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審決分類 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する H01M
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H01M
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する H01M
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H01M
管理番号 1327205
審判番号 訂正2017-390006  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2017-01-20 
確定日 2017-03-24 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6011635号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6011635号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 1 経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6011635号(以下、「本件特許」という。)は、2013年11月5日(優先権主張平成24年11月6日、平成25年5月1日 日本国)を国際出願日とする出願(特願2014-545701号)の請求項1?12に係る発明について、平成28年9月30日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成29年1月20日に本件訂正審判の請求がなされたものである。

2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6011635号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

3 訂正事項
(1)訂正事項1
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1(以下、「本件請求項1」という。)について、
「前記交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第1の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第2の領域とが想定され、前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成され、
前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい」とあるのを、
「前記交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第2の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第1の領域とが想定され、前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成され、
前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい」と訂正する。

(2)訂正事項2
願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」という。)の【0006】について、
「前記交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁によって囲まれた第1の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第2の領域とが想定される。前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成される。前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい。」とあるのを、
「前記交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁によって囲まれた第2の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第1の領域とが想定される。前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成される。前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい。」と訂正する。

4 当審の判断
以下、訂正事項1及び訂正事項2について検討する。
(1)訂正の目的について
ア 訂正事項1について
ア-1 本件請求項1には、「交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第1の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第2の領域とが想定され」と、また、「前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成され、
前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい」と記載されている。
ア-2 一方、本件明細書には、「領域S1は、直線溝27a,27bの交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P2との間に位置する仮想直線Y2の部分と、直線部23と、によって区画される領域である。また、領域S2は、交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、交差点Xと境界P4との間に位置する仮想直線Y1の部分と、直線部24と、によって区画される領域である」(【0031】)と、また、「領域S3は、交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、弧部25と、によって区画される領域である。また、領域S4は、交差点Xと境界P2との間に位置する仮想直線Y2の部分と、交差点Xと境界P4との間に位置する仮想直線Y1の部分と、弧部26と、によって区画される領域である」(【0032】)と記載されており、さらに、「この実施形態において領域S1,S2は弧部25,26に接する部分が少ない第2の領域に対応し、領域S3,S4は弧部25,26に接する部分が多い第1の領域に対応する。即ち、領域S3,S4の弧部25,26に接する部分は、領域S1,S2の弧部25,26に接する部分よりも多い。そして、弁体21の表面21aに位置する4つの領域S1?S4の面積については、弧部25,26に接する部分が多い領域S3,S4の方が、弧部25,26に接する部分が少ない領域S1,S2に比較して大きい。即ち、領域S3の面積は、領域S1,S2の何れの面積よりも大きく、領域S4の面積は、領域S1,S2の何れの面積よりも大きい」(【0033】)と記載されている。
ア-3 ここで、本件請求項1の上記記載と本件明細書の上記記載とを対比するに、本件請求項1の「各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第1の領域」は、「周縁」が図3における直線部23,24に相当すると認められるから、本件明細書の「直線溝27a,27bの交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P2との間に位置する仮想直線Y2の部分と、直線部23と、によって区画される」「領域S1」及び「交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、交差点Xと境界P4との間に位置する仮想直線Y1の部分と、直線部24と、によって区画される」「領域S2」に相当し、また、本件請求項1の「各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第2の領域」は、「弧部」が図3における弧部25,26に相当すると認められるから、本件明細書の「交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、弧部25と、によって区画される」「領域S3」及び「交差点Xと境界P2との間に位置する仮想直線Y2の部分と、交差点Xと境界P4との間に位置する仮想直線Y1の部分と、弧部26と、によって区画される」「領域S4」に相当する。
ア-4 しかし、本件請求項1では、領域S1,S2に相当する「第1の領域の前記弧部に接する部分」が、領域S3,S4に相当する「前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多」いと記載されているのに対し、本件明細書では、「領域S1,S2は弧部25,26に接する部分が少ない第2の領域に対応し、領域S3,S4は弧部25,26に接する部分が多い第1の領域に対応する」と記載されており、これらの記載は明らかに矛盾している。
ア-5 また、本件請求項1では、領域S1,S2に相当する「第1の領域の面積」が、領域S3,S4に相当する「前記第2の領域の面積よりも大きい」と記載されているのに対し、本件明細書には、「4つの領域S1?S4の面積については、・・・・領域S3,S4の方が、・・・・領域S1,S2に比較して大きい」と記載されており、これらの記載も明らかに矛盾している。
ア-6 そうすると、本件請求項1の記載は、本件明細書の記載と明らかに矛盾しており、不合理を生じているから、明瞭な記載とはいえない。
ア-7 そして、訂正事項1は、上記3(1)のとおり、本件請求項1の「各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第1の領域」を「各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第2の領域」と、本件請求項1の「各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第2の領域」を「各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第1の領域」とそれぞれ訂正するものであって、このように訂正することにより、本件請求項1の「第2の領域」が本件明細書の「領域S1」及び「領域S2」に、本件請求項1の「第1の領域」が本件明細書の「領域S3」及び「領域S4」にそれぞれ相当することとなるから、上記ア-4及び上記ア-5で指摘した矛盾を解消することとなる。
ア-8 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

イ 訂正事項2について
訂正事項2は、訂正事項1に伴って、本件明細書の記載を訂正するものであるから、訂正事項1と同様に、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項1は、上記(1)アで述べたとおり、本件請求項1の記載を本件明細書の記載に整合させるものであるし、訂正事項2は、上記(1)イで述べたとおり、訂正事項1に伴って本件明細書の記載を訂正するものであるから、訂正事項1,2はいずれも、願書に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるといえる。
よって、訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)特許請求の範囲の実質的な拡張又は変更について
訂正事項1は、上記(1)アで述べたとおり、不合理な記載を解消するものであるし、訂正事項2は、上記(1)イで述べたとおり、訂正事項1に伴って本件明細書の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

5 むすび
以上のとおり、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、同条第5項及び第6項の規定に適合するので、適法な訂正と認める。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
蓄電装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース内の圧力をケース外に開放させる圧力開放弁を有する蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、原動機となる電動機への供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン電池などの二次電池が搭載されている。この種の二次電池は、例えば、特許文献1に開示されている。二次電池は、金属箔に負極活物質を塗布した負極電極と、金属箔に正極活物質を塗布した正極電極と、両電極の間に介在して両電極を互いに絶縁するセパレータとを層状に積層した電極組立体を有する。そして、二次電池のケースには、電極組立体と電解液とが収容されている。また、二次電池のケースには、ケース内の圧力をケース外に開放させる圧力開放弁(ガス排出弁)が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-181214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガス排出弁の弁体は、開口面積を大きくするなどの理由により、特許文献1のガス排出弁の弁体のように略楕円形状で構成されている場合がある。そして、弁体には、ケース内の圧力が所定圧に達したときに弁体の開裂を促進させる溝が設けられている。例えば特許文献1の弁体には、直線状の内側溝部と、弁体の外周に沿う弧状の外周溝部が設けられている。しかしながら、直線状の溝と比べると弧状の溝は開裂し難い。このため、弧状の溝の開裂が進展しない場合には、ガス排出弁の開口面積として十分な面積が得られず、ケース内の圧力を開放させるときの迅速性を損なわせる虞がある。
【0005】
この発明の目的は、ケース内の圧力を迅速に開放し得る蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の一態様は、電極組立体が収容されたケースと、前記ケースに設けられ当該ケース内の圧力をケース外に開放させる圧力開放弁を有する蓄電装置を提供する。前記圧力開放弁は、前記圧力開放弁の周縁の一部を構成する弧部と、互いに交差する2本の直線溝を含む交差溝と、前記交差溝の端部に繋がるとともに前記弧部に沿う複数の弧状溝とを有する。前記交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁によって囲まれた第2の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第1の領域とが想定される。前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成される。前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい。
【0007】
この構成によれば、弧部に沿う弧状溝を有する場合に、弧部に接する部分が多い第1の領域の面積を弧部に接する部分が少ない第2の領域の面積よりも大きい面積としている。このため、第1の領域は、ケース内の圧力を受圧する面積が大きくなり、弧状溝の開裂が促進される。したがって、圧力開放弁の開口を大きくすることができ、ケース内の圧力を迅速に開放させることができる。
【0008】
また、前記交差溝が、2本の直線溝を含む構成によれば、圧力開放弁の開裂の初期には、直線溝によって圧力開放弁の開裂が促進される。したがって、ケース内の圧力を開放する場合の迅速性を向上させることができる。
【0009】
上記蓄電装置において、圧力開放弁の周縁は、平行な直線部を前記弧部で繋いだオーバルトラック形状とすることが好ましい。この構成によれば、四角形状の圧力開放弁に比較して圧力開放弁の開口を大きく設定することができる。したがって、ケース内の圧力を開放する場合の迅速性を向上させることができる。
【0010】
上記蓄電装置において、前記仮想直線によって形成される前記第1の領域における角度は、前記仮想直線によって形成される前記第2の領域における角度に比較して大きいことが好ましい。この構成によれば、交差溝の交差点付近の溝を開裂が始まる位置として定めることができ、前記溝を起点として開裂が始まり易い。その結果、圧力開放弁の開口形状や開口面積のばらつきを低減させることができる。
【0011】
上記蓄電装置において、前記交差溝には、前記交差溝の交差点を通って延びる少なくとも1本の溝がさらに交差していることが好ましい。この構成によれば、交差溝の交差点付近の溝を開裂が始まる位置として定めることができ、前記溝を起点として開裂が始まり易い。その結果、圧力開放弁の開口形状や開口面積のばらつきを低減させることができる。
【0012】
上記蓄電装置において、前記ケースはケース壁を有し、前記ケース壁は、長辺と短辺とを有する矩形状であり、前記交差溝に交差する前記少なくとも1本の溝は前記ケース壁の長辺方向に延びていることが好ましい。この構成によれば、矩形状のケース壁に圧力開放弁を有する場合において、圧力開放弁の開口形状や開口面積のばらつきを確実に低減させることができる。
【0013】
上記蓄電装置において、前記圧力開放弁は、前記交差溝の交差点を含む領域の裏側に、前記圧力開放弁の厚み方向において前記領域と重なる位置に溝を有することが好ましい。この構成によれば、交差溝の交差点付近の溝を開裂が始まる位置として定めることができ、前記溝を起点として開裂が始まり易い。その結果、圧力開放弁の開口形状や開口面積のばらつきを低減させることができる。
【0014】
上記蓄電装置において、前記圧力開放弁は、前記複数の弧状溝のうち隣り合う弧状溝における前記交差溝とは反対側の端部同士が離隔した部分に弧状溝離隔部を有し、前記弧状溝離隔部の断面積は、前記第1の領域の面積の0.0137倍以上であることが好ましい。この構成によれば、第1の領域の周縁に、弧状溝が離隔した弧状溝離隔部を有し、弧状溝離隔部の断面積は、第1の領域の0.0137倍以上である。弧状溝離隔部が前述のように形成されていることにより、圧力開放弁が開裂したときに、第1の領域に相当する破片の飛散を抑止することができる。
【0015】
上記蓄電装置において、前記圧力開放弁は、前記第2の領域の周縁に沿い、かつ前記弧状溝、及び前記交差溝にそれぞれ連続する複数の連続溝と、該複数の連続溝のうち隣り合う連続溝の前記交差溝とは反対側の端部同士が離隔した部分に連続溝離隔部と、を有し、前記連続溝離隔部の断面積は、前記第2の領域の面積の0.0137倍以上であることが好ましい。この構成によれば、第2の領域の周縁に、連続溝と、連続溝が離隔した連続溝離隔部を有し、連続溝離隔部の断面積は、第2の領域の面積の0.0137倍以上である。連続溝離隔部が前述のように形成されていることにより、圧力開放弁が開裂したときに、第2の領域に相当する破片の飛散を抑止することができる。
【0016】
上記蓄電装置において、前記圧力開放弁は、前記ケースの板厚よりも薄い弁体と、前記交差溝に繋がる複数の溝と、前記複数の溝のうち隣り合う溝における前記交差溝とは反対側の端部同士が離間した部分に離隔部と、を有し、前記ケースと前記弁体とが繋がる部分のうち少なくとも前記離隔部に繋がる部分に、テーパ部又はアール部を有し、前記テーパ部又は前記アール部が前記弁体に繋がっている。この構成において、離隔部は、圧力開放弁が開裂した際に、弁体の破片を飛散させないようにケースに繋がっている状態を維持させる部位となる。このため、ケースと弁体とが繋がる部分のうち離隔部に繋がる部分にテーパ部又はアール部を介在させることで、その部分の強度を増すことができる。したがって、弁体の破片の飛散を抑止することができる。
【0017】
上記蓄電装置において、前記蓄電装置の好適な例としては、二次電池を挙げることができる。
【0018】
上記蓄電装置において、前記圧力開放弁はその表面に前記交差溝と前記弧状溝とを有することが好ましい。
【0019】
上記蓄電装置において、前記ケースはケース壁を有し、前記ケース壁は、前記ケースの外側に位置する表面と前記ケースの内側に位置する裏面とを有し、前記ケース壁の裏面には、前記ケース壁の厚み方向において前記交差溝の交差点と重なる位置に溝を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ケース内の圧力を迅速に開放させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】二次電池の外観を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態の弁体の表裏両面を示す平面図。
【図3】第1の実施形態の弁体の表面を示す平面図。
【図4】第2の実施形態の弁体の表裏両面を示す平面図。
【図5】第2の実施形態の弁体の表面を示す平面図。
【図6】第3の実施形態の弁体の表裏両面を示す平面図。
【図7】第3の実施形態の弁体の表面を示す平面図。
【図8】第4の実施形態の弁体の表面を示す平面図。
【図9】第5の実施形態の弁体の表面を示す平面図。
【図10】第6の実施形態の弁体の表面を示す平面図。
【図11】第6の実施形態の弁体の裏面を示す平面図。
【図12】図10の1-1線断面図。
【図13】(a)及び(b)は、別例における弁体の裏面の一部を示す平面図。
【図14】(a)?(c)は、別例における弁体の表面を示す平面図。
【図15】(a)は、図14(b)の2-2線断面図、(b)は、図14(b)の3-3線断面図。
【図16】(a)は、別例における2-2線断面図、(b)は、別例における3-3線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、蓄電装置を具体化した第1の実施形態を図1?図3にしたがって説明する。
【0023】
図1に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、ケース11に収容された電極組立体12を備える。また、ケース11には、電極組立体12とともに電解液も収容されている。ケース11は、有底筒状のケース本体13と、当該ケース本体13に電極組立体12を挿入するための開口部を閉塞する平板状の蓋体14とからなる。ケース本体13と蓋体14とは、何れも金属製(例えば、ステンレスやアルミニウム)である。また、この実施形態の二次電池10では、ケース本体13が有底四角筒状であり、蓋体14が矩形平板状である。そのため、二次電池10は、角型の外観をなす角型電池である。また、この実施形態の二次電池10は、リチウムイオン電池である。
【0024】
電極組立体12は、正極電極、負極電極、及び正極電極と負極電極とを互いに絶縁するセパレータを有する。正極電極は、正極金属箔(アルミニウム箔)の両面に正極活物質を塗布して構成される。負極電極は、負極金属箔(銅箔)の両面に負極活物質を塗布して構成される。そして、電極組立体12は、複数の正極電極と複数の負極電極とを交互に積層するとともに、両電極の間にセパレータを介在した積層構造とされている。また、電極組立体12には、正極端子15と負極端子16とが電気的に接続されている。これらの正極端子15と負極端子16との各一部分は、蓋体14からケース11外に露出している。また、正極端子15及び負極端子16には、ケース11から絶縁するためのリング状の絶縁リング17aがそれぞれ取り付けられている。
【0025】
また、ケース11の蓋体14には、ケース11(ケース本体13)内に電解液を注入するための注液孔18が穿設されており、その注液孔18は封止部材19によって閉塞されている。封止部材19は、蓋体14の表面14a(ケース外側の面)に固定されており、ケース11外に露出している。また、ケース11には、ケース11内の圧力が上昇し過ぎないように、ケース11内の圧力が所定の圧力である開放圧に達した場合に開裂し、ケース内外を連通させる圧力開放弁20が設けられている。この実施形態において圧力開放弁20は、ケース11の蓋体14に位置している。また、蓋体14において封止部材19(注液孔18)と圧力開放弁20とは、並んで位置している。圧力開放弁20の開放圧は、ケース11自体又はケース本体13と蓋体14との間の接合部に亀裂や破断などの損傷が生じ得る前に開裂し得る圧力に設定されている。そして、圧力開放弁20は、蓋体14の板厚よりも薄い薄板状の弁体21を有する。弁体21は、蓋体14の上面に凹設された凹部22の底に位置しており、蓋体14と一体的に成形されている。
【0026】
図2及び図3に示すように、圧力開放弁20は、平行な2つの直線部23,24を弧部25,26で繋いだオーバルトラック形状の周縁を有する。なお、弁体21は、圧力開放弁20の周縁に繋がっており、圧力開放弁20と同様にオーバルトラック形状である。図2は、直線部23,24の延びる方向に直交する方向で弁体21を二等分する図中に一点鎖線で示す二等分線L1を境界とした時の弁体21の表面21aと裏面21bとを並べて図示している。
【0027】
弧部25の第1端が直線部23の第1端に繋がっているとともに、弧部25の第2端が直線部24の第2端に繋がっている。弧部26の第1端が直線部23の第2端に繋がっているとともに、弧部26の第2端が直線部24の第2端に繋がっている。つまり、この実施形態において直線部23,24の第1端は、その全体を弧状とした弧部25で繋がっているとともに、直線部23,24の第2端は、その全体を弧状とした弧部26で繋がっている。圧力開放弁20において、直線部23,24の端部と弧部25,26の端部とが繋がる部位が、直線部23,24と弧部25,26との間の境界P1,P2,P3,P4となる。
【0028】
図3に示すように、弁体21はその表面21aに複数の溝を有する。複数の溝は、隣り合う境界P1?P4の位置を二点鎖線で示す直線で結んだ四角形状の領域内に位置する交差溝27と、弧部25,26に沿う複数の弧状溝28,29とを含む。この実施形態において交差溝27と弧状溝28,29とは、何れも断面V字形の溝である。
【0029】
交差溝27は、2本の直線溝27a,27bからなる。直線溝27aは、直線部23,24と弧部25,26との間の境界P1?P4のうち、境界P1,P4を結ぶ仮想直線Y1上に位置している。一方、直線溝27bは、直線部23,24と弧部25,26との間の境界P1?P4のうち、境界P2,P3を結ぶ仮想直線Y2上に位置している。仮想直線Y1,Y2は、交差溝27に沿って延長され、かつ圧力開放弁20の周縁に交差する。また、仮想直線Y1,Y2は、直線部23,24と弧部25,26との間の境界P1?P4に位置する2本の直線である。そして、2本の直線溝27a,27bは、弁体21の中央で交差している。なお、境界P1,P4は仮想直線Y1と圧力開放弁20の周縁との交差点でもあり、境界P2,P3は仮想直線Y2と圧力開放弁20の周縁との交差点でもある。
【0030】
また、弁体21はその表面21aに、弧部25に沿う2本の弧状溝28を有するとともに、弧部26に沿う2本の弧状溝29を有する。2本の弧状溝28のうち、一方の弧状溝28は、直線溝27aにおいて境界P1近傍に位置する第1端に繋がっており、弧部25に沿って弧状に延在している。また、2本の弧状溝29のうち、一方の弧状溝29は、直線溝27bにおいて境界P2近傍に位置する第1端に繋がっており、弧部26に沿って弧状に延在している。なお、2本の弧状溝28のうち、他方の弧状溝28は、直線溝27bにおいて境界P3近傍に位置する第2端に繋がっており、弧部25に沿って弧状に延在している。また、2本の弧状溝29のうち、他方の弧状溝29は、直線溝27aにおいて境界P4近傍に位置する第2端に繋がっており、弧部26に沿って弧状に延在している。各弧状溝28,29は、直線溝27a,27bに繋がる端部とは反対側の端部の位置が二等分線L1から所定の距離を隔てた位置となる長さに設定されている。つまり、各弧状溝28,29は、弧部25,26の一部に沿って設けられている。これにより、弁体21は、直線溝27aに繋がる1本の弧状溝28及び1本の弧状溝29を有するとともに、直線溝27bに繋がる1本の弧状溝28及び1本の弧状溝29を有する。
【0031】
そして、弁体21の表面21aには、交差溝27に沿う仮想直線Y1,Y2を想定したとき、仮想直線Y1,Y2と圧力開放弁20の周縁とによって囲まれる複数の領域S1,S2,S3,S4が画定される。領域S1は、直線溝27a,27bの交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P2との間に位置する仮想直線Y2の部分と、直線部23と、によって区画される領域である。また、領域S2は、交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、交差点Xと境界P4との間に位置する仮想直線Y1の部分と、直線部24と、によって区画される領域である。領域S1と領域S2とは、交差点Xを対称の中心として点対称である。
【0032】
領域S3は、交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、弧部25と、によって区画される領域である。また、領域S4は、交差点Xと境界P2との間に位置する仮想直線Y2の部分と、交差点Xと境界P4との間に位置する仮想直線Y1の部分と、弧部26と、によって区画される領域である。領域S3と領域S4とは、交差点Xを対称の中心として点対称である。
【0033】
この実施形態において領域S1,S2は、仮想直線Y1,Y2が図2及び図3において二点鎖線で示す直線で結んだ四角形状の領域内に位置することで、直線部23,24のみに接する領域となる。一方、この実施形態において、領域S3,S4は、それぞれ弧部25,26を含む領域であり、それぞれ弧部25,26の全体に接する領域となる。そして、この実施形態において領域S1,S2は弧部25,26に接する部分が少ない第2の領域に対応し、領域S3,S4は弧部25,26に接する部分が多い第1の領域に対応する。即ち、領域S3,S4の弧部25,26に接する部分は、領域S1,S2の弧部25,26に接する部分よりも多い。そして、弁体21の表面21aに位置する4つの領域S1?S4の面積については、弧部25,26に接する部分が多い領域S3,S4の方が、弧部25,26に接する部分が少ない領域S1,S2に比較して大きい。即ち、領域S3の面積は、領域S1,S2の何れの面積よりも大きく、領域S4の面積は、領域S1,S2の何れの面積よりも大きい。
【0034】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0035】
ケース11内の圧力は、弁体21の裏面21bが受圧面となることによって弁体21を外方に膨張させるように加わる。また、弁体21の各溝には、ケース11の内側から加わる圧力によって応力が発生している。そして、ケース11内の圧力が開放圧に達すると、最も応力が集中している直線溝27a,27bの交差点X付近の溝を起点として弁体21が開裂する。この開裂により、弁体21は、領域S1?S4を区画する直線溝27a,27bに沿って4つの領域S1?S4に分断される。また、直線溝27a,27bの開裂が弧状溝28,29に繋がる端部に達すると、弧状溝28,29の開裂も始まる。
【0036】
このとき、この実施形態では、弧部25,26に接する領域S3,S4の面積が、直線部23,24のみに接する領域S1,S2の面積に比較して大きくしている。つまり、領域S3,S4の方が、領域S1,S2に比較して受圧面積が大きい。このため、弁体21の裏面21bに対してケース11の内側から加わる圧力の大きさは、領域S3,S4の方が領域S1,S2に比較して大きくなる。
【0037】
このように弁体21の表面21aに位置する溝が開裂すると、弁体21は、4つの領域S1?S4に分断されつつ、外側にめくれ上がることによって、圧力開放弁20には大きな開口が生じる。そして、ケース11内の圧力は、圧力開放弁20に生じた開口を通じてケース11外に開放される。
【0038】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
【0039】
(1)弧状溝28,29は、直線溝27a,27bに比較して開裂し難い。このため、弧部25,26に接する部分が多い領域S3,S4の面積を、弧部25,26に接する部分が少ない領域S1,S2の面積に比較して大きくすることで、領域S3,S4の受圧量が大きくなる。したがって、圧力開放弁20の開口を大きくするために弧部25,26に沿う弧状溝28,29を有する圧力開放弁20であっても、弧状溝28,29の開裂が促進されることで領域S3,S4が外側に開き易くなる。その結果、圧力開放弁20の開きのバランスが良くなり、圧力開放弁20の開口を大きくすることができる。つまり、ケース11内の圧力を迅速に開放させることができる。
【0040】
因みに、弧部25,26に接する領域S3,S4の受圧量が小さい場合には、弧状溝28,29の開裂が不十分になる虞がある。つまり、圧力開放弁20の開きのバランスが悪いと、弧状溝28,29が十分に開裂せず、その結果、圧力開放弁20の開口も小さくなる。したがって、ケース11内の圧力を開放する場合の迅速性が損なわれる。
【0041】
(2)交差溝27は2本の直線溝27a,27bからなる。このため、弁体21の開裂の初期において直線溝27a,27bによって開裂が促進される。したがって、ケース11内の圧力を開放させる場合の迅速性を向上させることができる。
【0042】
(3)圧力開放弁20をオーバルトラック形状にすることで、圧力開放弁20を四角形状にする場合に比較して圧力開放弁20の開口を大きく設定することができる。したがって、ケース11内の圧力を開放させる場合の迅速性を向上させることができる。
【0043】
(4)交差溝27に沿う2本の仮想直線Y1,Y2が、直線部23,24と弧部25,26との間の境界P1?P4間に位置している。このため、4つの領域S1?S4において、弧部25,26に接する部分が少ない領域S1,S2と弧部25,26に接する部分が多い領域S3,S4とに加わる圧力が極端に偏ることなく、各領域S1?S4を確実に分断させることができる。したがって、圧力開放弁20の開口を大きくすることができ、ケース11内の圧力を開放させる場合の迅速性を向上させることができる。
【0044】
(5)直線溝27a,27bが境界P1?P4の付近まで延在しているので、弧状溝28,29を弧部25,26に沿わせて配置することができる。したがって、弁体21の各溝が開裂した場合には、圧力開放弁20の開口を大きくすることができる。
【0045】
(6)直線溝27a,27bと弧状溝28,29とを繋げているので、直線溝27a,27bの開裂後、速やかに弧状溝28,29の開裂に移行させることができる。圧力開放弁20は、直線溝27a,27bの開裂によって領域S1?S4に分断されつつ、開裂の進行に合わせて弁体21が外側にめくれ上がることで開口が生じ、その開口から圧力がケース11外に開放される。このため、直線溝27a,27bから弧状溝28,29への開裂を速やかに移行させることで、圧力開放弁20の開口量を十分に確保することができる。
【0046】
(7)弧状溝28,29は弧部25,26の一部に沿うように設けられている。また、直線部23,24に沿う溝が設けられていない。このため、弁体21は、各溝が開裂し、外側にめくれ上がっても、溝が設けていない箇所で繋がっている。したがって、弁体21の破片が飛散することを防止できる。
【0047】
(第2の実施形態)
以下、蓄電装置を具体化した第2の実施形態を図4及び図5にしたがって説明する。
【0048】
なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成についてその重複する説明を省略又は簡略する。
【0049】
図4及び図5に示すように、本実施形態の弁体21はその表面21aに、交差溝27(直線溝27aと直線溝27b)と弧状溝28,29とに加えて、直線部23,24に沿う複数の直線状溝30,31を有する。この実施形態において、直線状溝30,31は、断面V字状の溝である。なお、図4は、直線部23,24の延びる方向に直交する方向で弁体21を二等分する図中に一点鎖線で示す二等分線L1を境界とした時の弁体21の表面21aと裏面21bとを並べて図示している。
【0050】
弁体21はその表面21aに、直線部23に沿う2本の直線状溝30,31と、直線部24に沿う2本の直線状溝30,31を有する。2本の直線状溝30のうち、一方の直線状溝30は、直線溝27aにおいて境界P1近傍に位置する第1端に繋がっており、直線部23に沿って直線状に延在している。また、2本の直線状溝31のうち、一方の直線状溝31は、直線溝27bにおいて境界P2近傍に位置する第1端に繋がっており、直線部23に沿って直線状に延在している。なお、2本の直線状溝30のうち、他方の直線状溝30は、直線溝27bにおいて境界P3近傍に位置する第2端に繋がっており、直線部24に沿って直線状に延在している。また、2本の直線状溝31のうち、他方の直線状溝31は、直線溝27aにおいて境界P4近傍に位置する第2端に繋がっており、直線部24に沿って直線状に延在している。
【0051】
直線状溝30,31は、直線溝27a,27bに繋がる端部とは反対側の端部の位置が、交差点Xを通り、二等分線L1に垂直に交わる垂線L2から所定の距離を隔てた位置となる長さを有する。つまり、各直線状溝30,31は、直線部23,24の一部に沿って設けられている。これにより、弁体21は、直線溝27aに繋がる1本の直線状溝30及び1本の直線状溝31を有するとともに、直線溝27bに繋がる1本の直線状溝30及び1本の直線状溝31を有する。そして、この実施形態において直線状溝30,31は、領域S1,S2に位置する。また、領域S1と領域S2とは、交差点Xを対称の中心として点対称である。なお、各直線状溝30,31は、各直線溝27a,27bの端部に繋がる弧状溝28,29にも繋がる。
【0052】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0053】
この実施形態においても、直線溝27a,27b及び弧状溝28,29の開裂、及び領域S1?S4の分断は、第1の実施形態の作用で説明したように行われる。そして、この実施形態においては、直線溝27a,27bの開裂が直線状溝30,31に繋がる端部に達すると、弧状溝28,29の開裂とともに直線状溝30,31の開裂も始まる。これにより、各領域S1,S2において、直線部23,24に沿う弁体21の一部が分断される。そして、弁体21の表面21aに位置する溝が開裂すると、弁体21は、4つの領域S1?S4に分断されつつ、外側にめくれ上がることによって、圧力開放弁20には大きな開口が生じる。
【0054】
したがって、本実施形態では、第1の実施形態の効果(1)?(7)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
【0055】
(8)直線状溝30,31により、領域S1,S2が外側にめくれ上がることが促進される。つまり、直線状溝30,31の開裂により、領域S1,S2が外側に開き易くなる。その結果、圧力開放弁20の開きのバランスが良くなり、圧力開放弁20の開口を大きくすることができる。つまり、ケース11内の圧力を迅速に開放させることができる。
【0056】
(9)直線状溝30,31は直線部23,24の一部に沿うように設けられている。このため、領域S1,S2において、弁体21の破片が飛散することを防止できる。
【0057】
(第3の実施形態)
以下、蓄電装置を具体化した第3の実施形態を図6及び図7にしたがって説明する。
【0058】
図6及び図7に示すように、この実施形態の弁体32は、その形状の一部が第1,第2の実施形態の弁体21と異なっている。弁体32は、平行な直線部23,24を有する。そして、各直線部23,24の第1端には、直線部23,24の第2端を繋ぐ弧部26と比較して曲率半径が小さい2つの弧部33がそれぞれ繋がっている。2つの弧部33は直線部34に繋がっている。これにより、この実施形態の弁体32は、略オーバルトラック形状である。なお、弁体32の形状が、この実施形態における圧力開放弁の周縁の形状になる。そして、直線部23,24の端部と弧部26,33の端部とが繋がる部位が、直線部23,24と弧部26,33との間の境界P1,P2,P3,P4となる。なお、図6は、直線部23,24の延びる方向に直交する方向で弁体32を二等分する図中に一点鎖線で示す二等分線L1を境界とした時の弁体32の表面32aと裏面32bとを並べて図示している。
【0059】
弁体32はその表面32aに複数の溝を有する。複数の溝は、交差溝27と、弧部26,33に沿う複数の弧状溝29,35と、直線状溝30,31と、からなる。なお、この実施形態において、弧状溝35は断面V字状の溝である。弁体32はその表面32aに2本の弧状溝35を有する。そして、2本の弧状溝35のうち、一方の弧状溝35は、直線溝27aにおいて境界P1近傍に位置する第1端に繋がっており、弧部33に沿って弧状に延在している。一方、2本の弧状溝35のうち、他方の弧状溝35は、直線溝27bにおいて境界P3側に位置する第2端に繋がっており、弧部33に沿って弧状に延在している。2本の弧状溝35は、直線溝27a,27bに繋がる端部とは反対側の端部の位置が二等分線L1から所定の距離を隔てた位置となる長さを有する。
【0060】
そして、弁体32の表面32aには、交差溝27に沿う仮想直線Y1,Y2を想定したとき、第1,第2の実施形態と同様に、複数の領域S1,S2,S3,S4が画定される。領域S1,S2,S4は第1,第2の実施形態の領域S1,S2,S4と同じである。一方、この実施形態の領域S3は、交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、2つの弧部33と、直線部34と、によって区画される領域である。そして、この実施形態において領域S3は、弧部33に接する部分が多い領域であり、その面積は領域S1,S2の面積よりも大きく、領域S4の面積よりも小さい。
【0061】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0062】
この実施形態においても、直線溝27a,27b、弧状溝29,35、直線状溝30,31の開裂、及び領域S1?S4の分断は、第1,第2の実施形態の作用で説明したように行われる。そして、弁体32の表面32aに位置する溝が開裂すると、弁体32は、4つの領域S1?S4に分断されつつ、外側にめくれ上がることによって、圧力開放弁20には大きな開口が生じる。
【0063】
したがって、本実施形態では、第1の実施形態の効果(1)?(7)及び第2の実施形態の効果(8),(9)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。なお、効果(3)は本実施形態の弁体32のように略オーバルトラック形状でも生じ得る。また、効果(4)?(7)は、弧部25を弧部33に、弧状溝28を弧状溝35にそれぞれ読み替えるものとする。
【0064】
(10)弧状溝35は弧部33に沿うように設けられている。そして、直線部34の全体に沿うように溝が設けられていない。このため、領域S3において、弁体21の破片が飛散することを防止できる。
【0065】
(第4の実施形態)
以下、蓄電装置を具体化した第4の実施形態を図8にしたがって説明する。
【0066】
図8に示すように、圧力開放弁20の弁体36はその表面21aに、第2の実施形態の弁体21と同様に、交差溝27(直線溝27aと直線溝27b)と、弧状溝28,29と、直線状溝30,31と、を有する。この実施形態の直線溝27aは、当該直線溝27aに沿って延長し、圧力開放弁20の周縁である直線部23,24に交差する交差点P5,P6を結ぶ仮想直線Y3上に位置している。交差点P5は境界P1から離れる一方で境界P2に近くなる位置にあり、交差点P6は境界P4から離れる一方で境界P3に近くなる位置にある。一方、この実施形態の直線溝27bは、当該直線溝27bに沿って延長し、圧力開放弁20の周縁である直線部23,24に交差する交差点P7,P8を結ぶ仮想直線Y4上に位置している。交差点P7は境界P2から離れる一方で境界P1に近くなる位置にあり、交差点P8は境界P3から離れる一方で境界P4に近くなる位置にある。
【0067】
弁体36の表面21aには、交差溝27に沿う仮想直線Y3,Y4を想定したとき、仮想直線Y3,Y4と圧力開放弁20の周縁によって囲まれる複数の領域S1,S2,S3,S4が画定される。領域S1は、直線溝27a,27bの交差点Xと交差点P5との間に位置する仮想直線Y3の部分と、交差点Xと交差点P7との間に位置する仮想直線Y4の部分と、直線部23の一部と、によって区画される領域である。また、領域S2は、交差点Xと交差点P8との間に位置する仮想直線Y4の部分と、交差点Xと交差点P6との間に位置する仮想直線Y3の部分と、直線部24の一部と、によって区画される領域である。領域S1と領域S2とは、交差点Xを対称の中心として点対称である。また、領域S1,S2は、仮想直線Y3,Y4の交差角が角度αとなる領域である。角度αは、仮想直線Y3,Y4が交差したときの内角である。また、角度αは、領域S1,S2に沿う交差溝27によって形成される角度でもある。
【0068】
領域S3は、交差点Xと交差点P5との間に位置する仮想直線Y3の部分と、交差点Xと交差点P8との間に位置する仮想直線Y4の部分と、直線部23,24の各一部と、弧部25と、によって区画される領域である。また、領域S4は、交差点Xと交差点P7との間に位置する仮想直線Y4の部分と、交差点Xと交差点P6との間に位置する仮想直線Y3の部分と、直線部23,24の各一部と、弧部26と、によって区画される領域である。領域S3と領域S4とは、交差点Xを対称の中心として点対称である。また、領域S3,S4は、仮想直線Y3,Y4の交差角が角度βとなる領域である。角度βは、仮想直線Y3,Y4が交差したときの内角である。また、角度βは、領域S3,S4に沿う交差溝27によって形成される角度でもある。
【0069】
この実施形態において領域S1,S2は弧部25,26に接する部分が少ない第2の領域となり、領域S3,S4は弧部25,26に接する部分が多い第1の領域となる。そして、この実施形態においても、4つの領域S1?S4の面積は、弧部25,26に接する部分が多い領域S3,S4の方が、弧部25,26に接する部分が少ない領域S1,S2に比較して大きい。
【0070】
また、この実施形態において領域S3,S4の角度βは、領域S1,S2の角度αに比較して大きい。仮想直線Y3,Y4の交差角は、同一の直線部23上に位置する交差点P5,P7の離間距離が短くなるほど、角度αが小さくなり、その角度αの減少分だけ角度βが大きくなる。
【0071】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0072】
この実施形態においても、直線溝27a,27bと、弧状溝28,29と、直線状溝30,31との各開裂、及び領域S1?S4の分断は、第1,第2の実施形態の作用で説明したように行われる。
【0073】
また、この実施形態の交差溝27のように、角度αに比較して角度βを大きくした場合には、角度αの減少に伴って、各直線溝27a,27bと直線状溝30,31とによって形成される角度γが大きくなる。これにより、直線溝27a,27bと直線状溝30,31との交点への応力集中が緩和される。一方で、角度αが減少すると、角度αを形成する部分が鋭くなることにより、ケース11の内側から加わる圧力は交差点X付近へ集中し易い。その結果、交差点X付近の溝を起点として開裂が始まり易くなる。
【0074】
因みに、角度βを角度α以下に設定した場合は、角度αの増加に伴って角度γは小さくなり、角度γを形成する部分が鋭くなる。これにより、ケース11の内側から加わる圧力は、直線溝27a,27bと直線状溝30,31との交点付近へ集中し易く、その交点付近の溝を起点として開裂が始まり易くなってしまう。
【0075】
したがって、本実施形態では、第1の実施形態の効果(1)?(7)及び第2の実施形態の効果(8),(9)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
【0076】
(11)交差溝27の交差角のうち、角度βを角度αに比較して大きくしている。このため、交差溝27の交差点X付近の溝を開裂が始まる位置として定めることができ、前記溝を起点として開裂が始まり易い。その結果、圧力開放弁20の開口形状や開口面積のばらつきを低減させることができる。
【0077】
(第5の実施形態)
以下、蓄電装置を具体化した第5の実施形態を図1及び図9にしたがって説明する。
【0078】
図1に示すように、圧力開放弁20を有するケース壁としての蓋体14は、長辺と短辺とを有する矩形状である。
【0079】
図9に示すように、圧力開放弁20は、直線部23,24の延びる方向が蓋体14の長辺方向に一致するように位置している。圧力開放弁20の弁体37はその表面21aに、第2の実施形態の弁体21と同様に、交差溝27と、弧状溝28,29と、直線状溝30,31と、を有しているとともに、これらの溝に加えて、直線部23,24の延びる方向に直線状に延びる直線溝38を有する。直線溝38は、交差溝27の交差点Xを通って延びている。また、直線溝38は、弧状溝28,29の端部まで延び、その長さは蓋体14の長辺方向に沿う圧力開放弁20の長さよりも僅かに短く、圧力開放弁20の全長とほぼ等しい長さを有する。
【0080】
弁体37の表面21aでは、直線溝27aと、直線溝27bと、直線溝38と、からなる3本の溝が交差している。そして、交差する3本の溝のうち、1本の直線溝38が蓋体14の長辺方向に延びている。
【0081】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0082】
この実施形態においても、直線溝27a,27bと、弧状溝28,29と、直線状溝30,31との各開裂、及び領域S1?S4の分断は、第1,第2の実施形態の作用で説明したように行われる。
【0083】
ケース11内の圧力は、弁体37の裏面21bが受圧面となることによって弁体37を外方に膨張させるように加わる。このとき、長辺と短辺を有する矩形状の蓋体14は、長辺方向と短辺方向とにおいて膨張に伴う変形曲率が異なり、この変形具合は弁体37にも同様に作用する。このため、この実施形態の弁体37では、変形曲率が小さい短辺方向に直交する長辺方向に沿わせて直線溝38が位置している。そして、直線溝38は、交差溝27の交差点Xを通るように延びている。これにより、ケース11の内側から加わる圧力は交差点X付近へ集中し易くなり、交差点X付近の溝を起点として開裂が始まり易くなる。
【0084】
したがって、本実施形態では、第1の実施形態の効果(1)?(7)及び第2の実施形態の効果(8),(9)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
【0085】
(12)交差溝27の交差点Xを通る直線溝38を加えることで、交差溝27の交差点X付近の溝を開裂が始まる位置として定めることができ、前記溝を起点として開裂が始まり易い。その結果、圧力開放弁20の開口形状や開口面積のばらつきを低減させることができる。
【0086】
(第6の実施形態)
以下、蓄電装置を具体化した第6の実施形態を図10?図12にしたがって説明する。
【0087】
図10に示すように、圧力開放弁20の弁体39はその表面21aに、第2の実施形態の弁体21と同様に、交差溝27と、弧状溝28,29と、直線状溝30,31と、を有する。一方、圧力開放弁20の弁体39の裏面21bは、溝40を有する。溝40は、当該溝40の中心部に向かって湾曲した4つの湾曲壁40a,40b,40c,40dで囲んだ形状である。溝40は、蓋体14の厚み方向において交差溝27の交差点Xと重なる位置に凹設されている。また、溝40は、交差溝27の交差点Xを含み、直線溝27a,27bの一部と重なる大きさを有する。これにより、溝40は、圧力開放弁20において交差溝27の交差点Xを含む領域の裏側に、圧力開放弁20の厚み方向において前記領域と重なる位置にある。
【0088】
図12に示すように、この実施形態の圧力開放弁20は、溝40の底と、溝40が重なる交差溝27の底との間に、薄膜部41を有する。薄膜部41は、溝40が重なっていない交差溝27の底と弁体39の裏面21bとの間の薄膜部42よりも、溝40の深さ分、薄くなっている。なお、薄膜部41及び薄膜部42は、弁体39の板厚43よりも薄い。
【0089】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0090】
この実施形態においても、直線溝27a,27bと、弧状溝28,29と、直線状溝30,31との各開裂、及び領域S1?S4の分断は、第1,第2の実施形態の作用で説明したように行われる。
【0091】
また、この実施形態の弁体39は、交差溝27の交差点Xを含み、溝40の底と重なる部位が薄膜部41によって最も薄くなっている。このため、ケース11の内側から加わる圧力は交差点X付近へ集中し易くなり、交差点X付近の溝を起点として開裂が始まり易くなる。
【0092】
したがって、本実施形態では、第1の実施形態の効果(1)?(7)及び第2の実施形態の効果(8),(9)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
【0093】
(13)弁体39の裏面21bの溝40により、交差溝27の交差点X付近の溝を開裂が始まる位置として定めることができ、前記溝を起点として開裂が始まり易い。その結果、圧力開放弁20の開口形状や開口面積のばらつきを低減させることができる。
【0094】
(第7の実施形態)
以下、蓄電装置を具体化した第7の実施形態を、図5にしたがって説明する。
【0095】
図5に示すように、圧力開放弁20の弁体21はその表面21aに、交差溝27と、弧状溝28,29と、連続溝としての直線状溝30,31と、を有する。弧状溝28の交差溝27とは反対側の端部同士、及び弧状溝29の交差溝27とは反対側の端部同士は離隔している。弁体21は、離隔した部分に、弧状溝離隔部50を有する。弧状溝離隔部50の断面積は、第1の領域である領域S3,S4の面積の0.0137倍以上となるように設定される。なお、弧状溝離隔部50の断面積は、前記端部同士を結ぶ仮想的な直線に沿った断面積でも良いし、前記端部同士を弧部25,26に沿って結ぶ仮想的な曲線に沿った断面積でも良い。
【0096】
また、直線状溝30及び直線状溝31の交差溝27とは反対側の端部同士は離隔している。弁体21は、離隔した部分に、連続溝離隔部としての直線状溝離隔部51を有する。直線状溝離隔部51の断面積は、第2の領域である領域S1,S2の面積の0.0137倍以上となるように設定される。直線状溝離隔部51の断面積は、前記端部同士を結んだ仮想的な直線に沿った断面積である。
【0097】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0098】
この実施形態においても、直線溝27a,27bと、弧状溝28,29と、直線状溝30,31との各開裂、及び領域S1?S4の分断は、第1,第2の実施形態の作用で説明したように行われる。
【0099】
したがって、本実施形態では、第1の実施形態の効果(1)?(7)及び第2の実施形態の効果(8),(9)に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
【0100】
(14)弧状溝離隔部50の断面積は、弧状溝離隔部50が短くなると断面積が小さくなり、領域S3,S4の周縁部において溝が形成されていない部分が小さくなる。この場合、ケース11内の圧力が上昇して、圧力開放弁20が開裂したときに、弁体21における領域S3,S4に相当する部分がケース11から飛散してしまう。そこで、弧状溝離隔部50の断面積が、領域S3,S4の面積の0.0137倍以上となるように弧状溝離隔部50が形成されている。すると、上記のように領域S3,S4に相当する部分が飛散することを抑止することができる。
【0101】
また、直線状溝離隔部51の断面積は、直線状溝離隔部51が短くなると断面積が小さくなり、領域S1,S2の周縁部において溝が形成されていない部分が小さくなる。この場合、ケース11内の圧力が上昇して、圧力開放弁20が開裂したときに、弁体21における領域S1,S2に相当する部分がケース11から飛散してしまう。そこで、直線状溝離隔部51の断面積が、領域S1,S2の面積の0.0137倍以上となるように直線状溝離隔部51が形成されている。すると、上記のように領域S1,S2に相当する部分が飛散することを抑止することができる。
【0102】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
【0103】
○ 図14(a)?図14(c)に示すように、直線溝27a,27bは、直線溝27a,27bに沿う仮想直線Y1,Y2が弧部25,26,33の周縁に交差するように設けられても良い。この場合、直線溝27a,27bの各端部は弧部25,26,33近傍に位置する。この場合でも、弧部25,26,33に接する部分が多い領域の面積が、弧部25,26,33に接する部分が少ない領域の面積よりも大きくなるように領域S1?S4が設けられる。この構成によれば、第1?第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、この別例は、第5,第6の実施形態においても、同様に適用できる。
【0104】
○ また、上記別例において、仮想直線Y1,Y2が弧部25,26,33に交差する位置を、各境界P1?P4からさらに離れてかつ弧部25,26,33に近付く位置とし、これらの仮想直線Y1,Y2に沿って直線溝27a,27bを設けても良い。この場合、仮想直線Y1,Y2は、直線溝27a,27bと同様に弧部25,26,33の周縁に交差する。なお、この場合には、弧部25,26,33に接する部分が多い領域の面積が、弧部25,26,33に接する部分が少ない領域の面積よりも大きくなるように領域S1?S4を設ける。この場合でも、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0105】
○ 直線溝27a,27bは、境界P1,P4、及び境界P2,P3をそれぞれ結ぶ仮想直線Y1,Y2線上に位置する場合に限らず、同一直線部23,24に位置する境界近傍の端部同士が近付く位置に位置していても良い。この別例を適用した場合の仮想直線Y1,Y2は、例えば図8に示すように、直線溝27a,27bに沿って延長され、直線部23,24と交差する。
【0106】
○ 圧力開放弁20の形状は弧部を有する形状であれば、他の形状に変更しても良い。圧力開放弁20の形状は、例えば、楕円形状でも良いし、円形状でも良い。また、圧力開放弁20の形状は、直線部23,24の第1端を弧部で繋ぎ、第2端を直線部で繋いだ形状でも良い。
【0107】
○ 交差溝27を、X字状に代えて、Y字状に変更しても良い。
【0108】
○ 弁体21,32,36,37,39において溝は、裏面に設けても良い。なお、第6の実施形態の場合、弁体39の裏面に交差溝27、弧状溝28,29及び直線状溝30,31などの溝を設けた場合、弁体39の表面21aに溝40を設ける。
【0109】
○ 各溝の断面形状を変更しても良い。
【0110】
○ ケース11の形状を変更しても良い。例えば、ケース11は円筒型でも良い。
【0111】
○ 圧力開放弁20をケース11とは別体部品とし、その圧力開放弁20をケース11に接合しても良い。接合は、溶接(例えばレーザ溶接)など任意の接合方法で行う。
【0112】
○ 電極組立体12は、積層型に限らず、帯状の正極電極と帯状の負極電極を捲回して層状に積層した捲回型でも良い。
【0113】
○ 二次電池10は、リチウムイオン二次電池であったが、これに限らず、他の二次電池であっても良い。二次電池10は、要は、正極活物質層と負極活物質層との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであれば良い。また、上記各実施形態は、蓄電装置としてキャパシタに適用しても良い。
【0114】
○ 二次電池10は、車両電源装置として自動車に搭載しても良いし、産業用車両に搭載しても良い。また、上記各実施形態は、定置用の蓄電装置に適用しても良い。
【0115】
○ 第3の実施形態において、弁体32の表面32aに設ける溝を交差溝27と弧状溝29,35としても良い。
【0116】
○ 第4の実施形態において、弁体36の形状を、交差点P5,P7を繋ぐ直線部と、交差点P6,P8を繋ぐ直線部と、交差点P5,P8を繋ぐ弧部と、交差点P6,P7を繋ぐ弧部と、を有するオーバルトラック形状としても良い。この場合でも、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0117】
○ 第5の実施形態において、交差溝27に交差する溝の本数を変更しても良い。例えば、2本の直線溝38を交差させても良い。また、直線溝38が複数である場合には、少なくとも1本の直線溝38が蓋体14の長辺方向に延びていることが好ましいが、全ての直線溝38が長辺方向に対して交差する方向に延びていても良い。この場合でも、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0118】
○ 第5の実施形態において、直線溝38の長さを変更しても良い。直線溝38は、実施形態の直線溝38に比較して短くても良い。また、直線溝38は、領域S3,S4のうち、何れか一方の領域のみに延びる溝でも良い。例えば、直線溝38は、領域S3のみに延びる溝でも良い。
【0119】
○ 図13(a)及び図13(b)に示すように、第6の実施形態における溝40の形状を変更しても良い。図13(a)は、溝40を円形とした例を示し、図13(b)は、溝40を楕円形とした例を示している。溝40は、交差溝27の交差点Xと重なる位置にあり、溝40の底と交差溝27の底との間に薄膜部41が位置すれば、その形状は任意に変更することができる。この場合でも、実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0120】
○ 第4の実施形態における交差溝27の角度α,βの関係は、直線状溝30,31を有さない第1の実施形態の弁体21における交差溝27に適用しても良いし、第3の実施形態の弁体32における交差溝27に適用しても良い。同様に、交差溝27の角度α,βの関係は、第5,第6の実施形態に適用しても良い。
【0121】
○ 第5の実施形態における直線溝38は、直線状溝30,31を有さない第1の実施形態の弁体21における交差溝27に適用しても良いし、第3の実施形態の弁体32における交差溝27に適用しても良い。同様に、直線溝38は、第5,第6の実施形態に適用しても良い。
【0122】
○ 第6の実施形態における溝40は、直線状溝30,31を有さない第1の実施形態の弁体21に適用しても良いし、第3の実施形態の弁体32に適用しても良い。同様に、溝40は、第5,第6の実施形態に適用しても良い。
【0123】
○ 直線状溝30,31は、必ずしも全部分が直線状でなくても良い。直線状溝30,31は、交差溝27と弧状溝28,29とに連続し、一部が弁体の直線部23,24に沿うものであれば良い。
【0124】
○ 第7の実施形態における弧状溝離隔部50と直線状溝離隔部51とは、弧状溝28,29や直線状溝30,31を有する弁体を開示する他の実施形態や図14に示す別例においても同様に適用することができる。例えば、第1の実施形態において弧部25に沿う弧状溝28の間と弧部26に沿う弧状溝29の間とのそれぞれに弧状溝離隔部50を設けても良い。また、第2,第4,第5,第6の実施形態において、第7の実施形態と同様に弧状溝離隔部50と直線状溝離隔部51とを設けても良い。また、第3の実施形態において弧部26に沿う弧状溝29の間と弧部33に沿う弧状溝35の間とのそれぞれに弧状溝離隔部50を有し、直線状溝30,31の間に直線状溝離隔部51を有しても良い。
【0125】
○ 図14(b)の2-2線、及び3-3線に示す部位のように蓋体14と弁体21とが繋がる部分を、図15(a),(b)に示すようにテーパ状に繋げても良い。蓋体14と弁体21とが繋がる部分には、テーパ部55,56が位置しており、弁体21の周縁に直接繋がっている。テーパ部55,56は、傾斜面55a,56aと、傾斜面55a,56aに連接される弁体21の表面21aとの角度θが鈍角となるように傾斜している。これにより、蓋体14と弁体21は、直角の状態で繋がらず、滑らかに繋がる。このように蓋体14と弁体21とが繋がる部分にテーパ部55,56を介在させることにより、弁体21の周縁の強度を増すことができる。
【0126】
また、図15(a)に示すように、離隔部としての弧状溝離隔部50及び直線状溝離隔部51に繋がる部分のテーパ部55の角度θを、図15(b)に示すように、他の部位に繋がる部分のテーパ部56の角度θよりも大きくすることで、弧状溝離隔部50及び直線状溝離隔部51が位置する弁体21の周縁の強度をさらに増すことができる。図15(b)に示す他の部位とは、溝としての弧状溝28,29及び直線状溝30,31が弁体21の周縁に沿って位置している部位である。弧状溝離隔部50は、第7の実施形態で説明したように、複数の弧状溝28,29のうち、隣り合う弧状溝28,29における交差溝27と反対側の端部同士が離間した部分である。直線状溝離隔部51は、第7の実施形態で説明したように、複数の直線状溝30,31のうち、隣り合う直線状溝30,31における交差溝27と反対側の端部同士が離間した部分である。つまり、弧状溝離隔部50及び直線状溝離隔部51は、何れも、弧状溝28,29や直線状溝30,31が位置していない部分である。
【0127】
圧力開放弁20が開裂した際には、弧状溝離隔部50及び直線状溝離隔部51によって弁体21の破片が蓋体14に繋がっている状態を維持させようとするが、テーパ部55を介在させて強度を増すことで、弁体21の破片の破断をより確実に抑止できる。つまり、圧力開放弁20の開裂に伴って弁体21の破片が飛散することを防止できる。
【0128】
○ 図14(b)の2-2線、及び3-3線に示す部位のように蓋体14と弁体21とが繋がる部分を、図16(a),(b)に示すように弧状に繋げても良い。この場合、蓋体14と弁体21とが繋がる部分には、前述した別例におけるテーパ部55,56に代えてアール部57,58が位置しており、弁体21の周縁に直接繋がっている。アール部57,58は、蓋体14に向かって凹むように湾曲している。これにより、蓋体14と弁体21は、直角の状態で繋がらず、滑らかに繋がる。また、図16(a)に示すように、離隔部としての弧状溝離隔部50及び直線状溝離隔部51に繋がる部分のアール部57の曲率半径を、図16(b)に示すように、他の部位に繋がる部分のアール部58の曲率半径よりも大きくすることもできる。このように蓋体14と弁体21とが繋がる部分にアール部57,58を設ければ、前述した別例でテーパ部55,56を設けた場合と同様の効果を得られる。
【0129】
○ 前述したテーパ部55,56及びアール部57,58は、第1?第7の実施形態の構成や、その他の別例の構成に適用しても良い。
【0130】
また、テーパ部55とテーパ部56は同一構成でも良い。また、アール部57とアール部58は同一構成でも良い。さらに、テーパ部55,56や、アール部57,58は、弁体21の全周縁に位置する場合に限らず、一部分の周縁のみに位置していても良い。具体的には、弧状溝離隔部50や直線状溝離隔部51が位置する周縁のみに設けられていても良い。
○ 弁体21は、蓋体14の表面を凹ませた凹部の底に位置していても良いし、蓋体14の裏面を凹ませた凹部の底に位置していても良い。また、蓋体14の表面及び裏面のそれぞれを凹ませた各凹部の底の間に位置していても良い。そして、前述したテーパ部55,56又はアール部57,58は、凹部の角部に位置することにより、蓋体14と弁体21とが繋がる部分に介在される。蓋体14の表面は、ケース本体13に蓋体14を接合した場合にケース11の外面となる面である。蓋体14の裏面は、ケース本体13に蓋体14を接合した場合にケース11の内面となる面である。
【符号の説明】
【0131】
10…二次電池、11…ケース、12…電極組立体、14…蓋体、20…圧力開放弁、21,32,36,37,39…弁体、21a,32a…表面、21b,32b…裏面、23,24…直線部、25,26,33…弧部、27…交差溝、27a,27b…直線溝、28,29,35…弧状溝、38…直線溝、40…溝、50…弧状溝離隔部、51…直線状溝離隔部、α,β…角度、S1?S4…領域、P1?P4…境界、Y1?Y4…仮想直線、X…交差点。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体が収容されたケースと、
前記ケースに設けられ、当該ケース内の圧力をケース外に開放させる圧力開放弁とを有し、
前記圧力開放弁は、
前記圧力開放弁の周縁の一部を構成する弧部と、
互いに交差する2本の直線溝を含む交差溝と、
前記交差溝の端部に繋がるとともに前記弧部に沿う複数の弧状溝とを有し、
前記交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第2の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第1の領域とが想定され、前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成され、
前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい蓄電装置。
【請求項2】
前記圧力開放弁の周縁は、平行な直線部を前記弧部で繋いだオーバルトラック形状である請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記仮想直線によって形成される前記第1の領域における角度は、前記仮想直線によって形成される前記第2の領域における角度に比較して大きい請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記交差溝には、前記交差溝の交差点を通って延びる少なくとも1本の溝がさらに交差している請求項1?請求項3のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記ケースはケース壁を有し、前記ケース壁は、長辺と短辺とを有する矩形状であり、
前記交差溝に交差する前記少なくとも1本の溝は前記ケース壁の長辺方向に延びている請求項4に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記圧力開放弁は、前記交差溝の交差点を含む領域の裏側に、前記圧力開放弁の厚み方向において前記領域と重なる位置に溝を有する請求項1?請求項5のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記圧力開放弁は、前記複数の弧状溝のうち隣り合う弧状溝における前記交差溝とは反対側の端部同士が離隔した部分に弧状溝離隔部を有し、
前記弧状溝離隔部の断面積は、前記第1の領域の面積の0.0137倍以上である請求項1?請求項6のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記圧力開放弁は、
前記第2の領域の周縁に沿い、かつ前記弧状溝、及び前記交差溝にそれぞれ連続する複数の連続溝と、
該複数の連続溝のうち隣り合う連続溝の前記交差溝とは反対側の端部同士が離隔した部分に連続溝離隔部と、を有し、
前記連続溝離隔部の断面積は、前記第2の領域の面積の0.0137倍以上である請求項1?請求項7のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記圧力開放弁は、
前記ケースの板厚よりも薄い弁体と、
前記交差溝に繋がる複数の溝と、
前記複数の溝のうち隣り合う溝における前記交差溝と反対側の端部同士が離間した部分に離隔部と、を有し、
前記ケースと前記弁体とが繋がる部分のうち少なくとも前記離隔部に繋がる部分に、テーパ部又はアール部を有し、
前記テーパ部又は前記アール部が前記弁体に繋がっている請求項1?請求項8のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項10】
前記蓄電装置は、二次電池である請求項1?請求項9のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項11】
前記圧力開放弁はその表面に前記交差溝と前記弧状溝とを有する請求項1?請求項10のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
【請求項12】
前記ケースはケース壁を有し、前記ケース壁は、前記ケースの外側に位置する表面と前記ケースの内側に位置する裏面とを有し、前記ケース壁の裏面には、前記ケース壁の厚み方向において前記交差溝の交差点と重なる位置に溝を有する請求項1?請求項4のうち何れか一項に記載の蓄電装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-02-20 
結審通知日 2017-02-22 
審決日 2017-03-14 
出願番号 特願2014-545701(P2014-545701)
審決分類 P 1 41・ 841- Y (H01M)
P 1 41・ 853- Y (H01M)
P 1 41・ 855- Y (H01M)
P 1 41・ 854- Y (H01M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 守安 太郎  
特許庁審判長 池渕 立
特許庁審判官 河本 充雄
土屋 知久
登録日 2016-09-30 
登録番号 特許第6011635号(P6011635)
発明の名称 蓄電装置  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 博宣  
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