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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04N
管理番号 1316677
審判番号 不服2014-15718  
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-08-08 
確定日 2016-07-07 
事件の表示 特願2011-105372「消費者向け記録装置の制御」拒絶査定不服審判事件〔平成23年12月 1日出願公開、特開2011-244446〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、1997年(平成9年)12月17日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1996年12月20日、イギリス)を国際出願日とする出願である特願平10-528839号の一部を平成23年5月10日に新たな特許出願としたものであって、平成23年6月9日付けで手続補正がなされ、平成24年7月3日付けの拒絶理由通知に応答して平成24年10月4日付けで意見書が提出され、平成25年6月17日付けの拒絶理由通知に応答して平成25年12月17日付けで意見書が提出されたが、平成26年3月31日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成26年8月8日に拒絶査定不服審判が請求された。
その後当審において、平成27年12月4日付けで最初の拒絶理由が通知されたが、それに応答して平成28年1月13日付けで手続補正がなされたものである。

第2.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年1月13日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりである。なお、本願発明の各構成の符号は便宜的に当審で付したものである。

(本願発明)
(A)トランスポート・パケットに含まれる圧縮されたデジタル・ビデオ及び制御データのソースを処理する装置であって、
(B)前記ソースに応じて前記トランスポート・パケットからコピー制御データを取得する手段であって、該コピー制御データは前記デジタル・ビデオの番組の1回だけのコピー許可の制御条件を含む、前記取得する手段と、
(C)前記コピー制御データに応じてコピー制御語を発生させる手段と、
(D)前記コピー制御語及び前記デジタル・ビデオの番組のトランスポート・パケットを含むスーパー・パケットを形成する手段と、
(E)を有する、前記装置。

第3.当審の判断
1.先願明細書の記載事項
(1)先願
当審における拒絶の理由の通知において引用された「特願平8-98240号(特開平9-284342号)」(以下「先願」と表記。)は、平成8年(1996年)4月19日に出願され、平成9年(1997年)10月31日に出願公開されたものであって,本件出願の優先日(1996年12月20日)前に出願され、本件出願の後に出願公開されたものである。

更に、先願に係る発明者と本件出願に係る発明者とが同一の者であるということも、また、本件出願の時の出願人と先願の出願人とが同一の者であるということもできない。

(2)先願明細書の記載
上記先願の願書に最初に添付した明細書(以下、「先願明細書」という。)には、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像、音声、およびコンピユータデータの伝送フォーマットの変換を行なうデータ変換装置に関する。

【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施例におけるブロツク図を示す。
IEEE1394バス1には種々のデータ処理装置が接続される。本実施例では2はデータ記録再生装置であり、11は記録再生部、12はコントローラ、13はインターフエース回路である。3はデータ出力装置としてのディジタル放送受信機を示しており、15は受信部、16は復号再生部、14はインターフエース回路である。
【0021】
4はデータ処理装置(PC)を示しており、5はデータ変換器、17はインターフエース回路、18はHDD、19はメモリ、20はCPU、21は内部バスを示す。データ変換器5において、30は信号種別獲得器、31はコントローラ、32は変換処理装置、33はメモリである。
【0022】
以上のように構成されたデータ処理装置などが接続されたディジタルデータバスについて、以下、その動作を述べる。ここでのデータの流れはisochronous伝送によるものであるとする。
【0023】
ディジタル放送受信機3において、受信部15にて放送信号を受信復調し、MPEG2伝送パケット形式にてインターフェース回路13および復号再生部16におくる。復号再生部16は入力したデータを分離復号し、ディスプレイなどに出力する。インターフェース回路13はIEEE1394の所定の形式のヘッダをパケットごとに付加し、バス上に送出する。
【0024】
データ変換器5中の信号種別獲得器30は、ディジタルバス上を流れるデータを各伝送パケットごとに監視する。具体的には、各リアルタイム伝送パケットの伝送パケットヘッダを読みとり、その中の所定の位置にある信号の種類を示すFMTと呼ばれるビット列をコントローラ31にて抽出比較する。この値がデータ変換器5で変換処理可能なものである場合には、変換処理装置32により順次変換処理を行う。
【0025】
まず図2にデータがMPEG2伝送パケットである場合の変換法を示す。
ディジタル放送受信機2などから出力されるMPEG2伝送パケットでは伝送パケット188Byte(またはその整数分の1、整数倍など)を伝送単位として、所定の1394伝送パケットヘッダを付加して伝送される。
【0026】
この場合にはコピー管理情報はMPEG2信号中には存在するが記録再生処理などで用いるセクタ単位には付加されていない。このため、MPEG2信号を所定のセクタの大きさ2048Byte毎に区切るとともに、MPEG2信号中、具体的には伝送パケットやその下部のレイヤであるPESパケットのヘッダ、情報テーブルに記述されているコピー管理情報を抽出し、その内容に応じてセクタ単位のコピー管理情報を生成しMPEG信号であることを示すデータ種別情報とともにセクタ外部に付加する。一つのMPEG2伝送パケットが二つの記録セクタに跨らないように、必要に応じてダミーデータを挿入する。

【0031】
以上のように変換されたデータは入力されたデータと別に伝送帯域を確保して別に出力する。データのをバス上に送信するタイミングは、変換前のデータのタイミングに付属情報分の一定遅延を加えたものとする。バス上にはコピー管理情報対応されたパケットとそうでないものの種類がほぼ同時に流れることになる。各処理装置は、それぞれ対応可能な方のパケットを、各機器に与えられる命令に応じて取り込み、処理を行う。
【0032】
データ記録再生装置2では、入力したデータのうち、記録用セクタ2048Byte+コピー管理情報の形式をもつものだけを選択し、インターフェース回路13でIEEE1394の所定のヘッダを取り除いた形で記録する。記録時に必要に応じてコントローラ12によりコピー管理情報のコピー回数などを変更する。再生時にはインターフェース回路13により2048ByteのセクタにIEEE1394の所定のヘッダを付加して出力する。

2.先願明細書に記載された発明
ここで、上記先願明細書に記載される技術事項について検討する。

(1)先願明細書の段落【0020】,【0021】の記載によれば、IEEE1394バス1に、データ記録再生装置2、データ出力装置としてのディジタル放送受信機3、データ処理装置(PC)4が接続されており、ディジタル放送受信機3は、受信部15、インターフエース回路14を有し、データ処理装置(PC)4はデータ変換器5を有している。
先願明細書の段落【0023】の記載によれば、ディジタル放送受信機3において、受信部15はインターフエース回路14にMPEG2伝送パケット形式の放送信号を送り、インターフエース回路14はMPEG2伝送パケット形式の放送信号にIEEE1394の所定の形式のヘッダを付加し、バス上に送出する。
なお、段落【0023】には「インターフエース回路13」が記載されているが、「インターフエース回路13」はデータ記録再生装置2のインターフエース回路であり、ディジタル放送受信機3は「インターフエース回路14」を有しているものであるから、上記「インターフエース回路13」の記載は「インターフエース回路14」の誤記と認め、判断した。
先願明細書の段落【0024】ないし【0026】の記載によれば、データ変換器5は、ディジタルバス上を流れるデータの変換処理を行うものであって、188ByteのMPEG2伝送パケットのMPEG2信号を、記録再生処理などで用いるセクタ単位の2048Byte毎に区切るとともに、MPEG2信号中のPESパケットのヘッダ、情報テーブルに記述されているコピー管理情報を抽出し、その内容に応じてセクタ単位のコピー管理情報を生成しセクタ外部に付加する。
そして、この変換処理は、先願明細書の段落【0001】の記載のように伝送フォーマットの変換の処理である。
先願明細書の段落【0031】,【0032】の記載によれば、以上のように変換されたデータは、記録用セクタ2048Byte+コピー管理情報のパケットとしてバス上に送信され、データ記録再生装置2は、この記録用セクタ2048Byte+コピー管理情報の形式をもつデータを記録する。

(2)上記(1)に示した技術事項を、データ処理装置(PC)4が有するデータ変換器5に着目して整理すると、データ変換器5は、データ出力装置としてのディジタル放送受信機3が送出したコピー管理情報を含むMPEG2伝送パケット形式の放送信号の伝送フォーマットの変換処理を行うものであり、MPEG2伝送パケット形式の放送信号中のPESパケットのヘッダ、情報テーブルに記述されているコピー管理情報を抽出し、そのコピー管理情報の内容に応じて記録再生処理などで用いるセクタ単位のコピー管理情報を生成し、188ByteのMPEG2伝送パケット形式の放送信号を、記録再生処理などで用いるセクタ単位の2048Byte毎に区切り、そのセクタ外部にセクタ単位のコピー管理情報を付加し、記録用セクタ2048Byte+セクタ単位のコピー管理情報のパケットを生成する。

(3)まとめ
以上によれば、先願明細書には次の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されていると認められる。

(先願発明)
(a)データ出力装置としてのディジタル放送受信機が送出したコピー管理情報を含むMPEG2伝送パケット形式の放送信号の伝送フォーマットの変換処理を行うデータ変換器であって、
(b)MPEG2伝送パケット形式の放送信号中のPESパケットのヘッダ、情報テーブルに記述されているコピー管理情報を抽出し、
(c)そのコピー管理情報の内容に応じて記録再生処理などで用いるセクタ単位のコピー管理情報を生成し、
(d)188ByteのMPEG2伝送パケット形式の放送信号を、記録再生処理などで用いるセクタ単位の2048Byte毎に区切り、そのセクタ外部にセクタ単位のコピー管理情報を付加し、記録用セクタ2048Byte+セクタ単位のコピー管理情報のパケットを生成する、
(e)データ変換器。

3.対比
本願発明と先願発明とを対比する。

(1)本願発明の構成(A)について
先願発明の「データ変換器」は、構成(a)にあるように「データ出力装置としてのディジタル放送受信機が送出したコピー管理情報を含むMPEG2伝送パケット形式の放送信号の伝送フォーマットの変換処理を行う」ものである。
ここで、「放送信号」は「データ出力装置としてのディジタル放送受信機」から「データ変換器」に入力される信号であって、信号源からの信号であるから本願発明の「ソース」に対応するものである。
そして、「MPEG2伝送パケット形式」の「放送信号」は、MPEG2で圧縮された信号であり、トランスポート・パケットの形式を有していることは明白である。また、「ディジタル放送受信機」が送出した「コピー管理情報」を含む「放送信号」であるから、圧縮されたデジタル・ビデオとコピー管理情報などの各種の制御データを、放送信号のトランスポート・パケット中に含んでいることは当然のことである。
さらに、「データ変換器」は、「放送信号の伝送フォーマットの変換処理を行う」ものであるから、放送信号、すなわちソースを処理する装置といえる。
したがって、先願発明の構成(a)は、本願発明の構成(A)の「トランスポート・パケットに含まれる圧縮されたデジタル・ビデオ及び制御データのソースを処理する装置」と一致する。

(2)本願発明の構成(B)について
先願発明の「データ変換器」は、構成(b)にあるように「MPEG2伝送パケット形式の放送信号中のPESパケットのヘッダ、情報テーブルに記述されているコピー管理情報を抽出」する。
この「コピー管理情報」は「放送信号中のPESパケットのヘッダ、情報テーブルに記述されている」ものであるから、MPEG2伝送パケット、すなわちトランスポート・パケットに含まれているものであり、「放送信号」のコピー管理のための情報であるから、「放送信号」に応じた情報であって、「放送信号」のコピー制御データといえる。
そして、「データ変換器」は、その「コピー管理情報」を抽出するものであるから、先願発明の構成(b)は、放送信号、すなわちソースに応じてトランスポート・パケットからコピー制御データを抽出するものであり、そのための手段を有しているものといえる。
よって、先願発明の構成(b)は、本願発明の構成(B)と「前記ソースに応じて前記トランスポート・パケットからコピー制御データを取得する手段」である点において一致するものといえ、本願発明の「コピー制御データ」は「前記デジタル・ビデオの番組の1回だけのコピー許可の制御条件を含む」ものであるのに対し、先願発明の「コピー制御データ」はそのようなものであるとは特定されていない点において、一応の相違が存在する。

(3)本願発明の構成(C)について
先願発明の「データ変換器」は、構成(c)にあるように「そのコピー管理情報の内容に応じて記録再生処理などで用いるセクタ単位のコピー管理情報を生成」している。
ここで、記録再生処理などで用いる「セクタ単位のコピー管理情報」は、トランスポート・パケットから取得したコピー管理情報、すなわちコピー制御データに応じて生成されるものであるから、本願発明のコピー制御語に対応するものであり、コピー制御に関する『コピー制御情報』である点で共通するものであるが、『コピー制御情報』に関し、先願発明の「セクタ単位のコピー管理情報」が、本願発明の「コピー制御語」と同様の「語」の形式であるとは特定されていない点において、一応の相違が存在する。

(4)本願発明の構成(D)について
先願発明の「データ変換器」は、構成(d)にあるように「188ByteのMPEG2伝送パケット形式の放送信号を、記録再生処理などで用いるセクタ単位の2048Byte毎に区切り、そのセクタ外部にセクタ単位のコピー管理情報を付加し、記録用セクタ2048Byte+セクタ単位のコピー管理情報のパケットを生成する」ものである。
この処理は、複数の188ByteのMPEG2伝送パケットが合わさったパケットを生成しており、そのような複数のパケット含むパケットは、スーパー・パケットといえ、「データ変換器」は、そのようなスーパー・パケットを形成する手段を有しているといえる。
そして、「MPEG2伝送パケット形式の放送信号」は、「放送信号」がデジタル・ビデオの番組の情報であることは自明であるから、デジタル・ビデオの番組のトランスポート・パケットといえる。
以上のことから、先願発明の構成(d)は、上記(3)において検討したように、先願発明の「セクタ単位のコピー管理情報」が、本願発明の「コピー制御語」と同様の形式であるとは特定されていない点において一応の相違が存在するものの、本願発明の構成(D)とは、「前記コピー制御情報及び前記デジタル・ビデオの番組のトランスポート・パケットを含むスーパー・パケットを形成する手段」である点で一致するものである。

(5)本願発明の構成(E)について
先願発明の構成(e)の「データ変換器」は、上記(2),(3)で示したように一応の相違点が存在するものの、上記(1)において検討したように「トランスポート・パケットに含まれる圧縮されたデジタル・ビデオ及び制御データのソースを処理する装置」に相当するものであるから、本願発明の構成(E)の「装置」に対応するものである。

(6)まとめ(一致点・相違点)
以上の(1)ないし(5)の対比結果をまとめると、本願発明と先願発明とは、以下の一致点において一致し、一応の相違点として以下の相違点がある。

[一致点]
トランスポート・パケットに含まれる圧縮されたデジタル・ビデオ及び制御データのソースを処理する装置であって、
前記ソースに応じて前記トランスポート・パケットからコピー制御データを取得する手段と、
前記コピー制御データに応じてコピー制御情報を発生させる手段と、
前記コピー制御情報及び前記デジタル・ビデオの番組のトランスポート・パケットを含むスーパー・パケットを形成する手段と、
を有する、前記装置。

[相違点1]
本願発明の「コピー制御データ」は「前記デジタル・ビデオの番組の1回だけのコピー許可の制御条件を含む」ものであるのに対し、先願発明の「コピー制御データ」はそのようなものであるとは特定されていない点。

[相違点2]
『コピー制御情報』に関し、先願発明の「セクタ単位のコピー管理情報」が、本願発明の「コピー制御語」と同様の「語」の形式であるとは特定されていない点。

5.相違点の判断
上記一応の相違点1及び相違点2について検討する。

映像データや音声データをデジタルで記録する装置では無劣化の複製が可能であるために著作権が保護されないという問題があり、その著作権問題に対応するために、一律にデジタルコピーを禁止とすることが検討されたが、それでは利用者の利便性が損なわれることかれら、1世代のみコピーを許可することが検討された。そして、それを実現するデジタル記録装置のコピー制御技術として、「コピー許可」、「コピー禁止」、「1回だけコピー許可」を表すビット情報を付加するコピー制御技術が、先願発明の出願日(平成8年(1996年)4月19日)前に周知技術であった(下記の周知文献1,2を参照のこと)。
先願発明は、「コピー制御データ」及び『コピー制御情報』が具体的にどのようなデータ及び情報であるのかは特定されていないものであるが、デジタル記録におけるコピー制御の情報として、「1回だけコピー許可」という条件を含むこと、及びコピー制御の情報をビット情報とすることは周知の技術であるから、先願発明のコピー制御データを、「デジタル・ビデオの番組の1回だけのコピー許可の制御条件を含む」ものとすること、及び、先願発明の「セクタ単位のコピー管理情報」を、ビット情報、すなわち「語」の形式の「コピー制御語」とすることは、上記周知技術を付加したことに過ぎず、新たな効果を奏するものではないことから、課題解決の具体化手段における微差に過ぎないものと認められる。
したがって、上記相違点1及び相違点2に係る構成は、実質的な相違点とはいえない。

周知文献1:特開平7-30855号公報(段落[0004],[0011],[0022],図9)、平成7年(1995)1月31日公開

周知文献1には、ディジタルVTRにおけるコピー動作の禁止/許可の制御において、2ビットの情報を用いて、1ビット目は著作権保護の有無を表し、2ビット目は第1世代のコピーテープの作成までの複写が認められることを示す技術が開示されている。

周知文献2:特開平6-4026号公報(段落[0001]-[0004],[0020],[0021],[0041]-[0049])、平成6年(1994)1月14日公開

周知文献2には、音声ソフト、映像ソフト等の著作権の保護の対象となるデータの不正な複製を防止するための複製の許可不許可の制御を行う情報を記録データに付加する技術として、「コピー許可」、「コピー禁止」、「1回だけコピー許可」の制御を行う情報を付加する技術、また、デジタルオーディオテープ(DAT)のコピー制御技術であるシリアルコピーマネージメントシステム(SCMS)では、コピー禁止/許可を表すビット信号と信号源のカテゴリーを表すカテゴリーコードにより、「コピー許可」、「コピー禁止」、「1回のコピーを許可」を制御する技術が開示されている。

(5)まとめ
以上のように、上記相違点1、相違点2は、いずれも実質的な相違点とはいえないから、本願発明は先願発明と実質的に同一であるといえる。

第4.むすび
以上のとおり、本願発明は、先願発明と同一であり、しかも、本願発明の発明者が先願発明の発明者と同一であるとも、また、本願の出願時に、その出願人が上記先の出願の出願人と同一であるとも認められないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-02-03 
結審通知日 2016-02-10 
審決日 2016-02-23 
出願番号 特願2011-105372(P2011-105372)
審決分類 P 1 8・ 161- WZ (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 竹中 辰利  
特許庁審判長 藤井 浩
特許庁審判官 渡邊 聡
清水 正一
発明の名称 消費者向け記録装置の制御  
代理人 石井 たかし  
代理人 倉持 誠  

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