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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1327287
審判番号 不服2015-22190  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-16 
確定日 2017-04-12 
事件の表示 特願2012-522758「3次元映像の再生のための付加情報が挿入された3次元映像データストリーム生成方法及びその装置、3次元映像の再生のための付加情報が挿入された3次元映像データストリーム受信方法及びその装置」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 2月 3日国際公開、WO2011/013995、平成25年 1月 7日国内公表、特表2013-500673〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2010年7月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2009年7月27日、韓国)を国際出願日とする出願であって、平成26年1月30日付けの拒絶理由通知に対し、平成26年5月12日付けで手続補正がなされ、平成26年11月19日付けの最後の拒絶理由通知に対し、平成27年2月24日付けで手続補正がなされたが、平成27年8月12日付けで、平成27年2月24日付けの手続補正が却下されるとともに、拒絶査定がなされたものである。
本件は、上記拒絶査定を不服として、平成27年12月16日付けで請求された拒絶査定不服審判であって、請求と同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成27年12月16日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成27年12月16日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容

上記手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件補正前の平成26年5月12日付け手続補正書(平成27年2月24日付けの手続補正はすでに却下されている。)の特許請求の範囲の請求項1?15を、請求項1?11に補正するものであるところ、そのうちの請求項10に記載された、

「3次元映像データの符号化されたビット列を含む基礎ストリームを生成するステップと、
前記基礎ストリームをパケット化して、少なくとも一つの基礎ストリームパケットを生成するステップと、
前記3次元映像データのサービス関連情報を含むPSIP情報を生成するステップと、
EIT及びVCTを含む前記PSIP情報内に、前記3次元映像の再生に必要な3次元映像再生情報を挿入するステップと、
前記PSIP情報及び前記少なくとも一つの基礎ストリームパケットのうち、それぞれについての少なくとも一つの伝送ストリームパケットを生成するステップと、
前記生成された伝送ストリームパケットを多重化して、伝送ストリームを生成するステップと、を含むことを特徴とする3次元映像データストリーム生成方法。」

という発明を、平成27年12月16日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項6に記載された、

「3次元映像データの符号化されたビット列を含む基礎ストリームを生成するステップと、
前記基礎ストリームをパケット化して、少なくとも一つの基礎ストリームパケットを生成するステップと、
前記3次元映像データのサービス関連情報を含むPSIP情報を生成するステップと、
EIT及びVCTを含む前記PSIP情報内に、前記3次元映像の再生に必要な3次元映像再生情報を挿入するステップと、
前記PSIP情報及び前記少なくとも一つの基礎ストリームパケットのうち、それぞれについての少なくとも一つの伝送ストリームパケットを生成するステップと、
前記生成された伝送ストリームパケットを多重化して、伝送ストリームを生成するステップと、を含み、
前記3次元映像再生情報を挿入するステップは、
前記3次元映像再生情報を含む少なくとも一つの3次元映像再生記述子を生成するステップと、
前記PSIP情報の記述子領域に、前記3次元映像再生記述子を挿入するステップと、
を含み、
前記3次元映像再生記述子は、前記3次元映像の円滑な再生のための基礎情報及び付加情報を含み、
前記3次元映像再生記述子は、全体の映像データのうち、3次元に再生される時間的区間または空間的区間を表す区間3次元再生記述子、前記3次元映像を獲得したカメラに関する3次元カメラ記述子、前記3次元映像の再生により発生する視聴違和感を緩和するための低疲労度記述子、及び左視点映像及び右視点映像の不一致状態を表す左右不一致記述子のうち少なくとも一つを付加情報として含み、
前記付加情報は、該付加情報が定義されているか否かを示す指示子を含むことを特徴とする3次元映像データストリーム生成方法。」

という発明に補正することを含むものである。(下線は、補正箇所を示す。)

2.新規事項の有無、単一性、補正の目的について

本件補正は、平成26年5月12日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項10に記載された、「3次元映像再生情報を挿入するステップ」に関して、
「前記3次元映像再生情報を挿入するステップは、
前記3次元映像再生情報を含む少なくとも一つの3次元映像再生記述子を生成するステップと、
前記PSIP情報の記述子領域に、前記3次元映像再生記述子を挿入するステップと、
を含み、
前記3次元映像再生記述子は、前記3次元映像の円滑な再生のための基礎情報及び付加情報を含み、
前記3次元映像再生記述子は、全体の映像データのうち、3次元に再生される時間的区間または空間的区間を表す区間3次元再生記述子、前記3次元映像を獲得したカメラに関する3次元カメラ記述子、前記3次元映像の再生により発生する視聴違和感を緩和するための低疲労度記述子、及び左視点映像及び右視点映像の不一致状態を表す左右不一致記述子のうち少なくとも一つを付加情報として含み、
前記付加情報は、該付加情報が定義されているか否かを示す指示子を含む」ことを追加するものであり、これは、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明とは発明の単一性の要件を満たすものである。
また、「3次元映像再生情報を挿入するステップ」を限定して、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項、第4項、第5項第2号の規定に適合するものである。

3.独立特許要件について

本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、上記補正後の発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかどうかについて以下に検討する。

(1)補正後発明

補正後の請求項6に係る発明(以下、「補正後発明」という。)は、上記の本件補正後の特許請求の範囲の請求項6に記載された次のとおりのものと認める。
なお、A?Gについては、説明のために当審にて付したものである。
(以下、「構成A」、・・・、「構成G」という。)

「A 3次元映像データの符号化されたビット列を含む基礎ストリームを生成するステップと、
B 前記基礎ストリームをパケット化して、少なくとも一つの基礎ストリームパケットを生成するステップと、
C 前記3次元映像データのサービス関連情報を含むPSIP情報を生成するステップと、
D EIT及びVCTを含む前記PSIP情報内に、前記3次元映像の再生に必要な3次元映像再生情報を挿入するステップと、
E 前記PSIP情報及び前記少なくとも一つの基礎ストリームパケットのうち、それぞれについての少なくとも一つの伝送ストリームパケットを生成するステップと、
F 前記生成された伝送ストリームパケットを多重化して、伝送ストリームを生成するステップと、を含み、
D-1 前記3次元映像再生情報を挿入するステップは、
D-2 前記3次元映像再生情報を含む少なくとも一つの3次元映像再生記述子を生成するステップと、
D-3 前記PSIP情報の記述子領域に、前記3次元映像再生記述子を挿入するステップと、
を含み、
D-4 前記3次元映像再生記述子は、前記3次元映像の円滑な再生のための基礎情報及び付加情報を含み、
D-5 前記3次元映像再生記述子は、全体の映像データのうち、3次元に再生される時間的区間または空間的区間を表す区間3次元再生記述子、前記3次元映像を獲得したカメラに関する3次元カメラ記述子、前記3次元映像の再生により発生する視聴違和感を緩和するための低疲労度記述子、及び左視点映像及び右視点映像の不一致状態を表す左右不一致記述子のうち少なくとも一つを付加情報として含み、
D-6 前記付加情報は、該付加情報が定義されているか否かを示す指示子を含む
G ことを特徴とする3次元映像データストリーム生成方法。」

(2)引用発明
原審の拒絶理由に引用された、特開2005-6114号公報(以下、「引用文献1」という。)には、「放送データ送信装置、放送データ送信方法および放送データ受信装置」として図面とともに以下の事項が記載されている。
なお、下線は、当審にて付したものである。

ア「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタル放送技術に関し、特に立体視を行うことのできる3次元画像データを含む放送データを送信する放送データ送信装置、および3次元画像データを含む放送データを受信するための放送データ受信装置等に関する。」

イ「【0021】
また本発明は、画像データを含むコンテンツを放送データとして送信する放送データ送信方法であって、前記コンテンツを再生するために使用される情報を、少なくとも1つ以上含んで構成される番組配列情報を作成する番組配列情報作成ステップを持ち、前記番組配列情報作成ステップは、前記コンテンツに含まれる3次元画像データの表示を制御する3次元制御情報のうち、3次元画像データごとに固有の値を持つ第1の3次元制御情報を含めて第1の情報を作成する第1の番組配列情報作成ステップを持つことを特徴とする。」

ウ「【0047】
画像多重方式とは、3D画像を構成する各視点画像がどのように配置されているかを示す情報である。本実施形態では、画像多重方式として、統合方式、時分割方式、マルチストリーム方式の3つを用いる。ここで、画像多重方式について、図14を用いて説明する。図14は、2視点の場合の画像多重方式を説明するための模式図である。図14(A)に示すように、3D画像の画像多重に用いられる各視点のビデオデータは、複数のフレームから構成され、それぞれ独立した系列であるものとする。
【0048】
統合方式とは、図14(B)に示すように、各視点画像をフレーム毎に隣接させて伝送する方式である。時分割方式とは、図14(C)に示すように、フレーム周期で左眼画像と右眼画像を交互に切り替えて伝送する方式である。ここで伝送される右眼画像のフレームは、先に送られる左眼画像のフレームと同じ時間のものである。この例では左眼画像を先に伝送しているが、右眼画像が先であってもよい。マルチストリーム方式とは、図14(A)に示す左眼画像と右眼画像のビデオデータを、それぞれ別のデータ列として伝送する方式である。
なお、走査方式がインターレースの場合には、上記のフレームをフィールドで置き換えてもよい。
また、それぞれの画像多重方式は視点数が3以上であっても適用できる。
【0049】
<第1の実施形態>
本発明における第1の実施形態について説明する。第1の実施形態による送信装置は、3Dコンテンツを送信する際、3Dコンテンツに含まれる3D画像の3D画像制御情報を、番組配列情報に格納して送信するものである。その際、図11に示すように、3D画像制御情報の中でも、同じチャンネル内に含まれる3Dコンテンツで共通であり、頻繁に更新されない情報(以下、3D共通情報とする)をPMTに格納し、3Dコンテンツ毎に固有であり、頻繁に更新される情報(以下、3D固有情報とする)をEITに格納し、3Dコンテンツと多重して繰り返し送信する。PMTやEITは、例えば約1秒に1回の割合で送信するというように、それぞれある一定の時間毎に送信してもよいし、また、例えばビデオデータのキーフレームを送信する時にPMTやEITも送信するというように、送信するビデオデータを構成するフレームの種別と同期させて送信してもよい。3D共通情報と3D固有情報の詳細については後述する。また、本実施形態の受信装置は、番組配列情報に格納されている3D共通情報と3D固有情報をもとに、3D画像の立体表示を行う。」
【0050】
はじめに、本実施形態による放送データ送信装置の詳細について説明する。図1は本実施形態による放送データ送信装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、放送データ送信装置100は、番組配列情報作成手段101と、多重化手段102と、伝送路符号化手段103から構成される。
【0051】
番組配列情報作成手段101は、3D画像制御情報を含むPMTやEITなどの番組配列情報を作成する。番組配列情報作成手段101の詳細については後述する。
【0052】
多重化手段102は、番組配列情報作成手段101で作成された番組配列情報と、MPEG(Moving Picture Experts Group)-1、MPEG-2、MPEG-4などを含むビデオデータと、AAC(Advanced Audio Coding)、MP3(MPeg audio layer3)、WMA(Windows(R) Media Audio)などを含むオーディオデータと、JPEG(Joint Picture Experts Group)、PNG(Portable Network Graphics)、BML(Broadcast Markup Language)などを含むデータ放送用データなどを、それぞれTS(Transport Stream)パケットに格納して多重化をする。
伝送路符号化手段103は、TSパケットを既定の変調方式に従って符号化し、放送データとして送信する。
【0053】
ここで、番組配列情報作成手段101の詳細について説明する。図2は番組配列情報作成手段101の構成例を示すブロック図である。番組配列情報作成手段101は、PMTを作成するPMT作成手段200と、EITを作成するEIT作成手段201を含む構成となっている。
【0054】
まず、PMT作成手段200について説明する。PMT作成手段200には、チャンネルを構成するビデオデータやオーディオデータなどのストリームを、放送データの中から分離するためのPIDを含むストリーム情報が入力される。ストリーム情報が、3D画像を含む、または3D画像を構成するビデオデータに関するストリーム情報の場合、ストリーム情報の他に3D共通情報が入力される。3D共通情報は、3D画像制御情報の中で、同じチャンネル内に含まれる3Dコンテンツで共通の情報である。3D共通情報に含まれる情報の例として、視点数情報や画像多重方式情報、強制2Dフラグ情報などが挙げられる。」

エ「【0056】
次に、PMT作成手段200が作成するPMTの構成例を図5に示す。
図5(A)のPMTは、PMTを識別するPMT識別子500と、PMTのバージョン番号を含むPMT制御情報501と、チャンネルを構成するストリームを識別するPIDを含むストリーム情報502、504と、各ストリーム情報の拡張情報を格納する記述子503、505を含む構成となっている。
【0057】
図5(A)において、ストリーム情報502が、3D画像を含む、または3D画像を構成するビデオデータに関するストリーム情報であるとすると、ストリーム情報502に続く記述子503に3D共通情報記述子を格納する。
【0058】
図5(B)に3D共通情報記述子の構成例を示す。3D共通情報記述子は、3D画像制御情報を含む記述子であることを識別する3D識別子506と、3D共通情報記述子を識別する3D共通情報識別子507と、前述した視点数情報508および画像多重方式情報509、強制2Dフラグ情報510と、付加情報511を含む構成となっている。付加情報511については後に説明する。
【0059】
続いて、図5のPMTを作成する際のPMT作成手段200の動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。
まず、作成する番組配列情報がPMTであることを示すPMT識別子を作成し(ステップS300)、続いてPMTのバージョン番号を含むPMT制御情報を作成する(ステップS301)。次に、コンテンツを構成するビデオデータやオーディオデータなどのストリーム毎に、PIDを含むストリーム情報を作成する(ステップS302)。次に、ストリームがビデオデータかどうかを判定し(ステップS303)、ビデオデータである場合は、3D共通情報を格納する3D共通情報記述子を作成する(ステップS304)。全てのストリーム情報が完成するまで以上の動作を繰り返し、全てのストリーム情報が完成するとPMTの作成を終了する(ステップS305)。なお、画像多重方式がマルチストリームの場合は、3D画像を構成する各ビデオデータごとにストリーム情報と3D共通情報記述子を作成する。」

オ「【0068】
次に、EIT作成手段201について説明する。EIT作成手段201には、コンテンツの放送時間帯を示す番組時間情報を含む番組情報が入力される。また、番組に3D画像が含まれている場合、番組情報の他に、3D固有情報が入力される。3D固有情報は、3D画像制御情報の中で、3Dコンテンツ毎に固有の情報である。3D固有情報に含まれる情報の例として、2D表示画像情報や視差量調整情報、3Dシーン時間情報などが挙げられる。
【0069】
2D表示画像情報は、受信装置において3D画像を2D表示する際に選択すべき視点の画像を示す情報である。
また、視差量調整情報は、3D画像を立体表示した時の飛び出し具合の程度の調整値を示す情報である。
【0070】
また、3Dシーン時間情報は、ビデオデータが3Dシーンと2Dシーンで構成されている場合に、3Dシーンの時間帯を指定する情報である。図6に示すように、3Dシーン時間情報は、3Dシーンデータが始まる時刻を示す3Dシーン開始時刻と、3Dシーン開始時刻から3Dシーンが継続する時間を示す3Dシーン継続時間を含む構成となっている。ビデオデータの中に3Dシーンが複数含まれている場合は、3Dシーンの数だけ3Dシーン開始時刻と3Dシーン継続時間を格納する。
【0071】
また、ビデオデータの中に含まれる3Dシーンの数を3Dシーン時間情報に格納してもよい。また、3Dシーン継続時間の代わりに、3Dシーンが終了する時刻を示す3Dシーン終了時刻を用いてもよい。また、ビデオデータの中に、2Dビデオデータが含まれず、3Dシーンだけで構成される場合は、3Dシーン時間情報はなくてもよい。また、3D固有情報の中に、3Dシーン時間情報を含むかどうかを示すフラグを格納してもよい。また、3Dシーン時間情報の代わりに、2Dシーンが始まる時刻を示す2Dシーン開始時刻と、2Dシーン開始時刻から2Dシーンが継続する時間を示す2Dシーン継続時間を含む、2Dシーン時間情報を用いてもよい。
【0072】
次に、EIT作成手段201が作成するEITの構成例を図9に示す。図9(A)のEITは、EITを識別するEIT識別子900と、EITのバージョン番号を含むEIT制御情報901と、チャンネルに含まれるコンテンツの放送時間帯を記述した番組時間情報を含む番組情報902、904と、各番組情報の拡張情報を格納する記述子903、905を含む構成となっている。
【0073】
図9(A)において、番組情報902が3Dシーンを含む番組に関する情報であるとすると、番組情報902に続く記述子903に3D固有情報記述子を格納する。
【0074】
図9(B)に3D固有情報記述子の構成を示す。3D固有情報記述子は、3D画像制御情報を含む記述子であることを識別する3D識別子906と、3D固有情報記述子を識別する3D固有情報識別子907と、前述した2D表示画像情報908、視差量調整情報909、3Dシーン時間情報910を含む構成となっている。
【0075】
続いて、図9のEITを作成する際のEIT作成手段201の動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、どの番組の番組情報を作成してEITに格納するかを指定する(ステップS700)。例えば、全番組の番組情報の作成を指定したり、ある1つの番組のみの番組情報の作成を指定することができる。次に、作成する番組配列情報がEITであることを示すEIT識別子を作成し(ステップS701)、続いてEITのバージョン番号を含むEIT制御情報を作成する(ステップS702)。
【0076】
次に、番組毎に番組時間情報を含む番組情報を作成する(ステップS703)。次いで、番組が3Dコンテンツかどうかを判定し(ステップS704)、3Dコンテンツである場合は3D固有情報を格納する3D固有情報記述子を作成する(ステップS705)。ステップS700において指定された番組の番組情報が完成するまで以上の動作を繰り返し、完成するとEITの作成を終了する(ステップS706)。」

カ「【0080】
以上説明したように、PMT作成手段200で作成された3D共通情報を含むPMTと、EIT作成手段201で作成された3D固有情報を含むEITと、PMTとEIT以外の番組配列情報は、多重化手段102でTSパケットに変換され、ビデオデータやオーディオデータなどのTSパケットと多重化される。多重化されたTSパケットは、伝送路符号化手段103で変調方式に従って符号化され、放送データとして送信される。
【0081】
なお、上記の実施形態では、3D共通情報をPMTに格納し、3D固有情報をEITに格納しているが、3D共通情報と3D固有情報をPMTもしくはEITにまとめて格納してもよし、PMTとEIT以外の番組配列情報に格納してもよい。その際、3D共通情報と3D固有情報をまとめて同じ記述子に格納してもよい。」

キ「【0117】
ビデオデータをTSパケットにする際は、符号化により得られるビット列を所定の処理単位で分割してPES(Packetized Elementary Stream)パケットに格納し、さらに前記パケットを所定のサイズのTSパケットに分割する。したがって、フラグ情報をPESパケットのヘッダ部や、TSパケットのヘッダ部に記録してもよいし、符号化後のビット列の所定位置に格納するようにしてもよい。例えばMPEG-4の場合には、VOL(Video Object Layer)内のユーザデータに格納する。」

上記ア?キの記載及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮し、引用文献1について検討する。

(a)引用文献1には、上記ア、イに記載があるように、3次元画像データを含むコンテンツを放送データとして送信する放送データ送信方法についての記載がある。
ここで、3次元画像データを含むコンテンツを放送データとして送信するためには、3次元画像データを含むコンテンツから放送データを生成する必要があるから、引用文献1には、3次元画像データを含むコンテンツから放送データを生成する方法についての記載があるといえる。

(b)上記ウ、キの記載から、引用文献1の3次元画像データを含むコンテンツから放送データを生成する方法は、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4などを含むビデオデータの符号化により得られるビット列を所定の処理単位で分割してPESパケットに格納するものである。

(c)上記ウには、3D画像制御情報のうち、3D共通情報をPMTに格納し、3D固有情報をEITに格納すること、3D共通情報と3D固有情報をもとに、3D画像の立体表示を行うことが記載されている。
また、上記カには、3D共通情報と3D固有情報をEITにまとめて格納してもよいことが記載されている。
すなわち、上記ウ、カの記載から、引用文献1の3次元画像データを含むコンテンツから放送データを生成する方法は、EITに、3D画像の立体表示を行うための3D共通情報と3D固有情報からなる3D画像制御情報を格納するものである。

(d)上記ウ、カ、キの記載から、引用文献1の3次元画像データを含むコンテンツから放送データを生成する方法は、EITをTSパケットに変換し、ビデオデータのPESパケットを分割したTSパケットと多重化し、多重化したTSパケットを放送データとするものである。

(e)上記エには、3D共通情報を格納する3D共通情報記述子を作成すること、PMTにおける各ストリーム情報の拡張情報を格納する記述子に、3D共通情報記述子を格納することが記載され、上記カには、3D固有情報を格納する3D固有情報記述子を作成すること、EITにおける各番組情報の拡張情報を格納する記述子に、3D固有情報記述子を格納することが記載されている。
また、上記カには、3D共通情報と3D固有情報をEITにまとめて格納してもよく、その際に、3D共通情報と3D固有情報をまとめて同じ記述子に格納してもよいことが記載されている。

すなわち、3D共通情報と3D固有情報をEITにまとめて格納した場合には、3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する記述子を作成するものであり、EITにおける各番組情報の拡張情報を格納する記述子に、作成された3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する記述子を格納するものといえる。

そうすると、引用文献1の3次元画像データを含むコンテンツから放送データを生成する方法において、3D画像制御情報を格納する際には、3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する記述子を作成し、EITにおける各番組情報の拡張情報を格納する記述子に、作成された3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する記述子を格納するものである。

(f)上記オの記載から、引用文献1の3次元画像データを含むコンテンツから放送データを生成する方法において、3D画像制御情報を格納する際には、3Dシーンデータが始まる時刻を示す3Dシーン開始時刻と、3Dシーン開始時刻から3Dシーンが継続する時間を示す3Dシーン継続時間を含む構成である3Dシーン時間情報を3D固有情報として含むものである。

(g)上記オの記載から、引用文献1の3次元画像データを含むコンテンツから放送データを生成する方法において、3D画像制御情報を格納する際には、3D固有情報の中に、3Dシーン時間情報を含むかどうかを示すフラグを格納するものである。

(h)引用文献1に記載された発明を、上記(a)のように方法の発明として捉えると、上記(b)?(e)の構成は、それぞれが方法の発明の各ステップとして捉えることができる。

そうすると、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されている。
なお、a?dについては、説明のために当審にて付したものである。
(以下、「構成a」、・・・、「構成d」という。)

「a MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4などを含むビデオデータの符号化により得られるビット列を所定の処理単位で分割してPESパケットに格納するステップと、
b EITに、3D画像の立体表示を行うための3D共通情報と3D固有情報からなる3D画像制御情報を格納するステップと、
c EITをTSパケットに変換し、ビデオデータのPESパケットを分割したTSパケットと多重化し、多重化したTSパケットを放送データとするステップを含み、
b-1 3D画像制御情報を格納するステップは、
b-2 3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する記述子を作成するステップと、
b-3 EITにおける各番組情報の拡張情報を格納する記述子に、作成された3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する記述子を格納するステップと、を含み、
b-4 3Dシーンデータが始まる時刻を示す3Dシーン開始時刻と、3Dシーン開始時刻から3Dシーンが継続する時間を示す3Dシーン継続時間を含む構成である3Dシーン時間情報を3D固有情報として含み、
b-5 3D固有情報の中に、3Dシーン時間情報を含むかどうかを示すフラグを格納する
d ことを特徴とする3次元画像データを含むコンテンツから放送データを生成する方法。」

(3)補正後発明と引用発明との対比と一致点・相違点の認定

ア 対比

(ア-1)引用発明の構成aと補正後発明の構成A及びBについて
MPEGシステムでは、ビデオデータを符号化することにより、エレメンタリーストリームを生成し、該エレメンタリーストリームからPESパケットを生成するものであるから、引用発明の構成aの「ビデオデータの符号化により得られるビット列」は、『ビデオデータの符号化により得られるビット列を含むエレメンタリーストリーム』であり、引用発明の構成aは、『ビデオデータの符号化により得られるビット列を含むエレメンタリーストリームを生成するステップ、該エレメンタリーストリームを所定の処理単位で分割して、PESパケットを生成するステップ』といえる。
そして、引用発明の『ビデオデータ』は、3次元画像のビデオデータであるから、補正後発明の「3次元映像データ」に相当し、引用発明の『エレメンタリーストリーム』、『所定の処理単位で分割』、『PESパケット』は、補正後発明の「基礎ストリーム」、「パケット化」、「基礎ストリームパケット」に相当する。
そうすると、上記の『ビデオデータの符号化により得られるビット列を含むエレメンタリーストリームを生成するステップ、該エレメンタリーストリームを所定の処理単位で分割して、PESパケットを生成するステップ』は、補正後発明の「3次元映像データの符号化されたビット列を含む基礎ストリームを生成するステップと、前記基礎ストリームをパケット化して、少なくとも一つの基礎ストリームパケットを生成するステップ」に相当する。
すなわち、引用発明の構成aは、補正後発明の構成A及びBに相当する。

(ア-2)補正後発明の構成Cについて
引用発明は、補正後発明の構成Cの「前記3次元映像データのサービス関連情報を含むPSIP情報を生成するステップ」を含むことは特定されていない。

(ア-3)引用発明の構成bと補正後発明の構成Dについて
引用発明の「3D画像の立体表示を行うため」の「3D画像制御情報」は、補正後発明の「3次元映像の再生に必要な3次元映像再生情報」に相当する。
また、引用発明の「3D画像制御情報を格納」することは、3D画像制御情報を入れることであるから、補正後発明の「3次元映像再生情報を挿入する」ことに相当する。
引用発明は、「EIT」に、3次元映像再生情報を挿入するのに対し、補正後発明は、「EIT及びVCTを含む前記PSIP情報内」に、3次元映像再生情報を挿入するものであり、何に3次元映像再生情報を挿入するかという点で相違するものの、EITもPSIPもMPEG-伝送ストリームにおける放送サービスに関する情報である点で共通するので、放送サービスに関する情報内に挿入する点で共通する。
すなわち、引用発明の構成bと補正後発明の構成Dは、「放送サービスに関する情報内に、前記3次元映像の再生に必要な3次元映像再生情報を挿入するステップ」という点で共通する。

(ア-4)引用発明の構成cと補正後発明の構成E及びFについて
引用発明の構成cは、EITについてTSパケットを生成し、PESパケットについてTSパケットを生成し、生成されたTSパケットを多重化して放送データとしているものであるから、『EIT及びPESパケットのそれぞれについてのTSパケットを生成し、生成されたTSパケットを多重化して、放送データを生成するステップ』といえる。
ここで、引用発明の『PESパケット』、『TSパケット』、『放送データ』は、補正後発明の「基礎ストリームパケット」、「伝送ストリームパケット」、「伝送ストリーム」に相当する。
また、引用発明は、『EIT』『についてのTSパケットを生成』するのに対し、補正後発明は、「前記PSIP情報」「についての少なくとも一つの伝送ストリームパケットを生成する」ものであり、何についての伝送ストリームパケットを生成するかという点で相違するものの、EITもPSIPも放送サービスに関する情報である点で共通するので、放送サービスに関する情報についての少なくとも一つの伝送ストリームパケットを生成する点で共通する。
そうすると、上記の『EIT及びPESパケットのそれぞれについてのTSパケットを生成し、生成されたTSパケットを多重化して、放送データを生成するステップ』と、補正後発明の構成E及びFは、「放送サービスに関する情報及び前記少なくとも一つの基礎ストリームパケットのうち、それぞれについての少なくとも一つの伝送ストリームパケットを生成するステップと、前記生成された伝送ストリームパケットを多重化して、伝送ストリームを生成するステップ」という点で共通する。

(ア-5)引用発明の構成b-1と補正後発明の構成D-1について
上記(ア-3)で検討したように、引用発明の「3D画像制御情報を格納する」ことは、補正後発明の「3次元映像再生情報を挿入する」ことに相当するので、引用発明の構成b-1は、補正後発明の構成D-1に相当する。

(ア-6)引用発明の構成b-2と補正後発明の構成D-2及びD-4について
(ア-6-1)補正後発明の構成D-2について
引用発明の構成bのように、3D画像制御情報は、3D共通情報と3D固有情報からなるものであるから、構成b-2における「3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する」ことは、3D画像制御情報を格納することといえ、そのようにして作成された記述子は、3D画像制御情報に関する記述子であるといえるので、引用発明の構成b-2は、『3D画像制御情報を格納する3D画像制御情報に関する記述子を作成するステップ』といえる。
そうすると、上記の『3D画像制御情報を格納する3D画像制御情報に関する記述子を作成するステップ』は、補正後発明の構成D-2の「前記3次元映像再生情報を含む少なくとも一つの3次元映像再生記述子を生成するステップ」に相当する。

(ア-6-2)補正後発明の構成D-4について
引用発明の構成b-2の「3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する記述子」は、3D共通情報と3D固有情報を含むものであり、これらの情報は、構成bのように、「3D画像の立体表示を行うための」情報であるから、引用発明の構成b-2は、『3D画像制御情報に関する記述子は、3D画像の立体表示を行うための3D共通情報と3D固有情報を含む』といえる。
そして、上記(2)ウに記載されているように、3D共通情報の例として、3D画像を構成する各視点画像がどのように配置されているかを示す情報である画像多重方式情報が挙げられており、上記(2)オに記載されているように、3D固有情報の例として、3Dシーン時間情報が挙げられている。

また、本願明細書の段落0045、0046には、補正後発明の「基礎情報」の例として、3次元映像の左視点映像及び右視点映像の構成方式を表す3次元映像フォーマット情報が挙げられており、「付加情報」の例として、区間3次元再生情報が挙げられている。

そうすると、引用発明の『3D共通情報』の例である画像多重方式情報は、3D画像を構成する各視点画像がどのように配置されているかを示す情報であるから、補正後発明の「基礎情報」の例である3次元映像フォーマット情報に相当するので、引用発明の『3D共通情報』は、補正後発明の「基礎情報」に相当する。
また、引用発明の『3D固有情報』の例である3Dシーン時間情報は、構成b-4のように、「3Dシーンデータが始まる時刻を示す3Dシーン開始時刻と、3Dシーン開始時刻から3Dシーンが継続する時間を示す3Dシーン継続時間を含む構成」であるから、補正後発明の「付加情報」の例である区間3次元再生情報に相当するので、引用発明の『3D固有情報』は、補正後発明の「付加情報」に相当する。

さらに、引用発明の『3D画像の立体表示を行うため』は、補正後発明の「3次元映像の円滑な再生のため」に相当する。

そうすると、上記の『3D画像制御情報に関する記述子は、3D画像の立体表示を行うための3D共通情報と3D固有情報を含む』は、補正後発明の構成D-4の「前記3次元映像再生記述子は、前記3次元映像の円滑な再生のための基礎情報及び付加情報を含」むことに相当する。

(ア-6-3)まとめ
以上のことから、引用発明の構成b-2は、補正後発明の構成D-2及びD-4に相当する。

(ア-7)引用発明の構成b-3と補正後発明の構成D-3について
上記(ア-6)で検討したように、3D画像制御情報は、3D共通情報と3D固有情報からなるものであり、引用発明の構成b-3の「作成された3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する記述子」は、補正後発明の「3次元映像再生記述子」に相当するから、引用発明の構成b-3の「作成された3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する記述子を格納する」ことは、補正後発明の「前記3次元映像再生記述子を挿入する」に相当する。
引用発明は、「EITにおける各番組情報の拡張情報を格納する記述子に」「格納」(挿入)するのに対し、補正後発明は、「前記PSIP情報の記述子領域に、」「挿入する」ものであり、3次元映像再生記述子を何に挿入するかという点で相違するものの、EITもPSIPも放送サービスに関する情報である点で共通するので、放送サービスに関する情報の記述子領域に挿入する点で共通する。
したがって、引用発明の構成b-3と補正後発明の構成D-3は、「前記放送サービスに関する情報の記述子領域に、前記3次元映像再生記述子を挿入するステップ」という点で共通する。

(ア-8)引用発明の構成b-4と補正後発明の構成D-5について
引用発明の構成b-4の「3Dシーン時間情報」は、3D固有情報に含まれるものであり、「3D共通情報と3D固有情報をまとめて格納する記述子」に格納されるものであるから、格納された「3Dシーン時間情報」は、『3Dシーン時間情報の記述子』であるといえ、『3Dシーン時間情報の記述子』は、「3Dシーンデータが始まる時刻を示す3Dシーン開始時刻と、3Dシーン開始時刻から3Dシーンが継続する時間を示す3Dシーン継続時間を含む構成」であるから、補正後発明の「全体の映像データのうち、3次元に再生される時間的区間または空間的区間を表す区間3次元再生記述子」に相当する。
そして、引用発明は、『3Dシーン時間情報の記述子を3D固有情報として含』むものであるから、択一的な記載である補正後発明の構成D-5における「前記3次元映像再生記述子は、全体の映像データのうち、3次元に再生される時間的区間」「を表す区間3次元再生記述子」「のうち少なくとも一つを付加情報として含」むことに相当する。
したがって、引用発明の構成b-4は補正後発明の構成D-5に相当する。

(ア-9)引用発明の構成b-5と補正後発明の構成D-6について
引用発明の構成b-5の「3Dシーン時間情報を含むかどうかを示すフラグ」は、3Dシーン時間情報という3D固有情報があるかないかを示すものといえるので、補正後発明の「該付加情報が定義されているか否かを示す指示子」に相当する。
したがって、引用発明の構成b-5は補正後発明の構成D-6に相当する。

(ア-10)引用発明の構成dと補正後発明の構成Gについて
引用発明の構成dの「3次元画像データを含むコンテンツから放送データを生成する方法」において、「放送データ」は、ストリームであって、「3次元画像データを含むコンテンツ」から生成されるものであるから、補正後発明の「3次元映像データストリーム」に相当し、引用発明の構成dは、補正後発明の構成Gに相当する。


(イ)一致点・相違点

したがって、補正後発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「3次元映像データの符号化されたビット列を含む基礎ストリームを生成するステップと、
前記基礎ストリームをパケット化して、少なくとも一つの基礎ストリームパケットを生成するステップと、
放送サービスに関する情報内に、前記3次元映像の再生に必要な3次元映像再生情報を挿入するステップと、
前記放送サービスに関する情報及び前記少なくとも一つの基礎ストリームパケットのうち、それぞれについての少なくとも一つの伝送ストリームパケットを生成するステップと、
前記生成された伝送ストリームパケットを多重化して、伝送ストリームを生成するステップと、を含み、
前記3次元映像再生情報を挿入するステップは、
前記3次元映像再生情報を含む少なくとも一つの3次元映像再生記述子を生成するステップと、
前記放送サービスに関する情報の記述子領域に、前記3次元映像再生記述子を挿入するステップと、
を含み、
前記3次元映像再生記述子は、前記3次元映像の円滑な再生のための基礎情報及び付加情報を含み、
前記3次元映像再生記述子は、全体の映像データのうち、3次元に再生される時間的区間または空間的区間を表す区間3次元再生記述子、前記3次元映像を獲得したカメラに関する3次元カメラ記述子、前記3次元映像の再生により発生する視聴違和感を緩和するための低疲労度記述子、及び左視点映像及び右視点映像の不一致状態を表す左右不一致記述子のうち少なくとも一つを付加情報として含み、
前記付加情報は、該付加情報が定義されているか否かを示す指示子を含むことを特徴とする3次元映像データストリーム生成方法。」

(相違点)
相違点1
補正後発明は、「前記3次元映像データのサービス関連情報を含むPSIP情報を生成するステップ」を含むのに対し、引用発明は、そのようなステップを含むように限定されていない点。
相違点2
「放送サービスに関する情報」内に、3次元映像再生情報を挿入することに関して、補正後発明は、「EIT及びVCTを含む前記PSIP情報内」に挿入するのに対し、引用発明は、「EIT」に挿入する点。
相違点3
「放送サービスに関する情報」についての伝送ストリームパケットを生成することに関して、補正後発明は、「前記PSIP情報」について生成するのに対し、引用発明は、「EIT」について生成する点。
相違点4
「放送サービスに関する情報」の記述子領域に、前記3次元映像再生記述子を挿入することに関して、補正後発明は、「前記PSIP情報」の記述子領域に挿入するのに対し、引用発明は、「EIT」の記述子領域に挿入する点。

(4)当審の判断
上記相違点について検討する。

(4-1)相違点1について
原審の拒絶理由に引用された、特開2007-300610号公報(以下、「引用文献2」という。)の段落0018の「セットトップボックスは、放送事業者から伝送されたPSIP(Program & System Information Protocol)を受信して、STT(System Time Table)、MGT(Master Guide Table)、VCT(Virtual Channel Table)、RRT(Rating Region Table)、EIT(Event Information Table)、及びETT(Extended Text Table)などの情報をマッピングしてEPG(Electronic Program Guide)を生成する。」との記載、特開2009-17389号公報(以下、「引用文献3」という。)の段落0007の「ATSC放送は、各々の物理チャンネルにおいて、その物理チャンネルで放送中の複数の番組の映像や音声と共に、PSIP(Program and System Information Protocol)と呼ばれるテレビ放送に関する様々なデータを含んだ情報が多重化する方法により配信されている。PSIPは、さらに、VCT(Virtual Channel Table)及びEIT(Event Information Table)を含んでいる。」との記載のように、放送に際して、EIT及びVCTを含むPSIP情報を送信することは、周知の技術である。

引用発明は、3D画像制御情報を格納したEITをTSパケットに変換し、多重化して放送データとするものであり、該放送データは受信装置に送信されるものであるから、EITを送信するものである。
放送に際して、EIT及びVCTを含むPSIP情報を送信することが、上記のように周知の技術であり、当該PSIP情報には、EITが含まれているのであるから、引用発明において、EITを送信する際に、該EITをPSIP情報に含めるようにし、EIT及びVCTを含むPSIP情報として送信するように構成することは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
そして、PSIP情報を送信するためには、PSIP情報を生成することは、当然に行われることであり、EITもPSIP情報も放送サービスに関する情報であるから、引用発明に、引用文献2、3に記載されたような周知技術を適用することにより、「3次元映像データのサービス関連情報を含むPSIP情報を生成するステップ」を有するようにすることは、当業者が容易に想到し得るものである。

(4-2)相違点2?4について
上記相違点2?4は、放送サービスに関する情報に関する様々なステップにおいて、放送サービスに関する情報が、補正後発明は、EIT及びVCTを含むPSIP情報であるのに対して、引用発明は、EITである点で相違することに起因するものである。
上記(4-1)で検討したように、引用発明におけるEITを、EIT及びVCTを含むPSIP情報に含めるようにすることは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
そして、引用発明におけるEITを、EIT及びVCTを含むPSIP情報に含めるようにした場合に、引用発明のような「EIT」に関する様々なステップは、「EIT及びVCTを含むPSIP情報」に関する様々なステップとなり、補正後発明のようなステップとなるものである。

よって、各相違点については、格別のものではなく、補正後発明に関する作用・効果も、引用発明及び引用文献2及び3に記載されたような周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって、補正後発明は、引用発明及び引用文献2及び3に記載されたような周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1.本願発明
平成27年12月16日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし15に係る発明は、平成26年5月12日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項10に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「3次元映像データの符号化されたビット列を含む基礎ストリームを生成するステップと、
前記基礎ストリームをパケット化して、少なくとも一つの基礎ストリームパケットを生成するステップと、
前記3次元映像データのサービス関連情報を含むPSIP情報を生成するステップと、
EIT及びVCTを含む前記PSIP情報内に、前記3次元映像の再生に必要な3次元映像再生情報を挿入するステップと、
前記PSIP情報及び前記少なくとも一つの基礎ストリームパケットのうち、それぞれについての少なくとも一つの伝送ストリームパケットを生成するステップと、
前記生成された伝送ストリームパケットを多重化して、伝送ストリームを生成するステップと、を含むことを特徴とする3次元映像データストリーム生成方法。」

2.引用発明
原審の拒絶理由に引用された引用文献1、及び、その記載事項は、前記第2 3.(2)に記載したとおりである。

3.対比
本願発明は、前記第2 2.に示したように、前記第2 3.で検討した補正後発明における
「前記3次元映像再生情報を挿入するステップは、
前記3次元映像再生情報を含む少なくとも一つの3次元映像再生記述子を生成するステップと、
前記PSIP情報の記述子領域に、前記3次元映像再生記述子を挿入するステップと、
を含み、
前記3次元映像再生記述子は、前記3次元映像の円滑な再生のための基礎情報及び付加情報を含み、
前記3次元映像再生記述子は、全体の映像データのうち、3次元に再生される時間的区間または空間的区間を表す区間3次元再生記述子、前記3次元映像を獲得したカメラに関する3次元カメラ記述子、前記3次元映像の再生により発生する視聴違和感を緩和するための低疲労度記述子、及び左視点映像及び右視点映像の不一致状態を表す左右不一致記述子のうち少なくとも一つを付加情報として含み、
前記付加情報は、該付加情報が定義されているか否かを示す指示子を含む」
という限定事項を省いたものである。

そして、前記第2 3.(3)を援用すると、本願発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違する。

(一致点)
「3次元映像データの符号化されたビット列を含む基礎ストリームを生成するステップと、
前記基礎ストリームをパケット化して、少なくとも一つの基礎ストリームパケットを生成するステップと、
放送サービスに関する情報内に、前記3次元映像の再生に必要な3次元映像再生情報を挿入するステップと、
前記放送サービスに関する情報及び前記少なくとも一つの基礎ストリームパケットのうち、それぞれについての少なくとも一つの伝送ストリームパケットを生成するステップと、
前記生成された伝送ストリームパケットを多重化して、伝送ストリームを生成するステップと、を含むことを特徴とする3次元映像データストリーム生成方法。」

(相違点)
相違点1
本願発明は、「前記3次元映像データのサービス関連情報を含むPSIP情報を生成するステップ」を含むのに対し、引用発明は、そのようなステップを含むように限定されていない点。
相違点2
「放送サービスに関する情報」内に、3次元映像再生情報を挿入することに関して、補正後発明は、「EIT及びVCTを含む前記PSIP情報内」に挿入するのに対し、引用発明は、「EIT」に挿入する点。
相違点3
「放送サービスに関する情報」についての伝送ストリームパケットを生成することに関して、補正後発明は、「前記PSIP情報」について生成するのに対し、引用発明は、「EIT」について生成する点。

4.判断
相違点1?3については、補正後発明と引用発明における相違点1?3と同じであるから、上記第2 3.(4)(4-1)及び(4-2)の検討を援用する。

そうすると、本願発明は、引用発明及び引用文献2及び3に記載されたような周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 まとめ
以上のとおり、本願の請求項10に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2及び3に記載されたような周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

したがって、本願は、その余の請求項について言及するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-11-09 
結審通知日 2016-11-15 
審決日 2016-11-28 
出願番号 特願2012-522758(P2012-522758)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 菅 和幸岩間 直純  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 渡辺 努
小池 正彦
発明の名称 3次元映像の再生のための付加情報が挿入された3次元映像データストリーム生成方法及びその装置、3次元映像の再生のための付加情報が挿入された3次元映像データストリーム受信方法及びその装置  
代理人 伊東 忠重  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠彦  
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