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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1324207
審判番号 不服2015-22078  
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-14 
確定日 2017-01-26 
事件の表示 特願2011- 36020「偏光子の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 9月10日出願公開、特開2012-173544〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 事案の概要
1 手続の経緯
本願は,平成23年2月22日に出願した特願2011-36020号であり,その手続の経緯は,概略,以下のとおりである。
平成26年 8月13日:拒絶理由通知(同年同月15日発送)
平成26年10月 1日:意見書
平成26年10月 1日:手続補正書
平成27年 2月24日:拒絶理由通知(同年同月25日発送)
平成27年 4月22日:意見書
平成27年 4月22日:手続補正書
平成27年 9月10日:拒絶査定(同年同月15日送達)(以下「原査定」という。)
平成27年12月14日:審判請求
平成27年12月14日:手続補正書

2 本件補正について
(1) 本件補正の内容
ア 平成27年4月22日提出の手続補正書による手続補正(以下「本件補正前」という。)によって補正された特許請求の範囲は,以下のとおりである。

「【請求項1】
ポリビニルアルコール系フィルムに,少なくとも膨潤処理,染色処理,及び架橋処理を施す偏光子の製造方法において,
前記処理のうち少なくとも膨潤処理時に,処理浴中のガイドロールとして拡幅ロールを少なくとも1つ用いて延伸を行い,その際,ポリビニルアルコール系フィルムが拡幅ロールから離れる位置が,下記式(1)を満たすように拡幅ロールを配置すると共に,前記拡幅ロールにおけるポリビニルアルコール系フィルムの抱き角を45°?135°とし,かつ
膨潤処理時における拡幅ロールは,膨潤処理浴中のフィルムの全パス長を1とした場合に,0.6?1のパス長率の位置に配置することを特徴とする偏光子の製造方法。
-40°≦θ≦40° (1)
(式中,θは,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置において,拡幅ロールに接触しているポリビニルアルコール系フィルムの出口側接点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Aと,拡幅ロールの弧高が最大になる点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Bとの交差角である。ただし,交差角は,直線Bを基準として前記フィルムの進行方向に対して順方向の場合を+とし,逆方向の場合を-とする。)
【請求項2】
請求項1記載の製造方法により得られる偏光子。
【請求項3】
請求項2記載の偏光子の少なくとも一方の面に透明保護フィルムが積層されている偏光板。
【請求項4】
請求項2記載の偏光子,又は請求項3記載の偏光板が少なくとも1枚積層されている光学フィルム。
【請求項5】
請求項4記載の光学フィルムを含む画像表示装置。」

イ 平成27年12月14日提出の手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)によって補正された特許請求の範囲は,以下のとおりである。本件補正による請求項1に係る発明を,以下「本願発明」という。

「【請求項1】
ポリビニルアルコール系フィルムに,少なくとも膨潤処理,染色処理,及び架橋処理を施す偏光子の製造方法において,
前記処理のうち少なくとも膨潤処理時に,処理浴中のガイドロールとして拡幅ロールを少なくとも1つ用いて延伸を行い,その際,ポリビニルアルコール系フィルムが拡幅ロールから離れる位置が,下記式(1)を満たすように拡幅ロールを配置すると共に,前記拡幅ロールにおけるポリビニルアルコール系フィルムの抱き角を45°?135°とし,かつ
膨潤処理時における拡幅ロールは,膨潤処理浴中のフィルムの全パス長を1とした場合に,0.6?1のパス長率の位置に配置することを特徴とする偏光子の製造方法。
-40°≦θ≦40° (1)
(式中,θは,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置において,拡幅ロールに接触しているポリビニルアルコール系フィルムの出口側接点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Aと,拡幅ロールの弧高が最大になる点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Bとの交差角である。ただし,交差角は,直線Bを基準として前記フィルムの進行方向に対して順方向の場合を+とし,逆方向の場合を-とする。)」

(2) 補正について
本件補正は,本件補正前の特許請求の範囲の請求項2?5を削除するものである。よって,本件補正は,特許法17条の2第5項1号に掲げる,特許法36条5項に規定する請求項の削除を目的とする補正である。
したがって,本件補正は適法になされたものである。

3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は,概略,この出願の請求項1に係る発明は,その出願前に日本国内または外国において頒布された刊行物に記載された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の発明であって,特許法29条1項3号に該当し,特許を受けることができない,あるいは,その出願前に日本国内または外国において頒布された刊行物に記載された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の発明に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない,というものである。

引用例1:特開2005-227650号公報

第2 当審判体の判断

1 引用例の記載及び引用発明

(1) 引用例1の記載
引用例1には,以下の事項が記載されている。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,より傷や皺が少なく,折れ込みの無い偏光フィルムの製造方法,得られる偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムを積層した偏光板,さらに位相差フィルム,輝度向上フィルム,視野角改良フィルムおよび半透過反射フィルムのいずれかが単独または複数貼合されてなる光学積層体に関する。」

イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする主たる課題は,より傷や皺が少なく,折れ込みの無い偏光フィルムを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは,より傷や皺の少ない偏光フィルムを製造すべく鋭意検討を重ねた結果,ガイドロールとして拡幅ロールを使用し,拡幅ロールが有する最大拡幅量βが,フィルムが拡幅ロールに接触する間におけるフィルムの幅方向の膨張量γを上回る位置に拡幅ロールを配置するか,上回る形状の拡幅ロールを使用することによって,傷や皺が少なく,折れ込みが無くなること,特にスポンジゴム製の拡幅ロールとすることによって,更に膨潤処理液中に配置した時に,傷や皺を少なくする,折れ込みを無くする効果が大きいことを見出し,本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち,本発明の偏光フィルムの製造方法は,ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤処理,染色処理,ホウ酸処理および水洗処理の順に処理し,ホウ酸処理工程および/またはその前の工程で一軸延伸を行う偏光フィルムの製造方法において,処理液中の少なくとも一つのガイドロールとして拡幅ロールを用い,下記の数式(1)で求める拡幅ロールが有する最大拡幅量βと下記の数式(2)で求めるフィルムが拡幅ロールに接触する間におけるフィルムの幅方向の膨張量γとの関係が,(a)β>γとなる位置に拡幅ロールを配置する,および/または(b)β>γとなる形状の拡幅ロールを用いることを特徴とする偏光フィルムの製造方法である。
【0009】
β=B_(1)×α×r/R ・・・・・・・・・(1)
(式中,B_(1)は拡幅ロールに接触するフィルム幅,αは拡幅ロールの接触角,rは拡幅ロールの半径,Rは拡幅ロールの曲率半径を表す。)
【0010】
γ=0.2055×B_(1)×{exp(-0.0273×θ_(1))-exp(-0.0273×θ)}・・・(2)
(式中,B_(1)は上記と同じであり,θはフィルムが拡幅ロールを離れるまでの液中の走行時間,θ_(1)はフィルムが拡幅ロールに接触するまでの液中の走行時間を表す。)
【0011】
また,拡幅ロールがスポンジゴムロールであり,そのスポンジの硬度がJISショアCスケールで20?60度,密度が0.4?0.6g/cm^(3)および表面粗さが10?30Sであることを特徴とする。
【0012】
また,拡幅ロールを膨潤処理液中に配置することを特徴とする。」

ウ 「【発明の効果】
【0014】
従来法と比較して,より傷や皺が少ない,折れ込みの無い偏光フィルムが得られる。
特にスポンジゴム拡幅ロールを配置する,更に膨張処理液中に拡幅ロールを配置することによって傷や皺を少なくし,折れ込みを無くする効果が大きい。
本発明の偏光板,光学積層体を液晶表示装置に使用することによって,薄型で高品位の液晶表示が得られる。」

エ 「【0017】
本発明の偏光フィルムは,二色性色素を吸着配向せしめたポリビニルアルコール系一軸延伸フィルムであるが,その作製方法としては,大きく分けて2つの製造方法がある。1つは,ポリビニルアルコール系フィルムを空気あるいは不活性ガス中で一軸延伸後,膨潤処理,染色処理,ホウ酸処理および水洗処理の順に溶液処理し,最後に乾燥を行う方法。2つめは,未延伸のポリビニルアルコール系フィルムを水溶液で膨潤処理,染色処理,ホウ酸処理および水洗処理の順に溶液処理し,ホウ酸処理工程および/またはその前の工程で湿式にて一軸延伸を行い,最後に乾燥を行う方法である。
【0018】
いずれの方法でも,一軸延伸は,1つの工程で行ってもよいし,2つ以上の工程で行っても良いが,複数の工程で行うことが好ましい。延伸方法は,公知の方法を採用することができ,例えばフィルムを搬送する2つのニップロール間に周速差をつけて延伸を行うロール間延伸,特許第2731813号公報に記載のような熱ロール延伸法,テンター延伸法などがある。また,基本的に工程の順序は,上記の通りであるが,処理浴の数や,処理条件などに制約は無い。
また,上記工程に記載の無い工程を別の目的で挿入することも自由であることは言うまでもない。この工程の例として,ホウ酸処理後に,ホウ酸を含まないヨウ化物水溶液による浸漬処理(ヨウ化物処理)またはホウ酸を含まない塩化亜鉛等を含有する水溶液による浸漬処理(亜鉛処理)工程等が挙げられる。」

オ 「【0024】
ホウ酸処理は,水100重量部に対してホウ酸を約1?10重量部,含有する水溶液に,二色性色素で染色したポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行われる。二色性色素がヨウ素の場合,ヨウ化物を約1?30重量部含有させることが好ましい。
ヨウ化物としてはヨウ化カリウム,ヨウ化亜鉛などが挙げられる。また,ヨウ化物以外の化合物,例えば塩化亜鉛,塩化コバルト,塩化ジルコニウム,チオ硫酸ナトリウム,亜硫酸カリウム,硫酸ナトリウムなどを共存させても良い。
このホウ酸処理は,架橋による耐水化や色相調整(青味がかるのを防止する等)等のために実施される。架橋による耐水化のための場合には,必要に応じて,ホウ酸以外に,またはホウ酸と共に,グリオキザール,グルタルアルデヒドなどの架橋剤も使用することができる。
なお,耐水化のためのホウ酸処理を,耐水化処理,架橋処理,固定化処理などの名称で呼称する場合もある。また,色相調整のためのホウ酸処理を,補色処理,再染色処理などの名称で呼称する場合もある。」

カ 「【0034】
図1に拡幅ロールの説明図を示す。(A)は平面図であり,(B)は断面図である。
拡幅ロールは略円弧状の形状をしており,その曲率半径がRで,弧高がHで表されている。拡幅ロールの半径がrで,フィルムが拡幅ロールに接触している面の接触角がαで,接触している面の長さがα・rで表されている。
図2はフィルムの拡幅状況を示す平面図であり,拡幅ロールに接触するフィルム幅がB_(1)で,ロール接触部で拡幅し,拡幅したフィルム幅がB_(2)で表されている。
図3は,拡幅ロールを処理槽に配置した例を示す模式断面図である。フィルムは気中のガイドロール1,4および処理槽5の処理液6中に配置された拡幅ロール2,3を介して搬送され処理液で処理される。フィルムはA点で処理液に入り,B点で拡幅ロール2に接し,C点で離れ,D点で拡幅ロール3に接し,E点で離れ,F点で処理液から出ている。拡幅ロール2についてのフィルムが拡幅ロールを離れるまでの液中の走行時間θはA?C間の走行時間であり,フィルムが拡幅ロールに接触するまでの液中の走行時間θ_(1)はA?B間の走行時間である。拡幅ロール3についてのフィルムが拡幅ロールを離れるまでの液中の走行時間θはA?E間の走行時間であり,フィルムが拡幅ロールに接触するまでの液中の走行時間θ_(1)はA?D間の走行時間である。」

キ 「【図1】



ク 「【図2】



ケ 「【図3】



コ 「【実施例】
【0047】
以下,実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが,本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
実施例1
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレビニロンVF-PS#7500,重合度2,400,ケン化度99.9モル%以上)を下記のとおり膨潤槽,染色槽,第1ホウ酸処理槽,第2ホウ酸処理槽,水洗槽の順に搬送して偏光フィルムを製造した。
図3に示すように膨潤槽を用い,処理液中の2本のガイドロールとして,半径r:37.5mm,スポンジの硬度がJISショアCスケールで25度,密度が0.42g/cm^(3),および表面粗さが20Sであるスポンジゴム拡幅ロールを用いた。他の気中,他の処理液中のガイドロールとして,半径35mm,表面粗さ0.6S,ゴム硬度(JISショアAスケール)80度であるNBRゴム製ロールを用いた。
【0048】
第1拡幅ロール(図中の2)を曲率半径R:1303mm,孤高H:35mmとし,第2拡幅ロール(図中の3)を曲率半径R:1813mm,孤高H:25mmとし,いずれもその接触角αが1.5radになる位置に配置した。
ポリビニルアルコールフィルムの搬送速度は約0.34m/分とし,この時のフィルムが第1拡幅ロールを離れるまでの液中の走行時間θは20秒,第1拡幅ロールに接触するまでの液中の走行時間θ_(1)は11秒であり,フィルムが第2拡幅ロールを離れるまでの液中の走行時間θは66秒,第2拡幅ロールに接触するまでの液中の走行時間θ_(1)は57秒である。
【0049】
膨潤槽の処理液は約30℃の純水で,ポリビニルアルコールフィルムは弛まないように緊張状態を保ったまま搬送し,十分に膨潤させた。浸漬時間は約80秒である。
この時の第1拡幅ロールに接触するフィルム幅B_(1)は369mm,第2拡幅ロールに接触するフィルム幅B_(1)は407mmであった。
これらの拡幅ロールが有する最大拡幅量βを数式(1)から求めると第1拡幅ロールは15.9mm,第2拡幅ロールは12.6mmであり,フィルムがそれぞれの拡幅ロールに接触する間におけるフィルムの幅方向の膨張量γを数式(2)から求めると第1拡幅ロールが12.2mm,第2拡幅ロールが3.8mmであり,いずれの拡張ロールについてもβ>γである。
フィルムの走行並びに表面状態を観察したところ,皺,折れ込みや傷の発生が無く,且つ極めて安定したフィルムの伸張走行状態が得られた。
【0050】
次にヨウ素/ヨウ化カリウム/水が重量比で0.02/1.5/100の水溶液に浸漬して染色処理しつつ,一軸延伸(延伸倍率:4.0倍)を行った。その後,ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が重量比で10/5/100の約60℃水溶液に浸漬して,ホウ酸処理しつつ原反からの積算延伸倍率が5.9倍になるまで一軸延伸を行った。なお,延伸は処理槽の前後に配置したニップロールに周速差を持たせて行った。
さらに,ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が重量比で10/3/100の水溶液に約40℃で約30秒間浸漬して第2のホウ酸処理を行った。第2のホウ酸処理後,約10℃の純水で約10秒間水洗した。水洗後,約60℃で2分間乾燥して,厚さ約28μmのヨウ素系偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムには傷や皺は見られなかった。」

サ 「【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】拡幅ロールの説明図であり,(A)は平面図,(B)は断面図である。
【図2】フィルムの拡幅状況を示す平面図である。
【図3】拡幅ロールを処理槽に配置した例を示す模式断面図である。」

(2) 引用発明

上記(1)からみて,引用例1には,実施例1として,以下の発明が記載されている(以下「引用発明」という。なお,段落番号は,引用発明の認定に活用した引用例1の記載箇所を示すために併記したものである。)。なお,実施例1においては,図3に示される膨潤層の用法を参照している(段落【0047】)。下記の引用発明においては,段落【0034】の図3の膨潤層の用法の記載における「拡幅ロール2」,「拡幅ロール3」及び「処理槽5」は,実施例1の記載に合わせて,それぞれ「第1拡幅ロール」,「第2拡幅ロール」及び「膨潤槽」としている。そして,段落【0047】の「図3に示すように膨潤槽を用い,処理液中の2本のガイドロール」として用いられる「スポンジゴム拡幅ロール」は,図3より同様に「拡幅ロール2」及び「拡幅ロール3」を示すことは明らかであり,記載を合わせて「ガイドロールである第1及び第2拡幅ロール」としている。

「【0047】厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを膨潤槽,染色槽,第1ホウ酸処理槽,第2ホウ酸処理槽,水洗槽の順に搬送して偏光フィルムを製造する方法において,
【0034】フィルムは気中のガイドロール1,4および膨潤槽の処理液6中に配置された第1,第2拡幅ロールを介して搬送され処理液で処理され,フィルムはA点で処理液に入り,B点で第1拡幅ロールに接し,C点で離れ,D点で第2拡幅ロールに接し,E点で離れ,F点で処理液から出るように【0047】膨潤槽を用い,
【0047】処理液中の2本のガイドロールである第1及び第2拡幅ロールとして,半径r:37.5mm,スポンジの硬度がJISショアCスケールで25度,密度が0.42g/cm^(3),および表面粗さが20Sであるスポンジゴム拡幅ロールを用い,
【0048】第1拡幅ロールを曲率半径R:1303mm,孤高H:35mmとし,第2拡幅ロールを曲率半径R:1813mm,孤高H:25mmとし,いずれもその接触角αが1.5radになる位置に配置し,
【0034】第1拡幅ロールについてのフィルムが拡幅ロールを離れるまでの液中の走行時間θはA?C間の走行時間であり,フィルムが拡幅ロールに接触するまでの液中の走行時間θ_(1)はA?B間の走行時間であり,
第2拡幅ロールについてのフィルムが拡幅ロールを離れるまでの液中の走行時間θはA?E間の走行時間であり,フィルムが拡幅ロールに接触するまでの液中の走行時間θ_(1)はA?D間の走行時間であり,
【0048】ポリビニルアルコールフィルムの搬送速度は約0.34m/分とし,この時のフィルムが第1拡幅ロールを離れるまでの液中の走行時間θは20秒,第1拡幅ロールに接触するまでの液中の走行時間θ_(1)は11秒であり,フィルムが第2拡幅ロールを離れるまでの液中の走行時間θは66秒,第2拡幅ロールに接触するまでの液中の走行時間θ_(1)は57秒であり,【0049】浸漬時間は約80秒であり,
【0049】膨潤槽の処理液は約30℃の純水で,ポリビニルアルコールフィルムは弛まないように緊張状態を保ったまま搬送し,十分に膨潤させ,この時の第1拡幅ロールに接触するフィルム幅B_(1)は369mm,第2拡幅ロールに接触するフィルム幅B_(1)は407mmであり,
【0008】,【0009】拡幅ロールが有する最大拡幅量βは,β=B_(1)×α×r/R(式中,B_(1)は拡幅ロールに接触するフィルム幅,αは拡幅ロールの接触角,rは拡幅ロールの半径,Rは拡幅ロールの曲率半径を表す。)で求められ,
【0049】これらの拡幅ロールが有する最大拡幅量βを求めると第1拡幅ロールは15.9mm,第2拡幅ロールは12.6mmであり,
【0050】次にヨウ素/ヨウ化カリウム/水が重量比で0.02/1.5/100の水溶液に浸漬して染色処理し,その後,ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が重量比で10/5/100の約60℃水溶液に浸漬して,ホウ酸処理する
偏光フィルムを製造する方法。」

2 対比
本願発明と引用発明を対比すると,以下のとおりとなる。

(1) ポリビニルアルコール系フィルム,膨潤処理,染色処理,架橋処理
引用発明は,「厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを膨潤槽,染色槽,第1ホウ酸処理槽,第2ホウ酸処理槽,水洗槽の順に搬送して偏光フィルムを製造する方法」に関するものである。そして,引用発明は,「膨潤槽」を用いて「ポリビニルアルコールフィルムは弛まないように緊張状態を保ったまま搬送し,十分に膨潤させ」,「次にヨウ素/ヨウ化カリウム/水が重量比で0.02/1.5/100の水溶液に浸漬して染色処理し,その後,ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が重量比で10/5/100の約60℃水溶液に浸漬して,ホウ酸処理」している。
引用発明の「ポリビニルアルコールフィルム」は,本願発明の「ポリビニルアルコール系フィルム」に相当する。そして,引用発明の「ポリビニルアルコールフィルム」を「膨潤」させる処理,及び「染色処理」は,それぞれ,本願発明の「膨潤処理」及び「染色処理」に相当する。引用発明の「ホウ酸処理」は,「架橋による耐水化や色相調整(青味がかるのを防止する等)等のために実施され」(引用例1の段落【0024】),本願発明の「架橋処理」に相当する。

(2) 処理浴,拡幅ロール
引用発明は,ポリビニルアルコールフィルムを膨潤させる工程において,「膨潤槽を用い」,「処理液中の2本のガイドロールである第1及び第2拡幅ロールとして,半径r:37.5mm,スポンジの硬度がJISショアCスケールで25度,密度が0.42g/cm^(3),および表面粗さが20Sであるスポンジゴム拡幅ロールを用い」ている。そして,引用発明は,「フィルムは気中のガイドロール1,4および膨潤槽の処理液6中に配置された第1,第2拡幅ロールを介して搬送され」る。
引用発明の「膨潤槽」及び「第2拡幅ロール」は,それぞれ,本願発明の「処理浴」及び「拡幅ロール」に相当する。そして,引用発明は,本願発明の「前記処理のうち少なくとも膨潤処理時に,処理浴中のガイドロールとして拡幅ロールを少なくとも1つ用い」るとの要件を満たす。

(3) 抱き角
引用発明は,ポリビニルアルコールフィルムを膨潤させる工程において,「第1拡幅ロールを曲率半径R:1303mm,孤高H:35mmとし,第2拡幅ロールを曲率半径R:1813mm,孤高H:25mmとし,いずれもその接触角αが1.5radになる位置に配置し」ている。
ここで,本願発明の「抱き角」について,本願の明細書において「抱き角とは,フィルムが拡幅ロールに接触している面の接触角である」と記載されている(段落【0022】)。ここでの「フィルム」は,「ポリビニルアルコール系フィルム」である。したがって,引用発明の「接触角」は,本願発明の「抱き角」に相当する。そして,引用発明において,「第1拡幅ロール」及び「第2拡幅ロール」に対して,「いずれもその接触角αが1.5rad」であり,「1.5rad」は約86°である。よって,引用発明は,本願発明の「拡幅ロールにおけるポリビニルアルコール系フィルムの抱き角を45°?135°」との要件を満たす。

(4) 偏光子
引用発明は,「偏光フィルムを製造する方法」に関するものであり,引用発明の「偏光フィルム」及び「偏光フィルムを製造する方法」は,それぞれ,本願発明の「偏光子」及び「偏光子の製造方法」に相当する。そして,引用発明の「偏光フィルムを製造する方法」は,上記(1)より,本願発明の「偏光子の製造方法」の「少なくとも膨潤処理,染色処理,及び架橋処理を施す」との要件を満たす。更に,引用発明の「偏光フィルムを製造する方法」は,上記(2)及び(3)の範囲で本願発明の「偏光子の製造方法」の要件を満たす。

3 一致点
上記2のとおり,本願発明と引用発明は,以下の構成において一致する。
「ポリビニルアルコール系フィルムに,少なくとも膨潤処理,染色処理,及び架橋処理を施す偏光子の製造方法において,
前記処理のうち少なくとも膨潤処理時に,処理浴中のガイドロールとして拡幅ロールを少なくとも1つ用い,
前記拡幅ロールにおけるポリビニルアルコール系フィルムの抱き角を45°?135°とする
偏光子の製造方法。」

4 相違点
本願発明と引用発明は,以下の点で相違する。
(1) 相違点1
本願発明の「偏光子の製造方法」は,「膨潤処理時に,処理浴中のガイドロールとして拡幅ロールを少なくとも1つ用いて延伸を行」っているのに対して,引用発明は,「膨潤処理時に,処理浴中のガイドロールとして拡幅ロールを少なくとも1つ用いて」拡幅を行っているが,「延伸」を行っているかは,必ずしも明確ではない点。

(2) 相違点2
本願発明の「偏光子の製造方法」は,「ポリビニルアルコール系フィルムが拡幅ロールから離れる位置が,下記式(1)を満たすように拡幅ロールを配置」し,式(1)が「-40°≦θ≦40°」,「(式中,θは,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置において,拡幅ロールに接触しているポリビニルアルコール系フィルムの出口側接点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Aと,拡幅ロールの弧高が最大になる点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Bとの交差角である。ただし,交差角は,直線Bを基準として前記フィルムの進行方向に対して順方向の場合を+とし,逆方向の場合を-とする。)」であるのに対して,引用発明においては,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置において,「拡幅ロールの弧高が最大になる点」に対する「ポリビニルアルコール系フィルムが拡幅ロールから離れる位置」が,必ずしも明確ではない点。

(3) 相違点3
本願発明の「膨潤処理時における拡幅ロールは,膨潤処理浴中のフィルムの全パス長を1とした場合に,0.6?1のパス長率の位置に配置」されているのに対して,引用発明の「膨潤処理時における拡幅ロール」の配置位置は,必ずしも明確ではない点。

5 判断
(1) 相違点1について
引用発明は,それぞれの拡幅ロールによる最大拡幅量を求めており,引用例1の図2にも示されるように,拡幅ロールによって横方向にフィルムを拡幅するものである。したがって,引用発明は,「膨潤処理時に,処理浴中のガイドロールとして拡幅ロールを用いて」,横方向にフィルムを延伸しているといえ,相違点1は,実質的な相違点ではない。
なお,本願の明細書には,「原反の長さに対して1.8倍となるように延伸を行った。」(段落【0064】),「135°を超える場合には拡幅効果が大きくなりすぎてフィルムが横方向に延伸され,厚みバラツキが生じる傾向にある。」(段落【0022】)などと記載されており,「延伸」とは,長さ方向にフィルムを延ばすこととして記載されている。しかしながら,本願発明には,延伸の方向は特定されていない。

あるいは,相違点1が実質的な相違点であったとしても,引用例1には,課題を解決するための手段として,「本発明の偏光フィルムの製造方法は,ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤処理,染色処理,ホウ酸処理および水洗処理の順に処理し,ホウ酸処理工程および/またはその前の工程で一軸延伸を行う偏光フィルムの製造方法」と記載されており(段落【0008】),ここでの一軸延伸は,拡幅とは別工程で行われているから,搬送方向の延伸であることは明らかである。そして上記の引用例1の記載に基づいて,引用発明のホウ酸処理工程の前の工程である「膨潤処理」において,長さ方向の一軸延伸を行うことは,当業者が容易に想到し得た事項である。更に,当該「偏光フィルムを製造する方法」に関する技術分野において,「膨潤処理」において,長さ方向の延伸を行うことは,例示するまでもなく,本願の出願日前において一般的に行われている事項である(本願の背景技術(段落【0003】)にも記載されている。)。したがって,引用発明の「膨潤処理」において,長さ方向の延伸を行うことは,当業者が容易に想到し得た事項である。

(2) 相違点2について
引用例1の図1(A)に示されるように,拡幅ロールの曲率半径Rは,拡幅ロールの中心により軸方向に形成される弧(以下「中心弧」という。)に基づいて定められている。ここで,拡幅ロールは,中心弧の曲率中心Oからの直線に沿って広がるように形成されている。そして,引用例1において,フィルムの拡幅状況を図2のように定めて,引用発明の「最大拡幅量β」を「β=B_(1)×α×r/R」「(式中,B_(1)は拡幅ロールに接触するフィルム幅,αは拡幅ロールの接触角,rは拡幅ロールの半径,Rは拡幅ロールの曲率半径を表す。)」としている。この「最大拡幅量β」は,フィルムの拡幅量であり,引用例1の図2における拡幅したフィルム幅B_(2)と拡幅ロールに接触するフィルム幅B_(1)の差と考えられる。フィルムは拡幅ロールの弧の広がりに沿って拡幅されるのであるから,図2においては,フィルムは中心弧の曲率中心Oからの直線に沿って拡幅されているものと考えられる。したがって,図2において,中心弧の曲率中心Oからフィルムの入口側接点までの距離がRであり,フィルムの入口側接点は,接触する位置が孤高が最大となる方向に対して鉛直に中心孤をロール表面に投影した位置であることを前提として,上記の「β=B_(1)×α×r/R」が成立する。つまり,図2及び「最大拡幅量β」の式は,図1の拡幅ロールの広がりを前提としており,図1における中心弧を図2のフィルムの入口側接点と一致するとしているものと考えられる。ここで,例えば,フィルムの入口側接点が,拡幅ロールの中心弧に対応する位置でなく,拡幅ロールの弧高が最大になる点に対して180°反対側の位置(本願の点Hに対して180°反対側の位置)で接触するとすれば,フィルムの入口側接点は,中心弧の曲率中心Oからの直線に沿った曲率中心Oからの距離が中心弧よりロールの半径r分近くなり,「R-r」となる。そして,「最大拡幅量β」も「β=B_(1)×α×r/(R-r)」となるはずである。フィルムの入口側接点がその他の角度の場合についても同様に,「最大拡幅量β」は「β=B_(1)×α×r/R」とはならない。したがって,引用発明の「最大拡幅量β」の「β=B_(1)×α×r/R」は,拡幅ロールの孤高を進行方向に向けたときに,フィルムの入口側接点が,孤高が最大となる方向に対して鉛直に中心孤をロール表面に投影した位置であることにより成立する。そして,その場合には,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置において,拡幅ロールの弧高が最大になる点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Bと,フィルムの入口側接点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Cとのなす角は90°となる。
上記のとおり,引用発明には,「拡幅ロールの弧高が最大になる点」との関係で「ポリビニルアルコール系フィルムが拡幅ロールから離れる位置」においては明示的に記載はされてないもの,「最大拡幅量β」を「β=B_(1)×α×r/R」としており,拡幅ロールの弧高が最大になる点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Bと,フィルムの入口側接点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Cとのなす角が90°の配置関係となっているといえる。そして,引用発明の膨潤処理において接触角は「1.5rad」(約86°)であり,フィルムは拡幅のため拡幅ロールの孤高に向かって搬送され,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置に対して,90°の位置から約86°接触する。したがって,「ポリビニルアルコール系フィルムが拡幅ロールから離れる位置」は,約-4°の位置であり,本願発明の「-40°≦θ≦40°」の要件を満たす。したがって,相違点2は,実質的な相違点ではない。

あるいは,相違点2が実質的な相違点であったとしても,当該「拡幅ロール」は,「拡幅ロール」の曲がりによる弧の長さの広がりにより拡幅を行うものであり,一般に,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置をフィルムの搬送方向に向けて,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる側とは反対側から接触させて,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる側においてフィルムと離間するように用いるものである。この点は,例えば引用例1の図2の配置などからも示唆されているといえる。また,模式図ではあるが,引用例1の図3の断面図においても,「第2拡幅ロール」である拡幅ロール3は,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置をフィルムの搬送方向に向けて,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる側においてフィルムと離間するような配置が示唆されている。
そして,引用発明も拡幅ロールを用いてフィルムを拡幅するものであり,引用例1においては最大拡幅量βがフィルムが拡幅ロールに接触する間におけるフィルムの幅方向の膨張量γよりも大きくなることを目的としている(段落【0008】)。拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置において弧の長さが最大となりフィルムを最も広く拡幅できる。更に,引用発明においては,第2拡幅ロールから離間した後にフィルムを膨潤槽から出すのであるから,引用例1の図3のように第2拡幅ロールの搬送方向側においてフィルムがほぼ垂直になるような状態で第2拡幅ロールとフィルムが離間することが膨潤槽をコンパクトに形成できることも,当業者が当然考慮する事項である。
したがって,より拡幅を行うため,あるいはコンパクトな膨潤槽の構造とするため,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置をフィルムの搬送方向に向けて,拡幅ロールの軸方向における弧高が最大になる位置の付近においてフィルムと離間するように用いて,結果として「ポリビニルアルコール系フィルムが拡幅ロールから離れる位置」が,本願発明の「-40°≦θ≦40°」の要件を満たすようにすることは,当業者が容易に想到し得た事項である。

(3) 相違点3について
引用発明では,「フィルムが第2拡幅ロールを離れるまでの液中の走行時間θは66秒,第2拡幅ロールに接触するまでの液中の走行時間θ_(1)は57秒であり,浸漬時間は約80秒であ」る。ここで,「浸漬時間は約80秒であ」るから,「0.6?1のパス長」とは,浸漬時間として約48?80秒の範囲であり,フィルムは第2拡幅ロールに57?66秒で接している。したがって,引用発明においても「膨潤処理時における拡幅ロールは,膨潤処理浴中のフィルムの全パス長を1とした場合に,0.6?1のパス長率の位置に配置」を実質的には満たしているものと解される。したがって,相違点3は,実質的な相違点ではない。

あるいは,相違点3が実質的な相違点であったとしても,引用発明において,第2拡幅ロールは,上記の第2拡幅ロールとフィルムが接するタイミングや図3などからも明らかに浸漬工程の後半に設けることが示されている。したがって,引用発明において第2拡幅ロールを,「膨潤処理浴中のフィルムの全パス長を1とした場合に,0.6?1のパス長率の位置に配置」することは,当業者が引用発明の実施に際して,適宜設定できたことである。

6 請求人の主張について
請求人は,審判請求書において『審査官殿が言う「β(=B_(1)×α×r/R)なる関係式が成立する場合」との意味が依然として不明です。』,『「βの関係式が成立する」のが,なぜ「点Hと拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Bとフィルムの入口接点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Cとのなす角が90°の場合である。」であるのか,その理由や根拠が全く示されて』いない,などと主張する(3.「(2)対比」)。
しかしながら,請求人の主張の角度θに関する判断は,上記5(2)のとおりである。また,審査官は,拒絶理由通知などにおいても,図2などを示しつつ「最大拡幅量β(=B_(1)×α×r/R)」の関係式が成立することを理由として,「点Hと拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Bとフィルムの入口側接点と拡幅ロールの中心点とを結んだ直線Cとのなす角が90°」であると説明している。したがって,請求人の主張は理由がない。

第3 まとめ
以上のとおり,本件出願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は,その出願前に日本国内または外国において頒布された刊行物に記載された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって,特許法29条1項3号に該当し,特許を受けることができない,あるいは,その出願前に日本国内又は外国において頒布された引用例1に記載された発明に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-11-30 
結審通知日 2016-12-01 
審決日 2016-12-13 
出願番号 特願2011-36020(P2011-36020)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (G02B)
P 1 8・ 121- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 後藤 亮治  
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 多田 達也
樋口 信宏
発明の名称 偏光子の製造方法  
代理人 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所  
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