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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04B
管理番号 1323999
審判番号 不服2016-1002  
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-01-22 
確定日 2017-02-07 
事件の表示 特願2013- 77251「回路基板」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 7月18日出願公開、特開2013-141317、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,平成23年12月22日の出願である特願2011-282013号の一部を,平成25年4月2日に新たな特許出願としたものであって,平成27年8月13日付けで拒絶理由が通知され,同年9月14日付けで意見書とともに手続補正書が提出され,同年10月21日付けで拒絶査定され,平成28年1月22日に拒絶査定不服審判の請求と同時に手続補正がされ,同年11月1日付けで拒絶理由を当審から通知し,同年12月15日付けで意見書とともに手続補正書が提出されたものである。


第2 本願発明

本願の請求項1から7に係る発明は,平成28年12月15日付け手続補正書における特許請求の範囲の請求項1から7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(請求人の附した下線は省略。)

【請求項1】
導体層と絶縁層とが積層されて形成された積層基板と、
前記積層基板に設けられたアンテナ端子と、
弾性波フィルタが形成され、前記積層基板に内蔵され、分波器を構成する送信フィルタが形成された送信フィルタチップと、
弾性波フィルタが形成され、前記積層基板に内蔵され、前記分波器を構成する受信フィルタが形成された受信フィルタチップと、
前記送信フィルタチップ及び前記受信フィルタチップのうちの一方のフィルタチップを前記積層基板の厚さ方向に投影して形成される投影領域の一部のみで重なるように前記積層基板の表面に設けられ、かつ前記一方のフィルタチップと接続された能動部品と、を具備し、
前記一方のフィルタチップは前記アンテナ端子と電気的に接続され、前記能動部品はアンプを含み、前記一方のフィルタチップは前記能動部品で増幅された信号をフィルタリングする又は前記能動部品は前記一方のフィルタチップでフィルタリングされた信号を増幅し、
前記一方のフィルタチップと前記能動部品は、前記投影領域と前記能動部品が重なる領域の内側のみで接続されることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記一方のフィルタチップと前記能動部品とは、別の部品を介さず直接接続されていることを特徴とする請求項1記載の回路基板。
【請求項3】
前記一方のフィルタチップは前記送信フィルタチップであり、前記能動部品はパワーアンプであることを特徴とする請求項1または2記載の回路基板。
【請求項4】
前記送信フィルタチップは送信ノードと共通ノードとの間に接続され、前記受信フィルタチップは受信ノードと前記共通ノードとの間に接続され、
前記一方のフィルタチップは前記送信フィルタチップであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の回路基板。
【請求項5】
前記一方のフィルタチップと前記能動部品とを接続する配線のうち、前記積層基板の面方向に延びる第1配線は、前記積層基板の厚さ方向に延びる第2配線より短いことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の回路基板。
【請求項6】
前記積層基板は金属からなるコアを含み、
前記一方のフィルタチップは前記コアに形成された開口部に内蔵されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の回路基板。
【請求項7】
前記一方のフィルタチップは、前記積層基板の厚さ方向に延びる接続配線及び面方向に延びる前記導体層を介して前記アンテナ端子に電気的に接続され、
前記アンテナ端子は、前記能動部品が設けられた前記積層基板の前記表面とは反対側の前記積層基板の表面に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の回路基板。

なお,以下において,請求項に係る発明を,請求項の番号に従って,「本願第1発明」などといい,「本願第1発明」から「本願第7発明」を併せて「本願発明」という。


第3 原査定の理由について

1.原査定の理由の概要

本願発明は,その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


1:特開2002-344346号公報
2:特開2000-188522号公報(周知技術を示す文献)
3:特開平11-340416号公報(周知技術を示す文献)
4:特開2003-347741号公報
5:特開2009-182903号公報(周知技術を示す文献;新たに引用された文献)
6:特開2007-273585号公報(周知技術を示す文献;新たに引用された文献)

文献1には,携帯電話などの移動体通信機器やローカル・エリア・ネットワーク(LAN)等に使用するフロントエンドモジュールに関する発明が記載されており,
フロントエンドモジュールは,該積層体8上に半導体部品19を搭載するとともに,前記積層体8内に設けるキャビティ20にはセラミックチップでなるダイプレクサ7が埋設され,半導体部品19とダイプレクサ7が厚さ方向に少なくとも一部重なる構成,
が記載されている。
そして,文献1発明において,文献3,5,6に記載された周知技術を適用して,積層基板の表面アンプを含む能動部品を実装する構成とし,本願発明の構成とすること当業者が容易になし得ることである。

2.原査定の理由に関する判断
(1) 文献1及び記載事項
原査定の理由で「文献1」として引用された特開2002-344346号公報(平成14年11月29日公開)には,図面とともに次の事項が記載されている。

ア 記載事項1
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明による移動体通信機器用モジュールを実現するブロック回路の一例図である。本実施の形態は、GSM方式(900MHz帯)とDCS方式(1.8GHz帯)に兼用されるもので、フロントエンドモジュールを構成する例を示す。図1において、1はフロントエンドモジュール、2はアンテナ、T1、T5はそれぞれGSM方式の送信回路、受信回路に接続される端子電極、T11、T7はそれぞれDCS方式の送信回路、受信回路に接続される端子電極である。矢印は各方式の信号の流れを示す。
【0011】3、4はそれぞれDCS方式、GSM方式の送信信号中に含まれる高調波を除去するローパスフィルタ、5はDCS方式の送受切換え用スイッチ、6はGSM方式の送受切換え用スイッチ、7はDCS方式の信号とGSM方式の信号を分離する分波回路として設けられたダイプレクサである。
【0012】図2は前記フロントエンドモジュール1の回路構成を説明する回路図である。図2において、T1?T11は後述の積層体8(図3(A)参照)の外側に設けられる端子電極である。端子電極T9はアンテナへの端子電極であり、コイルL1、L2、L11とコンデンサC1、C11、C12は分波回路である前記ダイプレクサ7を構成する。コイルL1とコンデンサC1から端子電極T11に至る側の回路(図面上、右側の回路)がDCS方式に対応する回路である。コイルL11とコンデンサC11から端子電極T1に至る回路(図面上、左側の回路)がGSM方式に対応する回路である。
【0013】右側のDCS方式に対応する回路において、T11はDCS方式の送信回路に接続される端子電極である。T7はDCS方式の受信回路に接続される端子電極である。T8、T10はDCS方式の送受切換えを行うための制御信号を加える端子電極である。コイルL6とコンデンサC6?C8は前記ローパスフィルタ3を構成する。ダイオードD1、D2と、コイルL3?L5と、コンデンサC2?C5、C9は送受信切換えスイッチ5を構成する。
【0014】また、左側のGSM方式に対応する回路において、T1はGSM方式の送信回路に接続される端子電極である。T5はGSM方式の受信回路に接続される端子電極である。T2、T4はGSM方式の送受切り換えを行うための制御信号を加える端子電極である。コイルL14とコンデンサC17?C19はローパスフィルタ4を構成する。また、ダイオードD11、D12とコイルL12、L13とコンデンサC13?C16は送受信切換えスイッチ6を構成する。
【0015】図3(A)は本実施の形態のモジュールの全体構成を示す斜視図であり、側面部に設けられる端子電極は図示を省略している。図3(B)は該モジュールの層構造図である。また、図4(A)は該モジュールの断面図、図4(B)は該モジュールに埋設されるダイプレクサチを示す斜視図、図4(C)はその層構造図である。
【0016】該フロントエンドモジュールは、積層体(ベース基板)8と、該積層体8上に搭載した前記ダイオードD1、D2等の半導体部品19とからなる。搭載部品としては、高容量コンデンサやインダクタあるいは抵抗等の受動素子19Aを設ける場合もある。またこれらの搭載部品は積層体8に内蔵する場合もある。
【0017】積層体8は、図3(B)、図4(A)に示すように、必要に応じてガラスクロスを埋設した樹脂または樹脂に誘電体粉末を混合した低誘電率層9a?9gと、必要に応じてガラスクロスを埋設した樹脂または樹脂に誘電体粉末を混合した高誘電率層10a、10bとを、各層間にインダクタ導体11、14やコンデンサ電極12、15を形成して一体に積層してなる。16は積層体8の底面に形成したグランド電極、17は前記は半導体部品19を固着するランドである。
【0018】20は前記積層体8内に設けるキャビティであり、該キャビティ20にはセラミックチップでなるダイプレクサ7が埋設される。該ダイプレクサ7は、図4(B)、(C)に示すように、セラミックグリーンシートからなる層21a?21fからなり、これらのグリーンシートに、グランド電極18、インダクタ導体22、コンデンサ電極23、ビアホール導体24をAg、CuまたはAg-Pd等を用いて印刷等によって形成し、これらを積み重ね、仮スタックし、熱プレスすることによって一体化し、切断、焼成、端子電極形成を行ってチップとしてのダイプレクサ7を作製する。なおこのセラミックチップは、グリーンシートを用いるのではなく、誘電体ペーストまたはおよび磁性体ペーストと導体とを交互に印刷して層構成する印刷法により作製してもよい。

イ 図面記載事項
図4として次の記載がある。

図5として次の記載がある。

(2) 文献4及び記載事項
原査定の理由で「文献4」として引用された特開2003-347741号公報(平成15年12月5日公開)には,次の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第一の実施の形態)図1(a)は、実施の形態における複合多層基板の要部断面図および要部斜視図である。この図において、複合多層基板20は、その断面が“多層構造”を有している。図示の例では、良好な電気伝導性、良好な熱伝導性および高い剛性を兼ね備えた材料からなる平板状のコア部材21と、そのコア部材21の表面(図面に向かって上側の面)を覆う樹脂層(以下「表面側樹脂層」)22と、そのコア部材21の裏面(図面に向かって下側の面)を覆う樹脂層(以下「裏面側樹脂層」)23とからなる三層構造を有している。
【0021】コア部材21に必要な物理的特性は、上記のとおり、良好な電気伝導性、良好な熱伝導性および高い剛性の三つである。“良好な電気伝導性”とは電気を通しやすい性質のこと(つまり、電気抵抗が低いこと)、“良好な熱伝導性”とは熱を伝えやすいこと(つまり、熱伝導率が高いこと)、“高い剛性”とは曲げや圧縮に対する応力変形が少ないことである。材質は限定されない。上記の物理的特性を兼ね備えたものであればよい。代表的には、メタル(金属)が好ましく、中でも、Cu(銅)、42アロイ、インバーなどのメタル(金属)が前記3つの物理的特性を同時に満足する上でより好ましい。
【0022】また、コア部材21の表裏を覆う樹脂層(表面側樹脂層22と裏面側樹脂層23)の材料としては、電気絶縁性と耐環境性(耐水性や耐酸性など)を有し、さらに必要であれば所要の誘電率を有する材料、たとえば、エポキシ系、ポリイミド系、シアネートエステル系またはテフロン(登録商標)系などの樹脂材料若しくはプリント配線基板に用いられる絶縁材料を使用することができる。
【0023】コア部材21には、その表裏を貫通する所定開口形状の貫通穴(以下「無底穴」)24が形成されている(図1(a)および図1(b)参照)。この無底穴24は、電子部品25の実装穴として用いられるようになっており、これにより、電子部品25を複合多層基板20の内部に“埋め込み”実装して、実装密度の向上を達成できるようになっている。

(3) 対比
文献1記載事項から導きうる発明(以下「文献1記載発明」という。)と本願第1発明とを比較すると,少なくとも次の相違がある。

本願第1発明においては,「分波器を構成する送信フィルタが形成された送信フィルタチップ」及び「分波器を構成する受信フィルタが形成された受信フィルタチップ」が,双方の「フィルタチップ」とも,「弾性波フィルタ」で形成され,そして「導体層と絶縁層とが積層されて形成された積層基板」に「内蔵」される構成を有するのに対し,文献1記載発明には,そのような構成の特定がない点で相違する。
そして,この相違により,<1>本願第1発明における「能動部品」のように「前記送信フィルタチップ及び前記受信フィルタチップのうちの一方のフィルタチップを前記積層基板の厚さ方向に投影して形成される投影領域の一部のみで重なるように前記積層基板の表面に設けられ、かつ前記一方のフィルタチップと接続された」とする構成も,<2>「前記一方のフィルタチップ」が「前記アンテナ端子と電気的に接続され、前記能動部品はアンプを含み、前記一方のフィルタチップは前記能動部品で増幅された信号をフィルタリングする又は前記能動部品は前記一方のフィルタチップでフィルタリングされた信号を増幅し」との構成も,そして<3>「前記一方のフィルタチップと前記能動部品」が「前記投影領域と前記能動部品が重なる領域の内側のみで接続される」との構成も,文献1記載発明からは特定されない相違がある。

(4) 原査定の理由に関する当審の判断
文献1記載発明において,積層基板に内蔵される「チップ」は,「ダイプレクサ70」であることが,文献1の【0018】等の記載から明らかである。
ここで,文献1の【0010】における記載を参照すると,上記「ダイプレクサ」を含む「フロントエンドモジュール1」の「端子電極T1、T5,T11、T7」には「送信回路」及び「受信回路」が接続される旨の記載はある。しかし,これら「送信回路」及び「受信回路」を上記「ダイプレクサチップ」が備えることの記載はない。
これらのことから,文献1記載発明においては,「送信回路」及び「受信回路」を「チップ」とすることまでの開示はないというべきである。

ここで,仮に,上記「送信回路」及び「受信回路」を,それぞれ「送信フィルタチップ」及び「受信フィルタチップ」のように構成することが周知であるとした場合に,周知技術を文献1記載発明に適用すると,文献1記載発明は「ダイプレクサチップ」に加え,さらに「送信フィルタチップ」及び「受信フィルタチップ」を備える回路構成となる。
このような「フィルタチップ」を備えた基板に対して,本願第1発明のように,「能動部品」を,「送信フィルタチップ及び受信フィルタチップのうちの一方のフィルタチップを積層基板の厚さ方向に投影して形成される投影領域の一部のみで重なるように前記積層基板の表面に設け」,そして,本願明細書【0027】に記載された「送信フィルタチップ10aと能動部品16aとを接続する配線が短くなる。この結果、ノイズの影響を低減することができる。さらに配線の寄生容量、及び寄生インダクタンス等の寄生成分も低減される。従って、回路基板100の高周波特性が改善する。」といった効果(以下「本願発明効果」という。)を,文献1記載発明及び周知技術から予測できたということはできない。

一方,文献4には,断面が多層構造を有する複合多層基板20に関し,該複合多層基板が良好な電気伝導性,良好な熱伝導性及び高い剛性を兼ね備えた材料からなる平板状のコア部材21を有し,<1>該コア部材にはメタル(金属)が好ましく,中でも,Cu(銅),42アロイ,インバーなどのメタル(金属)が前記3つの物理的特性を同時に満足する上でより好ましいこと,そして,<2>該コア部材にはその表裏を貫通する所定開口形状の貫通穴(以下「無底穴」)24が形成され,該無底穴24は,電子部品25の実装穴として用いられるようになっており,これにより,電子部品25を複合多層基板20の内部に“埋め込み”実装して,実装密度の向上を達成できるようになっていることが記載されているといえる。
そして,上記のように,文献4に記載された技術的事項(以下「文献4記載技術」という。)を文献1記載発明に適用しても,本願第1発明のような構成を導き出すことはできず,また,本願発明効果を,文献1記載発明,文献4記載技術及び周知技術から予測することもできない。

(5) まとめ
したがって,本願第1発明は,文献1記載発明,文献4記載技術及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。
また,本願第2発明から本願第7発明は,本願第1発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であるから,本願第2発明から本願第7発明についても,文献1記載発明,文献4記載技術及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。

よって,原査定の理由によっては,本願を拒絶すべきものであるということはできない。


第4 当審拒絶理由について

1.当審拒絶理由の概要
平成28年11月1日付けで当審から通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。

(明確性)
本件出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



本件出願の特許請求の範囲の記載は,平成28年1月22日付け手続補正書における特許請求の範囲のとおりである。

○ 請求項2に関して

なお,下線は当審が付与。
請求項2には,次のとおり記載されている。

【請求項2】
前記能動部品の全体が前記投影領域の内側に位置することを特徴とする請求項1記載の回路基板。

一方,本請求項が引用する請求項1における記載は,次のとおりである。

【請求項1】
導体層と絶縁層とが積層されて形成された積層基板と、
前記積層基板に設けられたアンテナ端子と、
弾性波フィルタが形成され、前記積層基板に内蔵され、分波器を構成する送信フィルタが形成された送信フィルタチップと、
弾性波フィルタが形成され、前記積層基板に内蔵され、前記分波器を構成する受信フィルタが形成された受信フィルタチップと、
前記送信フィルタチップ及び前記受信フィルタチップのうちの一方のフィルタチップを前記積層基板の厚さ方向に投影して形成される投影領域の一部のみで重なるように前記積層基板の表面に設けられ、かつ前記一方のフィルタチップと接続された能動部品と、を具備し、
前記一方のフィルタチップは前記アンテナ端子と電気的に接続され、前記能動部品はアンプを含み、前記一方のフィルタチップは前記能動部品で増幅された信号をフィルタリングする又は前記能動部品は前記一方のフィルタチップでフィルタリングされた信号を増幅し、
前記一方のフィルタチップと前記能動部品は、前記投影領域と前記能動部品が重なる領域の内側のみで接続されることを特徴とする回路基板。

上記請求項1の記載によると,「能動部品」は「投影領域」の「一部のみで重なる」構成となっている。これに対して,上記請求項2の記載は,「能動部品」は「投影領域」の「内側に全体が位置する」構成とする限定を,請求項1に記載された発明に更に附すものとなっており,そのため,請求項1に記載された構成と整合しない。

したがって,請求項2に記載された発明は明確でない。

なお,現時点で,請求項1,3から8に係る発明については,拒絶の理由を発見しない。

2.当審拒絶理由に関する判断
平成28年12月15日付け手続補正により,当審拒絶理由で指摘した請求項2は削除された。

よって,当審拒絶理由は解消した。


第5 むすび

以上のとおり,原査定の理由によっては,本願は拒絶することはできない。
また,ほかに,本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する
 
審決日 2017-01-23 
出願番号 特願2013-77251(P2013-77251)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H04B)
P 1 8・ 121- WY (H04B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 石田 昌敏  
特許庁審判長 加藤 恵一
特許庁審判官 近藤 聡
山本 章裕
発明の名称 回路基板  
代理人 片山 修平  

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