• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 B62D
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B62D
管理番号 1322213
審判番号 不服2015-22855  
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-25 
確定日 2016-12-20 
事件の表示 特願2011-62676号「ゴムクローラ、ゴムクローラ組立体、及び、ゴムクローラ製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成23年7月7日出願公開、特開2011-131885号、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成21年12月24日に出願した特願2009-292402号の一部を平成23年3月22日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成25年11月13日付け 拒絶理由の通知
平成26年 1月20日 意見書、手続補正書の提出
平成26年 5月29日付け 拒絶理由の通知
平成26年 7月7日 意見書、手続補正書の提出
平成27年 1月7日付け 拒絶理由の通知
平成27年 3月11日 意見書、手続補正書の提出
平成27年 9月30日付け 拒絶査定(以下、「原査定」という。)
平成27年12月25日 拒絶査定不服審判請求書の提出
平成28年 9月14日付け 拒絶理由の通知(以下、「当審拒絶理由」という。)
平成28年10月27日 意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明
本願の請求項1-4に係る発明は、平成28年10月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定されるとおりのものと認められる。
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は以下のとおりである。
「 【請求項1】
ゴムクローラ周方向に所定間隔で複数設けられ、長手方向がゴムクローラ幅方向に沿っている芯金を備え、
前記芯金は、ゴムクローラ内周面側に突出しスプロケットと係合する一対の突起部と、
前記突起部の先端部に形成され、前記先端部のそれぞれ一部で凹んだ形状とされ、前記突起部を下方にして前記芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態で前記金型に当接する被支持部と、
を有し、
前記先端部がゴムで覆われ、前記被支持部がゴムで覆われずに露出している、ゴムクローラ。」

第3 原査定の理由について
1.原査定の理由の概要
本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

刊行物1:特開2009-78796号公報
刊行物2:特開2001-47437号公報
刊行物3:実願平1-148992号(実開平2-141586号)のマイクロフィルム
刊行物4:特開平5-8767号公報

刊行物1には、ゴムクローラに関し、ゴムクローラ周方向に所定間隔で複数設けられ、長手方向がゴムクローラ幅方向に沿っている芯金5を備え、芯金5は、ゴムクローラ内周面側に突出しスプロケット100と係合する一対の突起部4と、突起部4間に形成され、突起部4を下方に向けて芯金5をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置すると金型に当接する溝部25(図3参照。被支持部)と、を有し、突起部4がゴムで覆われ、溝部25(被支持部)がゴムで覆われずに露出しているゴムクローラ1が記載されている(段落[0001]、[0017]、[0018]、[0037]-[0039]、図1-4参照)。
刊行物2には、ゴムクローラの製法及びこれに用いる金型に関し、ゴムクローラ周方向に所定間隔で複数設けられ、長手方向がゴムクローラ幅方向に沿っている芯金11(芯金)を備え、芯金11(芯金)は、ゴムクローラ内周面側に突出する一対の突起部と、突起部を下方に向けて芯金11(芯金)をゴムクローラ加硫成形用の下金型2(金型)の窪み2a(所定位置)に配置すると下金型2(金型)に当接することが記載されている(段落[0001]、[0011]?[0016]、図1、2参照)。
ゴムクローラの芯金において、突起部の先端部のそれぞれ一部で凹んだ形状とすることは、例えば、刊行物3に記載された転輪ガイド14(第8図参照)、刊行物4に記載された下段部頂面16、46、56(図3、9、11参照)のように、従来普通に行われている周知の技術手段にすぎない。
そして、刊行物1には、製品ゴムクローラで、ゴムのとくに剥れ易い、角部5aの突出基部部分に、十分なゴム厚みを確保して、その基部部分でのゴムの剥離のおそれを有効に取り除くという動機付けが記載されているのであるから、刊行物1に記載された溝部25(被支持部)に、刊行物2に記載された技術的事項、及び従来周知の技術手段を適用して、突起部4の先端部のそれぞれ一部で凹んだ形状とされた部分を被支持部とすることにより、突起部4の先端部がゴムで覆われ、先端部の一部である被支持部がゴムで覆われずに露出している本願の請求項1に係る発明とすることは、技術的に格別の困難性を有することなく当業者が容易に想到できるものである。

2.原査定の理由の判断
(1)刊行物1の記載事項および発明
ア.刊行物1には、次の記載がある(下線は当審で付した。)。
(ア)
「【0002】
路面の保護、騒音の抑制、更には環境保護などの観点から、近年、建設機械、農業機械などの車輌の走行部にゴムクローラが広く用いられるようになっている。このようなゴムクローラとしては、例えば特許文献1に開示されたものがよく知られている。
これは、ゴムクローラの内周面に、一定のピッチで、ゴム塊からなる駆動突部を形成したものであり、駆動突部は内周面上に山状に盛り上げた突起状の物体であって、この駆動突部に、駆動軸に取付けたスプロケットの歯を係合させることによってゴムクローラに駆動力を伝達するものである。」
(イ)
「【0021】
図1のゴムクローラ1はいわゆる内周駆動型のゴムクローラであり、外周面側に路面に作用するラグ2を有し、内周面側にはゴムクローラそれ自身に駆動力を伝達するための駆動係合部が形成してある。
この駆動係合部は、ゴムクローラ1の周方向に一定のピッチをもって埋設した後述の硬質の係合部材と、この係合部材の間毎に配置した凹部3とを含んでいる。
なお、説明の便宜上、ゴムクローラ1の回転方向を周方向CD、これと直角な方向を幅方向RDと称して説明に用いる。
【0022】
ゴムクローラ1には、硬質の係合部材となる複数の芯金5がこのゴムクローラの幅方向RDへの延在姿勢で、周方向CDに間隔をおいて所定ピッチで埋設されている。
芯金5の構造については後に詳述するが、図示のように中央部分の内周面側に一対の角部5a、5aが形成されている。すなわち、一対で二股状に形成した角部5a,5aがゴムクローラ1の内周面から内側に向けて突出しており、これがゴムクローラと同じゴム材で覆われて突起部4となっている。」
(ウ)
「【0024】
また、ゴムクローラ1の内周面には、スプロケット100の歯部101を受け入れる複数の凹部3が形成してある。この凹部3は、前述したような標準的な内周面に対し、ゴムクローラ1の内周面を接地面側(外側)にへこませた形状であり、スプロケット100の歯部101の入り込みを許容するように形成されている。」
(エ)
「【0029】
上記一対の角部5a、5aの間隔は、スプロケット100がスムーズに回転できる間隔を確保するようにして設定されている。ただし、金属などの硬質材で形成されている芯金5の角部5aはゴムクローラと同じゴム素材で覆われ、外観においてはゴム状の突起部4となる。よって、2つの突起部4の間をスプロケット100がガイドされながら回転する形態となる。
したがって、上記一対の角部5a相互の間隔は被覆するゴムの厚みを見込んだ分だけ大きく設定してある。」
(オ)
「【0038】
これに対して、図2で示すように芯金5と上記隆起表面20との間に空間を確保するように溝部25を設けることで、ゴムクローラの内周面の一部に歪が集中するの緩和して損傷を予防できる。
すなわち、更に芯金5に沿って溝部25を設けることで耐久性を一層向上させることができる。
なお、ゴムクローラ1の製造時にあっては金型内で芯金5を精度良く位置決めしながらゴム材内に埋設する(組込む)のが好ましい。そのためには、芯金5の両側を支持部材で支持して位置決めする。このようにして使用した支持部材を加硫後に取除くと、芯金5の両側に凹部が形成されるので、この凹部空間を利用して溝部とすればよいので、上述した溝部25を備える構造は簡単に実現できる。
これらのことは、溝部25を、図示のように、隆起表面の全幅にわたって連続させて形成した場合にとくに効果的である。」

イ.以上の刊行物1の記載と共に図面の記載をも参照すれば、刊行物1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「硬質の係合部材となる複数の芯金5を、このゴムクローラの幅方向RDへの延在姿勢で、周方向CDに間隔をおいて所定ピッチで埋設しているゴムクローラであって、
芯金5の中央部分の内周面側には、ゴムクローラと同じゴム素材で覆われることによりスプロケット100をガイドする突起部4となる一対の角部5a、5aが形成されており、
芯金5は、芯金5の両側を支持部材で支持されることによりゴムクローラ加硫成形用の金型内の所定位置に位置決めされ、
芯金5の角部5a、5aがゴムクローラと同じゴム素材で覆われ、芯金5の両側には凹部が形成されている、ゴムクローラ」

(2)対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「ゴムクローラ」および「硬質の係合部材となる芯金5」は、技術的にみてそれぞれ本願発明の「ゴムクローラ」および「芯金」に相当する。
引用発明の「周方向CDに間隔をおいて所定ピッチで」は、技術的にみて本願発明の「周方向に所定間隔で」に相当し、また、引用発明の「ゴムクローラの幅方向RDへの延在姿勢で」は、本願の「長手方向がゴムクローラの幅方向に沿っている」ことに相当する。
結局、引用発明の「硬質の係合部材となる複数の芯金5を、このゴムクローラの幅方向RDへの延在姿勢で、周方向CDに間隔をおいて所定ピッチで埋設しているゴムクローラ」は、本願発明の「ゴムクローラ周方向に所定間隔で複数設けられ、長手方向がゴムクローラ幅方向に沿っている芯金を備え」る「ゴムクローラ」に相当する。
また、引用発明の「一対の角部5a、5a」はゴムクローラ内周面側に突出して設けられているものである(図1、図2)。よって、引用発明の「芯金5の中央部分の内周面側には、ゴムクローラと同じゴム素材で覆われることによりスプロケット100をガイドする突起部4となる一対の角部5a、5aが形成されて」いることは、本願発明の「前記芯金は、ゴムクローラの内周面側に突出してスプロケットと係合する一対の突起部」「を有」することとの対比において、「前記芯金は、ゴムクローラ内周面側に突出している一対の突起部」「を有」するという限度で一致する。
引用発明の芯金5は、「芯金5の両側を支持部材で支持されることによりゴムクローラ加硫成形用の金型内の所定位置に位置決めされ」るものであるところ、芯金5がゴムクローラ内に埋設されるものであるから、金型成型における技術常識からみて、引用発明の「支持部材」は金型内に存在する部材であるといえる。そうすると、引用発明において、「芯金5の両側」は、ゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態でゴムクローラ加硫成形用の金型(内に存在する部材である支持部材)に当接しているといえる。よって、引用発明の「芯金5は、芯金5の両側を支持部材で支持されることによりゴムクローラ加硫成形用の金型内の所定位置に位置決めされる」ことは、本願発明の「前記芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態で前記金型に当接する被支持部と」「を有」することとの対比において、「前記芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態で前記金型に当接する被支持部と」「を有」することに相当する。
さらに、引用発明の、「芯金5の角部5a、5aがゴムクローラと同じゴム素材で覆われ」ていることにより、角部の先端部である部分もゴムで覆われていることになるから、引用発明の、「芯金5の角部5a、5aがゴムクローラと同じゴム素材で覆われ」ていることは、本願発明の「前記先端部がゴムで覆われ」ていることとの対比において、「先端部」が「突起部」の先端部に形成されていることを加味すると、「突起部の先端部がゴムで覆われ」ている限度で一致する。また、引用発明の「芯金5の両側」に形成された凹部は、支持部材(金型内に存在する)を加硫後に取除くことにより形成されるものであるから、この「芯金5の両側」はゴムで覆われずに露出しているといえる。
以上のとおりであるから、本願発明と引用発明の一致点および相違点は次のとおりである。
<一致点>
「ゴムクローラ周方向に所定間隔で複数設けられ、長手方向がゴムクローラ幅方向に沿っている芯金を備え、
前記芯金は、ゴムクローラ内周面側に突出している一対の突起部と、
前記芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態で前記金型に当接する被支持部と、
を有し、
前記突起部の先端部がゴムで覆われ、前記被支持部がゴムで覆われずに露出している、ゴムクローラ。」
<相違点1>
突起部に関し、本願発明は「スプロケットと係合する」ものであるのに対し、引用発明は、「ゴムクローラと同じゴム素材で覆われることによりスプロケット100をガイドする突起部4となる」ものである点。
<相違点2>
被支持部に関し、本願発明の被支持部が「突起部の先端部に形成され、前記先端部のそれぞれ一部で凹んだ形状とされ」ているものであるのに対し、引用発明では芯金5の両側が被支持部とされている点。
<相違点3>
被支持部に関し、本願発明の被支持部は「突起部を下方にして芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態で前記金型に当接する」ものであるのに対し、引用発明の芯金5の両側(被支持部)が、突起部を下方にして芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態で前記金型に当接するものであるかどうかは明らかではない点。

(3)判断
事案に鑑み<相違点2>について検討する。
本願発明の「被支持部」はスプロケットと係合する突起部の先端部に形成されている凹んだ形状の部分であるところ、原査定で引用されたいずれの刊行物(刊行物2-4)にもこのような技術的事項は記載も示唆もされていない。
ここで、特に、上記刊行物3の、芯金9に設けられたローラ外れ防止突起11、11のそれぞれの外側に形成された転動ガイド14、14は、芯金に設けられた突起部の先端部に形成されている凹んだ形状の部分ともいえるが、その突起部はスプロケットと係合するものではないし、芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態で前記金型に当接するものでもない。
また、上記刊行物4の芯金10に設けられた一対の角部12、13の先端側に設けられた下段部頂面16も、上記刊行物3の転動ガイド14、14と同様の構成、機能を持つものであり、芯金に設けられた突起部の先端部に形成されている凹んだ形状の部分ともいえるが、その突起部はスプロケットと係合するものではないし、芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態で前記金型に当接するものでもないことは上記刊行物3と同様である。
したがって、引用発明において、本願発明の相違点2に係る構成とすることは引用発明および上記刊行物2-4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。
そして、本願発明は、相違点2に係る構成を備えることによって、「金型内の芯金を容易かつ確実に位置決めすることができる」(段落【0013】)という作用効果と共に、「スプロケット100の歯部101を、凹み部13の変形下で、間接的に芯金15に係合させて駆動力を確実に伝達できる」(段落【0024】)という、各刊行物からは予測し得ない作用効果を奏することができる。
よって、その他の相違点を検討するまでもなく、本願発明は引用発明および刊行物2-4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本願の請求項2-4に係る発明は、本願発明をさらに限定したものであるか、本願発明を利用したものであるので、本願発明と同様の理由により、当業者が引用発明および刊行物2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。
よって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

第4 当審拒絶理由について
1.当審拒絶理由の概要
この出願は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

請求項1に係る発明は、「ゴムクローラ」(物の発明)であるが、当該請求項には、「前記突起部の先端部に形成され、・・・略・・・前記突起部を下方に向けて前記芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置すると前記金型に当接する被支持部と」(下線は当審が付与した。以下同じ。)という、その物の製造方法(製造に関して、経時的な要素の記載がある)が記載されているものと認められる。
ここで、物の発明に係る請求項にその物の製造方法が記載されている場合において、当該請求項の記載が特許法第36条第6項第2号にいう「発明が明確であること」という要件に適合するといえるのは、出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情(「不可能・非実際的事情」)が存在するときに限られると解するのが相当である(最二小判平成27年6月5日 平成24年(受)1204号、同2658号)。
しかしながら、不可能・非実際的事情が存在することについて、明細書等に記載がなく、また、出願人から主張・立証がされていないため、その存在を認める理由は見いだせない。
したがって、請求項1及び請求項1を引用する請求項2-3に係る発明は明確でない。

同じく、請求項2に係る発明は、「ゴムクローラ」(物の発明)であるが、当該請求項には、「前記突起部間に形成され、前記突起部を下方に向けて前記芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置すると前記金型に当接して芯金短手方向の移動が規制される被規制部を備えた」という、その物の製造方法(製造に関して、経時的な要素の記載がある)が記載されているものと認められる。
よって、上記請求項1についての説示と同様の理由により、請求項2及び請求項2を引用する請求項3に係る発明は明確でない

2.当審拒絶理由の判断
(1)平成28年10月27日にされた手続補正によって、本願の請求項1および請求項2は以下のとおりに補正された(下線は、補正箇所である。)。
「 【請求項1】
ゴムクローラ周方向に所定間隔で複数設けられ、長手方向がゴムクローラ幅方向に沿っている芯金を備え、
前記芯金は、ゴムクローラ内周面側に突出しスプロケットと係合する一対の突起部と、
前記突起部の先端部に形成され、前記先端部のそれぞれ一部で凹んだ形状とされ、前記突起部を下方にして前記芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態で前記金型に当接する被支持部と、
を有し、
前記先端部がゴムで覆われ、前記被支持部がゴムで覆われずに露出している、ゴムクローラ。
【請求項2】
前記突起部間に形成され、前記突起部を下方にして前記芯金をゴムクローラ加硫成形用の金型の所定位置に配置した状態で、前記金型に当接して芯金短手方向の移動が規制される被規制部を備えた、請求項1に記載のゴムクローラ。」
(2)上記手続補正により、本願の請求項1および請求項2の記載は、物の発明に係る請求項にその物の製造方法が記載されているとはいえなくなり、明確となった。
よって、当審拒絶理由は解消した。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶する理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2016-12-07 
出願番号 特願2011-62676(P2011-62676)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B62D)
P 1 8・ 537- WY (B62D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 常盤 務  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 小原 一郎
尾崎 和寛
発明の名称 ゴムクローラ、ゴムクローラ組立体、及び、ゴムクローラ製造方法  
代理人 加藤 和詳  
代理人 中島 淳  
代理人 福田 浩志  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ