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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H01L 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L |
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管理番号 | 1320702 |
審判番号 | 不服2015-3378 |
総通号数 | 204 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2016-12-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-02-23 |
確定日 | 2016-11-09 |
事件の表示 | 特願2010-157590「鉛フリーC4相互接続の信頼性を改善するための方法」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 2月 3日出願公開,特開2011- 23719,請求項の数(4)〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成22年7月12日(パリ条約による優先権主張2009年7月13日,アメリカ合衆国)の出願であって,平成26年3月24日付けで拒絶理由が通知され,同年9月2日に意見書と手続補正書が提出され,同年10月23日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ,これに対し,平成27年2月23日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに,手続補正書が提出され,その後,当審において平成28年3月30日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され,同年7月5日に意見書と手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1-4に係る発明は,平成28年7月5日に提出された手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定されるものと認められるところ,本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は以下のとおりである。 「【請求項1】 集積回路(IC)パッケージング構造体を製造する方法であって, 単層ポリイミド層を,金属パッドを含むチップ上に形成するステップと, 横方向に延びる部分を露出する前記金属パッドへの最終ビアを設けるために,及び上方へ傾斜して延びる第1支持ショルダと前記最終ビアの周りの輪郭部とを形成するために,前記単層ポリイミド層をグレイトーン・エッチング・プロセスを用いてエッチングするステップと, 前記最終ビア内に,前記金属パッドの露出した前記横方向に延びる部分に接触する水平底部と,前記単層ポリイミド層の前記第1支持ショルダを含む部分に接触する上方へ傾斜して延びるBLM層の第2支持ショルダと,を有するボール制限メタライゼーション(BLM)層を形成するステップと, 制御崩壊チップ接続(C4)はんだボールが前記水平底部の表面と前記第2支持ショルダと前記輪郭部とによって支持されるように,前記C4はんだボールを前記BLM層の上に形成するステップと,を含み, 前記輪郭部は,前記輪郭部の周囲の前記単層ポリイミド層の上面よりも高く,かつ,前記最終ビアの周囲に沿って環状に形成され,前記輪郭部の縦断面がくさび形に形成されることによって,前記輪郭部の内周面が前記第1支持ショルダの上方の一部を構成するように形成される方法。」 第3 原査定の理由について 1 原査定の理由の概要 1.・・・<途中省略>・・・ 2.この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。 3.この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) 理由1 ・・・<途中省略>・・・ 請求項1-3 理由2,3 引用文献1 備考: 引用文献1(第10頁第22行乃至第18頁第6行及び第1-9図)には,金属パッドへの最終ビアと支持ショルダとを設けるように,絶縁層をエッチングし,金属パッドとポリイミド層の一部とに接触するボール制限メタライゼーション(BLM)層を形成し,制御崩壊チップ接続(C4)はんだボールを,支持ショルダによって支持されるようにBLM層上に形成して,集積回路(IC)パッケージング構造体を製造すること,絶縁層として,ポリイミド層を用いてもよいことが記載されている。 請求項5 理由3 引用文献1 備考: 引用文献1(第19頁第12行乃至だい23頁第6行及び第13,14図)には,応力緩和層として用いられるポリイミド層の上に保護層を形成してもよいことも記載されている。 応力緩和層として,低い弾性率を有するものを用いることは周知であり,引用文献1記載の発明において,応力緩和層として用いられるポリイミド層を,保護層より弾性率の低いものとすることは,当業者が容易になし得ることである。 <拒絶の理由を発見しない請求項> 請求項(4)に係る発明については,現時点では,拒絶の理由を発見しない。 拒絶の理由が新たに発見された場合には拒絶の理由が通知される。 引 用 文 献 等 一 覧 1.国際公開第2000/055898号 2 原査定の理由の判断 原査定の理由は,「請求項(4)に係る発明については,現時点では,拒絶の理由を発見しない。」とするものである。 そして,原査定の理由(平成26年3月24日付けの拒絶理由)における,請求項4,及び,当該請求項4が引用する請求項1の記載は,以下のとおりである。 「【請求項1】 集積回路(IC)パッケージング構造体を製造する方法であって, 少なくとも1つのポリイミド層を形成するステップと, 金属パッドへの最終ビアと少なくとも1つの支持ショルダとを設けるように前記少なくとも1つのポリイミド層をエッチングするステップと, 前記最終ビア内に,前記金属パッドと前記少なくとも1つのポリイミド層の一部とに少なくとも接触するボール制限メタライゼーション(BLM)層を形成するステップと, 制御崩壊チップ接続(C4)はんだボールが前記少なくとも1つの支持ショルダによって支持されるように,前記C4はんだボールを前記BLM層の上に形成するステップと, を含む方法。」 「【請求項4】 前記少なくとも1つのポリイミド層をエッチングする前記ステップは, グレイトーン・エッチング・プロセスを用いるステップと, 前記少なくとも1つの支持ショルダを有する輪郭付きポリイミド層を形成するステップと, 前記少なくとも1つの支持ショルダを有する延長されたポリイミド層を形成するステップと, 前記少なくとも1つの支持ショルダを形成するように,少なくとも2つのポリイミド層をエッチングするステップと, のうちの少なくとも1つを含む,請求項1に記載の方法。」 そして,本願発明1は,原査定の理由において,拒絶の理由を発見しないとする請求項4の発明特定事項である「前記少なくとも1つのポリイミド層をエッチングする前記ステップは,グレイトーン・エッチング・プロセスを用いるステップ」,「前記少なくとも1つの支持ショルダを有する輪郭付きポリイミド層を形成するステップ」,及び,前記請求項4が引用する請求項1に記載された発明特定事項の全てを,発明特定事項として含む発明である。 そうすると,本願発明1は,原査定の理由において,拒絶の理由を発見しないとする請求項4をさらに限定した発明であるから,原査定の理由によっては拒絶することはできない。 そして,本願の請求項2-4に係る発明は,本願発明1をさらに限定したものであるから,本願発明1と同様に,原査定の理由によっては拒絶することはできない。 よって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 第4 当審拒絶理由について 1 当審拒絶理由の概要 1 この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項 1-10 ・引用文献 1-6 ・備考 (1)引例1を主引例とした検討 ・請求項1について 引例1の【0023】-【0032】,図2-図7を特に参照されたい。 引例3の【0002】に,「従来より,スピンコーターの円盤の上に基板を載せ,基板の中央部に液状の塗布材料を載せてスピンコーターの円盤を回転させ,遠心力を利用して塗布材料を基板上に均一な厚さで塗布するスピンコートの方法が広く知られている。このような手法は,例えば半導体プロセスのデバイス形成の最終工程において,半導体ウェハ上にPIQ(ポリイミド)などの保護膜を形成する際に用いられている。この場合,PIQを厚く形成することが望まれている。」と記載されているように,「PIQ」は,ポリイミドの一種である。 そうすると,引例1の「PIQ膜6b」は,本願発明の「少なくとも1つのポリイミド層」に相当する。 また,引例1の図6-図7から,引例1の前記「PIQ膜6b」が,横方向に延びる部分を露出する金属パッドであるAl膜2bへの最終ビアと少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダとを設けるように開孔されていることを見て取ることができる。 一方,引例1の「PIQ膜6b」の前記開孔は,引例1の「実施の形態1」においては,「次に,無機絶縁膜6aの上層に感光性のPIQ膜6bを塗布した後,PIQ膜6bにリソグラフィ技術によって感光,現像処理を施し,次いで320?350℃程度の効果ベークを施すことで,上記スルーホール7上のPIQ膜6bを開孔する。」(【0030】)と記載されるように,「リソグラフィ技術によって感光,現像処理を施し,次いで320?350℃程度の効果ベークを施すことで,上記スルーホール7上のPIQ膜6bを開孔する」ものであり,この点で,「少なくとも1つのポリイミド層をエッチングする」ものである本願発明と相違する。 しかしながら,引例6に記載されるように,PIQ(ポリイミド層)をエッチングして,上方へ傾斜して延びる側壁を有する開孔を形成する方法は周知であるから,引例1に記載された発明において,「PIQ膜6b」の開孔を,エッチングにより行うことは当業者が適宜なし得たことである。 ・請求項2,請求項3について 引例1の「CCB(Controlled Collapse Bonding)バンプ8」(【0020】)は,本願発明の「C4はんだボール」に相当する。 そして,当該「CCB(Controlled Collapse Bonding)バンプ8」が,「少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダとの直接接触により,前記少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダによって支持され」ていること,及び,「BLM層は,さらに前記少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダと接触し,前記C4はんだボールは,前記少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダにおける前記BLM層との直接接触により,前記少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダによって支持され」ていることを,引例1の図1等から見て取ることができる。 ・請求項4について (i)グレイトーン・エッチング・プロセスは,引例3-4に記載されるように周知である。したがって,引例1のポリイミド層をエッチングする方法として,グレイトーン・エッチング・プロセスを用いることは当業者が適宜なし得たことである。 (ii)引例2の図10,図12,図18,図20等には,上方へ傾斜して延びる支持ショルダを有する輪郭付き絶縁層が記載されている。引例2の前記記載に基づいて,引例1に記載された発明のポリイミド層をエッチングするにあたり,少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダを有する輪郭付きポリイミド層を形成することは適宜なし得たことである。 (iii)引例1の図1の「PIQ膜6b」は,本願発明の「少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダを有する延長されたポリイミド層」に相当する。 (iv)引例1の「表面保護膜6」は,「表面保護膜6は,半導体基板1上に形成された絶縁膜のうちの最終絶縁膜であり,例えば下層から順に無機絶縁膜6aおよびPIQ膜6bが積層されて構成されている。」(【0016】)と記載されているように,「無機絶縁膜6a」と「PIQ膜6b」の積層であるが,前記構成は単なる例示であって,引例2に記載されるように,「少なくとも2つのポリイミド層」からなるものとすることは,当業者が適宜なし得たことである。 そうすると,請求項1に記載された発明に,上記(i)ないし(iv)のうちの少なくとも1つを含むようにすることは,当業者が容易になし得たことである。 ・請求項5について 引例2の特許請求の範囲の請求項30の「下側の層の絶縁層のヤング率を,前記上側の層の絶縁層のヤング率よりも大きくする」等の記載を参酌して,「少なくとも1つのポリイミド層の上に層を形成するステップであって,前記層は,前記少なくとも1つのポリイミド層より高い弾性率を有する」ものとすることは当業者が容易になし得たことである。 ・請求項6,請求項7,請求項8について 「BLM層は,ショルダ構造の表面及び前記金属パッドに接触する」構成,「少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダは階段状の構成」,及び,「少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダは,2つの隣接した傾斜面の間に形成された表面を含む」構成は,それぞれ引例1の図1から見て取ることができる。 ・請求項9について 請求項9の「テーパー状露光」は,通常,日本語として用いられている技術用語ではないため,その技術的特徴を理解することができないが,仮に,テーパー状の構造物を形成するための露光であると解すると,引例1-引例2に記載された発明はいずれも「テーパー状露光」によるものと解される。また,引例6にも記載されるように,このような方法は周知といえる。 ・請求項10について 引例1の図1を参照されたい。 (2)引例2を主引例とした検討 ・請求項1ないし請求項3について 引例2の図1等を参照されたい。 引例2の第12ページ第1-4行の「絶縁層41,42,43は,ポリイミド樹脂・・・等で形成することができる。」等の記載から,絶縁層41,42,43を「ポリイミド層」とすることは適宜なし得たことである。 そして,引例6に記載されるように,PIQ等のポリイミド層をエッチングして,上方へ傾斜して延びる側壁を有する開孔を形成する方法は周知であるから,引例2に記載された発明において,上方へ傾斜して延びる支持ショルダを形成するにあたり,周知のエッチングによる方法を採用することは当業者が適宜なし得たことである。 引例2の「台座32」,「外部端子30」は,引例1に記載される技術常識を参酌すれば,本願発明の「ボール制限メタライゼーション(BLM)層」,「制御崩壊チップ接続(C4)はんだボール」に相当する。 また,仮に,引例2の「台座32」,「外部端子30」が,本願発明の「ボール制限メタライゼーション(BLM)層」,「制御崩壊チップ接続(C4)はんだボール」に相当しないとしても,引例1に記載される技術常識を参酌すれば,引例2の「台座32」,及び,「外部端子30」を,「ボール制限メタライゼーション(BLM)層」,及び,「制御崩壊チップ接続(C4)はんだボール」とすることは,当業者が容易になし得たことである。 一方,引例2の図1には,「台座32」が,逆錐台形状を有し,外部端子30の下端には平坦な面は存在せず,鋭利な逆円錐形状なもの図示されており,この点で,「制御崩壊チップ接続(C4)はんだボールが前記水平底部の表面・・・によって支持される」本願発明と一応相違する。 しかしながら,明細書に添付された図面は,特に明示の記載がない場合には,発明を分かりやすく説明するために,発明の本質的な箇所以外は簡略化することが通常行われているものであるから,引例2の図1等の記載から,引例2に記載された発明の外部端子30の下端には平坦な面は存在せず,鋭利な逆円錐形状なものであるとは,必ずしもいえない。 むしろ,引例1の図面等から,BLM層における「水平底部の表面」と少なくともポリイミド層における「上方へ傾斜して延びる支持ショルダ」とによって支持されるC4はんだボールを形成する工程は周知であることから,引例2に記載された発明においても,外部端子30の下端に平坦な面が存在すると理解することが自然であり,また,仮に,引例2に記載された発明が,外部端子30の下端に平坦な面が存在しないものであったとしても,引例1に記載された発明の周知の構成を参酌して,引例2に記載された発明において,BLM層における「水平底部の表面」と少なくともポリイミド層における上方へ傾斜して延びる支持ショルダとによってC4はんだボールを支持するように構成することは,当業者が容易になし得たことである。 ・請求項4について (i)グレイトーン・エッチング・プロセスは,引例3-4に記載されるように周知である。したがって,引例2のポリイミド層をエッチングする方法として,グレイトーン・エッチング・プロセスを用いることは当業者が適宜なし得たことである。 (ii)引例2の図10,図12,図18,図20等を参照されたい。少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダを有する輪郭付き絶縁層を形成することが開示されている。 (iii)引例2の図1を参照されたい。少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダを有する延長された絶縁層が開示されている。 (iv)引例2の図1を参照されたい。 そうすると,請求項1に記載された発明に,上記(i)ないし(iv)のうちの少なくとも1つを含むようにすることは,当業者が容易になし得たことである。 ・請求項5について 引例2の特許請求の範囲の請求項30には,「下側の層の絶縁層のヤング率を,前記上側の層の絶縁層のヤング率よりも大きくする」と記載されているから,引例2に記載された発明において,「少なくとも1つのポリイミド層の上に層を形成するステップであって,前記層は,前記少なくとも1つのポリイミド層より高い弾性率を有する」ものとすることは当業者が容易になし得たことである。 ・請求項6,請求項7,請求項8について 「BLM層は,ショルダ構造の表面及び前記金属パッドに接触する」構成,「少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダは階段状の構成」,及び,「少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダは,2つの隣接した傾斜面の間に形成された表面を含む」構成は,それぞれ引例2の図1から見て取ることができる。 ・請求項9について 請求項9の「テーパー状露光」は,通常,日本語として用いられている技術用語ではないため,その技術的特徴を理解することができないが,仮に,テーパー状の構造物を形成するための露光であると解すると,引例1-引例2に記載された発明はいずれも「テーパー状露光」によるものと解される。また,引例6にも記載されるように,このような方法は周知といえる。 ・請求項10について 引例1の図1を参照されたい。 引 用 文 献 等 一 覧 1.特開2001-257226号公報(前置報告で引用した周知例) 2.国際公開第2000/055898号(先の拒絶理由の引例1) 3.特開2009-49339号公報 4.特開2009-158940号公報 5.特開2009-98206号公報 6.特開昭63-276227号公報 2 この出願は,明細書,特許請求の範囲及び図面の記載が下記の点で不備のため,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 (1)特許請求の範囲の,「前記少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダ」が,「少なくとも1つのポリイミド層の前記少なくとも1つの上方へ傾斜して延びる支持ショルダ」を指しているのか,「上方へ傾斜して延びるBLM層の支持ショルダ」を指しているのか一義的に明確でない。 (2)請求項9の「テーパー状露光」は,通常,日本語として用いられている技術用語ではないため,その技術的特徴を理解することができない。 2 当審拒絶理由の判断 (1)引用文献の記載事項 ア 当審拒絶理由で引用した引用文献1(以下「当審引例1」という。)には,図1ないし図11とともに,以下の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下同じ。)。 ・「【0023】 次に,本発明の実施の形態1である引き出し電極の製造方法の一例を図2?図7を用いて工程順に説明する。 【0024】 まず,図2に示すように,レジストパターンをマスクとして半導体基板1上に形成された絶縁膜3をエッチングすることにより,絶縁膜3に凹パターン4を形成する。この絶縁膜3の下層には,絶縁膜3に対してエッチング選択比がとれる絶縁膜3aが形成されている。 【0025】 次に,図3に示すように,半導体基板1上にCuの拡散を防止することのできる機能を有する厚さ0.05μm程度のバリア層5をスパッタリング法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって堆積した後,スパッタリング法による成膜,あるいはスパッタリング法とこれに続く電解めっき法との連続成膜などによってCu膜(図示せず)を堆積する。 【0026】 次いで,半導体基板1に熱処理を施して,Cu膜を構成するCu原子を流動現象によって凹パターン4の内部へ流し込む(リフロー処理)。リフロー処理は,例えば水素雰囲気中で約450℃程度に半導体基板1を加熱して約2分間行われる。 【0027】 この後,凹パターン4の外部のCu膜およびバリア層5をCMP(Chemical Vapor Deposition)法によって研磨除去して,凹パターン4の内部にバリア層5およびCu膜を埋め込み,Cu配線2aを形成する。 【0028】 次に,例えばH_(2)プラズマ処理,またはH_(2)リフロー処理(400?450℃程度)などの還元処理をCu配線2aの表面に施した後,大気中にさらすことなく,図4に示すように,半導体基板1上にAlを主材料とする金属膜10を堆積する。 【0029】 この後,図5に示すように,レジストパターンをマスクとして金属膜10をエッチングし,ボンディング領域のCu配線2aの上部にAl膜2bを形成する。ここで,後の工程でCu配線2aの表面が露出するのを防ぐため,Al膜2bの平面積をCu配線2aの平面積よりも大きく加工して,ボンディング領域のCu配線2aの表面をAl膜2bで完全に覆う。 【0030】 次に,図6に示すように,無機絶縁膜6aおよびPIQ膜6bの積層からなる表面保護膜6を形成する。まず,半導体基板1上に無機絶縁膜6aを堆積した後,レジストパターンをマスクとして,Al膜2bがエッチングされてCu配線2aが露出しない条件で無機絶縁膜6aをエッチングし,ボンディング領域にスルーホール7を形成する。次に,無機絶縁膜6aの上層に感光性のPIQ膜6bを塗布した後,PIQ膜6bにリソグラフィ技術によって感光,現像処理を施し,次いで320?350℃程度の効果ベークを施すことで,上記スルーホール7上のPIQ膜6bを開孔する。 【0031】 次に,図7に示すように,PIQ膜6bの上層に,例えばスパッタリング法により金属層9a?9cを下層から順に堆積する。次いで,レジストパターンをマスクとして,例えばウエットエッチング法により,金属層9cおよび金属層9bを順次エッチングし,金属層9c,9bをパターン形成する。続いて,レジストパターンをマスクとして,例えばドライエッチング法により,金属層9aをエッチングし,金属層9aをパターン形成することにより,金属層9a?9cからなる下地金属BLMを形成する。 【0032】 次に,下地金属BLM上に半田を,例えばリフトオフ法またはメタルマスク蒸着によって形成した後,ウエットバックにより上記半田を球形化してCCBバンプ8を形成する。 【0033】 なお,本実施の形態1では,ボンディング領域のCu配線2a上のみにAl膜2bを形成したが,Cu配線2a上の全てにAl膜2bを形成してもよい。 【0034】 また,本実施の形態1では,引き出し電極2に下地電極BLMを介してCCBバンプ8が接続されたが,引き出し電極2に直接ボンディング材料,例えばワイヤーを接続してもよい。 【0035】 また,本実施の形態1では,Cu配線2aの表面をAl膜2bによって覆ったが,例えばW膜,TiN膜,TaN膜などの酸化され難い金属膜によってCu配線2aを覆っても同様な効果が得られる。 【0036】 このように,本実施の形態1によれば,引き出し電極2を主としてダマシンプロセスで形成された0.5?2μm程度の相対的に厚いCu配線2aで構成することによって,低抵抗でかつ高エレクトロマイグレーション耐性を有する引き出し電極2が得られる。さらに,ボンディング領域のCu配線2aを0.05?1.0μm程度の相対的に薄いAl膜2bで覆い,ボンディング材料をAl膜2bに接続させることによって,ボンディング材料との接着性が良好となり,ボンディング材料の剥がれや導通不良などの問題を回避することができる。また,Al膜2bが相対的に薄いことから,引き出し電極2の段差に起因した表面保護膜6の表面の凹凸が改善されてAl膜2bの側壁部分における応力が緩和し,表面保護膜6に生ずるクラックを防ぐことができる。」 イ そうすると,当審引例1には,以下の発明(以下「当審引用発明1」という。)が記載されている。 「半導体基板1上にCu配線2aを形成する工程と, ボンディング領域の前記Cu配線2aの上部にAl膜2bを形成する工程と, 前記半導体基板1上に無機絶縁膜6aを堆積した後,レジストパターンをマスクとして,前記無機絶縁膜6aをエッチングし,ボンディング領域にスルーホール7を形成する工程と, 次に,前記無機絶縁膜6aの上層に感光性のPIQ膜6bを塗布した後,前記PIQ膜6bにリソグラフィ技術によって感光,現像処理を施し,次いで320?350℃程度の効果ベークを施すことで,前記スルーホール7上の前記PIQ膜6bを開孔する工程と, 次に,前記PIQ膜6bの上層に,金属層9a?9cからなる下地金属BLMを形成する工程と, 次に,前記下地金属BLM上にCCBバンプ8を形成する工程を含む,引き出し電極の製造方法。」 ウ 当審拒絶理由で引用した引用文献2(以下「当審引例2」という。)には,図1ないし図22とともに,以下の事項が記載されている。 ・「(第1の実施の形態) 図1は,第1の実施の形態に係る半導体装置を示す図である。この半導体装置1は,半導体チップ10と,配線パターン20と,外部端子30と,複数の絶縁層41,42,43と,を含む。半導体装置1は,そのパッケージサイズが半導体チップ10にほぼ等しいので,CSPに分類することができ,あるいは,応力緩和機能を備えるフリップチップであるということもできる。 半導体チップ10の一つの面(能動面)には,複数の電極12が形成されている。複数の電極12は,半導体チップ10の平面形状が矩形(正方形又は長方形)である場合には,少なくとも一辺(対向する二辺又は全ての辺を含む)に沿って形成されている。あるいは,半導体チップ10の一方の面の中央に複数の電極12を形成してもよい。電極12を避けて,半導体チップ10には,SiN,SiO_(2),MgOなどのパッシベーション膜が形成されている。パッシベーション膜は電気的な絶縁膜である。 配線パターン20は,半導体チップ10における電極12が形成された面で,電極12に電気的に接続されて形成されている。配線パターン20は,複数層から構成されることが多い。例えば,銅(Cu),クローム(Cr),チタン(Ti),ニッケル(Ni),チタンタングステン(Ti-W),金(Au),アルミニウム(Al),ニッケルバナジウム(NiV),タングステン(W)のうちのいずれかを積層して配線パターン20を形成することができる。電極12が半導体チップ10の端部に形成されている場合には,半導体チップ10の中央方向に,配線パターン20を引き込む。 外部端子30は,電極12の真上を避けて,配線パターン20上に形成されている。電極12の真上を避けているので,外部端子30に加えられた応力が電極12に直接加えられないようになっている。外部端子30は,台座32と,接合部34と,からなる。接合部34は,例えばハンダボールなどであって,回路基板との電気的な接合に使用される。台座32は,接合部34を受けやすいように,中央がくぼむ形状をなしている。台座32も,複数層で形成してもよく,配線パターン20として選択可能な材料で形成することができる。 複数の絶縁層41,42,43は,積層されて形成されており,各層の間に別の層が介在してもよい。絶縁層41,42,43の各層は,それぞれの外部端子30の一部分の周囲に設けられている。詳しくは,外部端子30の一部(例えば台座32の一部)が配線パターン20に接合されており,台座32の下端部の周囲に最下層の絶縁層41が設けられている。また,台座32の上端部の周囲に最上層の絶縁層43が設けられている。そして,最下層の絶縁層41と最上層の絶縁層43との間であって,台座32の中間部に,少なくとも一つの絶縁層42が形成されている。 絶縁層41,42,43のうち少なくとも一つは,応力緩和機能を有してもよい。絶縁層41,42,43は,ポリイミド樹脂,シリコーン変性ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,シリコーン変性エポキシ樹脂,ベンゾシクロブテン(BCB;benzocyclobutene),ポリベンゾオキサゾール(PBO;polybenzoxazole)等で形成することができる。なお,最下層の絶縁層41は,電極12,配線パターン20及び図示しないパッシベーション膜上に形成されている。最上層の絶縁層43は,外部端子30の形成領域を除き,最上層から2番目の絶縁層42の表面全体上に形成されている。 最下層の絶縁層41には,複数の穴44が形成されている。穴44は,配線パターン20における外部端子30との接合部上に形成されている。穴44の内面は,底部よりも開口端部が大きくなるテーパが付けられた傾斜面となっている。また,穴44の開口端部は,曲面を以て形成されている。 中間層,例えば最下層から2番目の絶縁層42には,穴46が形成されている。この穴46は,最下層の絶縁層41に形成された穴44の上方に形成されている。穴46の内面は,底部よりも開口端部が大きくなるテーパが付けられた傾斜面となっている。 最上層の絶縁層43には,複数の穴48が形成されている。この穴48は,最下層の絶縁層41に形成された穴44及び中間層の絶縁層42に形成された穴46の上方に形成されている。 本実施の形態では,下側に位置する第1の絶縁層に形成される第1の穴よりも,その上側に位置する第2の絶縁層に形成される第2の穴が大きい。ここで,第1及び第2の絶縁層は,上述した複数の絶縁層41,42,43のうちの任意の2層をいう。 例えば,最下層の絶縁層41を第1の絶縁層と定義し,その上の絶縁層42を第2の絶縁層と定義することができる。その場合,第1の絶縁層41に形成された第1の穴44よりも,第2の絶縁層42に形成された第2の穴46が大きい。また,中間層の絶縁層42を第1の絶縁層と定義し,その上の絶縁層43を第2の絶縁層と定義することができる。その場合,第1の絶縁層42に形成された第1の穴46よりも,第2の絶縁層43に形成された第2の穴48が大きい。 複数の絶縁層41,42,43に形成された穴44,46,48は,連通しており,開口部40を形成している。開口部40は,配線パターン20上で開口する。穴44,46,48が下から順に大きくなるので,開口部40は,底部から開口端部に向けて大きく拡がる形状になっている。詳しくは,複数の絶縁層41,42,43に形成されて連通する穴44,46,48の大きさがそれぞれ異なるので,開口部40は階段状になっている。 開口部40の内面に,外部端子30の一部(例えば台座32)が接触して設けられている。開口部40が階段状に形成されているので,外部端子30に加えられた応力を,分散して吸収できるようになっている。また,穴44,46,48の内面が傾斜していることに対応して,台座32の側面も傾斜している。詳しくは,台座32は,逆錐台形状(逆円錐台形状,逆角錐台形状)をなしている。このことにより,台座32と穴44,46,48との接触面積が大きくなるので,両者の密着性が向上する。さらに,穴44,46,48の開口端部が曲面を以て形成されており,角がないので,台座32に破断が生じない。 外部端子30の側面(例えば台座32の側面)が傾斜しているので,半導体チップ10の表面に対する垂線に沿って見て,絶縁層41,42,43の一部は,それぞれの外部端子30の一部分と半導体チップ10との間に位置する。詳しくは,外部端子30の一部(例えば台座32の一部)が配線パターン20に接合されており,この部分を除く部分と半導体チップ10との間に,絶縁層41,42,43の一部が設けられている。 図2に,本実施の形態に係る半導体装置の平面図を示す。同図において,半導体チップ10の電極12から,能動面の中央方向に配線パターン20が形成され,配線パターン20には外部端子30が設けられている。 なお,同図に示されるように,外部端子30は半導体チップ10の電極12上ではなく半導体チップ10の能動領域(能動素子が形成されている領域)に設けられている。絶縁層41,42,43(図1参照)を能動領域に設け,更に配線パターン20を能動領域内に配設する(引き込む)ことで,外部端子30を能動領域内に設けることができる。すなわち,ピッチ変換をすることができる。従って外部端子30を配置する際に能動領域内,すなわち一定の面としての領域が提供できることになり,外部端子30の設定位置の自由度が非常に増すことになる。 そして,配線パターン20を構成する配線を,必要な位置で屈曲させることにより,外部端子30は格子状に並ぶように設けられている。なお,これは,本発明の必須の構成ではないので,外部端子30は必ずしも格子状に並ぶように設けなくても良い。 また,電極12の幅と配線パターン20の幅とを, 電極12≦配線パターン20 とすることが好ましい。特に, 電極12<配線パターン20 となる場合には,配線パターン20の抵抗値が小さくなるばかりか,強度が増すので断線が防止される。 次に,本実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。図3?図8は,複数の絶縁層を形成する工程を示す図である。なお,本発明は,半導体チップ10のような個片の半導体素子に対しても適用できるが,本実施の説明では,複数の半導体素子の集合体として半導体ウエーハ11を使用する。そして,個々の半導体チップ10に切断されることになるそれぞれの半導体素子に対して本発明を適用した例を説明する。このことは,以下の実施の形態でも同じである。 まず,複数の電極12を有し,電極12を避けてパッシベーション膜(図示せず)が形成された半導体ウエーハ11(図9参照)を用意する。電極12に接続される配線パターン20を形成する。配線パターン20は,半導体ウエーハ11上,詳しくはパッシベーション膜上に形成してもよい。 次に,複数の絶縁層41,42,43を形成し,連通する穴44,46,48を形成して,開口部40を形成する。この工程は,次の第1工程?第4工程を含む。 (第1工程) 図3に示すように,絶縁層41を形成する。絶縁層41は,最下層に位置するときには,半導体ウエーハ11における電極12,パッシベーション膜(図示せず)及び配線パターン20が形成された面に形成される。絶縁層41の材料として,エネルギー(光,紫外線又は放射線など)に感応して性質を変える樹脂を使用することができ,例えば,フォトポリマーなどを使用できる。絶縁層41の材料としては,エネルギーが照射されると,溶解性が増加するもの(ポジ型)であっても,溶解性が減少するもの(ネガ型)であってもよい。 (第2工程) 図4に示すように,絶縁層41に穴44を形成する。例えば,図3に示すように,開口51が形成されたマスク50を,絶縁層41の上方に配置して,エネルギー60を照射し,その後現像することで穴44を形成する。絶縁層41が,エネルギーが照射されると溶解性が増加するものであるときは,穴44の形成領域上に開口51を配置する。絶縁層41が,エネルギーが照射されると溶解性が減少するものであるときは,穴44の形成領域上を覆って,それ以外の領域上に開口51を配置する。上述したエネルギー照射技術(露光技術など)を適用する場合には,マスク50の開口51からエネルギーが回り込むため,穴44の開口端部は曲面を以て形成される。 (第3工程) 図5に示すように,絶縁層41上に,絶縁層42を形成する。なお,下側の絶縁層41を第1の絶縁層と定義し,その上側の絶縁層42を第2の絶縁層と定義することができる。絶縁層41に形成された穴44にも,絶縁層42の材料を充填する。この工程は,絶縁層41を硬化させてから行うことが好ましい。 上側に位置する絶縁層42の材料は,エネルギーが照射されると溶解性が減少するものであることが好ましい。 (第4工程) 図6に示すように,絶縁層42に穴46を形成する。穴46は,下側の絶縁層41に形成された穴44と連通するように形成する。ここで,下側の穴44を第1の穴と定義し,その上側の穴46を第2の穴と定義することができる。第2の穴46を,第1の穴44よりも大きく形成する。第2の穴46の形成には,エネルギーを照射する方法を適用することができる。第2の絶縁層42の材料が,エネルギーが照射されると溶解性が減少するものである場合には,例えば図5に示す工程を行う。すなわち,第1の穴44の上方のみを覆うマスク52を,第2の絶縁層42の上方に配置して,エネルギー60を照射する。そうすると,マスク52によってエネルギー60の照射が妨げられた領域は,溶解性が減少していないので,その後現像を行って除去することができる。第2の絶縁層42の材料は,第1の絶縁層41に形成された第1の穴44に充填された部分も除去することができる。こうして,第2の絶縁層42に第2の穴46を形成する。第2の穴46の開口端部は,マスク52からエネルギーが回り込むため曲面を以て形成される。 なお,第1の穴44の上方では,第2の絶縁層42の材料の厚みが均一ではないが,第1の絶縁層41の上では第2の絶縁層42の材料の厚みが均一になっている。したがって,第1の穴44の上方以外の領域では,第2の絶縁層42の材料に対してエネルギー60が均一に照射され,この領域で第2の絶縁層42の材料を均一に硬化させることができる。一方,第1の穴44の上方では,第2の絶縁層42の材料は,マスク52によって,均一にエネルギー60が照射されないようになっている。そして,第2の絶縁層42の材料のうち,第1の穴44の上方に設けられた部分を全て除去することができる。 (その後の工程) 上述した第1及び第2の絶縁層41,42の上に,さらに絶縁層を形成するときには,上記工程を繰り返す。例えば,図7に示すように,絶縁層42上に,絶縁層43を形成する。 この2層の絶縁層42,43については,下側の絶縁層42を第1の絶縁層と定義し,その上側の絶縁層43を第2の絶縁層と定義することができる。下側の絶縁層42に形成された穴46にも,絶縁層43の材料を充填する。この工程は,絶縁層42を硬化させてから行うことが好ましい。 上側に位置する絶縁層43の材料は,エネルギーが照射されると溶解性が減少するものであることが好ましい。 図8に示すように,絶縁層43に穴48を形成する。穴48は,下側の絶縁層42に形成された穴46と連通するように形成する。ここで,下側の穴46を第1の穴と定義し,その上側の穴48を第2の穴と定義することができる。第2の穴48を,第1の穴46よりも大きく形成する。第2の穴48の形成には,エネルギーを照射する方法を適用することができる。第2の絶縁層43の材料が,エネルギーが照射されると溶解性が減少するものである場合には,例えば図7に示す工程を行う。すなわち,第1の穴46の上方のみを覆うマスク54を,第2の絶縁層43の上方に配置して,エネルギー60を照射する。そうすると,マスク54によってエネルギー60の照射が妨げられた領域は,溶解性が減少していないので,その後現像を行って除去することができる。第2の絶縁層43の材料は,第1の絶縁層42に形成された第1の穴46に充填された部分も除去することができる。こうして,第2の絶縁層43に第2の穴48を形成する。第2の穴48の開口端部は,マスク54からエネルギーが回り込むため曲面を以て形成される。 なお,第1の穴46の上方では,第2の絶縁層43の材料の厚みが均一ではないが,第1の絶縁層42の上では第2の絶縁層43の材料の厚みが均一になっている。したがって,第1の穴46の上方以外の領域では,第2の絶縁層43の材料に対してエネルギー60が均一に照射され,この領域で均一に第2の絶縁層43の材料を硬化させることができる。一方,第1の穴46の上方では,第2の絶縁層43の材料は,マスク54によって,エネルギー60が照射されないようになっている。そして,第2の絶縁層43の材料のうち,第1の穴46の上方に設けられた部分を全て除去することができる。 以上の工程により,複数の絶縁層41,42,43に連通する穴44,46,48を形成して,開口部40を形成することができる。すなわち,実質的に厚い1層からなる絶縁層に開口部40が形成された構成と同等の構成を得ることができる。例えば,絶縁層41,42,43のそれぞれの厚みを20μm程度として,合計60μm程度の層を形成して開口部40を形成することができる。穴44,46,48及び開口部40の構造の詳細及びその効果は上述した通りである。本実施の形態によれば,複数の絶縁層41,42,43のそれぞれに,1層毎に,穴44,46,48を形成する。しかも,上の層に形成される穴が下の層に形成される穴よりも大きいので,露光技術などのエネルギー照射技術を適用しても,高精度の開口部40を形成することができる。あるいは,複数の絶縁層41,42,43を形成してから,レーザを使用して開口部40を形成してもよい。 開口部40は,配線パターン20上に開口する。開口部40を介して,図9に示すように,外部端子30を配線パターン20上に設ける。外部端子30の一部(例えば台座32)は,開口部40の内面に接触させて設ける。例えば,台座32を,配線パターン20上のみならず,開口部40の内面にも一体的にスパッタリングなどで形成する。台座32を設けたら,その上にハンダボールなどの接合部34を設ける。あるいは,台座32にハンダクリームを設けて,これを溶融させて表面張力でボール状にしてもよい。また,必要があれば,絶縁層43上に,さらに保護層を形成してもよい。 図9に示す半導体ウエーハ11を半導体装置と称することもできるが,半導体ウエーハ11をダイシングして,図1に示す半導体装置1を得ることができる。」(明細書第10ページ第22行-第18ページ第6行) ・「(第2の実施の形態) 図10は,第2の実施の形態に係る半導体装置を示す図である。半導体装置2は,最上層の絶縁層62が,外部端子30の周辺部でのみ,その下の絶縁層42の表面に形成されている点で第1の実施の形態と異なる。これ以外の点は,第1の実施の形態と同じである。なお,絶縁層62には,第1の実施の形態の穴48と同じ構成の穴68が形成されている。本実施の形態によれば,最上層の絶縁層62が平面視において小さいので,変形しやすくなつており,熱ストレスに基づく応力に対応しやすくなつている。」(明細書第18ページ7-14行) ・「請求の範囲 1.複数の電極が形成されてなる半導体素子と, 前記電極と電気的に接続される配線パターンと, 前記配線パターンと電気的に接続してなる外部端子と, を有してなり, 前記配線パターン上の,前記外部端子の周囲には複数の絶縁層が形成されてなる半導体装置。」 エ そうすると,当審引例2には,第2の実施の形態として,以下の発明(以下「当審引用発明2」という。)が記載されている。 「半導体ウエーハ11における電極12,パッシベーション膜及び配線パターン20が形成された面に,絶縁層41を形成する工程と, 前記絶縁層41に,開口端部が曲面を以て形成される穴44を形成する工程と, 前記絶縁層41上に,絶縁層42を形成する工程と, 前記絶縁層42に,開口端部が曲面を以て形成される,前記穴44と連通する穴46を,前記穴44よりも大きく形成する工程と, 最上層の絶縁層62を,台座32と接合部34とからなる外部端子30の周辺部でのみ,その下の前記絶縁層42の表面に形成する工程と, 前記穴44,前記穴46等によって構成される,前記配線パターン20上に開口する開口部40を介して,前記台座32を前記配線パターン20上に設ける工程と, その上にハンダボールなどの前記接合部34を設ける工程を含む半導体装置の製造方法。」 (2)当審引例1を主引例とした検討 ア 当審引用発明1と本願発明1との対比 (ア)当審引用発明1の「PIQ膜6b」は,本願発明1の「ポリイミド層」に相当する。 (イ)当審引用発明1の「半導体基板1」上に形成された「Cu配線2a」の上部に形成された「Al膜2b」は,「チップ」上の「金属パッド」といえる。 そうすると,当審引用発明1の「引き出し電極の製造方法」は,本願発明1の「集積回路(IC)パッケージング構造体を製造する方法」に相当する。 (ウ)当審引用発明1の「CCBバンプ8」は,本願発明1の「制御崩壊チップ接続(C4)はんだボール」に相当する。 イ したがって,本願発明と当審引用発明1とを対比すると,以下の点で,一致,及び,相違する。 [一致点] 「集積回路(IC)パッケージング構造体を製造する方法であって, ポリイミド層を,金属パッドを含むチップ上に形成するステップと, 横方向に延びる部分を露出する前記金属パッドへの最終ビアを設けるために,及び上方へ傾斜して延びる第1支持ショルダを形成するために,前記ポリイミド層をエッチングするステップと, 前記最終ビア内に,前記金属パッドの露出した前記横方向に延びる部分に接触する水平底部と,前記ポリイミド層の前記第1支持ショルダを含む部分に接触する上方へ傾斜して延びるBLM層の第2支持ショルダと,を有するボール制限メタライゼーション(BLM)層を形成するステップと, 制御崩壊チップ接続(C4)はんだボールが前記水平底部の表面と前記第2支持ショルダによって支持されるように,前記C4はんだボールを前記BLM層の上に形成するステップと,を含む方法。」 [相違点] ・相違点1:本願発明1が,「輪郭部の周囲の単層ポリイミド層の上面よりも高く,かつ,最終ビアの周囲に沿って環状に形成され,前記輪郭部の縦断面がくさび形に形成されることによって,前記輪郭部の内周面が前記第1支持ショルダの上方の一部を構成する」「輪郭部とを形成するために,前記単層ポリイミド層をグレイトーン・エッチング・プロセスを用いてエッチングするステップ」と,を有するのに対して,当審引用発明1は,このような構成を備えていない点。 (3)判断 上記相違点1について検討する。 ア 当審引用発明2の「『外部端子30の周辺部でのみ,その下の絶縁層42の表面に形成』される『最上層の絶縁層62』」は,周囲の絶縁層42の上面よりも高く,開口部40の周囲に沿って環状に形成された輪郭部であり,かつ,縦断面がくさび形に形成されることによって内周面が支持ショルダの上方の一部を構成するものであると認められる。 そうすると,当審引用発明2の「最上層の絶縁層62」は,「その下の絶縁層42」及び「絶縁層41」の上に,別の部材として形成された層であって,「単層ポリイミド層」として形成された層をグレイトーン・エッチング・プロセスを用いてエッチングすることによって形成された層ではないことを除いて,本願発明1の「輪郭部」に相当する。 イ 他方,当審引例2には,以下の記載がある。 ・「詳しくは,複数の絶縁層41,42,43に形成されて連通する穴44,46,48の大きさがそれぞれ異なるので,開口部40は階段状になっている。 開口部40の内面に,外部端子30の一部(例えば台座32)が接触して設けられている。開口部40が階段状に形成されているので,外部端子30に加えられた応力を,分散して吸収できるようになっている。」 ・「以上の工程により,複数の絶縁層41,42,43に連通する穴44,46,48を形成して,開口部40を形成することができる。すなわち,実質的に厚い1層からなる絶縁層に開口部40が形成された構成と同等の構成を得ることができる。例えば,絶縁層41,42,43のそれぞれの厚みを20μm程度として,合計60μm程度の層を形成して開口部40を形成することができる。穴44,46,48及び開口部40の構造の詳細及びその効果は上述した通りである。本実施の形態によれば,複数の絶縁層41,42,43のそれぞれに,1層毎に,穴44,46,48を形成する。しかも,上の層に形成される穴が下の層に形成される穴よりも大きいので,露光技術などのエネルギー照射技術を適用しても,高精度の開口部40を形成することができる。」 そうすると,当審引用発明2において,「最上層の絶縁層62」が,「その下の絶縁層42」及び「絶縁層41」の上に,別の部材として形成された層としたことには,開口部40を階段状とすることで,外部端子30に加えられた応力を,分散して吸収できるようにし,しかも,露光技術などのエネルギー照射技術を適用して,高精度の開口部40を形成することができるようにするという課題を解決するためであると認められる。 してみれば,当審引用発明1に当審引用発明2を適用して,当審引用発明1において,上記相違点1について,本願発明1の構成を採用することには,「単層ポリイミド層」として形成された層をグレイトーン・エッチング・プロセスを用いてエッチングして輪郭部を形成することにおいて,当審引用発明2に係る課題の解決を妨げることになるという阻害事由が存在するものといえる。 すなわち,当審引用発明1において,上記相違点1について,本願発明1の構成を採用することは容易になし得たこととはいえない。 さらに,当審拒絶理由で通知した,他の引用文献からも,上記相違点1について,本願発明1の構成を採用することをなし得たとする記載を見いだすことはできない。 (4)小括 したがって,本願発明1は,当業者が当審引用発明1に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえなくなった。 本願の請求項2-4に係る発明についても,本願発明1と同様に,当業者が当審引用発明1に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえなくなった。 (5)当審引例2を主引例とした検討 ア 当審引用発明2と本願発明1との対比 (ア)当審引用発明2の「『電極12,パッシベーション膜及び配線パターン20が形成された』『半導体ウエーハ11』」は,本願発明1の「金属パッドを含むチップ」に相当する。 また,本願発明1の「単層ポリイミド層」が,絶縁層の一種であり,さらに,当審引用発明2の「穴」を「形成する工程」が,エッチングによって行われていることも明らかといえる。 そうすると,当審引用発明2の「半導体ウエーハ11における電極12,パッシベーション膜及び配線パターン20が形成された面に,絶縁層41を形成する工程と,前記絶縁層41に,開口端部が曲面を以て形成される穴44を形成する工程と,前記絶縁層41上に,絶縁層42を形成する工程と,前記絶縁層42に,開口端部が曲面を以て形成される,前記穴44と連通する穴46を,前記穴44よりも大きく形成する工程と,最上層の絶縁層62を,台座32と接合部34とからなる外部端子30の周辺部でのみ,その下の前記絶縁層42の表面に形成する工程」と,本願発明1の「単層ポリイミド層を,金属パッドを含むチップ上に形成するステップと,横方向に延びる部分を露出する前記金属パッドへの最終ビアを設けるために,及び上方へ傾斜して延びる第1支持ショルダと前記最終ビアの周りの輪郭部とを形成するために,前記単層ポリイミド層をグレイトーン・エッチング・プロセスを用いてエッチングするステップ」とは,以下の相違点2,相違点3を除き,「絶縁層を,金属パッドを含むチップ上に形成するステップと,前記絶縁層をエッチングするステップ」である点で一致する。 (イ)当審引用発明2の「『台座32と接合部34とからなる外部端子30の周辺部でのみ,その下の前記絶縁層42の表面に形成』された『最上層の絶縁層62』」,「台座32」,「半導体装置の製造方法」は,それぞれ,本願発明1の「最終ビアの周りの輪郭部」,「BLM層」,「集積回路(IC)パッケージング構造体を製造する方法」に相当する。 (ウ)当審引用発明2の「ハンダボールなどの接合部34」と,本願発明1の「制御崩壊チップ接続(C4)はんだボール」とは,以下の相違点4を除いて,「はんだボール」である点で一致する。 イ したがって,本願発明と当審引用発明2とを対比すると,以下の点で,一致,及び,相違する。 [一致点] 「集積回路(IC)パッケージング構造体を製造する方法であって, 絶縁層を,金属パッドを含むチップ上に形成するステップと, 前記金属パッドへの最終ビアを設けるために,及び上方へ傾斜して延びる第1支持ショルダと前記最終ビアの周りの輪郭部とを形成するために,前記絶縁層をエッチングするステップと, 前記最終ビア内に,前記金属パッドの露出した部分に接触する底部と,前記絶縁層の前記第1支持ショルダを含む部分に接触する上方へ傾斜して延びるBLM層の第2支持ショルダと,を有するボール制限メタライゼーション(BLM)層を形成するステップと, はんだボールが前記底部の表面と前記第2支持ショルダと前記輪郭部とによって支持されるように,前記はんだボールを前記BLM層の上に形成するステップと,を含み, 前記輪郭部は,前記輪郭部の周囲の前記絶縁層の上面よりも高く,かつ,前記最終ビアの周囲に沿って環状に形成され,前記輪郭部の縦断面がくさび形に形成されることによって,前記輪郭部の内周面が前記第1支持ショルダの上方の一部を構成するように形成される方法。」 [相違点] ・相違点2:本願発明1では,金属パッドへの最終ビアを形成すること,及び上方へ傾斜して延びる第1支持ショルダと前記最終ビアの周りの輪郭部とを形成することを,「単層ポリイミド層をグレイトーン・エッチング・プロセスを用いてエッチング」によって行うのに対して,当審引用発明2では,穴44,穴46等によって構成される,配線パターン20上に開口する開口部40を形成すること,及び,台座32と接合部34とからなる外部端子30の周辺部でのみ,その下の前記絶縁層42の表面に最上層の絶縁層62を形成することを,「絶縁層41を形成する工程と,前記絶縁層41に,開口端部が曲面を以て形成される穴44を形成する工程と,前記絶縁層41上に,絶縁層42を形成する工程と,前記絶縁層42に,開口端部が曲面を以て形成される,前記穴44と連通する穴46を,前記穴44よりも大きく形成する工程と,最上層の絶縁層62を,台座32と接合部34とからなる外部端子30の周辺部でのみ,その下の前記絶縁層42の表面に形成する工程」によって行っている点。 すなわち,本願発明1が,金属パッドへの最終ビアと輪郭部の形成を,単層の絶縁膜の形成と,一回のグレイトーン・エッチング・プロセスによって行うのに対して,当審引用発明2では,配線パターン20上に開口する開口部40と,外部端子30の周辺部でのみ,その下の前記絶縁層42の表面に形成される最上層の絶縁層62の形成を,三層の絶縁膜の形成と,三回の穴を形成する工程によって行う点。 ・相違点3:本願発明1の「最終ビア」が,「横方向に延びる部分を露出する前記金属パッドへの最終ビア」であるのに対して,当審引用発明2では,このような特定がされていない点。 ・相違点4:本願発明1の「はんだボール」が,「制御崩壊チップ接続(C4)はんだボール」であるのに対して,当審引用発明2では,このような特定がされていない点。 (6)判断 上記相違点2について検討する。 当審引例2には,以下の記載がある。 ・「詳しくは,複数の絶縁層41,42,43に形成されて連通する穴44,46,48の大きさがそれぞれ異なるので,開口部40は階段状になっている。 開口部40の内面に,外部端子30の一部(例えば台座32)が接触して設けられている。開口部40が階段状に形成されているので,外部端子30に加えられた応力を,分散して吸収できるようになっている。」 ・「以上の工程により,複数の絶縁層41,42,43に連通する穴44,46,48を形成して,開口部40を形成することができる。すなわち,実質的に厚い1層からなる絶縁層に開口部40が形成された構成と同等の構成を得ることができる。例えば,絶縁層41,42,43のそれぞれの厚みを20μm程度として,合計60μm程度の層を形成して開口部40を形成することができる。穴44,46,48及び開口部40の構造の詳細及びその効果は上述した通りである。本実施の形態によれば,複数の絶縁層41,42,43のそれぞれに,1層毎に,穴44,46,48を形成する。しかも,上の層に形成される穴が下の層に形成される穴よりも大きいので,露光技術などのエネルギー照射技術を適用しても,高精度の開口部40を形成することができる。」 そうすると,当審引用発明2において,「最上層の絶縁層62」が,「その下の絶縁層42」及び「絶縁層41」の上に,別の部材として形成された層としたことには,開口部40を階段状とすることで,外部端子30に加えられた応力を,分散して吸収できるようにし,しかも,露光技術などのエネルギー照射技術を適用して,高精度の開口部40を形成することができるようにするという課題を解決するためであると認められる。 してみれば,当審引用発明2において,上記相違点2について,本願発明1の構成を採用することには,「単層ポリイミド層」として形成された層をグレイトーン・エッチング・プロセスを用いてエッチングして輪郭部を形成することにおいて,当審引用発明2に係る課題の解決を妨げることになるという阻害事由が存在するものといえる。 すなわち,当審引用発明2において,上記相違点2について,本願発明1の構成を採用することは容易になし得たこととはいえない。 さらに,当審拒絶理由で通知した,他の引用文献からも,上記相違点2について,本願発明1の構成を採用することをなし得たとする記載を見いだすことはできない。 (7)小括 したがって,本願発明1は,他の相違点については検討するまでもなく,当業者が当審引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえなくなった。 本願の請求項2-4に係る発明についても,本願発明1と同様に,当業者が当審引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえなくなった。 (8)当審拒絶理由で通知した記載要件についての拒絶理由は,平成28年7月5日に提出した手続補正書による補正で解消した。 (9)まとめ したがって,もはや,当審で通知した拒絶理由によって本願を拒絶することはできない。 第5 むすび 以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2016-10-25 |
出願番号 | 特願2010-157590(P2010-157590) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H01L)
P 1 8・ 537- WY (H01L) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 萩原 周治 |
特許庁審判長 |
河口 雅英 |
特許庁審判官 |
加藤 浩一 柴山 将隆 |
発明の名称 | 鉛フリーC4相互接続の信頼性を改善するための方法 |
代理人 | 布施 行夫 |
代理人 | 大渕 美千栄 |