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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01C
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01C
管理番号 1317490
審判番号 不服2015-14555  
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-03 
確定日 2016-07-25 
事件の表示 特願2011-515368「ナビゲーション装置及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成21年12月30日国際公開、WO2009/156425、平成23年 9月29日国内公表、特表2011-525971〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2009年6月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2008年6月25日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成22年11月25日に特許法第184条の5第1項に規定する国内書面が提出され、平成23年1月18日に同法第184条の4第1項に規定する明細書、請求の範囲、図面及び要約書の翻訳文が提出され、平成25年8月14日付けで拒絶理由が通知され、平成26年2月19日に意見書及び手続補正書が提出され、同年4月7日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年10月14日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成27年3月31日付けで平成26年10月14日付け手続補正書でした手続補正が却下され、平成27年3月31日付けで拒絶査定がされ、同年8月3日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出され、同年10月29日に上申書が提出されたものである。

第2 平成27年8月3日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成27年8月3日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 平成27年8月3日付けの手続補正の内容
平成27年8月3日に提出された手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の請求項1については、本件補正により補正される前の(すなわち、平成26年2月19日に提出された手続補正書により補正された)下記(1)に示す特許請求の範囲の請求項1の記載を下記(2)に示す特許請求の範囲の請求項1の記載へ補正するものである。

(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
プロセッサと、
地図データを格納するストアとを有するナビゲーション装置であって、
前記地図データは時間的に変化する特徴を含み、
前記プロセッサは経路計画処理において、時間情報にしたがって前記時間的に変化する特徴の状態を判定するよう構成されており、
前記時間的に変化する地図の特徴の近辺の道路に対する時間的に変化する重み付けを、前記時間的に変化する地図の特徴からの前記道路への距離に基づいて決定する
ことを特徴とするナビゲーション装置。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
プロセッサと、
地図データを格納するストアと、を有するナビゲーション装置であって、
前記地図データは時間的に変化する特徴を含み、
前記プロセッサは経路計画処理において、予め決められた時間情報に従い前記時間的に変化する特徴の状態と、出発地から目的地までの間の最も小さい重みの経路と、を判定するよう構成され、前記予め決められた時間情報は、前記地図データに対する変化の開始時刻及び終了時刻又は開始時刻及び継続期間を特定する時刻情報を含み、
前記時間的に変化する地図の特徴の近辺の個々の道路に対する時間的に変化する重み付けを、前記時間的に変化する地図の特徴からの前記個々の道路への距離に基づいて判定し、
前記時間的に変化する地図の特徴の近辺の大きい容量の道路それぞれに対する前記時間的に変化する重み付けは、前記予め決められた時間情報に従う出発地から目的地までの経路判定において小さな容量の道路の選択を避けるために下げられることを特徴とする
ナビゲーション装置。」
(なお、下線は、補正箇所を示すためのものである。)

2 本件補正の適否
2-1 本件補正の目的
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1については、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の「プロセッサと、
地図データを格納するストアとを有するナビゲーション装置であって」という記載を「プロセッサと、
地図データを格納するストアと、を有するナビゲーション装置であって」という記載にし(以下、「前者」という。)、また、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の「前記プロセッサは経路計画処理において、時間情報にしたがって前記時間的に変化する特徴の状態を判定するよう構成されており、
前記時間的に変化する地図の特徴の近辺の道路に対する時間的に変化する重み付けを、
前記時間的に変化する地図の特徴からの前記道路への距離に基づいて決定する」という記載を「前記プロセッサは経路計画処理において、予め決められた時間情報に従い前記時間的に変化する特徴の状態と、出発地から目的地までの間の最も小さい重みの経路と、を判定するよう構成され、前記予め決められた時間情報は、前記地図データに対する変化の開始時刻及び終了時刻又は開始時刻及び継続期間を特定する時刻情報を含み、
前記時間的に変化する地図の特徴の近辺の個々の道路に対する時間的に変化する重み付けを、前記時間的に変化する地図の特徴からの前記個々の道路への距離に基づいて判定し、
前記時間的に変化する地図の特徴の近辺の大きい容量の道路それぞれに対する前記時間的に変化する重み付けは、前記予め決められた時間情報に従う出発地から目的地までの経路判定において小さな容量の道路の選択を避けるために下げられる」という記載にする(以下、「後者」という。)ものである。
そして、前者は、読点を挿入したにすぎず、実質的な補正ではない。
また、後者は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明の発明特定事項である「時間情報」及び「重み付け」について、さらに限定を加えるものであり、しかも、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、後者は、特許法第17条の2第5項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
したがって、本件補正は、特許請求の範囲の請求項1については、特許法第17条の2第5項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

2-2 独立特許要件の検討
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかどうかについて、さらに検討する。

(1)引用文献の記載等
ア 引用文献の記載
原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に日本国内において、頒布された刊行物である特開2008-83918号公報(公開日:平成20年(2008年)4月10日)(以下、「引用文献」という。)には、「ナビゲーション装置」に関して、図面とともにおおむね次の記載(以下、順に「記載1a」ないし「記載1c」という。)がある。

1a 「【0037】
図2に示すように本実施例に係るナビゲーション装置2は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部21と、各種のデータが記録されたデータ記録部22と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部23と、操作者からの操作を受け付ける操作部24と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ25と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ26と、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5や情報配信センタ3等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置27と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部23には自車の走行速度を検出する車速センサ28が接続される。」(段落【0037】)

1b 「【0042】
また、データ記録部22は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶されたナビ側交通情報データベース(ナビ側交通情報DB)36、ナビ側地図情報データベース(ナビ側地図情報DB)37及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、本実施例においては、データ記録部22の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0043】
ここで、ナビ側交通情報DB36には、情報配信センタ3や道路交通情報センタ(VICS)5から受信した渋滞の実際の長さ、所要時間、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報や、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の交通情報から作成した現況交通情報36Aが格納される。また、ナビ側交通情報DB36には、過去の作成された道路の交通状況を含む統計交通情報36Bが予め格納されている。この統計交通情報36Bは、情報配信センタ3から通信装置27を介して配信される上述の統計交通情報16B(図3参照)によって更新される。
尚、ナビゲーション装置2は、CD-ROM等によって供給された上述の統計交通情報16Bによって更新されるようにしてもよいし、所定期間毎に(例えば、1週間乃至3ヶ月毎等である。)、自車の走行履歴に基づいて、各時間帯51Bに対する各リンクのリンクコスト51Cを更新するように構成してもよい。
また、この統計交通情報36Bは、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報を含んでもよい。」(段落【0042】及び【0043】)

1c 「【0055】
次に、前記構成を有するナビゲーションシステム1において、ナビゲーション装置2のCPU41が、情報配信センタ3から現況交通情報16Aを取得するか否かを決定する交通情報取得処理について図5に基づいて説明する。図5は本実施例に係るナビゲーション装置2が実行する情報配信センタ3から現況交通情報16Aを取得するか否かを決定する交通情報取得処理を示すフローチャートである。
尚、図5にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により所定時間毎(例えば、1秒?1分毎である。)に実行される。
【0056】
図5に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、車両ECU(図示せず)から送信される検出信号に基づいてイグニションスイッチがONか否か、即ち自車のエンジンが始動しているか否かを判定する判定処理を実行する。そして、イグニションスイッチがOFFの場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0057】
一方、イグニションスイッチがONの場合には(S11:YES)、CPU41は、S12の処理に移行する。S12において、CPU41は、現在地検出処理部21により自車の現在位置(以下、「自車位置」という。)を検出する。そして、CPU41は、車両の現在位置を含む地図データをナビ地図情報37Aから読み出し、地図データに基づいて自車位置が含まれるメッシュを検出し、そのメッシュのメッシュID61Aを取得する。
【0058】
そして、S13において、CPU41は、タイマ45の時刻データ等を読み込み、現在日時、現在時刻を取得し、現時点の月61B、曜日61C、時間帯の要因を特定する。
続いて、S14において、CPU41は、上記S12で取得した自車位置が含まれるメッシュのメッシュID61Aと、上記S13で特定した現時点の月61B、曜日61C、時間帯の各要因に基づいて、通信時間帯情報36Cに格納される要求頻度データ61から要求頻度61Dを読み出して、RAM42に記憶する。そして、CPU41は、RAM42からこの要求頻度61Dを再度読み出し、情報配信センタ3に対して渋滞情報を含む現況交通情報16Aの配信を要求した前回の時点から、この要求頻度61Dに対応する時間が経過しているか否か、即ち、現況交通情報16Aの配信を要求する通信タイミングになったか否かを判定する判定処理を実行する。尚、CPU41は、情報配信センタ3に対して渋滞情報を含む現況交通情報16Aの配信を要求した場合には、この要求した月61B、曜日61C、時刻をデータ記録部22に順次記憶している。
【0059】
具体的には、例えば、上記S12で取得したメッシュID61Aが「1」、上記S13で特定した現時点の月61Bが「2月」、曜日61Cが「月曜日」で時間帯が「0:00?0:59」の場合には、要求頻度データ61の要求頻度61Dは「30分」であることから、CPU41は、情報配信センタ3に対して渋滞情報を含む現況交通情報16Aの配信を要求した前回の時点から、「30分」の時間が経過したか否かを判定する。
また、例えば、上記S12で取得したメッシュID61Aが「1」、上記S13で特定した現時点の月61Bが「3月」、曜日61Cが「火曜日」で時間帯が「2:00?2:59」の場合には、要求頻度データ61の要求頻度61Dは「無し」であることから、CPU41は、情報配信センタ3への渋滞情報を含む現況交通情報16Aの配信の要求を行わない時間帯である、即ち現況交通情報16Aの配信を要求する通信タイミングではないと判定する。
また、例えば、上記S12で取得したメッシュID61Aが「1」、上記S13で特定した現時点の月61Bが「1月」、曜日61Cが「日曜日」で時間帯が「12:00?12:59」の場合には、要求頻度データ61の要求頻度61Dは「10分」であることから、CPU41は、情報配信センタ3に対して渋滞情報を含む現況交通情報16Aの配信を要求した前回の時点から、「10分」の時間が経過したか否かを判定する。
【0060】
そして、情報配信センタ3に対して現況交通情報16Aの配信を要求した前回の時点から、要求頻度61Dに対応する時間が経過している場合には(S14:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。S15において、CPU41は、携帯電話等により情報配信センタ3に対して現況交通情報16Aの配信を要求し、受信した該現況交通情報16Aに基づいてナビ側交通情報DB36の現況交通情報36Aを更新後、S16の処理に移行する。
【0061】
従って、自車位置のメッシュID61Aが「1」で、現時点の月61Bが「2月」、曜日61Cが「月曜日」で時間帯が「0:00?0:59」の場合には、CPU41は、30分間隔で携帯電話等により情報配信センタ3から現況交通情報16Aを取得して現況交通情報36Aを更新する。また、自車位置のメッシュID61Aが「1」で、現時点の月61Bが「2月」、曜日61Cが「月曜日」で時間帯が「7:00?7:59」の場合には、CPU41は、5分間隔で携帯電話等により情報配信センタ3から現況交通情報16Aを取得して現況交通情報36Aを更新する。また、自車位置のメッシュID61Aが「1」で、現時点の月61Bが「2月」、曜日61Cが「日曜日」で時間帯が「7:00?7:59」の場合には、CPU41は、30分間隔で携帯電話等により情報配信センタ3から現況交通情報16Aを取得して現況交通情報36Aを更新する。
【0062】
一方、情報配信センタ3に対して現況交通情報16Aの配信を要求した前回の時点から、要求頻度61Dに対応する時間が経過していない場合、又は、各要因に対応する要求頻度61Dが「無し」の場合には(S14:NO)、CPU41は、現況交通情報16Aの配信を要求する通信タイミングではないと判定して、S16の処理に移行する。即ち、CPU41は、現況交通情報36Aを更新しないで、S16の処理に移行する。
【0063】
続いて、S16において、CPU41は、タッチパネル、操作スイッチ等の操作部24の入力操作等によって目的地が入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。そして、目的地が入力されていない場合には(S16:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、目的地が入力されたと判断すると(S16:YES)、CPU41は、その目的地の座標等をRAM42に一時記憶後、S17の処理に移行する。
【0064】
S17において、CPU41は、現況交通情報36Aを更新したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、現況交通情報36Aを更新した場合には(S17:YES)、CPU41は、S18の処理に移行する。S18において、CPU41は、現況交通情報36Aに基づいて、ダイクストラ法等によって、現在の自車位置から目的地までの推奨経路を探索して、RAM42に記憶後、当該処理を終了する。
一方、現況交通情報36Aを更新していない場合には(S17:NO)、CPU41は、S19の処理に移行する。S19において、CPU41は、ナビ側交通情報DB36に格納される統計交通情報36Bに基づいて、ダイクストラ法等によって、現在の自車位置から目的地までの推奨経路を探索して、RAM42に記憶後、当該処理を終了する。
【0065】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置2では、CPU41は、情報配信センタ3に対して渋滞情報を含む現況交通情報16Aの配信を要求する要求頻度を決定する際に使用される要求頻度データ61が予め通信時間帯情報36Cに記憶されている。そして、イグニションスイッチがONの場合には(S11:YES)、CPU41は、自車位置が含まれるメッシュのメッシュID61Aと、現時点の月61B、曜日61C、時間帯の各要因を特定し(S12?S13)、通信時間帯情報36Cに格納される要求頻度データ61から要求頻度61Dを読み出す。そして、CPU41は、情報配信センタ3に対して渋滞情報を含む現況交通情報16Aの配信を要求した前回の時点から、この要求頻度61Dに対応する時間が経過している場合には、通信タイミングであると判定して、情報配信センタ3に対して渋滞情報を含む現況交通情報16Aの配信を要求し、受信した該現況交通情報16Aに基づいてナビ側交通情報DB36の現況交通情報36Aを更新する(S14?S15)。
【0066】
これにより、要求頻度データ61の要求頻度61Dは、各時間帯毎に予め記憶されているため、情報配信センタ3に現況交通情報16Aの配信を要求する要求タイミングを、各時間帯の要求頻度61Dに基づいて決定することが可能となる。従って、要求頻度61Dの低い時間帯、例えば、「0:00?1:59」の時間帯の場合には、要求頻度61Dが「30分」となって、現況交通情報16Aの配信を要求する要求情報の送信回数が「30分」間隔となって少なくなり、「2:00?4:59」の時間帯の場合には、要求頻度61Dが「無し」となって、現況交通情報16Aの配信を要求しなくなる。このため、渋滞が無かったり、渋滞度合いが変化しない時間帯における現況交通情報16Aの配信の要求回数を少なくして、現況交通情報16Aの配信を効率的に受けることが可能となり、情報配信センタ3との携帯電話等を介した通信時間の短縮化を図って通信料金の大幅な節約が可能となる。
【0067】
また、要求頻度61Dは、メッシュID61A毎の各時間帯に対応して設定されるため、自車位置が含まれる地図メッシュに対応する各時間帯に対して、現況交通情報16Aの配信を要求する通信タイミングを地域的要因を考慮して決定することが可能となる。
例えば、東京等の大都市圏では、昼間の時間帯に渋滞が多く発生し、大都市圏外では、朝夕のラッシュ時の時間帯に渋滞が多く発生するため、大都市圏では昼間の時間帯における要求頻度61Dの時間間隔を短くし、大都市圏外では、朝夕のラッシュ時の時間帯における要求頻度61Dの時間間隔を短くするように設定することが可能となる。
【0068】
また、現在時刻を基準として通信タイミングでないと判定した場合には、CPU41は、各リンクに対し、過去の交通情報に基づいて生成された統計交通情報36Bを用いて、経路探索を行う(S16:YES?S17:NO?S19)。このため、現況交通情報36Aを更新しなくても、各リンクに対する統計交通情報36Bを用いて、高レスポンスで出発地から目的地までの各リンク毎の到達時間を正確に予測することが可能となる。
一方、現在時刻を基準として通信タイミングであると判定した場合は、CPU41は、情報配信センタ3に対して現況交通情報16Aの配信を要求し、この受信した現況交通情報16Aに従って現況交通情報36Aを更新後、この更新した現況交通情報36Aに基づいて経路探索をする(S16:YES?S17:YES?S18)。これにより、CPU41は、現在の渋滞情報等を考慮して、より精度の高い経路探索を行うことが可能となる。」(段落【0055】ないし【0068】)

イ 引用文献の記載事項
記載1aないし1c及び図面の記載から、引用文献には、次の事項(以下、順に「記載事項2a」ないし「記載事項2c」という。)が記載されていると認める。

2a 記載1a、記載1bの「また、データ記録部22は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶されたナビ側交通情報データベース(ナビ側交通情報DB)36、ナビ側地図情報データベース(ナビ側地図情報DB)37及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。」(段落【0042】)及び記載1cの「次に、前記構成を有するナビゲーションシステム1において、ナビゲーション装置2のCPU41が、情報配信センタ3から現況交通情報16Aを取得するか否かを決定する交通情報取得処理について図5に基づいて説明する。図5は本実施例に係るナビゲーション装置2が実行する情報配信センタ3から現況交通情報16Aを取得するか否かを決定する交通情報取得処理を示すフローチャートである。
尚、図5にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により所定時間毎(例えば、1秒?1分毎である。)に実行される。」(段落【0055】)並びに図面によると、引用文献には、CPU41と、ナビ側交通情報データベース36及びナビ側地図情報データベース37を記憶するデータ記録部22と、を有するナビゲーション装置2が記載されている。

2b 記載1bの「ここで、ナビ側交通情報DB36には、情報配信センタ3や道路交通情報センタ(VICS)5から受信した渋滞の実際の長さ、所要時間、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報や、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の交通情報から作成した現況交通情報36Aが格納される。また、ナビ側交通情報DB36には、過去の作成された道路の交通状況を含む統計交通情報36Bが予め格納されている。この統計交通情報36Bは、情報配信センタ3から通信装置27を介して配信される上述の統計交通情報16B(図3参照)によって更新される。」(段落【0043】)及び「また、この統計交通情報36Bは、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報を含んでもよい。」(段落【0043】)並びに図面を記載事項2aとあわせてみると、引用文献には、ナビ側交通情報データベース36及びナビ側地図情報データベース37は更新されるものであって、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報を含むことが記載されている。

2c 記載1cの「一方、現況交通情報36Aを更新していない場合には(S17:NO)、CPU41は、S19の処理に移行する。S19において、CPU41は、ナビ側交通情報DB36に格納される統計交通情報36Bに基づいて、ダイクストラ法等によって、現在の自車位置から目的地までの推奨経路を探索して、RAM42に記憶後、当該処理を終了する。」(段落【0064】)及び図面を記載事項2a及び2bとあわせてみると、引用文献には、CPU41は経路探索において、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報に基づいて、現在の自車位置から目的地までの推奨経路と、を探索するよう構成されていることが記載されている。

ウ 引用発明
記載1aないし1c、記載事項2aないし2c及び図面の記載を整理すると、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。

「CPU41と、
ナビ側交通情報データベース36及びナビ側地図情報データベース37を記憶するデータ記録部22と、を有するナビゲーション装置2であって、
前記ナビ側交通情報データベース36及びナビ側地図情報データベース37は更新されるものであって、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報を含み、
前記CPU41は経路探索において、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報に基づいて、現在の自車位置から目的地までの推奨経路と、を探索するよう構成されている
ナビゲーション装置2。」

(2)対比
本願補正発明と引用発明を対比する。

引用発明における「CPU41」は、その機能、構成または技術的意義からみて、本願補正発明における「プロセッサ」に相当し、以下、同様に、「ナビ側交通情報データベース36及びナビ側地図情報データベース37」は「地図データ」に、「記憶する」は「格納する」に、「データ記録部22」は「ストア」に、「ナビゲーション装置2」は「ナビゲーション装置」に、それぞれ、相当する。
また、引用発明における「更新されるものであって、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報」中の「更新されるものであって、祭り、パレード、花火大会等のイベント」は、その機能、構成または技術的意義からみて、本願補正発明における「時間的に変化する特徴」に相当し、以下、同様に、「更新されるものであって、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報」中の「開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報」は「予め決められた時間情報」及び「(予め決められた時間情報に従い)時間的に変化する特徴の状態」に、「経路探索」は「経路計画処理」に、それぞれ、相当する。
さらに、本願明細書の「その場合、最低の重み付けやコストを有する出発地と目的地の場所間の経路を判定することによって最短経路を発見することが可能となる。上記とは別に、重み付けやコストは、道路セグメントの長さと当該道路セグメントの予想平均速度又は最高速度との組み合わせに基づくものであってもよい。このケースでは、最低の重み付けやコストを有する出発地と目的地の場所間の経路を決定することによって、出発地と目的地の場所間の最速経路が発見される。」(段落【0075】)等の記載によると、本願補正発明における「出発地から目的地までの間の最も小さい重みの経路」とは、最短経路や最速経路のことであり、ナビゲーション装置において、このような経路が推奨経路であることは明らかであるから、引用発明における「現在の自車位置から目的地までの推奨経路」は、その機能、構成または技術的意義からみて、本願補正発明における「出発地から目的地までの間の最も小さい重みの経路」に相当する。
さらにまた、引用発明における「探索」は、その機能、構成または技術的意義からみて、本願補正発明における「判定」に相当する。
さらにまた、引用発明における「祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報」に、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開始時刻及び終了時刻又は開始時刻及び継続期間を特定する時刻情報が含まれていること、すなわち「地図データに対する変化の開始時間及び終了時刻又は開始時刻及び継続期間を特定する時刻情報」が含まれていることは、明らかである。

したがって、両者は、
「プロセッサと、
地図データを格納するストアと、を有するナビゲーション装置であって、
前記地図データは時間的に変化する特徴を含み、
前記プロセッサは経路計画処理において、予め決められた時間情報に従い前記時間的に変化する特徴の状態と、出発地から目的地までの間の最も小さい重みの経路と、を判定するよう構成され、前記予め決められた時間情報は、前記地図データに対する変化の開始時刻及び終了時刻又は開始時刻及び継続期間を特定する時刻情報を含む、
ナビゲーション装置。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点1>
本願補正発明においては、「前記時間的に変化する地図の特徴の近辺の個々の道路に対する時間的に変化する重み付けを、前記時間的に変化する地図の特徴からの前記個々の道路への距離に基づいて判定」しているのに対し、引用発明においては、そのようにされているか明らかではない点(以下、「相違点1」という。)。

<相違点2>
本願補正発明においては、「前記時間的に変化する地図の特徴の近辺の大きい容量の道路それぞれに対する前記時間的に変化する重み付けは、前記予め決められた時間情報に従う出発地から目的地までの経路判定において小さな容量の道路の選択を避けるために下げられる」のに対し、引用発明においては、そのようにされているか明らかではない点(以下、「相違点2」という。)。

(3)相違点についての判断
そこで、相違点1及び2について、以下に検討する。

ア 相違点1について
下記ア-1ないしア-3に記載されているように、ナビゲーション装置において、ユーザーニーズにあった経路選択、または、コストが最小となるような経路選択を行うために、地図の特徴の近辺の個々の道路に対する重み付けを、前記地図の特徴からの前記個々の道路への距離に基づいて判定することは、本願の優先日前に周知(以下、「周知技術1」という。)である。
したがって、引用発明において、ユーザーニーズにあった経路選択、または、コストが最小となるような経路選択を行うために、周知技術1を適用し、周知技術1における「地図の特徴」に相当する「更新されるものであって、祭り、パレード、花火大会等のイベント」の近辺の個々の道路に対する重み付けを、「更新されるものであって、祭り、パレード、花火大会等のイベント」からの個々の道路への距離に基づいて判定するようにすることは、当業者であれば容易に想到し得たことであり、そのようにすれば、重み付けも当然時間的に変化するものになるから、引用発明において、周知技術1を適用し、相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。

ア-1 特開2005-274315号公報の記載
本願の優先日前に、日本国内において、頒布された刊行物である特開2005-274315号公報には、「ナビゲーション装置の経路探索方法」に関して、図面とともにおおむね次の記載がある(なお、下線は当審で付したものである。他の文献についても同様。)。

・「【0007】
上記課題を解決すべく本発明のナビゲーション装置の経路探索方法は、通りづらくするエリア、又は通りやくする(当審注:「通りやすくする」の誤記である。)エリアを設定し、これらのエリア内にあるリンクのコストを、通常のコストより大きめ又は小さめに設定して総コストが最少となる経路を探索する
例えば、本発明のナビゲーション装置は、地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する記憶装置を有し、前記地図上に特別エリアを設定する特別エリア設定ステップと、前記リンクデータを用いて、前記特別エリアに属するリンクのコストを、前記特別エリアに属さないリンクに比べて大きめ(又は小さめ)に設定し、出発地から目的地までのコストが最少となる経路を探索する経路探索ステップとを行う。」(段落【0007】)

・「【0031】
図8は、ディスプレイ2への表示例を示す。図示するように、画面500には、地図510上に、出発地520から目的地522までの経路が表示される。
【0032】
次に、経路探索部42は、ユーザから入力装置5を介して、特別エリアの設定要求を受け付ける(S400)。
【0033】
ここで、特別エリアについて説明する。本実施形態の車載用ナビゲーション装置1000は、上記のように通常の経路探索(S200)を行う他に、ユーザの好みに応じた経路探索を行う。例えば、出発地から目的地までの間に、景色が良い地域、通り慣れた地域等がある場合、ユーザは、旅行時間が許容範囲でれば多少遠回りでもその地域を通行したいと思う。一方、出発地から目的地までの間に、舗装状態により運転しづらい地域、不慣れな地域等がある場合、ユーザは、旅行時間が許容範囲でれば多少遠回りでもその地域を回避したいと思う。そこで、本実施形態の車載用ナビゲーション装置1000は、通りやすくするエリア、通りづらくするエリア、必ず通るようにするエリア、通らないようにするエリア等の特別エリアの設定を受け付ける。そして、設定された特別エリアを考慮して経路探索を行う。さらに、本実施形態では、特別エリアの中の通りやすさや通りづらさを、特別エリアの中心からの距離に応じて変化させて、よりユーザのニーズにあった経路が探索できるようにしている。
【0034】
特別エリアの設定要求がなかった場合(S400でNo)、経路探索部42は、経路探索処理を終了する。そして、経路探索部42は、ユーザからの要求に応じて、探索した経路を用いて経路誘導を開始する。
【0035】
一方、経路探索部42は、特別エリアの設定要求を受け付けると(S400でYes)、特別エリアの設定を行う(S500)。
【0036】
図5は、特別エリアの設定処理の流れを示すフロー図である。
【0037】
まず、経路探索部42は、設定する特別エリアの種類を受け付ける(S510)。特別エリアには、上記のように、通りやすくするエリア、通りづらくするエリア、必ず通るエリア、および必ず通らないエリアがある。このとき、経路探索部42は、図7に示すように、これらの選択肢542?548を表示する。ユーザにより、いずれかが選択されると、経路探索部42は、選択された種類の特別エリアについて以後の設定を行う。
【0038】
次に、経路探索部42は、設定する特別エリアの中心位置の指定を受け付ける(S520)。具体的には、経路探索部42は、ユーザにより入力装置5を介して地図上のカーソルにより選択された地点を、特別エリアの中心に設定する。もしくは、地点の名称の入力を受け付け、受け付けた地点を特別エリアの中心に設定する。
【0039】
図8は、S510において、通りづらくするエリアを設定するように選択された場合の特別エリア560の表示例である。画面600には、設定された特別エリア560が、その中心位置560Xとともに表示されている。
【0040】
次に、経路探索部42は、特別エリアの大きさの指定を受け付ける(S530)。このとき、経路探索部42は、特別エリアの大きさの選択肢550を表示する。ユーザにより、入力装置5を介していずれかの大きさが選択されると、経路探索部42は、選択された大きさで特別エリアの大きさを設定する。
【0041】
なお、特別エリアの大きさは、図8のように、中心からの距離に応じて、大、中、小(例えば、大:半径1000m、中:半径600m、小:300m)と段階的に予め定めておき、いずれかを選択できるようにしてもよいし、ユーザが大きさを自由に指定できるようにしてもよい。かかる場合、経路探索部42は、ユーザ操作解析部41を介して、入力装置2により入力された大きさの指定を受け付ける。
【0042】
また、本実施形態では、特別エリアの中の通りやすさ又は通りづらさを、中心位置からの距離に応じて変化させるようになっている。そこで、そのことが理解できるような表示態様とする。図8の例では、特別エリア560の中心560Xに近い順(561、562、563、564の順)に、表示態様(例えば、色彩)を変えて通りづらくなることが分かるようにしている。」(段落【0031】ないし【0042】)

・上記記載における「特別エリアの中心位置」が、その機能、構成または技術的意義からみて、本願補正発明における「地図の特徴」に相当し、同様に、「通りづらさ」及び「リンクのコスト」が「重み付け」に相当する。

ア-2 特開平10-221100号公報の記載
本願の優先日前に、日本国内において、頒布された刊行物である特開平10-221100号公報には、「車両ナビゲーションシステムにおける代替ルートを決定する方法および装置」に関して、図面とともにおおむね次の記載がある。

・「【0012】図3は、本発明で使用する車両ナビゲーションシステム10の特定の実施形態のブロック図である。距離センサ12および角速度センサ14、ならびにグローバル・ポジショニング・システム(GPS)受信機18はセンサ/GPSインターフェース22を介して計算手段20へ接続される。典型的な実施形態では、距離センサ12は走行距離計からなり、角速度センサ14はジャイロスコープ、または車両の車輪に連結された差動走行距離計からなる。GPSデータ受信機18は、例えば衛星によるナビゲーションシステムからの信号を受信するために設けられる。センサ/GPSインターフェース22からのデータはCPU24へ送られ、CPU24は較正、信号処理、推測航法、車両の位置決めおよびルート案内機能を実行する。地図情報を含むデータベースはデータベース媒体26に記憶されている。また、CPU24による実行のためにメインメモリ28内に記憶され、計算手段20の動作を指示するソフトウェアもデータベース媒体26内に記憶することができる。メモリ28は、リードオンリーメモリ(ROM)、もしくはフラッシュメモリまたはSRAMのような再プログラム可能な不揮発性メモリにより構成することができる。システムRAM30は、そのようなソフトウェアプログラムの実行のために必要な情報の読み出しおよび書き込みを可能とする。データベース媒体26は、デジタル化された地図情報が記憶された不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ、CD-ROM、または集積回路により構成することができる。グラフィックコントローラを含むことができる出力コントローラ32は、CPU24により処理されたデータを受け取り、そのデータを表示コンソール40へ送る。表示コンソール40は、出力伝達機構34を備え、それは通常は表示スクリーンならびに関連する音響エレクトロニクスおよび音響スピーカを有する。ユーザは、典型的にはキーボードを有するユーザインターフェース36を通じて、希望の目的地などのデータを入力することができる。
【0013】データベース媒体26内に記憶される地図データベースは、好ましくは、例えば緯度および経度座標などの、道路の交差点またはノード、道路区分、陸標、および関心のある地点を示す位置データ、ならびに他の地理的情報を含むことができる。さらに、データベースは、道路名および地名、ならびに、分岐路、一方通行制限、地面、速度制限、形状、高度などの道路の地形などの地図上の道路および場所の特徴、ならびに他の特性を示すデータを含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、地図データベースは、個々のノードおよび道路区分に関連したコスト値を含む。これらのコスト値は、個々のノードまたは区分を通行するための時間間隔の推定値に対応する。ノードのコスト値は、例えば車両が接近してくる交通と遭遇するか否かというような情報を考慮し、それにより左折の方向指示案内を遅らせる。区分のコストは、いずれも区分に沿った通行時間に影響を与える、例えば速度制限および区分の長さなどの道路区分特性を反映する。また、地図データベース内の各道路には、道路のカテゴリーまたはタイプに関連する道路ランク値が関連付けされる。例えば、階層構造の最高レベルのカテゴリーはリンククラスFREEWAY である。最低レベルはリンククラスFRONTAGEおよびMISCを含み、それらは隣接地の道路および路地を含む。
・・・(略)・・・
【0016】ユーザの距離選択後、システムは代替ルート414を生成し、到来する新たな操縦をユーザに伝える(スクリーン416)。代替ルートの生成において、システムは、道路404および418の交差点を起点とし、選択された距離にわたって延びる、オリジナルルートの部分中の選択された区分に関連するコストを増加させる。特定の実施形態によってこれを達成する方法は、図4および図6の表500を参照することにより理解できる。図4に示すように、オリジナルルート402は区分S1-S13を含む。代替ルートの生成において、これらの各区分に関連するコストを図6の表500に示す量だけ増加させる。表500中のコスト値は「秒」で測定されているが、そのようなコストは多くの方法で示すことが可能であることが理解される。
【0017】表中に示すように、区分数が増加すると、すなわち道路の障害からの距離が増加すると、各連続的区分に関連する区分コストに加算されるコストは徐々に減少し、零に至る。この減少の減少量および割合は、ユーザが指定する回避すべきオリジナルルートの距離に依存する。したがって、道路の障害までの区分が近いほど、コストが劇的に増加するために代替ルート生成アルゴリズムがその区分を無視する可能性が高くなる。同様に、区分が道路の障害から遠のくほど、代替ルートがオリジナルルートからの区分、すなわち区分S9を含むまで、アルゴリズムがそれらの区分を無視する可能性が減少する。」(段落【0012】ないし【0017】)

・上記記載における「道路の障害」が、その機能、構成または技術的意義からみて、本願補正発明における「地図の特徴」に相当し、同様に、「区分コスト」及び「コスト」が「重み付け」に相当する。

ア-3 米国特許出願公開第2007/0156326号明細書の記載
本願の優先日前に、外国において、頒布された刊行物である米国特許出願公開第2007/0156326号明細書には、「USER-CONTROLLED ALTERNATIVE ROUTING」(当審訳:「ユーザーのコントロールによる別経路検索」)に関して、図面とともにおおむね次の記載がある。

・「[0136]FIG. 9 is a block diagram 900 illustrating the effect of a user-identified designation on nearby directed links. More particularly, block diagram 900 includes origin 910, destination 920, and designation 930. Along a route between origin 910 and destination 920, block diagram 900 also includes a series of nodes, labeled P-X, and links between those nodes, such as, for example, link 960a between nodes Q and R.
・・・(略)・・・
[0139]Thus, routes having links that fall within circle 950 (e.g., links that are located not farther away from designation 930 than the distance represented by radius 940) may receive adjustments to their link costs based on whether the designation is a favored or disfavored designation. Again, costs for links that are proximate to a favored designation may be decreased, while costs for links that are proximate to a disfavored destination may be increased. Links that do not fall within circle 950 (e.g., links that are located farther away from designation 930 than the distance represented by radius 940), may not receive an adjustment in link cost. In some implementations, routes that fall outside circle 950 may have costs for links that make up those routes increased, rather than remaining the same.
・・・(略)・・・
[0147]In some implementations, proximity between a particular link and a designation may be determined based on the location of a particular link in relation to a series of concentric circles generated around the designation. Each of the concentric circles may have a radius that is smaller than the radius of maximum influence, such as radius 940 of circle 950. The mapping system need only determine which concentric circle the link (or a portion thereof) falls within to determine the amount by which to adjust the link cost associated with the link. In some implementations, a concentric circle may be associated with a factor to be used to adjust the link cost, in a manner similar to that described previously. Alternatively, or additionally, a concentric circle may be associated with a particular amount to be used to adjust the link cost. 」(段落[0136]ないし[0147])
(当審訳:[0136]図9は、ユーザー特定済みの指定地の効果を、近くの有向リンク上に図示するブロック図900である。更に特定すると、ブロック図900には、出発地点910と目的地点920と指定地930が含まれている。出発地点910と目的地点920との間の経路に沿って、ブロック図900には、PからXで表示した一連のノードと、このノード間のリンク、例えば、ノードQとノードR間のリンク960aなどのリンクも含まれている。
[0137]例えば、ユーザーは出発地点910から目的地点920へ移動したいと思っているかもしれない。全記のユーザーは、経路選択をコントロールする指定地930を特定することができる。
[0138]前記の指定地930がユーザーによって特定されると、マッピング・システムは、指定地に最も近いリンクをもっている経路があれば、どれかを決定することができる。マッピング・システムは、そうするために、指定地930の周りに円950を生成する。図9の例では、特定の指定地の或る半径以内にある経路だけが、指定地に影響を与えるので、マッピング・システムは一つの円950を生成する。円950の前記の半径940は、出発地点から目的地点への別の経路を作り上げる有向リンクが指定地によって影響を受ける最大半径を表わしている。影響を及ぼす最大距離は、マッピング・システム内部での所定設定であっても良い。追加的にあるいは代替案として、ユーザーは影響を及ぼす最大距離を、全体的なもしくは経路毎の要求ベースで、任意に調整することができる。
[0139]このように、円950の内部に入っているリンクのある経路(例えば、指定地930から半径940で表わされる距離以上には離れていない位置にあるリンク)では、そのリンク価格が、指定地が優先したい経路かもしくは優先したくない経路かに基づいて、調整されることがある。優先したい指定地に最も近いリンクの価格は下がり、優先したくない指定地に最も近いリンクの価格は上っても良い。円950の内部に入っていないリンク(例えば、指定地930から半径940で表わされる距離以上に遠く離れて位置するリンク)は、リンク価格の調整を受けなくても良い。幾つかの実施例では、円950の外部にある経路のリンクの価格が、同じのままであるよりはむしろ、値上げされるような経路を持っている。
[0140]特定リンクの価格を調整できる金額は、特定リンク(円950の内部にある)に関するノードの指定地に対する相対的な近さに依存している。マッピング・システムは、特定リンクに関する少なくとも一つのノード、例えば、リンク960bに関するノードUなどと指定地との間の距離を決定することができる。ノードと指定地の間の距離に基づいて、マッピング・システムは、特定リンクに関連するリンクの価格調整に使われるファクターを決定することができる。幾つかの実施例では、マッピング・システムは、リンクと指定地の間の距離を決定するために、指定地に最も近いノードを選択することができる。あるいは、マッピング・システムは、指定地から最も遠いノードを選択することができる。前記のファクターは、指定地の強度を反映しても良い。
[0141]本事例では、リンク960b及び960cなどの幾つかのリンクが円950の内部にあり、これらのリンクに対する価格を調整することができる。リンク960eなどの他のリンクは、円950の外部にあり、これらのリンクに対する価格は同じに留めることができる。しかし、リンク960aなどの幾つかのリンクは、部分的に円950の内部、部分的に円950の外部にある。同様に、リンク960dなどの他のリンクには、正に円950周上にあるノードが含まれる。幾つかの実施例では、部分的に円950の内部に位置している、もしくは円950周上にあるノードがあるリンクに対する価格は、前記のノードが完全に円950の内部に位置するように調整しても良い。例えば、マッピング・システムは、リンク価格の調整時に用いるファクターを決めるために、指定地と、例えばノードRなどのように円950の内部に入るノードとの間で距離を計算することができる。追加的にあるいは代替案として、これらのリンクを、完全に円950の外部に位置しているように扱っても良く、その場合リンクに対する価格は同じとなる。
[0142]優先したい指定地に対して、円950の中心でファクターの値は1以下であっても良い。優先したくない指定地に対して、円950の中心でファクターの値は1以上であっても良い。どちらかの場合に、円950の端部でのファクターの値は1である。換言すれば、円の中心でのファクターは最大で、円(例えば、半径940で表わされる距離で)の端部では最低となる。このように、円950の中心に最も近いリンク(例えば、指定地930に最も近いリンク)は、円950の中心からより遠いリンク以上に、指定地の影響を受ける。ファクターの値の増加・減少方法は、例えば、一次関数もしくは二次関数などの数学的な関数に基づいても良い。
[0143]例えば、ユーザーは指定地930を特定して、特定経路に対する志向を示すことができる。この場合、指定地930は優先したい指定地となる。指定地930に最も近いリンクがあれば、値下げ価格を受信できるが、それがどれかを決定するために、マッピング・システムは指定地930が円950の中心になるように、指定地930の周りに円950を生成することができる。
[0144]円950の外部にある全てのリンクに対する価格は、指定地930によって影響を受けなくても良い。しかし経路として生成できるこれらのリンクを通る全ての経路を優先して、円950の内部にある全てのリンクに対する価格を下げることができる。例えば、リンク960bは、円950の内部に位置している。マッピング・システムは、前記のリンク960bに関する少なくとも一つのノード、例えばノードVと指定地930の間との距離を決定することができる。前記の距離970は、例えば?のファクターなどの、特定ファクターに関わっても良い。本例での指定地930は優先したい指定地であるので、ファクターの値は、1以下である。
[0145]マッピング・システムは、前記のリンク960bに対する調整リンク価格を決めるために、リンク960bに対する本来のリンク価格にファクター(ここでは、7/8)を乗じることができる。例えば、前記のリンク960bに対する本来のリンク価格が16であれば、リンク960bに対する調整リンク価格は14である。この方法で、マッピング・システムは、前記の円950の内部にある全てのリンクに対する調整リンク価格を決定することができる。特定経路を作り上げるリンクに関するリンク価格を加算して、経路価格の総額を決定することができる。
[0146]図9の指定地930に最も近いリンクに関する値下げした価格の以前の例は、優先したい指定地である指定地と関係がある。追加的にあるいは代替案として、ユーザーは指定地930を特定して、指定地930に最も近い経路を優先したくないと示すことができる。指定地が優先したくない場合には、同様の方法でリンク価格を1以上のファクターに基づいて上げることができる。
[0147]幾つかの実施例では、特定リンクと指定地との間の近さを、指定地の周りに生成される一連の同心円に関連する特定リンクの位置に基づいて、決定することができる。同心円のそれぞれの半径は、円950の半径940などの最大影響圏の半径よりも小さくても良い。マッピング・システムは、リンクに関連するリンク価格を調整する金額を決定するために、リンク(もしくは、その一部分)が、どの同心円に入っているかを決定することだけが必要である。幾つかの実施例では、同心円は前記と同じ方法でリンク価格を調整するために用いられるファクターと関連している。追加的にあるいは代替案として、同心円は、リンク価格を調整するために用いられる特定金額と関連している。)

・上記記載における「指定地930」が、その機能、構成または技術的意義からみて、本願補正発明における「地図の特徴」に相当し、同様に、「リンク価格」が「重み付け」に相当する。

イ 相違点2について
下記イ-1に記載されているように、ナビゲーション装置において、効率的な移動をするための経路選択を行うために、大きい容量の道路それぞれに対する重み付けを出発地から目的地までの経路判定において小さな容量の道路の選択を避けるために下げることは、本願の優先日前に周知(以下、「周知技術2」という。)である。
したがって、引用発明において、効率的な移動をするための経路選択を行うために、周知技術2を適用し、周知技術2における「地図の特徴」に相当する「更新されるものであって、祭り、パレード、花火大会等のイベント」の近辺の大きい容量の道路それぞれに対する重み付けを出発地から目的地までの経路判定において小さな容量の道路の選択を避けるために下げるようにすることは、当業者であれば容易に想到し得たことであり、そのようにすれば、周知技術2における「経路判定」に相当する「経路探索」は、「予め決められた時間情報に従う」「経路計画処理」のことであるから、予め決められた時間情報に従うことになるので、引用発明において、周知技術2を適用し、相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。

イ-1 特開平9-287965号公報の記載
本願の優先日前に、日本国内において頒布された刊行物である特開平9-287965号公報には、「経路選出方法」に関して、図面とともにおおむね次の記載がある。

・「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経路選出方法に関し、より特定的には、車両がある地点から別の地点へ効率的に移動するために、外部から取得した交通情報に基づいて、ある地点から別の地点までの最短旅行時間経路を自動的に選出する方法に関する。」(段落【0001】)

・「【0120】ここで、図20の構成例において、交通情報非提供リンク補正部501が交通情報非提供リンクに対してペナルティコストを付加して推定旅行時間を算出する処理を、フローチャートに沿って説明する。
【0121】図21は、図20の構成例において、交通情報非提供リンク補正部501の動作を示すフローチャートである。
【0122】まず、図21のステップS901において、交通情報非提供リンク補正部501は、探索用データ格納部201に格納された地図データ上の全リンクについて処理を行ったか否かを判断し、行っていれば処理を終了する。一方、未処理のリンクが残っていれば、交通情報非提供リンク補正部501は、地図データのネットワーク対応データから該当リンクが交通情報提供リンクか否かを判断する(ステップS902)。このとき、該当リンクが交通情報提供リンクであれば、交通情報非提供リンク補正部501の処理は、ステップS901に戻り、交通情報非提供リンクであれば、次のステップS903に進む。このステップS903において、交通情報非提供リンク補正部501は、地図データのリンクデータから、該当リンクの道路属性情報(距離Dmn、道路種別Kmn、車線数Gmn)を読み出す。次に、交通情報非提供リンク補正部501は、ユーザーの設定値を基にコスト乗数αのベースを決定し、周辺1kmの範囲内における渋滞区間の多さと道路特性(道路種別Kmn、車線数Gmn)とに応じてコスト乗数α(α>1)を決定する(ステップS904)。ここでは、渋滞区間が多いほどコスト乗数を高くし、道路種別が低く道幅が細いほどコスト乗数を高くする。次に、交通情報非提供リンク補正部501は、図11で示した非渋滞時の設定速度例を用いて速度を決定し、算出した旅行時間にコスト乗数αを乗じて、推定旅行時間Tmnを求める(ステップS905)。次に、交通情報非提供リンク補正部501は、リンク番号と算出した推定旅行時間Tmnとを探索用データ格納部201に記録する(ステップS906)。その後、交通情報非提供リンク補正部501の処理は、再びステップS901に戻り、全てのリンクを処理したか否かがチェックされる。
【0123】以上のように、図20に示す第4の構成例によれば、交通情報非提供リンク補正部501において、交通情報提供対象ではないリンクに対してペナルティコストを加えて推定旅行時間を算出するようにしているので、以下のような種々の効果が奏される。
【0124】まず、交通情報を反映して探索をした場合に、渋滞が多い地域において、交通状況が不明でかつ主要でない道路である交通情報提供対象外のリンクばかりを通る非実用的な経路が選出されるのを防止することができる。また、出発地や目的地を、交通情報提供対象ではないリンク上にも設定することが可能となる。また、ペナルティコストを周辺の交通状況に応じて変更することにより、例えば渋滞が多ければ大きくすることにより、交通情報提供対象ではないリンクの交通状況を推定して推定旅行時間を決定することができる。さらに、ペナルティコストを道路属性(道路種別、車線数)により非主要道であるほど大きくすることにより、交通状況が不明かつ道路種別が低く細い道をより一層選びにくくすることができる。さらに、ペナルティコストをユーザーに自由に設定させることで、人によって異なる交通状況の不明な道を選択する選択基準を、調整することができる。」(段落【0120】ないし【0124】)

・上記記載における「道路種別」及び「道幅」が、その機能、構成または技術的意義からみて、本願補正発明における「容量」に相当し、同様に、「コスト乗数」及び「ペナルティコスト」が「重み付け」に相当する。

ウ 効果について
そして、本願補正発明を全体としてみても、本願補正発明は、引用発明並びに周知技術1及び2からみて、格別顕著な効果を奏するともいえない。

(4)まとめ
したがって、本願補正発明は、引用発明並びに周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

2-3 むすび
以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないので、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
以上のとおり、本件補正は却下されたため、本願の特許請求の範囲の請求項1ないし15に係る発明は、平成23年1月18日に提出された明細書及び図面の翻訳文並びに平成26年2月19日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1(1)のとおりである。

2 引用文献の記載等
原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に日本国内において、頒布された刊行物である引用文献の記載、引用文献の記載事項及び引用発明は、上記第2[理由]2 2-2(1)ア、イ及びウのとおりである。

3 対比・判断
上記第2[理由]2 2-1で検討したように、本願補正発明は本願発明の発明特定事項に限定を加えたものである。そして、本願発明の発明特定事項に限定を加えた本願補正発明が上記第2[理由]2 2-2(2)ないし(4)のとおり、引用発明並びに周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、周知技術2は上記限定に対するものであるから、本願発明は、引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 結語
上記第3のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないので、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-02-24 
結審通知日 2016-02-29 
審決日 2016-03-11 
出願番号 特願2011-515368(P2011-515368)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G01C)
P 1 8・ 121- Z (G01C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 近藤 利充  
特許庁審判長 中村 達之
特許庁審判官 加藤 友也
金澤 俊郎
発明の名称 ナビゲーション装置及び方法  
代理人 木村 秀二  
代理人 大塚 康弘  
代理人 下山 治  
代理人 高柳 司郎  
代理人 大塚 康徳  
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