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審決分類 再審 査定不服 その他 審決却下 A61G
管理番号 1325908
審判番号 再審2016-950001  
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許再審公報 
発行日 2017-04-28 
種別 再審 
審判請求日 2016-03-22 
確定日 2017-01-05 
事件の表示 平成9年特許願第260785号「介助機」拒絶査定不服審判事件〔平成11年3月2日出願公開、特開平11-56908号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求を却下する。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年8月20日の出願であって、平成17年3月15日付けで拒絶査定され、これに対して同年4月20日に拒絶査定不服審判の請求(不服2005-9621号)がなされたが、平成19年11月12日に「本件審判の請求は、成り立たない」との審決(以下、「原審決」という。)がなされた。
再審請求人は、原審決の取消しを求める訴え(平成19年(行ケ)第10421号)を平成19年12月24日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、平成20年6月26日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
再審請求人は、平成20年7月9日に該判決を不服として上告(平成20年(行ツ)第280号)を提起したところ、最高裁判所は、平成21年1月15日に、上告を棄却し、原審決が確定した。
再審請求人は、平成21年2月13日に、再審の請求(再審2009-950001号)をし、これに対し平成21年6月16日に「本件審判の請求は成り立たない。」との審決がなされたため、該審決の取消しを求める訴え(平成21年(行ケ)第10187号)を平成21年7月10日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、平成21年12月28日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
再審請求人は、平成22年1月13日に、二回目の再審の請求(再審2010-950001号)をし、これに対し平成22年4月14日に「本件審判の請求を却下する。」との審決がなされたため、該審決の取消しを求める訴え(平成22年(行ケ)第10148号)を平成22年5月12日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、平成22年7月15日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
再審請求人は、平成22年7月24日に該判決を不服として上告受理の申立て(平成22年(行ノ)第10051号)をしたところ、知的財産高等裁判所は、平成22年10月5日に、上告受理の申立てを却下した。
再審請求人は、平成22年9月28日に、三回目の再審の請求(再審2010-950003号)をし、これに対し平成22年12月1日に「本件審判の請求を却下する。」との審決がなされたため、該審決の取消しを求める訴え(平成22年(行ケ)第10387号)を平成22年12月14日に提起したところ、知的財産高等裁判所は、平成23年2月28日に、請求を棄却する旨の判決を言い渡した。
再審請求人は、平成23年3月8日に該判決を不服として上告及び上告受理の申立て(平成23年(行サ)第10008号、平成23年(行ノ)第10013号)をしたところ、最高裁判所は、平成23年10月11日に、上告却下及び上告受理申立不受理処分(平成23年(行ツ)第182号、平成23年(行ヒ)第186号)をした。
再審請求人は、平成28年3月22日に、四回目の本件再審の請求をした。
2.請求の理由
本件再審における再審請求人の主張は、原審決には不服の理由に示す事項について民事訴訟法第338条第1項第4号及び同条第2項所定の再審の事由があるというものであり、その不服の理由は、「審決が述べる容易想到の論旨には虚偽があり、刑法第156条及び158条所定の虚偽有印公文書作成・同行使の罪に該当する。」というものである。
3.当審の判断
(1)特許法第171条第2項が準用する民事訴訟法第338条第1項第4号に掲げる事由がある場合においては、「罰すべき行為について、有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り、再審の訴えを提起することができる。」(民事訴訟法第338条第2項)と定められているところ、事案に鑑み、同法第338条第2項に係る要件から検討する。
(2)まず、民事訴訟法第338条第2項の「証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないとき」との要件を具備するためには、罰すべき行為について有罪の確定判決を得る可能性があるにもかかわらず、被疑者の死亡、公訴権の時効消滅、不起訴処分等のためにこれを得られなかったことを証明することを要するから、当該罰すべき行為について有罪の確定判決がない場合に再審を申し立てる当事者は、公訴権の時効消滅等の事実のみならず、有罪の確定判決を得る可能性があることについてもこれを立証しなければならないものと解される。(最高裁判所昭和39年(オ)第1374号昭和42年6月20日第三小法廷判決参照)。
さらに、民事訴訟法第338条第2項の当該要件は、再審の訴えを、再審事由の存在する蓋然性が顕著な場合に限定して濫訴の弊害を防止しようとする趣旨によるものと解されるから、この要件を欠くときには、再審の訴え自体が不適法となり、同条第1項第4号の再審事由自体の有無の判断に立ち入るまでもなく、再審の訴えは却下を免れないものであると解される(最高裁判所昭和44年(オ)第793号昭和45年10月9日第二小法廷判決参照)。
そうすると、拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審についても、これと同様に、特許法第171条第2項により準用される民事訴訟法第338条第2項の要件を欠くときには、再審の請求自体が不適法となり、同条第1項第4号の再審事由自体の有無の判断に立ち入るまでもなく、再審の請求は、却下を免れないものである。
(3)これらを本件についてみると、原審決に係る民事訴訟法第338条第1項第4号にいう「職務に関する罪」に関して、「有罪の判決若しくは過料の裁判が確定した」ものでないことは明らかである。また、再審請求人は、「証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないとき」に関して、有罪の確定判決を得る可能性があることについて、これを認めるに足りる証拠を提出していない。
してみると、本件再審請求は、特許法第171条第2項が準用する民事訴訟法第338条第2項の要件を欠くものというべきである。
(4)よって、本件再審請求は、不適法な審判の請求であって、その補正をすることができないものとして、却下するべきである(特許法第174条第1項第135条)。
(5)なお、再審請求人は、審判官の虚偽有印公文書作成・同行使の罪に関して、審決における、本願発明及び引用発明の認定、一致点及び相違点の認定相違点の判断の誤り等を虚偽であると主張するものと思われるが、これらはいずれも本願特許請求の範囲及び明細書等の解釈、引用文献の解釈及びそれらに基づく判断であって、審判官の虚偽、すなわち事実に反するものとは解せない。
4.むすび
以上のとおり、本件再審の請求は不適法なものであって、その補正をすることができないものであるから、特許法第174条第1項において準用する、同法第135条の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-07-14 
結審通知日 2016-07-19 
審決日 2016-07-27 
出願番号 特願平9-260785
審決分類 P 5 8・ 09- X (A61G)
最終処分 審決却下  
前審関与審査官 鈴木 洋昭  
特許庁審判長 長屋 陽二郎
特許庁審判官 平瀬 知明
内藤 真徳
発明の名称 介助機  

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