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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1327404
審判番号 不服2016-7056  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-06-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-05-13 
確定日 2017-04-17 
事件の表示 特願2015-540405「画像表示装置および画像表示方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 4月 9日国際公開、WO2015/049899〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1 経緯
本件出願は、2014年(平成26年)6月17日(優先権主張2013年10月1日、日本国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。

平成27年 8月26日:手続補正
平成27年11月 2日:拒絶理由の通知
平成27年12月16日:手続補正
平成28年 2月24日:拒絶査定
平成28年 2月26日:拒絶査定の謄本の送達
平成28年 5月13日:拒絶査定不服審判の請求
平成28年 5月13日:手続補正

2 査定の概要
原査定の理由は、概略、次のとおりである。

[査定の理由]
この出願の請求項1?5、7、8に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2013-135398号公報
引用文献2:特開2009-260691号公報
引用文献3:特開2012-169723号公報(周知技術)
引用文献4:特開2013-183244号公報
引用文献5:特開2011-135376号公報(周知技術)
引用文献6:特開2013-74301号公報(周知技術)
引用文献7:特開2010-271774号公報(周知技術)

第2 補正却下の決定
平成28年5月13日付けの手続補正について次のとおり決定する。

[補正却下の決定の結論]
平成28年5月13日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
平成28年5月13日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正を含む補正である。
(下線は補正箇所を示す。)

補正前の請求項1?8
「 【請求項1】
撮像した静止画または動画の画像を表示する表示部と、
上記表示部の表示画面上へのタッチ操作による圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出部と、
上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する画像位置選択部と、
上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された位置変化および方向の少なくとも1つに基づいて選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する画像識別部と、
上記選択された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理部と、
を有し、
上記特殊画像処理部は、上記操作入力検出部で検出された上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じて特殊効果処理強度を変化させる、
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
上記特殊画像処理部は、上記主被写体画像領域以外の画面周辺領域に特殊効果画像処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記操作入力検出部は、上記タッチ操作の複数の操作のうち、上記画像領域の一部を固定する指示と、上記画像領域の一部を変更する指示をそれぞれ検出することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記操作入力検出部は、上記タッチ操作の複数の操作に基づき、上記特殊効果画像処理を時間に応じて変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記操作入力検出部は、上記タッチ操作が所定の位置で検出された場合に、上記特殊効果画像処理をキャンセルすることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項6】
上記主被写体画像領域が設定された場合に、上記特殊効果画像処理部は、上記画像からズーミングが行われた画像として複数の大きさの画像を切り出し、この切り出された複数の画像を同じ大きさとなるように処理した後に合成した画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項7】
撮像した静止画または動画の画像を表示部に表示する表示ステップと、
上記表示部の表示画面上へのタッチ操作による圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出ステップと、
上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する選択ステップと、
上記選択された画像位置と、上記操作入力検出ステップで検出された位置変化および方向の少なくとも1つに基づいて選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する認識ステップと、
上記選択された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理ステップと、
を有し、
上記特殊画像処理ステップは、上記操作入力検出ステップで検出された上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力、速度の少なくとも1つに応じて特殊効果処理強度を変化させる、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項8】
撮像した静止画または動画の画像を表示部に表示する表示ステップと、
上記表示部の表示画面上へのタッチ操作による圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出ステップと、
上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する選択ステップと、
上記選択された画像位置と、上記操作入力検出ステップで検出された位置変化および方向の少なくとも1つに基づいて選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する認識ステップと、
上記選択された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理ステップと、
を有し、
上記特殊画像処理ステップは、上記操作入力検出ステップで検出された圧力および速度の少なくとも1つに応じて特殊効果処理強度を変化させる、
ことを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」

を、次のとおり補正後の請求項1?8に補正するものである。

「 【請求項1】
撮像した静止画または動画の画像を表示する表示部と、
上記表示部の表示画面上へのタッチ操作によるタッチ位置を検出すると共に、圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出部と、
上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する画像位置選択部と、
予め設定されている形状と、上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された上記タッチ位置の2つの位置に基づいて、上記形状となるように画像領域を選択し、この選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する画像識別部と、
上記認識された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理部と、
を有し、
上記特殊画像処理部は、上記操作入力検出部で検出された上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じて特殊効果処理強度を変化させる、
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
上記特殊画像処理部は、上記主被写体画像領域以外の画面周辺領域に特殊効果画像処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記操作入力検出部は、上記タッチ操作の複数の操作のうち、上記画像領域の一部を固定する指示と、上記画像領域の一部を変更する指示をそれぞれ検出することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記操作入力検出部は、上記タッチ操作の複数の操作に基づき、上記特殊効果画像処理を時間に応じて変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記操作入力検出部は、上記タッチ操作が所定の位置で検出された場合に、上記特殊効果画像処理をキャンセルすることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項6】
上記主被写体画像領域が設定された場合に、上記特殊効果画像処理部は、上記画像からズーミングが行われた画像として複数の大きさの画像を切り出し、この切り出された複数の画像を同じ大きさとなるように処理した後に合成した画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項7】
撮像した静止画または動画の画像を表示部に表示する表示ステップと、
上記表示部の表示画面上へのタッチ操作によるタッチ位置を検出すると共に、圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出ステップと、
上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する選択ステップと、
予め設定されている形状と、上記選択された画像位置と、上記操作入力検出ステップで検出された上記タッチ位置の2つの位置に基づいて、上記形状となるように画像領域を選択し、この選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する認識ステップと、
上記認識された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理ステップと、
を有し、
上記特殊画像処理ステップは、上記操作入力検出ステップで検出された上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力、速度の少なくとも1つに応じて特殊効果処理強度を変化させる、
ことを特徴とする画像表示方法。
【請求項8】
撮像した静止画または動画の画像を表示部に表示する表示ステップと、
上記表示部の表示画面上へのタッチ操作によるタッチ位置を検出すると共に、圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出ステップと、
上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する選択ステップと、
予め設定されている形状と、上記選択された画像位置と、上記操作入力検出ステップで検出された上記タッチ位置の2つの位置に基づいて、上記形状となるように画像領域を選択し、この選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する認識ステップと、
上記認識された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理ステップと、
を有し、
上記特殊画像処理ステップは、上記操作入力検出ステップで検出された圧力および速度の少なくとも1つに応じて特殊効果処理強度を変化させる、
ことを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」

2 補正の適合性
(1)新規事項、発明の特別な技術的特徴の変更、補正の目的
本件補正は、補正前の請求項1における「操作入力検出部」が「タッチ位置を検出する」ことを限定し、「画像識別部」が、さらに、「タッチ位置の2つの位置」に基づいて「予め設定されている形状となるように」画像領域を「選択し」、「この選択した画像領域を」主被写体画像領域として認識するように限定し、「上記選択された主被写体画像領域」を「上記認識された主被写体画像領域」とするものである。
さらに、本件補正は、補正前の請求項7、8における「操作入力検出ステップ」が「タッチ位置を検出する」ことを限定し、「認識ステップ」が、さらに、「タッチ位置の2つの位置」に基づいて「予め設定されている形状となるように」画像領域を「選択し」、「この選択した画像領域を」主被写体画像領域として認識するように限定し、「上記選択された主被写体画像領域」を「上記認識された主被写体画像領域」とするものである。
「タッチ位置を検出する」ことは、願書に最初に添付した明細書の段落【0034】に記載されており、「タッチ位置の2つの位置」に基づいて「予め設定されている形状となるように」画像領域を「選択」することは、願書に最初に添付した明細書の段落【0044】?【0048】、【0053】、【0070】に記載されており、「上記選択された主被写体画像領域」を「上記認識された主被写体画像領域」とすることは、誤記の訂正である。
したがって、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、新たな技術事項を導入するものでなく、特許請求の範囲を減縮、誤記の訂正を目的とするものである。

(2)独立特許要件
上記のとおり本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的としているので、本件補正後における発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かを、以下に検討する。

(3)補正後発明
補正後の請求項1?8に係る発明のうち請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(この発明を以下「補正後発明」という。)。

(補正後発明)
「(A)撮像した静止画または動画の画像を表示する表示部と、
(B)上記表示部の表示画面上へのタッチ操作によるタッチ位置を検出すると共に、圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出部と、
(C)上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する画像位置選択部と、
(D)予め設定されている形状と、上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された上記タッチ位置の2つの位置に基づいて、上記形状となるように画像領域を選択し、この選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する画像識別部と、
(E)上記認識された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理部と、
を有し、
(F)上記特殊画像処理部は、上記操作入力検出部で検出された上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じて特殊効果処理強度を変化させる、
(G)ことを特徴とする画像表示装置。」

((A)?(G)は、当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件A」等という。)

(4)引用文献の記載及び引用文献に記載された発明
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2013-135398号公報(上記引用文献1、以下「引用文献1」という。)には、「画像合成装置」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

「【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像合成装置を備えた撮像装置の構成を示す図である。図1は、本実施形態をレンズ交換式のデジタルカメラに適用した場合の構成例である。したがって、撮像装置1は、交換レンズ100と、本体200と、を有している。撮像装置1は、レンズ交換式でなくとも良い。」

「【0019】
また、本体200は、撮像部202と、顏検出部204と、画像処理部206と、表示部208と、記録部210と、操作部212と、タッチ操作部214と、制御部216と、通信部218と、を有している。ここで、撮像部202又は画像処理部206が画像取得部の一例として機能する。
【0020】
撮像部202は、撮像素子、A/D変換回路等を有している。撮像素子は、画素としての光電変換素子が2次元状に配置された受光面を有して構成されている。それぞれの画素は、撮影レンズ102を介して結像された被写体の像を電気信号(画像信号)に変換する。また、撮像素子は、電子シャッタ機能によって露光量を調節する。撮像素子の露光動作は、制御部216によって制御される。A/D変換回路は、撮像素子で得られた画像信号を、デジタル信号としての画像データに変換する。」

「【0022】
画像処理部206は、画像データに対して画像処理を施す。画像処理部206が施す画像処理は、ホワイトバランス補正処理及びγ補正処理等の画像データに対応した画像を表示部208に表示させるために必要な各種の処理、並びに圧縮処理、伸張処理等が含まれる。また、画像処理部206は、合成部を有している。合成部は、選択部を含む画像データと背景部を含む画像データとを合成して1枚の合成画像データを生成する。選択部は、画像データにおける主要被写体の領域であって、手動又は自動で選択される。一方、背景部は、画像データにおける背景被写体の領域であって選択部以外の領域である。
【0023】
表示部208は、画像処理部206によって処理された画像データに基づく画像等の各種の画像を表示する。表示部208は、例えば液晶ディスプレイで構成されている。」

「【0026】
タッチ操作部214は、例えば表示部208の表示画面の上に形成されている。タッチ操作部214は、例えば静電容量式のタッチ操作部であり、ユーザの指等の表示部208の表示画面への接触があった場合に、その接触位置を検出する。このタッチ操作部214により、ユーザによるタッチ操作を検出する。」

「【0028】
さらに、制御部216は、領域分割部、パラメータ設定部としての機能も有している。領域分割部としての機能は、画像データを選択部と背景部とに分割する機能である。領域分割部の機能が、画像データにおける選択部の位置を特定しておくだけの機能であっても良い。パラメータ設定部としての機能は、選択部又は背景部に対して行う視認性低下処理の際の処理パラメータを設定する。詳細については後述するが、本実施形態では、プライバシーの保護を目的として、選択部と背景部の何れかの視認性を低下させる(見えにくくする又は見えなくする)処理を施す。この処理として、本実施形態では、選択部と背景部とで露光のパラメータを変えたり、選択部と背景部とで画像処理のパラメータを変えたりする。パラメータ設定部としての機能は、これらのパラメータを設定する機能である。」

「【0033】
ステップS102において、撮像装置1の動作モードが撮影モードであると判定した場合に、制御部216は、ライブビュー表示動作を行う(ステップS103)。ライブビュー表示動作において、制御部216は、撮像部202を予め定められたフレームレートで連続動作させ、この連続動作によって撮像部202から逐次得られる画像データを画像処理部206に入力する。そして、制御部216は、画像処理部206において表示用の画像処理がなされた画像データを表示部208に入力することにより、撮像部202を介して逐次得られる画像データに対応した画像を表示部208にリアルタイムで表示させる。このようなライブビュー表示動作によって表示部208に表示された画像により、ユーザは、撮影構図等を確認することが可能である。」

「【0036】
次に、制御部216は、タッチ操作部214の出力から、ユーザによりタッチ操作がなされたか否かを判定する(ステップS105)。タッチ操作とは、ユーザが、表示部208の表示画面上の特定の位置に指等を接触させる操作を言う。なお、ユーザの指等が既に接触している場合にはタッチ操作がなされていないと判定する。
【0037】
ステップS105において、ユーザによりタッチ操作がなされたと判定した場合に、制御部216は、ユーザによりタッチ操作がなされた表示画面上の位置に選択表示を行う(ステップS106)。
【0038】
選択表示は、表示画面上の選択部の位置をユーザに明示するための表示である。図3(a)に示すようにして表示画面上の主要被写体(人物)の位置に、ユーザの指Fが接触した場合に、選択表示として、例えば図3(b)に示す選択枠302を表示させる。なお、選択枠302の範囲は予め定めた範囲とする。さらに、選択枠302の詳細が分かるように、選択枠302内の画像の拡大画像304を表示させる。このような選択表示により、選択部の仮の選択が行われる。ここで、選択部が選択された場合、その位置(座標)を記憶しておく。選択部の位置は、画像データにおける選択部と背景部とを識別するための情報である。」

「【0041】
また、ステップS105において、タッチ操作がなされていないと判定した場合に、制御部216は、選択部が選択済みであるか、即ちタッチ操作がなされた後であるか否かを判定する(ステップS109)。ステップS109において、選択部が選択済みであると判定した場合に、制御部216は、ユーザにより選択部の範囲変更の操作がなされたか否かを判定する(ステップS110)。範囲変更の操作は、例えば選択部(選択枠302又は拡大画像304)に対してタッチ操作がなされている状態で、接触位置を時間的に変化させる操作(スライド操作と言う)である。図3(b)及び図3(c)にスライド操作を示す。図3(b)は、選択枠302に対して矢印A方向のスライド操作がなされた例を示している。また、図3(c)は、拡大画像304に対して矢印B方向のスライド操作がなされた例を示している。
【0042】
ステップS110において、範囲変更の操作がなされたと判定した場合に、制御部216は、ユーザによる範囲変更の操作に従って選択部の範囲を変更する。また、この変更に伴って表示部208に表示させている選択枠302の範囲及び拡大画像304の範囲も変更する(ステップS111)。例えば、図3(c)に示すスライド操作がなされた場合、図3(d)に示すようにして矢印B方向に沿って選択枠302及び拡大画像304が拡大される。このような範囲変更の処理を経て、最終的な選択部の選択が行われる。これにより、画像データが選択部と背景部とに分割される。
【0043】
範囲変更の操作がなされていない場合又は範囲変更を行った後、制御部216は、背景部を変更するか、即ち背景部に対して視認性を低下させる処理を行うか否かを判定する(ステップS112)。例えば、ステップS110又はS111の後、制御部216は、図4(a)に示すような2つのソフトウェアボタン306及び308を表示部208に表示させる。背景除去ボタン306は、ユーザが背景部に対して視認性を低下させる処理を行うように指示するためのボタンである。一方、対象除去ボタン308は、ユーザが選択部に対して視認性を低下させる処理を行うように指示するためのボタンである。ステップS112においては、タッチ操作部214の出力から、背景除去ボタン306の位置にユーザの指等が接触したか否かを判定する。」

「【0047】
なお、画像の視認性(背景部又は選択部の画像の見え)は、ユーザの好みによって変更できるようしても良い。例えばユーザのタッチ操作部214の操作を受けて、通常外撮影により得られた選択部又は背景部の画像データにおけるコントラスト、透明度、彩度等を変更する画像処理を画像処理部206において行うようにしても良い。」

「【0065】
[変形例]
以下、本実施形態の変形例について説明する。
前述の例では、タッチ操作部214によって選択部の選択を行うようにしているが、選択部を自動で検出するようにしても良い。例えば、撮像装置1に主要被写体検出部を持たせておき、主要被写体検出部が、撮影画面内で静止している被写体の領域を検出した場合に、その領域を選択部とすることができる。また、主要被写体検出部が、撮影画面内に占める面積が所定の割合以上の被写体の領域を検出した場合に、その領域を選択部とすることもできる。ここで、主要被写体検出部としては例えば顏検出部204を用いることが可能である。」

「【0069】
この他、画像データにローパスフィルタ処理を掛ける等してぼかすようにしても良い。さらに、画像処理によって画像をぼかす場合には、画像全体をぼかしてから必要な部分(選択部又は背景部)を切り出すようにしても良いし、必要な部分(選択部又は背景部)を切り出してからその部分をぼかすようにしても良い。さらに、視認性を低下させる処理として、ぼかしを施すのではなく、視認性を低下させる部分を、図4(c)に示すように特定の色(例えば黒)で塗りつぶすようにしても良い。」

(イ)引用文献1に記載された発明
引用文献1には、『撮像装置』(段落【0009】)が記載されており、「表示部」、「タッチ操作部」、「制御部」、「画像処理部」を有している(段落【0019】)。
『表示部』は、『撮像した画像を表示する』(段落【0020】、【0023】)。
『タッチ操作部』は、『表示部の表示画面上に形成され、接触位置を検出し、ユーザのタッチ操作を検出する』(段落【0026】)。
『制御部』は、『ユーザによりタッチ操作がなされた表示画面上の位置に選択表示として、予め定めた範囲の選択枠を表示させ』(段落【0037】、【0038】)、『選択枠に対してタッチ操作がなされている状態で、スライド操作を行うと、選択枠の範囲を変更し、選択表示により選択部を選択する』(段落【0041】、【0042】)。ここで、「選択部」は、『画像データにおける主要被写体の領域』である(段落【0022】)
『画像処理部』は、『背景部の視認性を低下させる処理を施す』(段落【0028】、【0033】、【0069】)。ここで、「背景部」は、『選択部以外』のものである(段落【0022】、【0038】、【0042】)。
また、『画像処理部』は、『タッチ操作部の操作を受けて、ユーザの好みによって背景部の画像データにおけるコントラスト、透明度、彩度等を変更する画像処理を行う』(段落【0047】)。

以上より、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。以下この発明を「引用発明」という。

(引用発明)
「(a)撮像した画像を表示する表示部と、
(b)表示部の表示画面上に形成され、接触位置を検出し、ユーザのタッチ操作を検出するタッチ操作部と、
(c-1)ユーザによりタッチ操作がなされた表示画面上の位置に選択表示として、予め定めた範囲の選択枠を表示させ、
(c-2)選択枠に対してタッチ操作がなされている状態で、スライド操作を行うと、選択枠の範囲を変更し、
(c-3)選択表示により選択部を選択する
(c)制御部であって、選択部は画像データにおける主要被写体の領域である、制御部と、
(d)画像データのうち、選択表示された選択部以外の背景部の視認性を低下させる処理を施す画像処理部とを有し、
(e)上記画像処理部は、タッチ操作部の操作を受けて、ユーザの好みによって背景部の画像データにおけるコントラスト、透明度、彩度等を変更する画像処理を行う、
(f)ことを特徴とする撮像装置。」

((a)?(f)は、引用発明の構成を区別するために付与した。以下各構成を「構成a」等という。)

イ 周知技術
原査定の拒絶の理由に周知技術として引用された特開2010-271774号公報(上記引用文献7)の段落【0163】?【0167】に記載されているように、『タッチパネルにおける指の移動速度に応じて制御量を設定する』ことは周知技術である。

ウ 引用文献A
(ア)引用文献Aの記載
特開2008-28454号公報(以下「引用文献A」という。)には、「撮像装置」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

「【0035】
ここで、範囲を指定する具体的方法について説明する。たとえば、液晶画面1701上のカーソル(十字マーク)を十字キー1803で移動させて中心と半径を指定して円形状を決定したり、3点を指定して円形状を決定したり、図10(A)に示すように、中心と2つの半径を指定して楕円形状を決定すればよい。 図10は、液晶画面1701の表示状態を示す図である。
【0036】
また、形状の角を指定して多角形状を決定してもよい。また、画面を2分するような場合は、2点を指定して2分させることを決定してもよい。たとえば、図10(B)に示すように、角に相当する4点を指定して台形形状を決定すればよい。ここで、図10(A)及び図10(B)に示す矢印は、指定した範囲内を十時キー1803によりボケ画像とするか合焦画像とするかの選択、及び/又は指定した範囲を移動させることを示したものである。」

「【図10】



(イ)引用文献Aに記載された技術
段落【0035】には、中心と半径を指定して円形状の範囲を指定することが記載されている。
また、中心と2つの半径を指定して、楕円形状を決定することも記載されている。図10(A)をみると、3つの十字キーの近くに○1、○2、○3(「○1」、「○2」、「○3」なる表記は、引用文献A中の記号「○の中に数字を入れた記号」を示す。情報処理システムの能力上、引用文献A中の同記号を表すことができないことによる。)が表示され、この3点により、中心と2つの半径を指定していると認められる。
そうすると、中心と半径を指定することは、2つの点を指定することにより円形状の範囲を指定することと認められる。
したがって、引用文献Aには、『2つの点を指定することにより円形状の範囲を指定する』技術が記載されている。

(5)対比
ア 補正後発明と引用発明との対比
補正後発明と引用発明とを対比する。

(ア)構成要件Aと構成aとを対比する。
引用発明における「撮像した画像」は、補正後発明の「撮像した静止画または動画の画像」に相当する。
したがって、補正後発明と引用発明とは「撮像した静止画または動画の画像を表示する表示部」を有する点で一致する。

(イ)構成要件Bと構成b、c-2とを対比する。
引用発明の「タッチ操作部」は、「表示部の表示画面上に形成され、接触位置を検出」(構成b)するから、「上記表示部の表示画面上へのタッチ操作によるタッチ位置を検出する」「操作入力検出部」といえる。
また、引用発明は、スライド操作を検出できる(構成c-2)から、位置変化を検出できるといえる。
したがって、補正後発明と引用発明とは「上記表示部の表示画面上へのタッチ操作によるタッチ位置を検出すると共に、圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出部」を有する点で一致する。

(ウ)構成要件Cと構成c-1とを対比する。
引用発明は、「ユーザによりタッチ操作がなされた表示画面上の位置に選択表示として、予め定めた範囲の選択枠を表示させ」るから、「ユーザによりタッチ操作がなされた表示画面上の位置」を選択する「画像位置選択部」を有するといえる。また、「ユーザによりタッチ操作がなされた表示画面上の位置」を選択することは、「上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する」といい得る。
したがって、補正後発明と引用発明とは「上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する画像位置選択部」を有する点で一致する。

(エ)構成要件Dと構成c-1、c-2、c-3、cとを対比する。
引用発明は、
「ユーザによりタッチ操作がなされた表示画面上の位置に選択表示として、予め定めた範囲の選択枠を表示させ」(構成c-1)、
「選択枠に対してタッチ操作がなされている状態で、スライド操作を行うと、選択枠の範囲を変更し」(構成c-2)、
「選択表示により選択部を選択する」(構成c-3)
ものであり、上記(イ)、(ウ)のとおり、「操作入力検出部」、「画像位置選択部」を有する点で、補正後発明と引用発明とは一致するから、引用発明は、「上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された情報に基づいて、画像領域を選択」するといえる(下線は強調のため付与した。)。
しかしながら、上記操作入力検出部で検出された「情報」が、補正後発明においては、「タッチ位置の2つの位置」であるのに対し、引用発明においは、スライド操作」の情報である点で相違し、さらに、「画像領域」の「選択」が、補正後発明においては、「予め設定されている形状となるように」選択されるのに対し、引用発明においては、「予め設定されている形状となるように」選択されていない点で相違する。
また、「選択部」は、「画像データにおける主要被写体の領域である」から、「選択された画像領域を主被写体画像領域として認識」しており、引用発明の「制御部」は、「画像識別部」といえる。
以上まとめると、補正後発明と引用発明とは「上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された情報に基づいて、画像領域を選択し、この選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する画像識別部」を有する点で共通する。
しかしながら、「上記操作入力検出部で検出された情報」が、補正後発明においては、「タッチ位置の2つの位置」であるのに対し、引用発明においてはスライド操作」の情報であり、「画像領域」の「選択」が、補正後発明においては、「予め設定されている形状となるように」選択されるのに対し、引用発明においては、「予め設定されている形状となるように」選択されていない点で相違する。

(オ)構成要件Eと構成dとを対比する。
引用発明における「選択部以外の背景部」は、「上記認識された主被写体画像領域を除く領域」といえる。「上記認識された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域」(下線は強調のために付与した。)は、「上記認識された主被写体画像領域を除く領域」を含む広い領域であるから、引用発明における「選択部以外の背景部」は、「上記認識された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域」ともいい得る。
引用発明における「視認性を低下させる処理」は、補正後発明における「特殊効果画像処理」に相当し、引用発明の「画像処理部」は、「特殊画像処理部」といえる。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「上記認識された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理部」を有する点で一致する。

(カ)構成要件Fと構成eとを対比する。
上記(オ)のとおり、引用発明の「画像処理部」は、「特殊画像処理部」といえ、引用発明の「ユーザの好みによって背景部の画像データにおけるコントラスト、透明度、彩度等を変更する画像処理を行う」ことは、「特殊効果処理強度を変化させる」ことといえる。また、引用発明における「タッチ操作部の操作を受けて」は、「上記操作入力検出部で検出されたタッチ操作に応じて」といえる。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「上記特殊画像処理部は、上記操作入力検出部で検出されたタッチ操作に応じて特殊効果処理強度を変化させる」点で共通する。
しかしながら、「上記操作入力検出部で検出されたタッチ操作に応じて」が、補正後発明においては、「上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じて」であるのに対し、引用発明においては、「上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じ」るものではない点で相違する。

(キ)構成要件Gと構成fとを対比する。
引用発明における「撮像装置」は、「表示部」を有しており、画像を表示させるから、「画像表示装置」といい得る。
したがって、補正後発明と引用発明とは「画像表示装置」として一致する。

イ 一致点、相違点
以上より、補正後発明と引用発明との一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
撮像した静止画または動画の画像を表示する表示部と、
上記表示部の表示画面上へのタッチ操作によるタッチ位置を検出すると共に、圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出部と、
上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する画像位置選択部と、
上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された情報に基づいて、画像領域を選択し、この選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する画像識別部と、
上記認識された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理部と、
を有し、
上記特殊画像処理部は、上記操作入力検出部で検出されたタッチ操作に応じて特殊効果処理強度を変化させる、
ことを特徴とする画像表示装置。

(相違点1)
「画像識別部」における「上記操作入力検出部で検出された情報」が、補正後発明においては、「タッチ位置の2つの位置」であるのに対し、引用発明においてはスライド操作」の情報であり、「画像識別部」における「画像領域」の「選択」が、補正後発明においては、「予め設定されている形状となるように」選択されるのに対し、引用発明においては、「予め設定されている形状となるように」選択されていない点で相違する。

(相違点2)
「特殊画像処理部」における「上記操作入力検出部で検出されたタッチ操作に応じて」が、補正後発明においては、「上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じて」であるのに対し、引用発明においては、「上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じ」るものではない点

(6)相違点の判断
ア 相違点1について
上記(4)ウ(イ)のとおり、引用文献Aには、『2つの点を指定することにより円形状の範囲を指定する』技術(以下「引用文献Aの技術」という。)が記載されている。
引用文献Aの技術は、範囲を指定する技術であり、引用発明における範囲を指定する技術に引用文献Aの技術を適用することは、当業者が容易に着想することである。
引用文献Aの技術は、『2つの点を指定することにより円形状の範囲を指定する』技術であって、2つの位置に基づいて予め設定されている形状(円形状)となるように範囲を指定するものであるから、引用発明にこの技術を適用すると、「上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された上記タッチ位置の2つの位置に基づいて、」「予め設定されている」「形状となるように画像領域を選択」するようになる。
したがって、引用発明に引用文献Aの技術を適用して、「画像識別部」を「予め設定されている形状と、上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された上記タッチ位置の2つの位置に基づいて、上記形状となるように画像領域を選択」するようにすることは当業者が容易に想到し得ることである。

イ 相違点2について
上記(4)イ(イ)のとおり、『タッチパネルにおける指の移動速度に応じて制御量を設定する』ことは周知技術である。
引用発明における「タッチ操作」として、上記周知技術を用いることは当業者が容易に着想することである。
引用発明に上記周知技術を適用することにより、タッチ操作の速度に応じて特殊効果の強度を変化させることは、当業者が容易に想到し得ることである。また、タッチ操作の方向を、「上記操作入力検出部で検出された上記主被写体画像領域から画面周辺方向」とすることは、設計的事項と認められる。
したがって、引用発明に上記周知技術を適用して、「特殊画像処理部」を「上記操作入力検出部で検出された上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じて特殊効果処理強度を変化させる」ようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

そして、補正後発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。

したがって、補正後発明は、引用文献1、引用文献Aに記載された発明、周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反している。

3 まとめ
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成28年5月13日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?8に係る発明は、平成27年8月26日付け手続補正、平成27年12月16日付け手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?8に記載した事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(この発明を以下「本願発明」という。)。

(本願発明)
「(A)撮像した静止画または動画の画像を表示する表示部と、
(B’)上記表示部の表示画面上へのタッチ操作による圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出部と、
(C)上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する画像位置選択部と、
(D’)上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された位置変化および方向の少なくとも1つに基づいて選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する画像識別部と、
(E’)上記選択された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理部と、
を有し、
(F)上記特殊画像処理部は、上記操作入力検出部で検出された上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じて特殊効果処理強度を変化させる、
(G)ことを特徴とする画像表示装置。」

((A)?(G)は、当審で付与した。補正後発明と同じ構成要件は同じ記号とし、異なる構成要件の記号には「’」を付与した。以下各構成要件を「構成要件A」等という。)

2 引用発明、周知技術
引用文献1、周知技術は、上記第2の2(4)の引用文献1、周知技術と同じであり、引用発明、周知技術は、上記第2の2(4)ア(イ)、イ(イ)を援用する。

3 対比
本願発明と引用発明とを対比する。

(1)本願発明と補正後発明とは、構成要件B’、D’、E’以外の構成要件は同じであるから、上記第2の2(5)ア(ア)、(ウ)、(カ)、(キ)を援用する。

(2)構成要件B’と構成bとを対比する。
引用発明の「タッチ操作部」は、「表示部の表示画面上に形成され、接触位置を検出」(構成b)するから、「上記表示部の表示画面上へのタッチ操作を検出する」「操作入力検出部」といえる。
また、引用発明は、スライド操作を検出できる(構成c-2)から、位置変化を検出できるといえる。
したがって、補正後発明と引用発明とは「上記表示部の表示画面上へのタッチ操作による圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出部」を有する点で一致する。

(3)構成要件D’と構成c-1、c-2、c-3、cとを対比する。
引用発明は、
「ユーザによりタッチ操作がなされた表示画面上の位置に選択表示として、予め定めた範囲の選択枠を表示させ」(構成c-1)、
「選択枠に対してタッチ操作がなされている状態で、スライド操作を行うと、選択枠の範囲を変更し」(構成c-2)、
「選択表示により選択部を選択する」(構成c-3)
ものであり、「選択枠に対してタッチ操作がなされている状態で、スライド操作を行うと、選択枠の範囲を変更」する(構成c-2)から、「上記操作入力検出部で検出された位置変化および方向の少なくとも1つに基づいて」いるといえ、また、上記第2の2(5)ア(ウ)のとおり、「画像位置選択部」を有する点で、本願発明と引用発明とは一致するから、引用発明は、「画像領域」を「上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された位置変化および方向の少なくとも1つに基づいて選択」するといえる。
また、「選択部」は、「画像データにおける主要被写体の領域である」から、「選択された画像領域を主被写体画像領域として認識」しており、引用発明の「制御部」は、「画像識別部」といえる。
したがって、本願発明と引用発明とは「上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された位置変化および方向の少なくとも1つに基づいて選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する画像識別部」を有する点で一致する。

(4)構成要件E’と構成dとを対比する。
引用発明における「選択部以外の背景部」は、「上記選択された主被写体画像領域を除く領域」といえる。「上記選択された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域」(下線は強調のために付与した。)は、「上記選択された主被写体画像領域を除く領域」を含む広い領域であるから、引用発明における「選択部以外の背景部」は、「上記選択された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域」ともいい得る。
引用発明における「視認性を低下させる処理」は、本願発明における「特殊効果画像処理」に相当し、引用発明の「画像処理部」は、「特殊画像処理部」といえる。
したがって、本願発明と引用発明とは、「上記選択された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理部」を有する点で一致する。

(5)以上より、本願発明と引用発明との一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
撮像した静止画または動画の画像を表示する表示部と、
上記表示部の表示画面上へのタッチ操作による圧力、位置変化、方向、速度の少なくとも1つを検出する操作入力検出部と、
上記表示部に表示された画像の一部の位置を選択する画像位置選択部と、
上記画像位置選択部によって選択された画像位置と、上記操作入力検出部で検出された位置変化および方向の少なくとも1つに基づいて選択された画像領域を主被写体画像領域として認識する画像識別部と、
上記選択された主被写体画像領域の少なくとも一部を除く領域に対して特殊効果画像処理を施す特殊画像処理部と、
を有し、
上記特殊画像処理部は、タッチ操作に応じて特殊効果処理強度を変化させる、
ことを特徴とする画像表示装置。

(相違点)
「特殊画像処理部」における「上記操作入力検出部で検出されたタッチ操作に応じて」が、補正後発明においては、「上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じて」であるのに対し、引用発明においては、「上記主被写体画像領域から画面周辺方向へのタッチ操作の圧力および速度の少なくとも1つに応じ」るものではない点

4 相違点の判断
上記相違点は、上記第2の2(5)イの相違点2と同じであるので、上記第2の2(6)イの判断を援用する。
したがって、本願発明は、引用文献1に記載された発明、周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものである。

5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、請求項2?8に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-02-17 
結審通知日 2017-02-21 
審決日 2017-03-06 
出願番号 特願2015-540405(P2015-540405)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山口 祐一郎  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 渡辺 努
小池 正彦
発明の名称 画像表示装置および画像表示方法  
代理人 小林 一任  
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