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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C07C |
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管理番号 | 1315976 |
審判番号 | 訂正2016-390049 |
総通号数 | 200 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-08-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2016-04-04 |
確定日 | 2016-06-10 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5312026号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5312026号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?5及び11について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第5312026号(以下「本件特許」という。)は、2006年7月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2005年7月22日(IT)イタリア)を国際出願日とする出願(特願2008-522170号)の請求項1?16に係る発明について、平成25年7月12日に特許権の設定登録がなされたものである。 そして、平成28年4月4日に本件訂正審判の請求がなされた。 第2 請求の趣旨及び理由 本件訂正審判請求の趣旨は「特許第5312026号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?5、及び11について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 請求人が求めている訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に以下の除外事項を追加する。 「下記化合物40: 【化2】 を除く」 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5における 「化合物が、 【化2】 【化3】 及び 【化4】 から成る群から選択される」 との記載を 「化合物が、 【化3】 及び 【化4】 から成る群から選択される」 に訂正する(審決注:訂正部分に下線を付した。以下も同じ。)。 3 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項5における 「請求項1から5」 との記載を 「請求項1から4」 に訂正する。 第3 当審の判断 1 一群の請求項ごとに訂正を請求することについて 本件請求は、二以上の請求項が記載された特許請求の範囲の訂正を請求するものであるので、本件請求が、特許法第126条第3項に規定する要件を満たすものであるかを検討する。 訂正事項1は、請求項2?5及び11の記載を訂正するものではないが、以下のとおり、本件請求は、実質的にみて、請求項2?5及び11についての訂正を含むものであるといえる。すなわち、請求項2は請求項1を引用し、請求項3は請求項1又は2を引用し、請求項4は請求項1?3を引用し、請求項5は請求項1?4を引用し、請求項11は請求項1?5を含む請求項を引用するものであるから、請求項1についての訂正事項1により、実質的に請求項2?5及び11について訂正されるものである。 本件請求は、上記の一群の請求項がある特許請求の範囲について、当該一群の請求項である請求項1?5及び11について訂正を請求するものであるから、特許法第126条第3項に適合するものである。 2 訂正の目的及び新規事項の追加の有無について (1)訂正事項1は、請求項1において、「下記化合物40・・・(審決注:化学式等を省略する。)・・・を除く」と記載することにより、請求項1の一般式(I)の化合物から、当該化合物40を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、また、願書に添付した特許請求の範囲及び明細書に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかである。 (2)訂正事項2は、請求項5において、「化合物が・・・(審決注:化学式等を省略する。以下も同じ。)・・・化合物34・・・化合物39・・・及び・・・化合物40・・・からなる群から選択される」と3つの化合物が挙げられていたところを、「化合物が・・・化合物34・・・及び化合物39・・・からなる群から選択される」と、化合物40を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、また、願書に添付した特許請求の範囲及び明細書に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかである。 (3)訂正事項3は、請求項5において、引用していた請求項が「請求項1から5」であって、請求項5を引用するのは明らかに誤記であったのを、「請求項1から4」と訂正するものであり、特許法第126条第1項第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、また、願書に添付した特許請求の範囲及び明細書に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかである。 (4)したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項及び同法同条第5項の規定に適合する。 3 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について 上記2で述べたとおり、訂正事項1及び2は、特許請求の範囲に記載された化合物の一部を除き、特許請求の範囲を減縮するものであるので、訂正の前後で特許請求の範囲の拡張又は変更はない。訂正事項3は、請求項5が引用する請求項から請求項5を除いて誤記を正すものであり、訂正の前後で特許請求の範囲の拡張又は変更はない。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 4 訂正後の発明の独立特許要件について 本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び同第2号に掲げる事項を目的とする訂正であるので、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が同条第7項に適合するものであるかを検討する。 そこで、この点を検討したところ、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1?5及び11に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないとする新たな理由は見当たらない。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項、同条第3項、同条第5項?第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式(I)の化合物、またはそれらの塩、 【化1】 [式中、 -NR_(1)R_(2)は、フェニル環の3’または4’の位置にあり、 R_(1)及びR_(2)は、同一であって、-H並びに1?6個の炭素原子を有する直鎖及び分枝アルキル基から成る群から選択され、 Yは、-Hであり、 Zは、-CH(OR_(3))COOHであり、 ここでR_(3)は、1?6個の炭素原子を有する直鎖及び分枝アルキル基から成る群から選択され、 但し、Yが-Hであり、Zが-CH(OCH_(3))COOHのとき、-NR_(1)R_(2)は、4’の位置にあり、 下記化合物40: 【化2】 を除く。] 【請求項2】 R_(1)及びR_(2)は、-H、-CH_(3)、-CH_(2)CH_(3)、-CH(CH_(3))_(2)及び-CH_(2)CH_(2)CH_(3)から成る群から選択され、 Yは-Hであり、 Zは-CH(OR_(3))COOHであり、 ここでR_(3)は、-CH_(3)、-CH_(2)CH_(3)、-CH(CH_(3))_(2)及び-CH_(2)CH_(2)CH_(3)から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物、またはそれらの塩。 【請求項3】 Zが-CH(OR_(3))COOHであり、R_(3)が-CH_(3)または-CH_(2)CH_(3)である請求項1又は2に記載の化合物、またはそれらの塩。 【請求項4】 -NR_(1)R_(2)は、フェニル環の4’の位置にある請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの塩。 【請求項5】 化合物が、 【化3】 及び 【化4】 から成る群から選択される、請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの塩。 【請求項6】 一般式(I)の化合物、またはそれらの塩、 【化5】 [式中、 -NR_(1)R_(2)は、フェニル環の3’の位置にあり、 R_(1)及びR_(2)は、同一でも異なってもよく、-H並びに1?6個の炭素原子を有する直鎖及び分枝アルキル基から成る群から選択され、 Yは、-Hであり、 Zは、-CH(OR_(3))COOHであり、 ここで、R_(3)は、-Hである。] 【請求項7】 R_(1)及びR_(2)は、-Hである請求項6の化合物、またはそれらの塩。 【請求項8】 下記式を有する請求項6又は請求項7の化合物、またはそれらの塩。 【化6】 【請求項9】 一般式(I)の化合物、またはそれらの塩、 【化7】 [式中、 -NR_(1)R_(2)は、フェニル環の3’または4’の位置にあり、 R_(1)及びR_(2)は、-Hまたは-CH_(3)であり、 Yは、-COOHであり、 Zは、-OR_(3)であり、R_(3)は、-CH_(3)、-CH_(2)CH_(3)、-CH(CH_(3))_(2)及び-CH_(2)CH_(2)CH_(3)から成る群から選択され、 但し、Yが-COOHであり、Zが-OCH_(3)のとき、-NR_(1)R_(2)は、4’の位置にある。] 【請求項10】 化合物が 【化8】 【化9】 及び 【化10】 から成る群から選択される、請求項9に記載の化合物、またはそれらの塩。 【請求項11】 鏡像異性的に純粋なR型又はS型をしている、請求項1から10までのいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの塩。 【請求項12】 (±)-2-ヒドロキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物20) (±)-2-メトキシ-2-(4’-アミノフェニル)酢酸(化合物23) (±)-2-エトキシ-2-(3’-アミノフェニル)酢酸(化合物32) (±)-2-エトキシ-2-(4’-アミノフェニル)酢酸(化合物33) (±)-2-エトキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物39) (±)-2-エトキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物40) (±)-2-メトキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物34) (±)-2-ヒドロキシ-2-(3’-アミノフェニル)酢酸(化合物10) (±)-2-ヒドロキシ-2-(4’-アミノフェニル)酢酸(化合物11) (±)-2-ヒドロキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物21) (±)-2-メトキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物35)及びそれらの塩から成る群から選択される有効成分を含む、癌性腫瘍又は慢性炎症性疾患の治療の為の医薬品。 【請求項13】 (±)-2-メトキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物34) (±)-2-メトキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物35) (±)-2-ヒドロキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物20) (±)-2-エトキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物39) (±)-2-エトキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物40)及びそれらの塩から成る群から選択される有効成分を含む、請求項12に記載の癌性腫瘍又は慢性炎症性疾患の治療の為の医薬品。 【請求項14】 (±)-2-ヒドロキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物20) (±)-2-メトキシ-2-(4’-アミノフェニル)酢酸(化合物23) (±)-2-エトキシ-2-(3’-アミノフェニル)酢酸(化合物32) (±)-2-エトキシ-2-(4’-アミノフェニル)酢酸(化合物33) (±)-2-エトキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物39) (±)-2-エトキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物40) (±)-2-メトキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物34) (±)-2-ヒドロキシ-2-(3’-アミノフェニル)酢酸(化合物10) (±)-2-ヒドロキシ-2-(4’-アミノフェニル)酢酸(化合物11) (±)-2-ヒドロキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物21) (±)-2-メトキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物35)及びそれらの塩から成る群から選択される有効成分を含む、PPARγ受容体及びEGF受容体を発現する食道の腫瘍、胃の腫瘍、膵臓の腫瘍、結腸の腫瘍、前立腺の腫瘍、乳房の腫瘍、子宮及び付属器の腫瘍、腎臓の腫瘍並びに肺の腫瘍を含む腫瘍の予防及び治療の為の医薬品。 【請求項15】 (±)-2-ヒドロキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物20) (±)-2-メトキシ-2-(4’-アミノフェニル)酢酸(化合物23) (±)-2-エトキシ-2-(3’-アミノフェニル)酢酸(化合物32) (±)-2-エトキシ-2-(4’-アミノフェニル)酢酸(化合物33) (±)-2-エトキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物39) (±)-2-エトキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物40) (±)-2-メトキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物34) (±)-2-ヒドロキシ-2-(3’-アミノフェニル)酢酸(化合物10) (±)-2-ヒドロキシ-2-(4’-アミノフェニル)酢酸(化合物11) (±)-2-ヒドロキシ-3-(4’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物21) (±)-2-メトキシ-3-(3’-アミノフェニル)プロピオン酸(化合物35)及びそれらの塩から成る群から選択される有効成分を含む、クローン病及び潰瘍性結腸大腸炎を含む慢性炎症性疾患治療の為の医薬品。 【請求項16】 有効成分が、1つの鏡像異性体が任意の割合で他を超えている混合物中にある、請求項12から15までのいずれか一項に記載の医薬品。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2016-05-13 |
結審通知日 | 2016-05-17 |
審決日 | 2016-06-02 |
出願番号 | 特願2008-522170(P2008-522170) |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(C07C)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 前田 憲彦 |
特許庁審判長 |
井上 雅博 |
特許庁審判官 |
冨永 保 中田 とし子 |
登録日 | 2013-07-12 |
登録番号 | 特許第5312026号(P5312026) |
発明の名称 | PPAR受容体及びEGF受容体に特異的な化合物及びそれらの塩並びに医療分野におけるそれらの使用 |
代理人 | 特許業務法人浅村特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人浅村特許事務所 |