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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W 審判 査定不服 出願日、優先日、請求日 取り消して特許、登録 H04W |
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管理番号 | 1324791 |
審判番号 | 不服2015-18014 |
総通号数 | 207 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-03-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-10-02 |
確定日 | 2017-02-28 |
事件の表示 | 特願2012-552310「スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルーム報告」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 8月18日国際公開、WO2011/098275、平成25年 5月30日国内公表、特表2013-520054、請求項の数(17)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,2011年(平成23年)2月10日(優先権主張 2010年(平成22年)2月12日 欧州特許庁,同年9月17日 欧州特許庁)を国際出願日として,「パナソニック株式会社」により出願されたものであって,その後,平成26年6月5日に譲渡による承継人を「パナソニック インテレクチュアル プロパティ コ-ポレ-ション オブ アメリカ」とする出願人名義変更がされ,平成28年2月25日に,委託者を「パナソニック インテレクチュアル プロパティコーポレーション オブ アメリカ」とし,受託者を「サン パテント トラスト」とする信託契約にともない承継人を「サン パテント トラスト」とする出願人名義変更がされたものであり,平成24年10月11日付けで手続補正がされ,平成26年10月27日付けで拒絶理由が通知され,平成27年1月16日付けで意見書とともに手続補正書が提出され,同年6月4日付けで拒絶査定され,同年10月2日に拒絶査定不服審判の請求がされ,平成28年8月24日付けで拒絶理由を当審から通知し,同年11月14日付けで意見書とともに手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明及び優先権主張の効果 1.本願発明 本願の請求項1から17に係る発明は,平成28年11月14日付け手続補正書における特許請求の範囲の請求項1から17に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(請求人が附した下線は省略) なお,以下において,請求項に係る発明を,請求項の番号に従って,「本願第1発明」などといい,「本願第1発明」から「本願第17発明」を併せて「本願発明」という。 【請求項1】 コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するモバイル通信システム内でユーザ機器が上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルームをeノードBに報告する方法であって、 下りリンク・コンポーネント・キャリア上で、前記ユーザ機器に上りリンク・リソースまたは下りリンク・リソースを割り当てるためのリソース割当情報を受信し、前記リソース割当情報は、複数のビットを含み、複数の下りリンク・コンポーネント・キャリアの各々は、前記複数のビットに含まれる一つのビットと対応しており、前記一つのビットは、対応する下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきかまたは非アクティブ化されるべきかのいずれかを示し、前記複数のビットに含まれるいずれかのビットが、対応する下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきことを示す場合は、前記複数のビットは、前記パワー・ヘッドルームの報告を要求するパワー・ヘッドルーム報告要求をさらに示す、受信ステップと、 前記リソース割当情報に従って、前記複数の下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化し、または、非アクティブ化するステップと、 前記リソース割当情報に基づいて、スケジューリングされた上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルームを計算し、スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの事前に構成された仮想上りリンク・リソース割当に基づいて、前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの仮想パワー・ヘッドルームを計算するステップと、 前記アクティブ化された下りリンク・コンポーネント・キャリアに対応する上りリンク・コンポーネント・キャリアを用いて、前記計算された前記スケジューリングされた上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルームと、前記計算された前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの仮想パワー・ヘッドルームとを前記eノードBに送信するステップと、 を含み、 前記事前に構成された仮想上りリンク・リソース割当は、前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアに割り当てられるべきリソース・ブロックの個数が1つであるものとして構成されたものである、 方法。 【請求項2】 前記事前に構成された仮想上りリンク・リソース割当は、更に、トランスポート・フォーマットのオフセット値が0であるものとして構成されたものである、 請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記仮想パワー・ヘッドルームは、前記ユーザ機器の前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの事前に構成された最大送信電力(P_(cmax,c))にさらに基づいて計算される、請求項1または2に記載の方法。 【請求項4】 前記eノードBは、前記ユーザ機器の前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの前記事前に構成された仮想上りリンク・リソース割当および前記事前に構成された最大送信電力に関する情報を有し、前記方法は、 前記eノードBによって、受信された仮想パワー・ヘッドルームと前記事前に構成された仮想上りリンク・リソース割当および事前に構成された最大送信電力とに基づいて、前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの経路損および/またはリソース・ブロックあたりの電力を判定するステップ をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 【請求項5】 前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの前記事前に構成された最大送信電力には、前記ユーザ機器の上りリンク・コンポーネント・キャリアの最高の(P_(cmax_H))または最低の(P_(cmax_L))構成可能な最大送信電力がセットされる、請求項3または4に記載の方法。 【請求項6】 前記事前に構成された最大送信電力に、前記最低の最大送信電力がセットされる場合に、前記ユーザ機器は、前記最低の最大送信電力を計算するために事前に決定された電力削減を使用し、 前記eノードBによって前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの前記経路損を判定する前記ステップは、前記事前に決定された電力削減に基づいて前記ユーザ機器の上りリンク・コンポーネント・キャリアの前記最低の最大送信電力を計算することを含む 請求項5に記載の方法。 【請求項7】 前記仮想パワー・ヘッドルームは、前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアについて前記ユーザ機器によって構成された最大送信電力(P_(cmax,c))と等しい、請求項1または2に記載の方法。 【請求項8】 前記通信システムでの、上りリンク・コンポーネント・キャリアごとの電力削減の計算は、前記ユーザ機器の他の構成された上りリンク・コンポーネント・キャリア上の送信を考慮し、前記方法は、 前記ユーザ機器によって、前記ユーザ機器の他の構成された上りリンク・コンポーネント・キャリア上の送信を考慮する前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの電力削減(MPR)を判定するステップと、 前記ユーザ機器によって、前記判定された電力削減(MPR)に基づいて最大送信電力を計算するステップと、 前記eノードBによって、受信された仮想パワー・ヘッドルームに基づいて、前記ユーザ機器によってその上りリンク・コンポーネント・キャリアのすべてについて使用される電力削減を計算するステップと を含む、請求項7に記載の方法。 【請求項9】 前記仮想パワー・ヘッドルームは、 MAC(媒体アクセス制御)制御要素内のフラグ、または前記仮想パワー・ヘッドルームを含むMACプロトコル・データ・ユニットのサブヘッダ内のフラグに基づいて、前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアを参照するために前記eノードBによって識別される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。 【請求項10】 コンポーネント・キャリア・アグリゲーションを使用するモバイル通信システム内でユーザ機器が上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルームをeノードBに報告する前記ユーザ機器であって、 下りリンク・コンポーネント・キャリア上で、前記ユーザ機器に上りリンク・リソースまたは下りリンク・リソースを割り当てるためのリソース割当情報を受信するように適合され、前記リソース割当情報は、複数のビットを含み、複数の下りリンク・コンポーネント・キャリアの各々は、前記複数のビットに含まれる一つのビットと対応しており、前記一つのビットは、対応する下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきかまたは非アクティブ化されるべきかのいずれかを示し、前記複数のビットに含まれるいずれかのビットが、対応する下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきことを示す場合は、前記複数のビットは、前記パワー・ヘッドルームの報告を要求するパワー・ヘッドルーム報告要求をさらに示す、受信器と、 前記リソース割当情報に従って、前記複数の下りリンク・コンポーネント・キャリアをアクティブ化し、または、非アクティブ化するように適合され、かつ、 前記リソース割当情報に基づいて、スケジューリングされた上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルームを計算し、前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの事前に構成された仮想上りリンク・リソース割当に基づいて前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの仮想パワー・ヘッドルームを計算するように適合されたプロセッサと、 前記アクティブ化された下りリンク・コンポーネント・キャリアに対応する上りリンク・コンポーネント・キャリアを用いて、前記計算された前記スケジューリングされた上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルームと、前記計算された前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの仮想パワー・ヘッドルームとを前記eノードBに送信するように適合された送信器と、 を含み、 前記事前に構成された仮想上りリンク・リソース割当は、前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアに割り当てられるべきリソース・ブロックの個数が1つであるものとして構成されたものである、 ユーザ機器。 【請求項11】 前記事前に構成された仮想上りリンク・リソース割当は、更に、トランスポート・フォーマットのオフセット値が0であるものとして構成されたものである、 請求項10に記載のユーザ機器。 【請求項12】 前記プロセッサは、前記ユーザ機器の前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの事前に構成された最大送信電力(P_(cmax,c))にさらに基づいて前記仮想パワー・ヘッドルームを計算するように構成される、請求項10または11に記載のユーザ機器。 【請求項13】 前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアの前記事前に構成された最大送信電力には、前記ユーザ機器の上りリンク・コンポーネント・キャリアの最高の(P_(cmax_H))または最低の(_(Pcmax_L))構成可能な最大送信電力がセットされる、請求項12に記載のユーザ機器。 【請求項14】 前記事前に構成された最大送信電力に、前記最低の最大送信電力がセットされる場合に、前記プロセッサは、前記最低の最大送信電力を計算するために事前に決定された電力削減を使用するようにさらに構成される、請求項13に記載のユーザ機器。 【請求項15】 前記プロセッサは、前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアについて前記ユーザ機器によって構成された最大送信電力(_(Pcmax,c))と等しい前記仮想パワー・ヘッドルームを計算するようにさらに構成される、請求項10または11に記載のユーザ機器。 【請求項16】 前記プロセッサは、前記スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリア上の上りリンク送信を実行するために前記事前に構成された上りリンク・リソース割当を無視するように構成される、請求項14または15に記載のユーザ機器。 【請求項17】 前記送信器は、前記eノードBによってスケジューリングされた上りリンク・リソース割当を有する別の上りリンク・コンポーネント・キャリアを使用して、前記eノードBに前記仮想パワー・ヘッドルームを送信するように構成される、請求項10から16のいずれか一項に記載のユーザ機器。 2.優先権主張の効果 (1) 平成28年8月24日付けで,当審から通知した拒絶理由通知書においては,「第1 特許法第41条第2項(優先権の主張の効果)の適用について」として次の事項を記した。 第1 特許法第41条第2項(優先権の主張の効果)の適用について 本件出願の請求項1に係る発明が「ユーザ機器のスケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルームをeノードBに報告する方法」に関するものであること,そして,同じく請求項10に係る発明が「ユーザ機器のスケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルームをeノードBに報告する前記ユーザ機器」に関するものであることは明白である。 ここで,「ユーザ機器のスケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルームをeノードBに報告する」との事項は,先の出願(以下「第1優先基礎出願」という。)である欧州特許出願第10153484.0号(EP10153484.0)(2010年(平成22年)2月20日欧州特許庁出願)の願書に最初に添付された明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された事項であるということはできないことは明らかである。一方,当該事項は,他の先の出願(以下「第2優先基礎出願」という。)である欧州特許出願第10177435.4号(EP10177435.4)(2011年(平成23年)9月17日欧州特許庁出願)の願書に最初に添付された明細書,特許請求の範囲又は図面に記載された事項であるとはいえる。 よって,本件出願の特許請求の範囲の請求項1から17に記載された発明についての特許法第41条第2項における規定の適用(優先権の主張の効果)については,本件出願は,第2優先基礎出願の出願日である2011年(平成23年)9月17日(以下「本願第2優先日」という。)にされたものとみなす。 (2) ここで,上記(1)における記載事項のうち,<ア>「欧州特許出願第10153484.0号(EP10153484.0)(2010年(平成22年)2月20日欧州特許庁出願)」との記載は,正しくは「欧州特許出願第10153484.0号(EP10153484.0)(2010年(平成22年)2月12日欧州特許庁出願)」であり,また,<イ>「欧州特許出願第10177435.4号(EP10177435.4)(2011年(平成23年)9月17日欧州特許庁出願)」との記載は,正しくは「欧州特許出願第10177435.4号(EP10177435.4)(2010年(平成22年)9月17日欧州特許庁出願)」である。そして,<ウ>「よって,本件出願の特許請求の範囲の請求項1から17に記載された発明についての特許法第41条第2項における規定の適用(優先権の主張の効果)については,本件出願は,第2優先基礎出願の出願日である2011年(平成23年)9月17日(以下「本願第2優先日」という。)にされたものとみなす。」との記載における「第2優先基礎出願の出願日である2011年(平成23年)9月17日(以下「本願第2優先日」という。)にされたものとみなす。」とあるのは,正しくは「第2優先基礎出願の出願日である2010年(平成22年)9月17日(以下「本願第2優先日」という。)にされたものとみなす。」である。 そして,上記<ア>,<イ>及び<ウ>に記した誤記は,いずれもこの審決の結論に影響を及ぼすものでない。 (3) 上記(1)に述べたところの「ユーザ機器のスケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルームをeノードBに報告する」との事項は,本願第1発明及び本願第10発明がいずれも備える発明特定事項であることは,明白である。 そして,該発明特定事項が,第1優先基礎出願に係る明細書,特許請求の範囲又は図面に記載されたものであるということはできないが,第2優先基礎出願に係る明細書,特許請求の範囲又は図面に記載されたものであるということはできる。 (4) また,本願第2発明から本願第9発明は本願第1発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であり,本願第11発明から本願第17発明は本願第10発明を直接的若しくは間接的に引用する発明である。 したがって,本願発明についての特許法第41条第2項における規定の適用(優先権の主張の効果)については,本件出願は,第2優先基礎出願の出願日である2010年(平成22年)9月17日(以下「本願第2優先日」という。)にされたものとみなす。 第3 当審拒絶理由について 1.当審拒絶理由の概要 平成28年8月24日付けで,当審から通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は,次のとおりである。 理由 (進歩性)本件出願の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 *****引用文献等一覧 1.3GPP R1-104675(Madrid, Spain, 23rd - 27th August 2010)(「引用例」) 2.3GPP TS 36.213 V8.8.0(2009-9)(「周知例」) 2.検討 引用例には,本願第1発明を特定する事項である「下りリンク・コンポーネント・キャリア上で、前記ユーザ機器に上りリンク・リソースまたは下りリンク・リソースを割り当てるためのリソース割当情報を受信し、前記リソース割当情報は、複数のビットを含み、複数の下りリンク・コンポーネント・キャリアの各々は、前記複数のビットに含まれる一つのビットと対応しており、前記一つのビットは、対応する下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきかまたは非アクティブ化されるべきかのいずれかを示し、前記複数のビットに含まれるいずれかのビットが、対応する下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきことを示す場合は、前記複数のビットは、前記パワー・ヘッドルームの報告を要求するパワー・ヘッドルーム報告要求をさらに示す、受信ステップ」についての記載も示唆もなく,また,本願第10発明を特定する事項である「下りリンク・コンポーネント・キャリア上で、前記ユーザ機器に上りリンク・リソースまたは下りリンク・リソースを割り当てるためのリソース割当情報を受信するように適合され、前記リソース割当情報は、複数のビットを含み、複数の下りリンク・コンポーネント・キャリアの各々は、前記複数のビットに含まれる一つのビットと対応しており、前記一つのビットは、対応する下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきかまたは非アクティブ化されるべきかのいずれかを示し、前記複数のビットに含まれるいずれかのビットが、対応する下りリンク・コンポーネント・キャリアがアクティブ化されるべきことを示す場合は、前記複数のビットは、前記パワー・ヘッドルームの報告を要求するパワー・ヘッドルーム報告要求をさらに示す、受信器」についての記載も示唆もない。 また,周知例についても同様である。 したがって,引用例若しくは周知例に記載された事項を基に,本願第1発明及び本願第10発明を,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 また,本願第2発明から本願第9発明は本願第1発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であり,本願第11発明から本願第17発明は本願第10発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であるから,本願第2発明から本願第9発明,及び本願第11発明から本願第17発明も,引用例若しくは周知例に記載された事項を基に,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 3.当審拒絶理由についてのまとめ 以上のとおりであるから,本願を,当審拒絶理由によって,拒絶することはできない。 第4 原査定の理由について 1.原査定の理由の概要 原査定の理由の概要は次のとおりである。 理由 A.この出願の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ・請求項1-17 ・引用文献1-2 <引用文献等一覧> 1.Nokia Siemens Networks, Nokia Corporation,Further consideration on virtual PHR,3GPP TSG-RAN WG2#71, R2-104394,2010年 8月23日 2.CATR,Discussions on PHR MAC CE Design,3GPP TSG-RAN WG2#71, R2-104752,2010年 8月23日 2.原査定の理由についての当審の判断 原査定の理由における引用文献1及び2についても,上記第2 2.検討に述べたのと同様であるから,引用文献1又は2に記載された事項を基に,本願第1発明及び本願第10発明を,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 また,本願第2発明から本願第9発明は本願第1発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であり,本願第11発明から本願第17発明は本願第10発明を直接的若しくは間接的に引用する発明であるから,本願第2発明から本願第9発明,及び本願第11発明から本願第17発明も,引用文献1又は2に記載された事項を基に,当業者が容易に発明をすることができたということはできない。 3.原査定の理由についてのまとめ 以上のとおりであるから,本願発明を,原査定の理由のとおり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明であるということはできない。 第5 むすび 以上のとおり,本願を,原査定の理由によって,拒絶することはできない。 また,ほかに,本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-02-13 |
出願番号 | 特願2012-552310(P2012-552310) |
審決分類 |
P
1
8・
03-
WY
(H04W)
P 1 8・ 121- WY (H04W) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 長谷川 篤男、阿部 圭子 |
特許庁審判長 |
水野 恵雄 |
特許庁審判官 |
吉田 隆之 近藤 聡 |
発明の名称 | スケジューリングされていない上りリンク・コンポーネント・キャリアのパワー・ヘッドルーム報告 |
代理人 | 鷲田 公一 |