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審決分類 |
審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:なし G06Q |
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管理番号 | 1320194 |
異議申立番号 | 異議2016-700127 |
総通号数 | 203 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2016-11-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-02-16 |
確定日 | 2016-08-01 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5767144号発明「経路検索システムを用いた混雑度予測装置および混雑度予測プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5767144号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔4ないし7〕、9について訂正することを認める。 特許第5767144号の請求項1ないし3、5ないし8に係る特許を維持する。 特許第5767144号の請求項4、9に係る特許についての申し立てを却下する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第5767144号の請求項1ないし9に係る特許についての出願は、平成24年3月12日に特許出願され、平成27年6月26日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人特許業務法人にじいろ特許事務所により特許異議の申立てがなされ、平成28年4月22日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成28年7月4日に意見書の提出及び訂正請求があったものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。 訂正事項1 請求項4を削除する。 訂正事項2 請求項5ないし7の引用先を「請求項1又は4」から「請求項1」に変更する。 訂正事項3 請求項9を削除する。 (2)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1,3について 請求項の削除を目的とする訂正であって、特許請求の範囲の減縮であるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 訂正事項2 請求項4の削除に伴う引用請求項の変更であって、特許請求の範囲の減縮であるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔4ないし7〕、9について訂正を認める。 3.取消理由についての判断 (1)本件発明 本件訂正請求により訂正された訂正請求項1ないし9に係る発明(以下「本件発明1ないし9」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「 【請求項1】 ネットワークに接続されたクライアント端末からの経路検索要求を受信して、その要求に応じた経路検索を実行して前記クライアント端末にその乗り換え案内を送信する経路検索システムであって、 少なくとも前記経路検索要求の検索条件のログ情報を記憶するログ情報記憶手段と、 前記ログ情報から作成した所定期間内の乗り換え案内結果の駅間利用状況データから混雑度を予測する混雑度予測手段と、 を有する経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項2】 前記乗り換え案内に前記混雑度を示すメッセージを付加することを特徴とする請求項1に記載の経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項3】 前記ログ情報記憶手段を含む第1のサーバ装置と、 前記混雑度予測手段を含む第2のサーバ装置と、 を有し、 前記第2のサーバ装置とは別に、前記ログ情報から乗り換え案内を作成する第3のサーバを有する請求項1に記載の経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 前記駅間利用状況データは、所定時間単位に、経路検索ルート間の駅毎に検索回数をカウントした値を示していることを特徴とする請求項1に記載の経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項6】 前記混雑度を示すメッセージは、検索対象日の前記駅間利用状況データと過去の同一曜日又は同一日の前記駅間利用状況データと比較することで判断したものであることを特徴とする請求項1に記載の経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項7】 前記混雑度を示すメッセージは、検索対象日の前記駅間利用状況データと過去の所定期間の前記駅間利用状況データの平均値とを比較することで判断したものであることを特徴とする請求項1に記載の経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項8】 ネットワークに接続されたクライアント端末からの経路検索要求を受信して、その要求に応じた経路検索を実行して前記クライアント端末にその乗り換え案内を送信する経路検索システムであって、少なくとも前記経路検索要求の検索条件のログ情報を記憶するログ情報記憶手段に接続されるサーバに搭載され、 少なくとも前記経路検索要求の検索条件のログ情報を受信する機能と、 前記ログ情報から所定期間内の乗り換え案内を作成し、作成した乗り換え案内結果の駅間利用状況データから混雑度を予測する機能と、 をサーバコンピュータに実現する混雑度予測プログラム。 【請求項9】 (削除)」 (2)取消理由の概要 訂正前の請求項1ないし9に係る特許に対して平成28年4月22日付けで特許権者に通知した取消理由は、要旨は次のとおりである。 請求項4及び9に係る特許は同法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。 (3)判断 特許法第36条第6項第1号について 請求項4及び9を削除したため、記載不備は解消された。 4.特許異議申立ての理由について (1)特許法第29条第2項について ア.甲各号証の記載 甲第1号証である「特開2008-273275号公報」には、「路線検索による乗り換え案内」が記載されている。 甲第2号証「特開2003-139550号公報」には、「カーナビによるルート検索結果から所定範囲内の通行車両台数を推定するシステム」が記載されている。 甲第3号証について 甲第3号証である「特開2004-192425号公報」には、過去のデータや混雑度を予測することが記載されている。 イ.対比・判断 (ア)請求項1に係る発明について 甲第1号証における混雑度は、過去の実測値から計算されていて、乗り換え案内の検索結果に基づくものではない。 甲第2号証は、カーナビによるルート検索結果から所定範囲内の通行車両台数を推定するものであり、乗り換え案内とは無関係な技術であるから、甲第2号証の記載事項を甲第1号証の発明に適用することはできない。 したがって、本件請求項1に係る発明は、上記甲第1,2号証から当業者が容易になしえるものではない。 (イ)請求項2、3,5-8に係る発明について 請求項2、3,5-7は、請求項1に係る発明をさらに減縮したものであり、請求項8は、請求項1に係る発明をプログラムとして請求するものであるから上記請求項1に係る発明の同様の理由により、甲第1?3号証の記載から当業者が容易になしえるものではない。 (2)特許法第36条第6項第2号について 請求項4及び9に係る発明は明確でないとの申立てについて、上記訂正請求により請求項4及び9が削除されたため、対象となる請求項が存在しない。 5.むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1ないし3、5ないし8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし3、5ないし8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ネットワークに接続されたクライアント端末からの経路検索要求を受信して、その要求に応じた経路検索を実行して前記クライアント端末にその乗り換え案内を送信する経路検索システムであって、 少なくとも前記経路検索要求の検索条件のログ情報を記憶するログ情報記憶手段と、 前記ログ情報から作成した所定期間内の乗り換え案内結果の駅間利用状況データから混雑度を予測する混雑度予測手段と、 を有する経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項2】 前記乗り換え案内に前記混雑度を示すメッセージを付加することを特徴とする請求項1に記載の経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項3】 前記ログ情報記憶手段を含む第1のサーバ装置と、 前記混雑度予測手段を含む第2のサーバ装置と、 を有し、 前記第2のサーバ装置とは別に、前記ログ情報から乗り換え案内を作成する第3のサーバを有する請求項1に記載の経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 前記駅間利用状況データは、所定時間単位に、経路検索ルート間の駅毎に検索回数をカウントした値を示していることを特徴とする請求項1に記載の経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項6】 前記混雑度を示すメッセージは、検索対象日の前記駅間利用状況データと過去の同一曜日又は同一日の前記駅間利用状況データと比較することで判断したものであることを特徴とする請求項1に記載の経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項7】 前記混雑度を示すメッセージは、検索対象日の前記駅間利用状況データと過去の所定期間の前記駅間利用状況データの平均値とを比較することで判断したものであることを特徴とする請求項1に記載の経路検索システムを用いた混雑度予測装置。 【請求項8】 ネットワークに接続されたクライアント端末からの経路検索要求を受信して、その要求に応じた経路検索を実行して前記クライアント端末にその乗り換え案内を送信する経路検索システムであって、少なくとも前記経路検索要求の検索条件のログ情報を記憶するログ情報記憶手段に接続されるサーバに搭載され、 少なくとも前記経路検索要求の検索条件のログ情報を受信する機能と、 前記ログ情報から所定期間内の乗り換え案内を作成し、作成した乗り換え案内結果の駅間利用状況データから混雑度を予測する機能と、 をサーバコンピュータに実現する混雑度予測プログラム。 【請求項9】 (削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2016-07-22 |
出願番号 | 特願2012-54993(P2012-54993) |
審決分類 |
P
1
651・
-
YAA
(G06Q)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 塩田 徳彦 |
特許庁審判長 |
金子 幸一 |
特許庁審判官 |
石川 正二 手島 聖治 |
登録日 | 2015-06-26 |
登録番号 | 特許第5767144号(P5767144) |
権利者 | 株式会社駅探 |
発明の名称 | 経路検索システムを用いた混雑度予測装置および混雑度予測プログラム |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 井上 正 |
代理人 | 堂前 俊介 |
代理人 | 野河 信久 |
代理人 | 堂前 俊介 |
代理人 | 峰 隆司 |
代理人 | 野河 信久 |
代理人 | 峰 隆司 |
代理人 | 井上 正 |