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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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判定2015600032 | 審決 | 特許 |
判定2014600031 | 審決 | 特許 |
判定2014600041 | 審決 | 特許 |
判定2015600021 | 審決 | 特許 |
判定2015600011 | 審決 | 特許 |
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審決分類 |
審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) A23F |
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管理番号 | 1324909 |
判定請求番号 | 判定2016-600042 |
総通号数 | 207 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許判定公報 |
発行日 | 2017-03-31 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 2016-08-26 |
確定日 | 2017-02-13 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第5439566号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | イ号説明書に示す容器詰緑茶飲料は、特許第5439566号発明の技術的範囲に属しない。 |
理由 |
1.請求の趣旨 本件判定の請求の趣旨は、イ号説明書に示す容器詰緑茶飲料(以下、「イ号物件」という。)は、特許第5439566号の技術的範囲に属する、との判定を求めるものである。 2.本件特許発明 本件特許の請求項1ないし請求項8に係る発明は、特許請求の範囲及び明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし請求項8に記載された事項により特定されるとおりのものであり、構成要件ごとに分説すると次のとおりである。以下、特許第5439566号の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項8に係る発明を、それぞれ「本件特許発明1」ないし「本件特許発明8」といい、また、それらを合わせて「本件特許発明」ともいい、それぞれの構成要件を「構成要件A」等という。 [請求項1] A.茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)が3μm?60μmであり、且つ B.糖酸味度比が0.12?0.43であることを特徴とする、 C.容器詰緑茶飲料。 [請求項2] D.単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度が87ppm?380ppmであることを特徴とする、 請求項1記載の容器詰緑茶飲料。 [請求項3] E.単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度における二糖の濃度の重量比率(二糖/単糖+二糖)が、0.69?0.92であることを特徴とする、 請求項1又は2に記載の容器詰緑茶飲料。 [請求項4] F.酸味度の合計値が、600ppm?840ppmであることを特徴とする、 請求項1?3のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。 [請求項5] G.電子局在カテキン濃度が250ppm?550ppmであることを特徴とする、 請求項1?4のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。 [請求項6] H.カフェイン濃度が200ppm未満であることを特徴とする、 請求項1?5のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。 [請求項7] I.平均粒子径が1μm以上の粒子を含有することを特徴とする、 請求項1?6のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。 [請求項8] J.透視度が4度?12度であることを特徴とする、 請求項1?7のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。 3.当事者の主張 3-1.請求人の主張の概要 請求人は、判定請求書及び判定請求弁駁書において、イ号物件が本件特許発明の技術的範囲に属することについて以下のとおり主張している。 (ア)イ号物件の構成は、イ号説明書(別添)に示す次のとおりであり、構成要件A?E、H?Jを充足する(判定請求書の「6.請求の理由 (4)イ号物件の説明及び(5)本件特許発明とイ号物件との対比」)。 商品名:伊右衛門 贅沢冷茶 内容量:500ml 構成: a.茶抽出液中の90積算質量%の粒子径(D90)が22.653μmであり、且つ b.糖酸味度比が0.270である、 c.ペットボトル詰緑茶飲料 であって、さらに、 d.単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度が132.6ppmであり、 e.単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度における二糖の濃度の重量比率(二糖/単糖+二糖)が、0.858であり、 f.酸味度の合計値が491.173ppmであり、 g.電子局在カテキン濃度が208ppmであり、 h.カフェイン濃度が97ppmであり、 i.平均粒子径が7.432μmの粒子を含有し、 j.透視度が7.9度である。 (イ)本件特許明細書の全体の記載を参照すれば、請求項1における「茶抽出液」との用語が「緑茶飲料」あるいは「容器詰緑茶飲料」を含む広い概念であることは、当業者にとって極めて自明な技術的事項である(判定請求弁駁書第4?6頁)。 (ウ)被請求人は、イ号物件の糖酸味度比は0.527であると主張するが、「糖酸味度比=糖類濃度(ppm)/酸味度(ppm)」で示される糖酸味度比のうち、糖類濃度については「サントリー伊右衛門 贅沢冷茶 500mLペットボトル(2016.01.30/TA)」(被請求人分析サンプル)で測定しているが、酸味度については、被請求人分析サンプルでは測定しておらず、請求人が「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」について測定したイ号説明書での値をそのまま流用している。 すなわち、上記糖酸味度比の0.527は、被請求人分析サンプルでの値でもなければ、「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」での値でもない。 ここで、被請求人分析サンプルは、「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」より一年近くも古いものであり、当然ロットは異なる。 にもかかわらず、イ号物件の糖酸味度比を算出するにあたり、製造時期が一年近くずれている異なるロットで測定した結果を組み合わせる算出方法について、何ら合理的な説明がなされていなく、算出方法に根拠がない(判定請求弁駁書第8?10頁)。 3-2.被請求人の主張の概要 被請求人は、判定請求答弁書において、イ号物件が本件特許発明の技術的範囲に属しないことについて以下のとおり主張している。 (ア)構成要件Aにおける90積算質量%の粒子径(D90)及び構成要件Bにおける糖酸味度比は、いずれも「茶抽出液」についてのものであり、「粉砕茶葉混濁液」すなわち、石臼挽き抹茶が配合された「緑茶飲料」についてではない。石臼挽き抹茶が配合された緑茶飲料であるイ号製品における数値を示すことによって構成要件A及びBを充足するとはいえず、イ号物件は本件特許発明の技術的範囲に属するとはいえない(判定請求答弁書第4?5頁)。 (イ)被請求人がイ号製品である「サントリー伊右衛門 贅沢冷茶 500mLペットボトル(2016.01.30/TA)」の糖類濃度(単糖濃度+二糖濃度(ppm))を安定同位体を用いたLC-MS法にて測定した結果、259.0ppmであった(乙第4号証)。 ここで、請求人の測定値を利用して構成要件Bの充足性を判断すると、イ号物件中のビタミンC量は202ppm、タンニン量は418ppmであるので、酸味度は491.173ppmであり、糖酸味度比は0.527となる。これは、構成要件Bの「糖酸味度比が0.12?0.43である」ことを充足せず、イ号物件は本件特許発明の技術的範囲に属しない(判定請求答弁書第6?8頁)。 4.判断 4-1.イ号物件について 請求人がイ号物件を特定するために提出した甲第3号証ないし甲第6号証において分析されているのは「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」の一製品のみであるので、判定請求書及び甲第3号証ないし甲第6号証によると、イ号物件は以下のとおりである。以下、分説された各構成を「構成a」等という。 なお、各数値において本件特許発明と対応したものは、その有効数字の桁数を本件特許発明に合わせたものとした。 一製品である「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」が、 a.レーザー回析式粒度分布測定装置(Shimadzu SALD-2300 島津製作所)を用いて分析した緑茶飲料中の90積算質量%の粒子径(D90)が23μmであり、且つ、 b.HPLC法にて単糖と二糖を定量した結果(mg/L)が (1)グルコース 12.6 (2)フルクトース 6.2 (3)スクロース 113.8 (4)セロビオース 検出されず (5)マルトース 検出されず、 HPLC分析した(6)ビタミンC量は20.2mg/100ml、 酒石酸鉄比色法にて分析した(7)タンニン量が41.8mg/100ml、 すなわち糖酸味度比:((1)+(2)+(3)+(4)+(5))/((6)×0.365+(7))が0.27である、 c.ペットボトル詰緑茶飲料であって、 さらに、上記一製品が、 d.単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度:(1)+(2)+(3)+(4)+(5)が133mg/L(ppm)であり、 e.単糖の濃度と二糖の濃度とを合わせた糖類濃度における二糖の濃度の重量比率(二糖/単糖+二糖):((3)+(4)+(5))/((1)+(2)+(3)+(4)+(5))が、0.86であり、 f.酸味度の合計値((6)×0.365+(7))が、49.1mg/100ml(491ppm)であり、 g.HPLC分析した電子局在カテキン濃度(mg/100ml)が ガロカテキン(GC) 8.0 エピガロカテキン(EGC) 3.6 エピガロカテキンガレート(EGCg) 3.7 ガロカテキンガレート(GCg) 4.4 エピカテキンガレート(ECg) 1未満 カテキンガレート(Cg) 1.1 すなわち上記電子局在カテキン濃度の合計が19.8?20.8mg/100ml(198?208ppm)であり、 h.HPLC分析したカフェイン濃度が9.7mg/100ml(97ppm)であり、 i.上記a.と同じ分析した結果、平均粒子径が7μmの粒子を含有し、 j.透視度が8度である。 4-2.一製品である「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」の各構成要件の充足について (1)構成要件A及びIについて まず、被請求人の構成要件Aにおける「茶抽出液」に係る主張について検討すると、本件特許明細書の段落【0015】及び【0036】の記載からすると、上記「茶抽出液」とは、石臼挽き抹茶のような「粉砕茶葉」が配合された「緑茶飲料」についてのものではないと理解しうる記載があるものの、段落【0018】に「本発明における緑茶飲料の90積算質量%の粒子径(D90)は、3μm?60μmであるのが好ましく・・・緑茶飲料の90積算質量%の粒子径(D90)を上記範囲に調整すれば・・緑茶飲料における90積算質量%の粒子径(D90)を上記範囲に調整するには・・・。」と記載され、粒子径(D90)は「緑茶飲料」での90積算質量%粒子径と記載されている。 また、糖酸味度比についても、同段落【0019】に「本発明における緑茶飲料の糖酸味度比は0.12?0.43であるのが好ましく・・緑茶飲料の糖酸味度比を上記範囲に調整すれば、90積算質量%の粒子径(D90)等の他の調整要素と相俟って・・・緑茶飲料における糖酸味度比を上記範囲に調整するには・・・。」と記載され、糖酸味度比についても「緑茶飲料」での値として記載されている。 さらに、本件特許明細書の実施例にて製造した実施品1?10及び比較品1?8はいずれも粉砕茶葉が配合された容器詰緑茶飲料であり(段落【0048】?【0065】)、実施品1?10及び比較品1?8についてのD90及び糖酸味度比の測定結果が表3及び4に記載されている(段落【0069】及び【0070】)ところ、段落【0066】に「実施品1?10及び比較品1?8の配合割合(重量)、各成分の測定結果及び各サンプルの評価結果を表1?4に示す。」と記載されていることから明らかなとおり、これらの測定結果は実施品1?10及び比較品1?8の各容器詰緑茶飲料についてされたものである。 以上のように本件特許明細書の全体の記載を参照すれば、請求項1における「茶抽出液」との用語が「緑茶飲料」あるいは「容器詰緑茶飲料」と同義のものであると合理的に解される。 次に、「90積算質量%の粒子径(D90)」の測定方法について、本件特許明細書に「例えば市販のレーザー回析式粒度分布測定装置等により測定することができる」(段落【0018】)と記載され、「市販のレーザー回析式粒度分布測定装置」が示されていることから、構成要件Aの測定方法は「市販のレーザー回析式粒度分布測定装置」を用いると合理的に解される。また、構成要件Iに係る「平均粒子径」も上記「市販のレーザー回析式粒度分布測定装置」を用いれば、「90積算質量%の粒子径(D90)」と同時に測定が可能であることから、構成要件Iの測定方法は「市販のレーザー回析式粒度分布測定装置」を用いると合理的に解される。 よって、構成a及びiがレーザー回析式粒度分布測定装置(Shimadzu SALD-2300 島津製作所)を用いて測定されていることは、妥当なものである。 そして、構成aの「90積算質量%の粒子径(D90)が23μm」は構成要件Aの「3μm?60μm」の上限値及び下限値に対して、また、構成iの「平均粒子径が7μm」は構成要件Iの下限値「1μm」に対してそれぞれかなりの余裕がある測定値であることから、用いる装置の違いにより測定値に多少の差が生じるとしても、「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」は構成要件A及び構成要件Iを充足するものといえる。 (2)構成要件B、D及びEについて 「糖酸味度比」について、本件明細書の段落【0019】に 「(糖酸味度比) 本発明において「糖酸味度比」とは、酸味度に対する、糖類濃度(単糖濃度+二糖濃度(ppm))であらわされる。 糖酸味度比=糖類濃度(ppm)/酸味度(ppm) なお、「酸味度」とは、ビタミンC濃度(ppm)をクエン酸換算した酸度(ppm)と渋味成分であるタンニンの割合を加算した値であり、次の式により求められる。 酸味度(ppm)=ビタミンC量(ppm)×0.365+タンニン量(ppm)」と定義がなされている。 そうすると、構成要件Bの「糖酸味度比」を特定するためには、「単糖濃度」、「二糖濃度」、「ビタミンC量」及び「タンニン量」を明らかにする必要がある。 そこで、「ビタミンC量」について検討すると、その測定方法として高速液体クロマトグラム(HPLC)法は、広く一般に用いられている精度の高い分析法であることから、構成bの「20.2mg/100ml」を「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」の「ビタミンC量」とすることは妥当である。 「タンニン量」について検討すると、「タンニン」は茶の成分の「ポリフェノール」とも総称される用語として当該技術分野において通常用いられているものであり、また、その測定方法として酒石酸鉄法による比色定量法を用いることは食品分野において一般的な方法であることから、構成bの「41.8mg/100ml」を「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」の「タンニン量」とすることは妥当である。 「単糖濃度」及び「二糖濃度」について検討すると、その測定方法としてHPLC法は、広く一般に用いられている精度の高い分析法であることから、構成bの各値を「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」の「単糖濃度」及び「二糖濃度」とすることは妥当である。 そして、それらから算出された「糖酸味度比」は「0.27」であって、構成要件Bの「0.12?0.43」の上限値及び下限値に対してかなりの余裕がある値であるので、上記各測定値が多少の測定誤差を含むものとしても、「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」は構成要件Bを充足するものといえる。 同様に「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」は、構成要件D及びEについても充足するものといえる。 (3)構成要件Cについて 「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」は、構成c「ペットボトル詰緑茶飲料」の一製品であるので、構成要件C「容器詰緑茶飲料」を充足することは明らかである。 (4)構成要件Fについて 「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」の構成f「酸味度の合計値が49.1mg/100ml(491ppm)」は、構成要件Fを充足しない。 (5)構成要件Gについて 「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」の構成g「電子局在カテキン濃度の合計が19.8?20.8mg/100ml(198?208ppm)」は、構成要件Gを充足しない。 (6)構成要件Hについて 構成hの「カフェイン濃度が9.7mg/100ml(97ppm)」は、構成要件Hを充足する。 (7)構成要件Jについて 構成jの「透視度の平均値が8度」は、構成要件Jを充足する。 以上のことから、一製品である「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」は、構成要件A?E、H?Jを充足することから、本件特許発明1?3、6?8の技術的範囲に属する。 また、被請求人も、一製品である「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」が本件特許発明の技術的範囲に属することについては、「茶抽出液」と「容器詰緑茶飲料」とが異なるものである旨主張することを除いては、特に争うものではない。 4-3.イ号物件の各構成要件の充足について 上記「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」が充足するとした、構成要件A?E、H?Jについて、それ以外のイ号物件、すなわち「伊右衛門贅沢冷茶500ml」製品全般についても充足するといえるかを以下に検討する。 構成要件Bに係り、被請求人は、イ号製品である「サントリー伊右衛門 贅沢冷茶 500mLペットボトル(2016.01.30/TA)」の糖類濃度(単糖濃度+二糖濃度(ppm))を安定同位体を用いたLC-MS法にて測定した結果、259.0ppmであったとしている(乙第4号証)。 ここで、上記LC-MS法は、HPLC法と同様に、広く一般に用いられている精度の高い分析法であることから、上記「サントリー伊右衛門 贅沢冷茶 500mLペットボトル(2016.01.30/TA)」の糖類濃度は、259.0ppmであるとすることは妥当である。 そうすると、請求人の「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」での測定値の132.6ppmと比較して、被請求人の「サントリー伊右衛門 贅沢冷茶 500mLペットボトル(2016.01.30/TA)」の糖類濃度は、2倍近い値となっている。 この差は、両者の分析方法の違いや測定誤差では説明がつくものではなく、また、賞味期限からみて両者は製造が1年近くずれている異なるロットにより製造されたものと認められるので、イ号物件は製造ロット間でその成分内容に大きなばらつきがあることを否定できない。この点、請求人も、イ号物件の糖酸味度比を算出するにあたり、製造時期が一年近くずれている異なるロットで測定した結果を組み合わせるとの算出方法について、何ら合理的な説明がなされていない旨主張するように、製造ロット間でその成分内容が異なることを前提としていると解される。 そうすると、2013年3月5日に発売開始され(甲第1号証)、2015年3月24日にリニューアルされた(乙第1号証)「伊右衛門贅沢冷茶500ml」は、その製品全般として、一製品である「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」と同じ成分内容を有しているものということができない。 そして、請求人は、一製品である「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」以外の製造ロットの製品が全て本件特許発明の技術的範囲に属することについて具体的根拠を示していない。 よって、請求人のイ号物件の一製品である「伊右衛門贅沢冷茶500ml 2016.12.31/TA」での測定値のみからは、イ号物件である「伊右衛門贅沢冷茶500ml」は、その製品全般として、本件特許発明の技術的範囲に属するということはできない。 5.むすび したがって、イ号物件は、本件特許発明の技術的範囲に属しない。 よって、結論のとおり判定する。 |
別掲 |
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判定日 | 2017-01-30 |
出願番号 | 特願2012-219688(P2012-219688) |
審決分類 |
P
1
2・
1-
ZB
(A23F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小暮 道明 |
特許庁審判長 |
紀本 孝 |
特許庁審判官 |
鳥居 稔 山崎 勝司 |
登録日 | 2013-12-20 |
登録番号 | 特許第5439566号(P5439566) |
発明の名称 | 容器詰緑茶飲料及びその製造方法 |
代理人 | 村雨 圭介 |
代理人 | 早川 裕司 |
代理人 | 山本 修 |
代理人 | 田岡 洋 |