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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  E05D
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  E05D
審判 全部申し立て 1項1号公知  E05D
管理番号 1326992
異議申立番号 異議2016-701114  
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-12-02 
確定日 2017-04-07 
異議申立件数
事件の表示 特許第5950316号発明「二軸ヒンジ装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5950316号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
特許第5950316号の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成27年6月4日に特許出願され、平成28年6月17日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人山本誠(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。


2 本件発明
特許第5950316号の請求項1ないし5の特許に係る発明(以下「本件特許発明1」等という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるとおりのものである。


3 申立理由の概要
申立人は、証拠として甲第1号証ないし甲第5号証を提出し、以下の理由(1)?(6)により、本件特許発明1ないし5に係る特許を取り消すべきものである旨、主張している。

甲第1号証:中西金属株式会社が2014年11月に発行した
商品総合カタログの第28、29頁
甲第2号証の1:2015年10月19日に出力した
いわきエンジニアリングホームページの「製品案内」の頁
甲第2号証の2:2015年10月19日に出力した
いわきエンジニアリングホームページの
「二軸ソリッドヒンジ」案内頁
甲第2号証の3:いわきエンジニアリングホームページから
pdfファイル形式として取り出すことができる
「二軸ソリッドヒンジ」の図面
甲第3号証の1:文化シヤッター株式会社の止水ドア「アクアード」
に関する2014年6月初版のカタログ
甲第3号証の2:日経アーキテクチュアに2014年11月25日号
の記事として表示された文化シヤッターの止水ドア
「アクアード」の写真
甲第3号証の3:文化シヤッター株式会社が止水ドア「アクアード」
について2015年に受けたグッドデザイン賞の写真
甲第3号証の4:公益財団法人日本デザイン振興会のホームページから
出力した2015年度グッドデザイン賞受賞概要の記事
甲第4号証の1:三和シヤッター株式会社の防水商品
「ウォーターガードSタイトドア」に関する
2015年4月27日のNews Release
甲第4号証の2:三和シヤッター株式会社の防水商品
「ウォーターガード総合カタログ」の第10、11頁
甲第5号証:特開2015-25274号公報

(1)本件特許発明1、2、4、5は、本件特許の出願前に頒布された甲第1号証に記載された甲1発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する。
(2)本件特許発明1、2、4、5は、甲第2号証の1ないし3からみて、本件特許の出願前に公然知られた(甲第2号証の3に記載された)甲2発明と同一であるから、特許法第29条第1項第1号の規定に該当する。
(3)本件特許発明1、2、4、5は、本件特許の出願前に頒布された甲第3号証の1に記載された甲3発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当する。
また、本件特許発明1、2、4、5は、甲第3号証の1ないし4からみて、本件特許の出願前に公然知られた上記甲3発明と同一であるから、特許法第29条第1項第1号の規定に該当する。
(4)本件特許発明1、2、4、5は、甲第4号証の1ないし2からみて、本件特許の出願前に公然知られた(甲第4号証の2に記載された)甲4発明と同一であるから、特許法第29条第1項第1号の規定に該当する。
(5)本件特許発明3は、当業者が、甲1発明、甲2発明、甲3発明または甲4発明に基いて、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反する。
(6)本件特許発明1ないし5は、当業者が、甲第5号証に記載された甲5発明と甲1発明ないし甲4発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反する。


4 当審の判断
申立人が主張する理由(1)?(6)について検討する。
(1)理由(1)について
申立人は、甲第1号証の図面に、本件特許発明1、2、4、5と同一の構成の甲1発明が記載されていると主張する。
しかしながら、甲第1号証の図面には、本件特許発明1の「規制機構」が「上記突出部と上記ベースとの間に介装される弾性部材を備え、上記突出部にその表裏方向に軸線を有した貫通孔を形成し、上記ベースに上記貫通孔に遊嵌されるボルトを立設し、上記ボルトの先端側に螺合しネジ込まれて該突出部の表面を上記弾性部材の付勢力に抗して押圧して該突出部の上記ベースから離間する方向の移動を規制するとともに該突出部と上記ベースとの最大離間間隔を規定する押えナットを設けたこと」(以下「構成A」という。)が記載されているかどうか不明である。
図面中の、構成Aが記載されていると申立人が主張する「扉の出入り調整機構」が指し示す部分は、その外観が図示されているのみであって、ベースに立設したボルトや、突出部に形成した貫通孔が開示されているとはいえず、さらに、突出部とベースとの間に介装される部材が弾性部材かどうか不明であり、また、押さえナットが、ボルトの先端側に螺合しネジ込まれて該突出部の表面を上記弾性部材の付勢力に抗して押圧して該突出部の上記ベースから離間する方向の移動を規制するとともに該突出部と上記ベースとの最大離間間隔を規定するものかどうかも不明である。
したがって、甲第1号証には、少なくとも構成Aが記載されていないから、本件特許発明1は甲1発明と同一とはいえず、本件特許発明1を直接又は間接的に引用する本件特許発明2、4、5も、甲1発明と同一とはいえない。

(2)理由(2)について
申立人は、甲第2号証の3の図面に、本件特許発明1、2、4、5と同一の構成の甲2発明が記載されている、と主張する。
しかしながら、甲第2号証の1ないし2は、本件特許の出願後である2015年10月19日に紙出力されたものであって、甲第2号証の3も、その紙出力日が不明である。
さらに、甲第2号証の1ないし3の電子的技術情報が、本件特許の出願前に公開されていたことを証明する証拠も提出されていない。
よって、仮に、甲第2号証の3の図面に、本件特許発明1、2、4、5と同一の甲2発明が記載されているとしても、甲2発明が本件特許の出願前に公然知られた発明であると認めることはできない。

(3)理由(3)について
申立人は、本件特許の出願前に頒布された甲第3号証の1の「納まり図」に、本件特許発明1、2、4、5と同一の構成の甲3発明が記載されている、と主張する。
しかしながら、同「納まり図」には、本件特許発明1の構成Aが記載されているかどうか不明である。
同「納まり図」中の、構成Aが記載されていると申立人が主張する部分は、その外観が図示されているのみであって、ベースに立設したボルトや、突出部に形成した貫通孔が開示されているとはいえず、さらに、突出部とベースとの間に介装される部材が弾性部材かどうか不明であり、また、押さえナットが、ボルトの先端側に螺合しネジ込まれて該突出部の表面を上記弾性部材の付勢力に抗して押圧して該突出部の上記ベースから離間する方向の移動を規制するとともに該突出部と上記ベースとの最大離間間隔を規定するものかどうかも不明である。
したがって、甲第3号証の1には、少なくとも構成Aが記載されていないから、本件特許発明1は甲3発明と同一とはいえず、本件特許発明1を直接又は間接的に引用する本件特許発明2、4、5も、甲3発明と同一とはいえない。
なお、申立人は、甲第3号証の1は、その1枚目の左下欄の「初版CA1078=STD14・06」との記載から、2014年6月に頒布された主張するが、当該記載から頒布日を認定することはできない。

(4)理由(4)について
申立人は、甲第4号証の2の「納まり参考図(片開き)」には、本件特許発明1、2、4、5と同一の甲4発明が記載されている、と主張する。
しかしながら、同「納まり参考図(片開き)」には、本件特許発明1の構成Aが記載されているかどうか不明である。
同「納まり参考図(片開き)」中の、構成Aが記載されていると申立人が主張する部分は、その外観が図示されているのみであって、ベースに立設したボルトや、突出部に形成した貫通孔が開示されているとはいえず、さらに、突出部とベースとの間に介装される部材が弾性部材かどうか不明であり、また、押さえナットが、ボルトの先端側に螺合しネジ込まれて該突出部の表面を上記弾性部材の付勢力に抗して押圧して該突出部の上記ベースから離間する方向の移動を規制するとともに該突出部と上記ベースとの最大離間間隔を規定するものかどうかも不明である。
したがって、甲第4号証の2には、少なくとも構成Aが記載されていないから、本件特許発明1は甲4発明と同一とはいえず、本件特許発明1を直接又は間接的に引用する本件特許発明2、4、5も、甲4発明と同一とはいえない。
なお、甲第4号証の1は、2015年4月27日にニュースリリースされたと認められる記事であるところ、その記事中に「ウォーターガード Sタイトドア」の発売時期が「2015年6月1日」と記載されているが、「ウォーターガード Sタイトドア」の発売の予定を伝えるものであって、「ウォーターガード Sタイトドア」が、本件特許の出願日である平成27年6月4日より前に実際に発売されていたことを証明する証拠とはならない。

(5)理由(5)について
申立人は、本件特許発明3の弾性部材をシリコーンゴムで形成したことについて、甲1発明ないし甲4発明のゴムにシリコーンゴムを採用する程度のことは、当業者であれば容易に想到し得る旨、主張する。
しかしながら、上記(1)、(3)、(4)のとおり、甲1発明、甲3発明、甲4発明は、本件特許発明1の構成Aを備えておらず、特に弾性部材の構成を備えていないから、シリコーンゴムを採用する動機付けはない。よって、本件特許発明1の発明特定事項を全て備え、さらに構成を加えた本件特許発明3は、甲1発明、甲3発明または甲4発明に基いて、容易に発明をすることができたものではない。
また、甲2発明は、上記(2)のとおり、本件特許の出願前に公然知られたものではないから、本件特許発明3は、甲2発明に基いて、容易に発明をすることができたものでもない。

(6)理由(6)について
甲第5号証には、申立人も認めるように、本件特許発明1の構成Aのうち、「上記突出部にその表裏方向に軸線を有した貫通孔を形成し、上記ベースに上記貫通孔に遊嵌されるボルトを立設し、上記ボルトの先端側に螺合しネジ込まれて該突出部の表面を上記弾性部材の付勢力に抗して押圧して該突出部の上記ベースから離間する方向の移動を規制するとともに該突出部と上記ベースとの最大離間間隔を規定する押えナットを設けた」構成は記載されていない。
また、上記(1)ないし(4)のとおり、本件特許発明1の構成Aは、甲第1号証、甲第2号証の3、甲第3号証の1または甲第4号証の2に記載されておらず、本件特許の出願前に公知または公然知られたものとも認められないから、甲第5号証に記載された甲5発明と甲1発明ないし甲4発明とを組み合わせても、本件特許発明1ないし5とすることはできない。


5 むすび
以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ないし5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2017-03-28 
出願番号 特願2015-113779(P2015-113779)
審決分類 P 1 651・ 113- Y (E05D)
P 1 651・ 111- Y (E05D)
P 1 651・ 121- Y (E05D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 美紗子鳥井 俊輔  
特許庁審判長 赤木 啓二
特許庁審判官 小野 忠悦
住田 秀弘
登録日 2016-06-17 
登録番号 特許第5950316号(P5950316)
権利者 いわきエンジニアリング株式会社
発明の名称 二軸ヒンジ装置  
代理人 岡村 信一  
代理人 山下 綾  
代理人 山下 賢二  
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