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審決分類 審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1316018
審判番号 不服2015-10063  
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-05-29 
確定日 2016-06-15 
事件の表示 特願2013-142153「ワイヤレス通信デバイス間のグループ通信においてメディアを共有するためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年12月 5日出願公開、特開2013-243723〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2008年6月20日(パリ条約に基づく優先権主張2007年6月20日、アメリカ合衆国、2008年6月18日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願である特願2010-513472号の一部を平成25年7月5日に新たな特許出願としたものであって、平成27年1月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成27年5月29日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同時に手続補正がなされ、平成27年11月18日付けで上申書が提出されたものである。

2.平成27年5月29日付け手続補正書による補正について
平成27年5月29日付け手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)は、請求項1及び10について、「直接グループ通信」とあったものを「グループ通信」へ、請求項28から36について、「非一時的プロセッサ可読記憶媒体」とあったものを「非一時的プロセッサ可読記録媒体」へとそれぞれ補正したものであって、拒絶査定で付記された特許法第36条第6項第2号違反の解消を目的としたものである。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第4号に規定される「明りょうでない記載の釈明」を目的とするものであるといえる。

3.本願発明
本願の請求項19に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成27年5月29日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項19に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項19】
ワイヤレス通信デバイスであって、
通信グループの他のメンバーへ前記グループ向けメディアを送信する命令で、ワイヤレス通信ネットワークを介してグループ通信コンピュータデバイスにグループ向けメディアを送信する手段と、
前記ワイヤレス通信デバイスにおいて、前記グループ向けメディアが前記通信グループの少なくとも1つのメンバーワイヤレスデバイスによって受信されたという肯定応答を受信する手段と
を備えるワイヤレス通信デバイス。」

4.引用文献

引用文献1.特開2006-191631号公報(拒絶査定の引用文献1)
引用文献2.国際公開第2007/058469号(拒絶査定の引用文献2)

4-1.引用文献1の記載
引用文献1には、図面と共に、以下の事項が記載されている。

(ア)第0001段落
【0001】
本発明は、移動通信(移動体通信)端末機に関し、特に、PTT(Push to Talk)端末機におけるデータ再転送方法に関する。

(イ)第0002段落、第0017段落から第0020段落
【0002】
一般に、PTT端末機は、所定のPTTキーを押しながらトランシーバーのようにして相手と通話することのできるようにした端末機であり、PTTキーを押すことにより音声データを転送し、PTTキーを離すことにより音声データを受信したり待機状態に入る。PTT端末機は、一対一及び一対多通信を行い、特に、半二重通信(half-duplex)を行う。このようなPTT端末機は、CDMA又はGSM(Global System for Mobile Communications)網を利用して音声データをパケットに分けて転送するもので、当該音声データはVoIP(Voice over Internet Protocol)により目的地まで転送される。
【0017】
図1に示すように、RTP(Realtime Transport Protocol)を介して送信PTx端末機(TxT)と受信PTx端末機(RxT)との間にPTx通信セッションが設定される。このRTPは、音声及び映像のリアルタイム転送をサポートするインターネットプロトコル(IP)であり、IP電話通信(telephony)や音声及びビデオストリーミングに幅広く適用される。RTPパケットは、最上位のUDP(User Datagram Protocol)上で転送され、受信端において適切に再組立し得るように、ヘッダ内に時間サンプリング及び同期化情報を含む。
【0018】
送信PTx端末機は、RTCPを介して発言権要求(すなわち、「talk bust authority」のための要求;Req.Auth)を転送し、該要求は、発言権要求を承認し得るPoC(Push to talk of Cellular)サーバにより受信される。この要求が承認されると、「talk burst grant」(Req.Granted)がRTCPを介して送信PTx端末機に転送される。受信PTx端末機には、発言権要求の承認(Req.Granted)が通知され、送信PTx端末機から転送されるオーディオデータの受信を待つ。
【0019】
所定のPTx端末機が発言権を有すると、当該端末機が送信側となって、スピーカなどによりオーディオデータを入力することができるようになり、これにより入力されたオーディオデータは、PoCサーバを経由してRTPを介し受信PTx端末機に転送される。
【0020】
制限時間が経過するまでにオーディオデータが受信されない場合(データの遺失)、受信PTx端末機は、受信失敗通知(例えば、NACK)をRTCPを介して送信PTx端末機に転送する。この受信失敗通知を受信した送信PTx端末機は、遺失データを受信PTx端末機に再転送する。

(ウ)第0027段落、第0028段落
【0027】
ユーザ(送信者)がPTTキーを押して基地局から発言権が与えられると、当該ユーザは、送信PTT端末機のマイクを介して音声を入力することができる。入力された音声信号は、コーデック12でデジタル信号に変換され、該変換されたデジタル音声信号は、MPU11で転送フォーマットに変換された後、無線部10から送信されて受信PTT端末機へ転送されると共に(S11)、バッファ13に保存される(S12)。ここで、バッファ13に保存されたデジタル音声信号は、ユーザが再び発言権を取得するためにPTTキーを再度押す場合に削除される。
【0028】
続いて送信PTT端末機は、音声データの再転送が必要であるか否かを判断し(S13)、再転送が必要である場合は、前記保存されたデジタル音声信号を受信PTT端末機に再転送する(S14)。一方、再転送が必要でない場合は、次の音声データを転送する(S15)。好ましくは、その音声データの再転送が必要である場合は、受信側から受信失敗が通知される場合であり得る。

(エ)第0032段落
【0032】
音声データの再転送が必要である場合とは、受信PTT端末機から受信失敗通知を受信したときに限定されず、送信PTT端末機が、受信PTT端末機へ転送した音声データに対するACK信号を所定時間内に受信できなかったとき等も含まれる。この場合の送信PTT端末機は、ACK信号が所定時間内に返ってこなかった場合、該当音声データを再転送する。

(オ)第0033段落
【0033】
上記の実施形態では、説明の便宜上、音声データを例に挙げて説明してきたが、映像データにも同様に適用できることは明らかである。すなわち、再転送が必要である場合は、一時保存された映像データを転送すると共に、ユーザが認識し得るように画面に表示する。

以上の引用文献1の記載によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「移動通信(移動体通信)端末機に関し、特に、PTT(Push to Talk)端末機におけるデータ再転送方法であって、
ユーザ(送信者)がPTTキーを押して基地局から発言権が与えられると、当該ユーザは、送信PTT端末機のマイクを介して音声を入力し、入力された音声信号は、コーデック12でデジタル信号に変換され、該変換されたデジタル音声信号は、MPU11で転送フォーマットに変換された後、無線部10から送信されて受信PTT端末機へ転送され、
続いて送信PTT端末機は、音声データの再転送が必要であるか否かを判断し(S13)、再転送が必要である場合は、前記保存されたデジタル音声信号を受信PTT端末機に再転送し、
音声データの再転送が必要である場合とは、受信PTT端末機から受信失敗通知を受信したときに限定されず、送信PTT端末機が、受信PTT端末機へ転送した音声データに対するACK信号を所定時間内に受信できなかったとき等も含まれる、PTT端末機におけるデータ再転送方法。」

4-2.引用文献2の記載
引用文献2には、図面と共に、以下の事項が記載されている。

(カ)第27段落
Generally, a PoC system uses a session initiation protocol (SIP) and an SIP extension protocol in order to transfer session participation information of a group communication, and uses an XML configuration access protocol (XCAP) in order to acquire group information.
当審訳:一般に、PoCシステムは、グループ通信のセッション参加情報を伝送するためにSIP及びSIP拡張プロトコルを用い、グループ情報を取得するためにXCAPを用いる。

5.対比
本願発明と引用発明1とを以下で対比する。

引用発明1のPTT端末機は「移動通信端末機」であるとされ、さらに、引用文献1には、一般に「PTT端末機は、CDMA又はGSM(Global System for Mobile Communications)網を利用して音声データをパケットに分けて転送するもの」であるとの記載がある(摘記事項(イ)【0002】)ことから、引用発明1の「移動通信」は、本願発明の「ワイヤレス通信」に相当する。
引用発明1の「PTT端末機」及び「送信PTT端末機」は、本願発明の「ワイヤレス通信デバイス」に相当する。
引用発明1の「受信PTT端末機」は、本願発明の「他のメンバー」及び「メンバーワイヤレスデバイス」に相当する。
本願明細書第0021段落及び第0022段落の「【0021】
グループ向けメディアは、JPEG、TIFなどの画像などグラフィックメディア、MP3、MP4、WAVなどのオーディオファイルとすることができる。メディアは、マルチメディアアプリケーション(PowerPoint、MOVファイルなど)などのストリーミングメディア、およびワイヤレス通信デバイス14、16、18に常駐するかまたはそれと通信しているアプリケーション用の他の特定用途向けデータまたはカスタムデータでもよい。グループ向けメディアは、ストリーミングメディア、あるいはデータストア36または個人掲示板上でホストされるゲームなど、ワイヤレス通信ネットワーク20上の別のコンピュータデバイス上の対話型セッションでもよい。たとえば、ゲームの参加者は、進行中のゲームに関してグループ通信を介してチャットすることができる。また、グループ向けメディアは、話者の画像が実質的なリアルタイムでまたは遅れて他のグループメンバーにブロードキャストされる、通信グループのメンバー間の半二重テレビ会議とすることができる。
【0022】
これらのメディアファイルのサイズは非常に大きいことがあり、メディアの送信が潜在的に遅れるため、または受信ワイヤレス通信デバイスが送信されたメディアを処理することができないために、システム10は、通信グループ12のターゲットメンバーが、他のPTT通信を中断することなしに記憶されたメディアに選択的にアクセスすることができるように、データストア36(すなわちファイル管理サーバまたは他のコンピュータデバイス)を使用してグループ向けメディアを記憶することができる。」との記載によれば、本願発明の「メディア」とは、音声データや、MOVファイルで代表される動画像データなどの各種音響映像データ等のことを意味するものと理解される。この理解に基づけば、引用発明1の「音声データ」は、本願発明の「メディア」に相当する。加えて、引用発明1は、「音声データを例に挙げて説明してきたが、映像データにも同様に適用できる」(摘記事項(オ)を参照)とあることから、映像データをPTT通信で送受信することも想定しており、この映像データも本願発明の「メディア」に相当する。
引用発明1の「ACK信号」は、本願発明の「肯定応答」に相当する。
引用発明1において、通信が移動通信ネットワークを介して行われることは明らかである。
すると、本願発明と引用発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

〈一致点〉
「ワイヤレス通信デバイスであって、
他のメンバーへメディアを送信するにあたり、ワイヤレス通信ネットワークを介してメディアを送信する手段と、
前記ワイヤレス通信デバイスにおいて、前記メディアがメンバーワイヤレスデバイスによって受信されたという肯定応答を受信する手段と
を備えるワイヤレス通信デバイス。」

〈相違点1〉
本願発明の通信は「通信グループ」内の通信であるのに対し、引用発明1は通信グループを形成しているか否かが明らかでない点。

〈相違点2〉
本願発明の通信で伝送されるデータは「グループ向けメディア」であるのに対し、引用発明1の通信で伝送されるデータはグループ向けであるか否かが明らかでない点。

〈相違点3〉
本願発明は、メディアを送信するにあたって「命令」を用いているのに対し、引用発明1は命令を用いているのか否かが明らかでない点。

〈相違点4〉
本願発明は、メディアを「グループ通信コンピュータデバイス」に対して送信しているのに対し、引用発明1は「受信PTT端末機」に対して送信している点。

〈相違点5〉
本願発明の肯定応答は、「前記グループ向けメディアが前記通信グループの少なくとも1つのメンバーワイヤレスデバイスによって受信された」ことを表しているのに対し、引用発明1のACK信号は「受信PTT端末機へ転送した音声データに対する」ものである点。

6.判断

6-1.相違点1及び2について
引用発明1の基礎となっているPTT通信は、一般に、一対多通信が想定されており(摘記事項(イ)【0002】を参照)、PTTキーを押した送信側(一)と受信側(多)とからなる通信グループを形成することは明らかである。PTT通信がグループ通信を想定していることは、他にもPTT over Cellularについて記載した引用文献2(摘記事項(カ)を参照)からも明らかである。
してみれば、引用発明1のPTT通信をグループ通信として、通信グループのメンバーを対象にした通信として構成することは、当業者が容易になし得ることである。
このように構成した場合、引用発明1の音声データ(又は映像データ)が、通信グループ向けのメディアとなることは明らかである。

6-2.相違点3について
通信をプログラム命令にて実行することは文献を挙げるまでもない周知技術であるから、引用発明1において、PTT装置からの音声データ(又は映像データ)の送信を命令によって実行するよう構成することは、当業者が容易になし得ることである。

6-3.相違点4について
引用文献1には、PTTを含む一般的なPTx(push to communication)について、送信側のPTx端末機で入力されたオーディオデータがPoCサーバを経由して受信PTx端末機に転送されることについて記載がある(摘記事項(イ)【0019】を参照)。つまり、該PoCサーバは、送信側のPTx端末機から受信PTx端末機へのオーディオデータすなわちメディアの送信の仲介をするサーバであるから、本願発明の「グループ通信コンピュータデバイス」に相当するものである。
してみると、引用発明1において、送信PTT端末機が、音声データを受信PTT端末機へ転送するために、当該音声データをPoCサーバに送り、PoCサーバから受信PTT端末機へ当該音声データを転送するよう構成することは、当業者が容易になし得ることである。

6-4.相違点5について
引用発明1の「受信PTT端末機へ転送した音声データに対するACK信号」は、音声データの再転送の必要性を判断する材料として、受信PTT端末機からの受信失敗通知の代替として用いられるものである。そして、一般にACK信号は肯定応答を示す信号であることに鑑みれば、引用発明1のACK信号は、受信PTT端末機からの受信成功通知であると認められる。
してみると、引用発明1において、送信PTT端末機がACK信号を受信したならば、当該送信PTT端末機は、少なくとも当該ACK信号の送信元である受信PTT端末機が音声データを受信できたことを知ることができる。
この意味で、引用発明1のACK信号は、少なくとも1つのメンバーワイヤレスデバイス(すなわち、当該ACK信号の送信元である受信PTT端末機)によって音声データが受信されたという肯定応答に他ならない。

6-5.効果について
また、本願発明の構成によって生じる効果も、上記引用発明1、引用文献2に記載の技術及び周知技術から当業者が予測し得る範囲内のもので格別顕著であるとはいえない。

6-6.審判請求書での審判請求人の主張について
平成27年5月29日付け審判請求書にて、審判請求人は、引用文献1について以下の2点を主張している。
〈主張1〉 引用文献1乃至引用文献7は、請求項1に係る発明の「前記ワイヤレス通信デバイスにおいて、前記グループ向けメディアが前記通信グループの少なくとも1つのメンバーワイヤレスデバイスによって受信されたという肯定応答を受信すること」について何ら開示も示唆もしていない。特に、引用文献1及び引用文献7は、グループ向けメディアの配送の成功の肯定応答を受信することに関しては何ら開示も示唆もしていない。
〈主張2〉 引用文献1は、メディアをグループ通信デバイス(すなわち、サーバ)に送信することについて何ら開示も示唆もしていない。従って、引用文献1は、メンバーワイヤレスデバイスを管理するサーバから通信グループの少なくとも1つのメンバーワイヤレスデバイスに関するどんな肯定応答を受信することについて開示していない。
上記主張1及び主張2について検討する。
上記主張1については、6-1.「相違点1及び2について」及び6-4.「相違点5について」に述べたとおりであり、「前記ワイヤレス通信デバイスにおいて、前記グループ向けメディアが前記通信グループの少なくとも1つのメンバーワイヤレスデバイスによって受信されたという肯定応答を受信すること」は、引用発明1、引用文献2に記載の技術及び周知技術から当業者が容易に想到し得るものである。したがって、審判請求人の主張1は採用できない。
上記主張2については、6-3.「相違点4について」に述べたとおりであり、「メディアをグループ通信デバイス(すなわち、サーバ)に送信すること」は、引用発明1から容易に想到し得ることである。
そして、「サーバから通信グループの少なくとも1つのメンバーワイヤレスデバイスに関するどんな肯定応答を受信すること」については、請求項19に記載された事項ではない。
したがって、審判請求人の主張2は採用できない。

6-7.平成27年11月18日付け上申書について
審判請求人は平成27年11月18日付け上申書にて、特許請求の範囲の補正案を提示している。
上記補正案が仮に審判請求時に手続補正書として提出されていたとしても、以下に示すように、この補正案による補正は、いわゆる目的外補正であるため、却下されるべきものである。
したがって、上記補正案を審理において考慮の対象とはしなかった。
〈上記補正案による補正が目的外補正である理由〉
請求項19に対して上記補正案は、「グループ向けメディアを送信する手段」を「前記グループ向けメディアを選択的に送信する手段」に変更した上で、「前記グループ向けメディアを選択的に送信する手段」が「前記グループ向けメディアのサイズがデータ配信限度を超えない場合は、前記グループ通信コンピュータデバイスに前記グループ向けメディアを送信する手段」及び「前記グループ向けメディアのサイズが前記データ配信限度を超える場合は、データストアに前記グループ向けメディアを送信する手段と、前記グループ向けメディアのプレビューを作成する手段と、前記グループ通信コンピュータデバイスに前記グループ向けメディアのプレビューを送信する手段」を備えるとの新たな限定を付加している。
この新たな限定は、送信するメディアを選択するという機能と、プレビューを作成するという機能という、メディアを送信する機能には含まれない新たな機能を付加するものであるから、「グループ向けメディアを送信する手段」を下位概念に限定するものとは認められない。
そして、上記補正案による補正が、請求項の削除、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明のいずれにも該当しないことは明らかである。

7.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明1、引用文献2に記載の技術及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-01-18 
結審通知日 2016-01-19 
審決日 2016-02-01 
出願番号 特願2013-142153(P2013-142153)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04W)
P 1 8・ 574- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 桑原 聡一  
特許庁審判長 近藤 聡
特許庁審判官 丸山 高政
梅本 章子
発明の名称 ワイヤレス通信デバイス間のグループ通信においてメディアを共有するためのシステムおよび方法  
代理人 井関 守三  
代理人 福原 淑弘  
代理人 奥村 元宏  
代理人 蔵田 昌俊  

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