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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1321825
審判番号 不服2015-10160  
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-01 
確定日 2016-11-14 
事件の表示 特願2013-151459「デジタル画像センサ、画像獲得方法及び画像再構成方法並びにその実行システム」拒絶査定不服審判事件〔平成25年12月 5日出願公開、特開2013-243750〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2008年6月12日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2007年6月12日、フランス)を国際出願日として出願した特願2010-511684号の一部を平成25年7月22日に新たな特許出願としたものであって、平成26年4月7日付けの拒絶理由通知に応答して、平成26年7月15日付けで手続補正がなされたが、平成27年1月28日付けで拒絶査定がなされたものである。
本件は、上記拒絶査定を不服として、平成27年6月1日付けで請求された拒絶査定不服審判である。

2.本願発明
本願の請求項1ないし14に係る発明は、平成26年7月15日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
なお、A?Eについては、説明のために当審にて付したものである。
(以下、「構成A」、・・・、「構成E」という。)

「A カラーフィルタのアレイ(16)を有し、
B 前記アレイは、垂直方向及び水平方向に沿ってオーバラップせずに反復する複数の同一の基本パターン(70)からなり、基本パターン(70)はそれぞれ、水平方向及び/又は垂直方向に連続する同一種類の2つのカラーフィルタの間の可変のピッチを含むように、擬似ランダムに配置されるカラーフィルタ(72、82、84)によって形成され、
C 前記基本パターン(70)は、画像の4×4画素以上であり、前記画像の大きさよりも小さく、
D 基本パターン(70)からなる1セット及び前記基本パターンの近接部(76)は、前記1セットの同一色のフィルタの塊を妨げるように空間的に配置されたカラーフィルタを有し、前記アレイは同一色のカラーフィルタの塊を有しない、
E ことを特徴とするデジタル画像獲得センサ(18)。」

3.刊行物発明
(ア)刊行物1について
原審の拒絶理由に引用された、特開2000-316166号公報(以下、「刊行物1」という。)には、「カラー撮像素子及びカラー撮像装置」として、図面とともに以下の事項が記載されている。

「【0015】
【発明の実施の形態】次に実施の形態について説明する。図1は、本発明に係るカラー撮像素子を用いたカラー撮像装置(ディジタルカメラ)の実施の形態を示すブロック構成図である。図1において、1はレンズ系、2はレンズ駆動機構、3は露出制御機構、4はCCD撮像素子、5はCCDドライバ、6はA/D変換器を含むプリプロセス回路、7はディジタルプロセス回路で、ハードとしてメモリを含み、全てのディジタルプロセス処理を行うものである。8はメモリカードインターフェース、9はメモリカード、10はLCD画像表示系、11は主たる構成としてマイコンを含むシステムコントローラ、12は操作スイッチ系、13は操作表示系、14はストロボ、15はレンズドライバ、16は露出制御ドライバ、17はEEPROMである。
【0016】図1に示した実施の形態においてカラー撮像素子として用いているCCD撮像素子4のランダム配列の色フィルタ配列例を図2に示す。このCCD撮像素子の画素数は、任意ではあるが仮に 100万画素程度を想定しており、図2においては、中央部分の8×8=64画素に対応するフィルタ配列だけを表示している。以下の説明では、このようなランダム配列を得るための手順を具体的に説明するものであり、図示はあくまでもこの理解を助けるためのものであり、この程度の領域の図示で充分理解されるであろう。(また、ランダム配列が本発明の本質であるから、全領域のパターンを例示することは無意味且つ不可能でもある。)本実施の形態におけるフィルタの種類は、いわゆるRGB3原色を使用したもので、そのコーディングはRGBランダムフィルタコーディングとなっている。
【0017】次に、このようなコーディングを得るための手順例について説明する。このコーディングはランダムコーディングであるから、各画素の色フィルタを決定するためにRGBにそれぞれ2面を割り当てたサイコロを使用してもよいのは勿論であるが、その煩雑さを減じるため表計算ソフトウェア等を用いて、全画素配列に相当する表配列を準備する。そして、配列の各セルに数式MOD(RND/3)(但し、RNDは適当な桁数の乱数関数、MOD(n/d)はnをdで除した剰余関数)を割り当てて得られた数値に対して、例えば0→R,1→G,2→Bを適用すればよい。
【0018】このようにして得られた配列は、統計学的には通常は特に大きな偏りは持たないが、ただ1回の試行によって得たものは確率的に低いとはいえ、極端に色による画素数の多寡があったり、大面積にわたる特定色の集中があったりする可能性を有している。あるいは、従来例のような周期性を有したパターンになる可能性も極めて低いが0ではない。従って、上記手法によって数回の試行を行い複数の配列サンプルを得た上で、実写による撮像試験(現実にはシミュレーションを用いるのが好適)を行って、評価結果のよいものを採用することが望ましい。
【0019】しかしながら、このような試行的なやり方は、最終的な配列選択に際しては避けられないものであるとしても、設計当初から全て試行のみによることは、一般的には設計効率を著しく低下させるものであって好ましくない。あるいは試行によって得られた配列を評価するに当たっても、良い撮像画質を得るためには、必須となるような配列自体に要求される客観的な要件といったものがあるはずで(極端な例として、全てが一つの色の画素のみになってはならないことは自明である)、このような条件を具体的に見出し、これを制限条件(判定基準)として採用することが極めて有効である。
【0020】具体的には、本実施の形態におけるCCD撮像素子のRGB3色ランダム配列は、任意の着目画素が該着目画素のフィルタの色(自己の色)以外の他の2色と該着目画素の4辺又は4角のいずれかにおいて隣接するということを制約条件として採用している。すなわち、仮に着目画素のフィルタの色(自己の色)がRであったとすれば、その上下左右及び斜め四方の隣接8画素のうちにGとBが少なくとも1画素ずつは含まれているという条件である。この条件は、後述の色分離処理における最近接画素情報による補完が、必ず上下左右及び斜め四方のいずれかの隣接画素によってなされることを保証するものであって、その結果として一定値以上の高解像度の確保を保証するものである。また、本発明による上記RGB3色ランダム配列の制約条件によれば、同様にランダムでありながらも全ての撮像領域に亘って所定値以上の高解像度を確保できる、着目画素の色以外の他の2色と着目画素の4辺のいずれかにおいて隣接させるランダム配列制約条件に比べて、ランダムな色コーディング配列の自由度が高く、高いランダム効果を生じさせることができる。図2の例において、周辺各1列の画素は見かけ上上記条件を満たしていないものもあるが、これは図示されてない更に外側の画素の存在によって条件を満たしているものである。このような事情から、撮像素子の光電変換面は、有効画像領域よりも4周それぞれにつき1?数行(列)の余裕を見て、いわゆる捨て画素領域(画像信号生成に関与するが、有効画像領域ではない領域)を設けてある。
【0021】なお、このような制約条件を満たす配列は、上記完全にランダムな配列を試行により多数用意し、それを上記条件で検定することによっても、あるいは例えば表計算等のソフトウェア処理による配列生成に当たって、予め制約条件を課した上で生成することによっても、いずれでも得ることができる。」

上記記載及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、

(a)段落【0015】、【0016】の記載から、刊行物1のCCD撮像素子は、ランダム配列されたRGB3原色を使用したフィルタを有するものである。

(b)段落【0019】?【0021】の記載から、刊行物1のCCD撮像素子は、RGB3原色を使用したフィルタのランダム配列を得るために、任意の着目画素が該着目画素のフィルタの色(自己の色)以外の他の2色と該着目画素の4辺又は4角のいずれかにおいて隣接するということ、すなわち、着目画素のフィルタの色(自己の色)がRであったとすれば、その上下左右及び斜め四方の隣接8画素のうちにGとBが少なくとも1画素ずつは含まれているという条件を制約条件として採用し、完全にランダムな配列を多数用意し、それを上記制約条件で検定することによって得るものである。
ここで、完全にランダムな配列とは、段落【0016】?【0018】に記載されているように、表計算ソフトウェア等を用いて、全画素配列に相当する表配列を準備して、乱数関数を使用して各画素の色フィルタを決定することにより得られるものである。

すなわち、段落【0016】?【0021】の記載から、刊行物1のCCD撮像素子は、表計算ソフトウェア等を用いて、全画素配列に相当する表配列を準備して、乱数関数を使用して各画素の色フィルタを決定することにより得られる完全にランダムな配列を多数用意し、それを下記の制約条件で検定することによってRGB3原色を使用したフィルタのランダム配列を得るものであり、
制約条件は、任意の着目画素が該着目画素のフィルタの色(自己の色)以外の他の2色と該着目画素の4辺又は4角のいずれかにおいて隣接するということ、すなわち、着目画素のフィルタの色(自己の色)がRであったとすれば、その上下左右及び斜め四方の隣接8画素のうちにGとBが少なくとも1画素ずつは含まれているという条件である。

そうすると、刊行物1には以下の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が開示されている。

[刊行物1発明]
「a ランダム配列されたRGB3原色を使用したフィルタを有し、
b 上記フィルタは、表計算ソフトウェア等を用いて、全画素配列に相当する表配列を準備して、乱数関数を使用して各画素の色フィルタを決定することにより得られる完全にランダムな配列を多数用意し、それを下記の制約条件で検定することによってRGB3原色を使用したフィルタのランダム配列を得るものであり、
c 制約条件は、任意の着目画素が該着目画素のフィルタの色(自己の色)以外の他の2色と該着目画素の4辺又は4角のいずれかにおいて隣接するということ、すなわち、着目画素のフィルタの色(自己の色)がRであったとすれば、その上下左右及び斜め四方の隣接8画素のうちにGとBが少なくとも1画素ずつは含まれているという条件である
d CCD撮像素子。」

なお、a?dについては、説明のために当審にて付したものである。
(以下、「構成a」、・・・、「構成d」という。)

(イ)刊行物2について
原審の拒絶理由に引用された、特開平9-168157号公報(以下、「刊行物2」という。)には、「カラー画像撮像装置及びカラー画像撮像素子」として、図面とともに以下の事項が記載されている。

「【0013】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本発明の第1実施形態を説明する。図1に本発明の第1実施形態の全体構成図を示す。図1の構成において、撮像面にモザイク色フィルタが装着されたCCDイメージセンサで構成される撮像素子100は入力された物体像を対応する電気的画像信号に変換して出力する。撮像素子100の駆動制御は撮像素子ドライバ200により行なわれる。撮像素子100から出力された電気的画像信号はA/D変換器300によりディジタル信号に変換され、メモリ400に記録される。このメモリ400に対する記録制御はメモリコントローラ500により行なわれる。プロセッサ600はメモリ400に記録された観測画像信号を用いて以下に述べる所定の補間処理を行なうことによって、R,G,Bの各原色信号が欠落の無い完全なディジタル画像を生成し、このディジタル画像を再びメモリ400に記録する。この補間処理の際にはROM700に記録されている撮像素子100におけるモザイク色フィルタの画素配置情報と補間係数列情報が利用される。なお、メモリ400、プロセッサ600、ROM700はバス800を介して接続されている。このようにして生成され、メモリ400に記録されたRGBカラー画像は、通信・表示デバイスや画像処理装置等に送られ所定の用途に利用される。
【0014】図2はモザイク色フィルタの構成例を示す。本実施形態におけるモザイク色フィルタはR,G,Bの3原色フィルタで構成され、同色フィルタの画素は、例えば以下に述べるポアソン分布にしたがって図2に示すように空間的にランダムに配置される。ここで、モザイク色フィルタにおける色配置はブロック画像単位でランダムになるように配置しても良いし、ブロックとは無関係に画像全体でランダムになるように色配置を適当に決めても良い。ブロック内で色配置をランダム構成にし、このような構成のブロックが繰り返されるように画像全体を構成することにより、ROM700に記録されるべき色配置情報と補間係数列情報の容量を少なくすることができる。」

上記記載及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、

(a)段落【0013】の記載から、刊行物2には、撮像面にモザイク色フィルタが装着されたCCDイメージセンサが記載されている。

(b)段落【0014】の記載から、刊行物2のCCDイメージセンサに装着されるモザイク色フィルタは、R,G,Bの3原色フィルタで構成され、同色フィルタの画素は、空間的にランダムに配置され、モザイク色フィルタにおける色配置は、画像全体でランダムになるように色配置を決めても良いし、ブロック画像単位でランダムになるように配置しても良いものであり、ブロック内で色配置をランダム構成にし、このような構成のブロックが繰り返されるように画像全体を構成することにより、ROMに記録されるべき色配置情報と補間係数列情報の容量を少なくすることができるものである。

そうすると、刊行物2には以下の発明(以下、「刊行物2発明」という。)が開示されている。

[刊行物2発明]
「撮像面にモザイク色フィルタが装着されたCCDイメージセンサであって、
モザイク色フィルタは、R,G,Bの3原色フィルタで構成され、同色フィルタの画素は、空間的にランダムに配置され、モザイク色フィルタにおける色配置は、画像全体でランダムになるように色配置を決めても良いし、ブロック画像単位でランダムになるように配置しても良いものであり、ブロック内で色配置をランダム構成にし、このような構成のブロックが繰り返されるように画像全体を構成することにより、ROMに記録されるべき色配置情報と補間係数列情報の容量を少なくすることができるCCDイメージセンサ。」

4.本願発明と刊行物1発明との対比と一致点・相違点の認定

(ア)対比
(ア-1)構成Aについて
刊行物1発明の構成aの「RGB3原色を使用したフィルタ」は、本願発明の構成Aの「カラーフィルタ」に相当し、構成aは「ランダム配列されたRGB3原色を使用したフィルタ」であるので、構成Aの「カラーフィルタのアレイ(16)を有」することに相当する。
したがって、刊行物1発明の構成aは、本願発明の構成Aに相当する。

(ア-2)構成Bについて
刊行物1発明の構成bの「RGB3原色を使用したフィルタのランダム配列を得る」において、ランダム配列であるから、R同士、G同士、B同士の間隔について考えると、それぞれの間隔は、水平方向、垂直方向のいずれにおいても可変であるといえる。
また、ランダム配列を得るために、「乱数関数を使用」するものであり、乱数関数を使用するということは、演算処理によって取得されたランダムであるから、完全なランダムでなく、擬似ランダムであるといえる。

したがって、構成bの「RGB3原色を使用したフィルタのランダム配列を得る」は、構成Bの「水平方向及び/又は垂直方向に連続する同一種類の2つのカラーフィルタの間の可変のピッチを含むように、擬似ランダムに配置されるカラーフィルタ(72、82、84)によって形成され」ることに相当する。

しかし、刊行物1発明の構成bは、本願発明の構成Bのように、「前記アレイは、垂直方向及び水平方向に沿ってオーバラップせずに反復する複数の同一の基本パターン(70)からな」るものでない点で相違し、その結果として、「水平方向及び/又は垂直方向に連続する同一種類の2つのカラーフィルタの間の可変のピッチを含むように、擬似ランダムに配置されるカラーフィルタ(72、82、84)によって形成され」ていることに関して、刊行物1発明は、「表計算ソフトウェア等を用いて、全画素配列に相当する表配列を準備して、乱数関数を使用して各画素の色フィルタを決定することにより得られる完全にランダムな配列を多数用意し、それを下記の制約条件で検定することによ」ること、すなわち、CCD撮像素子の全画素についてであるのに対し、本願発明の構成Bは、基本パターン(70)それぞれについてである点で相違する。

よって、刊行物1発明の構成bと、本願発明の構成Bは、「水平方向及び/又は垂直方向に連続する同一種類の2つのカラーフィルタの間の可変のピッチを含むように、擬似ランダムに配置されるカラーフィルタ(72、82、84)によって形成され」る点で共通する。

(ア-3)構成Cについて
上記(ア-2)で検討したように、刊行物1発明は、本願発明の構成Bのように、「前記アレイは、垂直方向及び水平方向に沿ってオーバラップせずに反復する複数の同一の基本パターン(70)からな」るものでないので、刊行物1発明は、基本パターンの大きさを限定する本願発明の構成Cに対応する構成を有しない点で相違する。

(ア-4)構成Dについて
刊行物1発明の構成cは、「着目画素のフィルタの色(自己の色)がRであったとすれば、その上下左右及び斜め四方の隣接8画素のうちにGとBが少なくとも1画素ずつは含まれているという条件」であり、CCD撮像素子の全画素について、この条件を満足するようにしているものである。
そうすると、同一色のカラーフィルタは、3画素×3画素以上の大きさにはならないこととなる。

ここで、本願発明の構成Dの「同一色のカラーフィルタの塊」について考える。
一般に、塊とは、ある程度の大きさをもったものという意味であり、構成Dの記載では、具体的な塊の大きさは不明である。そして、発明の詳細な説明をみても、段落0062にて、「同一色のフィルタが凝集することを避ける」と記載されているのみであり、塊の大きさを具体的にどの程度にするかについて記載されておらず、また、図2aをみても、青色に対応する画素82が並んでいる構成が許容されていることから、本願発明の構成Dの「同一色のカラーフィルタの塊を有しない」においても、ある程度の大きさ以上にはならないようにすれば良いものである。
そうすると、刊行物1発明の構成cと本願発明の構成Dは、いずれも、ある程度の大きさ以上にはならない、すなわち、「前記アレイは同一色のカラーフィルタの塊を有しない」点で共通するものである。

しかし、上記(ア-2)で検討したように、刊行物1発明は、本願発明の構成Bのように、「前記アレイは、垂直方向及び水平方向に沿ってオーバラップせずに反復する複数の同一の基本パターン(70)からな」るものでないので、刊行物1発明は、本願発明の構成Dのように、「基本パターン(70)からなる1セット及び前記基本パターンの近接部(76)は、前記1セットの同一色のフィルタの塊を妨げるように空間的に配置されたカラーフィルタを有」するものでない点で相違する。

(ア-5)構成Eについて
刊行物1発明の構成dの「CCD撮像素子」は、デジタル画像を得るための素子であるから、本願発明の構成Eの「デジタル画像獲得センサ」に相当する。
したがって、刊行物1発明の構成dは、本願発明の構成Eに相当する。

(イ)一致点・相違点
したがって、本願発明と刊行物1発明は、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「カラーフィルタのアレイ(16)を有し、
前記アレイは、水平方向及び/又は垂直方向に連続する同一種類の2つのカラーフィルタの間の可変のピッチを含むように、擬似ランダムに配置されるカラーフィルタ(72、82、84)によって形成され、
前記アレイは同一色のカラーフィルタの塊を有しない、
デジタル画像獲得センサ(18)。」

(相違点)
本願発明のアレイは、「垂直方向及び水平方向に沿ってオーバラップせずに反復する複数の同一の基本パターン(70)からな」るのに対し、刊行物1発明のアレイは、そのような基本パターンからなるものではなく、
その結果として、「水平方向及び/又は垂直方向に連続する同一種類の2つのカラーフィルタの間の可変のピッチを含むように、擬似ランダムに配置されるカラーフィルタ(72、82、84)によって形成され」ていることに関して、本願発明では、基本パターン(70)それぞれについて形成しているのに対し、刊行物1発明では、CCD撮像素子の全画素について形成しており、
また、本願発明では、「前記基本パターン(70)は、画像の4×4画素以上であり、前記画像の大きさよりも小さ」くし、「基本パターン(70)からなる1セット及び前記基本パターンの近接部(76)は、前記1セットの同一色のフィルタの塊を妨げるように空間的に配置されたカラーフィルタを有」するのに対し、刊行物1発明では、そもそも、基本パターンからなるものではないため、基本パターンを限定する構成を備えていない点。

5.当審の判断
上記相違点について判断する。

上記3.(イ)に記載したように、刊行物2発明において、モザイク色フィルタにおける色配置は、画像全体でランダムになるように色配置を決めても良いし、ブロック画像単位でランダムになるように配置しても良いものであるが、ブロック内で色配置をランダム構成にし、このような構成のブロックが繰り返されるように画像全体を構成することにより、ROMに記録されるべき色配置情報と補間係数列情報の容量を少なくすることができるものである。
すなわち、画像全体でランダムになるように色配置を決めるよりも、ブロック内で色配置をランダム構成にし、このような構成のブロックが繰り返されるように画像全体を構成する方が利点があることが記載されているといえる。
ここで、ブロックが繰り返されるように画像全体を構成することから、ブロック画像は、画像の大きさよりも小さいものである。また、ブロック画像の大きさを小さくすると、画像全体のランダム性が減少することとなるので、ある程度以上の大きさが必要となるものであるが、どのような大きさ以上とするかは、当業者が、ランダム性と記憶容量や計算のしやすさ等を判断して、適宜設計することである。

そうすると、刊行物1発明において、刊行物2発明を適用し、CCD撮像素子の全画素についてランダムにする構成に代えて、ブロック画像単位でランダムになるように配置するようにし、このような構成のブロックが繰り返されるように画像全体を構成することにより、
本願発明のように、
「アレイは、垂直方向及び水平方向に沿ってオーバラップせずに反復する複数の同一の基本パターン(70)からな」るようにし、
「水平方向及び/又は垂直方向に連続する同一種類の2つのカラーフィルタの間の可変のピッチを含むように、擬似ランダムに配置されるカラーフィルタ(72、82、84)によって形成され」ていることに関して、基本パターン(70)それぞれについてするようにし、
「前記基本パターン(70)は、画像の4×4画素以上であり、前記画像の大きさよりも小さ」くする
ことは、当業者が容易に想到し得るものである。
また、刊行物1発明において、刊行物2発明を適用した場合においても、刊行物1発明のように、全体として、同一色のカラーフィルタの塊を有しないように設計するものであるから、基本パターンや近接部においても、同一色のカラーフィルタの塊を有しないようにするものであり、
「基本パターン(70)からなる1セット及び前記基本パターンの近接部(76)は、前記1セットの同一色のフィルタの塊を妨げるように空間的に配置されたカラーフィルタを有」するようにすることも、当業者が容易に想到し得るものである。

以上のとおり、相違点は、格別のものでなく、本願発明に関する作用・効果も、刊行物1発明及び刊行物2発明から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって、本願発明は、刊行物1発明及び刊行物2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.まとめ
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1に記載された発明と刊行物2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、その余の請求項について言及するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-06-16 
結審通知日 2016-06-20 
審決日 2016-07-01 
出願番号 特願2013-151459(P2013-151459)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内田 勝久  
特許庁審判長 藤井 浩
特許庁審判官 渡辺 努
戸次 一夫
発明の名称 デジタル画像センサ、画像獲得方法及び画像再構成方法並びにその実行システム  
代理人 実広 信哉  
代理人 実広 信哉  
代理人 村山 靖彦  
代理人 阿部 達彦  
代理人 阿部 達彦  
代理人 村山 靖彦  
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