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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01R
管理番号 1322031
審判番号 不服2016-5314  
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-04-11 
確定日 2016-12-13 
事件の表示 特願2014-112666「端子台」拒絶査定不服審判事件〔平成27年12月17日出願公開、特開2015-228293、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成26年5月30日の出願であって、平成27年11月26日付けの拒絶理由通知に対して、平成28年1月12日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年2月2日付け(発送日:同年2月9日)で拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、その審判の請求と同時に手続補正がなされ、同年6月20日に上申書が提出されたものである。

第2.平成28年4月11日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)の適否
1.補正の内容
(1)特許請求の範囲について
本件補正は、特許請求の範囲を、本件補正により補正される前(すなわち、平成28年1月12日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲)の下記ア.を、下記イ.へと補正すること(以下、「補正事項1」という。)を含むものである。

ア.本件補正前の特許請求の範囲
「【請求項1】
絶縁性材料から成る複数の構成体を連結した本体と、
前記本体に取付固定された複数の端子金具部材と、
を備え、
前記複数の構成体は、凸部と、前記凸部に対応する凹部とが、互いに係合することで連結されており、
前記凸部の外側面は、先端に行くに従って幅狭となるように傾斜して形成され、
前記凸部と前記凹部とは、連結方向に対して直交する方向に係合し、かつ、くさび状に係合することを特徴とする、端子台。
【請求項2】
隣り合う前記構成体を前記端子金具部材によって連結したことを特徴とする、請求項1記載の端子台。
【請求項3】
前記凹部は接着剤を貯留可能に形成されており、前記凹部に貯留した接着剤によって前記凸部と前記凹部とを接着したことを特徴とする、請求項1又は2記載の端子台。
【請求項4】
絶縁性材料から成る複数の構成体を連結した本体と、
前記本体に取付固定された複数の端子金具部材と、
を備え、
前記複数の構成体は、凸部と、前記凸部に対応する凹部とが、互いに係合することで連結されており、
前記凸部及び前記凹部は、隣接する前記構成体に向けて突出する一対の突出壁部に形成されており、
隣接する前記構成体が互いに連結方向に押し付けられたときに、前記凸部が形成された一対の突出壁部と前記凹部が形成された一対の突出壁部とが重なり合うことで前記凸部と前記凹部とが弾発的に係合し、
前記端子金具部材の両側部は、重なり合った前記突出壁部で覆われていることを特徴とする、請求項1記載の端子台。
【請求項5】
前記突出壁部の内側かつ前記端子金具部材の外側に絶縁壁を設けたことを特徴とする、請求項4記載の端子台。」

イ.本件補正後の特許請求の範囲
「【請求項1】
絶縁性材料から成る複数の構成体を連結した本体と、
前記本体に取付固定された複数の端子金具部材と、
を備え、
前記複数の構成体は、凸部と、前記凸部に対応する凹部とが、互いに係合することで連結されており、
前記凸部は、連結方向に向けて突出した係合突出部に形成されて下方に突出しており、 前記凸部の外側面は、先端に行くに従って幅狭となるように傾斜して形成され、
前記凹部は、連結方向に向けて突出した被係合突出部に形成されて上方に開口しており、
前記凸部と前記凹部とは、連結方向に対して直交する方向にくさび状に係合し、
前記端子金具部材が前記係合突出部の上面に取り付けられ、前記係合突出部が前記端子金具部材と前記被係合突出部とによって挟み込まれた状態となることを特徴とする、端子台。
【請求項2】
前記凹部は接着剤を貯留可能に形成されており、前記凹部に貯留した接着剤によって前記凸部と前記凹部とを接着したことを特徴とする、請求項1記載の端子台。
【請求項3】
絶縁性材料から成る複数の構成体を連結した本体と、
前記本体に取付固定された複数の端子金具部材と、
を備え、
前記複数の構成体は、凸部と、前記凸部に対応する凹部とが、互いに係合することで連結されており、
前記凸部及び前記凹部は、隣接する前記構成体に向けて突出する一対の突出壁部に形成されており、
隣接する前記構成体が互いに連結方向に押し付けられたときに、前記凸部が形成された一対の突出壁部と前記凹部が形成された一対の突出壁部とが重なり合うことで前記凸部と前記凹部とが弾発的に係合し、
前記端子金具部材の両側部は、重なり合った前記突出壁部で覆われていることを特徴とする端子台。
【請求項4】
前記突出壁部の内側かつ前記端子金具部材の外側に絶縁壁を設けたことを特徴とする、請求項3記載の端子台。」
なお、下線は補正箇所を示し、請求人が付したとおりである。

(2)明細書について
本件補正は、明細書の段落【0007】ないし【0013】、【0016】ないし【0019】を、以下のとおり補正すること(以下、「補正事項2」という。)を含むものである。
「 【0007】
請求項1記載の発明は、絶縁性材料から成る複数の構成体を連結した本体と、前記本体に取付固定された複数の端子金具部材と、を備え、前記複数の構成体は、凸部と、前記凸部に対応する凹部とが、互いに係合することで連結されており、前記凸部は、連結方向に向けて突出した係合突出部に形成されて連結方向に対して直交する方向に突出しており、前記凸部の外側面は、先端に行くに従って幅狭となるように傾斜して形成され、前記凹部は、連結方向に向けて突出した被係合突出部に形成されて上方に開口しており、前記凸部と前記凹部とは、連結方向に対して直交する方向にくさび状に係合し、前記端子金具部材が前記係合突出部の上面に取り付けられ、前記係合突出部が前記端子金具部材と前記被係合突出部とによって挟み込まれた状態となることを特徴とする。
【0008】

【0009】

【0010】
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、前記凹部は接着剤を貯留可能に形成されており、前記凹部に貯留した接着剤によって前記凸部と前記凹部とを接着したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、絶縁性材料から成る複数の構成体を連結した本体と、前記本体に取付固定された複数の端子金具部材と、を備え、前記複数の構成体は、凸部と、前記凸部に対応する凹部とが、互いに係合することで連結されており、前記凸部及び前記凹部は、隣接する前記構成体に向けて突出する一対の突出壁部に形成されており、隣接する前記構成体が互いに連結方向に押し付けられたときに、前記凸部が形成された一対の突出壁部と前記凹部が形成された一対の突出壁部とが重なり合うことで前記凸部と前記凹部とが弾発的に係合し、前記端子金具部材の両側部は、重なり合った前記突出壁部で覆われていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、上記した請求項3記載の発明の特徴点に加え、前記突出壁部の内側かつ前記端子金具部材の外側に絶縁壁を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び3に記載の発明は上記の通りであり、絶縁性材料から成る複数の構成体は、凸部と、前記凸部に対応する凹部とが、互いに係合することで連結されており、前記凸部と前記凹部とは、連結方向に対して略直交する方向に係合している。このような構成によれば、構成体を連結する数を変えるだけで端子の極数を容易に増減することができる。そして、レールを使用せずに複数の構成体を一体的に結合することができるので、レールを使用しない場合でも複数の構成体を一体的に結合することができる。」
「 【0016】
また、隣り合う前記構成体を前記端子金具部材によって連結したので、複数の構成体を互いに強固に結合することができる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、前記凹部は接着剤を貯留可能に形成されており、前記凹部に貯留した接着剤によって前記凸部と前記凹部とを接着したので、複数の構成体を互いに強固に結合することができる。また、接着剤が凹部から流出しないので、接着時の作業性を向上させることができる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、前記凸部及び前記凹部は、隣接する前記構成体に向けて突出する一対の突出壁部に形成されており、隣接する前記構成体が互いに連結方向に押し付けられたときに、前記凸部と前記凹部とが弾発的に係合する。すなわち、2つの構成体を互いに押し付け合うだけで結合させることができるので、作業性を向上させることができる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は上記の通りであり、前記突出壁部の内側に絶縁壁を設けたので、絶縁壁によって絶縁性を高めることができる。」

2.補正の適否
(1)補正事項1について
補正事項1は、特許請求の範囲の補正であり、以下のものである。
ア.請求項1について、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「凸部」について、「連結方向に向けて突出した係合突出部に形成されて下方に突出しており、」、「凹部」について、「連結方向に向けて突出した被係合突出部に形成されて上方に開口しており、」、「端子金具部材」について、「前記係合突出部の上面に取り付けられ、前記係合突出部が前記端子金具部材と前記被係合突出部とによって挟み込まれた状態となる」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
イ.請求項2及び4について、補正前の請求項2を削除したことにより、それぞれ補正前の請求項3及び5を繰り上げて、新たな請求項2及び4としたものであって、特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除を目的とするものに該当する。
ウ.請求項3について、補正前の請求項4が「・・・請求項1記載の端子台」と請求項1の引用形式であったものを、「・・・端子台」と独立形式に補正して、新たな請求項3としたものであり、願書に最初に添付した明細書における、第1の実施形態に係る記載(段落【0021】ないし段落【0040】)及び第2の実施形態に係る記載(段落【0041】ないし段落【0058】)、平成28年1月12日付け意見書の「4.拒絶理由1について」において、「この指摘を受け、本出願人は、補正前の旧請求項5を独立クレーム(請求項4)に補正した上で、この独立クレームから「凸部と凹部とは、連結方向に対して略直交する方向に係合している」との発明特定事項を削除した。」との記載、平成28年6月20日付け上申書の「(1)補正要件違反について」において、「しかしながら、補正前の請求項4に含まれる「請求項1記載の」との記載が誤記であることは明らかです。すなわち、この補正前の請求項4は、平成28年1月12日提出の補正書において、請求項1に従属した請求項を独立請求項に変更する際、請求項1を引用する記載を削除し忘れたものです。このことは、上記平成28年1月12日提出の補正書と同時提出に係る意見書において、『補正前の旧請求項5を独立クレーム(請求項4)に補正した』と記載されていることからも明らかです。」との記載を踏まえると、平成28年1月12日付け手続補正書における請求項4における「・・・請求項1記載の端子台」は、本来、独立形式で記載すべきところを誤って引用形式で記載したものであることは明らかであるので、特許法第17条の2第5項第3号の誤記の訂正を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。
そこで、本件補正後の請求項1及び請求項1を引用する請求項2に記載された発明(以下、それぞれ「本願補正発明1」及び「本願補正発明2」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に検討する。

(1)刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された実公昭44-12985号公報(以下、「刊行物1」という。)には、「組立端子盤」に関し、次の事項が図面(特に第1,2,4図参照)と共に記載されている。
以下、下線は当審で付与したものである。

ア.「本実用新案は組立式の端子盤に関するものである。従来組立端子盤は結合部品と電導部品が異るため構造上複雑にして多種類の部品を必要とした本案は端子盤の基体を端末台と連着台の2種類とし各連着台及び両端の端末台相互の凹凸嵌合部をそれぞれ組着した後、各台による結合部と電導部に挿嵌した上下1対の長方板を単体の螺子をもつて螺接することにより、容易に任意の長さの端子盤を構成するとともに、結合面上の前後方向より受配電の電導端子板を挿入することにより、該電導端子板の孔部が各結合面上の中心線に突出形成する円柱斜堤突子に嵌着して、安定的な電導接続を容易にしたことを目的とするものである。」(1頁1欄21-33行)

イ.「本案の構成を図面によつて説明すれば1は合成樹脂等の絶縁材をもつて成る連着台を示し、衝立状の両側下方に長方体をなす各側面に前後方向に対して水平状の各長方溝2,3を穿設するとともに、一方側の長方体上部より下方底面に向つて一方面部に切口を狭く奥行を拡大して梯形状を成す切欠4を穿設し、また他方面部には基部を狭く先端部を広くした梯形状の突片5を突設する。更に中央縁部には半円状の切孔6を底面近くまで穿設する。なお突片5の基部面上に端部方向を僅少高さとし、中央部方向に一定高さとして斜面を構成する円柱斜堤突子7を突設する。同様に連着台1の他方側の長方体側面にも一方側と同様形状の切欠4,突片5、半円切孔6及び面上には円柱斜堤突子7を逆配置をもつて対照的に形成する。
次に8は端末台を示し、一方側に連着台1と同様の長方体側面に水平状の長方溝9を穿設すると共に長方体の上部より下方底部に向かつて一方面部に切口を狭く奥行を拡大して梯形状を成す切欠10を穿設し、他方面部には基部を狭く先端部を広くした梯形状の突片11を突設する。また中央縁部には半円状の切孔12を底面近くまで穿設する更らに突片11の基部面上に端部方向を僅少高さとし、中央部方向に一定高さとして斜面を構成する円柱斜堤突子13を突設する。また端子台8の他方部には吊座部を設けた螺子孔14を穿設するなお15は面板の中央部に螺子孔16を螺設して成る長方板の止着螺子板、17は中央の彎曲面上に螺挿孔部18を、又面上の両端には突子孔部19をそれぞれ穿設して成る長方形の弾性金属板、20は弾性金属板17の螺挿孔部18を挿通して止着螺子板15の中央螺子孔16に螺挿するための螺子である。」(1頁1欄34行-2欄27行)

ウ.「以上の構造による本案組立端子盤の作用効果を説明すれば、端子盤の任意の長さに組着する場合連着台1の一方側に形成した梯形状の凹凸嵌合部と同形に成る端末台8の一方側梯形状の凹凸嵌合部を上下方向より嵌合挿着する。これによつて連着台1の一方面部に形成した梯形状切欠4の凹部に端末台8の他方面部に突設した梯形状の突片11が密着状に挿嵌し、同様に連着台1の他方面部に突設した梯形状の突片5は端末台8の一方面部に穿設した梯形状の切欠10にそれぞれ密着状に嵌合する。従つて連着台1及び端末台8は前後及び側面方向には不可分の状態をもつて結合する。」(1頁2欄28行-39行)

エ.「次に連着台1及び端末台8の各長方体側面部に構成された前後方向の長方溝3,9に長方形の止着螺子板15を挿入することにより連着台1及び端子台8は上下方向にも不可分の状態となる。各面上の両壁起立平面部には長方形の弾性金属板17を嵌着するとともに、該弾性金属板17の螺挿孔部18より螺子20を挿入し、下方の長方溝3,9に挿嵌した止着螺子板15の中央螺子孔16に螺子先端を螺着することにより、連着台1及び端子台8は完全に1体的な不可分の状態をもつて組着結合する。」(2頁3欄9-19行)

オ.「このように両側に凹凸の嵌合部を形成した連着台1及び一方側に凹凸の嵌合部をまた他方側には取付螺子孔14を配置した端末台8をもつて任意の長さの端子盤に組着した後、両端末台8の各螺子孔14から螺子等を挿入し端子盤全体を適宜の位置に容易に取付けることができるとともに、各部の嵌合組着は止着螺子板15と弾性金属板17とを単体の螺子20により極めて簡単に連着でき更に各電導端子板21の取付けにおいては挿着が容易であり、しかも一旦挿着した後は脱落を完全に防止して電導上の緊締固着を確実にする実用的効果は大である。」(2頁4欄12-23行)

上記記載事項、及び、図示内容等を総合すると、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「絶縁材から成る複数の連着台1及び端子台8を連結した組立端子盤と、
前記組立端子盤に取付固定された複数の弾性金属板17と、
を備え、
前記複数の連着台1及び端子台8は、突片5と、前記突片5に対応する切欠4とが、互いに嵌合することで連結されており、
前記突片5は、連結方向に向けて突出しており、
前記突片5は基部を狭く先端部を広くした梯形状に形成され、
前記切欠4は、連結方向に向けて開口しており、切口を狭く奥行を拡大して梯形状に形成され、
前記突片5と前記切欠4とは、連結方向に梯形状の凹凸嵌合部として嵌合して、前記連着台1及び端末台8は前後及び側面方向には不可分の状態をもつて結合し、
前記弾性金属板17が前記連着台1及び端子台8の各面上の両壁起立平面部に嵌着され、前記連着台1及び端末台8の各長方体側面部に構成された前後方向の長方溝3,9に長方形の止着螺子板15を挿入することにより連着台1及び端子台8は上下方向にも不可分の状態となる組立端子盤。」

(2)対比
引用発明1と本願補正発明1を対比すると、その構造及び機能から見て、引用発明1の「絶縁材から成る複数の連着台1及び端子台8」は、本願補正発明1の「絶縁性材料から成る複数の構成体」に相当し、同じく前者の「組立端子盤」、「弾性金属板17」、「突片5」、「切欠4」、及び「嵌合」は、それぞれ後者の「本体(端子台)」、「端子金具部材」、「凸部」、「凹部」、及び「係合」に相当する。

以上の点からみて、本願補正発明1と引用発明1とは、
「絶縁性材料から成る複数の構成体を連結した本体と、
前記本体に取付固定された複数の端子金具部材と、
を備え、
前記複数の構成体は、凸部と、前記凸部に対応する凹部とが、互いに係合することで連結されており、
前記凸部は、突出しており、
前記凹部は、開口しており、
前記凸部と前記凹部とは係合した端子台。」
の点で一致し、次の点で相違する。
[相違点]
本願補正発明1が、「前記凸部は、連結方向に向けて突出した係合突出部に形成されて下方に突出しており、前記凸部の外側面は、先端に行くに従って幅狭となるように傾斜して形成され、前記凹部は、連結方向に向けて突出した被係合突出部に形成されて上方に開口しており、前記凸部と前記凹部とは、連結方向に対して直交する方向にくさび状に係合し、前記端子金具部材が前記係合突出部の上面に取り付けられ、前記係合突出部が前記端子金具部材と前記被係合突出部とによって挟み込まれた状態となる」のに対して、
引用発明1は、前記突片5は、連結方向に向けて突出しており、前記突片5は基部を狭く先端部を広くした梯形状に形成され、前記切欠4は、連結方向に向けて開口しており、切口を狭く奥行を拡大して梯形状に形成され、前記突片5と前記切欠4とは、連結方向に梯形状の凹凸嵌合部として嵌合して、前記連着台1及び端末台8は前後及び側面方向には不可分の状態をもつて結合し、前記弾性金属板17が前記連着台1及び端子台8の各面上の両壁起立平面部に嵌着され、前記連着台1及び端末台8の各長方体側面部に構成された前後方向の長方溝3,9に長方形の止着螺子板15を挿入することにより連着台1及び端子台8は上下方向にも不可分の状態となる点

(3)判断
本願明細書には、「上記した構成体12,13の被係合突出部16は、隣り合う構成体13,14の係合突出部15に連結するために、当該係合突出部15の方向に向けて突出した部分である。この被係合突出部16は、図4及び図5に示すように、上方に向けて開口した2つの凹部16cと、この2つの凹部16cの間に立設された中間壁部16aと、を備えている。凹部16cの内側面はテーパ部16dとなっており、奥に行くに従って幅狭となるように傾斜して形成されている。」(段落【0028】)、「また、上記した構成体13,14の係合突出部15は、隣り合う構成体12,13の被係合突出部16に連結するために、当該被係合突出部16の方向に向けて突出した部分である。この係合突出部15は、図5及び図6に示すように、中央に切欠部15aが設けられ、切欠部15aを挟むように2つの凸部15bが下方に向けて突出している。凸部15bの外側面はテーパ部15cとなっており、先端に行くに従って幅狭となるように傾斜して形成されている。」(段落【0029】)、「上記した構成体12,13,14を連結して本体11を完成させる場合には、図2及び図3に示すように、被係合突出部16の上方から係合突出部15を組み合わせ、係合突出部15の凸部15bを被係合突出部16の凹部16cに挿入して係合させる。この凸部15bと凹部16cとは、連結方向D(本体11の長手方向)に対して略直交する方向に挿入されて係合するので、構成体を互いに引き離す方向に力が働いても係合が解除されないようになっている。」(段落【0030】)、「また、凹部16cに凸部15bを挿入したときに、凹部16cのテーパ部16dと凸部15bのテーパ部15cとがくさび状に係合するので、両者を強固に係合させることができる。」(段落【0031】)、「このように端子金具部材17を取り付けると、端子金具部材17がピン19によって被係合突出部16に固定されるので、係合突出部15が端子金具部材17と被係合突出部16とによって挟み込まれた状態となる。すなわち、端子金具部材17を介して被係合突出部16と係合突出部15とが連結されることとなる。」(段落【0034】)、「以上説明したように、本実施形態によれば、絶縁性材料から成る複数の構成体12,13,14は、凸部15bと、前記凸部15bに対応する凹部16cとが、互いに係合することで連結されており、前記凸部15bと前記凹部16cとは、連結方向Dに対して略直交する方向に係合している。このような構成によれば、構成体12,13,14を連結する数を変えるだけで端子の極数を容易に増減することができる。そして、レールを使用せずに複数の構成体12,13,14を一体的に結合することができるので、レールを使用しない場合でも複数の構成体12,13,14を一体的に結合することができる。また、連結ネジを使用しなくても複数の構成体12,13,14を一体的に結合することができるので、構成体12,13,14の連結数に応じた連結ネジを用意する必要がない。よって、連結ネジを用いた構造と比較して、製造コストを低減させることができ、在庫管理も容易とすることができる。また、前記凸部15bと前記凹部16cとがくさび状に係合するので、複数の構成体12,13,14を互いに強固に結合することができる。また、隣り合う前記構成体12,13,14を前記端子金具部材17によって連結したので、複数の構成体12,13,14を互いに強固に結合することができる。」(段落【0036】ないし【0039】)と記載されている。
これらの記載から見て、本願補正発明1の「前記凸部は、連結方向に向けて突出した係合突出部に形成されて下方に突出しており、前記凸部の外側面は、先端に行くに従って幅狭となるように傾斜して形成され、前記凹部は、連結方向に向けて突出した被係合突出部に形成されて上方に開口しており、前記凸部と前記凹部とは、連結方向に対して直交する方向にくさび状に係合」すること、かつ、「前記端子金具部材が前記係合突出部の上面に取り付けられ、前記係合突出部が前記端子金具部材と前記被係合突出部とによって挟み込まれた状態となる」ことで、複数の構成体を互いに強固に結合することができるものと認められる。
すなわち、本願補正発明1は、凸部と凹部とを連結方向に対して直交する方向にくさび状に係合することと凸部に係る係合突出部が端子金具部材と凹部に係る被係合突出部とによって挟み込まれた状態とすることの相乗効果により、複数の構成体を互いに強固に結合することを実現するものであると認められる。

これに対して、刊行物1の前記(1)イ、ウ、及びエの記載を踏まえると、引用発明1は、連着台1及び端子台8の連結に当たり、突片5が基部を狭く先端部を広くした梯形状に形成されるとともに、切欠4が切口を狭く奥行を拡大して梯形状に形成され、突片5とこれに対応する切欠4とが、連結方向に梯形状の凹凸嵌合部として嵌合することで、連着台1及び端末台8が前後及び側面方向には不可分の状態をもつて結合するものであり、連着台1及び端末台8の各長方体側面部に構成された前後方向の長方溝3,9に長方形の止着螺子板15を挿入することにより連着台1及び端子台8は上下方向にも不可分の状態とするものである。
すなわち、引用発明1は、突片5とこれに対応する切欠4とが、「連結方向に」「梯形状の凹凸嵌合部として嵌合する」ものであり、本願補正発明1のように、「連結方向に対して直交する方向」に係合するものではなく、「くさび状に」係合するものでもない。
そして、引用発明1は、連結構造として、突片5と切欠4による嵌合だけではなく、上下方向にも不可分の状態とするために、連着台1及び端末台8の各長方体側面部に構成された前後方向の長方溝3,9に長方形の止着螺子板15を挿入することを必要とするものであり、突片5と切欠4との嵌合のみで連着台1及び端子台8を互いに強固に結合するものとは認められない。 また、各面上の両壁起立平面部に長方形の弾性金属板17を嵌着することから、連着台1及び端子台8の突合せた両面にわたり弾性金属板17が設けられるものであり、連着台1及び端子台8の一方が弾性金属板17と連着台1及び端子台8の他方に挟み込まれた状態とするものでもない。
したがって、本願補正発明1における複数の構成体の係合構造と引用発明1における連着台1及び端子台8の結合構造は著しく相違し、その機能及び効果においても相違するものと認められる。
そして、拒絶査定において、拒絶の理由として示された刊行物4(特開平11-258267号公報)、刊行物5(特開2004-193122号公報)、及び刊行物2(実願平3-69463号(実開平5-20271号)のCD-ROM)にも、前記相違点に係る「凸部」及び「凹部」の形状に係る構成、「凸部」、「凹部」、及び「端子金具部材」に係る係合に関する構成は記載されていない。
また、前記相違点に係る本願補正発明1の構成が、設計事項であるとも、周知の手段であるとも認められない。
したがって、前記相違点に係る本願補正発明1の構成は、引用発明1、刊行物2、4及び5に記載の事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものと言えない。

以上のとおりであるから、本願補正発明1は、引用発明1、及び、刊行物2、4及び5に記載の事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものとは言えない。

また、本願補正発明2は、本願補正発明1をさらに限定したものであるから、当業者が、引用発明1、及び、刊行物2、4及び5に記載の事項に基いて容易に想到し得たものではない。
請求項2は、特許を受けようとする発明を明確に記載している。

したがって、本件補正の補正事項1は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。

(2)補正事項2について
本件補正の補正事項2は、特許請求の範囲に係る補正事項1に伴って補正された特許請求の範囲の記載と明細書の記載の整合を図るため、明細書の段落【0007】ないし【0013】、【0016】ないし【0019】を補正するものである。
したがって、補正事項2は、特許法第17条の2第5項第4号の明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。

3.むすび
本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合する。

第3.本願発明
本件補正は上記のとおり、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合するから、本願の請求項1?4に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものである。(前記第2.の1.(1)イ.。以下、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項3及び4に記載された発明を、それぞれ「本願補正発明3」及び「本願補正発明4」という。)
そして、本願補正発明1及び2は、上記第2.の2.のとおり、当業者が引用発明1、及び、刊行物2、4及び5に記載の事項に基いて容易に想到し得たものではない。

1.本願補正発明3について
本願補正発明3は、前記第2.の1.(1)イ.に記載された次のとおりのものである。
「【請求項3】
絶縁性材料から成る複数の構成体を連結した本体と、
前記本体に取付固定された複数の端子金具部材と、
を備え、
前記複数の構成体は、凸部と、前記凸部に対応する凹部とが、互いに係合することで連結されており、
前記凸部及び前記凹部は、隣接する前記構成体に向けて突出する一対の突出壁部に形成されており、
隣接する前記構成体が互いに連結方向に押し付けられたときに、前記凸部が形成された一対の突出壁部と前記凹部が形成された一対の突出壁部とが重なり合うことで前記凸部と前記凹部とが弾発的に係合し、
前記端子金具部材の両側部は、重なり合った前記突出壁部で覆われていることを特徴とする端子台。」

(1)刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された実願昭59-22361号(実開昭60-134280号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物3」という。)には、「連結式端子台」に関し、次の事項が図面(特に第1?4図参照)と共に記載されている。
以下、下線は当審で付与したものである。

ア.「この考案は1個以上の中間ブロックと、1対の端部ブロックとを連結して成る端子台に関する。特にブロックへ形成した弾性係脱部を隣接するブロックの被係脱部へ嵌着することにより、所望区画数の端子台を極めて容易かつ迅速に組立てることができるもので、すなわち1個以上の中間ブロック1と、端部ブロック2、3とから成る連結式端子台において、中間ブロック1の一側方および端部ブロック2の側方よりそれぞれ弾性係脱部4、4を凸設し、また中間ブロック1の他側方および端部ブロック3の側方よりそれぞれ被係脱部5、5を凹設することを特徴とするものである。」(1頁12行-2頁3行)

イ.「この考案は、これらの不都合を解消するもので、次に第1実施例の構造を第1?4図に従つて詳細に説明すれば、絶縁樹脂をもつて1個以上の中間ブロック1、1…と、端部ブロック2、3とを製し、各中間ブロック1は同形で、基台6の一側縁に沿って隔壁7を突設し、隔壁7の中央より基台6を2分するための仕切壁8を突設し、基台6へ1対のビス収容孔9、9を平面U字状に形成し、ビス収容孔9、9の上方で、かつ仕切壁8の下面との間へ金具嵌挿溝10を形成し、しかもビス収容孔9、9、金具嵌挿溝10を他側方へ向けて開口し、前記開口部より金具嵌挿溝10へ端子金具11を嵌挿し、各螺子孔12へ結線ビス13を螺着するとともにビス軸13'をビス収容孔9へ収め、また基台6の一側面中央(平面図において)より弾性係脱部4を一体的に凸設する。この弾性係脱部4は割り溝4aにより弾性を与えられ、しかも常時は開いている1対の係脱子4b、4bが形成され、各係脱子4bの先端へ平面三角状の膨出部4cを形成する。さらに基台6の他側面中央(平面図において)へ、他のブロックの弾性係脱部4を挿入するための被係脱部5を凹設する。この被係脱部5は孔5aであり、途中へ1対の引掛用膨出部5b、5bを形成する。また中間ブロック1の一側面中央へ突起14を、両下隅へ突条15、15を一体的に突設するとともに他側へ突起14との嵌合孔16、突条15、15との嵌合孔17、17を形成する。同様に一方の端部ブロック2の一側面へ弾性係脱部4を凸設するとともに突起14、突条15、15を突設し、ブロック2へ固定ビス(図示せず)を挿通するための上下貫通孔18を形成し、また他方の端部ブロック3へ中間ブロック1同様、基台6、ビス収容孔9、9、金具嵌挿溝10、被係脱部5、嵌合孔16、17、17を形成するとともに端子金具11、結線ビス13、13を取付け、また基台6の一側へ一体的に突設した端壁18'へ端部ブロック2同様、上下貫通孔18を形成する。」(2頁11行-4頁8行)

ウ.「次に前記第1実施例の連結法を説明すれば、前述のように中間ブロック1、1…、端部ブロック3へは端子金具11、結線ビス13、13を取付けておき、中間ブロック1、1…、端部ブロック2の各弾性係脱部4を隣接する中間ブロック1若しくは端部ブロック3の被係脱部5へ差込む。ここに引掛用膨出部5b、5bにより膨出部4c、4cが押され、係脱子4b、4bは弾性に抗して閉じ方向に動くとともに引掛用膨出部5b、5bの通過後に復帰し、各膨出部4cは引掛用膨出部5bに係止される。同時に嵌合穴16へ突起14が、各嵌合穴17へ各突条15が嵌挿し、このようにして所望数の中間ブロック1、1…と端部ブロック2,3とが連結される。」(4頁10行-5頁3行)

エ.「このようにこの考案は中間ブロックの一側方および一方の端部ブロックの側方よりそれぞれ係脱部を凸設し、中間ブロックの他側方および他方の端部ブロックの側方よりそれぞれ被係脱部を凹設するから、隣接するブロックを次々係着でき、しかも凹凸による係着だから端子台の外周へ係脱部が突出することがなく、確実に結合でき、また係脱部は弾性を有するから、結合作業を容易かつ迅速にすることができるものである。」(7頁11-19行)

オ.前記イ.及び第1図ないし第4図の記載から見て、端子金具11は、基台6において、弾性係脱部4と被係脱部5の係止部分の上であって、ビス収容孔9の上方で、かつ仕切壁8の下面との間に形成した金具嵌挿溝10に嵌挿されていることが看取できる。

上記記載事項、上記認定事項、及び、図示内容等を総合すると、刊行物3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。
「絶縁樹脂から成る複数の中間ブロック1、端部ブロック2,3を連結した連結式端子台と、
前記連結式端子台に取付固定された複数の端子金具11と、
を備え、
前記複数の中間ブロック1、端部ブロック2,3は、弾性係脱部4と、前記弾性係脱部4に対応する被係脱部5とが、互いに係止することで連結されており、
前記弾性係脱部4及び前記被係脱部5は、基台6に形成されており、
隣接する前記中間ブロック1、端部ブロック2,3が互いに連結方向に押し付けられたときに、前記弾性係脱部4と前記被係脱部5とが弾発的に係合し、
前記端子金具11は、基台6において、弾性係脱部4と被係脱部5の係止部分の上であって、ビス収容孔9の上方で、かつ仕切壁8の下面との間に形成した金具嵌挿溝10に嵌挿されている連結式端子台。」

(2)対比
引用発明3と本願補正発明3を対比すると、その構造及び機能から見て、引用発明3の「絶縁樹脂から成る複数の中間ブロック1、端部ブロック2,3」は、本願補正発明3の「絶縁性材料から成る複数の構成体」に相当し、同じく前者の「連結式端子台」、「端子金具11」、「弾性係脱部4」、「被係脱部5」、及び「係止」は、それぞれ後者の「本体(端子台)」、「端子金具部材」、「凸部」、「凹部」、及び「係合」に相当する。

以上の点からみて、本願補正発明3と引用発明3とは、
「絶縁性材料から成る複数の構成体を連結した本体と、
前記本体に取付固定された複数の端子金具部材と、
を備え、
前記複数の構成体は、凸部と、前記凸部に対応する凹部とが、互いに係合することで連結されており、
隣接する前記構成体が互いに連結方向に押し付けられたときに、前記凸部と前記凹部とが弾発的に係合する端子台。」
の点で一致し、次の点で相違する。
[相違点]
本願補正発明3が、「前記凸部及び前記凹部は、隣接する前記構成体に向けて突出する一対の突出壁部に形成されており、」、凸部と凹部との係合が、「前記凸部が形成された一対の突出壁部と前記凹部が形成された一対の突出壁部とが重なり合うことで」行われ、「前記端子金具部材の両側部は、重なり合った前記突出壁部で覆われている」のに対して、引用発明3は、弾性係脱部4及び被係脱部5は、基台6に形成されており、基台6が一対の突出壁部を有していないことで、弾性係脱部4と被係脱部5との係合が、一対の突出壁部とが重なり合うことで行われるものではなく、端子金具11は、基台6において、弾性係脱部4と被係脱部5の係止部分の上であって、ビス収容孔9の上方で、かつ仕切壁8の下面との間に形成した金具嵌挿溝10に嵌挿されており、その両側部は、重なり合った突出壁部で覆われるものではない点。

(3)判断
本願明細書には、「この係合突出部35は、図9及び図10に示すように、筒状に突出した補強筒部35aと、補強筒部35aの両側に配置された一対の突出壁部35cと、を備えている。補強筒部35aの周面は先細りのテーパ部35bを備えている。また、突出壁部35cの表面には、外方に突出した逆止爪状の凸部35dが形成されている。」(段落【0044】)、「また、上記した構成体33,34の被係合突出部36は、隣り合う構成体32,33の係合突出部35に連結するために、当該係合突出部35の方向に向けて突出した部分である。この被係合突出部36は、図10及び図11に示すように、筒孔状の筒受孔36aと、筒受孔36aの両側に配置された一対の突出壁部36cと、突出壁部36cの内側に設けられた絶縁壁36fと、絶縁壁36fの上部に設けられた突条部36eと、を備えている。筒受孔36aの内周面は奥に行くに従って細くなるテーパ部36bを備えている。また、突出壁部36cの表面には、前述した爪状の凸部35dを引っ掛けるための凹部36dが形成されている。」(段落【0045】)、「隣接する構成体32,33,34を互いに押し付けていくと、係合突出部35の凸部35dが被係合突出部36の突出壁部36cに接触する。凸部35dは突出壁部36cに乗り上げるように傾斜しているため、そのまま構成体32,33,34を互いに押し付けていくと、突出壁部35c,36cが弾性変形することで、凸部35dが突出壁部36cに乗り上げる。そして、凸部35dと凹部36dとが対向する位置まで構成体32,33,34が互いに押し付けられると、凸部35dと凹部36dとが弾発的に係合する。なお、凸部35dと凹部36dとが係合すると、弾性変形した突出壁部35c,36cが元の位置に戻る。」(段落【0049】)、「この端子金具部材38を本体31に取付固定する際には、構成体32,33,34を連結する際に、構成体32,33,34の間に挟み込むように配置する。なお、構成体32,33,34には、図8等に示すように、端子金具部材38に臨むように、端子金具部材38を支持するための金具保持部37が設けられている。構成体32,33,34の間に端子金具部材38を挟み込むときには、この金具保持部37に端子金具部材38を引っ掛ければよい。金具保持部37に端子金具部材38を引っ掛けた状態で構成体32,33,34を連結すれば、金具保持部37は構成体32,33,34の間でぐらつきなく固定される。」(段落【0053】)、「このとき、端子金具部材38の側部は、互い違いの3枚の絶縁板で覆われて絶縁されている。すなわち、構成体32,33,34を連結したときに、突出壁部36cと絶縁壁36fとの間に突出壁部35cが入り込んでいるので、2枚の突出壁部35c,36cと絶縁壁36fとで端子金具部材38の側部が絶縁されている。しかも、3枚の絶縁板が互い違いに組み合わさっているため、絶縁距離を十分に確保することができる。(段落【0054】)、「また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、前記凸部及び前記凹部は、隣接する前記構成体に向けて突出する一対の突出壁部に形成されており、隣接する前記構成体が互いに連結方向に押し付けられたときに、前記凸部と前記凹部とが弾発的に係合する。すなわち、2つの構成体を互いに押し付け合うだけで結合させることができるので、作業性を向上させることができる。」(段落【0018】)と記載されている。
これらの記載から見て、本願補正発明3の「前記凸部及び前記凹部は、隣接する前記構成体に向けて突出する一対の突出壁部に形成されており、」、凸部と凹部との係合が、「前記凸部が形成された一対の突出壁部と前記凹部が形成された一対の突出壁部とが重なり合うことで」行われることにより、2つの構成体を互いに押し付け合うだけで結合させることができるので、作業性を向上させることができるとともに、「前記端子金具部材の両側部は、重なり合った前記突出壁部で覆われている」ことにより、重なり合った2枚の突出壁部で端子金具部材の側部が絶縁され、絶縁距離を十分に確保することができるものと認められる。
すなわち、本願補正発明3は、隣接する構成体に向けて突出する「一対の突出壁部」に凸部及び凹部を設けて、凸部及び凹部の係合の際に、当該「一対の突出壁部」の内側に端子金具部材を配置するようにしたものである。

これに対して、刊行物3の前記(1)ア.ないしオ.の記載を踏まえると、引用発明3は、複数の中間ブロック1、端部ブロック2,3は、弾性係脱部4と、前記弾性係脱部4に対応する被係脱部5とが、互いに係止することで連結され、前記弾性係脱部4及び前記被係脱部5は、基台6に形成されており、隣接する前記中間ブロック1、端部ブロック2,3が互いに連結方向に押し付けられたときに、前記弾性係脱部4と前記被係脱部5とが弾発的に係合するものであり、本願補正発明3のように、そもそも「一対の突出壁部」を有するものではないので、係合する弾性係脱部4及び被係脱部5が「一対の突出壁部」に設けられるものではない。
また、端子金具11は、基台6において、弾性係脱部4と被係脱部5の係止部分の上であって、ビス収容孔9の上方で、かつ仕切壁8の下面との間に形成した金具嵌挿溝10に嵌挿されているものであり、そもそも「一対の突出壁部」を有するものではないので、弾性係脱部4及び被係脱部5の係合により、端子金具11の両側部に突出壁部が位置するものではない。
したがって、本願補正発明3における複数の構成体の係合構造及び端子金具部材の配置構造と引用発明3における中間ブロック1と端部ブロック2,3の係止構造及び端子金具11の配置構造は著しく相違し、その機能及び効果においても相違するものと認められる。
そして、拒絶査定において、拒絶の理由として示された刊行物1(実公昭44-12985号公報)、刊行物2(実願平3-69463号(実開平5-20271号)のCD-ROM)、刊行物4(特開平11-258267号公報)、及び刊行物5(特開2004-193122号公報)にも、前記相違点に係る「凸部」、「凹部」、及び「端子金具部材」に係る係合に関する構成は記載されていない。
また、前記相違点に係る本願補正発明3の構成が、設計事項であるとも、周知の手段であるとも認められない。
したがって、前記相違点に係る本願補正発明3の構成は、引用発明3、及び刊行物1、2、4及び5に記載の事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものと言えない。

以上のとおりであるから、本願補正発明3は、引用発明3、及び刊行物1、2、4及び5に記載の事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものと言えない。

2.本願補正発明4について
本願補正発明4は、前記第2.の1.(1)イ.に記載されたとおりのものである。
本願補正発明3を直接引用する本願補正発明4は、本願補正発明3をさらに限定したものであるから、引用発明3、及び刊行物1、2、4及び5に記載の事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものと言えない。

したがって、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-11-28 
出願番号 特願2014-112666(P2014-112666)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 前田 仁  
特許庁審判長 冨岡 和人
特許庁審判官 小関 峰夫
阿部 利英
発明の名称 端子台  
代理人 瀬川 幹夫  
代理人 中島 健  
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