異議の決定｜異議2016-700468 - 特許審決データベース

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審決分類	審判全部申し立て 1項3号刊行物記載 A63F 審判全部申し立て特許請求の範囲の実質的変更 A63F 審判全部申し立てただし書き1号特許請求の範囲の減縮 A63F 審判全部申し立て 2項進歩性 A63F
管理番号	1324819
異議申立番号	異議2016-700468
総通号数	207
発行国	日本国特許庁(JP)
公報種別	特許決定公報
発行日	2017-03-31
種別	異議の決定
異議申立日	2016-05-23
確定日	2016-12-14
異議申立件数	1
訂正明細書	有
事件の表示	特許第5822524号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論	特許第5822524号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。特許第5822524号の請求項1に係る特許を維持する。
理由	第1 手続の経緯特許第5822524号の請求項1に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成23年4月28日に特許出願され、平成27年10月16日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがされ、平成28年7月21日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年9月23日に特許権者である株式会社三共から意見書の提出及び訂正の請求があり、これに対して特許異議申立人から同年11月15日付けで意見書が提出されたものである。第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容本件訂正請求による本件特許の訂正の内容は、以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、「前記可動部は、前記移動支持部により支持される被支持部を有し、」を加える。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に、「前記規制部は、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部に近づくことを規制する」とあるのを、「前記規制部は、前記被支持部よりも前記移動支持部の延設方向に突設させて形成され、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制する」に訂正する。 (3)訂正事項3 願書に添付した明細書の段落【0007】に「前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、ベース部と、該ベース部に対して移動可能に設けられた可動部と、該可動部に駆動力を伝達させる駆動伝達手段と、を有する演出装置を備える遊技機であって、前記演出装置は、前記ベース部の第1位置から第2位置に向けて延設され、前記可動部を移動可能に支持する移動支持部と、前記可動部に搭載された電気部品に接続され、該可動部に設けられた可動側配線保持部と前記ベース部に設けられたベース側配線保持部との間に掛け渡された可撓性を有する配線と、前記移動支持部を基準として前記可動側配線保持部とは反対側に設けられる配線経路部と、前記可動部において前記配線経路部側に設けられる規制部と、を備え、前記配線は、前記可動側配線保持部から前記規制部に向けて延出され、さらに該規制部から前記配線経路部に向けて延出され、前記規制部は、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部に近づくことを規制することを特徴としている。この特徴によれば、配線が可動部と移動支持部との間に入り込むなどして可動部の移動が妨げられること等が防止される。」とあるのを、「前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、ベース部と、該ベース部に対して移動可能に設けられた可動部と、該可動部に駆動力を伝達させる駆動伝達手段と、を有する演出装置を備える遊技機であって、前記演出装置は、前記ベース部の第1位置から第2位置に向けて延設され、前記可動部を移動可能に支持する移動支持部と、前記可動部に搭載された電気部品に接続され、該可動部に設けられた可動側配線保持部と前記ベース部に設けられたベース側配線保持部との間に掛け渡された可撓性を有する配線と、前記移動支持部を基準として前記可動側配線保持部とは反対側に設けられる配線経路部と、前記可動部において前記配線経路部側に設けられる規制部と、を備え、前記配線は、前記可動側配線保持部から前記規制部に向けて延出され、さらに該規制部から前記配線経路部に向けて延出され、前記可動部は、前記移動支持部により支持される被支持部を有し、前記規制部は、前記被支持部よりも前記移動支持部の延設方向に突設させて形成され、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制することを特徴としている。この特徴によれば、配線が移動支持部と可動部の被支持部との間に入り込むなどして可動部の移動が妨げられること等が防止される。」に訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について訂正事項1は、「可動部」について、「前記移動支持部により支持される被支持部を有」するものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、訂正事項1は、段落【0114】等の本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2について訂正事項2は、「規制部」について、「前記被支持部よりも前記移動支持部の延設方向に突設させて形成され」るものに限定するとともに、「前記配線が前記移動支持部に近づくことを規制する」を、「前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制する」に訂正するものである。そして、移動支持部と被支持部とは、移動支持部が被支持部を支持する関係にあるから、両者が近接して配置されることは明らかであり、したがって、配線が移動支持部と被支持部との間に近づくことが規制される範囲は、配線が移動支持部に近づくことが規制される範囲に含まれるものといえる。すなわち、訂正後の「前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制する」は、訂正前の「前記配線が前記移動支持部に近づくことを規制する」を限定するものであるということができる。よって、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、訂正事項2は、段落【0169】の「・・・ケーブルCがガイドシャフト510a,510bやギヤ部材511に入り込んだり、ガイドシャフト510a,510bとガイド凹溝518a,518bとの間、つまり被支持部に入り込むなどして移動部502の移動が妨げられること等が防止される。」という記載をはじめとする段落【0007】、【0169】、図28(a)等の本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)訂正事項3について訂正事項3は、請求項1に係る訂正事項1及び2と整合性をとるために明細書を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 (4)特許異議申立人の主張について特許異議申立人は、平成28年11月15日付け意見書において、「このように、規制部によって配線を規制する対象が『移動支持部』から『移動支持部と被支持部の間』に変更されている。これは、実質上特許請求の範囲の変更が行われたと解される。・・・したがって、訂正事項2は特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に違反する。」(第5頁第1行?第6頁第6行)と主張している。しかしながら、上記(2)で述べたとおり、訂正後の「前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制する」は、訂正前の「前記配線が前記移動支持部に近づくことを規制する」を限定するものであるといえるから、訂正事項2は実質上特許請求の範囲を変更するものとはいえない。また、特許異議申立人は同意見書において、要件2)(被支持部よりも移動支持部の延設方向に突設させて形成されている)について、解釈1(明細書の段落【0007】等に記載されているように、「前記可動部において前記移動支持部の延設方向(上下方向)に向けて突設させれ」るもの。)と、解釈2(明細書に記載されていない「前記可動部において前記移動支持部の延設方向(上下方向)側の位置において、(上下方向又は左右方向等、具体的な向きを問わず)突設され」るもの。)の、2通りの解釈が可能になるとしたうえで(第8頁)、「・・・訂正事項2により、『規制部』がどこに配置されているのか、どこからどこに向けて突設しているのか、がかえって不明確となった。このような訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当せず、誤記の訂正や明瞭でない記載の釈明を目的とするものにも該当しない。」(第9頁第9?12行)と主張している。しかしながら、訂正事項2における「前記被支持部よりも前記移動支持部の延設方向に突設させて形成され」の「延設方向に突設させ」は、その語句自体の意味からも、また、明細書の段落【0007】等の記載を考慮して特許請求の範囲に記載された用語としての意義を解釈しても、「延設方向に向けて突設させ」を意味することは明らかであるから、訂正事項2は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。したがって、特許異議申立人の訂正に係る主張はいずれも採用することができない。 3 まとめ以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、本件訂正請求による訂正を認める。第3 特許異議の申立てについて 1 本件発明本件訂正請求により訂正された訂正請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。(記号A?F、B1?B4は、分説のため当審で付した。) 「A ベース部と、該ベース部に対して移動可能に設けられた可動部と、該可動部に駆動力を伝達させる駆動伝達手段と、を有する演出装置を備える遊技機であって、 B 前記演出装置は、 B1 前記ベース部の第1位置から第2位置に向けて延設され、前記可動部を移動可能に支持する移動支持部と、 B2 前記可動部に搭載された電気部品に接続され、該可動部に設けられた可動側配線保持部と前記ベース部に設けられたベース側配線保持部との間に掛け渡された可僥性を有する配線と、 B3 前記移動支持部を基準として前記可動側配線保持部とは反対側に設けられる配線経路部と、 B4 前記可動部において前記配線経路部側に設けられる規制部と、を備え、 C 前記配線は、前記可動側配線保持部から前記規制部に向けて延出され、さらに該規制部から前記配線経路部に向けて延出され、 D 前記可動部は、前記移動支持部により支持される被支持部を有し、 E 前記規制部は、前記被支持部よりも前記移動支持部の延設方向に突設させて形成され、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制する F ことを特徴とする遊技機。」 2 取消理由の概要訂正前の請求項1に係る特許に対して平成28年7月21日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。本件特許の請求項1に係る発明は、甲第1号証及び甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきものである。 3 甲号証の記載事項 (1)甲第1号証本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1号証(特開2010-234020号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (1-ア) 「【0001】本発明は、遊技板の前面に直線移動可能な状態で設けられた可動部材に電飾基板を設けた遊技機に関する。」 (1-イ) 「【0044】副制御基板202の出力側にはスピーカ277が接続され、副制御基板202において確定した通りに音声を出力する。副制御基板202の出力側にはまた、ランプ262、演出ライト111、及び演出役物作動装置254を制御するランプ制御基板206が接続されている。演出役物作動装置254は、左右のリング形開閉部材20L、20R及び左右のハート形開閉部材30L、30R、演出役物115,116等の、演出用の役物を作動させるモータ等によって構成されている。ランプ制御基板206は副制御基板202より送信されたコマンドに基づき、プログラムを作動させて演出処理を実行するCPU206aと、各種演出パターンデータを記憶するROM206bと、CPU206aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM206c等を備えている。」 (1-ウ) 「【0061】図6及び図7に示す前側ユニット3において、左右のハート形開閉部材30L、30Rは、図6に示す左右のリング形開閉部材20L、20Rと図5に示す後側の枠部材24の間に挟まれた状態で設けられる。図3に示した図柄表示部104は、後側の枠部材24の背面に取り付ける。・・・・・【0064】前側ユニット3のフレーム11の左右下側部には、それぞれ左右下側のフレキシブルフラットケーブル191L、191R(図10及び図11参照)を介してそれぞれ左右のハート形開閉部材30L、30Rに接続する中継基板26L、26Rが設けられている。中継基板26L、26Rは、ハーネスを介してランプ制御基板206に接続する。ランプ制御基板206は、ハーネスを介して図2に示した副制御基板202に接続する。このような接続により、副制御基板202は、図7に示すリング形開閉部材20L、20R及びハート形開閉部材30L、30Rの後述の電飾基板63L、63R、163L、163Rに実装した発光ダイオードの発光制御を行えるようになっている。」 (1-エ) 「【0085】左右のハート形開閉部材30L、30Rは、上下の金属棒によるレール141、142によって左右にスライド可能な状態で設けられている。左右のハート形開閉部材30L、30Rの下側延出部174L、174Rには、左右方向に伸びる直線ギア143、144がそれぞれ嵌合固定されている。直線ギア143は下側に歯143aを有する。直線ギア144は、下側に歯144aを有し、上側に歯144bを有する。【0086】駆動モータ145は、前側ユニット3の下部に設けられているものであり、その回転軸146に平歯車147が取り付け固定されている。【0087】回転軸148は、前側ユニット3に回転可能な状態で設けられているものであり、後側及び前側の平歯車149、150が取り付け固定されている。平歯車149歯は、平歯車147の歯と咬み合っている。平歯車150は平歯車149より大径になっている。平歯車150の歯は、直線ギア144は下側の歯144aと咬み合っている。【0088】回転軸151は、前側ユニット3に回転可能な状態で設けられているものであり、平歯車152が取り付け固定されている。平歯車152の下側は、直線ギア144の上側の歯144bと咬み合っている。平歯車152の上側は、直線ギア143の下側の歯143aと咬み合っている。【0089】これにより、駆動モータ145が回転軸146を前方から見て右回りに回転駆動すると、直線ギア144は左方向に移動し、直線ギア143は右方向に移動し、左右のハート形開閉部材30L、30Rは近づく方向に移動する。【0090】駆動モータ145が回転軸146を前方から見て左回りに回転駆動すると、直線ギア144は右方向に移動し、直線ギア143は左方向に移動し、左右のハート形開閉部材30L、30Rは離れる方向に移動する。」 (1-オ) 「【0097】左右下側のフレキシブルフラットケーブル195L、195Rの一端側のコネクタ接続部は、左右のハート形開閉部材30L、30Rの外装部材61L、61Rの下側延出部174L、174Rから内部に挿入して電飾基板163L、163R(図7参照)のコネクタメス部に接続される。【0098】左下側の中継基板26Lは、左のハート形開閉部材30Lが最も左側に移動した状態で左のハート形開閉部材30Lの右下側に配置している。右下側の中継基板26Rは、右のハート形開閉部材30Rが最も右側に移動した状態で右のハート形開閉部材30Rの左下側に配置している。左右下側の中継基板26L、26Rのコネクタメス部96L、96Rには、フレキシブルフラットケーブル195L、195Rの他端側のコネクタ接続部が接続される。フレキシブルフラットケーブル195L、195Rの中継基板26L、26R側は、折り曲げられ前側ユニット3(図6参照)のフレーム11(図6参照)に形成されたスリット27L、27Rに挿入され、スリット27L、27Rに保持されている。スリット27L、27Rは、左右のハート形開閉部材30L、30Rが左右にスライドの中央の位置にある状態で、下側延出部174L、174Rの真下に位置する。【0099】このような構造により、左右下側の中継基板26L、26Rは、それぞれ左右下側のフレキシブルフラットケーブル195L、195Rを介してそれぞれ左右のハート形開閉部材30L、30Rの電飾基板163L、163R(図7参照)に電気的に接続する。」 (1-カ) 「【0117】電飾基板163Lは、基板原板をハート左半分形状に形成したハート形状部634Lの下側に延出部635Lを設けたものである。電飾基板163Lのハート形状部634Lの前面における9個の光拡散部631Lに対応する位置には、9個の発光ダイオード636が設けられている。延出部635Lの前面には、フレキシブルフラットケーブル191Lの一端側のコネクタ接続部194Lが差し込まれるコネクタメス部181Lが設けられている。9個の発光ダイオード636Lは、コネクタメス部181Lと電気的に接続している。ハート形状部634Lには、透明部材162Lの二箇所の突起部632Lが挿入される二箇所の貫通孔637Lと、ネジ169のネジ部が挿入されるネジ挿通孔638Lが形成されている。・・・・・【0119】図12において、下側延出部174Lは、コネクタメス部181Lから延出するフレキシブルフラットケーブル191Lの折り曲げ部及びローラ165L、166Lを収納し状態で、後側が下側蓋部材167Lによって閉塞される。下側蓋部材167Lは、図13に示すように二本のネジ170によって下側延出部174Lにネジ止め固定される。・・・・・【0121】図14において、下側延出部174Lは、L字状の平面部640Lの左右及び下側に、後方に延出する壁部641L、642L、643Lを設けたものである。壁部641L、642Lは、図12に示した壁部602L、605Lに連続して形成されている。」 (1-キ) 「【0129】下側の壁部643Lの後辺中央には、フレキシブルフラットケーブル191Lが挿入される切欠き671Lが形成されている。下側の壁部643Lの切欠き671Lの下側には、切欠き671Lを保持して誘導するフレキシブルフラットケーブル保持部672Lが設けられている。【0130】ローラ165L、166Lは、それぞれハート形開閉部材30Lの閉塞側及び開放側に配置してレール142の上に乗るものであり、それぞれの中心に後述の回転軸691L、692Lがそれぞれ挿入される貫通孔175L、176Lが形成され、それぞれの外周にレール142が挿入されて係合する溝177L、178Lが形成されている。」 (1-ク) 「【0140】図14において、フレキシブルフラットケーブル保持部672Lは、左壁部673Lと、後側壁部674Lと、図16に示すフレキシブルフラットケーブル挿入部675Lと、曲面部676L及び水平平面部677Lとを有している。【0141】図14において、フレキシブルフラットケーブル保持部672Lの左壁部673Lは、下側の壁部643Lの切欠き671Lの左脇から下方に延出する。後側壁部674Lは、左壁部673Lの後辺に連続して右方向に設けられ、板面が平面部640Lと平行になっている。【0142】図16において、フレキシブルフラットケーブル挿入部675Lは、上側後方が平面部640Lの下辺中央と連続して形成され、下側後方が後側壁部674Lと連続して形成され、左側が左壁部673Lと連続して形成されている。また、フレキシブルフラットケーブル挿入部675Lは、フレキシブルフラットケーブル191Lが挿入される水平方向の溝部678Lが形成されている。後側壁部674Lの後ろ面には、フレキシブルフラットケーブル191Lを誘導する曲面部676L及び水平平面部677Lが形成されている。左壁部673Lと水平平面部677Lの間には、フレキシブルフラットケーブル191Lを挿通させる隙間679Lが形成されている。・・・・・【0148】図18(b)において、折曲部195L、196L、197L、198Lで折り曲げられたフレキシブルフラットケーブル191Lは、コネクタメス部181Lから下方向に延出し、第1及び第2の折曲部195L、196Lにより間仕切り壁部663Lの水平面部664Lを迂回して、間仕切り壁部663Lの湾曲面部665Lと間仕切り壁部669Lの間を通り、切欠き671Lに挿入される。フレキシブルフラットケーブル191Lの切欠き671Lより下側は、第3及び第4の折曲部197L、198Lにより折り曲げられてフラットケーブル挿入部675Lの溝部678Lに挿入される。溝部678Lから右方向に延出するフレキシブルフラットケーブル191Lは、下方向に180°湾曲され、フラットケーブル挿入部675Lの下面と水平平面部677L(図16参照)の間を挿通し、隙間679L(図16参照)を挿通してフレキシブルフラットケーブル保持部672Lの左方向の外側に延出する。」 (1-ケ) 図16には、フレキシブルフラットケーブル保持部672Lの左壁部673Lによりフレキシブルフラットケーブル679Lの左上方向(遊技盤101の正面から見た場合は、右上方向)への延出が規制されていることが看取できる。 (1-コ) 上記(1-ウ)の段落【0064】には、「前側ユニット3のフレーム11の左右下側部には、それぞれ左右下側のフレキシブルフラットケーブル191L、191R(図10及び図11参照)を介してそれぞれ左右のハート形開閉部材30L、30Rに接続する中継基板26L、26Rが設けられている。」と記載されている。そして、上記(1-ウ)の段落【0061】には、「図6及び図7に示す前側ユニット3において、左右のハート形開閉部材30L、30Rは、図6に示す左右のリング形開閉部材20L、20Rと図5に示す後側の枠部材24の間に挟まれた状態で設けられる。」と記載され、上記(1-イ)の段落【0044】には、「左右のリング形開閉部材20L、20R及び左右のハート形開閉部材30L、30R、演出役物115,116等の、演出用の役物」と記載されている。また、上記(1-エ)の段落【0085】には、「左右のハート形開閉部材30L、30Rの下側延出部174L、174Rには、左右方向に伸びる直線ギア143、144がそれぞれ嵌合固定されている。直線ギア143は下側に歯143aを有する。直線ギア144は、下側に歯144aを有し、上側に歯144bを有する。」と記載され、同段落【0086】には、「駆動モータ145は、前側ユニット3の下部に設けられているものであり、その回転軸146に平歯車147が取り付け固定されている。」と記載され、同段落【0087】には、「回転軸148は、前側ユニット3に回転可能な状態で設けられているものであり、後側及び前側の平歯車149、150が取り付け固定されている。平歯車149歯は、平歯車147の歯と咬み合っている。平歯車150は平歯車149より大径になっている。平歯車150の歯は、直線ギア144は下側の歯144aと咬み合っている。」と記載され、同段落【0088】には、「回転軸151は、前側ユニット3に回転可能な状態で設けられているものであり、平歯車152が取り付け固定されている。平歯車152の下側は、直線ギア144の上側の歯144bと咬み合っている。平歯車152の上側は、直線ギア143の下側の歯143aと咬み合っている。」と記載され、同段落【0089】には、「これにより、駆動モータ145が回転軸146を前方から見て右回りに回転駆動すると、直線ギア144は左方向に移動し、直線ギア143は右方向に移動し、左右のハート形開閉部材30L、30Rは近づく方向に移動する。」と記載され、同段落【0090】には、「駆動モータ145が回転軸146を前方から見て左回りに回転駆動すると、直線ギア144は右方向に移動し、直線ギア143は左方向に移動し、左右のハート形開閉部材30L、30Rは離れる方向に移動する。」と記載されているから、甲第1号証には、「駆動モータ145が回転軸146を前方から見て右回りに回転駆動すると、左右のハート形開閉部材30L、30Rを近づく方向に移動させ、駆動モータ145が回転軸146を前方から見て左回りに回転駆動すると、左右のハート形開閉部材30L、30Rを離れる方向に移動させる直線ギア143、144及び平歯車147、149、150、152」を「前側ユニット3」が有することが記載されているといえる。以上のことから、甲第1号証には、「左右下側部に中継基板26L、26Rが設けられているフレーム11と、演出用の役物である左右のハート形開閉部材30L、30Rと、駆動モータ145が回転軸146を前方から見て右回りに回転駆動すると、左右のハート形開閉部材30L、30Rを近づく方向に移動させ、駆動モータ145が回転軸146を前方から見て左回りに回転駆動すると、左右のハート形開閉部材30L、30Rを離れる方向に移動させる直線ギア143、144及び平歯車147、149、150、152と、を有する前側ユニット3」が記載されていると認められる。 (1-サ) 上記(1-エ)の段落【0085】には、「左右のハート形開閉部材30L、30Rは、上下の金属棒によるレール141、142によって左右にスライド可能な状態で設けられている。」と記載され、上側と下側にそれぞれ金属棒によるレールが存在することが示されている。また、「左右のハート形開閉部材30L、30R」は「前側ユニット3」に設けられるもののであるから(甲第1号証の段落【0061】を参照。)、「上下のレール141、142」も「前側ユニット3」が備えるものであることは明らかである。そうすると、甲第1号証には、「前側ユニット3」が、「左右のハート形開閉部材30L、30Rを左右にスライド可能な状態で設けている下側のレール142」を備えることが記載されていると認められる。 (1-シ) 上記(1-オ)の段落【0097】には、「左右下側のフレキシブルフラットケーブル195L、195Rの一端側のコネクタ接続部は、左右のハート形開閉部材30L、30Rの外装部材61L、61Rの下側延出部174L、174Rから内部に挿入して電飾基板163L、163R(図7参照)のコネクタメス部に接続される。」と記載され、同段落【0099】には、「左右のハート形開閉部材30L、30Rの電飾基板163L、163R」と記載されている。また、同段落【0098】には、「左右下側の中継基板26L、26Rのコネクタメス部96L、96Rには、フレキシブルフラットケーブル195L、195Rの他端側のコネクタ接続部が接続される。」と記載されている。そして、上記(1-カ)の段落【0117】には、「電飾基板163Lのハート形状部634Lの前面における9個の光拡散部631Lに対応する位置には、9個の発光ダイオード636が設けられている。」、「9個の発光ダイオード636Lは、コネクタメス部181Lと電気的に接続している。」と記載されている。また、「左右下側のフレキシブルフラットケーブル195L、195R」により接続される「左右のハート形開閉部材30L、30R」と「左右下側の中継基板26L、26R」は、ともに「前側ユニット3」に設けられるものであるから(甲第1号証の段落【0061】を参照。)、「左右下側のフレキシブルフラットケーブル195L、195R」も「前側ユニット3」が備えるものであるといえる。そうすると、甲第1号証には、「前側ユニット3」が、「一端側のコネクタ接続部が、左右のハート形開閉部材30L、30Rの外装部材61L、61Rの下側延出部174L、174Rから内部に挿入されて、電飾基板163Lに設けられている9個の発光ダイオード636Lが電気的に接続している左右のハート形開閉部材30L、30Rの電飾基板163L、163Rのコネクタメス部181Lに接続され、他端側のコネクタ接続部が、左右下側の中継基板26L、26Rのコネクタメス部96L、96Rに接続される左右下側のフレキシブルフラットケーブル195L、195R」を備えることが記載されていると認められる。 (1-ス) 上記(1-ク)の段落【0129】には、「下側の壁部643Lの切欠き671Lの下側には、切欠き671Lを保持して誘導するフレキシブルフラットケーブル保持部672Lが設けられている。」と記載されており、上記(1-キ)の段落【0121】には、「図14において、下側延出部174Lは、L字状の平面部640Lの左右及び下側に、後方に延出する壁部641L、642L、643Lを設けたものである。」と記載されている。また、「下側延出部174L」を有する「左右のハート形開閉部材30L、30Rの外装部材61L、61R」は「前側ユニット3」に設けられるものであるから(甲第1号証の段落【0061】、【0097】を参照。)、「下側延出部174L」も「前側ユニット3」が備えるものであるといえる。そうすると、甲第1号証には、「前側ユニット3」が、「下側延出部174Lの下側の壁部643Lの切欠き671Lの下側に設けられているフレキシブルフラットケーブル保持部672L」を備えることが記載されていると認められる。上記(1-ア)?(1-ケ)の記載事項及び(1-コ)?(1-ス)の認定事項を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる(記号a?f、b1?b4は、本件発明の記号A?F、B1?B4に対応させて付した。ただし、甲1発明には本件発明のB3に対応する構成がないため、記号b3は使用していない。)。「a 左右下側部に中継基板26L、26Rが設けられているフレーム11と、演出用の役物である左右のハート形開閉部材30L、30Rと、駆動モータ145が回転軸146を前方から見て右回りに回転駆動すると、左右のハート形開閉部材30L、30Rを近づく方向に移動させ、駆動モータ145が回転軸146を前方から見て左回りに回転駆動すると、左右のハート形開閉部材30L、30Rを離れる方向に移動させる直線ギア143、144及び平歯車147、149、150、152と、を有する前側ユニット3を備える遊技機であって、(1-コ) b 前記前側ユニット3は、 b1 左右のハート形開閉部材30L、30Rを左右にスライド可能な状態で設けている下側のレール142と、(1-サ) b2 一端側のコネクタ接続部が、左右のハート形開閉部材30L、30Rの外装部材61L、61Rの下側延出部174L、174Rから内部に挿入されて、電飾基板163Lに設けられている9個の発光ダイオード636Lが電気的に接続している左右のハート形開閉部材30L、30Rの電飾基板163L、163Rのコネクタメス部181Lに接続され、他端側のコネクタ接続部が、左右下側の中継基板26L、26Rのコネクタメス部96L、96Rに接続される左右下側のフレキシブルフラットケーブル195L、195Rと、(1-シ) b4 下側延出部174Lの下側の壁部643Lの切欠き671Lの下側に設けられているフレキシブルフラットケーブル保持部672Lと、(1-ス) を備え、 c フレキシブルフラットケーブル191Lは、コネクタメス部181Lから下方向に延出し、切欠き671Lに挿入され、(【0148】) d ハート形開閉部材30Lは、それぞれ閉塞側及び開放側に配置してレール142の上に乗るローラ165L、166Lを有し、(【0130】) e フレキシブルフラットケーブル191Lの切欠き671Lより下側は、フレキシブルフラットケーブル保持部672Lの左壁部673Lと水平平面部677Lの間に形成された隙間679Lを挿通してフレキシブルフラットケーブル保持部672Lの左方向の外側に延出する、(【0140】、【0142】、【0148】) f 遊技機。(【0001】)」 (2)甲第2号証本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第2号証(特開2010-51382号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (2-ア) 「【0004】遊技盤に対して移動する可動体に発光手段などの電子部品が取り付けられている場合に、可動体と、遊技台に固定された例えば制御基板とを、ハーネスにて接続することが考えられる。かかる場合、可動体とともにハーネスの一方の端部側も移動するため、ハーネスが、移動しない部材と擦れ合い、断線するなど、ハーネスが損傷するおそれがある。そのため、演出効果を高めるはずがかえって品質を低下させてしまうおそれがある。本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、演出効果を高めても品質が低下することを抑制することを目的とする。【0005】かかる目的のもと、本発明は、遊技盤110を備える遊技機100であって、電子部品を有するとともに前記遊技盤110に対して移動可能な可動体500と、前記遊技盤110に取り付けられ、前記可動体500を移動可能に支持するフレーム550と、配線パターンが形成され、前記フレーム550に取り付けられた制御基板560と、前記可動体500の電子部品と前記制御基板560の配線パターンとを電気的に接続するように、一端側が当該可動体500に他端側が当該制御基板560に物理的に接続されたハーネス570と、を備え、前記ハーネス570は、前記可動体500と前記制御基板560との間で複数回折り返されていること特徴とする遊技機である。」 (2-イ) 「【0050】一方、可動体500のカバー503のラック503aの表側には、遊技盤110に直交する方向に延びる延出部(可動体側延出部)の一例としての第6?第9の突起部504?507と、同じく遊技盤110に直交する方向に延びる延出部(可動体側延出部)の一例としての第3?5の案内板516?518が設けられている。第6?第8の突起部504?506は、円筒状である。第9の突起部507は、主に円筒状で、その右側の部位から右上方向に延出しており、左側上方の部位から左上の斜め方向に延出している。第3,第4の案内板516,517は、上下方向に延びる板であり、両者は、両者の間をハーネス570が通れるように離れて形成されている。また、第4の案内板517の最下端部では第9の突起部507とともにハーネス570を左方向に案内するべく円柱状に形成されている。第5の案内板518は、カバー503の左側端部において上下方向に延びる板である。なお、第3?第5の案内板516?518および第9の突起部507から延出する部位の、遊技盤110に直交する方向の端面は丸められており、角がハーネス570と接触しないようになっている。」上記(2-ア)?(2-イ)の記載事項を総合すると、甲第2号証には、次の技術的事項が記載されていると認められる。「電子部品を有するとともに遊技盤110に対して移動可能な可動体500と、前記遊技盤110に取り付けられ、前記可動体500を移動可能に支持するフレーム550と、配線パターンが形成され、前記フレーム550に取り付けられた制御基板560と、前記可動体500の電子部品と前記制御基板560の配線パターンとを電気的に接続するように、一端側が当該可動体500に他端側が当該制御基板560に物理的に接続されたハーネス570と、を備え、可動体500には、遊技盤110に直交する方向に延びる延出部としての第6?第9の突起部504?507と、遊技盤110に直交する方向に延びる延出部としての第3?5の案内板516?518が設けられており、第3,第4の案内板516,517は、両者の間をハーネス570が通れるように離れて形成されており、第4の案内板517の最下端部では第9の突起部507とともにハーネス570を左方向に案内するべく円柱状に形成されている、遊技機。」 (3)甲第3号証本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第3号証(特開2010-51382号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 (3-ア) 「【0001】本発明は、2つの電子基板同士を接続する配線を収納する配線収納構造及び配線収納構造を有する遊技機に関する。」 (3-イ) 「【0008】しかし、例えば、可動部材が水平方向に繰り返し移動可能に構成された遊技機において、可動部材と接続された電子基板が移動可能な領域における中央より左側に中継基板が配置されている場合には、電子基板が左端部に位置する状態より右端部に位置する状態の方が、電子基板と中継基板とは遠くなる。したがって、配線の長さは、少なくとも電子基板が右端部に位置する状態において電子基板と中継基板とを接続する長さが必要となる。このような構成では、電子基板が左端部に位置すると、電子基板と中継基板の距離は配線の長さより短くなり、電子基板が右端部に位置する状態と比べて配線が緩む。配線が緩むと、電子基板が移動する際における配線の引っ掛かりにより断線したり、電子基板が繰り返し移動することにより意図しない箇所で配線が屈曲して断線したりするおそれがある。【0009】本発明は、上記の事情に鑑みて為されたものであり、所定方向に沿って移動する電子基板と固定された電子基板とが配線によって接続され、移動する電子基板の位置によって電子基板同士の距離が異なる構成において、配線の断線等の不具合を抑制することができる配線収納構造及び遊技機を提供することを例示的課題とする。」 (3-ウ) 「【0042】役物ユニット40は、パチンコ機2の正面から遊技者が視認可能な第一可動役物40aと、第一可動役物40aを支持する支持部40bと、支持部40bと接続された駆動源としての第一モータ40cと、第一電子基板としての役物基板40dと、支持部40b及び役物基板40dが固定され、支持部40b及び役物基板40dと共に所定方向(図示する左右方向)にスライド移動するプレート部40eと、プレート部40eをスライド移動させる駆動源としての第二モータ(図示せず)と、プレート部40eの移動を補助するガイド部40fと、役物基板40dの移動領域の下方に固定された第二電子基板としての中継基板40gと、役物基板40dと中継基板40gとを電気的に接続する配線40hと、中継基板40gに隣接して配置され、内部に配線40hを収納可能な収納領域を内部に有する収納室40kと、第二モータ等の各種部品が接続され、役物ユニット40のベースとなるベース部40ｒと、ベース部40ｒの上方に配置され、役物ユニット40の前方及び側方を覆う外周部40ｓと、を備える。・・・・・【0046】次いで、延出方向変更手段について詳細に説明する。延出方向変更手段は、役物基板40dから延出する配線40hを中継基板40gの近傍に配置された収納室40k内の収納領域に向けて案内する第一案内部としての傾斜面40mと、中継基板40gから延出した配線40hを移動領域から離間する方向に一旦案内する第二案内部としてのリブ40nと、から構成される。・・・・・【0050】図9に示すように、役物基板40dが第二位置となると、配線40hの緩みは略なく、配線40hは傾斜面40mと接触していない。しかし、中継基板40gから延出した配線40hはリブ40nによって下方に曲げられている。したがって、役物基板40dが第二位置における配線40hは、リブ40nによって案内された部分のみが収納室40k内の収納領域に収納されている。【0051】そして、役物基板40dが左側から右側に移動すると、図10に示すように、役物基板40dが第一位置となる。役物基板40dが第一位置となると配線40hの緩みが大きくなり、配線40hが傾斜面40mと当接して左下方に曲げられる。傾斜面40mによって左右方向に移動する配線40hを上下方向に向けて案内して、役物基板40dの移動領域の下方に配置された収納室40k内の収納領域に向けて配線40hを円滑に導くことができる。このように、傾斜面40m及びリブ40nによって、余剰長さの配線40hを収納室40k内の収納領域に導いて収納することにより、配線40hが意図しない箇所で曲げられたり、押圧されたりすることを防ぎ、配線40hの断線等の不具合を抑制することが可能となる。」上記(3-ア)?(3-ウ)の記載事項を総合すると、甲第3号証には、次の技術的事項が記載されていると認められる。「可動部材に接続された配線の緩みに起因する配線の断線等の不具合を抑制するために、中継基板40gに隣接して配設され、配線40hを収納可能な収納領域を内部に有する収納室40kを、延出方向変更手段とともに設ける遊技機。」 4 対比本件発明と甲1発明とを対比する(対比にあたっては、本件発明の構成A?F、B1?B4と甲1発明の構成a?f、b1?b4について、それぞれ(a)?(f)、(b1)?(b4)の見出しを付けて行った。なお、本件発明の構成B3は、甲1発明に対応する構成がないため、構成別の対比を行わずに相違点とした。)。 (a)甲1発明の「フレーム11」は、「フレーム」という表現から「前側ユニット3」において強度を有する部材であって、「左右のハート形開閉部材30L、30R」を直接的又は間接的に支持していることは明らかであるから、本件発明の「ベース部」に相当する。そして、甲1発明の「左右のハート形開閉部材30L、30R」は、「近づく方向に移動」し、また、「離れる方向に移動」するものであるから、本件発明の「該ベース部に対して移動可能に設けられた可動部」に相当する。また、甲1発明の「駆動モータ145が回転軸146を前方から見て右回りに回転駆動すると、左右のハート形開閉部材30L、30Rを近づく方向に移動させ、駆動モータ145が回転軸146を前方から見て左回りに回転駆動すると、左右のハート形開閉部材30L、30Rを離れる方向に移動させる直線ギア143、144及び平歯車147、149、150、152」は、本件発明の「該可動部に駆動力を伝達させる駆動伝達手段」に相当する。さらに、甲1発明の「前側ユニット3」は、「演出用の役物である左右のハート形開閉部材30L、30R」を備えるものであるから、「演出装置」ということができる。そうすると、甲1発明の「左右下側部に中継基板26L、26Rが設けられているフレーム11と、演出用の役物である左右のハート形開閉部材30L、30Rと、駆動モータ145が回転軸146を前方から見て右回りに回転駆動すると、左右のハート形開閉部材30L、30Rを近づく方向に移動させ、駆動モータ145が回転軸146を前方から見て左回りに回転駆動すると、左右のハート形開閉部材30L、30Rを離れる方向に移動させる直線ギア143、144及び平歯車147、149、150、152と、を有する前側ユニット3を備える遊技機」は、本件発明の「ベース部と、該ベース部に対して移動可能に設けられた可動部と、該可動部に駆動力を伝達させる駆動伝達手段と、を有する演出装置を備える遊技機」に相当する。 (b)上記(a)で検討したとおり、甲1発明の「前記前側ユニット3」は、本件発明の「前記演出装置」に相当する。 (b1)甲1発明の「下側のレール142」は、「左右のハート形開閉部材30L、30Rを左右にスライド可能な状態で設けている」ものであるから、その長手方向を左右方向に向けて第1位置から第2位置に向けて延設されているものであるとともに、「前側ユニット3」において強度を有する部材である「フレーム11」に設けられていることは明らかである。そうすると、甲1発明の「左右のハート形開閉部材30L、30Rを左右にスライド可能な状態で設けている下側のレール142」は、本件発明の「前記ベース部の第1位置から第2位置に向けて延設され、前記可動部を移動可能に支持する移動支持部」に相当する。 (b2)甲1発明の「9個の発光ダイオード636L」は、「左右のハート形開閉部材30L、30Rの電飾基板163L、163R」に「電気的に接続され」るものであるとともに、「電飾基板163Lに設けられている」ものであるから、本件発明の「前記可動部に搭載された電気部品」に相当する。また、甲1発明の「左右のハート形開閉部材30L、30Rの電飾基板163L、163Rのコネクタメス部181L」は、本件発明の「可動側配線保持部」に相当し、甲1発明の「左右下側の中継基板26L、26Rのコネクタメス部96L、96R」は、「中継基板26L、26R」が「フレーム11」に設けられたものであるから(甲1発明の構成aを参照。)、本件発明の「ベース側配線保持部」に相当する。そうすると、甲1発明の「一端側のコネクタ接続部が、左右のハート形開閉部材30L、30Rの外装部材61L、61Rの下側延出部174L、174Rから内部に挿入されて、電飾基板163Lに設けられている9個の発光ダイオード636Lが電気的に接続している左右のハート形開閉部材30L、30Rの電飾基板163L、163Rのコネクタメス部181Lに接続され、他端側のコネクタ接続部が、左右下側の中継基板26L、26Rのコネクタメス部96L、96Rに接続される左右下側のフレキシブルフラットケーブル195L、195R」は、本件発明の「前記可動部に搭載された電気部品に接続され、該可動部に設けられた可動側配線保持部と前記ベース部に設けられたベース側配線保持部との間に掛け渡された可僥性を有する配線」に相当する。 (b4)甲1発明の「下側延出部174L」は、「左右のハート形開閉部材30L、30R」の構成部分であるとともに(甲1発明の構成b2を参照。)、「フレキシブルフラットケーブル保持部672L」は、下記(e)にて後述するとおり、ハート形開閉部材30Lが移動してもフレキシブルフラットケーブル191Lがレール142に近づくことを規制する機能を有するから、本件発明の「規制部」に相当する。そうすると、甲1発明の「下側延出部174Lの下側の壁部643Lの切欠き671Lの下側に設けられているフレキシブルフラットケーブル保持部672L」と、本件発明の「前記可動部において前記配線経路部側に設けられる規制部」とは、「前記可動部に設けられる規制部」という点で共通する。 (c)上記(b2)で検討したとおり、甲1発明の「コネクタメス部181L」は、本件発明の「前記可動側配線保持部」に相当する。そして、甲1発明において、「フレキシブルフラットケーブル保持部672L」は「切欠き671L」の下側に設けられているから(甲1発明の構成b4を参照。)、甲1発明の「フレキシブルフラットケーブル191Lは、コネクタメス部181Lから下方向に延出し、切欠き671Lに挿入され」る点と、本件発明の「前記配線は、前記可動側配線保持部から前記規制部に向けて延出され、さらに該規制部から前記配線経路部に向けて延出され」る点とは、「前記配線は、前記可動側配線保持部から前記規制部に向けて延出され」る点で共通する。 (d)甲1発明において、「ローラ165L、166L」は、レール142の上に乗るものであるから、レール142により支持される「被支持部」ということができる。そして、上記(a)、(b1)で検討したとおり、甲1発明の「ハート形開閉部材30L」、「レール142」は、それぞれ本件発明の「前記可動部」、「前記移動支持部」に相当するから、甲1発明の「ハート形開閉部材30Lは、それぞれ閉塞側及び開放側に配置してレール142の上に乗るローラ165L、166Lを有」することは、本件発明の「前記可動部は、前記移動支持部により支持される被支持部を有」することに相当する。 (e)甲1発明は、「フレキシブルフラットケーブル191Lの切欠き671Lより下側は、フレキシブルフラットケーブル保持部672Lの左壁部673Lと水平平面部677Lの間に形成された隙間679Lを挿通してフレキシブルフラットケーブル保持部672Lの左方向の外側に延出する」ものであるし、甲第1号証の図16の記載から、フレキシブルフラットケーブル保持部672Lの左壁部673Lによりフレキシブルフラットケーブル679Lの左上方向(遊技盤101の正面から見た場合は、右上方向)への延出が規制されていることが看取できるから、甲1発明の「フレキシブルフラットケーブル保持部672L」は、ハート形開閉部材30Lが移動してもフレキシブルフラットケーブル191Lがレール142に近づくことを規制する機能を有しているといえる。これに対して、本件発明の「前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制する」は、上記「第2 2(2)訂正事項2について」で検討したとおり、「前記配線が前記移動支持部に近づくことを規制する」を限定するものであるそうすると、甲1発明の「フレキシブルフラットケーブル191Lの切欠き671Lより下側は、フレキシブルフラットケーブル保持部672Lの左壁部673Lと水平平面部677Lの間に形成された隙間679Lを挿通してフレキシブルフラットケーブル保持部672Lの左方向の外側に延出する」点と、本件発明の「前記規制部は、前記被支持部よりも前記移動支持部の延設方向に突設させて形成され、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制する」点とは、「前記規制部は、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部に近づくことを規制する」点で共通する。 (f)甲1発明の「遊技機」は、本件発明の「遊技機」に相当することが明らかである。上記(a)?(f)、(b1)?(b4)の検討により、本件発明と甲1発明とは、「A ベース部と、該ベース部に対して移動可能に設けられた可動部と、該可動部に駆動力を伝達させる駆動伝達手段と、を有する演出装置を備える遊技機であって、 B 前記演出装置は、 B1 前記ベース部の第1位置から第2位置に向けて延設され、前記可動部を移動可能に支持する移動支持部と、 B2 前記可動部に搭載された電気部品に接続され、該可動部に設けられた可動側配線保持部と前記ベース部に設けられたベース側配線保持部との間に掛け渡された可僥性を有する配線と、 B4’前記可動部に設けられる規制部と、を備え、 C’前記配線は、前記可動側配線保持部から前記規制部に向けて延出され、 D 前記可動部は、前記移動支持部により支持される被支持部を有し、 E’前記規制部は、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部に近づくことを規制する F 遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違している。 (相違点1) 本件発明では、移動支持部を基準として可動側配線保持部とは反対側に設けられる配線経路部を備え、規制部は可動部において前記配線経路部側に設けられ、配線は前記規制部から前記配線経路部に向けて延出されるのに対し、甲1発明では、配線経路部を有するか否か明らかでない点。(B3、B4’、C’) (相違点2) 規制部について、本件発明では、被支持部よりも移動支持部の延設方向に突設させて形成され、可動部の移動に応じて配線が近づくことを規制する対象が、「前記移動支持部と前記被支持部の間」であるのに対して、甲1発明では、そのような構成を有しない点。(E’) 5 判断 (1)取消理由通知に記載した取消理由についてア当審の判断相違点1については、取消理由通知に示したとおり、甲1発明に甲第3号証に記載された技術的事項を適用することにより、当業者が容易に想到することができたものであるから、相違点2について検討する。相違点2に係る本件発明の構成、すなわち、「前記規制部は、前記被支持部よりも前記移動支持部の延設方向に突設させて形成され、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制する」という構成は、甲第1号証に記載されていないのみならず、甲第3号証にも記載されていない。そして、当該構成により本件発明は、特許権者が平成28年9月23日付け意見書において主張するとおり、「配線が可動側配線保持部から規制部に向けて延出され、規制部から配線経路部に向けて延出されていても、規制部は被支持部よりも移動支持部の延設方向に突設させて形成され、可動部の移動に応じて配線は移動支持部と被支持部の間に近づくことが規制されるため、配線が移動支持部と被支持部の間に入り込むなどして可動部の移動が妨げられることが防止される」(第3頁第8?12行)という顕著な効果を奏するものである。したがって、本件発明は、甲1発明及び甲第3号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものではない。なお、取消理由通知において、特許異議申立人の提出した甲第2号証は使用されなかったが、甲第2号証にも相違点2に係る本件発明の構成は記載されていないから、甲第2号証を用いたとしても、本件発明は当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。イ特許異議申立人の主張について特許異議申立人は平成28年11月15日付け意見書において、「以上、甲1発明における下側蓋部材167Lの左右の突設部分は、本件特許発明の『規制部』に相当するといえる。したがって、甲第1号証には、本件特許発明の『規制部』が記載されているといえる。」(第21頁第12?14行)と主張している。そこで、特許異議申立人の上記主張について検討すると、甲1発明において、配線(フレキシブルフラットケーブル191L)は、ハート形開閉部材130Lの下側延出部174Lの下側の壁部643Lの切欠き671Lの下側に設けられているフレキシブルフラットケーブル保持部672Lから延出するものである一方で、被支持部(ローラ165L、166L)は、ハート形開閉部材130Lの下側延出部174Lと下側蓋部材167Lによって概略閉塞された空間部に収納されるものであって(甲第1号証の段落【0119】、図14、15を参照。)、下側蓋部材167Lの左右の突設部分の有無にかかわらず、配線が移動支持部(レール142)と被支持部の間に近づくことはないから、下側蓋部材167Lの左右の突設部分が、移動支持部と被支持部の間に配線が近づくことを規制しているということはできない。そうすると、甲1発明における下側蓋部材167Lの左右の突設部分は、本件発明の「前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制する」ものである「規制部」に相当するとはいえないから、特許異議申立人の上記主張は採用することができない。また、特許異議申立人は同意見書において、特許権者による甲1発明はフレキシブルフラットケーブル191Lが幅方向に撓むことがないから配線が移動支持部と被支持部の間に入り込むという課題が存在しないという主張に対して、フラットケーブルであっても厚さ方向以外に幅方向に撓む可能性がある旨を反論しているが(第25頁第23?24行)、特許異議申立人の反論のとおりであったとしても、上記アで検討したとおり、相違点2に係る本件発明の構成がいずれの甲号証にも記載されておらず、当該構成により顕著な効果が奏されるから、本件発明が甲1発明及び甲第3号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものではないとの判断に変わりはない。 (2)取消理由通知に採用しなかった特許異議申立理由について特許異議申立人は特許異議申立書において、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、当該発明に係る特許は取り消されるべきものである旨を主張しているが、上記「4 対比」において検討したとおり、本件発明と甲1発明とは、相違点1及び2により相違しているから、かかる主張は理由がない。 (3)まとめ以上の検討のとおり、本件発明は、甲1発明と同一ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当せず、また、甲1発明及び甲第3号証に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものではないから、同条第2項の規定により特許を受けることができないものでもない。第4 むすび以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。よって、結論のとおり決定する。
発明の名称	(54)【発明の名称】遊技機【技術分野】【0001】本発明は、ベース部と、該ベース部に対して移動可能に設けられた可動部と、該可動部に駆動力を伝達させる駆動伝達手段と、を有する演出装置を備える遊技機に関する。【背景技術】【0002】パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機では、遊技に関連する演出画像を表示するための表示装置が設けられているとともに、このような表示装置とは別個に、モータやソレノイド等の駆動源により駆動する可動物(いわゆる役物)を移動可能に設け、表示装置による演出画像の表示や可動物の動作により演出の向上を図るもの等が提案されている。【0003】この種の遊技機として、上下方向に延設される案内レールに誘導案内される昇降部材により、内部に発光体としてのLEDが複数設けられた装飾可動体を保持し、駆動モータにより昇降部材を移動させることで装飾可動体を上下に昇降させることができるようにした演出装置を備えたもの等がある(例えば、特許文献1参照)。【先行技術文献】【特許文献】【0004】【特許文献1】特開2007-136002号公報(第49頁、第36-41図) 【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0005】しかし、上記特許文献1に記載の演出装置のように、上昇位置と下降位置との間で案内レールに沿って昇降可能に設けられた装飾可動体の内部に発光体等の電気部品が設けられるとともに、これら発光体からの配線をベース部側に設けられた制御基板等に接続するものにあっては、装飾可動体が移動する際に、配線が移動先の案内レールの近くに移動してきて装飾可動体の移動の妨げになったり、移動してきた装飾可動体により配線が押し曲げられて断線するといった問題があった。【0006】本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、可動部に搭載された電気部品に接続された配線が該可動部の移動の妨げになったり、該可動部との接触により断線することがない遊技機を提供することを目的とする。【課題を解決するための手段】【0007】前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、ベース部と、該ベース部に対して移動可能に設けられた可動部と、該可動部に駆動力を伝達させる駆動伝達手段と、を有する演出装置を備える遊技機であって、前記演出装置は、前記ベース部の第1位置から第2位置に向けて延設され、前記可動部を移動可能に支持する移動支持部と、前記可動部に搭載された電気部品に接続され、該可動部に設けられた可動側配線保持部と前記ベース部に設けられたベース側配線保持部との間に掛け渡された可撓性を有する配線と、前記移動支持部を基準として前記可動側配線保持部とは反対側に設けられる配線経路部と、前記可動部において前記配線経路部側に設けられる規制部と、を備え、前記配線は、前記可動側配線保持部から前記規制部に向けて延出され、さらに該規制部から前記配線経路部に向けて延出され、前記可動部は、前記移動支持部により支持される被支持部を有し、前記規制部は、前記被支持部よりも前記移動支持部の延設方向に突設させて形成され、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制することを特徴としている。この特徴によれば、配線が移動支持部と可動部の被支持部との間に入り込むなどして可動部の移動が妨げられること等が防止される。尚、前記電気部品は、LEDやランプ等の発光部品、モータやソレノイド等の駆動部品だけでなく、CPU等の制御部など種々の部品を含む。また、本発明の手段1の遊技機は、ベース部(ベース部材351)と、該ベース部に対して移動可能に設けられた可動部(移動部502及び装飾可動部503)と、該可動部に駆動力を伝達させる駆動伝達手段(昇降モータ525、駆動ギヤ526、ラックギヤ511a)と、を有する演出装置(第2演出装置500)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、前記演出装置は、前記ベース部に所定方向(上下方向)に向けて延設され、前記可動部を移動(昇降)可能に支持する移動支持部(移動支持部501)と、前記可動部に搭載された電気部品(昇降LED535や昇降モータ525等)に接続され、該可動部に設けられた可動側配線保持部(昇降中継基板538の基板側コネクタCNK1)と前記ベース部に設けられたベース側配線保持部(ベース側中継基板539の基板側コネクタCNK2)との間に掛け渡された可撓性を有する配線(ケーブルC)と、前記可動部において前記移動支持部の延設方向(上下方向)に向けて突設され、前記配線が前記移動支持部に近づくことを規制する規制部(配線規制部522A,522B)と、を備える(図27,図28参照) ことを特徴としている。この特徴によれば、可動部が所定方向に移動する際に移動先の移動支持部に配線が存在しても、可動部よりも規制部の方が先に配線に接触して該配線が可動部に近づくことが規制されるため、配線が可動部と移動支持部との間に入り込むなどして可動部の移動が妨げられること等が防止される。尚、前記電気部品は、LEDやランプ等の発光部品、モータやソレノイド等の駆動部品だけでなく、CPU等の制御部など種々の部品を含む。【0008】本発明の手段2の遊技機は、請求項1または手段1に記載の遊技機であって、前記配線(ケーブルC)は複数本からなり、帯状の弾性部材を螺旋状に巻回することにより前記複数の配線を束ねてなる配線保護部材(スパイラルチューブ560)を備えることを特徴としている。この特徴によれば、複数本の配線が束ねられるだけでなく、配線が規制部や可動部との接触を繰り返すことによる断線等を防止することができるばかりか、配線が屈曲されにくくなるので可動部の移動を妨げにくくなる。【0009】本発明の手段3の遊技機は、請求項1、手段1、手段2のいずれかに記載の遊技機であって、前記ベース部(ベース部材351)に設けられる仕切壁(背板)と、前記仕切壁を挟んで前記可動部(移動部502及び装飾可動部503)の反対側(背面側)に設けられ、前記電気部品(昇降LED535や昇降モータ525等)に前記配線(ケーブルC)を介して接続される前記ベース側配線保持部としての基板(ベース側中継基板539)と、前記仕切壁に設けられ、前記配線を挿通可能とする配線挿通部(配線挿通口554、開口555)と、を備え、前記配線挿通部は、前記移動支持部の長手方向(上下方向)の略中央位置近傍に形成されている(図28参照) ことを特徴としている。この特徴によれば、配線挿通部から可動部まで延出される配線の長さを極力短くすることができるので、余剰した配線が邪魔になりにくくなる。【0010】本発明の手段4の遊技機は、請求項1、手段1?3のいずれかに記載の遊技機であって、前記可動部(移動部502及び装飾可動部503)は、前記移動支持部(移動支持部501)により往復動(昇降)可能に設けられ、前記規制部は、移動方向の一方(上方)に向けて突設される第1規制部(配線規制部522A)と、移動方向の他方(下方)に向けて突設される第2規制部(配線規制部522B)と、から構成されることを特徴としている。この特徴によれば、可動部が往路を移動するときでも復路を移動するときでも配線が被支持部に近づくことを規制できる。【図面の簡単な説明】【0011】【図1】パチンコ遊技機を示す正面図である。【図2】パチンコ遊技機を示す背面図である。【図3】主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。【図4】 (a)は装飾ユニットを左斜め前から見た状態を示す斜視図、(b)は右斜め前から見た状態を示す斜視図である。【図5】左側の第1回動ユニットを示す正面図である。【図6】左側の第1回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。【図7】同じく左側の第1回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。【図8】右側の第1回動ユニットを示す正面図である。【図9】可動部を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。【図10】同じく右側の第1回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。【図11】左側の第2回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。【図12】同じく左側の第2回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。【図13】右側の第2回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。【図14】同じく右側の第2回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。【図15】第2演出装置の構成を示す分解斜視図である。【図16】同じく第2演出装置の構成を示す分解斜視図である。【図17】 (a)(b)は移動部の構造を示す分解斜視図である。【図18】 (a)は移動部を示す正面図、(b)は右側面図、(c)は(a)のA-A断面図である。【図19】装飾ユニットを示す正面図である。【図20】図19のB-B断面図である。【図21】 (a)は図19のC-C断面図、(b)は第1,2演出位置に移動した状態を示す断面図である。【図22】図19のD-D断面図である。【図23】 (a)は第1回動ユニットが第1演出位置に位置した状態、(b)は第2回動ユニットが第2演出位置に、第2演出装置が下方位置に位置した状態を示す概略正面図である。【図24】 (a)は第1回動ユニットが第1演出位置に位置した状態を示す概略平面図、(b)は第2回動ユニットが第2演出位置に位置した状態を示す概略平面図である。【図25】 (a)は本発明の変形例としての第1演出装置の動作態様を示す概略図、(b)はさらに他の変形例としての第1演出装置の動作態様を示す概略図である。【図26】 (a)は本発明の他の変形例としての第1演出装置を示す概略図、(b)はさらに他の変形例としての第1演出装置を示す概略図である。【図27】 (a)は第2演出装置の配線状況を示す概略正面図、(b)は(a)のE-E断面図である。【図28】 (a)は移動部を示す拡大図、(b)はスパイラルチューブ、(c)は図27(b)の要部拡大断面図である。【発明を実施するための形態】【0012】本発明の実施例を図面に基づいて以下に説明する。【実施例】【0013】まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図3は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。【0014】パチンコ遊技機1は、図1及び図2に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。【0015】下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。【0016】遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された透明な合成樹脂材からなる盤面板(図示略)と、所定の厚み幅寸法を有し、盤面板を取り付ける取付面が前面に設けられたスペーサ部材(図示略)と、から構成され、該遊技盤6の背面側には、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット(図示略)等の遊技に関連する遊技用部品が組み付けられる遊技用部品ユニット310が一体的に組み付けられている(図2参照)。【0017】遊技用部品ユニット310は、遊技盤6と、該遊技盤6の背面側に配置され、遊技盤6を背面側から装飾する装飾ユニット350(図4参照)と、該装飾ユニット350の背面に取り付けられ、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット(図示略)と、から主に構成され、遊技盤6に対して着脱可能に取り付けられる。【0018】図1に戻って、遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。【0019】遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0?9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0?9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0?9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0?9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。【0020】この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0?9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00?99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。【0021】以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。【0022】第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。【0023】演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。【0024】演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。【0025】また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15a及び第2入賞確認スイッチ15bによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。【0026】また、第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14bの検出結果及び第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。【0027】以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。【0028】可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。【0029】第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13bへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。【0030】また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。【0031】なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。【0032】また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。【0033】大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。【0034】カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。【0035】第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。【0036】なお、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。【0037】特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a?29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a?29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。【0038】遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aを有する装飾部材25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。【0039】図1および図2では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプが設けられ、天枠LED28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられている。なお、賞球ランプおよび球切れランプは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。【0040】遊技者の操作により、後述する打球発射装置から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。【0041】遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。【0042】第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。【0043】特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。【0044】演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。【0045】次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を背面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース150に収納されている。【0046】さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板90やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板90には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。【0047】なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。【0048】なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。【0049】パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。なお、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。【0050】貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケース97aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ43が設けられている。球切れスイッチ43が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ43が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。【0051】入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。【0052】図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。【0053】なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。【0054】また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路60が内蔵されている。乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。【0055】乱数回路60は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。【0056】乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。【0057】また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。【0058】遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。【0059】また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路61が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。【0060】また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。【0061】遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。【0062】さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。【0063】また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21と、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。【0064】この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。【0065】演出制御基板80は、演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU(図示略)は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU(図示略)は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。【0066】演出制御用CPU(図示略)は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU(図示略)は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPUから入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。【0067】演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。【0068】中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部57を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。【0069】さらに、演出制御用CPU(図示略)は、出力ポート(図示略)を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPUは、出力ポートを介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPUは、出力ポート(図示略)を介して、第1回動モータ413L,413R、装飾モータ421La,421Lb、421Ra,421Rb、第2回動モータ473L,473R、昇降モータ525に対して駆動データを出力する。また、演出制御用CPUは、入力ポート(図示略)を介して第1回動スイッチ433L,433Rから検出信号を入力する。【0070】ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、第1回動LED416L,416R、昇降LED535などの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25aに駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。【0071】音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。【0072】 (装飾ユニット) 次に、装飾ユニット350について、図面にもとづいて説明していく。図4は、(a)は装飾ユニットを左斜め前から見た状態を示す斜視図、(b)は右斜め前から見た状態を示す斜視図である。尚、以下の説明において、パチンコ遊技機1を正面から見た状態での上下左右方向を基準として説明する。【0073】装飾ユニット350は、図1に示すように遊技盤6に形成された開口部(図示略)の開口周縁に嵌合されるセンター枠飾り11により囲まれた領域内から後述する第1演出装置400及び第2演出装置500がそれぞれ前面側に臨むように、遊技盤6の背面に組み付けられている。【0074】図4に示すように、装飾ユニット350は、非透光性の合成樹脂材により前面が開口する箱状に形成されるベース部材351と、該ベース部材351の前面側に組み付けられる第1演出装置400L,400R及び第2演出装置500、図示しない各種遊技用部品や装飾部材、該ベース部材351の背面側に組み付けられる演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット(図示略)と、から構成される。【0075】ベース部材351には、長方形状をなす表示用開口352が形成されており、該ベース部材351の背面側に設けられる演出表示装置9の表示画面を表示用開口352を介して前面側に臨ませることができるようになっている。また、第1演出装置400L,400Rは、表示用開口352の左右側に組み付けられ、前後方向を向く軸周りに回動可能に設けられている。第2演出装置500は、表示用開口352の右側に組み付けられた案内レールを介して上下方向に移動可能に設けられている。【0076】 (第1演出装置) 次に、第1演出装置400について、図5?図14にもとづいて説明する。図5は、左側の第1回動ユニットを示す正面図である。図6は、左側の第1回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。図7は、同じく左側の第1回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。図8は、右側の第1回動ユニットを示す正面図である。図9は、右側の第1回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。図10は、同じく右側の第1回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。図11は、左側の第2回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。図12は、同じく左側の第2回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。図13は、右側の第2回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。図14は、同じく右側の第2回動ユニットの構成を示す分解斜視図である。【0077】図4に示すように、第1演出装置400L,400Rは、ベース部材351における表示用開口352の左右側に左右方向に回動可能に設けられる第1回動ユニット410L,410Rと、これら第1回動ユニット410L,410Rの背面側に設けられる第2回動ユニット470L,470Rと、から主に構成されている。【0078】第1回動ユニット410L,410Rは、円盤状をなす一対の装飾部を有し、該装飾部は、表示用開口352の側方位置にそれぞれ正面視略垂直姿勢をなすように退避する第1退避位置と、表示用開口352側に傾倒するように回動され、演出表示装置9の表示画面の前面側に重なるように配置される第1演出位置と、の間で回動可能に設けられている(図23(a)参照)。尚、左右の第1回動ユニット410Lは、第1退避位置において遊技盤6の背面側に遊技者から視認困難となるように配置される。【0079】第2回動ユニット470L,470Rは、所定長さを有する棒状部材から構成され、表示用開口352の側方位置においてそれぞれ正面視略垂直姿勢をなすように退避する第2退避位置と、表示用開口352側に傾倒するように回動され、演出表示装置9の表示画面の前面側に重なるように配置される第2演出位置と、の間で回動可能に設けられている(図23(b)参照)。尚、第2回動ユニット470L,470Rは、第1退避位置において第1回動ユニット410L,410Rの背面側に遊技者から視認困難となるように配置される。【0080】 (第1回動ユニット) 以下、第1回動ユニット410L,410R及び第2回動ユニット470L,470Rの構造について説明していく。【0081】図5?図7に示すように、左側の第1回動ユニット410Lは、円盤状に形成され互いに上下に並んだ状態で連接された上装飾部411La及び下装飾部411Lbからなる装飾部411Lと該装飾部411Lを回動可能に支持する支持部412Lとからなる第1可動部と、該第1可動部を回転駆動する第1回動モータ413Lと、第1回動モータ413Lの駆動力を第1可動部に伝達する駆動伝達部材414Lと、から主に構成される。【0082】装飾部411Lは、ほぼ同形の円盤形状に形成された取付盤415La,415Lbと、取付盤415La,415Lbに前面側から取り付けられ、前面に複数の第1回動LED416Lが設けられた第1LED基板417La,417Lbと、第1LED基板417La,417Lbの前面を被覆するように設けられるレンズ部材418La,418Lbと、取付盤415La,415Lbの周囲に取り付けられるリング部が互いに連接され一体化されてなる装飾枠419Lと、レンズ部材418La,418Lbの前面に回転可能に設けられる装飾部材420La,420Lbと、から構成されている。つまり、一対の取付盤415La,415Lbは装飾枠419Lにより一体化されている。【0083】取付盤415La,415Lbの背面には、装飾モータ421La,421Lbが取り付けられているとともに、この装飾モータ421La,421Lbの駆動軸に固着された駆動ギヤ422La,422Lbに噛合する中間ギヤ423La,423Lbと、該中間ギヤ423La,423Lbを介して駆動ギヤ422La,422Lbに連結される従動ギヤ424La,424Lbと、が前後方向を向く軸周りに回動可能に設けられている。従動ギヤ424La,424Lbの前面中央には回動軸425La,425Lbが突設されており、この回動軸425La,425Lbは、取付盤415La,415Lb、第1LED基板417La,417Lb、レンズ部材418La,418Lbに形成された貫通孔を挿通して装飾部材420La,420Lbが先端に固着されている。【0084】よって、装飾モータ421La,421Lbの駆動力が駆動ギヤ422La,422Lb、中間ギヤ423La,423Lb、従動ギヤ424La,424Lbを介して装飾部材420La,420Lbに伝達され、これにより装飾部材420La,420Lbが回動軸425La,425Lbを中心として回動するようになっている。【0085】支持部412Lは板状部材からなり、上部に取付盤415Lbの取付部426が設けられるとともに、下端に回動軸427が背面側に向けて突設されており、ベース部材351に回動軸427を介して軸支されている。前面には、ベース部材351に設けられるガイド溝(図示略)に摺動可能に係合されるガイドローラ428が設けられている。また、左端部には、一端がベース部材351に係止されたコイルバネ429の他端が係止されており、該コイルバネ429の付勢力により、支持部412Lが常に第1退避位置に向けて付勢されるようになっている。【0086】駆動伝達部材414Lは、第1回動モータ413Lの駆動軸413aに固着される回動盤430と、回動盤430の周縁近傍の偏心位置に一端が枢支されるとともに、支持部412Lの背面に他端が枢支されたリンク部材431と、から構成されており、第1回動モータ413Lにより回動盤430が回転されることで、駆動力がリンク部材431を介して支持部412Lに伝達され、これにより支持部412Lが回動軸427を中心として回動(揺動)するようになっている。また、回動盤430の周縁所定箇所には、第1回動スイッチ433Lにより第1回動ユニット410Lの駆動初期位置(本実施例では第1退避位置)を検出するための被検出部432が切欠形成されている。【0087】第1回動モータ413Lは、ベース部材351の所定箇所に固設される取付板434の背面に、駆動軸413aが取付板434の貫通孔から前面側に突出するように取り付けられている。また、取付板434の右側辺上部からは、帯板状に形成された規制片435が右側方に向けて略水平方向に延設されている。【0088】規制片435は、取付板434の右側辺上部から右側に向けて延設され、その前面には平面状の第1規制面435aが形成されているとともに、背面にはリブが立設されており、該リブの後端面には、第1規制面435aに対して交差(傾斜)する方向に向けて形成される帯状の第2規制面435bが形成されている(図24参照)。【0089】図8?図11に示すように、右側の第1回動ユニット410Rは、円盤状に形成され互いに上下に並んだ状態で連接された上装飾部411Ra及び下装飾部411Rbからなる装飾部411Rと該装飾部411Rを回動可能に支持する支持部412Rとからなる第1可動部と、該第1可動部を回転駆動する第1回動モータ413Rと、第1回動モータ413Rの駆動力を第1可動部に伝達する駆動伝達部材414Rと、から主に構成される。【0090】装飾部411Rは、大小の円盤形状に形成された取付盤415Ra,415Rbと、取付盤415Ra,415Rbに前面側から取り付けられ、前面に複数の第1回動LED416Rが設けられた第1LED基板417Ra,417Rbと、第1LED基板417Ra,417Rbの前面を被覆するように設けられるレンズ部材418Ra,418Rbと、取付盤415Ra,415Rbの周囲に取り付けられるリング状の装飾枠419Ra,419Rbと、レンズ部材418Ra,418Rbの前面に回転可能に設けられる装飾部材420Ra,420Rbと、から構成されている。右側の装飾部411Rは、取付盤415Ra,415Rbは装飾枠419Ra,419Rbにより一体化されていない。【0091】取付盤415Ra,415Rbの背面には、装飾モータ421Ra,421Rbが取り付けられているとともに、この装飾モータ421Ra,421Rbの駆動軸に固着された駆動ギヤ422Ra,422Rbに噛合する中間ギヤ423Ra,423Rbと、該中間ギヤ423Ra,423Rbを介して駆動ギヤ422Ra,422Rbに連結される従動ギヤ424Ra,424Rbと、が前後方向を向く軸周りに回動可能に設けられている。従動ギヤ424Ra,424Rbの前面中央には回動軸425Ra,425Rbが突設されており、この回動軸425Ra,425Rbは、取付盤415Ra,415Rb、第1LED基板417Ra,417Rb、レンズ部材418Ra,418Rbに形成された貫通孔を挿通して装飾部材420Ra,420Rbが先端に固着されている。【0092】よって、装飾モータ421Ra,421Rbの駆動力が駆動ギヤ422Ra,422Rb、中間ギヤ423Ra,423Rb、従動ギヤ424Ra,424Rbを介して装飾部材420Ra,420Rbに伝達され、これにより装飾部材420Ra,420Rbが回動軸425Ra,425Rbを中心として回動するようになっている。【0093】支持部412Rは、上部に前後方向を向く軸孔441が形成されるとともに、下部に下側の取付盤415Rbの取付部440が形成されている。軸孔441と取付部440との間には、軸孔441を中心とする円弧形状をなすガイド溝442が形成されており、上側の取付盤415Raの背面下部に取り付けられる前後一対のガイドワッシャ443a,443bが摺動可能に係合されている。つまり、このガイド溝442とガイドワッシャ443a,443bは、下装飾部411Rbを回動案内するとともに回動範囲を規制している。【0094】駆動伝達部材414Rは、第1回動モータ413Rの駆動軸413aに固着される回動盤444と、回動盤444の周縁近傍の偏心位置に一端が枢支されるとともに、支持部412Rの前面上部に他端が枢支されたリンク部材445と、から構成されており、第1回動モータ413Rにより回動盤444が回転されることで、駆動力がリンク部材445を介して支持部412Rに伝達され、これにより支持部412Rが軸孔441を中心として回動(揺動)するようになっている。また、回動盤444の周縁所定箇所には、第1回動スイッチ433Rにより第1回動ユニット410Rの駆動初期位置(本実施例では第1退避位置)を検出するための被検出部446が切欠形成されている。【0095】第1回動モータ413Rは、ベース部材351の所定箇所に固設される取付部材447の背面に、駆動軸413aが取付部材447の貫通孔から前面側に突出するように取り付けられている。また、取付部材447の右側には、上側の取付盤415Raの背面上部が取り付けられる取付部448が形成されているとともに、その下方位置には、軸孔441に挿入可能に形成された回動軸449が前方に向けて突設されており、該回動軸449を中心として支持部412Rが回動可能に軸支されている。【0096】このように第1回動ユニット410Rは、上装飾部411Raは取付部材447に取り付けられて固定され、支持部412Rに取り付けられた下装飾部411Rbのみが、回動軸449を中心として上装飾部411Raの周縁に沿うように揺動可能に設けられている。【0097】 (第2回動ユニット) 図11及び図12に示すように、左側の第2回動ユニット470Lは、ベース部材351に固定される固定部材471Lと、固定部材471Lに回動可能に支持された第2可動部472Lと、第2可動部472Lを駆動する第2回動モータ473Lと、から主に構成される。【0098】第2回動モータ473Lは、駆動軸473aが固定部材471Lの軸孔474Lを介して前面側に突出するように固定部材471Lの背面に固定されている。軸孔474Lの右側には、回動軸475Lが嵌合される嵌合孔476Lが形成されているとともに、該嵌合孔476Lを中心とする円弧形状をなすガイド溝477Lが形成されている。また、軸孔474Lを介して前面側に突出された駆動軸473aの先端には駆動ギヤ478Lが固着されている。【0099】後端が嵌合孔476Lに嵌合された回動軸475Lの前端は、支持部材479Lに形成された軸孔480Lに挿入され、固定部材471Lに対して支持部材479Lが回動軸475Lを中心として回動可能に軸支されている。支持部材479Lの上部には、第2可動部472Lの下部が取り付けられており、支持部材479Lとともに揺動するようになっている。【0100】支持部材479Lの背面側には、駆動ギヤ478Lに噛合される従動ギヤ481Lが、軸孔480Lを中心とする円弧状に形成されている。また、従動ギヤ481Lの周囲には、第2回動センサ(図示略)により第2回動ユニット470Lの駆動初期位置(本実施例では第2退避位置)を検出するための被検出部が円弧状に形成されている。【0101】このように構成された第2回動ユニット470Lは、第2回動モータ473Lにより駆動ギヤ478Lが回動することで、その駆動力が従動ギヤ481Lを介して支持部材479Lに伝達され、第2可動部472Lが、固定部材471Lに対し回動軸475Lを中心として回動されるようになっている。【0102】尚、第2可動部472Lは、特に詳細な図示はしないが連結された鎖を模した形状をなす棒状部材からなり、下端から上端に向けて前方に屈曲または湾曲して形成されている(図20参照)。【0103】次に、図13及び図14に示すように、右側の第2回動ユニット470Rは、ベース部材351に固定される固定部材471Rと、固定部材471Rに回動可能に支持された第2可動部472Rと、第2可動部472Rを駆動する第2回動モータ473Rと、から主に構成され、基本的には、左側の第2回動ユニット470Lと同様に形成されている。【0104】第2回動モータ473Rは、駆動軸473aが固定部材471Rの軸孔474Rを介して前面側に突出するように固定部材471Rの背面に固定されている。軸孔474Rの右側には、回動軸475Rが嵌合される嵌合孔476Rが形成されているとともに、該嵌合孔476Rを中心とする円弧形状をなすガイド溝477Rが形成されている。また、軸孔474Rを介して前面側に突出された駆動軸473aの先端には駆動ギヤ478Rが固着されている。【0105】後端が嵌合孔476Rに嵌合された回動軸475Rの前端は、支持部材479Rに形成された軸孔480Rに挿入され、固定部材471Rに対して支持部材479Rが回動軸475Rを中心として回動可能に軸支されている。支持部材479Rの上部には、第2可動部472Rの下部が取り付けられており、支持部材479Rとともに揺動するようになっている。【0106】支持部材479Rの背面側には、駆動ギヤ478Rに噛合される従動ギヤ481Rが、軸孔480Rを中心とする円弧状に形成されている。また、従動ギヤ481Rの周囲には、第2回動センサ(図示略)により第2回動ユニット470Rの駆動初期位置(本実施例では第2退避位置)を検出するための被検出部が円弧状に形成されている。【0107】このように構成された第2回動ユニット470Rは、第2回動モータ473Rにより駆動ギヤ478Rが回動することで、その駆動力が従動ギヤ481Rを介して支持部材479Rに伝達され、第2可動部472Rが、固定部材471Rに対し回動軸475Rを中心として回動されるようになっている。【0108】尚、第2可動部472Rは、特に詳細な図示はしないが連結された鎖を模した形状をなす棒状部材からなり、下端から上端に向けて前方に屈曲または湾曲して形成されている(図22参照)。【0109】 (第2演出装置) 次に、第2演出装置500について、図15?図17にもとづいて説明する。図15は、第2演出装置の構成を示す分解斜視図である。図16は、同じく第2演出装置の構成を示す分解斜視図である。図17は、(a)(b)は移動部の構造を示す分解斜視図である。図18は、(a)は移動部を示す正面図、(b)は右側面図、(c)は(a)のA-A断面図である。【0110】図15及び図16に示すように、第2演出装置500は、ベース部材351における表示用開口352の右側に上下方向に向けて設けられる移動支持部501と、移動支持部501により上下方向に移動する移動部502と、該移動部502に支持される装飾可動部503と、から主に構成されている。【0111】装飾可動部503は、表示用開口352の上方位置において左右方向に配置される上方位置と、表示用開口352の下部位置において左右方向に配置される下方位置と、の間で上下方向に直線状に往復移動可能に設けられている(図23参照)。【0112】移動支持部501は、上下方向に延設される左右一対のガイドシャフト510a,510bと、これらガイドシャフト510a,510b間に配設され、前面にラックギヤ511aが上下方向に向けて形成されたギヤ部材511と、から主に構成されている。ガイドシャフト510a,510bは、上端及び下端に嵌合された取付部材512a,512bを介してベース部材351に取り付けられる。左右のガイドシャフト510a,510bは、互いに左右方向に離間するとともに、左側のガイドシャフト510aに対し右側のガイドシャフト510bが僅かに前方に位置するように、互いに平行に設けられている。また、ギヤ部材511は直接ベース部材351に取り付けられる。【0113】移動部502は、特に図17及び図18に示すように、スライド部材515と、スライド部材515の前面側に取り付けられるカバー部材516と、カバー部材516の前面側に取り付けられ断面略コ字形をなす配線カバー517と、から主に構成されている。【0114】スライド部材515の前面左右側には、前方に開口するガイド凹溝518a,518bが上下方向に延設されており、ガイドシャフト510a,510bにこれらガイド凹溝518a,518bが背面側から嵌合されることで、上下方向に移動可能に案内されるようになっている。ガイド凹溝518aの左側には、前方に開放される側面視U字形をなす軸受溝519が前後方向に形成されているとともに、その右側にはギヤ挿通窓520が形成されている。【0115】また、ガイド凹溝518aの上部には、上被検出部521aが上向きに突設されているとともに、ガイド凹溝518aの下部には、下被検出部521bが下向きに突設されている。上被検出部521aは、装飾可動部503が駆動初期位置である上方位置に位置したときに上昇スイッチ(図示略)により検出され、下被検出部521bは、装飾可動部503が下方位置に位置したときに下降スイッチ(図示略)により検出されるようになっている。【0116】カバー部材516は、スライド部材515の前面を被覆可能な大きさを有する被覆板516aと、被覆板516aの上辺から前向きに屈曲される上板516b及び被覆板516aの下辺から前向きに屈曲される下板516cとにより断面略前向きコ字形をなす板材からなり、取り付けられた状態においてガイド凹溝518a,518bや軸受溝519の前面開口を閉鎖するように設けられる。【0117】また、前方が開口する横向き凹溝状に形成されているとともに、その前面側に後向きコ字形をなす配線カバー517が取り付けられることで、これらカバー部材516と配線カバー517とにより、配線が挿通可能な配線挿通部523(図18(a)(b)参照)が形成されるようになっている。【0118】カバー部材516の右側辺上部には、上板516bの上面右端部に突設される支持アーム522bと、該支持アーム522bの上端に設けられる前後方向を向くガイドバー522aと、からなる配線規制部522Aが設けられている。また、カバー部材516の右側辺下部には、下板516cの下面右端部に突設される支持アーム522bと、該支持アーム522bの下端に設けられる前後方向を向くガイドバー522aと、からなる配線規制部522Bが設けられている。図18(a)(b)に示すように、ガイドバー522aは、右側のガイドシャフト510bよりも右側方前方に位置するように配置されており、これにより配線挿通部523の右側開口の直上及び直下に配置される。【0119】軸受溝519には、昇降モータ525の駆動軸525a(図18(c)参照)に相対回転不能に固着される駆動ギヤ526の軸部が回動可能に軸支される。駆動ギヤ526は、軸心が左右方向を向くとともに、ギヤの歯の後部がギヤ挿通窓520を介してスライド部材515の背面側に臨み、該ギヤ挿通窓520の背面側に対向して配置されるラックギヤ511aに噛合されるようになっている。よって、昇降モータ525により駆動ギヤ526が回動されることで、移動支持部501に対して移動部502及び装飾可動部503が上方または下方に移動する。【0120】装飾可動部503は、図15及び図16に示すように、移動部502の左側方に取付部材530を介して取り付けられている。取付部材530は、左右方向を向く第1取付板530aと、該第1取付板530aの背面左右方向中央位置に直交して設けられる第2取付板530bと、から構成される。第1取付板530aの前面には、左側に向けて延びる装飾板531が取り付けられているとともに、その左端部には、発光装飾体532が取り付けられている。【0121】発光装飾体532は、正面視ハート型をなし前面が開口する箱状に形成されたベース部材533と、ベース部材533の前面に配設され、前面に昇降LED535が複数設けられたLED基板534と、LED基板534の前面側に配置される透光性シート536と、LED基板534の前面側を被覆するようにベース部材533の前面を閉鎖するレンズ部材537と、から主に構成され、ベース部材533は第1取付板530aの前面左端部に取り付けられている。尚、レンズ部材537の前面に設けられる装飾部材は図示を省略している。【0122】また、図16に示すように、装飾板531の背面には、昇降中継基板538が設けられている。昇降中継基板538には、LED基板534からの配線(図示略)と、昇降モータ525からの配線が接続されているとともに、これらLED基板534及び昇降モータ525からの配線の端子がまとめられた基板側コネクタCNK1が設けられている。【0123】図27に示すように、昇降中継基板538は、ベース部材351の背面上部に取り付けられるベース側中継基板539を含む中継基板を介して演出制御基板80に接続されている。そして、昇降中継基板538とベース側中継基板539とは、可撓性を有するケーブルC(図27,28参照)を介して配線接続されている。詳しくは、ケーブルCの一端に設けられた配線側コネクタCNH1は、可動側配線保持部となる基板側コネクタCNK1に接続され、ケーブルCの他端に設けられた配線側コネクタCNH2は、ベース側中継基板539に設けられたベース側配線保持部となる基板側コネクタCNK2に接続される。【0124】一方、取付部材530の第2取付板530bの左側面には、昇降モータ525が、駆動軸525aが第2取付板530bを貫通して移動部502側に突出されるように固定されている。そして、第2取付板530bを貫通して移動部502側に突出された駆動軸525aは、軸受溝519に配置されて駆動ギヤ526が嵌合される。【0125】次に、第1演出装置400及び第2演出装置500のベース部材351に対する配設状態について、図19?図22にもとづいて説明する。図19は、装飾ユニットを示す正面図である。図20は、図19のB-B断面図である。図21は、(a)は図19のC-C断面図、(b)は第1,2演出位置に移動した状態を示す断面図である。図22は、図19のD-D断面図である。【0126】まず、図19?図21に示すように、左側の第1回動ユニット410Lは、支持部412Lの下端の回動軸427が、ベース部材351における表示用開口352の左側方下部に位置するようにベース部材351に対して回動可能に設けられる。具体的には、回動軸427の軸心P1は、前後方向、つまり遊技機の奥行き方向に向けて略水平に配設されている。【0127】回動軸427は、装飾部411Lの前面に対して略直交するように設けられているため、装飾部411Lは、表示用開口352の左側方位置において略垂直姿勢をなす第1退避位置と、表示用開口352側に傾倒するように回動され、遊技者から視認可能となるように演出表示装置9の表示画面の前面側に重なるように配置される第1演出位置と、の間で移動可能に設けられている。すなわち、装飾部411Lは、第1退避位置から第1演出位置までの第1移動範囲内において、演出表示装置9の表示画面や遊技盤6の盤面に対し略平行に移動するようになっている。【0128】左側の第2回動ユニット470Lは、第2可動部472Lの回動軸475Lが、ベース部材351における表示用開口352の左側方における第1回動ユニット410Lよりも背面側に位置するようにベース部材351に対して回動可能に設けられる。具体的には、回動軸475Lの軸心P2は、前後方向、つまり遊技機の奥行き方向に向けて左右及び上下方向に対し傾斜して配設されている。より詳しくは、背面側に向けて漸次右側下方に、軸心P1に対し交差するように傾斜しているため、第2退避位置において第1回動ユニット410Lの背面側に配置されるとともに、さらに下端の回動軸475L側から上端(先端)に向けて漸次第1回動ユニット410Lから背面側に離れるように傾倒して配置される。【0129】回動軸475Lは、第2可動部472Lの前面に対して略直交するように設けられているため、第2可動部472Lは、表示用開口352の左側方位置において正面視略垂直姿勢をなす第2退避位置と、表示用開口352側に傾倒するように回動され、遊技者から視認可能となるように演出表示装置9の表示画面の前面側に重なるように配置される第2演出位置と、の間で移動可能に設けられている。すなわち、第2可動部472Lは、第2退避位置から第2演出位置までの第2移動範囲内において、演出表示装置9の表示画面や遊技盤6の盤面に対し傾斜する方向へ、つまり、第1回動ユニット410Lの第1移動範囲に近づく方向に移動するようになっている。【0130】次に、図19及び図22に示すように、右側の第1回動ユニット410Rは、取付部材447の下端の回動軸449が、ベース部材351における表示用開口352の右側方上部に位置するようにベース部材351に対して回動可能に設けられる。具体的には、回動軸449の軸心P3は、前後方向、つまり遊技機の奥行き方向に向けて略水平に配設されている。【0131】回動軸449は、装飾部411Rの前面に対して略直交するように設けられているため、装飾部411Rは、表示用開口352の右側方位置において略垂直姿勢をなす第1退避位置と、表示用開口352側に傾倒するように回動され、演出表示装置9の表示画面の前面側に重なるように配置される第1演出位置と、の間で移動可能に設けられている。すなわち、装飾部411Rは、第1退避位置から第1演出位置までの第1移動範囲内において、演出表示装置9の表示画面や遊技盤6の盤面に対し略平行に移動するようになっている。【0132】右側の第2回動ユニット470Rは、第2可動部472Rの回動軸475Rが、ベース部材351における表示用開口352の右側方における第1回動ユニット410Rよりも背面側に位置するようにベース部材351に対して回動可能に設けられる。具体的には、回動軸475Rの軸心P4は、前後方向、つまり遊技機の奥行き方向に向けて左右及び上下方向に対し傾斜して配設されている。より詳しくは、背面側に向けて漸次左側下方に、回動軸449の軸心P3に対し交差するように傾斜しているため、第2退避位置において第1回動ユニット410Rの背面側に配置されるとともに、さらに下端の回動軸475R側から上端(先端)に向けて漸次第1回動ユニット410Rから背面側に離れるように傾倒して配置される。【0133】回動軸475Rは、第2可動部472Rの前面に対して略直交するように設けられているため、第2可動部472Rは、表示用開口352の右側方位置において正面視略垂直姿勢をなす第2退避位置と、表示用開口352側に傾倒するように回動され演出表示装置9の表示画面の前面側に重なるように配置される第2演出位置と、の間で移動可能に設けられている。すなわち、第2可動部472Rは、第2退避位置から第2演出位置までの第2移動範囲内において、演出表示装置9の表示画面や遊技盤6の盤面に対し傾斜する方向へ、つまり、第1回動ユニット410Rの第1移動範囲に近づく方向に移動するようになっている。【0134】次に、第1演出装置400L,400Rの動作態様及び装飾態様について、図23及び図24にもとづいて説明する。図23は、(a)は第1回動ユニットが第1演出位置に位置した状態、(b)は第2回動ユニットが第2演出位置に、第2演出装置が下方位置に位置した状態を示す概略正面図である。図24は、(a)は第1回動ユニットが第1演出位置に位置した状態を示す概略平面図、(b)は第2回動ユニットが第2演出位置に位置した状態を示す概略平面図である。【0135】図23(a)に示すように、左側の第1回動ユニット410Lの回動軸427は演出表示装置9の表示画面の左側下方に位置し、右側の第1回動ユニット410Rの回動軸449は演出表示装置9の表示画面の右側上方に位置するため、第1退避位置から第1演出位置まで移動したときに、双方の装飾部411L,411Rが、演出表示装置9の表示画面の左下から斜め右上がりに略一直線上に配置されるようになっている。また、演出制御用CPUは、装飾部411L,411Rを第1演出位置に移動させたときに第1回動LED416L,416R(図6,9参照)を発光させることが可能である。【0136】図23(b)に示すように、左右の第2回動ユニット470L,470Rの回動軸475L,475Rは、演出表示装置9の表示画面の左右側下方にそれぞれ略同高さに位置するため、第2退避位置から第2演出位置まで移動したときに、双方の第2可動部472L,472Rの先端部が、演出表示装置9の表示画面の左右方向中央下部位置にて前後に重畳され、これにより左右の第2可動部472L,472Rが連続してアーチ状に配置され、演出表示装置9の表示画面が上下に分割されるように見える。【0137】尚、第2演出装置500は、上方位置と下方位置との間で昇降可能とされており、下方位置まで下降したときに、第2演出位置まで移動した第2可動部472L,472Rの下方位置に配置されるようになっている。これにより、第2演出装置500の装飾可動部503の上方に第2可動部472L,472Rが配置されることになるので、あたかも第2可動部472L,472Rにより装飾可動部503の上昇が規制されているように見せることができる。つまり、一方の可動部が他方の可動部の移動を規制するように配置されている。【0138】但し、第2可動部472L,472Rは、第2演出位置において下方位置にある装飾可動部503よりも前方位置に配設されている、つまり、第2可動部472L,472Rと装飾可動部503とは互いに前後方向に異なる位置に配設されているので、第2可動部472L,472Rを第2演出位置に退避させたり、装飾可動部503を上方位置に移動させる際に互いに接触したりすることが防止される。【0139】また、図23(b)に示すように、あたかも下方位置に配置された装飾可動部503の上昇を規制するように第2可動部472L,472Rが第2演出位置に配置される可動演出は、飾り図柄(特別図柄)の可変表示期間中の所定のタイミングで一時的に実行されるものでなく、例えば、大当り遊技状態中や、あるいは、通常状態に比べて特図変動時間が短縮されるとともに可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される確率が通常状態や時短状態よりも高くなる確率変動に制御可能な遊技機において、遊技状態が非確変状態ではなく確変状態であることを示唆する所謂潜伏演出中等、所定期間にわたり継続して実行されるものであってもよい。【0140】図24に示すように、本発明の実施例としての第1演出装置400L,400Rにあっては、第1回動ユニット410L,410Rは、前後方向を向く回動軸427,449を中心として、第1退避位置から第1演出位置までの第1移動範囲内で回動可能に設けられ、第2回動ユニット470L,470Rは、回動軸427,449とは異なる回動軸475L,475Rを中心として、第1退避位置に対しパチンコ遊技機1の奥行き方向(前後方向)に離れた第2退避位置から第2演出位置までの第2移動範囲内で回動可能に設けられており、回動軸475L,475Rは、第2回動ユニット470L,470Rが第2退避位置から回動したときに第1移動範囲に近づくように、回動軸427,449に対して傾斜して設けられている。【0141】第2回動ユニット470L,470Rの第2可動部472L,472Rは、第2退避位置では、装飾部411L,411Rに対し奥行き方向に重なるように配置されるが(図24(a)参照)、第2演出位置に向けて移動することにより装飾部411L,411Rの第1移動範囲、つまり移動軌跡に近づくことで、装飾部411L,411Rとの奥行き方向の位置ずれが少なくとも第1退避位置及び第2退避位置にあるときよりも小さくなる(図24(b)参照)。【0142】詳しくは、図24(a)に示すように、装飾部411L,411Rの所定位置(ここでは先端部)における演出表示装置9の表示画面からの離間距離L1と、図24(b)に示すように、第2可動部472L,472Rの所定位置(ここでは先端部)における演出表示装置9の表示画面からの離間距離L2とはほぼ同寸となっている(L1≒L2)。よって、装飾部411L,411Rが第1演出位置まで移動した場合と、第2可動部472L,472Rが第2演出位置まで移動した場合とで、奥行き方向の位置ずれが生じて遊技者に違和感を与えることが防止される。【0143】また、可動部を演出表示装置9の表示画面の前面側に出現させる可動演出を実行する際において、出現させたときに最もインパクトを与えられる奥行き面(前後位置)に、従来例の技術では、一の収納箇所に収納された複数の可動部のうち一しか出現させることができないが、本実施例では複数の可動部を同じ奥行き面(前後位置)に出現させることができる。【0144】また、演出表示装置9の表示画面に表示した画像と出現させた可動部とを合わせた演出を行う際に、従来例では、可動部によって出現する前後方向の位置が異なってくるため、出現する可動部によって遊技者からの見え具合が変わってしまうため、遊技者に違和感を与えてしまう虞があった。しかし、本実施例では、装飾部411L,411Rと第2可動部472L,472Rとを前後方向の略同位置に移動させることができるため、遊技者に違和感を与えることなく、表示と構造物とを合わせた演出を行うことが可能となる。【0145】また、本実施例では、第1回動ユニット410L,410Rの回動軸427,449に対して、第2回動ユニット470L,470Rの回動軸475L,475Rの後端を、中央寄りに水平に傾けるだけでなく、下方にも傾けていることで、第1回動ユニット410L,410Rの下方位置に第2回動ユニット470L,470Rの回動軸475L,475Rを近づけて配設することができ、これにより、第1回動ユニット410L,410Rに対して第2回動ユニット470L,470Rを前後方向に近接して配置することが可能となるため、前後方向の設置幅を極力短寸化することができる。【0146】また、第1回動ユニット410L,410Rの第1回動範囲に対し、第2回動ユニット470L,470Rの第2回動範囲が近づくように設けられるだけでなく、第1回動ユニット410L,410Rに対し第2回動ユニット470L,470Rが前後に傾倒した状態で回動することで双方の動きが複雑になるため、演出効果が向上する。【0147】また、装飾部411L,411Rと第2可動部472L,472Rとの間、つまり第1移動範囲と第2移動範囲との間に、装飾部411L,411R及び第2可動部472L,472Rの奥行き方向への移動を規制する規制片435が設けられていることで、装飾部411L,411R及び第2可動部472L,472Rが移動範囲内で何らかの要因により奥行き方向に揺れること等によって互いに接触することを防止できる。【0148】特に第1回動ユニット410L,410Rや第2回動ユニット470L,470Rのように、可動部が所定長さを有するとともに一端に回動軸が設けられている場合、片持ち支持状態となるため、回動軸と反対側の端部側に行くほど強度が低下して撓みが生じやすくなるばかりか、さらに先端側の装飾部などにモータのような重量物が搭載されるとぶれが生じやすくなる。よって、このような規制片435を回動軸から離れた箇所に配設することで、各可動部の先端側を安定して移動案内させることができるばかりか、前後の可動部同士の接触等を効果的に防止できる。【0149】さらに規制片435は、第1演出位置から第1移動範囲に沿うように(回動軸427,449に対して直交する方向に向けて)延設される第1規制面435aと、第2演出位置から第2移動範囲に沿うように(回動軸475L,475Rに対して直交する方向に向けて)延設される第2規制面435bと、を有することで、装飾部411L,411R及び第2可動部472L,472Rは、それぞれの規制面435a,435bにより移動方向に沿って案内されるので、移動時の接触だけでなく奥行き方向の揺れが防止される。【0150】次に、本発明の変形例としての第1演出装置について説明する。図25は、(a)は本発明の変形例としての第1演出装置の動作態様を示す概略図、(b)はさらに他の変形例としての第1演出装置の動作態様を示す概略図である。【0151】本実施例では、第1回動ユニット410L,410Rの背面側に配設される第2回動ユニット470L,470Rの回動軸475L,475Rを回動軸427,449に対して傾けることで、第2可動部472L,472Rが装飾部411L,411Rの第1移動範囲に近づくように設けられていたが、図25(a)に示すように、第1回動ユニット410L,410Rの回動軸427,449を、第2回動ユニット470L,470Rの回動軸475L,475Rに対して傾けることで、装飾部411L,411Rが第2可動部472L,472Rの第2移動範囲に近づくように設けてもよい。【0152】この場合、第1演出位置及び第2演出位置において、演出表示装置9の表示画面から装飾部411L,411R及び第2可動部472L,472Rの所定箇所(先端部)までの離間距離L3はほぼ同じであり、L1,L2よりも表示画面に近い位置に配置される。【0153】また、図25(b)に示すように、第1回動ユニット410L,410Rの回動軸427,449及び第2回動ユニット470L,470Rの回動軸475L,475R双方を互いに傾けることで、装飾部411L,411R及び第2可動部472L,472Rの第1,2移動範囲が互いに近づくように設けてもよい。【0154】また、この場合、第1演出位置における演出表示装置9の表示画面から装飾部411L,411Rの所定箇所(先端部)までの離間距離L4に比べて、第2演出位置における演出表示装置9の表示画面から第2可動部472L,472Rの所定箇所(先端部)までの離間距離L5の方が大きくなるように設けられている。【0155】このように、第1演出位置と第2演出位置とは、前後方向に完全に同じ位置でなくてもよく、前後方向に僅かに異なるようになっていてもよい。すなわち、第2回動ユニット470L,470Rの第2可動部472L,472Rが第2退避位置から移動したときに装飾部411L,411Rの第1移動範囲に近づくとは、本実施例のように、回動軸475L,475Rの所定箇所が装飾部411L,411Rの第1移動範囲に前後方向に重なる場合や(図24(b)参照)、第2可動部472L,472Rが装飾部411L,411Rの第1移動範囲を前方または後方に通り越してしまう場合や(図25(b)参照)、あるいは、第2可動部472L,472Rが装飾部411L,411Rの第1移動範囲に近接するが到達しない場合(図示略)も含まれる。【0156】また、図23に示すように、装飾部411L,411Rの第1演出位置と第2可動部472L,472Rの第2演出位置とは、正面視で同じ位置でも異なる位置でもよい。つまり、それぞれの第1演出位置と第2演出位置とで前後方向に大きな位置ずれが生じなければ、第1演出位置と第2演出位置とは前後方向に完全に重畳する位置でなくてもよい。【0157】また、図20及び図22に示すように、回動軸475L,475Rは、第2退避位置において第2可動部472L,472Rが回動軸475L,475R(下端)から先端(上端)に行くにつれて装飾部411L,411Rから離れるように設けられていることで、回動軸475L,475Rから離れ不安定な先端は、第2退避位置においては装飾部411L,411Rから極力離れて配置されるので、装飾部411L,411Rと装飾部411L,411Rとが移動範囲内で何らかの要因により奥行き方向に揺れること等によって互いに接触することを防止できる。【0158】ここで、本発明の他の変形例としての第1演出装置について説明する。図26は、(a)は本発明の他の変形例としての第1演出装置を示す概略図、(b)はさらに他の変形例としての第1演出装置を示す概略図である。【0159】上記したように、回動軸475L,475Rを背面側に向けて下方に傾斜させることで、第2退避位置において第2可動部472L,472Rの上端が背面側に傾倒し、これにより装飾部411L,411Rから離れるようになっていたが、例えば図26(a)に示すように、第2可動部472L,472Rの所定箇所を前方に向けて屈曲させたり、図26(b)に示すように湾曲させたりしてもよい。【0160】このように第2可動部472L,472Rを屈曲させたり湾曲させたりすることで、第2可動部472L,472Rの重心位置が回動軸475L,475Rから離れてバランスが悪くなったり、先端が重く不安定になり揺動しやすくなること等が防止される。【0161】次に、第2演出装置500の配線状況について、図27及び図28にもとづいて説明する。図27は、(a)は第2演出装置の配線状況を示す概略正面図、(b)は(a)のE-E断面図である。図28は、(a)は移動部を示す拡大図、(b)はスパイラルチューブ、(c)は図27(b)の要部拡大断面図である。【0162】図27及び図28に示すように、ベース部材351の前面における表示用開口352の右側に配設された移動支持部501の右側には、ギヤ部材511が固定される固定部材550と該固定部材550の前面に配設されるカバー部材551とにより、ケーブルCを収容可能な横断面略長方形状をなす配線収容空間部552が上下方向に向けて延設されている。【0163】配線収容空間部552の左側面前部には、配線挿通溝553が上下方向に向けて延設されている。この配線挿通溝553は、移動部502の配線規制部522A,522Bの右側に対向して配設されており、ガイドバー522aが配線挿通溝553に沿って上下方向に移動するようになっている。ガイドバー522aは、配線挿通溝553の前後幅よりも若干長寸に形成され、かつ、配線挿通溝553の延設方向に対し略直交する前後方向を向いているため、配線挿通溝553の所定箇所から延出されるケーブルCを、上方または下方から確実に係止できるようになっている。【0164】また、固定部材550の上下方向の略中央位置、つまり移動支持部501の上下方向の略中央位置には、配線挿通口554が形成されているとともに、ベース部材351における配線挿通口554に対応する位置には開口555が形成されており、ケーブルCをベース部材351の前後に挿通できるようになっている。【0165】一端に設けられた配線側コネクタCNH1を介して昇降中継基板538の基板側コネクタCNK1に接続されたケーブルCの他端に設けられた配線側コネクタCNH2は、装飾板531の背面側から移動部502の配線挿通部523に挿入されて右側方に延出された後、配線挿通溝553を介して配線収容空間部552内に挿入され、さらに配線挿通口554、開口555を介してベース部材351の背面側に延出された後、ベース側中継基板539の基板側コネクタCNK2に接続される。【0166】また、ケーブルCは、移動部502が上方位置と下方位置との間で移動する間に余剰部が生じる程度の長さを有し、その外周には、図28(b)に示すように、帯状の弾性部材を螺旋状に巻回することにより複数の配線を束ねてなる配線保護部材としてのスパイラルチューブ560が外周に巻装されている。これにより、複数本のケーブルが束ねられるだけでなく、ケーブルが配線規制部522A,522Bのガイドバー522aや移動部502との接触を繰り返すことによる断線等を防止することができるばかりか、ケーブルCが屈曲されにくくなるので、移動部502の移動を妨げにくくなる。【0167】また、スパイラルチューブ560により複数の配線が束ねられることで、移動部502の移動の際に細いケーブル一本一本を噛んでしまうことが防止される。また、スパイラルチューブ560は、配線を束ねた状態でも、管状の弾性部材に螺旋状の切込みを入れることにより形成されているため、束ねられた配線の変形自由度が制限されにくくなるので、移動部502の移動に応じて過度な反発力を発生させることなく、ケーブルを退避させることができる。【0168】このように、本発明の実施例としての第2演出装置500にあっては、ベース部材351に上下方向に向けて延設され、移動部502を移動可能に支持する移動支持部501と、装飾可動部503に搭載された電気部品である昇降LED535や昇降モータ525に接続され、該装飾可動部503に設けられた可動側配線保持部である基板側コネクタCNK1とベース部材351に設けられたベース側配線保持部である基板側コネクタCNK2との間に掛け渡された可撓性を有するケーブルCと、移動部502における移動支持部501の延設方向、つまり上下方向に向けて突設され、ケーブルCが移動支持部501を構成するガイドシャフト510a,510bやギヤ部材511に近づくことを規制する配線規制部522A,522Bと、を備えている。【0169】よって、移動部502が上方または下方に移動する際に移動先のガイドシャフト510a,510bやギヤ部材511にケーブルC’(図28(a)中一点鎖線参照)が存在しても、移動部502よりも配線規制部522A,522Bの方が先にケーブルCに接触して該ケーブルCが近づくことが規制されるため、ケーブルCがガイドシャフト510a,510bやギヤ部材511に入り込んだり、ガイドシャフト510a,510bとガイド凹溝518a,518bとの間、つまり被支持部に入り込むなどして移動部502の移動が妨げられること等が防止される。【0170】特に配線規制部522A,522Bは、配線挿通溝553に対向して配置され、特にガイドバー522aは、配線挿通溝553の長手方向に対し直交するように配設されていることで、ケーブルCが配線挿通溝553から移動支持部501側に膨出されても、移動方向に突設されている配線規制部522A,522Bがスリット状の配線挿通溝553の近傍を沿うように移動してくることで、膨出されたケーブルCが漸次配線収容空間部552内に押し戻される。このように、このように配線挿通溝553が上下方向に延設されることで、ケーブルCの動きや変形を大きく妨げることなく、かつ、配線挿通溝553から飛び出してきたときにはケーブルCを配線収容空間部552内に上手く押し戻して収容させることができるため、ケーブルCを無理に屈曲させて断線させたりすることなく、移動部502の移動の邪魔になることを防止できる。【0171】また、ベース部材351の背板を挟んで移動支持部501の反対側に設けられ、電気部品である昇降LED535や昇降モータ525にケーブルCを介して接続されるベース側中継基板539と、ベース部材351の背板に形成され、ケーブルCを挿通可能とする配線挿通口554と、を備え、配線挿通口554は、移動支持部501の長手方向の略中央位置近傍に形成されていることで、配線挿通口554から移動部502まで延出されるケーブルCの長さを極力短くすることができるので、余剰したケーブルCが邪魔になりにくくなる。【0172】尚、本実施例では、配線挿通口554は移動支持部501の長手方向の略中央位置に設けられていたが、上部または下部に設けられていてもよく、種々に変更可能である。【0173】また、本実施例では、配線規制部522A,522Bは、配線挿通溝553との対向位置にのみ形成されていたが、ケーブルCがガイドシャフト510a,510b等に近づくことを規制するものであれば、例えば移動部502の上面及び下面からガイドシャフト510a,510bの周囲を覆うように筒状に形成されていてもよく、形状は種々に変更可能である。【0174】また、本実施例では、配線挿通部523は移動部502の右側方にケーブルCを延出するとともに、配線挿通口554は移動支持部501の右側方に設けられていたが、移動部502からのケーブルCの延出方向は、配線挿通口554の形成位置に応じて決定されるものではなく、例えば配線挿通口554が移動支持部501の背面側に形成されていてもよい。【0175】また、移動部502は、移動支持部501により昇降可能に設けられ、配線規制部522A,522Bは、上方に向けて突設される第1規制部522Aと、下方に向けて突設される第2規制部522Bと、から構成され、移動部502が往路を移動するときでも復路を移動するときでもケーブルCが本体に近づくことを規制できる。【0176】また、本実施例では、移動支持部501はガイドシャフト510a,510bにて構成され、移動部502はこのガイドシャフト510a,510bに摺動可能に嵌合されてなるものであったが、例えば移動支持部が所定長さを有するガイド溝であり、移動部がガイド溝の長手方向に摺動可能に設けられていてもよく、移動支持部による移動部の支持構造は上記のものに限定されるものではない。【0177】また、本実施例の第2演出装置500は、上下方向に延設された移動支持部501により移動部502が昇降可能に設けられていたが、移動方向は上下方向に限定されるものではなく種々に変更可能であり、例えば左右方向に延設された移動支持部501により移動部502が左右方向に往復動可能に設けられている場合でも、移動部502における移動支持部501の延設方向に第1規制部522A及び第2規制部522Bを設けることで、同様の作用・効果を得ることができる。【0178】以上説明した第1演出装置400L,400Rの第1回動ユニット410L,410R及び第2回動ユニット470L,470Rや第2演出装置500の装飾可動部503は、遊技中における種々のタイミングで可動させることが可能とされている。【0179】具体的には、例えば、飾り図柄(特別図柄)の可変表示期間中の所定のタイミングでいずれかの可動部を可動させることで、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることに対する期待度や、大当り図柄が停止表示されて大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。【0180】また、リーチ状態の成立後にいずれかの可動部を可動させることで、スーパーリーチに発展することや大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。【0181】また、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアに飾り図柄が停止表示されてハズレ表示結果が導出表示された後にいずれかの可動部を可動させることで、図柄が再変動して大当り図柄が停止表示されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。【0182】また、通常状態に比べて特図変動時間が短縮されるとともに、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される確率が通常状態や時短状態よりも高くなる確率変動に制御可能な遊技機において、非確変大当り図柄が停止表示された後や、該非確変大当り図柄が停止表示されたことを契機に移行した大当り遊技状態中、さらに該大当り遊技状態終了後に移行した遊技状態においていずれかの可動部を可動させることで、大当り遊技状態終了後の遊技状態が、非確変状態から確変状態に昇格されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。【0183】また、各可動部の可動演出の実行タイミングは、上記したような図柄の可変表示期間中の所定タイミングに限定されるものではなく、例えば大当り遊技中であってもよい。【0184】また、可動演出は、複数のうちいずれの可動部を可動させてもよく、例えば大当り期待度に応じて、可動させる可動部の種類や数、あるいは可動態様等を変えることで、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。【0185】次に、本実施例において演出制御用CPUが実行する演出装置の駆動制御について簡単に説明する。【0186】演出制御用CPUは、パチンコ遊技機1の電源投入時において、第1演出装置400の第1回動ユニット410L,410R及び第2回動ユニット470L,470Rと、第2演出装置500の装飾可動部503と、の位置を各種センサにて検出し、駆動初期位置にセットする処理を実行する。そして各可動部410L,410R、470L,470R、503がそれぞれ駆動初期位置にあることが検出されたときに、駆動源である各ステッピングモータの電源をｏff、つまり各励磁相を消磁する。【0187】また、可動部410L,410R、470L,470R、503を駆動させるときには、各種センサにて各可動部の位置を検出して確認した後、駆動する可動部に対応するステッピングモータの電源をｏnにして駆動させるだけでなく、駆動しない他の可動部に対応するステッピングモータの電源もｏnにして全励磁相を励磁して可動部の移動を強制的に停止させる。そして、いずれかの可動部を演出位置に移動させた後、駆動初期位置まで戻して停止させた後に全てのステッピングモータの電源をｏffにするようにしている。【0188】このように、複数の可動部を搭載するパチンコ遊技機1において、いずれかの可動部を駆動する際に、駆動初期位置にある他の可動部のステッピングモータを励磁して可動を強制的に停止させるようにすることで、可動部を駆動させないときは電源をｏff(消磁)して省電力化を図ることができるとともに、いずれかの可動部を移動させる場合には、他の可動部に対応するステッピングモータの電源をｏnにし、各励磁相を励磁して強制的に停止させることで、その可動部の移動による衝撃やパチンコ遊技機1に設けられた操作ボタン等の操作による衝撃等で、他の可動部が駆動初期位置から不用意に移動してしまうことが防止される。【0189】以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。【0190】また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。また、遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。【符号の説明】【0191】 1 パチンコ遊技機 351 ベース部材 400L,400R 第1演出装置 410L,410R 第1回動ユニット 411L,411R 装飾部 427 回動軸 435 規制片 449 回動軸 470L,470R 第2回動ユニット 472L,472R 第2可動部 475L,475R 回動軸 500 第2演出装置 501 移動支持部 502 移動部 503 装飾可動部 522A,522B 配線規制部 523 配線挿通部 538 昇降中継基板 539 ベース側中継基板 552 配線収容空間部 553 配線挿通溝 554 配線挿通口 560 スパイラルチューブ (57)【特許請求の範囲】【請求項1】ベース部と、該ベース部に対して移動可能に設けられた可動部と、該可動部に駆動力を伝達させる駆動伝達手段と、を有する演出装置を備える遊技機であって、前記演出装置は、前記ベース部の第1位置から第2位置に向けて延設され、前記可動部を移動可能に支持する移動支持部と、前記可動部に搭載された電気部品に接続され、該可動部に設けられた可動側配線保持部と前記ベース部に設けられたベース側配線保持部との間に掛け渡された可撓性を有する配線と、前記移動支持部を基準として前記可動側配線保持部とは反対側に設けられる配線経路部と、前記可動部において前記配線経路部側に設けられる規制部と、を備え、前記配線は、前記可動側配線保持部から前記規制部に向けて延出され、さらに該規制部から前記配線経路部に向けて延出され、前記可動部は、前記移動支持部により支持される被支持部を有し、前記規制部は、前記被支持部よりも前記移動支持部の延設方向に突設させて形成され、前記可動部の移動に応じて前記配線が前記移動支持部と前記被支持部の間に近づくことを規制することを特徴とする遊技機。
訂正の要旨	審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日	2016-12-02
出願番号	特願2011-102128(P2011-102128)
審決分類	P 1 651・ 851- YAA (A63F) P 1 651・ 855- YAA (A63F) P 1 651・ 113- YAA (A63F) P 1 651・ 121- YAA (A63F)
最終処分	維持
前審関与審査官	澤田真治
特許庁審判長	長崎洋一
特許庁審判官	小島寛史川崎優
登録日	2015-10-16
登録番号	特許第5822524号(P5822524)
権利者	株式会社三共
発明の名称	遊技機
代理人	黒田博道
代理人	溝渕良一
代理人	堅田多恵子
代理人	溝渕良一
代理人	重信和男
代理人	大久保岳彦
代理人	石川好文
代理人	堅田多恵子
代理人	重信和男
代理人	林修身
代理人	林修身
代理人	石川好文
代理人	大久保岳彦

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