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審決分類 審判 全部無効 利害関係、当事者適格、請求の利益  A47G
管理番号 1318399
審判番号 無効2015-800120  
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-10-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2015-04-27 
確定日 2016-07-20 
事件の表示 上記当事者間の特許第5636478号発明「食器」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求を却下する。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 本件特許と手続の経緯
本件特許第5636478号は、平成25年8月30日に特許出願がなされ、平成26年10月24日に特許権の設定の登録がなされたものである。
本件特許無効審判は、本件特許について、平成27年4月27日に請求人原山和良が請求したものであって、被請求人ミールソリューション株式会社は、平成27年9月28日付けで審判事件答弁書を提出している。その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。
平成27年11月 4日付け 審判事件弁駁書
平成27年11月 6日付け 審尋
平成27年12月10日付け 回答書
平成28年 1月 4日付け 回答書
平成28年 1月12日付け 審尋
平成28年 3月 8日付け 回答書
平成28年 3月10日付け 回答書
平成28年 3月31日付け 審理事項通知書
平成28年 4月19日付け 口頭審理陳述要領書(被請求人より)
平成28年 4月28日付け 口頭審理陳述要領書(2)
(被請求人より)
平成28年 5月19日 口頭審理

第2 本件審判の請求について
本件特許無効審判は、上記第1のとおり、平成27年4月27日に請求されたものであって、特許法等の一部を改正する法律(平成26年5月14日法律第36号)による改正後の特許法(以下「改正特許法」という。)第123条第2項の規定が適用される事案である。
本件審判の請求については、請求人と被請求人との間に、利害関係人としての請求人適格について争いがある。両者の主張の概要は、下記1及び2のとおりであり、当審の対応は下記3のとおりである。

1.請求人の主張
請求人は、本件特許発明を将来実施する可能性を有する者であり、利害関係を有する。すなわち、請求人は、既に機械や材料を用いて類似品を作成し、将来これを製造販売しようとする者であり、本件特許発明が特許され保護を受けることによって不利益を被るおそれがある。
請求人が製造した類似品たる置台は、その上面の窪み部分に食器や食材を入れるものであって、平成28年3月7日現在、販売を行うためのホームページを開設しており、当該ホームページにおいて「funfunboard」の商品名にて販売中であり、本製品の販売事業者は請求人である。本製品の販売事業所も設置している。
(平成27年11月4日付け審判事件弁駁書、並びに、平成27年12月10日付け、平成28年1月4日付け、平成28年3月8日付け回答書及び平成28年3月10日付け回答書)

2.被請求人の主張
被請求人の了知する限り、請求人は、当該特許発明を将来実施する可能性を有する者その他の請求人適格の類型に該当する者ではない。請求人適格がかかる類型に限定されるものではないにしても、請求の利益が要求されることはこれまでの判例、審決例の等しく指摘するものである。
被請求人は、平成28年3月31日付け審理事項通知書で指摘した事実(具体的内容は下記「3.当審の対応」を参照)の存在について疑義を有しているだけでなく、それ以上の疑念を有している。すなわち、請求人の当該ホームページにおいては、少なくとも平成28年3月22日から平成28年4月18日現在に至るまで、実際の注文が不可能な状態である。
被請求人は、総じて、請求人の事業性について疑問を有するだけでなく、対象製品について、本件特許発明との類似性がなく本件特許発明の技術的範囲に属するとは考えられない。したがって、本件審判の請求には、請求の利益がない。
(平成27年9月28日付け審判事件答弁書、平成28年4月19日付け口頭審理陳述要領書、及び、平成28年4月28日付け口頭審理陳述要領書(2))

3.当審の対応
当審は、平成27年11月6日付け及び平成28年1月12日付け審尋により、請求人が本件特許発明を将来実施する可能性を有する者である旨の事実関係が明りょうでないことから、この点について釈明し、疎明のための必要な証拠の提出を求めた。疎明のための必要な証拠については、平成28年1月12日付け審尋において、製造販売に関する事業準備の状況、及び、請求人個人と当該事業との関係を客観的に示す証拠であることを示し、これらの提出を求めた。

しかしながら、請求人は、販売を行うためのホームページを開設した旨主張するものの、客観的な証拠は提出されなかったため、当審は、さらに、平成28年3月31日付け審理事項通知書を通知し、下記のとおり、請求人に対して釈明と証拠の提出を求めた。

「1.平成28年3月8日付け回答書において『HPにより注文を受け付けている』とされる『funfunboard企画』について、個人事業の開業届出書又は事業開始申告書を税務署又は都道府県税事務所に対して提出した事実があれば、証拠として提出されたい。また、従業員がいる場合には、労働保険関係成立届又は雇用保険適用事業所設置届を労働基準監督署又はハローワークに対して提出した事実があれば、証拠として提出されたい。
2.上記『funfunboard企画』の事業概要及び従業員数を知らせられたい。
3.上記『funfunboard企画』について事業計画書を作成した事実があれば、証拠として提出されたい(平成28年1月12日付け審尋で通知済み)。
4.上記1の回答書には、ホームページにより製品販売の注文を受け付けている旨記載されている。当該販売に係る製品を製造するに当たり、機械や材料を調達した事実があれば、知らせられたい。また、調達した事実があり、かつ、調達するに当たり、第三者に対してあるいは第三者から、仕様書を提示した事実や見積書を入手した事実があれば、証拠として提出されたい(平成28年1月12日付け審尋で通知済み)。
5.上記『funfunboard企画』のホームページによれば、『funfunboard』の素材につき『杉板の三層積層合板を使用しました』と記載されている。また、『funfunboard』について『材質:杉(間伐材)』とも記載されている。竹材から構成される幼児用食器である本件特許発明と材質が異なる『funfunboard』が本件特許とどのような関係があるのか、また、本件特許と請求人の事業との関係について釈明されたい。」

これに対して、請求人からは、口頭審理陳述要領書及び証拠の提出はなされず、平成28年5月19日の口頭審理においても具体的な陳述はなされていない。

第3 当審の判断
上記第2で示した両当事者の主張、及び当審の対応を踏まえると、請求人は、本件特許発明を将来実施する可能性を有する者であるとも、このほかに、本件審判の請求について利害関係を有する者であるとも認めることはできない。
したがって、請求人は、改正特許法第123条第2項に規定する利害関係人には該当しない。

第4 まとめ
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、不適法なものとして却下すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-05-24 
結審通知日 2016-05-26 
審決日 2016-06-09 
出願番号 特願2013-179679(P2013-179679)
審決分類 P 1 113・ 02- X (A47G)
最終処分 審決却下  
前審関与審査官 大谷 謙仁  
特許庁審判長 内藤 真徳
特許庁審判官 宮下 浩次
平瀬 知明
登録日 2014-10-24 
登録番号 特許第5636478号(P5636478)
発明の名称 食器  
代理人 特許業務法人虎ノ門知的財産事務所  
代理人 友野 英三  
代理人 松下 恵三  
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