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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1319482
審判番号 不服2015-10383  
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-03 
確定日 2016-09-16 
事件の表示 特願2013-66936号「組織閉鎖装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年8月29日出願公開、特開2013-165971号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I 手続の経緯
本願は、2007年1月29日(パリ条約による優先権主張2006年1月27日、米国)を国際出願日とする特願2008-552444号の一部を平成25年3月27日に新たな特許出願としたものであって、拒絶の理由が通知され、その指定された期間内に平成26年9月16日付けで特許請求の範囲についての手続補正がされ、平成27年1月9日付けで拒絶査定され、これに対し、平成27年6月3日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に、同日付けで特許請求の範囲についての手続補正がされたものである。

II 平成27年6月3日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成27年6月3日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のように補正されたものと認める。
「【請求項1】
組織再接合に使用される縫合針であって、
鋭利な尖端と、縫合材料と係合する鈍端とを有する湾曲本体であって、前記縫合材料が、ワイヤ縫合糸と係合する可撓性先端部を前記鈍端に有し、かつ、前記尖端と前記鈍端との間に開口を有する湾曲本体を備え、前記縫合針の径方向縁に沿って少なくとも1つの切欠きを有し、前記切欠きが、カートリッヂ・ホルダー・アセンブリの駆動機構と着脱可能に係合し、前記駆動機構により回転軸を中心に前記縫合針を回転させる、縫合針。」(下線は補正箇所を示すものである。)

なお、平成27年6月3日付けの手続補正書には、
「【請求項1】
組織再接合に使用される縫合針であって、
鋭利な尖端と、縫合材料と係合する鈍端とを有する湾曲本体であって、前記縫合材料が、ワイヤ縫合糸と係合する可撓性先端部を前記鈍端に有し、かつ、前記尖端と前記鈍端との間に開口を有する湾曲本体を備え、前記縫合針の径方向縁に沿って少なくとも1つの切欠きを有し、前記切欠きが、前記縫合針と着脱可能に係合し、駆動機構により回転軸を中心に前記縫合針を回転させる、縫合針。」
と記載されているが、
(ア)本件審判事件の請求人が、【請求の理由】の欄に、
「1.本願発明の要旨
本願発明の要旨は、本件審判請求と同時に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたように、
『組織再接合に使用される縫合針であって、
鋭利な尖端と、縫合材料と係合する鈍端とを有する湾曲本体であって、前記縫合材料が、ワイヤ縫合糸と係合する可撓性先端部を前記鈍端に有し、かつ、前記尖端と前記鈍端との間に開口を有する湾曲本体を備え、前記縫合針の径方向縁に沿って少なくとも1つの切欠きを有し、前記切欠きが、カートリッヂ・ホルダー・アセンブリの駆動機構と着脱可能に係合し、前記駆動機構により回転軸を中心に前記縫合針を回転させる、縫合針。』にある(ここで、前出の本件審判請求時に提出された手続補正書の記載に上記下線部に誤記があったので、提出物件の目録に記載のよう補正した手続補正書(案)の記載によって、以下に本件審判請求人の見解を述べる)。」
と記載していること、
(イ)上記手続補正書の「前記縫合針の径方向縁に沿って少なくとも1つの切欠きを有し、前記切欠きが、前記縫合針と着脱可能に係合し、」との記載では、技術的にみて、切欠きと縫合針との関係が前半部分の記載と後半部分の記載とで整合しないから発明を特定することができないこと、
から、請求人が請求の理由に記載するとおり、手続補正書の「前記切欠きが、前記縫合針と着脱可能に係合し、駆動機構により回転軸を中心に前記縫合針を回転させる」は、「前記切欠きが、カートリッヂ・ホルダー・アセンブリの駆動機構と着脱可能に係合し、前記駆動機構により回転軸を中心に前記縫合針を回転させる」の誤記と認め、特許請求の範囲の請求項1は、本件補正により上記のとおり補正されたものとした。

2 補正の目的等
本件補正は、「前記縫合材料が」と「ワイヤ縫合糸」との間に読点を挿入して「前記縫合材料」が「有し」に係ることを明確にし、「突端」から「尖端」へと誤記を訂正し、「間隙」を「開口」と言い換えるとともに、「縫合針」に、「径方向縁に沿って少なくとも1つの切欠きを有し、前記切欠きが、カートリッヂ・ホルダー・アセンブリの駆動機構と着脱可能に係合し、前記駆動機構により回転軸を中心に前記縫合針を回転させる」との限定を付加するものであり、かつ、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、平成23年法律第63号改正附則第2条第18項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下、「改正前特許法」という。)特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮、第3号の誤記の訂正及び第4号の明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は、改正前特許法第17条の2第3項及び第4項の要件を満たすものである。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

3-1 引用刊行物の記載事項
(1)刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である米国特許第3311110号明細書(以下、「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
(1-1)「This invention relates to a needled surgical suture in which, in order, are an eyeless surgical needle, in the butt end of which is crimped a flexible suture leader, which leader is joined by a crimped connector sleeve to a stiff relatively brittle surgical suture.(本発明は、順に、その後端にフレキシブルな縫合糸リーダーが圧着されたアイレス手術針、そのリーダーが、圧着されたコネクタースリーブによって硬質の比較的脆い手術縫合糸に結合されている針つき手術縫合糸に関する。)」(1欄10?14行。和文は当審による訳。以下同様。)
(1-2)「As shown in FIGURE1, the present needled suture consists of an eyeless surgical needle 11. This is a three-cornered cutting edge needle, reverse cutting edge needle, a duck billed needle, or other needle having the cross section and curvature preferred for a particular surgical procedure. The tissue piercing end 12 is sharp and of conventional size and configuration. At the butt end of the needle 13, the needle is either drilled or flanged to provide a hole 14 in which a flexible suture leader 15 is crimped.(図1で示されるように、この針つき縫合糸は、アイレス手術針11から成る。これは三角切断刃先針、逆切断刃先針、ダックビル状針、または特定の手術方法に適した横断面及び湾曲を有する他の針である。組織を刺通する末尾12は、鋭く、従来のサイズと形状である。針の後端13においては、フレキシブルな縫合糸リーダー15が圧着される穴14を提供するために、針はドリル状またはフランジ状である。)」(2欄9?18行)
(1-3)「At the trialing end of the flexible suture leader is crimped of a stiff relatively brittle surgical suture 16 by means of a connector sleeve 17.(フレキシブルな縫合糸リーダーの終端は、コネクタースリーブ17によって硬質の比較的脆い手術縫合糸16に圧着されている。)」(2欄34?36行)

(1-4)Fig.1の記載から、湾曲している針であるアイレス手術針11は、湾曲形状部分の一端部に末尾12を有するとともに他端部に後端13を有する構造であることが窺える。
また、アイレス手術針11は、末尾12と後端13との間に有意の距離を有することが窺える。

摘記事項(1-3)の記載から、硬質の比較的脆い手術縫合糸16にフレキシブルな縫合糸リーダー15が係合しているといえる(以下、その「硬質の比較的脆い手術縫合糸16にフレキシブルな縫合糸リーダー15が係合している」ものを「手術糸手段」という。)。
摘記事項(1-2)の「針の後端13においては、フレキシブルな縫合糸リーダー15が圧着される穴14を提供するために、針はドリル状またはフランジ状である。」の記載から、アイレス手術針11は、手術糸手段と係合する後端13を有するといえる。また、手術糸手段が、硬質の比較的脆い手術縫合糸16と係合するフレキシブルな縫合糸リーダー15を後端13に有するといえる。

以上から、刊行物1には、次の発明が記載されている(以下、「刊行物1発明」という。)。
「アイレス手術針11であって、
鋭い末尾12と、手術糸手段と係合する後端13とを有する湾曲形状部分であって、前記手術糸手段が、硬質の比較的脆い手術縫合糸16と係合するフレキシブルな縫合糸リーダー15を後端13に有し、かつ、鋭い末尾12と後端13との間に有意の距離を有する湾曲形状部分を備える、アイレス手術針11。」

(2)刊行物2
同じく原査定の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である特表2004-533880号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
(2-1)「【請求項1】
縫合装置であって、
尖端および鈍端を有する縫合針を有するカートリッジであって、縫合針が軸を中心に回転可能であるカートリッジと、
針回転ドライブを有するカートリッジホルダを含むプッシャ組立体であって、カートリッジと解除可能に係合でき、かつ縫合針を軸を中心に回転させることができるプッシャ組立体と、
針回転ドライブと解除可能に係合して針回転ドライブを回転させることができるアクチュエータと、を含む縫合装置。
・・・
【請求項8】
縫合針を針回転ドライブと解除可能にロックさせることができ、それにより針回転ドライブの回転運動が縫合針を回転させるインターロック機構をさらに含む請求項1に記載の縫合装置。
【請求項9】
インターロック機構が、針回転ドライブと嵌合する複数の係合切欠きをさらに含み、それにより縫合針が前記針回転ドライブにより、縫合針の尖端を前進させる方向に回転される請求項8に記載の組織縫合装置。」
(2-2)「【0001】
本発明は、組織を縫合するための外科装置に関する。特に、本発明は、手術中の縫合針および縫合材料の操作および制御を可能にする縫合装置、および、このような組織縫合装置の使用方法に関する。」
(2-3)「【0023】
本発明の縫合装置の全体が図1に番号1で示されている。図1を参照すると、本発明の縫合装置1を用いて、切開組織部分の閉鎖を可能にするための、連続した、または断続的なステッチまたは縫合を形成することができる。・・・縫合装置1の作用端19は、支持アーム組立体22に着脱可能に取り付けられたカートリッジホルダ組立体20を含み、組立体20に針カートリッジ24が使い捨て可能に取り付けられる。」
(2-4)「【0026】
図3Aおよび3Bは、縫合装置の作用端19の詳細な部分図であり、ディスポーザブル針カートリッジ24が取り外され、湾曲縫合針26が針カートリッジ24から分離している状態を図示して、これらの部品の、カートリッジホルダ組立体20、支持アーム組立体22を含むプッシャ9、およびユニバーサルジョイントセグメントに対する相対配置を示している。・・・」
(2-5)「【0043】
図16は、本発明の湾曲縫合針102の好ましい実施形態を示す。針102は、開口(すなわちギャップ)106、鋭利な尖端108および対向端110を有する円形のスプリットリングとして形成される。針に対して軸方向に位置合わせされた円柱状ボア110が鈍端110に配置されている。縫合材料の前端がボアに挿入され、機械的クリンピングにより固定される。・・・針102が組織に所望の深さまで貫通することを可能にするために、針102は、好ましくは、約280度から約330度の、より好ましくは約270度より大きい角度にわたる円弧状部を有する。針26は、半径方向後縁、すなわち、カートリッジホルダ82に近い方の縁に沿った2つの対称切欠き(「後側切欠き」)114を含み、切欠き114はそれぞれ、針102の鋭利な尖端108の付近、および、対向する鈍端110の付近に配置されている。後側切欠き114は互いに真に対向して配置され、各切欠きは、垂直(約90度)の部分と、垂直部に対して約60度の角度を成す傾斜部と、を有する。後側切欠き114は、カートリッジホルダ組立体内のドライブ機構により係合されて、針がドライブ機構の作動時に回転運動されることを可能にし、それにより針は組織を突き通して前進する。・・・」

摘記事項(2-5)の「図16は、本発明の湾曲縫合針102の好ましい実施形態を示す。針102は、開口(すなわちギャップ)106、鋭利な尖端108および対向端110を有する円形のスプリットリングとして形成される。針に対して軸方向に位置合わせされた円柱状ボア110が鈍端110に配置されている。縫合材料の前端がボアに挿入され、機械的クリンピングにより固定される。」との記載から、湾曲縫合針102は、スプリットリングを備えるといえる。また、そのスプリットリングは、尖端108と鈍端110との間に開口106を有するいえる。

また、上記記載に加え、摘記事項(2-5)の「針26は、半径方向後縁、すなわち、カートリッジホルダ82に近い方の縁に沿った2つの対称切欠き(「後側切欠き」)114を含み、切欠き114はそれぞれ、針102の鋭利な尖端108の付近、および、対向する鈍端110の付近に配置されている。後側切欠き114は互いに真に対向して配置され、各切欠きは、垂直(約90度)の部分と、垂直部に対して約60度の角度を成す傾斜部と、を有する。後側切欠き114は、カートリッジホルダ組立体内のドライブ機構により係合されて、針がドライブ機構の作動時に回転運動されることを可能にし」との記載と、摘記事項(2-3)の「縫合装置1の作用端19は、支持アーム組立体22に着脱可能に取り付けられたカートリッジホルダ組立体20を含み、組立体20に針カートリッジ24が使い捨て可能に取り付けられる。」の記載を併せてみて、湾曲縫合針102は、スプリットリングの半径方向後縁に沿って2つの後側切欠き114を有し、切欠き114が、カートリッジホルダ組立体のドライブ機構と着脱可能に係合し、前記ドライブ機構により回転軸を中心にスプリットリングを回転運動させるといえる。

以上から、刊行物2には、次の発明が記載されている(以下、「刊行物2発明」という。)。
「湾曲縫合針102であって、
尖端108と鈍端110との間に開口106を有するスプリットリングを備え、スプリットリングの半径方向後縁に沿って2つの後側切欠き114を有し、切欠き114が、カートリッジホルダ組立体のドライブ機構と着脱可能に係合し、前記ドライブ機構により回転軸を中心にスプリットリングを回転運動させる、湾曲縫合針102。」

3-2 対比
本願補正発明と刊行物1発明とを対比すると、その構造または機能からみて、引用発明の「アイレス手術針11」は、本願補正発明の「縫合針」に相当し、以下同様に、「鋭い末尾12」は「鋭利な尖端」に、「手術糸手段」は「縫合材料」に、「後端13」は「鈍端」に、「湾曲形状部分」は「湾曲本体」に、「硬質の比較的脆い手術縫合糸16」は「ワイヤ縫合糸」に、「フレキシブルな縫合糸リーダー15」は「可撓性先端部」に、それぞれ相当する。

刊行物1発明のアイレス手術針11は、組織の縫合に用いられるものであるから、組織再接合に使用されるものといえる。したがって、刊行物1発明の「アイレス手術針11」は、本願補正発明の「組織再接合に使用される縫合針」に相当する。

以上から、両者は、
「組織再接合に使用される縫合針であって、
鋭利な尖端と、縫合材料と係合する鈍端とを有する湾曲本体であって、前記縫合材料が、ワイヤ縫合糸と係合する可撓性先端部を前記鈍端に有する湾曲本体を備える、縫合針。」
である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点)
本願補正発明は、湾曲本体が「前記尖端と前記鈍端との間に開口を有する」とともに「前記縫合針の径方向縁に沿って少なくとも1つの切欠きを有し、前記切欠きが、カートリッヂ・ホルダー・アセンブリの駆動機構と着脱可能に係合し、前記駆動機構により回転軸を中心に前記縫合針を回転させる」との発明特定事項を有するのに対し、刊行物1発明は、湾曲本体が前記尖端と前記鈍端との間に有意の距離を有するものの開口を有するといえるか不明であり、また、縫合針の径方向縁に沿う切欠きを有しておらず、それゆえ「前記切欠きが、カートリッヂ・ホルダー・アセンブリの駆動機構と着脱可能に係合し、前記駆動機構により回転軸を中心に前記縫合針を回転させる」構成も有していない点。

3-3 判断
上記相違点について検討する。
一般的に、組織を縫合するにあたり、湾曲本体を有する縫合針を、その駆動機構を備えた装置に装着し、その駆動機構を制御することにより操作することは広く行われている(必要であれば、特表平6-504467号公報、または、特開平7-328021号公報、または、特開2006-346458号公報を参照。)。
したがって、刊行物1発明において、湾曲本体を有する縫合針を、その駆動機構を備えた装置に装着し、その駆動機構を制御することにより操作することは当業者が必要に応じてなし得る事項であると認められる。
一方、組織を縫合するにあたり、湾曲本体を有する縫合針を、その駆動機構を備えた装置に装着し、その駆動機構を制御するものとして、刊行物2には、刊行物2発明が記載されている。
そして、刊行物2発明の「スプリットリング」は、湾曲縫合針102の湾曲本体といえる。同様に、「切欠き114」は、湾曲縫合針102の径方向縁に沿った切欠きといえる。
したがって、刊行物1発明に刊行物2発明を適用し、刊行物1発明の、湾曲本体が前記尖端と前記鈍端との間に有意の距離を有するものを、湾曲本体が「前記尖端と前記鈍端との間に開口を有する」ものとするとともに、「前記縫合針の径方向縁に沿って少なくとも1つの切欠きを有し、前記切欠きが、カートリッヂ・ホルダー・アセンブリの駆動機構と着脱可能に係合し、前記駆動機構により回転軸を中心に前記縫合針を回転させる」ものとすることは当業者が容易に相当し得たことと認められる。

そして、本願補正発明による効果も、刊行物1発明及び刊行物2発明から当業者が予測し得た程度のものであって、格別のものとはいえない。

したがって、本願補正発明は、刊行物1発明及び刊行物2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

3-4 むすび
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

III 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成26年9月16日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
組織再接合に使用される縫合針であって、
鋭利な尖端と、縫合材料と係合する鈍端とを有する湾曲本体であって、前記縫合材料がワイヤ縫合糸と係合する可撓性先端部を前記鈍端に有し、かつ、前記突端と前記鈍端との間に間隙を有する湾曲本体を、備えた縫合針。」

IV 引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1及び2の記載事項は、前記IIの3-1欄に記載したとおりである。

V 対比・判断
本願発明は、前記IIの1欄の本願補正発明から、「縫合針」の限定事項である「径方向縁に沿って少なくとも1つの切欠きを有し、前記切欠きが、カートリッヂ・ホルダー・アセンブリの駆動機構と着脱可能に係合し、前記駆動機構により回転軸を中心に前記縫合針を回転させる」との構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記IIの3-3欄に記載したとおり、刊行物1発明及び刊行物2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、刊行物1発明及び刊行物2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

VI むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1発明及び刊行物2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-04-25 
結審通知日 2016-04-26 
審決日 2016-05-09 
出願番号 特願2013-66936(P2013-66936)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61B)
P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 森林 宏和  
特許庁審判長 長屋 陽二郎
特許庁審判官 高木 彰
土田 嘉一
発明の名称 組織閉鎖装置  
代理人 大川 晃  
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