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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1321089
審判番号 不服2016-1404  
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2016-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-01-29 
確定日 2016-11-22 
事件の表示 特願2012-279790「サービングHS-DSCHセルの変更を実行するための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 4月 4日出願公開、特開2013- 62881、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2009年3月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2008年3月21日、米国)を国際出願日とする特願2011-500980号の一部を、平成24年12月21日に新たな特許出願としたものであって、平成27年9月14日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成28年1月29日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がされたものである。


第2 平成28年1月29日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の適否
1.補正の内容
(1)請求項1について
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1を、
「 ユーザ機器(UE)であって、
イベント1Aに関連する測定レポートを送信するように構成される送信機と、
高速ダウンリンク共有チャネル(HS-DSCH)ターゲットセル事前設定情報を受信するように構成される受信機と、
前記送信機は、イベント1Dに関連する別の測定レポートを送信するようにさらに構成され、
前記イベント1Dの測定レポートが送信されるという条件でタイマを開始するように構成されるコントローラと、
前記タイマの満了まで、またはターゲットセルの高速共有制御チャネル(HS-SCCH)オーダーの受信まで、ターゲットセルのHS-SCCHをモニタするように構成される前記コントローラと
を備え、
前記HS-DSCHターゲットセル事前設定情報は、前記ターゲットセルに関連し、および前記ターゲットセルのHS-SCCHオーダーに適用される、UE。」(下線は、請求人が手続補正書において補正箇所を示すものとして付加したものを援用したものである。以下同様。)
とする補正(以下、「補正事項1」という。)を含んでいる。

(2)請求項9について
本件補正は、特許請求の範囲の請求項9を、
「 ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、前記方法は、
前記UEによって、イベント1Aに関連する測定レポートを送信することと、
前記UEによって、高速ダウンリンク共有チャネル(HS-DSCH)ターゲットセル事前設定情報を受信することと、
前記UEによって、イベント1Dに関連する別の測定レポートを送信することと、
前記イベント1Dの測定レポートが送信されるという条件で、前記UEによって、タイマを開始することと、
前記UEによって、前記タイマの満了まで、またはターゲットセルの高速共有制御チャネル(HS-SCCH)オーダーの受信まで、ターゲットセルのHS-SCCHをモニタすることと
を備え、
前記HS-DSCHターゲットセル事前設定情報は、前記ターゲットセルに関連し、および前記ターゲットセルのHS-SCCHオーダーに適用される、方法。」
とする補正(以下、「補正事項2」という。)を含んでいる。


2.補正の適否
(1)補正事項1について
本件補正の補正事項1は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である各構成について「回路」と表記していたものを、それぞれ「送信機」「受信機」及び「コントローラ」と表記を改めることにより各構成を限定し、更に、「タイマを開始する」ことに関して、「前記イベント1Dの測定レポートが送信されるという条件で」行われるという限定を付加するものである。そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「補正発明1」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。

ア 刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2007/040331号(以下、「刊行物1」という。)には、以下の事項が記載されている。

a.「 The procedure starts with a measurement report from the UE indicating that the quality of the new radio link is good (event IA). The UTRAN then instructs the target node B which manages target cell to establish the new radio connection. Subsequently, the UE is informed about the addition of the radio link to the active set.
When the new radio link becomes the best cell, the UE sends another measurement report (event ID). Upon receiving this report, the UTRAN orders the target node B to establish the HS-DPA configuration. Subsequently, the UE is informed about the HS-DSCH serving cell change which is done by means of a radio bearer reconfiguration procedure.」(2頁21?30行)(訳(注:当審における訳は、上記刊行物1に対応する日本語の公表公報である特表2009-512267号の記載を援用した。以下同様。):このような手順は、新たな無線リンクの品質が良好であることを示すUEからの測定報告(measurement report)とともに開始される(イベント1A)。その後、UTRANは、新たな無線接続を設定するようにターゲットセルを管理するターゲットノードBを指示する。その次に、UEは、アクティブセットに無線リンクを追加することを示す通知を受ける。
上記新たな無線リンクが最適のセル(best cell)となると、UEは、他の測定報告を送信する(イベント1D)。このような報告を受信すると、UTRANは、ターゲットノードBにHS-DPA設定(configuration)を確立することを指示する。その次に、UEは、無線ベアラ再設定(reconfiguration)手続きにより、HS-DSCHサービングセル変更が完了したという通知を受ける。(【0008】【0009】段落参照))(注:下線は当審で付した。以下同様。)

b.「An enhanced procedure is proposed in an attempt to improve the performance of the HS-DSCH cell change procedure. This procedure is referred to as the 'Enhanced HSDPA re-pointing procedure'. An overview of this enhanced HS-DSCH serving cell change procedure, which involves a change of node B case, is provided in FIG. 3.
There are main differences between the Enhanced HSDPA re -pointing procedure and the original HS-DSCH serving cell change procedure.
Whenever a cell is added to the active set, the RNC may decide to prepare the UE and the node B for a possible HS-DSCH cell change to the concerned cell, by pre-conf#gui#ng HSDPA related information.
When the UE detects that one of the pre-configured cells has become the best, it starts monitoring the HS-SCCHs channel of the concerned cell (after waiting for a configurable amount of time) while it continues normal HSDPA operation for the current serving HS-DSCH cell. In HSDPA, the HS-SCCH channel is used by the node B to signal information about the scheduling of data, which is transferred via the HS-DSCH channel
When the RNC decides to perform the HS-DSCH cell change, it indicates this to the UE via one of the HS-SCCHs of the concerned target cell. Upon detection of data that is scheduled via an HS pre-configured (HS candidate) cell, the UE switches. For example, the concerned cell becomes the serving HS-DSCH cell
Prior to the indication on HS-SCCH such as prior to switching to the new cell, the RNC may order the current cell to discontinue HS- transmission. The source node may provide status information regarding data that is still outstanding. Alternatively, the RNC may delay discontinuation of the HS- transmission in the current cell to reduce the interruption time. However, this may result in unnecessary retransmissions
It should be noted that the Enhanced HS-DPA re-pointing procedure applies a modified version of the Radio Link Reconfiguration procedure, in which the HDSPA configuration is preloaded during a prepare/ready phase while the actual use of the configuration triggered by the commit is delayed (or does not happen at all).
FIG. 4A illustrates an architecture of the HS-DPA related functionality of a UE. The UE comprises a signaling receiver, a signaling transmitter and memory. The signaling receiver 300 comprises a unit that measures the signal strengths of cells. The unit also determines whether a condition for initiating a measurement report has passed a section that handles the reception of the RRC (radio control) messages and a section that receives the HS-DPA control information, such as HS-SCCH (High Speed Shared Control Channel) in the UMTS and a section that receives the HS-DPA data information such as the HS- DSCH (High Speed Downlink Shared Channel) in the UMTS.
The signaling transmitter 310 mainly handles the transmission of RRC messages. For example, the signaling transmitter 310 focuses on reporting a measurement or on confirming the successful completion of a UTRAN command. The memory 320 comprises configuration information for each active set cell. More specifically, the memory 320 comprises HS-DPA configuration information for the HS-DSCH serving cell.」(5頁6行?6頁18行)(訳:HS-DSCHセル変更手続きの遂行を改善するための手続きが提案される。このような手続きを‘拡張された(Enhanced)HSDPA再指示(re-pointing)手続き’と呼ぶ。図3は、ノードBの変更を含む拡張されたHS-DSCHサービングセル変更手続きを概略的に示す。
拡張されたHSDPA再指示手続きと一般的なHS-DSCHサービングセル変更手続きとは、次のような主な差異点がある。
セルがアクティブセットに追加される度に、RNCは、HSDPA関連情報を事前設定することにより、関連セルへのHS-DSCHセル変更のために、UE及びノードBを準備させることを決定する。
UEが事前設定されたセルのうちの1つがベストセル(best cell)となったことを感知すると、現在のサービングHS-DSCHセルのための基本的なHSDPA動作を遂行しつつ(予め定められた時間の間に待機した後に)、関連セルのHS-SCCHチャネルのモニタリングを開始する。
HSDPAにおいて、HS-SCCHチャネルは、HS-DSCHチャネルを介して転送されるデータのスケジューリングに関する情報をシグナリングするために、ノードBにより使用される。
RNCがHS-DSCHセル変更を遂行することを決定すると、関連ターゲットセルのHS-SCCHのうちの1つを介してUEにこのような事実を通知する。HS事前設定された(HS候補(candidate))セルを介してスケジューリングされたデータが感知されると、UEは、スイッチングする。例えば、関連セルがサービングHS-DSCHセルとなる。
新たなセルにスイッチングする前のようにHS-SCCHを通知する前に、RNCは、現在のセルにHS送信を中断することを指示する。ソースノードは、まだ残っている(outstanding)データと関連した状態情報を提供する。その代りに、RNCは、インタラプトタイムを減少させるために、現在のセルでのHS送信の中断を保留することができる。しかしながら、これは、不必要な再送信を引き起こすことができる。
拡張されたHS-DPA再指示手続きは、無線リンク(Radio Link:RL)再設定手続きの変形されたバージョンを適用する。ここで、HS-DPA設定は、プリペア/レディーフェーズ(prepare/ready phase)の間にあらかじめローディングされ、設定の実質的な使用は、遅延された命令(commit)によりトリガーされる(またはまったく起こらない。)。
図4Aは、UEの機能と関連したHS-DPAのアーキテクチャを示す。UEは、信号受信器と、信号送信器と、メモリとを含む。信号受信器300は、セルの信号強度を測定するユニットを含む。また、このユニットは、測定報告を開始するための条件がRRCメッセージの受信を管理する部分と、UMTSにおいて、高速共用制御チャネル(High Speed Shared Control Channel:HS-SCCH)のようなHS-DPA制御情報を受信する部分と、UMTSにおいて、高速ダウンリンク共用チャネル(High Speed Downlink Shared Channel:以下、“HS-DSCH”と称する。)のようなHS-DPAデータ情報を受信する部分とを通過したか否かを確認する。
信号送信器310は、主に、RRCメッセージの送信を管理する。例えば、信号送信器310は、主に、測定報告またはUTRAN命令の成功的な完了を確認する。メモリ320は、各アクティブセットのセルのための設定情報を含む。より詳細に、メモリ320は、HS-DSCHサービングセルのためのHS-DPA設定情報を含む。(【0018】?【0027】段落参照))

c.「With reference to FIG. 6A, the UE receives a request to prepare the cell as an HS-DSCH candidate (step 802). The UE starts monitoring the new cell using an initial control channel configuration (step 804). The UE detects a handover command via an indication on the control channel (step 806). In step 808, the UE switches to a new cell using a complete control channel configuration. The UE receives data via a new cell which is acknowledged via an L2 control in step 810.」(10頁8?13行)(訳:図6Aを参照すると、UEは、HS-DSCH候補としてのセルを準備せよとの要請を受信する(ステップ802)。UEは、初期制御チャネル設定(initial control channel configuration)メッセージを用いて新たなセルのモニタリングを開始する(ステップ804)。UEは、制御チャネルの指示を介してハンドオーバー命令を感知する(ステップ806)。ステップ808で、UEは、制御チャネル設定完了(complete control channel configuration)メッセージを用いて新たなセルにスイッチングする。UEは、ステップ810で、L2制御を介して認識される新たなセルを介してデータを受信する。(【0050】段落参照))


d.図3には次のように記載されている。


e.図4Aには次のように記載されている。


上記摘記事項c.における、「初期制御チャネル設定メッセージ」は、上記摘記事項b.に記載された「HSDPA関連情報を事前設定する」ための情報であるといえる。
そうすると、上記刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明)
「イベント1Aに関し、新たな無線リンクの品質が良好であることを示す測定報告を送信する信号送信器と、
セルがアクティブセットに追加される度に、HSDPA関連情報を事前設定するための情報を受信する信号受信器と、
イベント1Dに関し、前記新たな無線リンクがベストセルとなると、他の測定報告を送信する前記信号送信器と、
事前設定されたセルのうちの1つがベストセルとなったことを感知すると、現在のサービングHS-DSCHセルのための基本的なHSDPA動作を遂行しつつ(予め定められた時間の間に待機した後に)、関連セルのHS-SCCHチャネルのモニタリングを開始する手段と、
を備え、
前記HSDPA関連情報を事前設定するための情報を用いて、新たなセルのモニタリングを開始し、制御チャネルの指示を介してハンドオーバー命令を感知するUE。」


イ 対比
補正発明1と引用発明とを対比すると、
引用発明では、「前記HSDPA関連情報を事前設定するための情報を用いて、新たなセルのモニタリングを開始し、制御チャネルの指示を介してハンドオーバー命令を感知」しているから、「HSDPA関連情報を事前設定するための情報」は「新たなセル」である「ターゲットセル」に関連した情報といえ、また当該情報を使って、制御チャネルの指示を介してハンドオーバー命令を感知しているから、これは補正発明1の「ターゲットセルのHS-SCCHオーダーに適用される」構成に相当しているといえる。
そうすると、補正発明1と引用発明とは以下の点で一致ないし相違するものと認められる。

(一致点)
「 ユーザ機器(UE)であって、
イベント1Aに関連する測定レポートを送信するように構成される送信機と、
高速ダウンリンク共有チャネル(HS-DSCH)ターゲットセル事前設定情報を受信するように構成される受信機と、
前記送信機は、イベント1Dに関連する別の測定レポートを送信するようにさらに構成され、
前記イベント1Dの測定レポートが送信されるという条件でターゲットセルのHS-SCCHをモニタを開始するように構成されるコントローラと、
を備え、
前記HS-DSCHターゲットセル事前設定情報は、前記ターゲットセルに関連し、および前記ターゲットセルのHS-SCCHオーダーに適用される、UE。」

(相違点)
補正発明1において、コントローラは、イベント1Dの測定レポートが送信されるという条件でタイマを開始し、前記タイマの満了まで、またはターゲットセルの高速共有制御チャネル(HS-SCCH)オーダーの受信まで、ターゲットセルのHS-SCCHをモニタするように構成されるのに対して、引用発明にはこれに対応する構成について記載されていない点。


ウ 判断
上記相違点について検討する。
刊行物1には、ターゲットセルのモニタをいつ終了するのか明示的に記載はされていない。しかしながら、図3をみると、UEの動作として、「新たなセルのモニタリング開始する」という動作の後、「新たなセルでスケジューリングされたデータを示す」「HS-SCCH」を受信し、その後に、「UEスイッチング、すなわち旧セルのモニタリングを中断する」ことが記載されている。そうしてみると、新たなセルのモニタリングは、その次のセルへのハンドオーバ時まで継続していると考えるのが自然であり、これを補正発明1のようにモニタリングの開始からタイマの満了などで決まる一定時間後に終了したり、あるいは、ターゲットセルの高速共有制御チャネル(HS-SCCH)オーダーの受信によって終了したりする構成に変更する合理的理由は存在しない。したがって、補正発明1は引用発明から容易に想到できたものとはいえない。
また、原査定の拒絶の理由に引用された米国特許出願公開第2006/0240831号明細書(以下、「刊行物2」という。)には、「The mobile terminal 10 then uses that channel information received from the serving BTS 18 to determine what channel to monitor, and monitors it during the handover window 44 b-e. 」(4頁[0061]段落)と記載されているように、ハンドオーバーウインド44b-eの間モニターをする技術について記載されているものの、図2及びこれに関連する明細書の記載を参照すれば、ハンドオーバーウインド44b-eはハンドオーバーすることが決定した後に、期間(intervals 30b-e)ごとに設けられるものである。そうしてみると、引用発明のようにハンドオーバするか否かをモニタリングする期間を特定するものとは異なっており、更に、上述したように、引用発明では新たなセルのモニタリングは、その次のセルへのハンドオーバ時まで継続することを前提としているから、刊行物2に記載された上記技術と引用発明とではその前提が異なっていることから、上記刊行物2に記載の技術を引用発明に適用する動機付けがない。
したがって、補正発明1は、引用発明及び刊行物2に記載の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
また、他に補正発明1が特許を受けることができない理由を発見しない。
よって、本件補正の補正事項1は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。


(2)補正事項2について
本件補正の補正事項2は、請求項9に記載した発明において、「タイマを開始する」ことに関して、「前記イベント1Dの測定レポートが送信されるという条件で」行われるという限定を付加するものである。そして、補正前の請求項9に記載された発明と補正後の請求項9に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。
更に、本件補正後の前記請求項9に記載された発明(以下、「補正発明9」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について検討すると、補正発明9は補正発明1を方法の発明にしたものに過ぎないから、上記(1)における検討と同様な理由により、補正発明9は、引用発明及び刊行物2記載の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
また、他に補正発明9が特許を受けることができない理由を発見しない。
よって、本件補正の補正事項2は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。


3.むすび
本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合する。


第3 本願発明
本件補正は上記のとおり、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合するから、本願の請求項1?16に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?16に記載された事項により特定されるとおりのものである。

そして、補正発明1及び補正発明9は、上記第2の2.のとおり、当業者が引用発明及び刊行物2記載の技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
また、補正発明1又は補正発明9を引用する補正発明2?8、10?16は、補正発明1又は補正発明9に係る発明をさらに限定した発明であるから、当業者が引用発明及び刊行物2記載の技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-11-08 
出願番号 特願2012-279790(P2012-279790)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 齋藤 浩兵  
特許庁審判長 加藤 恵一
特許庁審判官 佐藤 智康
山本 章裕
発明の名称 サービングHS-DSCHセルの変更を実行するための方法および装置  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  

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