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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 C21D 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 C21D 審判 全部申し立て 2項進歩性 C21D |
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管理番号 | 1321274 |
異議申立番号 | 異議2016-700927 |
総通号数 | 204 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2016-12-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-09-28 |
確定日 | 2016-11-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第5896106号発明「高周波熱処理装置及び高周波熱処理方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第5896106号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第5896106号の請求項1?2に係る特許(以下、それぞれ「本件特許1」、「本件特許2」といい、これらを総称するときは「本件特許」という。)は、平成23年 7月20日にその出願が特許出願され、平成28年 3月11日にその特許権の設定の登録がされたものである。 その後、本件特許1?2について、特許異議申立人 吉村 光顕により特許異議の申立てがされた。 第2 本件特許 本件特許の請求項1?2に係る発明(以下、「本件特許発明1」、「本件特許発明2」といい、これらを総称するときは「本件特許発明」という。)は、それぞれ、本件特許の願書に添付した明細書の特許請求の範囲の請求項1?2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 【請求項1】 螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイルを備えて、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流が印加されることで、前記高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体が高周波誘導加熱される高周波熱処理装置であって、 前記高周波誘導加熱コイルの外周又は内周に配置されて非磁性体の良導体によって構成される加熱抑制コイルと、 前記加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段と、 を有し、 前記加熱抑制コイルに、前記高周波誘導加熱コイルに印加される高周波電流に対して逆方向の高周波電流が印加されることを特徴とする高周波熱処理装置。 【請求項2】 螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加して、前記高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体を高周波誘導加熱させる高周波熱処理方法であって、 前記高周波誘導加熱コイルの外周又は内周に、非磁性体の良導体によって構成される加熱抑制コイルを設けておいて、 前記被加熱体を前記高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに前記加熱抑制コイルを前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置して、 この状態で前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加し、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加している間、前記加熱抑制コイルに、前記高周波誘導加熱コイルに印加する高周波電流に対して逆方向の高周波電流を印加することを特徴とする高周波熱処理方法。 第3 申立理由の概要 特許異議申立人は、証拠として甲第1号証及び甲第2号証を提出し、以下の申立理由1及び申立理由2により、本件特許1及び2を取り消すべきものである旨主張している。 1 新規性・進歩性について (申立理由1)本件特許発明1及び2は、甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであるから、その特許を取り消すべきものである。 又は、本件特許発明1及び2は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証に記載された発明とに基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、その特許を取り消すべきものである。 2 実施可能要件について (申立理由2)本件特許発明1の「前記加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段」という発明特定事項、本件特許発明2の「前記被加熱体を前記高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに前記加熱抑制コイルを前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置」するという発明特定事項について、本件特許の発明の詳細な説明の記載が、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものでないから、その特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、その特許を取り消すべきものである。 3 証拠方法 甲第1号証:特開2003-64414号公報 甲第2号証:特開平4-254516号公報 第4 甲号証の記載事項 1 甲第1号証:特開2003-64414号公報 本件特許に係る出願の日前に頒布された刊行物である甲第1号証には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審で付したものであり、「・・・」は記載の省略を示す。以下、同様である。 (1-ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】全体形状が略柱状を呈するワークを高周波の誘導加熱によって加熱する高周波誘導加熱用コイル装置であって、 該コイル装置は、導体を所定方向に向けて複数回巻回した第1コイル部と、該第1コイル部の軸方向に沿った所定位置でその巻き方向が前記所定方向と逆方向に巻回された第2コイル部と、を備えることを特徴とする高周波誘導加熱用コイル装置。 【請求項2】前記第2コイル部は、第1コイル部より巻数が少なく設定され第1コイル部の内側に位置することを特徴とする請求項1記載の高周波誘導加熱用コイル装置。」 (1-イ)「【0002】 【従来の技術】・・・そして、この積層鉄芯の形成時の加熱方法として、高周波誘導加熱が使用されており、そのコイル装置は、例えば外周面が絶縁処理された銅パイプを同一方向に複数回巻回することによって形成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このコイル装置にあっては、銅パイプを同一方向に所定回数巻回することによって形成されているため、積層鉄芯に誘起される磁束の向きが該鉄芯の一端側から他端側に向けて一定方向となり、両端部と中間部に例えば補強用に設けられたステンレス板部分の加熱温度が他の部分より高くなり易い。 【0004】その結果、積層鉄芯の軸方向における各珪素鋼板の加熱温度が不均一となって、珪素鋼板の固着強度等にバラツキが発生し、該鉄芯に高精度な回転特性が得られ難いという問題点を有している。この傾向は、積層鉄芯の長さが長くなり中間に介在されるステンレス板(補強板)が多くなるにつれ顕著になり易く、その改善が望まれているのが実状である。 【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、巻き方向を効果的に設定することにより、略柱状ワークの軸方向に沿った加熱温度の均一化を図って高品質のワークが容易に得られる高周波誘導加熱用コイル装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、全体形状が略柱状を呈するワークを高周波の誘導加熱によって加熱する高周波誘導加熱用コイル装置であって、該コイル装置は、導体を所定方向に向けて複数回巻回した第1コイル部と、該第1コイル部の軸方向に沿った所定位置でその巻き方向が前記所定方向と逆方向に巻回された第2コイル部と、を備えることを特徴とする。そして、請求項2記載の発明は、前記第2コイル部が、第1コイル部より巻数が少なく設定され第1コイル部の内側に位置することを特徴とする。」 (1-ウ)「【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1?図4は、本発明に係わる高周波誘導加熱用コイル装置の一実施例を示している。図において、コイル装置1は、外周面が絶縁処理された銅パイプを巻回することにより形成されたコイル部2と、このコイル部2を例えば図示しないトランジスタインバータの出力端子に着脱可能に固定保持する固定部3とを有している。 【0008】前記コイル部2は、所定方向(例えば右巻き方向)に所定回数n1(例えばn1=34回)巻回された円形の第1コイル部4と、この第1コイル部4に直列的に巻回され第1コイル部4の軸方向の略中間位置に該コイル部4とは逆方向(例えば左巻き方向)に所定回数n2(例えばn2=1回)巻回された円形の第2コイル部5とで構成されている。なお、第2コイル部5の巻数n2は、第1コイル部4の巻数n1の例えば10分の1以下に設定され、第2コイル部5は第1コイル部4の内側に嵌挿配置されている。 【0009】そして、このコイル部2の両端部、すなわち第1コイル部4の一端側と第2コイル部5の他端側は、絶縁板9を介して圧接された一対の銅板6表面の角パイプ7にそれぞれ接続され、この各角パイプ7の先端にはホースコネクター8がそれぞれ固定されている。また、銅板6は、平面視コ字状に形成されて先端側の折曲面6aと平面部6bに前記角パイプ7が固定され、後端側の折曲面6cが前記トランジスタインバータへの固定面を形成している。なお、角パイプ7に固定されたホースコネクター8には、トランジスタインバータに例えば一体化された冷却装置が接続され、冷却水が角パイプ7とコイル部2に循環供給されるように構成されている。 【0010】このコイル装置1よれば、銅板6の折曲面6cをトランジスタインバータの出力端子にボルト等でそれぞれ固定し、冷却装置とホースコネクター8とを可撓性のホースで接続する。そして、コイル部2の円形内にワークとしての積層鉄芯を図示しない支持装置で嵌挿支持させ、トランジスタインバータを作動させると、高周波電流が銅板6、銅パイプ7を介してコイル部2の第1コイル部4と第2コイル部5に供給される。また、この高周波電流の供給と略同時にホースを介してコイル部2の銅パイプ内に冷却水が循環供給され、コイル部2の発熱が抑えられる。 【0011】コイル部2に高周波電流が供給されると、第1コイル部4と第2コイル部5からそれぞれ所定方向の磁束が発生し、この磁束は、第1コイル部4と第2コイル部5の巻き方向が逆向きに設定されていることから、その軸方向の略中間部分において、互いに逆方向の磁束が交差し、該部分に発生する第1コイル部4による磁束が第2コイル部5の磁束で一部打ち消される状態となる。 【0012】これにより、ワークの長手方向の略中間位置に配置された補強板部分に誘起される渦電流が他の部分に対して少なくなり、ワークの長手方向全域における誘導加熱状態、すなわち加熱温度が均一化される。この加熱温度の均一化で、積層鉄芯の多数枚の珪素鋼板が均一に接着固定され、この積層鉄芯を例えばモータの回転子として使用することにより、安定した回転が得られることになる。なお、実験によれば、コイル装置1の使用で、積層鉄芯の長手方向における温度差を数度(例えば3℃)以内に設定できることが確認されている。 【0013】つまり、積層鉄芯の補強や極の分割のために設けられるステンレス板部分における磁束を一部打ち消して該部分に誘起される渦電流を小さくすることで、他の部分との渦電流の平均化を図り、積層鉄芯の長手方向全域の加熱温度を均一化して、各積層鉄芯間の固着状態等を安定させることができる。また、巻数の少ない第2コイル部5が第1コイル部4の内側に位置することで、第2コイル部5を第1コイル部4で保護できて、コイル装置1の形状の安定化と使い勝手の向上が図れる。 【0014】なお、以上の説明においては、コイル部2を円形に形成したが、ワークの形状によっては方形状に形成することもできるし、コイル部2の形態として馬蹄形状に形成することもできる。また、上記実施例の第1コイル部4と第2コイル部5の巻数n1、n2も一例であって適宜に増減することができるし、本発明はワークとして積層鉄芯に限らず、他の適宜の略柱状を呈するワークに適用することができる。 【0015】 【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、所定方向に巻回された第1コイル部と、この第1コイル部の巻き方向が逆の第2コイル部とを備えるため、第2コイル部で第1コイル部の磁束を弱めることができ、例えばワークの中間部に設けられた補強板部分の加熱温度を下げて、ワークの軸方全域における温度を均一化して、高品質のワークを得ることができる。 【0016】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、巻数が少ない第2コイルが第1コイル部の内側に位置するため、第2コイル部を第1コイル部で保護できて、コイル装置の耐久性向上が図れると共に、使い勝手の向上を図ることができる。」 (1-エ)「【図1】 」 (1-オ)「【図2】 」 (1-カ)「【図3】 」 (1-キ)「【図4】 」 2 甲第2号証:特開平4-254516号公報 本件特許に係る出願の日前に頒布された刊行物である甲第2号証には、以下の事項が記載されている。 (2-ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】長軸形状部材を高周波焼入する装置において、前記長軸形状部材の端部に複合リングを装着し、該複合リングは耐熱、耐摩耗および絶縁性に優れた内筒の外周に通電性に優れた外筒を嵌着して形成され、前記長軸形状部材の端部との接触部が複合リングの内筒に形成されていることを特徴とする長軸形状部材の高周波焼入装置。」 (2-イ)「【0002】 【従来の技術】長軸形状部材の高周波焼入は図6に示すように、被焼入物1を加熱コイル3に対し所定の位置にセンタ2で支持し、加熱コイル3に高周波電流を流して被焼入物1の焼入に必要な部分のみを加熱することにより行なわれる。この高周波焼入において、被焼入物1の焼入に必要な部分のみを加熱することは、被焼入物1の軸長さL1と加熱コイル3の有効長さL2の長さ関係を調節することにより達成される。このように両者の長さL1、L2を調節することにより被焼入物1に対して最適な焼入部4が得られる。 【0003】例えば、図7に示すように図6で用いた加熱コイル3を使用して、被焼入物1よりも軸長さが短い被焼入物5を焼入した場合に、加熱コイル3よりも引っ込んだ被焼入物5の先端6は被焼入物5の中心部にまで焼入されてしまい、この被焼入物5を製品として使用した時にその先端が欠けたり割れたりするという事態が発生して不具合である。したがって、被焼入物に対して最適な焼入パタ-ンを得るためには、一つの被焼入物に対して一つの加熱コイルを対応させるのが一番良いのであるが、大量生産性や設備費の点で必ずしも得策ではない。 【0004】そこで従来から一つの加熱コイルで軸長さが異なる被焼入物の焼入が可能な焼入装置を開発している。図4および図5を用いて従来の焼入装置を説明する。先ず図4において、長軸形状の被焼入物1の寸法に合わせて作られた加熱コイル3に対して被焼入物1がセンタ2により位置決め支持されている。この被焼入物1の一端には通電性が高い銅リング7がスプリング8により圧接支持されている。そこで加熱コイル3に高周波電流を流すと電磁誘導により銅リング7には加熱コイル3の高周波電流とは逆向きの電流が流れる。このようにして互いに逆向きの電流が流れることにより、この電流により生じる磁束は互いに打ち消し合う作用をする(以下この現象を二次コイル効果という)。図4の場合には加熱コイル3と銅リング7との間の距離が離れているので、互いの磁束同志の打ち消し合う力が弱くなり、銅リング7による二次コイル効果が少なくなってほぼ加熱コイル3のみにて加熱されるようになり、被焼入物1には最適な焼入パタ-ン4が形成される。次に図5に示すように、同じ加熱コイル3を用いて図4に示す被焼入物1よりも軸長さが短い被焼入物5を加熱した場合に、銅リング7と加熱コイル3とは近接しているので二次コイル効果が大きく働き、被焼入物5の端部における磁束が弱められてその部分の加熱が抑制され、軸長さが短い被焼入物5には最適な焼入パタ-ン4が形成されるようになっている。このように二次コイル効果により磁束の強さを調節して焼入する技術は実開昭61-11761号公報に開示されており、上記銅リングの使用はこの技術を応用したものである。 【0005】また、実開昭60-181361号公報には上記銅リング7に代えてシ-ルドリングを用い、被焼入物端部の磁束を遮蔽して端部の加熱を制限するようにしたもの、また、特開昭56-65928号公報には大径と小径とを有する形状の長軸被焼入物を一つの加熱コイルで焼入する技術が開示されており、その構成は大径部と小径部との段部に絶縁材を介して当接する良導電性材料で作られたシ-ルド部材を小径部に嵌着し、小径部の磁束を遮蔽して先ず大径部を加熱し、次にシ-ルド部材を除去して小径部を加熱するようにして、大径部と小径部とに最適な焼入パタ-ンを形成するようにしたものである。」 (2-ウ)「【0012】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 【0011】図1において、被焼入物5は加熱コイル3に対してセンタ2により位置決め支持されている。被焼入物5の一端にはセンタ2に嵌合支持された複合リング9が設けられ、この複合リング9はスプリング8により被焼入物5の端部に押圧されている。この複合リング9は図3にも示すように、内筒10の外周に外筒11を嵌着して形成されている。内筒10には鍔部12が設けられ、被焼入物との当接面13が形成されている。この実施例の複合リング9の外径は被焼入物5の外径に略等しくしているので、被焼入物5の端部との当接において外筒11が被焼入物5の端部に接触しないようにするために内筒10に鍔部12を設けて当接面13を形成しているが、内筒10の形状はこれに限定されるものではなく、要するに外筒11が被焼入物5の端部に接触しないものであればよい。内筒10の材質としては耐熱性、耐摩耗性および絶縁性に優れた材料が使用され、例えばSi3 N4 が用いられる。また、外筒11の材質としては通電性に優れた材料、例えば銅が用いられる。 【0012】次にこのように構成した本実施例の作用について説明する。図1は被焼入物5の軸長さが加熱コイル3に対して短い場合の焼入を示すものである。この場合において、加熱コイル3と外筒10とは近接しているので、二次コイル効果が大きなものとなり互いの磁束同志を打ち消し合う。これにより被焼入物5には最適な焼入パタ-ン4が形成される。また、図2に示すように被焼入物1の長さが加熱コイル3の長さに対して適切であるときには、加熱コイル3と外筒11との間の距離が離れているので二次コイル効果が小さくなり、互いの磁束同志の打ち消し合いが弱いものとなる。これにより、被焼入物1の加熱は加熱コイル3にて加熱されるようになり、被焼入物1には最適の焼入パタ-ン4が形成される。このように被焼入物は二次コイル効果を利用して焼入される。」 第5 申立理由1について 1 甲第1号証に記載された発明 ア 甲第1号証の上記(1-ア)には、「全体形状が略柱状を呈するワークを高周波の誘導加熱によって加熱する高周波誘導加熱用コイル装置であって、 該コイル装置は、導体を所定方向に向けて複数回巻回した第1コイル部と、該第1コイル部の軸方向に沿った所定位置でその巻き方向が前記所定方向と逆方向に巻回された第2コイル部と、を備えることを特徴とする高周波誘導加熱用コイル装置。」が記載されている。 イ また、上記アのコイル部について、上記(1-ウ)の【0007】に「コイル装置1は、外周面が絶縁処理された銅パイプを巻回することにより形成されたコイル部2」と記載されているから、上記アのコイル部は、銅パイプからなるものであり、同【0008】に「前記コイル部2は、所定方向(例えば右巻き方向)に所定回数n1(例えばn1=34回)巻回された円形の第1コイル部4と、この第1コイル部4に直列的に巻回され第1コイル部4の軸方向の略中間位置に該コイル部4とは逆方向(例えば左巻き方向)に所定回数n2(例えばn2=1回)巻回された円形の第2コイル部5とで構成されている」と記載され、本発明に関わる高周波誘導加熱用コイル装置の平面図を示す上記(1-オ)の【図2】から、上記アのコイル部のうち、第1コイル部4は螺旋状に巻かれ中空のコイル形状であるから、上記アのコイル部は、螺旋状に巻かれた中空のものといえる。 ウ また、高周波誘導加熱装置において、加熱するワークをコイル装置内に配置することは技術常識であるから、上記アの高周波誘導加熱用コイル装置においても、ワークがコイル装置内に配置されることは明らかである。 エ さらに、上記(1-ウ)の【0011】に「コイル部2に高周波電流が供給されると、第1コイル部4と第2コイル部5からそれぞれ所定方向の磁束が発生し、この磁束は、第1コイル部4と第2コイル部5の巻き方向が逆向きに設定されていることから、その軸方向の略中間部分において、互いに逆方向の磁束が交差し、該部分に発生する第1コイル部4による磁束が第2コイル部5の磁束で一部打ち消される状態となる。」と記載されていることからみて、第2コイル部には、第1コイル部に印加される高周波電流に対して逆方向の高周波電流が印加されるものといえる。 オ してみると、甲第1号証には、以下の発明が記載されていると認められる。 「螺旋状に巻かれた中空の第1コイル部を備え、高周波の誘導加熱によって、第1コイル部内に配置されたワークを加熱する高周波誘導加熱用コイル装置であって、 該第1コイル部の軸方向に沿った所定位置でその巻き方向が前記所定方向と逆方向に巻回された第2コイル部を有し、 コイル部2に高周波電流が供給されると、第1コイル部4と第2コイル部5からそれぞれ所定方向の磁束が発生し、 第2コイル部には、第1コイル部に印加される高周波電流に対して逆方向の高周波電流が印加される高周波誘導加熱用コイル装置。」(以下、「甲1-1発明」という。) カ また、甲第1号証には、甲1-1発明の高周波誘導加熱用コイル装置を用いる加熱方法として、以下の発明が記載されていると認められる。 「螺旋状に巻かれた中空の第1コイル部を備え、高周波の誘導加熱によって、第1コイル部内に配置されたワークを加熱する高周波誘導加熱方法であって、 該第1コイル部の軸方向に沿った所定位置でその巻き方向が前記所定方向と逆方向に巻回された第2コイル部を有し、 コイル部2に高周波電流が供給されると、第1コイル部4と第2コイル部5からそれぞれ所定方向の磁束が発生し、 第2コイル部には、第1コイル部に印加される高周波電流に対して逆方向の高周波電流が印加される高周波誘導加熱方法。」(以下、「甲1-2発明」という。) 2 対比・判断 (1)本件特許発明1について ア 本件特許発明1と甲1-1発明とを対比する。 イ 甲1-1発明の「第1コイル部」、「第2コイル部」は、それぞれ、本件特許発明1の「高周波誘導加熱コイル」、「加熱抑制コイル」に相当し、また、甲1-1発明の「高周波誘導加熱用コイル装置」は、ワークを加熱し処理するものであるから、本件特許発明1の「高周波熱処理装置」に相当する。 ウ してみると、両者は、 「螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイルを備えて、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流が印加されることで、前記高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体が高周波誘導加熱される高周波熱処理装置であって、 前記高周波誘導加熱コイルの外周又は内周に配置されて非磁性体の良導体によって構成される加熱抑制コイルと、 前記加熱抑制コイルに、前記高周波誘導加熱コイルに印加される高周波電流に対して逆方向の高周波電流が印加されることを特徴とする高周波熱処理装置。」 で一致し、以下の点で相違する。 相違点1:本件特許発明1が、「加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段」を有するのに対して、甲1-1発明の第2コイルは第1コイルと一体であり、その位置が固定されている点。 エ そこで、上記相違点1について検討する。 オ 上記相違点1に係る本件特許発明1の「加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段」という発明特定事項について、本件特許の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。 (本-1)「また、本項に記載の高周波熱処理装置は、被加熱体の加熱抑制部の位置が変更になった場合であっても、位置決め手段によって加熱抑制コイルを移動させるだけで対応することができるので、製品(被加熱体)毎に当て金を製作する必要がある公知技術と比較して、設備コストを大幅に削減することができるだけでなく、新規の製品(被加熱体)に対して迅速な対応が可能である。」(【0009】) カ この記載によれば、本件特許発明1の「加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段」とは、被加熱体の加熱抑制部の位置が変更になった場合であっても、加熱抑制コイルを移動させるだけで対応することができる手段、すなわち、「加熱抑制コイルを移動させることにより位置決めさせる手段」であるといえる。 キ 一方、甲1-1発明は、「両端部と中間部に例えば補強用に設けられたステンレス板部分の加熱温度が他の部分より高くなり易」く(【0003】)、「積層鉄芯の軸方向における各珪素鋼板の加熱温度が不均一となって、珪素鋼板の固着強度等にバラツキが発生し、該鉄芯に高精度な回転特性が得られ難いという問題点」(【0004】)に対して、「略柱状ワークの軸方向に沿った加熱温度の均一化を図って高品質のワークが容易に得られる高周波誘導加熱用コイル装置を提供すること」を解決しようとする課題とするものであって、「コイル部2に高周波電流が供給されると、第1コイル部4と第2コイル部5からそれぞれ所定方向の磁束が発生し、この磁束は、第1コイル部4と第2コイル部5の巻き方向が逆向きに設定されていることから、その軸方向の略中間部分において、互いに逆方向の磁束が交差し、該部分に発生する第1コイル部4による磁束が第2コイル部5の磁束で一部打ち消される状態」(【0011】)となり、これにより、ワークの長手方向の略中間位置に配置された補強板部分に誘起される渦電流が他の部分に対して少なくなり、ワークの長手方向全域における誘導加熱状態、すなわち加熱温度が均一化される(【0012】)というものであるから、その位置が被加熱体であるワークに対して位置決めされているといえる。しかしながら、第2コイル部は、「この第1コイル部4に直列的に巻回され第1コイル部4の軸方向の略中間位置に該コイル部4とは逆方向(例えば左巻き方向)に所定回数n2(例えばn2=1回)巻回された円形の第2コイル部5」(【0008】)であるから、第2コイル部と第1コイル部とは一体のものであり、第2コイル部は、その位置を移動することができない。してみると、上記相違点1は、実質的な相違点である。 ク したがって、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明と上記相違点1において相違するから、特許法第29条第1項第3号に該当せず、その特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではない。 ケ 次に、甲1-1発明において、甲第2号証の記載事項に基づいて、相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項である「加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段」を有することを想到できるかについて、検討する。 コ 甲第2号証には、長軸形状部材の高周波焼入において、一つの加熱コイルで軸長さが異なる被焼入物の焼入が可能な焼入装置において(上記(2-イ)の【0002】)、被焼入物5が加熱コイル3に対してセンタ2により位置決め支持され、被焼入物5の一端にはセンタ2に嵌合支持された複合リング9が設けられ、この複合リング9はスプリング8により被焼入物5の端部に押圧され、この複合リング9が内筒10の外周に外筒11を嵌着して形成され、外筒11の材質としては通電性に優れた材料、例えば銅が用いられ、加熱コイル3と外筒10とは近接しているので、二次コイル効果が大きなものとなり互いの磁束同志を打ち消し合うことにより、被焼入物5には最適な焼入パタ-ン4が形成されること(上記(2-ウ))が記載されている。 サ しかしながら、甲第1号証には、一つの加熱コイルで軸長さが異なる被焼入物(本件特許発明1の「被加熱体」に相当。)の焼入を可能にしようという技術思想が記載も示唆もされておらず、甲第2号証に記載される上記コの技術思想を適用しようとする動機付けがない。 シ また、仮に、甲第2号証に記載される上記コの技術思想を適用しようとする動機付けがあったとしても、甲1発明の第2コイルは、上記キで検討したようにその位置を移動することができないものであるとともに、略柱状ワークの中間部において、誘起される渦電流が他の部分に対して少なくするものであるから、甲第2号証に記載される被焼入物5の一端に通電性に優れた外筒11を設け、二次コイル効果により、被焼入物の端部の磁束を打ち消すことにより最適な焼入パタ-ンを形成するという技術思想を適用すると、当業者は、その位置を移動することができない第2コイルに加えて、甲第2号証に記載される通電性に優れた外筒11を設けるものを想到するのであって、甲1-1発明の第2コイルの位置を移動可能する位置決め手段を有することを想到できない。 ス してみると、甲1-1発明において、甲第2号証の記載事項に基づいて、相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項である「加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段」を有することを想到できるとはいえない。 セ したがって、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証に記載された発明とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 (2)本件特許発明2について ア 本件特許発明2と甲1-2発明とを対比する。 イ 甲1-2発明の「第1コイル部」、「第2コイル部」は、それぞれ、本件特許発明1の「高周波誘導加熱コイル」、「加熱抑制コイル」に相当し、また、甲1-2発明の「高周波誘導加熱方法」は、ワークを加熱し処理するものであるから、本件特許発明1の「高周波熱処理方法」に相当する。 ウ してみると、両者は、 「螺旋状に巻かれた中空の高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加して、前記高周波誘導加熱コイル内に配置された被加熱体を高周波誘導加熱させる高周波熱処理方法であって、 前記高周波誘導加熱コイルの外周又は内周に、非磁性体の良導体によって構成される加熱抑制コイルを設けておいて、 この状態で前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加し、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を印加している間、前記加熱抑制コイルに、前記高周波誘導加熱コイルに印加する高周波電流に対して逆方向の高周波電流を印加することを特徴とする高周波熱処理方法。」 で一致し、以下の点で相違する。 相違点2:本件特許発明2が、「前記被加熱体を前記高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに前記加熱抑制コイルを前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置して」いるのに対し、甲1-2発明はこのことが明らかでない点。 エ そこで、上記相違点2について検討する。 オ 上記相違点2に係る本件特許発明2の「前記被加熱体を前記高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに前記加熱抑制コイルを前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置して」いるという発明特定事項について、本件特許の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。 (本-2)「また、本項に記載の高周波熱処理方法は、被加熱体の加熱抑制部の位置が変更になった場合であっても、加熱抑制コイルを移動させるだけで対応することができるので、製品(被加熱体)毎に当て金を製作する必要がある公知技術と比較して、設備コストを大幅に削減することができるだけでなく、新規の製品(被加熱体)に対して迅速な対応が可能である。」 カ この記載によれば、本件特許発明2の「前記被加熱体を前記高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに前記加熱抑制コイルを前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置」することは、被加熱体の加熱抑制部の位置が変更になった場合であっても、加熱抑制コイルを移動させるだけで対応すること、すなわち、「加熱抑制コイルを移動させることによって、被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置する」ことといえる。 キ 一方、甲1-2発明は、上記(1)キで検討したものと同様の理由により、第2コイル部は、その位置を移動するものではないから、上記相違点2は、実質的な相違点である。 ク したがって、本件特許発明2は、甲第1号証に記載された発明と上記相違点2において相違するから、特許法第29条第1項第3号に該当せず、その特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではない。 ケ 次に、甲1-2発明において、甲第2号証の記載事項に基づいて、相違点2に係る本件特許発明2の発明特定事項である「前記被加熱体を前記高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに前記加熱抑制コイルを前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置して」いることが想到できるかについて、検討すると、上記(1)コ?シで検討したものと同様の理由により、甲第1号証には、一つの加熱コイルで軸長さが異なる被焼入物の焼入を可能にしようという技術思想が記載も示唆もされていないから、甲第2号証に記載される上記(1)コの技術思想を適用しようとする動機付けがなく、仮に、甲第2号証に記載される上記コの技術思想を適用しようとする動機付けを得たとしても、甲1-2発明の第2コイルを移動可能として前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置させることを想到できるとはいえない。 コ してみると、甲1-2発明において、甲第2号証の記載事項に基づいて、相違点2に係る本件特許発明2の発明特定事項である「前記被加熱体を前記高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに前記加熱抑制コイルを前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置して」いることを想到できるとはいえない。 サ したがって、本件特許発明2は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証に記載された発明とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 第6 申立理由2について ア 本件特許の発明の詳細な説明には、「前記加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段」について、以下の記載がある。 (本-3)「【0015】 図1に示されるように、高周波熱処理装置は、非磁性体の良導体によって構成された線材が一定の巻径で螺旋状に巻かれて形成された中空の高周波誘導加熱コイル5を有する。また、高周波熱処理装置は、非磁性体の良導体によって構成されて高周波誘導加熱コイル5の外周に配置される加熱抑制コイル6を有する。加熱抑制コイル6は、コイル巻数が1であるとともに、内径が高周波誘導加熱コイル5の外径よりも大きく形成されている。なお、高周波誘導加熱コイル5の軸線(中心線)と加熱抑制コイル6の軸線とは一致する。 【0016】 また、高周波熱処理装置は、加熱抑制コイル6を高周波誘導加熱コイル5に対して軸線方向へ移動及び位置決めさせる位置決め手段を備えている。位置決め手段は、例えば、直動ガイド、ボールねじ、サーボモータ及び制御装置を含んで構成される公知技術を採用して構成することができる。また、加熱抑制コイル6を高周波誘導加熱コイル5に対して手動で移動及び位置決めさせるように位置決め手段を構成することもできる。」 (本-4)「【図1】 」 イ これらの記載によれば、「前記加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決め手段」は、具体的には、例えば、「直動ガイド、ボールねじ、サーボモータ及び制御装置を含んで構成される公知技術を採用して構成」されるものといえる。 ウ ここで、例示される「直動ガイド、ボールねじ、サーボモータ及び制御装置」は、動作対象物を直線方向に移動及び位置決めする公知の機構(以下、「位置決め機構」という。)であるが、本件特許の発明の詳細な説明には、位置決め機構と加熱抑制コイルとがどのように接続され、加熱抑制コイルが高周波誘導加熱コイルの外周又は内周において、どのように保持されるのかについて具体的な記載はない。 エ しかしながら、高周波誘導加熱コイルによる加熱の影響を避けるべく、上記位置決め機構をコイル外部に設置することは、当業者が自然に着想することであるし、その場合に、加熱抑制コイルと上記位置決め機構とを何らかの保持手段により結合することは技術常識に照らして明らかである。 オ してみると、「前記加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段」について、本件特許の発明の詳細な説明に具体的な記載がなくても、当業者であれば、発明の詳細な説明に記載される上記位置決め機構と、技術常識から明らかである何らの保持手段等とにより、「前記加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段」を作ることができるといえる。 カ したがって、本件特許発明1の「前記加熱抑制コイルを前記被加熱体に対して位置決めさせる位置決め手段」という発明特定事項について、本件特許の発明の詳細な説明の記載が、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものでないとはいえないから、その特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。 カ また、本件特許発明2の「前記被加熱体を前記高周波誘導加熱コイル内に配置するとともに前記加熱抑制コイルを前記被加熱体の発熱量を抑制したい部分に対向させて配置」するための手段についても、上記ア?オで検討したものと同様の理由により、本件特許の発明の詳細な説明の記載が、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものでないとはいえないから、その特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。 第7 むすび したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許1及び2を取り消すことはできない。 また、他に本件特許1及び2を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2016-11-09 |
出願番号 | 特願2011-158919(P2011-158919) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(C21D)
P 1 651・ 536- Y (C21D) P 1 651・ 113- Y (C21D) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 蛭田 敦、佐藤 陽一、山中 春奈 |
特許庁審判長 |
板谷 一弘 |
特許庁審判官 |
土屋 知久 富永 泰規 |
登録日 | 2016-03-11 |
登録番号 | 特許第5896106号(P5896106) |
権利者 | トヨタ自動車株式会社 |
発明の名称 | 高周波熱処理装置及び高周波熱処理方法 |