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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A61K
審判 全部申し立て 2項進歩性  A61K
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A61K
管理番号 1325829
異議申立番号 異議2016-700182  
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-03-02 
確定日 2017-01-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5774029号発明「化粧品組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5774029号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第5774029号の請求項1?5、8?13に係る特許を維持する。 特許第5774029号の請求項6、7についての申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5774029号の発明についての出願は、平成22年2月22日を国際出願日とする出願であって、平成27年7月10日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、平成28年3月2日に特許異議申立人鈴木淑子より特許異議の申立てがなされ、同年5月16日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年8月23日に意見書の提出及び訂正の請求があり、その後同年11月2日に特許異議申立人鈴木淑子から意見書の提出があったものである。

第2 訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。
ア 訂正事項1
請求項1?5、8?13に記載の「化粧品組成物」を「化粧水」と訂正する。
イ 訂正事項2
請求項1に記載の「ポリオキシエチレン化(15?30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステル」を削除する。これに伴い、請求項1に記載の「ならびに」を「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル」と「ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油」との間に移動する。
ウ 訂正事項3
請求項6および7を削除する。
エ 訂正事項4
請求項8に「請求項1から7のいずれか」とあるのを、「請求項1から5のいずれか」に訂正する。
オ 訂正事項5
請求項9に「請求項1から8のいずれか」とあるのを「請求項1から5および8のいずれか」に訂正する。
カ 訂正事項6
請求項10に「請求項1から9のいずれか」とあるのを「請求項1から5、8および9のいずれか」に訂正する。
キ 訂正事項7
請求項12に「請求項1から11のいずれか」とあるのを「請求項1から5および8から11のいずれか」に訂正する。
ク 訂正事項8
請求項13に「請求項1から12のいずれか」とあるのを「請求項1から5および8から12のいずれか」に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1
訂正事項1に関連して、特許明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。
「【0094】
・・・。本発明による化粧品組成物は、エマルションの形態ではなく、化粧水等の水溶液の形態であることが好ましい。
【0095】
本発明が化粧水である場合、前述の化粧水は透明であるか、均一の外観を有することが好ましい。ここで、「透明」という表現は、屈折又は反射による偏向を一切生じさせることなく光を通すことができることを意味する。化粧水等の組成物の透明度は濁度計を使用して測定することができる。たとえば、Hach製ポータブル濁度計モデル2100 P(商標)を使用して、組成物の透過範囲を測定することができる。組成物を測定した濁度値が0?250NTUの範囲である場合、この組成物は透明であるとみなすことができる。」
よって、訂正事項1は、特許明細書に記載されているものと認められる。
かかる訂正は、特許明細書に記載された事項の範囲内において、「化粧品組成物」をその下位概念である「化粧水」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、訂正前の請求項1に記載の「ポリオキシエチレン化(15?30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステル」を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 訂正事項3
訂正事項3は、請求項6および7を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
エ 訂正事項4
訂正事項4は、訂正前の請求項8が、「請求項1から7のいずれか」を引用する記載であるところ、請求項6および7を引用しないものとしたものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
オ 訂正事項5
訂正事項5は、訂正前の請求項9が、「請求項1から8のいずれか」を引用する記載であるところ、請求項6及び7を引用しないものとしたものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
カ 訂正事項6
訂正事項6は、訂正前の請求項10が、「請求項1から9のいずれか」を引用する記載であるところ、請求項6および7を引用しないものとしたものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
キ 訂正事項7
訂正事項7は、訂正前の請求項12が、「請求項1から11のいずれか」を引用する記載であるところ、請求項6および7を引用しないものとしたものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ク 訂正事項8
訂正事項8は、訂正前の請求項13が、「請求項1から12のいずれか」を引用する記載であるところ、請求項6および7を引用しないものとしたものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)むすび
以上のとおり、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項1?13について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて

(1)本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1ないし13に係る発明(以下、「本件訂正発明1」等という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるとおりのものである。

【請求項1】
コウジ酸と、
ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤と、
組成物の総重量に対して70?95重量%の水と
組成物の総重量に対して1重量%以下の脂肪性物質
を含む化粧水。
【請求項2】
前記ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテルが、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-6デシルテトラデセス-12、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-4セテス-1、PPG-8セテス-1、PPG-4セテス-10、PPG-4セテス-20、PPG-5セテス-20、PPG-8セテス-20及びPPG-23ステアレス-34からなる群から選択される、請求項1に記載の化粧水。
【請求項3】
前記ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテルが、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-5セテス-20、PPG-8セテス-20及びPPG-23ステアレス-34からなる群から選択される、請求項2に記載の化粧水。
【請求項4】
前記ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテルが、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-5セテス-20、及びPPG-8セテス-20からなる群から選択される、請求項3に記載の化粧水。
【請求項5】
前記ポリオキシエチレン化(30又は40EO)水添ヒマシ油が、PEG-40水添ヒマシ油である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項6】(削除)
【請求項7】(削除)
【請求項8】
前記非イオン界面活性剤が、組成物の総重量に対して、0.01重量%?10重量%の量で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項9】
前記コウジ酸が、組成物の総重量に対して、0.01重量%?5重量%の量で存在する、請求項1から5および8のいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項10】
少なくとも1つの香料を更に含む、請求項1から5、8および9のいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項11】
前記香料が、組成物の総重量に対して、0.01重量%?1重量%の量で存在する、請求項10に記載の化粧水。
【請求項12】
皮膚の美白を目的としている、請求項1から5および8から11のいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項13】
請求項1から5および8から12のいずれか一項に記載の化粧水を皮膚上に塗布するステップを含む、皮膚の美容処理方法。

(2)取消理由の概要
訂正前の請求項1?4及び6?13に係る特許に対して平成28年5月16日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

ア 請求項1?4、8、9、12、13に係る発明は、引用文献1に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
イ 請求項10、11に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
ウ 請求項1、6?13は、引用文献2に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

(3)引用文献の記載
ア 引用文献1(甲第1号証:特開平8-333235号公報)について
引用文献1には、次のことが記載されている。
(1A)「【0019】更に、本発明の皮膚化粧料には、前記アミノホスホン酸誘導体(1)又はその塩の他、通常の化粧料、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種任意成分、例えば油剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、顔料、粉体、PH調整剤、抗酸化剤、香料、乳化安定剤等を適宜配合することができる。」
(1B)「【0021】また、種々の有効成分として、・・・コウジ酸、・・・などを添加することにより、メラニン抑制効果の向上をはかることができる。」
(1C)「【0020】・・・乳化剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル・・・等の非イオン界面活性剤が挙げられ、・・・。」
(1D)「【0023】
【発明の効果】アミノホスホン酸誘導体(1)又はその塩からなる本発明の美白剤は、メラノサイトのメラニン生成を抑制することにより優れたメラニン色素沈着予防・改善効果を示し、当該化合物を配合した皮膚化粧料は優れた皮膚美白効果を示し、日焼け等によるシミ及びソバカスの予防及び治療に極めて有用である。」
(1E)「【0024】
【実施例】・・・。尚、以下の実施例において試料としては、以下のものを使用した。
・・・
化合物-c:N-〔N-〔3-(4-メトキシフェニル)-1-ホスホノプロピル〕-L-ロイシル〕-L-トリプトファン三カリウム塩(異性体B)
・・・」
(1F)「【0043】
【表8】
実施例6(パック)
(組成) (重量%)
(1)ジプロピレングリコール 3.0
(2)ポリエチレングリコール 3.0
(3)1,3-ブチレングリコール 1.0
(4)グリセリン 2.0
(5)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0
(6)クエン酸ナトリウム 1.0
(7)エデト酸二ナトリウム 0.1
(8)乳酸 0.5
(9)ポリビニルアルコール 12.0
(10)コウジ酸 0.05
(11)化合物-c 0.05
(12)エタノール 5.0
(13)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(14)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシル
テトラデシルエーテル 0.3
(15)精製水 残部」

以上より、引用文献1(特に(1E)(1F)の記載より)には、以下の発明が記載されているといえる。
「ジプロピレングリコール3.0重量%、ポリエチレングリコール3.0重量%、1,3-ブチレングリコール1.0重量%、グリセリン2.0重量%、ピロリドンカルボン酸ナトリウム1.0重量%、クエン酸ナトリウム1.0重量%、エデト酸二ナトリウム0.1重量%、乳酸0.5重量%、ポリビニルアルコール12.0重量%、コウジ酸0.05重量%、N-〔N-〔3-(4-メトキシフェニル)-1-ホスホノプロピル〕-L-ロイシル〕-L-トリプトファン三カリウム塩(異性体B)0.05重量%、エタノール5.0重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.1重量%、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル0.3重量%、精製水70.9重量%からなるパック用組成物。」(以下、「引用文献1記載の発明1」という。)
また、パック用組成物であれば、使用の際に、組成物をパックすることが前提であるため、以下の方法の発明も記載されているといえる。
「ジプロピレングリコール3.0重量%、ポリエチレングリコール3.0重量%、1,3-ブチレングリコール1.0重量%、グリセリン2.0重量%、ピロリドンカルボン酸ナトリウム1.0重量%、クエン酸ナトリウム1.0重量%、エデト酸二ナトリウム0.1重量%、乳酸0.5重量%、ポリビニルアルコール12.0重量%、コウジ酸0.05重量%、N-〔N-〔3-(4-メトキシフェニル)-1-ホスホノプロピル〕-L-ロイシル〕-L-トリプトファン三カリウム塩(異性体B)0.05重量%、エタノール5.0重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.1重量%、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル0.3重量%、精製水70.9重量%からなるパック用組成物を用いたパックする方法。」(以下、「引用文献1記載の発明2」という。)

イ 引用文献2(甲第2号証:特開2002-370962号公報)について
引用文献2には、以下のことが記載されている。
引用文献2には、具体的な配合処方として、実施例4が「藤茶50%エタノール抽出物3.0重量%、コウジ酸0.1重量%、1,3-ブチレングリコール3.0重量%、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)0.5重量%、クエン酸0.1重量%、クエン酸ソーダ1.0重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.1重量%、香料0.05重量%、精製水残部」であることが記載されている(【0080】【表4】)。さらに、表4に示す結果に関して、藤茶50%エタノール抽出物を含有する化粧水(美白剤としてコウジ酸、ルシノールを含有する)は、使用時の感触がよく、使用後のべたつきが少なく、保湿の持続性および肌荒れ改善効果に優れている旨記載されている(【0081】)。

以上の記載より、引用文献2には、以下の発明が記載されているといえる。
「藤茶50%エタノール抽出物3.0重量%、コウジ酸0.1重量%、1,3-ブチレングリコール3.0重量%、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)0.5重量%、クエン酸0.1重量%、クエン酸ソーダ1.0重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.1重量%、香料0.05重量%、精製水92.15重量%を含む化粧水組成物。」(以下、「引用文献2記載の発明1」という。)
また、化粧水組成物であれば、使用の際に、組成物を皮膚に塗布することが前提であるため、以下の方法の発明も記載されているといえる。
「藤茶50%エタノール抽出物3.0重量%、コウジ酸0.1重量%、1,3-ブチレングリコール3.0重量%、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)0.5重量%、クエン酸0.1重量%、クエン酸ソーダ1.0重量%、パラオキシ安息香酸メチル0.1重量%、香料0.05重量%、精製水92.15重量%を含む化粧水組成物を皮膚に塗布する方法。」(以下、「引用文献2記載の発明2」という。)

(4)判断
ア 取消理由通知に記載した取消理由について

(ア)引用文献1に対する新規性及び引用文献1に基づく進歩性の検討
a 本件訂正発明1?4について
(a)対比
本件訂正発明1?4と、引用文献1記載の発明1とを対比すると、以下の点で相違し、その余の点で一致している。

相違点1:
本件訂正発明1?4は、化粧水であるのに対し、引用文献1記載の発明1は、パック用組成物である点。

相違点2:
本件特許発明1?4は、ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテルから選択される、非イオン界面活性剤を含むものであり、具体的には、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-6デシルテトラデセス-12、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20を含むのに対し、引用文献1記載の発明1は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテルを含む点。

相違点3:本件訂正発明1?4は、組成物の総重量に対して1重量%以下の脂肪性物質を含むのに対し、引用文献1記載の発明1は、そのような特定はなされていない点。

(b)判断
相違点1について検討するに、化粧品分野においては、パック用組成物と、化粧水とでは、前者がパック用組成物に含まれるポリビニルアルコール等の皮膜剤が皮膜を形成し、一定時間放置後に、皮膜を剥離したり、拭き取って洗い流して使用するものである一方、後者が皮膚に塗布してそのまま使用され、パック用組成物の使用時に形成されるような皮膜は形成されないものであり、明らかに製品として異なるため、パック用組成物を化粧水として認識することはないことからすると、上記相違点1は、実質的な相違点である。
したがって、本件訂正発明1?4は、引用文献1に対して、上記相違点1の点で少なくとも新規性を有するものである。
なお、念のため、本件訂正発明1?4について、引用文献1記載の発明に基づく容易想到性についても検討しておく。
引用文献1には、パック用組成物を化粧水として使用することは記載されていない。また、パック用組成物の配合成分に基づいて、化粧水の組成物を検討することが本願出願時の技術常識であったともいえない。
したがって、引用文献1記載の発明1に技術常識を組み合わせても、少なくとも相違点1の「化粧水」を導き出すことはできない。
以上のとおりであるから、本件訂正発明1?4は、引用文献1記載の発明1から、想到容易であるということはできない。

b 本件訂正発明8?12について
本件訂正発明8、9、12は、本件訂正発明1を更に減縮したものであるから、本件訂正発明8、9、12は、上記本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、新規性を有するものである。
また、本件訂正発明10、11は、本件訂正発明1を更に減縮したものであるから、本件訂正発明10、11は、上記本件訂正発明1について、念のために検討した判断と同様の理由により、引用文献1記載の発明1に基づいて、想到容易であるということはできない。

c 本件訂正発明13について
本件訂正発明13と引用文献1記載の発明2とを対比すると、引用文献1記載の発明2で使用される組成物は、引用文献1記載の発明1の組成物であるため、組成物に関する相違点は、上記相違点1?3と同様の相違点を有するものであるが、上記相違点1については既に述べたとおりである。
したがって、本件訂正発明13は、引用文献1に対して新規性を有するものである。

(イ)引用文献2に対する新規性の検討
a 本件訂正発明1、8?12について
(a)対比
本件訂正発明1、8?12と、引用文献2記載の発明1とを対比すると、両者は以下の点で相違し、その余の点で一致している。

相違点4:本件訂正発明1、8?12は、ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤を含むのに対し、引用文献2記載の発明1は、そのような特定がない点。

相違点5:本件訂正発明1、8?12は、組成物の総重量に対して1重量%以下の脂肪性物質を含むのに対し、引用文献2記載の発明1は、そのような特定はなされていない点

相違点6:本件訂正発明12は、皮膚の美白を目的としているのに対し、引用文献2記載の発明1は、そのような特定はなされていない点

(b)判断
相違点4について検討するに、引用文献2記載の発明1の化粧水組成物には、明らかに「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油」が含有されていないため、相違点4は、実質的な相違点である。
したがって、本件訂正発明1、8?12は、引用文献2に対して、上記相違点4の点で少なくとも新規性を有するものである。
なお、念のため、本件訂正発明1、8?12について、引用文献2記載の発明に基づく容易想到性についても検討しておく。
引用文献2には、「界面活性剤としては、例えば、陰イオン性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。」(【0053】)との記載はあるものの、「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油」を使用する旨の記載はない。また、一般的な化粧水組成物に「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油」を含有させることが技術常識であったともいえないから、引用文献2記載の発明1の「化粧水組成物」に、さらに「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤」を含有させることの動機付けが存在しない。さらに、引用文献2記載の発明1の化粧水組成物の種々の成分のうち、特に「オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)」に着目する動機付けがそもそも存在しないから、当該成分を「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤」に代えることの動機付けもない。
したがって、引用文献2記載の発明1に技術常識を組み合わせても、少なくとも相違点4の「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤を含む」構成を導き出すことはできない。
以上のとおりであるから、本件訂正発明1、8?12は、引用文献2記載の発明1に基づいて想到容易であるということはできない。

b 本件訂正発明13
本件訂正発明13と引用文献2記載の発明2とを対比すると、引用文献2記載の発明2で使用される組成物は、引用文献2記載の発明1の組成物であるため、組成物に関する相違点は、上記相違点4?6と同様の相違点を有するものであるが、上記相違点4については既に述べたとおりである。
したがって、本件訂正発明13は、引用文献2に対して新規性を有するものである。

(ウ)特許異議申立人の意見について
特許異議申立人鈴木淑子は、訂正により「化粧品組成物」が、「化粧水」とされた事項に関連して、「引用文献1のパック用組成物と訂正請求後の本件特許発明の化粧水とは、肌に塗布・浸透させるという同一の目的を有する化粧料の剤形にしか差異がないから、訂正請求後の本件特許発明は引用文献1に対して進歩性はない。」(意見書3頁15行?18行)と主張する。
しかしながら、上記相違点1の検討で述べたとおり、パック用組成物と化粧水とは、明らかに製品として異なること、及びパック用組成物の配合成分に基づいて、化粧水の組成物を検討するとの技術常識も存在しないことから、パック用組成物と化粧水とは「化粧料の剤形」以上の差異があるといえるし、それら差異を埋めるための公知技術、技術常識も存在しないため、本件訂正発明1が、引用文献1記載の発明1から想到容易とはいえない。

イ 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
(ア)特許異議申立人鈴木淑子は、特許請求の範囲1、5、8?13に関し、特許異議申立書(29頁9行?31頁1行)において、甲第3号証(特開平2-15017号公報。以下、「甲3」という)に記載の発明から容易に想到することができたものであると主張する。
そこで、甲3に基づく進歩性について検討する。
甲3には、「実施例3 化粧水」の配合例(3頁左下欄1?12行)より、「95%エタノール 10.0重量%、グリセリン 2.0重量%、プロピレングリコール 1.0重量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.5重量%、クエン酸 0.1重量%、クエン酸ナトリウム 0.2重量%、EDTA・4Na 0.1重量%、コウジ酸ナトリウム 0.5重量%、香料 0.5重量%、精製水 85.1重量%からなる化粧水。」(甲3発明)の発明が記載されていると認められる。
本件訂正発明1と、甲3発明とを対比すると、少なくとも前者が「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤を含む」のに対し、後者はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)を含む点で相違する。
そして、当該相違点について検討しても、甲3には「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(30又は40E.O.)」を配合できる旨の記載はないし、一般的な化粧水に、これらの成分を配合することが技術常識であったともいえないから、甲3発明の化粧水に、さらに「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤」を含有させることの動機付けが存在しない。また、甲3発明の化粧水の成分のうち、特にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.)に着目する動機付けがそもそも存在しないから、当該成分を「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤」に代えることの動機付けもない。
したがって、甲3発明に技術常識を組み合わせても、少なくとも「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤を含む」構成を導き出すことはできない。
本件訂正発明2?5、8?12は、本件訂正発明1を更に減縮したものであるから、上記本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、甲3発明に基づいて想到容易であるということはできない。
また、本件訂正発明13は、本件訂正発明1の化粧水を用いた皮膚の美容処理方法であるから、上記本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、甲3に記載された発明に基づいて想到容易であるということはできない。
以上のとおりであるから、本件訂正発明1?5、8?13は甲3発明に基づいて想到容易であるということはできない。

(イ)特許異議申立人鈴木淑子は、特許請求の範囲1?13に関し、特許異議申立書(31頁2行?32頁8行)において、甲第4号証(特開2003-104862号公報。以下、「甲4」という)及び甲1?3に記載の発明から容易に想到することができたものであると主張する。
そこで、甲4に基づく進歩性について検討する。
甲4には、実施例5の配合例(5頁の表)より、「イソプロパノール 5重量%、グリセリン 5重量%、精製水 77重量%、POE(10)オレイルアルコールエーテル 2重量%、トリカプロイン 10重量%、コウジ酸1重量%からなる皮膚外用剤」が記載されていると認められる(甲4発明)。
本件訂正発明1と、甲4発明とを対比すると、少なくとも前者が「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤を含む」のに対し、後者はPOE(10)オレイルアルコールエーテルを含む点で相違する。
そして、該相違点について検討しても、甲4には「親水性界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好適であり、具体的には、・・・・ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類・・・から選ばれる公知の成分が好適な選択成分としてあげられる。」(【0014】)との記載はあるものの、「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油」が配合できる旨の記載はないし、一般的に皮膚外用剤にこれらの成分を配合することが技術常識であったともいえないから、甲4記載の発明の皮膚用外用剤に、さらに「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C24)エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤」を含有させることの動機付けが存在しない。また、甲4発明の皮膚外用剤の成分のうち、特にPOE(10)オレイルアルコールエーテルに着目する動機付けがそもそも存在しない。仮に着目する動機付けがあったとしても、引用文献1(甲1)、引用文献2(甲2)、甲3には 「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤」の開示はないし、「POE(10)オレイルアルコールエーテル」を「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤」に代えることが技術常識ともいえないから、甲4発明に、引用文献1、2及び甲3、又は技術常識を組み合わせても、「ポリオキシエチレン化(1?40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30 PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40 EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤」が導き出すことはできない。
本件訂正発明2?5、8?12は、本件訂正発明1を更に減縮したものであるから、上記本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、想到容易であるということはできない。また、本件訂正発明13は、本件訂正発明1の化粧水を用いた皮膚の美容処理方法であるから、上記本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、想到容易であるということはできない。
以上のとおりであるから、本件訂正発明1?5、8?13は甲4発明に基づいて想到容易であるということはできない。

(ウ)特許異議申立人鈴木淑子は、特許請求の範囲1?13に関し、特許異議申立書(32頁11行?34頁11行)において、甲第イ号証(’’可溶化剤の特性データ’’、[online]、2009年7月、日光ケミカルズ株式会社他、[平成28年2月24日検索]、インターネット<URL:https://www.chemical-navi.com/images/info/pdf/kayouka_tokusei_data.pdf>。以下、「甲イ」という。)及び甲第ロ号証(特許第3908139号公報。以下、「甲ロ」という。)を組み合わせることにより、容易に想到することができたものであると主張する。
そこで、甲イに基づく進歩性について検討する。
甲イの2頁表3によれば、「可溶化剤 0.6重量%、被可溶化物 0.1重量%、メチルパラベン 0.2重量%、精製水 49.8重量%、電解質 0.5?3.0重量%、精製水 48.8?46.3重量%からなる、可溶化剤の性能を評価するための電解質配合系の製剤。」(甲イ発明)の発明が記載されていると認められる。
本件訂正発明1と、甲イ発明とを対比すると、少なくとも前者が「化粧水」であるのに対し、後者は「可溶化剤の性能を評価するための電解質配合系の製剤」の点で相違する。
そして、当該相違点について検討しても、甲イには「可溶化剤の性能を評価するための電解質配合系の製剤」の組成に基づいて化粧水の組成を検討することは記載されていない。また、甲ロには、電解質の一例としてコウジ酸及びその誘導体が挙げられているものの(【0015】)、「可溶化剤の性能を評価するための電解質配合系の製剤」の組成に基づいて化粧水の組成を検討することは記載されていないし、それが技術常識であったともいえないから、「可溶化剤の性能を評価するための電解質配合系の製剤」を「化粧水」とすることの動機付けが存在しない。
したがって、甲イ発明に、甲ロ又は技術常識を組み合わせても、「化粧水」の構成を導き出すことができない。
本件訂正発明2?5、8?12は、本件訂正発明1を更に減縮したものであるから、上記本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、想到容易であるということはできない。また、本件訂正発明13は、本件訂正発明1の化粧水を用いた皮膚の美容処理方法であるから、上記本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、想到容易であるということはできない。
以上のとおりであるから、本件訂正発明1?5、8?13は、甲イに、甲ロ又は技術常識を組み合わせたとしても、想到容易であるということはできない

(エ)特許異議申立人鈴木淑子は、特許請求の範囲1?13に関し、特許異議申立書において、「本件特許の全ての実施例では、水の含有量は74.29重量%である。すなわち、74.29重量%以外の量で水を含有することによる効果は確認されていない。従って、本件特許発明1は、特許請求の範囲に記載された発明の範囲まで拡張ないし一般化できるとはいえない。」(34頁15行?19行)こと、及び「一方、本件特許の各実施例において、「PPG-6デシルテトラデセス-20」、「PPG-4セテス-1」、「PPG-8セテス-1」、「PPG-23ステアレス-34」、「PEG-30水添ヒマシ油」・・・を含む化粧品組成物は一切調製されておらず、これら非イオン界面活性剤に基づく効果は不明である。よって、本件特許の発明の詳細な説明に記載された内容を、本件特許発明1?本件特許発明3、本件特許発明5及び本件特許発明6まで拡張ないし一般化できるとはいえない。」(34頁25行?35頁5行)ことから、「本件の特許請求の範囲の記載には不備があり、本件特許発明1?本件特許発明13は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。」(36頁10行?12行)と主張している。
しかしながら、実施例が水の含有量74.29重量%のみであったことは、水の含有量74.29重量%以外で、本件訂正発明の効果を有しないことの理由とはならない。
また、本件訂正発明に記載される「PPG-6デシルテトラデセス-20」、「PPG-4セテス-1」、「PPG-8セテス-1」、「PPG-23ステアレス-34」、「PEG-30水添ヒマシ油」を用いた実施例がなくとも、化学構造が類似する「PPG-6デシルテトラデセス-30」「PPG-13デシルテトラデセス-24」「PPG-5セテス-20」「PPG-8セテス-20」「PEG-40水添ヒマシ油」「PPG-4セテス-20」「PPG-4セテス-10」「PPG-6デシルテトラデセス-12」で安定性の効果を確認しているのであるから、「PPG-6デシルテトラデセス-20」、「PPG-4セテス-1」、「PPG-8セテス-1」、「PPG-23ステアレス-34」、「PEG-30水添ヒマシ油」を用いた場合において、本件訂正発明の効果を有しないということはできない。
よって、本件の特許請求の範囲の記載には不備があり、本件特許発明1?5、8?13は、特許第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないとの主張は理由がない。

(5)むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件訂正発明1?5、8?13に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正発明1?5、8?13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

本件訂正前の請求項6、7に係る特許は訂正により削除されたため、本件特許の請求項6、7に対してなされた特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コウジ酸と、
ポリオキシエチレン化(1?40EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテル、ならびに、ポリオキシエチレン化(30又は40EO)水添ヒマシ油からなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤と、
組成物の総重量に対して70?95重量%の水と
組成物の総重量に対して1重量%以下の脂肪性物質
を含む化粧水。
【請求項2】
前記ポリオキシエチレン化(1?40EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテルが、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-6デシルテトラデセス-12、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-4セテス-1、PPG-8セテス-1、PPG-4セテス-10、PPG-4セテス-20、PPG-5セテス-20、PPG-8セテス-20及びPPG-23ステアレス-34からなる群から選択される、請求項1に記載の化粧水。
【請求項3】
前記ポリオキシエチレン化(1?40EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテルが、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-5セテス-20、PPG-8セテス-20及びPPG-23ステアレス-34からなる群から選択される、請求項2に記載の化粧水。
【請求項4】
前記ポリオキシエチレン化(1?40EO)及びポリオキシプロピレン化(1?30PO)アルキル(C_(16)?C_(24))エーテルが、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-5セテス-20、及びPPG-8セテス-20からなる群から選択される、請求項3に記載の化粧水。
【請求項5】
前記ポリオキシエチレン化(30又は40EO)水添ヒマシ油が、PEG-40水添ヒマシ油である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項6】(削除)
【請求項7】(削除)
【請求項8】
前記非イオン界面活性剤が、組成物の総重量に対して、0.01重量%?10重量%の量で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項9】
前記コウジ酸が、組成物の総重量に対して、0.01重量%?5重量%の量で存在する、請求項1から5および8のいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項10】
少なくとも1つの香料を更に含む、請求項1から5、8および9のいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項11】
前記香料が、組成物の総重量に対して、0.01重量%?1重量%の量で存在する、請求項10に記載の化粧水。
【請求項12】
皮膚の美白を目的としている、請求項1から5および8から11のいずれか一項に記載の化粧水。
【請求項13】
請求項1から5および8から12のいずれか一項に記載の化粧水を皮膚上に塗布するステップを含む、皮膚の美容処理方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2016-12-27 
出願番号 特願2012-553447(P2012-553447)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A61K)
P 1 651・ 113- YAA (A61K)
P 1 651・ 537- YAA (A61K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 今村 明子  
特許庁審判長 大熊 幸治
特許庁審判官 齊藤 光子
関 美祝
登録日 2015-07-10 
登録番号 特許第5774029号(P5774029)
権利者 ロレアル
発明の名称 化粧品組成物  
代理人 実広 信哉  
代理人 志賀 正武  
代理人 実広 信哉  
代理人 志賀 正武  
代理人 村山 靖彦  
代理人 村山 靖彦  
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