないように粉体を処理する技術が開発され、化粧崩れの改善が為された。この様な技術には、粉体表面のジメチルポリシロキサンやハイドロジェンメチルポリシロキサンなどの焼き付け処理、シランカップリング剤を用いたアルキル化処理、パーフルオロアルキルエチル燐酸ジエタノールアミン塩によるコーティングなどによるパーフルオロ化処理などが挙げられる。この内、最も効果の高かったものは、パーフルオロ化処理であるが、パーフルオロ化処理をした粉体を用いても、充分感知しうる程の化粧崩れが未だ存在し、化粧崩れの更なる改善手段の開発が望まれていた。
【0003】
一方、(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸、メチルシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種乃至は2種以上とで被覆された二酸化チタンは、自然な仕上がりを提供するメークアップ化粧料の成分として開発されたが、このものと上記の表面処理粉体とを組み合わせることにより、化粧崩れが著しく抑制された化粧料が得られることは全く知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、従来のシリコーン処理粉体やパーフルオロ処理粉体のみでは解決の出来なかった化粧崩れを、抑制する手段を提供することを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、従来のシリコーン処理粉体やパーフルオロ処理粉体のみでは解決の出来なかった化粧崩れを、抑制する手段を求め、鋭意研究努力を重ねた結果、(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸、メチルシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種乃至は2種以上とで被覆された二酸化チタンと撥水処理粉体とを組み合わせることにより、この様な技術の具現化が可能であることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
{1}1)(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸、メチルシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種乃至は2種以上とで被覆された二酸化チタンと2)撥水処理粉体とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
{2}(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸、メチルシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種乃至は2種以上とで被覆された二酸化チタンにおいて、該二酸化チタンの平均粒径が0.01?10μmであることを特徴とする、{1}に記載の皮膚外用剤。
{3}撥水処理粉体における撥水処理が、パーフルオロアルキル化処理であることを特徴とする、{1}又は{2}に記載の皮膚外用剤。
{4}パーフルオロアルキル化処理が、パーフルオロアルキルエチル燐酸ジエタノールアミン塩および/またはパーフルオロアルキルシランによるコーティング処理であることを特徴とする、{3}に記載の皮膚外用剤。
{5}化粧料であることを特徴とする、{1}?{4}何れか1項に記載の皮膚外用剤。
{6}メークアップ用であることを特徴とする、{5}に記載の皮膚外用剤。
以下、本発明について、実施の形態を中心に更に詳細に説明を加える。
【0006】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の皮膚外用剤の必須成分である、(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸、メチルシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種乃至は2種以上とで被覆された二酸化チタン
本発明の皮膚外用剤は、(1)酸化アルミニウムと(2)無水珪酸、メチルシロキサン網状重合体及び架橋型メチルポリシロキサンから選ばれる1種乃至は2種以上とで被覆された二酸化チタンを必須成分として含有することを特徴とする。以下、前記本発明の必須成分の二酸化チタンのことを単に「本発明の被覆二酸化チタン」と言うことがある。ここで本発明の被覆二酸化チタンを構成する前記(1)と(2)の被覆の順番であるが、これは(1)が先でも、(2)が先でも、(1)、(2)同時でも何れでもかまわない。又、被覆の方法についても、粉体を遊星ボールミルなどで処理するメカノケミカルな処理でも、二酸化チタンが分散した水溶液中で水酸化アルミニウムやシリカゲルを形成させて、これを焼成する方法でもかまわない。粒径などをコントロールするためには、メカノケミカルな処理によることが好ましい。又、メチルシロキサン網状重合体や架橋型メチルポリシロキサンは高温で焼成するとシリカになるので、これらをコーティングする場合には、メカノケミカルな方法が好ましい。これら(1)、(2)及び二酸化チタンの構成比は、(1)が1?5重量%、(2)が総量で30?40重量%、二酸化チタンが55?69重量%であることが好ましい。更に、(2)の構成として好ましいものは、(2)の構成部分において、無水珪酸の重量:メチルシロキサン網状重合体及び/又は架橋型メチルポリシロキサンの総量=3:1?1:1の比率で構成されていることである。又、この場合に於いて有機度の観点からは、メチルシロキサン網状重合体のみを構成とすることが好ましい。又、基礎粉体となる二酸化チタンについて、その晶系はルチル型、アナタース型の何れでもかまわないが、最終物の平均粒径がサブミクロンオーダー、即ち0.01?10μm、更に好ましくは0.05?3μmになる程度の粒径であることが特に好ましい。この様な被覆二酸化チタンは下記の如くに製造し使用することも出来るし、既に市販されているものを利用することも出来る。市販品としては、例えば、富士色素株式会社製の「TiO2-SMS」が好適に例示できる。本発明の皮膚外用剤において、かかる本発明の被覆二酸化チタンは唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の皮膚外用剤に於ける、本発明の被覆二酸化チタンの好ましい含有量は、1?30重量%であり、更に好ましくは3?20重量%である。これは少なすぎると効果を発揮しない場合があり、多すぎると白味が勝り調色に自由度が無くなる場合があるからである。
【0007】
(製造例1)
微粒子二酸化チタン(平均粒径5μm)65重量部、酸化アルミニウム1重量部、無水珪酸34重量部を遊星ボールミルに仕込み、48時間被覆処理を行い、平均粒径6.1μmの本発明の被覆二酸化チタン1を得た。
【0008】
(製造例2)
微粒子二酸化チタン(平均粒径5μm)55重量部、酸化アルミニウム2重量部、無水珪酸34重量部、架橋型メチルポリシロキサン(トーレ株式会社製トレフィル)8重量部を遊星ボールミルに仕込み、48時間被覆処理を行い、平均粒径4.3μmの本発明の被覆二酸化チタン2を得た。
【0009】
(製造例3)
微粒子二酸化チタン(平均粒径5μm)60重量部、酸化アルミニウム2重量部、無水珪酸34重量部及びメチルシロキサン網状重合体4重量部を遊星ボールミルに仕込み、48時間被覆処理を行い、平均粒径5.2μmの本発明の被覆二酸化チタン3を得た。
【0010】
(製造例4)
微粒子二酸化チタン(平均粒径5μm)65重量部、酸化アルミニウム1重量部、メチルシロキサン網状重合体34重量部を遊星ボールミルに仕込み、48時間被覆処理を行い、平均粒径3.9μmの本発明の被覆二酸化チタン4を得た。
【0011】
(2)本発明の皮膚外用剤の必須成分である撥水処理粉体
本発明の皮膚外用剤は撥水処理粉体を含有することを特徴とする。かかる撥水処理としては、通常化粧料用の粉体などで使用されている処理であれば特段の限定無く使用することが出来、例えば、ジメチルポリシロキサンやハイドロジェンメチルポリシロキサンなどのシリコーンを焼き付けた処理、メチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤でアルキル化する処理、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシランやパーフルオロアルキルエチル燐酸ジエタノールアミン塩によるパーフルオロアルキル処理、アシル化グルタミン酸塩を使用したアシル化アミノ酸処理、ステアリン酸亜鉛を使用した脂肪酸石鹸処理などが好ましく例示でき、中でも、その効果への寄与からパーフルオロアルキル処理、中でもパーフルオロアルキルエチル燐酸ジエタノールアミン塩によるコーティング処理が特に好ましい。表面処理に用いる表面処理剤の量は粉体に対して1?10重量%が好ましい。又、この様な処理は有色粉体に行われていることが好ましく、かかる有色粉体としては、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、紺青、群青等が好ましく例示できる。この様な表面処理粉体は常法に従って処理したものを使用することも出来るし、既に市販されているものを使用することも出来る。市販されているもので好ましいものは、パーフルオロアルキルエチル燐酸ジエタノールアミン塩コーティング粉体である、PFベンガラ、PFグンジョウ(大東化成株式会社製)とパーフルオロアルキルシランコーティング粉体である、PFIマイカM102、PFIチタンマイカSPM70(有限会社三好化成製)が好ましく例示できる。特に群青を用いた調色系では、従来化粧崩れが著しいことが指摘されていることから、群青を用いる場合にはパーフルオロアルキル処理しておくことが特に好ましい。又、マイカ或いはチタンマイカも油脂分のリザーバーになりやすいことから、これらもパーフルオロアルキル処理しておくことが好ましい。
【0012】
(3)本発明の皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤は上記必須の成分を含有することを特徴とする。上記の構成をとることにより、本発明の皮膚外用剤は、塗布した後の認識される色の変化が少なく、化粧崩れが著しく抑制されている効果を発揮する。この様な性質は、皮膚外用剤の内、メークアップ化粧料に特に好適であるが、例えば、インドメタシンなどの抗炎症剤の光毒性を予防する目的で二酸化チタンを含有する皮膚外用剤において、塗布後の白さを目立たなくさせるために肌色に調色したものなどにおいても同様の効果を発揮するため、この様な適用も本発明の技術的範囲に属する。特に好ましい適用はメークアップ化粧料であり、中でも粉体の含有量が60重量%以上である、オイルゲルメークアップ化粧料、パウダーメークアップ化粧料及びその中間タイプのメークアップ化粧料である。
【0013】
本発明の皮膚外用剤においては、上記必須成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、カルナバワックス,オレイン酸オクチルドデシル等のエステル類、ジメチコン、フェメチコン、アモメジコン等のシリコーン類、オリーブ油、牛脂、椰子油等のトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、リチノレイン酸等の脂肪酸、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブタンジオール、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール等の多価アルコール類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体、有効成分等を例示することができる。本発明の皮膚外用剤において、特に好適な任意成分としては、シリコーン類が挙げられ、中でも粘度が10000センチストークス以上の高粘度のメチフェニルポリシロキサンが特に好ましい。この様な高粘度のメチルフェニルポリシロキサンの好ましい含有量は0.1?5重量%であり、この範囲に於いて、粉体類をベタツキ感無く皮膚に密着させる作用を発揮するとともに、系全体の対皮脂性を向上させることが出来るからである。本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0014】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。
【0015】
<参考例1、実施例2?5>
下記に示す処方に従って、ファンデーションを作成した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサーで混合した後、0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーで混合しながら、ロを噴霧してコーティングし、1mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、金皿につめ、加圧成形し、本発明の皮膚外用剤であるファンデーションを得た。

PFベンガラ 0.4重量部
PFグンジョウ 0.3重量部
PFIマイカM102 20重量部
PFIチタンマイカSPM70 15重量部
二酸化チタン 10重量部
被覆二酸化チタン* 15重量部
シリカ-チタンセリサイト-シリカ層状粉体 26重量部

ジメチコン(20センチストークス) 11.3重量部
メチルフェニルポリシロキサン 2重量部
(50000センチストークス)
*表1に詳細を記す。
【0016】
【表1】

【0017】
<実施例6>
上記参考例1、実施例2?5のファンデーションについて、参考例1の被覆二酸化チタン1を通常の二酸化チタンに置換した比較例1、参考例1のPFベンガラ、PFグンジョウ、PFIマイカM102、PFIチタンマイカSPM70を全て通常のベンガラ、群青、マイカ、チタンマイカに置換した比較例2、参考例1の被覆二酸化チタン1とPFベンガラ、PFグンジョウ、PFIマイカM102、PFIチタンマイカSPM70とを通常の二酸化チタン、ベンガラ、群青、マイカ、チタンマイカに置換した対照例1とともに、化粧崩れ実験を行った。即ち、1群10名のパネラーを用いて、右半顔には対照例1のサンプルを塗布し、左半顔にはサンプルを塗布し、4時間静かに25℃の部屋で過ごしてもらい、その後、化粧の状態を専門家に次の基準で判定してもらった。即ち、対照例1に比して、++:著しく崩れていない、+:明らかに崩れていない、±:やや崩れていない、-:同程度以上に崩れているの基準である。又、同時に上頬部と下頬部の2点で測色し、4時間に於ける色調の変化(ΔE)も測定し、この群平均を求めた。これらを表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤である、ファンデーションは化粧持ちに優れることが判る。更に、比較例1、2との比較により、この様な効果は被覆二酸化チタンと撥水処理粉体との組合せによる相乗効果であることも判る。
【0018】
【表2】

【0019】
<参考例7>
下記に示す処方に従って、ファンデーションを作成した。即ち、イの成分をヘンシェルミキサーで混合した後、0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーで混合しながら、ロを噴霧してコーティングし、1mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、金皿につめ、加圧成形し、本発明の皮膚外用剤であるファンデーションを得た。このものは、参考例1のファンデーションに比して、化粧持ちが少し劣るが、充分に良好な化粧持ち特性を有していた。これより、本発明の皮膚外用剤においては、撥水粉体としてパーフルオロアルキル処理を行うことが好ましいことが判る。

シリコーン焼き付けベンガラ 0.4重量部
シリコーン焼き付けグンジョウ 0.3重量部
シリコーン焼き付けマイカM102 20重量部
シリコーン焼き付けチタンマイカSPM70 15重量部
二酸化チタン 10重量部
被覆二酸化チタン1 15重量部
シリカ-チタンセリサイト-シリカ層状粉体 26重量部

ジメチコン(20センチストークス) 11.3重量部
メチルフェニルポリシロキサン 2重量部
(50000センチストークス)
【0020】
<実施例8>
下記に示す処方に従って、皮膚外用医薬を作成した。即ち、処方成分を良く混練りし、チューブに充填し、皮膚外用抗炎症剤を得た。このものは、塗布しても目立たなく、しかも光毒性は殆ど観測されなかった。
「TiO2-SMS」 1重量部
ステアリン酸亜鉛被覆ベンガラ 0.1重量部
インドメタシン 1重量部
ワセリン 97.9重量部
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のシリコーン処理粉体やパーフルオロ処理粉体のみでは解決の出来なかった化粧崩れを、抑制する手段を提供することが出来る。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2014-07-03 
結審通知日 2014-07-07 
審決日 2014-07-24 
出願番号 特願2000-251749(P2000-251749)
審決分類 P 1 113・ 121- ZAA (A61K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 八次 大二朗  
特許庁審判長 板谷 一弘
特許庁審判官 関 美祝
郡山 順
登録日 2010-08-13 
登録番号 特許第4565715号(P4565715)
発明の名称 粉体含有皮膚外用剤  
代理人 佐貫 伸一  
代理人 丹羽 武司  
代理人 瀬田 あや子  
代理人 南条 雅裕  
代理人 丹羽 武司  
代理人 下田 俊明  
代理人 下田 俊明  
代理人 佐貫 伸一  
代理人 川口 嘉之  
代理人 原 秀貢人  
代理人 川口 嘉之  
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