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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G01C
管理番号 1327863
異議申立番号 異議2016-700616  
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-07-14 
確定日 2017-03-29 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5865668号発明「情報端末、プログラムおよび検索方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5865668号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-8、11〕、9、10について訂正することを認める。 特許第5865668号の請求項2、4、5及び7に係る特許を維持する。 特許第5865668号の請求項1、3、6及び8ないし11に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5865668号の請求項1ないし11に係る特許についての出願は、平成23年10月21日に特許出願され、平成28年1月8日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、特許異議申立人星野裕司(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、平成28年10月20日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成28年12月22日に意見書の提出及び訂正の請求があったものである。(なお、訂正の請求に対して特許異議申立人からは指定期間内に意見書が提出されなかった。)

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のア(ア)ないし(ケ)、イ(コ)及びウ(サ)のとおりである。
ア 請求項1?8、11からなる一群の請求項に係る訂正
(ア)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。

(イ)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を、本件訂正前の
「請求項1に記載の情報端末であって、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、所定の処理負荷が高い検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」
から、本件訂正後の
「 施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、所定の処理負荷が高い検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」
に訂正する。

(ウ)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

(エ)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を、本件訂正前の
「請求項1?3のいずれか一項に記載の情報端末であって、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、複数の検索ワードを用いる検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」
から、本件訂正後の
「 施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、複数の検索ワードを用いる検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」に訂正する。

(オ)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5を、本件訂正前の
「請求項1?4のいずれか一項に記載の情報端末であって、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、特定のジャンルに該当する施設を探索する検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」
から、本件訂正後の
「 施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、特定のジャンルに該当する施設を探索する検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」
に訂正する。

(カ)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6を削除する。

(キ)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7を、本件訂正前の
「請求項1?6のいずれか一項に記載の情報端末であって、
さらに、前記第二の施設検索手段は、複数の前記施設情報提供装置ごとに細分化されており、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件に応じて、前記細分化された複数の前記施設情報提供装置のうちいずれかを特定して施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」
から、本件訂正後の
「 施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
さらに、前記第二の施設検索手段は、複数の前記施設情報提供装置ごとに細分化されており、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件に応じて、前記細分化された複数の前記施設情報提供装置のうちいずれかを特定して施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」
に訂正する。

(ク)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8を削除する。

(ケ)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項11を削除する。

イ 請求項9からなる一群の請求項に係る訂正
(コ)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項9を削除する。

ウ 請求項10からなる一群の請求項に係る訂正
(サ)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項10を削除する。

(2)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

ア 請求項1?8、11からなる一群の請求項に係る訂正について
(ア)訂正事項1について
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1を削除するよう訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(イ)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前には請求項1を引用していたものを、訂正後に請求項1を引用しない形式に書き改めたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(ウ)訂正事項3について
訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項3を削除するよう訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(エ)訂正事項4について
訂正事項4は、訂正前には請求項1?3のいずれか一項を引用していたものを、訂正後には訂正前の請求項1を引用するものに限定し、かつ請求項1を引用しない形式に書き改めたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(オ)訂正事項5について
訂正事項5は、訂正前には請求項1?4のいずれか一項を引用していたものを、訂正後には訂正前の請求項1を引用するものに限定し、かつ請求項1を引用しない形式に書き改めたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(カ)訂正事項6について
訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項6を削除するよう訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(キ)訂正事項7について
訂正事項7は、訂正前には請求項1?6のいずれか一項を引用していたものを、訂正後には訂正前の請求項1を引用するものに限定し、かつ請求項1を引用しない形式に書き改めたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(ク)訂正事項8について
訂正事項8は、特許請求の範囲の請求項8を削除するよう訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(ケ)訂正事項9について
訂正事項9は、特許請求の範囲の請求項11を削除するよう訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

訂正事項1ないし9に係る訂正前の請求項1ないし8及び11は、訂正前の請求項1を訂正前の請求項2ないし8及び11が引用しているものであるから、訂正前の請求項1ないし8及び11は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であった。

イ 請求項9からなる一群の請求項に係る訂正について
(コ)訂正事項10
訂正事項10は、特許請求の範囲の請求項9を削除するよう訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

訂正事項10に係る訂正前の請求項9は、他の請求項と引用関係にないものであるから、訂正前の請求項9は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であった。

ウ 請求項10からなる一群の請求項に係る訂正について
(サ)訂正事項11
訂正事項11は、特許請求の範囲の請求項10を削除するよう訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

訂正事項10に係る訂正前の請求項9は、他の請求項と引用関係にないものであるから、訂正前の請求項9は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であった。

(3)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?8、11〕、9、10について訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項2、4、5及び7に係る発明(以下「本件発明2、4、5及び7」という。)は、その特許請求の範囲の請求項2、4、5及び7に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

ア 本件発明2
「施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、所定の処理負荷が高い検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」

イ 本件発明4
「施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、複数の検索ワードを用いる検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」

ウ 本件発明5
「施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、特定のジャンルに該当する施設を探索する検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」

エ 本件発明7
「施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
さらに、前記第二の施設検索手段は、複数の前記施設情報提供装置ごとに細分化されており、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件に応じて、前記細分化された複数の前記施設情報提供装置のうちいずれかを特定して施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。」

(2)取消理由の概要
訂正前の請求項1、3、6及び8ないし11に係る特許に対して平成28年10月20日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

ア 請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明(以下、「甲1発明1」という。)に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである。

イ 請求項3に係る発明は、甲1発明1及び甲第1号証に記載された技術1(以下、「甲1技術1」という。)に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項3に係る特許は、取り消されるべきものである。

ウ 請求項6に係る発明は、甲1発明1、甲1技術1及び甲第1号証に記載された技術2(以下、「甲1技術2」という。)に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項6に係る特許は、取り消されるべきものである。

エ 請求項8に係る発明は、甲1発明1、甲1技術1、甲1技術2及び甲第1号証に記載された技術3(以下、「甲1技術3」という。)に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項8に係る特許は、取り消されるべきものである。

オ 請求項9に係る発明は、甲1発明1に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項9に係る特許は、取り消されるべきものである。

カ 請求項10に係る発明は、甲1発明1に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項10に係る特許は、取り消されるべきものである。

キ 請求項11に係る発明は、甲1発明1及び甲1技術1ないし3に基づき、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項11に係る特許は、取り消されるべきものである。

(3)甲号証の記載
ア 甲第1号証の記載
甲第1号証(特開2011-210136号公報)には、以下の事項が記載されている。

(ア)「【0019】
この場合、情報記憶装置ごとに優先的に出力される分野に応じた重み値を予め記憶しておき、ある分野の単語を検索キーワードとして入力したときに最も優先順位が高いと決定される検索用データベースが、接続した情報記憶装置によって異なるように構成してもよい。これにより、ユーザが自分の嗜好に応じた情報記憶装置を接続することで、自分の嗜好に添った目的情報を得られるようになる。」(段落【0019】)

(イ)「【0026】
また、外部記憶装置が車両の外部にある場合、外部記憶装置の大容量化やデータの更新が行い易いため、大きなデータ容量を必要とする検索用データベースや、更新が頻繁に行われる検索用データベースなどを対象として検索を行うことができるようになる。このような外部記憶装置として、例えばインターネットの検索エンジンとして機能するサーバシステムの記憶装置が考えられる。」(段落【0026】)

(ウ) 「【0030】
請求項13に記載の発明は、コンピュータシステムに、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の情報検索装置を構成する各手段としての機能を実現させるためのプログラムである。
【0031】
このようなプログラムにより制御されるコンピュータシステムは、請求項1から請求項10のいずれかに記載の情報検索装置の一部を構成することができる。
なお、上述したプログラムは、コンピュータシステムによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものであって、各種記録媒体や通信回線を介して、情報検索装置やこれを利用するユーザに提供されるものである。」(段落【0030】及び【0031】)

(エ)「【0033】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示にすぎず、本発明が、下記の事例以外にも様々な形態で実施できるのはもちろんである。
[実施例]
(1)全体構成
図1は本実施例の情報検索装置1の概略構成を示すブロック図である。本情報検索装置1は、車両に搭載されて用いられるいわゆるカーナビゲーション装置を想定したシステムとして構成されている。情報検索装置1は、情報記憶装置接続インターフェース(I/F)37を介して情報記憶装置2と接続可能に構成されており、また車両外部のサーバシステム3とネットワーク4を介して通信可能に構成されている。
【0034】
この情報検索装置1は、位置検出装置11、入力操作機器12、表示装置13、音声出力装置14、音声入力装置15、車両情報入力インターフェース(I/F)16、および制御装置17を備えている。」(段落【0033】及び【0034】)

(オ)「【0045】
制御装置17は、表示データ処理部31、音声認識部32、検索条件入力部33、範囲切替指示入力部34、検索範囲決定部35、検索部36、情報記憶装置接続インターフェース(I/F)37、通信部38、提示部39、記憶装置40などを備えている。
」(段落【0045】)

(カ)「【0052】
検索部36は、検索条件入力部33に受け付けられた検索キーワードに基づいて、検索範囲決定部35により決定されたデータベースの検索を行い、目的情報を抽出する。また、決定されたデータベースが車両外部に位置するサーバシステム3の有する第4のデータベース(DB4)52である場合には、ネットワーク4を介してサーバシステム3に検索要求を送信する。
【0053】
情報記憶装置接続インターフェース(I/F)37は、制御装置17と情報記憶装置2との接続を仲介する。
通信部38は、制御装置17とサーバシステム3とのデータ通信を実現する装置であって、サーバシステム3への検索要求の送信や、サーバシステム3からの情報の受信を行う。
【0054】
提示部39は、検索部36にて検索された結果を、映像信号または音声信号として表示装置13や音声出力装置14に出力する。
記憶装置40は、データを記憶する記憶領域として、情報検索装置1を作動させるためのアプリケーションプログラム41用の記憶領域,地図情報を示す地図データ42用の記憶領域,検索キーワードの重み付けに用いる重み値DB43やそれ以外の複数の検索用データベース、その他の各種データを記憶するための記憶領域など有している記憶媒体である。重み値DB43の詳細については後述する。
【0055】
この記憶装置40に記憶されている地図データには、マップマッチング、経路算出処理による経路探索、経路案内処理によるルート案内等に用いる道路データや、地図表示に必要な各種データからなる描画データなどが含まれる。
【0056】
また、上述したように記憶装置40には異なる情報が記憶された複数の検索用データベースが登録されている。第1のデータベース(DB1)44は、経路算出処理において利用される目的地の名称、電話番号などの情報が格納されている。第2のデータベース(DB2)45には、車両の操作マニュアル情報が格納されている。また、第3のデータベース(DB3)46には、テレビやラジオの番組表情報、音楽データなどの情報が格納されている。」(段落【0052】ないし【0056】)

(キ)「【0061】
また、サーバシステム3は、情報検索装置1とネットワーク4を介してデータ通信が可能に構成されており、サーバシステム3を制御する制御装置51と、外部記憶装置53に記憶される第4のデータベース(DB4)52とを有している。サーバシステム3はウェブサイトの検索エンジンを提供するサーバとして構成され、データベース52にはウェブサイト検索用データが記憶されている。情報検索装置1から検索要求があった場合には、第4のデータベース52から要求されたキーワードの検索を行い、検索結果を情報検索装置1に送信する。このように情報検索装置1は、サーバシステム3を介してウェブサイトの情報を取得することができる。
(2)情報検索装置による処理
以下に、情報検索装置1が備える制御装置により実行される本発明の特徴的な処理である検索データ表示処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。この検索データ表示処理は、情報検索装置1が起動している間、繰り返し実行される。なお、従来のナビゲーション装置が実行する、上述した地図表示処理、経路算出処理、および経路案内処理の詳細については、従来手法と同様であるため詳しい説明は省略する。
【0062】
この検索データ表示処理では、まず、検索条件となるキーワードがキーワード入力欄25に入力されたか否かを判定し(S1)、入力されていなければ(S1:NO)、再度S1を繰り返して入力が行われるまで待機する。検索キーワードが入力されていれば(S1:YES)、処理がS2に移行する。
【0063】
次に、重み付け処理を行う(S2)。ここでは、入力された検索キーワードから単語を抽出して、その単語を重み値DB43から検索して複数のデータベースごとの重み値(単語とデータベースとの関連度合を示す値)を抽出し、加算処理して最も数値の大きいデータベースを検索対象のデータベースと決定する。
【0064】
重み値DB43の一例を図7に示す。重み値DB43には複数の単語が登録されており、それぞれの単語には、データベースに関連する度合を示す重み値が複数のデータベースごとに設定されている。この重み値は、予め適切な値を設定しておけばよい。もし、似通った情報が複数のデータベースに格納されている場合には、車両の内部に配置されるデータベース(DB1?DB3)に対する重み値を高く設定し、車両の外部に配置されるデータベース(DB4)に対する重み値を低く設定してもよい。
【0065】
ここで、例えば、図3に示すように、キーワード入力欄25に入力されたキーワードが「窓」「曇り」である場合には、それらの単語に対応する各データベースの重み値W_(DBi)を抽出し、データベースごとに重み値を加算する。その結果、各データベースの計算結果は、SUM(W_(DB1))=0.95、SUM(W_(DB2))=1.25、SUM(W_(DB3))=0.35、SUM(W_(DB4))=0.75、となり、計算結果が大きいデータベースから順に優先順位を上位と定める。この場合、優先順位は上位から順にDB2、DB1、DB4、DB3となる。
【0066】
なお、入力された単語に対応する各データベースの重み値W_(DBi)は、tf/idf法など公知の技術を用いることができる。また、単純に単語ごとの重み値を加算処理するのではなく、検索キーワードの入力順序(図3では1番目が「窓」、2番目が「曇り」となっている)によって重み値を変えるなどの公知の技術を用いてもよい。さらに、重み値DB43に登録されていない単語がキーワードとして入力された場合には、その単語の関連語を検索して、そこで抽出された単語の重み値を重み付け処理に用いてもよい。
【0067】
また、情報検索装置1に情報記憶装置2が接続されている場合、情報記憶装置2が記憶する各単語に対する重み値の更新情報に基づいて、重み付け処理にて用いられる重み値DBの重み値が更新される。そして、重み値が更新された場合には、更新後の重み値を用いて、前述の重み付け処理により、各データベースの優先順位を決定する。重み値の変化に伴い検索結果も変化するため、情報記憶装置2を接続することにより、検索時に出力される目的情報の傾向を調整することが可能となる。
【0068】
ここで、更新情報とは、例えば、情報検索装置1の記憶装置40が備える重み値DB43とは異なる新たな重み値DBとすることが考えられる。この場合には、S2の処理にて使用する重み値DBを情報記憶装置2が記憶する重み値DBとするとよい。またそれ以外には、例えば特定の単語に対する重み値を加算または減算するパラメータ情報であってもよい。この場合には、その特定の単語がキーワードとして入力された場合には、そのパラメータ分の重み値を加算または減算して重み付け処理(重み値の加算処理)を行うように構成することが考えられる。
【0069】
フローチャートの説明に戻る。S2の後、検索対象となるデータベースが決定したか否かを判断する(S3)。具体的には、優先順位1位のデータベースが決定していれば、検索対象となるデータベースが決定したと判断する。データベースが決定しない場合とは、例えばキーワードとして入力された単語のいずれもが重み値DBに登録されていない場合である。
【0070】
検索対象となるデータベースが決定していなければ(S3:NO)、処理がS6に移行する。検索対象となるデータベースが決定していれば(S3:YES)、その決定したデータベースに対して検索処理を実行する(S4)。検索処理の具体的な処理は公知であるため詳細な説明は割愛する。
【0071】
次にS4の検索処理にて検索結果(目的情報)が得られたか否かを判断し(S5)、検索結果が得られていなければ(S5:NO)処理がS6に移行する。一方、目的情報の検索結果が得られていれば(S5:YES)、処理がS7に移行する。
【0072】
上記S3にて検索対象データベースが決定しなかった場合、およびS5にて検索結果が得られなかった場合には、エラー処理として、検索結果が得られなかった旨、および異なるキーワードの入力を促す旨を画面に表示する(S6)。その後、処理がS1に戻る。
【0073】
また、S6にて検索結果が得られた場合には、得られた結果が2件以上であるか否かを判断し(S7)、1件しか検出されていなければ(S7:NO)、処理がS10に移行する。一方、2件以上検出されていれば(S7:YES)、図8に示すように検索結果をリスト表示してなる検索リスト60を情報画面23内に提示する(S8)。そして、検索リスト60に挙げられた検索結果の中からユーザによっていずれかの検索結果が選択されるまで待機し(S9:NO)、いずれかの検索結果が選択されれば(S9:YES)、処理がS10に移行する。
【0074】
次に、検索結果を提示する(S10)。
検索結果の提示例を説明する。例えば、図8にて「リアガラスの曇りをとる」が選択された場合、検索結果として図9に示す目的情報(車両の操作マニュアル情報)の画面を表示する。検索結果が1件であった場合には、図8の表示を行うことなく、図9の画面を表示する。
【0075】
また、例えばキーワードを入力して検索された結果が経路算出処理にて用いられる施設名称であった場合、その検索結果を表示する画面には経路案内の目的地として設定するためのボタンが配置される。
【0076】
具体的には、キーワード入力欄25に「近く」「コンビニ」と入力した場合、図7からわかるように、優先順位は上位から順にDB1、DB4、DB3、DB2となり、検索処理はDB1に対して行われる。検索結果の表示画面にはDB1から抽出されたコンビニと共にそのコンビニを目的地として設定するボタンが表示される。そして、そのボタンを押す(画面上でそのボタンを選択して決定する操作を行う)ことで、ワンタッチで経路案内の目的地として設定される。
【0077】
また、例えばキーワード入力欄25に「天気予報」「愛知」と入力した場合、図7からわかるように、優先順位は上位から順にDB4、DB1、DB3、DB2となり、検索処理はDB4に対して行われる。そして、外部のサーバシステム3につながり、愛知県各地の天気予報図が表示される。
【0078】
また、例えばキーワード入力欄25に「卒業」と入力した場合、図7からわかるように、優先順位は上位から順にDB3、DB4、DB1、DB2となり、検索処理はDB3に対して行われる。検索結果の表示画面にはDB3から抽出された音楽データの画面(プレイリスト)と共にその曲を再生するためのボタンが表示され、そのボタンを押すことで再生を開始することができる。
【0079】
のS10の後、本処理を終了する。
(3)発明の効果
以上説明した情報検索装置1であれば、検索キーワードを入力して検索を行うと、重み値DB43(または情報記憶装置2の更新情報)を利用して、複数のデータベースの中から単語の重み値に基づく適切なデータベースが選択され、その選択されたデータベースから抽出された目的情報が出力される。
【0080】
従って、複数のデータベースから目的情報を検索する際に、ユーザが予めデータベースを選択する操作(例えば、目的地検索画面を表示させるといった操作)をする必要がなくなり、簡便に目的の情報を取得できるようになる。また、検索対象となるデータベースはキーワードの重み付けに応じて適切であると思われるものが選択されるため、ユーザの所望する情報を精度よく取得できる。
【0081】
また、本実施例の情報検索装置1では、重み付け処理によって定められた優先順位の低いデータベース、即ち、当該データベースの検索結果をユーザが必要としていない可能性の高いデータベースに対して検索処理を実行せず、優先順位の高いデータベースに絞って検索処理を実行するため、不要な検索処理を無くすことで処理負荷および検索時間を軽減することができる。また、優先順位の高い、即ちユーザが必要としている可能性の高いデータベースから検索処理を実行することで、目的情報を迅速に得ることができる。
【0082】
また、本実施例の情報検索装置1では、情報記憶装置2の接続の有無に応じて、同じ検索キーワードにて検索した場合の検索結果が変化する。よって、情報記憶装置2を接続することで簡便に検索時に出力される目的情報の傾向を調整することができる。さらに、情報記憶装置2を接続することで情報画面23の表示態様を変更することができる。
(4)変形例
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0083】
例えば、上記実施例においては、図6のS2における重み付け処理によって優先度が最も高いと判定されたデータベースからのみ検索を行う構成を例示したが、優先度が最も高いデータベース以外を検索した結果も出力できるように構成してもよい。その場合、例えば図10に示すフローチャートのように検索データ表示処理を実行するとよい。
【0084】
この図10の検索データ表示処理では、まず、変数iを1に設定する(S21)。
続くS22では検索条件となるキーワードが入力されたか否かを判断し、S23では重み付け処理を行う。このS22およびS23の処理は、図6の検索データ表示処理におけるS1、S2の処理と同様の処理である。
【0085】
次に、S23における重みの計算結果がi番目に多いデータベース、即ち優先順位がi番目のデータベースを選択する(S24)。
次に、検索対象となるデータベースが決定したか否かを判断する(S25)。具体的には、優先順位i番目のデータベースが決定していれば、検索対象となるデータベースが決定したと判断する。検索対象となるデータベースが決定していなければ(S25:NO)、処理がS28に移行する。」(段落【0061】ないし【0085】)

(ク)「【0088】
次に、検索リスト60における切替ボタン61が押されたか否かを判断する(S30)。切替ボタンが押されていなければ(S30:NO)、検索リスト60に挙げられた検索結果の中からユーザによっていずれかの検索結果が選択されたか否か判断する(S31)。そして、いずれの検索結果も選択されていなければ(S31:NO)、処理がS30に戻る。」(段落【0088】)

(ケ)「【0090】
一方、S30にて切替ボタン61が押された場合(S30:YES)、変数iをi+1にインクリメントし(S33)、続いて、変数iが基準値nより大きいか否かを判断する(S34)。ここでいう基準値nは、情報検索装置が検索可能なデータベースの数である。変数iが基準値nより大きくない場合(S34:NO)、処理がS24に戻る。変数iが基準値nより大きい場合(S34:YES)、変数iを1に戻し(S35)、処理がS24に戻る。
【0091】
即ち、S33からS35の処理によって、S24にて選択するデータベースを、前回検索したデータベースより優先順位の1つ低いものに変更する。そして、前回検索したデータベースが最も優先順位の低いデータベースであった場合には、次は最も優先順位の高いデータベースに変更する。
【0092】
このように検索データ表示処理を実行する情報検索装置であれば、切替ボタン61を押すだけで、情報画面23に表示される情報を、簡便に異なるデータベースから抽出された目的情報に切り替えることができる。
【0093】
なお、上記図10の検索データ表示処理においては、切替ボタン61を押すごとに異なるデータベースの検索を実行する構成を例示しているが、切替ボタン61が押されることをトリガとすることなく、順次異なるデータベースの検索を行うように構成してもよいし、複数のデータベースの検索を同時に行うように構成してもよい。なお、検索処理を行うデータベースの順序を、重み付け処理にて定められた優先順位に従って実行することとしてもよい。そのように構成することで、ユーザが所望していると考えられる目的情報を迅速に出力させることができる。
【0094】
また、上記実施例においては、サーバシステム3はウェブサイトの検索エンジンを提供するサーバとして構成されており、データベース52が有するデータはウェブサイト検索用データである構成を例示した。しかしながら、データベース52の有するデータは、上記データに限定されることなく、様々な分野のデータとすることができる。例えば、サーバシステム3は独自のコンテンツを提供するものであって、データベース52にはそのコンテンツを検索するためのキーワードや、そのコンテンツ自体が記憶されるものとすることができる。」(段落【0090】ないし【0094】)

イ 甲1発明1及び甲1技術1ないし3
上記ア(ア)ないし(ケ)及び図1ないし10の記載から、甲第1号証には以下の発明(以下「甲1発明1」という。)が記載されていると認められる。

「施設の情報を格納する第1のデータベース(DB1)44と、
前記第1のデータベース(DB1)44に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する検索部36と、
外部のサーバシステム3の第4のデータベース(DB4)52に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた目的情報の提供を依頼するウェブサイトの検索エンジンと、
前記指定された検索条件に応じて、前記検索部36と、前記ウェブサイトの検索エンジン、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する制御装置17と、
前記検索部36または前記ウェブサイトの検索エンジンにより検索された結果を表示する表示装置13と、
を備える情報検索装置1。」

また、上記アないしケ及び図1ないし10の記載から、甲第1号証には以下の技術が記載されていると認められる。

「インターネットの検索エンジンとして機能するサーバシステムの記憶装置は、更新が頻繁に行われる検索用データベースである技術。」(以下、「甲1技術1」という。)

「優先度が最も高いと判定されたデータベースに対して検索を行い、その後、優先順位に従ってi番目のデータベースに対して検索を行う技術。」(以下、「甲1技術2」という。)

「優先度が最も高いデータベースを検索した結果と、それ以外のデータベースを検索した結果を表示する技術。」(以下、「甲1技術3」という。)

(4)判断
ア 取消理由通知に記載した取消理由について
(ア)特許法第29条第2項について
本件訂正請求により、特許請求の範囲の請求項1、3、6及び8ないし11に係る発明は削除されたため、本件特許の請求項1、3、6及び8ないし11に対してした取消理由通知については、対象となる請求項が存在しない。

イ 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人は、訂正前の特許請求の範囲に関し、特許異議申立書において、請求項1ないし11に係る発明は、甲第1号証に記載された発明から容易に想到できたものであるから、本件の特許請求の範囲の請求項1ないし11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。
そこで、取消理由通知において採用しなかった請求項2、4、5及び7に係る発明に対する特許異議申立理由について、本件の特許請求の範囲の請求項2、4、5及び7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるか否かについて検討する。

(ア)本件発明2について
a 本件発明2
本件発明2は、上記3.(1)アの「本件発明2」に記載されたとおりのものである。

b 対比
本件発明2と甲1発明1とを対比すると、甲1発明1における「第1のデータベース(DB1)44」は、その構成、機能又は技術的意義からみて、本件発明2における「施設記憶手段」に相当し、以下同様に、「検索部36」は「第一の施設検索手段」に、「表示装置13」は「結果表示手段」に、「情報検索装置1」は「情報端末」に、それぞれ相当する。
また、甲1発明1における「外部のサーバシステム3の第4のデータベース(DB4)52」は、「情報を提供する情報提供装置」という限りにおいて、本件発明2における「施設の情報を提供する施設情報提供装置」に相当し、同様に、甲1発明1における「目的情報」は、「情報」という限りにおいて、本件発明2における「施設情報」に相当し、本件発明1における「ウェブサイトの検索エンジン」は、「第二の検索手段」という限りにおいて、本件発明1における「第二の施設検索手段」に、それぞれ相当する。
また、甲1発明1における「制御装置17」は、甲第1号証の段落【0061】ないし【0069】に記載されているように、「入力された検索キーワードから単語を抽出して、その単語を重み値DB43から検索して複数のデータベースごとの重み値(単語とデータベースとの関連度合いを示す値)を抽出し、加算処理して最も数値の大きいデータベースを検索対象のデータベースと決定する。」(段落【0063】)ものであるから、その構成、機能又は技術的意義からみて、本件発明2における「検索方法判定手段」に相当する。

よって、本件発明2と甲1発明1とは、
「施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
情報を提供する情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた情報の提供を依頼する第二の検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備える情報端末。」
という点で一致し、少なくとも次の点で相違する。

<相違点>
本件発明2においては、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、所定の処理負荷が高い検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」のに対し、甲1発明1においては、そのようにして判定するか否か明らかでない点(以下、「相違点1」という。)。

c 判断
甲第1号証には、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、所定の処理負荷が高い検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」点に関し、記載も示唆もされていない。
また、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、所定の処理負荷が高い検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」ことが、当業者にとって自明であるともいえない。
なお、特許異議申立人は、異議申立書において、「サーバの処理能力が高いことは本件特許発明の出願前に周知であり、前記相違点2は、優先順位の高い検索用データベースを選択するための設計変更等に該当し、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎない。」(第22ページ第20ないし24行)と主張するが、「サーバの処理能力が高いこと」が周知技術であったとしても、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、所定の処理負荷が高い検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」ことが周知技術であるとはいえず、また、甲1発明1をそのように設計変更するための動機付けもない。
したがって、本件発明2は、甲1発明1に基づいて当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。

(イ)本件発明4について
a 本件発明4
本件発明4は、上記3.(1)イの「本件発明4」に記載されたとおりのものである。

b 対比
本件発明4と甲1発明1との対比は、本件発明2と甲1発明1との対比と同様である。
よって、本件発明4と甲1発明1とは、
「施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
情報を提供する情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた情報の提供を依頼する第二の検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備える情報端末。」
という点で一致し、少なくとも次の点で相違する。

<相違点>
本件発明4においては、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、複数の検索ワードを用いる検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」のに対し、甲1発明1においては、そのようにして判定するか否か明らかでない点(以下、「相違点2」という。)。

c 判断
甲第1号証には、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、複数の検索ワードを用いる検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」点に関し、記載も示唆もされていない。
また、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、複数の検索ワードを用いる検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」ことが、当業者にとって自明であるともいえない。
なお、特許異議申立人は、異議申立書において、「複数の検索ワードを用いると検索が複雑になり処理負荷が高くなることは本件特許発明の出願前に周知であり、前記相違点4は、優先順位の高い検索用データベースを選択するための設計変更等に該当し、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎない。」(第23ページ末行ないし第24ページ第3行)と主張するが、「複数の検索ワードを用いると検索が複雑になり処理負荷が高くなること」が周知技術であったとしても、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、所定の処理負荷が高い検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」ことが周知技術であるとはいえず、また、引用発明をそのように設計変更するための動機付けもない。
したがって、本件発明4は、甲1発明1に基づいて当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。

(ウ)本件発明5について
a 本件発明5
本件発明5は、上記3.(1)ウの「本件発明5」に記載されたとおりのものである。

b 対比
本件発明5と甲1発明1との対比は、本件発明2と甲1発明1との対比と同様である。
よって、本件発明5と甲1発明1とは、
「施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
情報を提供する情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた情報の提供を依頼する第二の検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備える情報端末。」
という点で一致し、少なくとも次の点で相違する。

<相違点>
本件発明5においては、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、特定のジャンルに該当する施設を探索する検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」のに対し、甲1発明1においては、そのようにして判定するか否か明らかでない点(以下、「相違点3」という。)。

c 判断
甲第1号証には、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、特定のジャンルに該当する施設を探索する検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」点に関し、記載も示唆もされていない。
また、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、特定のジャンルに該当する施設を探索する検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」ことが、当業者にとって自明であるともいえない。
なお、特許異議申立人は、異議申立書において、「甲第1号証に、情報記憶装置ごとに優先的に出力される分野に応じた重み値を予め記憶しておき、ある分野の単語を検索キーワードとして入力したときに最も優先順位が高いと決定される検索用データベースが、接続した情報記憶装置によって異なるように構成してもよい」(段落0019)と記載されているように、特定のジャンルの単語によって検索手段の優先順位を決定することは本件特許発明の出願前に周知であり、前記相違点5は、優先順位の高い検索用データベースを選択するための設計変更等に該当し、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎない。」(第24ページ第15ないし23行)と主張する。
しかし、甲第1号証の段落【0019】に記載されているのは、「情報記憶装置ごとに優先的に出力される分野に応じた重み値を予め記憶しておき」というものであるから、前提が異なり、また、「特定のジャンルに該当する施設」と、「ある分野の単語」とは、概念が異なるから、仮に、特定のジャンルの単語によって検索手段の優先順位を決定することが本件特許発明の出願前に周知であるとしても、それにより、「検索方法判定手段は、指定された検索条件が、特定のジャンルに該当する施設を探索する検索条件である場合には、第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する」ことが容易であるとはいえない。
したがって、本件発明5は、甲1発明1に基づいて当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。

(エ)本件発明7について
a 本件発明7
本件発明7は、上記3.(1)エの「本件発明7」に記載されたとおりのものである。

b 対比
本件発明7と甲1発明1との対比は、本件発明2と甲1発明1との対比と同様である。
よって、本件発明7と甲1発明1とは、
「施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
情報を提供する情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた情報の提供を依頼する第二の検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備える情報端末。」
という点で一致し、少なくとも次の点で相違する。

<相違点>
本件発明7においては、「さらに、第二の施設検索手段は、複数の施設情報提供装置ごとに細分化されており、検索方法判定手段は、指定された検索条件に応じて、細分化された複数の施設情報提供装置のうちいずれかを特定して施設の検索を行うと判定する」のに対し、甲1発明1においては、そのようにして判定するか否か明らかでない点(以下、「相違点4」という。)。

c 判断
甲第1号証には、「さらに、第二の施設検索手段は、複数の施設情報提供装置ごとに細分化されており、検索方法判定手段は、指定された検索条件に応じて、細分化された複数の施設情報提供装置のうちいずれかを特定して施設の検索を行うと判定する」点に関し、記載も示唆もされていない。
また、「さらに、第二の施設検索手段は、複数の施設情報提供装置ごとに細分化されており、検索方法判定手段は、指定された検索条件に応じて、細分化された複数の施設情報提供装置のうちいずれかを特定して施設の検索を行うと判定する」ことが、当業者にとって自明であるともいえない。
なお、異議申立人は、異議申立書において、「甲7発明(当審注:甲第1号証に記載された7番目の発明のこと)に記載のように検索手段を情報提供装置ごとに細分化することは本件特許発明の出願前に周知であり、前記相違点7は、第一の施設検索手段と同様に第二の施設検索手段を施設情報提供装置ごとに細分化しただけの設計変更等に該当し、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎない。」(第26ページ第5ないし9行)と主張する。
確かに、甲第1号証には、複数のデータベースDB1、DB2、DB3、DB4を備えるものが記載されている。しかし、検索部36は1つであって、複数のデータベースDB1、DB2、DB3、DB4ごとに細分化されているわけではない。故に、甲第1号証の記載から、検索手段を情報提供装置ごとに細分化することが本件特許発明の出願前に周知であったとはいえない。
したがって、本件発明7は、甲1発明1に基づいて当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。

(オ)まとめ
以上から、本件発明2、4、5及び7は、甲1発明1に基づいて当業者が容易に想到できたものであるとすることができない。

4.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項2、4、5及び7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項2、4、5及び7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、請求項1、3、6及び8ないし11に係る特許は、訂正により、削除されたため、本件特許の請求項1、3、6及び8ないし11に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 (削除)
【請求項2】
施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、所定の処理負荷が高い検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。
【請求項3】 (削除)
【請求項4】
施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、複数の検索ワードを用いる検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。
【請求項5】
施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件が、特定のジャンルに該当する施設を探索する検索条件である場合には、前記第二の施設検索手段を用いて施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。
【請求項6】(削除)
【請求項7】
施設の情報を格納する施設記憶手段と、
前記施設記憶手段に格納された施設を指定された検索条件に応じて検索する第一の施設検索手段と、
施設の情報を提供する施設情報提供装置に、ネットワークを介して、前記指定された検索条件に応じた施設情報の提供を依頼する第二の施設検索手段と、
前記指定された検索条件に応じて、前記第一の施設検索手段と、前記第二の施設検索手段と、のいずれを用いて施設の検索を行うかを判定する検索方法判定手段と、
前記第一の施設検索手段または前記第二の施設検索手段により検索された結果を表示する結果表示手段と、
を備え、
さらに、前記第二の施設検索手段は、複数の前記施設情報提供装置ごとに細分化されており、
前記検索方法判定手段は、前記指定された検索条件に応じて、前記細分化された複数の前記施設情報提供装置のうちいずれかを特定して施設の検索を行うと判定する、
ことを特徴とする情報端末。
【請求項8】(削除)
【請求項9】(削除)
【請求項10】(削除)
【請求項11】(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-03-17 
出願番号 特願2011-231507(P2011-231507)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (G01C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 東 勝之  
特許庁審判長 中村 達之
特許庁審判官 松下 聡
金澤 俊郎
登録日 2016-01-08 
登録番号 特許第5865668号(P5865668)
権利者 クラリオン株式会社
発明の名称 情報端末、プログラムおよび検索方法  
代理人 特許業務法人湘洋内外特許事務所  
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