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審決分類 |
審判 査定不服 特39条先願 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C08G |
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管理番号 | 1326412 |
審判番号 | 不服2015-10876 |
総通号数 | 209 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2017-05-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-06-09 |
確定日 | 2017-03-23 |
事件の表示 | 特願2014-172523「ポリカーボネート共重合体」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月15日出願公開、特開2015- 7246〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 主な手続の経緯 本願は、平成26年2月7日にされた特許出願(特願2014-22428号)の一部を新たに特許出願したものであって、同年9月30日付けで拒絶理由が通知され、同年12月1日に意見書が提出されるとともに特許請求の範囲が補正され、平成27年2月27日付けで拒絶査定がされたところ、これに対して、同年6月9日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に特許請求の範囲が補正され、同年8月27日付けで前置報告がされたところ、平成28年10月27日付けの補正却下の決定により、平成27年6月9日付けの手続補正書が却下されるとともに、同日付けで拒絶理由(以下、「拒絶理由」という。)及び指令書が通知され、同年12月7日に意見書が提出されるとともに特許請求の範囲が補正されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1?10に係る発明は、平成28年12月7日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1を引用する請求項10に係る発明(以下、「本願発明10」という。)を他の請求項を引用せずに記載すると、以下のとおりのものである。 「50?2モル%の下記式(I)で表される構成単位及び50?98モル%で表される下記式(II)で表される構成単位を含有し、比粘度0.12?0.40であり、フェノール含有量が1?300ppmであリ、下記式(III)で表されるジオール成分の含有量が5?500ppmであるポリカーボネート共重合体樹脂組成物からなる中心部の厚みが0.05?2.0mm、レンズの直径が1.0?10.0mmである光学レンズ。 【化1】 (式中のR_(1)?R_(8)は、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1?6のアルキル基、炭素数6?12のアリール基、炭素数2?6のアルケニル基、炭素数1?6のアルコキシ基又は炭素数7?17のアラルキル基を示す。Xは炭素数2?8のアルキレン基、炭素数5?12のシクロアルキレン基または炭素数6?20のアリーレン基である。nは1?10の整数である。) 【化2】 (式中、R_(9)、R_(10)は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1?20のアルキル基、炭素数1?20のアルコキシル基、炭素数5?20のシクロアルキル基、炭素数5?20のシクロアルコキシル基、炭素数6?20のアリール基または炭素数6?20のアリールオキシ基である。Yは炭素数2?8のアルキレン基、炭素数5?12のシクロアルキレン基または炭素数6?20のアリーレン基である。mは1?10の整数である。) 【化3】 (式中、R_(11)、R_(12)は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1?20のアルキル基、炭素数1?20のアルコキシル基、炭素数5?20のシクロアルキル基、炭素数5?20のシクロアルコキシル基、炭素数6?20のアリール基または炭素数6?20のアリールオキシ基である。Zは炭素数2?8のアルキレン基、炭素数5?12のシクロアルキレン基または炭素数6?20のアリーレン基である。oは1?10の整数である。)」 第3 拒絶理由の概要 拒絶理由は、以下のものを含むものである。 この出願の請求項1?9のそれぞれに従属する請求項10に係る発明は、特願2015-116528号の請求項1?9のそれぞれに従属する請求項10に係る発明と同一であると認められるから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 当合議体の判断 1 本願 本願は、平成26年2月7日にされた特許出願(特願2014-22428号)の一部を新たに適法に特許出願したものであるから、特許法第44条第2項の規定により、本願の出願日は平成26年2月7日とみなされる。 2 先願 拒絶理由で引用した先願(特願2015-116528号)は、本願と同様に、平成26年2月7日にされた特許出願(特願2014-22428号)の一部を新たに適法に特許出願したものであるから、先願の出願日は平成26年2月7日とみなされる。 よって、先願は、本願と同一の出願人により、本願と同一の出願日に出願されたものである。 3 先願発明 先願の請求項1?12に係る発明は、平成28年11月11日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?12に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1を引用する請求項11を引用する請求項12に係る発明(以下、「先願発明12」という。)は、請求項1及び11を引用せずに記載すると、以下のとおりのものである。 「50?2モル%の下記式(I)で表される構成単位及び50?98モル%で表される下記式(II)で表される構成単位を含有し、比粘度0.12?0.40であり、下記式(III)で表されるジオール成分の含有量が5?100ppmであり、且つフェノール含有量が1?60ppmであるポリカーボネート共重合体樹脂組成物からなり、中心部の厚みが0.05?3.0mm、レンズ部の直径が1.0?20.0mmである光学レンズ。 【化1】 (式中のR_(1)?R_(8)は、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1?6のアルキル基、炭素数6?12のアリール基、炭素数2?6のアルケニル基、炭素数1?6のアルコキシ基又は炭素数7?17のアラルキル基を示す。Xは炭素数2?8のアルキレン基、炭素数5?12のシクロアルキレン基または炭素数6?20のアリーレン基である。nは1?10の整数である。) 【化2】 (式中、R_(9)、R_(10)は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1?20のアルキル基、炭素数1?20のアルコキシル基、炭素数5?20のシクロアルキル基、炭素数5?20のシクロアルコキシル基、炭素数6?20のアリール基または炭素数6?20のアリールオキシ基である。Yは炭素数2?8のアルキレン基、炭素数5?12のシクロアルキレン基または炭素数6?20のアリーレン基である。mは0?10の整数である。) 【化3】 (式中、R_(11)、R_(12)は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1?20のアルキル基、炭素数1?20のアルコキシル基、炭素数5?20のシクロアルキル基、炭素数5?20のシクロアルコキシル基、炭素数6?20のアリール基または炭素数6?20のアリールオキシ基である。Zは炭素数2?8のアルキレン基、炭素数5?12のシクロアルキレン基または炭素数6?20のアリーレン基である。oは0?10の整数である。)」 4 対比・判断 (1)本願発明10の式(I)は、先願発明12の式(I)と一致している。 (2)本願発明10の式(II)は、先願発明12の式(II)と、mが1?10の場合において一致している。 (3)本願発明10の式(III)は、先願発明12の式(III)と、oが1?10の場合において一致している。 (4)式(I)及び式(II)で表されるそれぞれの構成単位のモル%、及び、比粘度について、本願発明10と先願発明12は一致している。 (5)フェノール含有量について、本願発明10では1?300ppmであり、先願発明12では1?60ppmであるから、両者は1?60ppmの範囲で重複している。 (6)式(III)で表されるジオール成分の含有量について、本願発明10では5?500ppmであり、先願発明12では5?100ppmであるから、両者は5?100ppmの範囲で重複している。 (7)光学レンズの中心部の厚みについて、本願発明10では0.05?2.0mmであり、先願発明12では0.05?3.0mmであるから、両者は0.05?2.0mmの範囲で重複している。 (8)光学レンズの直径について、本願発明10では1.0?10.0mmであり、先願発明12では1.0?20.0mmであるから、両者は1.0?10.0mmの範囲で重複している。 (9)以上を総合すると、本願発明10と先願発明12は、 「50?2モル%の下記式(I)で表される構成単位及び50?98モル%で表される下記式(II)で表される構成単位を含有し、比粘度0.12?0.40であり、フェノール含有量が1?60ppmであリ、下記式(III)で表されるジオール成分の含有量が5?100ppmであるポリカーボネート共重合体樹脂組成物からなる中心部の厚みが0.05?2.0mm、レンズの直径が1.0?10.0mmである光学レンズ。 【化1】 (式中のR_(1)?R_(8)は、それぞれ水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1?6のアルキル基、炭素数6?12のアリール基、炭素数2?6のアルケニル基、炭素数1?6のアルコキシ基又は炭素数7?17のアラルキル基を示す。Xは炭素数2?8のアルキレン基、炭素数5?12のシクロアルキレン基または炭素数6?20のアリーレン基である。nは1?10の整数である。) 【化2】 (式中、R_(9)、R_(10)は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1?20のアルキル基、炭素数1?20のアルコキシル基、炭素数5?20のシクロアルキル基、炭素数5?20のシクロアルコキシル基、炭素数6?20のアリール基または炭素数6?20のアリールオキシ基である。Yは炭素数2?8のアルキレン基、炭素数5?12のシクロアルキレン基または炭素数6?20のアリーレン基である。mは1?10の整数である。) 【化3】 (式中、R_(11)、R_(12)は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1?20のアルキル基、炭素数1?20のアルコキシル基、炭素数5?20のシクロアルキル基、炭素数5?20のシクロアルコキシル基、炭素数6?20のアリール基または炭素数6?20のアリールオキシ基である。Zは炭素数2?8のアルキレン基、炭素数5?12のシクロアルキレン基または炭素数6?20のアリーレン基である。oは1?10の整数である。)」 の点で一致しており、同一である。 5 まとめ 上記のとおり、本願発明10は先願発明12と同一であるし、また、平成28年10月27日付けの特許法第39条第6項による指令書を通知しているが、これに対する協議結果の届出もなされていない。 したがって、本願発明10は先願発明12と同一であり、かつ、特許法第39条第7項の規定により、本願については協議が成立しなかったものとみなされるから、本願発明10は、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。 第5 むすび 以上のとおり、本願の請求項10に係る発明は、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その他の請求項について更に検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-01-17 |
結審通知日 | 2017-01-24 |
審決日 | 2017-02-06 |
出願番号 | 特願2014-172523(P2014-172523) |
審決分類 |
P
1
8・
4-
WZ
(C08G)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 藤井 勲 |
特許庁審判長 |
小柳 健悟 |
特許庁審判官 |
守安 智 前田 寛之 |
発明の名称 | ポリカーボネート共重合体 |
代理人 | 為山 太郎 |