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審決分類 審判 一部無効 2項進歩性  A61K
管理番号 1328116
審判番号 無効2016-800080  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2016-07-05 
確定日 2017-04-21 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3874419号発明「動脈硬化及び高血圧症の予防及び治療のための医薬」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3874419号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[6?25]について訂正することを認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3874419号は、平成16年1月29日(優先権主張 平成15年1月31日、平成15年2月7日)を国際出願日とする出願であって、平成18年11月2日に特許権の設定登録がなされたものである。
これに対して、請求人から、平成28年7月5日付け審判請求書によって、本件特許の請求項6?25に係る発明の特許を無効にすることを求める旨の本件特許無効審判が請求された。また、被請求人から、平成28年9月20日付けで答弁書及び訂正請求書が提出され、平成28年11月10日付けで審尋に対する回答書が提出された。
そして、請求人、被請求人は、各々、平成29年1月17日付け口頭審理陳述要領書を提出し、平成29年1月31日に行われた第1回口頭審理において、請求人、被請求人各々により、第1回口頭審理調書に記載のとおりの陳述がなされた。

なお、請求人は、上記口頭審理陳述要領書において、新たに、甲第6号証ほかに基づく進歩性欠如の無効理由3、及び、記載不備による無効理由4を主張している。しかし、無効理由3の主張は、新たな主引用例による無効理由を請求書に追加するものであり、また、無効理由4の主張は、新たな根拠法条による無効理由を請求書に追加するものであるから、上記主張はいずれも、請求の理由の要旨を変更する補正というべきものであり、特許法第131条の2第1項本文の規定により許可することができない旨の補正許否の決定が上記口頭審理において行われた。


2.訂正請求
本件訂正請求の趣旨、及び、訂正の内容は、上記平成28年9月20日付け訂正請求書の記載によれば、それぞれ以下のとおりのものである。

2-1.訂正請求の趣旨
特許第3874419号の特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項6?25について訂正することを求める。

2-2.訂正の内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項6に「成分(A)及び成分(B)を有効成分として含む医薬」とあるのを、「成分(A)及び成分(B)のみを有効成分として含む医薬」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項7に、「成分(A)及び成分(B)を有効成分として含む医薬」とあるのを、「成分(A)及び成分(B)のみを有効成分として含み、かつ血管リモデリングの抑制による動脈硬化抑制作用を有することを特徴とする医薬」に訂正する。

2-3.訂正の適否の判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1に係る訂正は、請求項6における「有効成分」を「成分(A)及び成分(B)」から「成分(A)及び成分(B)のみ」に限定する訂正であるといえるから、特許請求の範囲の減縮に該当する。
また、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」ともいう。)には、「本発明の医薬は、有効成分である上記成分(A)及び(B)のほか、必要に応じて適宜の薬理学的に許容される賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、乳化剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法に従い製造される」ことが記載されている(本件特許掲載公報12頁7?9行)。また、本件明細書の実施例では、成分(A)に相当するオルメサルタン・メドキソミル及び成分(B)に相当するアゼルニジピンのみが使用されていることが記載されている。これらの記載からみて、本件明細書には、上記「有効成分」を「成分(A)及び成分(B)のみ」とすることが記載されているといえる。そうすると、上記訂正は、本件明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2に係る訂正は、請求項7において、訂正事項1と同じく「有効成分」を「成分(A)及び成分(B)のみ」に限定することに加えて、同請求項の「医薬」について、「血管リモデリングの抑制による動脈硬化抑制作用を有することを特徴とする」ものに限定する訂正であるといえるから、特許請求の範囲の減縮に該当する。
また、本件明細書に、上記「有効成分」を上記「成分(A)及び成分(B)のみ」とすることが記載されているといえることは先に説示したとおりである。加えて、本件明細書には、「血管リモデリングを有効に抑制でき、動脈硬化の進展やPCI後の再狭窄を予防することができる医薬を提供する」こと(本件特許掲載公報4頁33、34行)、また、「本発明の医薬は、本明細書の実施例に具体的に示すように、成分(A)及び成分(B)が相乗的に作用することにより血管新生内膜形成及び血管平滑筋細胞増殖を抑制し、その結果として血管リモデリングを抑制することができる。上記の作用に基づいて、本発明の医薬は、動脈硬化症の予防及び/又は治療のほか、冠動脈インターベンション後の再狭窄の予防に用いることもできる。」こと(同11頁22?26行)、さらに、実施例の例1の標題に「動脈硬化抑制作用」と記載されており、「アゼルニジピン0.1mg/Kg/dayとオルメサルタン0.5mg/Kg/day・・・を同時に投与すると・・・血管リモデリングを改善することがイン・ビボの実験で示された。」ことが記載されている(同14頁7?12行)。これらの記載からみて、本件明細書には、上記「有効成分」を上記「成分(A)及び成分(B)のみ」とする上記「医薬」が、「血管リモデリングの抑制による動脈硬化抑制作用を有することを特徴とする」ものであることが記載されているといえる。そうすると、上記訂正は、本件明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

そして、訂正前の請求項6?25は、請求項8?25が、訂正請求の対象である請求項6又は7の記載を直接的又は間接的に引用する関係にあるから、一群の請求項に該当するものである。したがって、訂正の請求は、一群の請求項ごとにされたものである。

(3)むすび
したがって、本件訂正請求による訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法同条第3項、及び同法同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものであるので、訂正後の請求項[6?25]について訂正することを認める。


3.本件訂正発明
上記訂正の結果、本件特許第3874419号の特許請求の範囲の請求項1?25に係る発明は、本件訂正特許請求の範囲の請求項1?25に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち、請求項6?25(以下、順に、「本件訂正発明6」?「本件訂正発明25」という。)は、次のとおりである。
「【請求項6】
高血圧症又は高血圧症に由来する疾患の予防及び/又は治療の為の医薬であって、請求項1に記載の成分(A)及び成分(B)のみを有効成分として含む医薬。
【請求項7】
高血圧症の予防及び/又は治療の為の医薬であって、請求項1に記載の成分(A)及び成分(B)のみを有効成分として含み、かつ血管リモデリングの抑制による動脈硬化抑制作用を有することを特徴とする医薬。
【請求項8】
高血圧症に由来する疾患が、心臓疾患である請求項6に記載の医薬。
【請求項9】
高血圧症に由来する疾患が、狭心症である請求項6に記載の医薬。
【請求項10】
高血圧症に由来する疾患が、心筋梗塞である請求項6に記載の医薬。
【請求項11】
高血圧症に由来する疾患が、不整脈である請求項6に記載の医薬。
【請求項12】
高血圧症に由来する疾患が、突然死である請求項6に記載の医薬。
【請求項13】
高血圧症に由来する疾患が、心不全である請求項6に記載の医薬。
【請求項14】
高血圧症に由来する疾患が、心肥大である請求項6に記載の医薬。
【請求項15】
高血圧症に由来する疾患が、腎臓疾患である請求項6に記載の医薬。
【請求項16】
高血圧症に由来する疾患が、糖尿病性腎症である請求項6に記載の医薬。
【請求項17】
高血圧症に由来する疾患が、糸球体腎炎である請求項6に記載の医薬。
【請求項18】
高血圧症に由来する疾患が、腎硬化症である請求項6に記載の医薬。
【請求項19】
高血圧症に由来する疾患が、脳血管性疾患である請求項6に記載の医薬。
【請求項20】
高血圧症に由来する疾患が、脳梗塞である請求項6に記載の医薬。
【請求項21】
高血圧症に由来する疾患が、脳出血である請求項6に記載の医薬。
【請求項22】
成分(A)が、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル 4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-[2’-(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イルメチル]イミダゾール-5-カルボキシレートである、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項23】
成分(A)及び成分(B)の両者を有効成分として含む医薬組成物の形態の請求項1乃至22のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項24】
物理的に1個の単位投与形態である、請求項23に記載の医薬。
【請求項25】
成分(A)及び成分(B)を、同時に、又は成分(A)及び成分(B)を時間を変えて投与する為の請求項1乃至22のいずれか1項に記載の医薬。」


4.当事者の主張、及び、提出した証拠方法
4-1.請求人の主張する無効理由、及び、提出した証拠方法
請求人は、特許第3874419号発明の特許請求の範囲の請求項6?25に記載された発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、以下の無効理由1、2を主張し、証拠方法として、甲第1?21号証を提出している。

(無効理由1)
本件訂正発明6?25は、甲第8号証に記載の発明に、必要に応じ周知技術を参酌することにより、さらには甲第9号証を加味することにより、さらには甲第14号証?甲第17号証を加味することにより、当業者が容易に想到できたものであり進歩性を欠く。
よって、本件訂正発明6?25に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条1項2号に該当し、無効とすべきである。

(無効理由2)
本件訂正発明6?25は、甲第10号証に記載の発明に、必要に応じ周知技術を参酌することにより、さらには甲第9号証を加味することにより、さらには甲第15号証?甲第17号証を加味することにより、当業者が容易に想到できたものであり進歩性を欠く。
よって、本件訂正発明6?25に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条1項2号に該当し、無効とすべきである。

(証拠方法)
甲第1号証:医療用医薬品添付文書 日本薬局方 オルメサルタン メドキソミル錠 オルメサルタン メドキソミル口腔内崩壊錠;
URL http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/430574_2149044F1024_3_19
甲第2号証:医療用医薬品添付文書 日本薬局方 アゼルニジピン錠;
URL https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/671423_2149043F1038_1_05
甲第3号証:高血圧症治療ガイドライン2000年版 第5頁、第31?37頁
甲第4号証:荒川ら,“軽症・中等症本態性高血圧患者に対するカルシウム拮抗薬またはサイアザイド系利尿薬との併用療法によるアンジオテンシンII受容体拮抗薬BIBR277(テルミサルタン)の臨床評価”,Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療)vol.30 supplement 2002
甲第5号証:特表平6-503834号公報
甲第6号証:米国特許公開2001/0049384号公報及び抄訳文
甲第7号証:国際公開第00/27396号及び抄訳文
甲第8号証:特許第3057471号公報
甲第9号証:大石ら,“新薬展望2002 降圧薬”,医薬ジャーナル Vol.38, S-1, 2002/p.127-p.130
甲第10号証:Smith, "Strategies to Meet Lower Blood Pressure Goals With a New Standard in Angiotensin II Receptor Blockade", AJH 2002; 15:108S-114S及び抄訳文
甲第11号証:第一三共株式会社、レザルタス配合錠LD レザルタス配合錠HDに関する資料
URL http://www.pmda.go.jp/drugs/2010/P201000016/index.html) 非臨床概要 (1)薬理、CS-866AZ 2.6.2 薬理試験の概要文
(以上、審判請求書に添付。)
甲第3号証の1:高血圧症治療ガイドライン2000年版,第83?101頁,奥付
甲第6号証の1:甲6号証の抄訳
甲第12号証:新薬開発のための動物モデル利用集成,昭和60年6月10日発行,第141?158頁,奥付
甲第13号証:人間生活文化研究,Int J Hum Cult Stud., 2015, No.25, p.191-193
甲第14号証:Stephanie F Gardner et al., The Annals of Pharmacotherapy, "Olmesartan Medoxomil: The Seventh Angiotensin Receptor Antagonist", 2003 January, Volume 37, p.99-105
甲第14号証の1:甲14号証の抄訳
甲第14号証の2:Annals of Pharmacotherapyの2003年1月1日発行文献の検索結果
甲第15号証:佐田ら,Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療),“コレステロール負荷ウサギにおける高脂溶性持続型Ca拮抗剤アゼルニジピンの抗動脈硬化作用”,2002, vol.30, no.9, p.721-728
甲第16号証:佐田ら,Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療),“血管親和性を有する持続型Ca拮抗剤アゼルニジピンの薬理特性(その1)”,2002, vol.30, no.9, p.703-709
甲第17号証:佐田ら,Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療),“血管親和性を有する持続型Ca拮抗剤アゼルニジピンの薬理特性(その2)”,2002, vol.30, no.9, p.711-720
甲第18号証:奥西,Progress in Medicine,“虚血性心疾患の危険因子に対する降圧薬の作用 3.降圧薬の抗動脈硬化作用”,1997.9, Vol.17, No.9, p.2398-2403
甲第19号証:島本,治療,“合併症をもつ患者への降圧療法 高脂血症を伴った高血圧”,(2000, 4), Vol.82, No.4, p.59-65
甲第20号証:特開平5-78328号公報
甲第21号証:特開昭63-253082号公報
(以上、口頭審理陳述要領書に添付。)

4-2.被請求人の主張、及び、提出した証拠方法
被請求人は、訂正の請求を認める、本件無効審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、請求人の本件特許が無効であるとの主張には理由がない旨を主張し、証拠方法として、乙第1?21号証を提出している。

(証拠方法)
乙第1号証:一般向け「高血圧治療ガイドライン」解説冊子 高血圧の話 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会ら (2014)
乙第2号証:日本臨床 72巻 増刊号6 (2014) 51-55頁
乙第3号証:Inaba et al., American Journal of Hypertension, Vol. 22, No. 2, pp. 145-150 (2009)及び抄訳文
乙第4号証:甲6と同じ発明者による欧州特許(EP 1 096 932)の異議申立ての口頭審理のEPO議事録(2011年4月1日付け)及び抄訳文
乙第5号証:水野氏の陳述書
乙第6号証:品川氏の陳述書
乙第7号証:ファルマシア Vol. 44, No.6, pp. 537-541 (2008)
乙第8号証:Progress in Medicine, Vol. 23, No.4, pp. 1145- 1150 (2003)
乙第9号証:高血圧治療ガイドライン 表紙、目次、第5章(37?45頁) (2009)
乙第10号証:高血圧治療ガイドライン 表紙、目次、第5章(45?57頁) (2014)
乙第11号証:Wada et al., Hypertens Res Vo. 19, No. 4, 247-254 (1996)及び抄訳文
乙第12号証:浜田知久馬 学会・論文発表のための統計学 表紙、30?37頁、94?99頁、奥付 (1999)
(以上、平成28年9月20日付け答弁書に添付。ただし、乙第5号証は、平成28年11月10日付け回答書に添付したものに差し替え。)
乙第13号証:Inaba et al.,American Journal of Hypertension, Vo. 22, No. 2, 145-150,Supplemental Figure1 付き(2009)
(以上、平成28年口頭審理陳述要領書に添付。)
乙第14号証:Ca拮抗薬のすべて(第2版)、株式会社先端医学社、表紙、414?432頁、奥付(1999)
乙第15号証:Journal of Human Hypertension, 16 (Suppl 2), S7-S12 (2002)及び抄訳文
乙第16号証:Vascular Health and Risk Management, 7, pp.383-390 (2011)及び抄訳文
乙第17号証:Drug Design, Development and Therapy, 7, pp. 175-183 (2013)及び抄訳文
乙第18号証:【ダイジェスト版】血管機能の非侵襲的評価法に関するガイドライン, pp.113-145 (2013)
乙第19号証:Atherosclerosis, 66, pp.63-76 (1987)及び抄訳文
乙第20号証:Atherosclerosis, 65, pp.199-205 (1987)及び抄訳文
乙第21号証:生活習慣と遺伝子疾患、メディカルレビュー社、表紙、91?102頁、奥付(2002)
(以上、平成29年1月31日付け上申書に添付。)


5.証拠の記載事項
5-1.甲号証の記載事項
甲第1号証ないし甲第21号証には、以下の記載がある。なお、原文が外国語で記載されているものについては、邦訳を示す。

甲第1号証
(摘示事項1A)
1頁、5頁
本件特許発明の成分(A)に属するオルメサルタンメドキソミルについて、「オルメテック錠の有効成分であること」、「オルメテック錠の錠10mg(承認番号:21600AMZ00031)と錠20mg(承認番号:21600AMZ00032)が、2004年5月から、第一三共株式会社より販売されていること」、「オルメテック錠の効能・効果が高血圧症であること」の記載がある。

甲第2号証
(摘示事項2A)
1頁、4頁
本件特許発明の成分(B)に属するアゼルニジピンについて、「カルブロック錠の有効成分であること」、「カルブロック錠の錠8mg(承認番号:21500AMZ00030)と錠16mg(承認番号:21500AMZ00031)が、2003年5月から、第一三共株式会社より販売されていること」、「カルブロック錠の効能・効果が高血圧症であること」の記載がある。

甲第3号証
(摘示事項3A)
5頁最終段落
「本ガイドラインは、本邦における現時点での標準的な治療を目指したものでありますが、今後、高血圧学会をはじめ、他の関連学会や医師会などの評価を受け、さらに、次々に発表される大規模臨床試験の結果に基づき修正・改訂されるべきものであることは言うまでもありません。本書が高血圧治療に携わる臨床医の一助となることを願っています。」

(摘示事項3B)
32頁右欄10行?33頁左欄17行
「a)第一選択薬の決定
現在、世界ではCa拮抗薬、ACE阻害薬、AII受容体拮抗薬、利尿薬、β遮断薬(含αβ遮断薬)、α遮断薬^(5、9))が主に用いられているが、これまでのRCTにおいて各クラスの降圧薬の予後に対する効果に明らかな差を示した成績はない。したがって降圧薬治療の有用性は降圧薬のクラス固有の特性によるものではなく、降圧作用そのものによると考えられてきた。しかし、最近、α遮断薬のドキサゾシンは、米国のALLHAT試験(Antihypertensive and Lipid-lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)で心血管病の予後改善効果が弱いことが明らかにされたこともあり、第一選択薬として適切でない可能性がある^(118、119))。実際の薬物選択は以下の要因を考慮し、個々の患者に適した降圧薬を選択する。
・心血管危険因子-喫煙、高脂血症、肥満、耐糖能異常、心血管病の家族歴等
・標的臓器障害、心血管病
・降圧薬の副作用、QOLへの影響
積極的に使用することが望ましい場合および禁忌である場合を表5-2に示す。
表5-2 省略

b)降圧薬の変更と追加
・降圧薬の投与は予期できない急激な降圧による副作用を避けるため、単薬で低用量から開始する。
・1日1回服用でよい長時間作用型の降圧薬を使用する。
・緩徐に降圧することが望ましく、2?3カ月で目標血圧に到達することを目指す。
・目標血圧140/90mmHg未満(非高齢者で可能なら130/85mmHg未満)に到達しない場合には忍容性が許すならば増量するが、通常量の2倍以上にはしない。それでも、目標に到達しない場合には他のクラスの降圧薬を低用量で追加併用する。
RCTや実施臨床でしばしば行われる併用には以下のものがある。
(1)Ca拮抗薬とACE阻害薬(あるいはAII受容体拮抗薬)
(2)ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬とβ遮断薬
(3)ACE阻害薬(あるいはAII受容体拮抗薬)と利尿薬
(4)β遮断薬とα遮断薬
(5)利尿薬とβ遮断薬
・最初に用いた降圧薬ではほとんど効果が認められない場合や忍容性が悪い場合は別のクラスの降圧薬に変更する。」
(注 上記(1)?(5)は、○内に各々1?5の数字が記された記号である。)

(摘示事項3C)
34頁左第12行?右第11行
「(a)Ca拮抗薬
抗狭心症薬として開発され、後に冠動脈のみならず末梢細動脈を拡張させて降圧効果をもたらすことが明らかにされた薬物である。
降圧薬として用いられているのがジヒドロピリジン系Ca拮抗薬とベンゾチアゼピン系Ca拮抗薬であり、後者に属するCa拮抗薬はジルチアゼムだけである。Ca拮抗薬は14種(18剤型)が市販されており、最初に開発されたニフェジピンと最近になって登場してきたアムロジピンやニフェジピン等とでは作用時間等にかなりの差がある。
ニフェジピンは速攻性で強力な降圧効果を呈するが、降圧に伴って交感神経系やレニン・アンジオテンシン系の活性亢進をきたし、心拍数や心仕事量増加させる欠点がある。特に短時間作用型のニフェジピンカプセルの投与時には、急速な降圧を生ずるものの、2?3時間で効果が弱まり、血圧が動揺しやすくなり、虚血性心疾患を憎悪させる可能性がある120)。したがって、ニフェジピンを用いる場合には長時間作用型を用いるべきである。アムロジピンは降圧効果の発現が緩徐で作用の持続時間が長く、確実な降圧効果をもたらし、かつ心拍数には変化をきたさない。・・・(後略)」

(摘示事項3D)
35頁左欄9行?最下行
「(c)AII受容体拮抗薬
アンジオテンシンIIの受容体にはI?IV型受容体まであることが知られている。これまで知られているアンジオテンシンIIの多くの作用はI型受容体を介するもので、このI型受容体へのアンジオテンシンIIの作用を選択的に抑制して降圧効果をもたらす薬物が、AII受容体拮抗薬である。現在本邦では、ロサルタンとカンデサルタンの2種類が市販されている。 降圧機序は、末梢血管の拡張作用、アルドステロンの分泌抑制および交感神経末端からのノルアドレナリン放出抑制等が考えられている。心血管系にはACE以外にキマーゼやカテプシンG等、アンジオテンシンIからアンジオテンシIIを産生する酵素が存在することから、ACEを抑制してもアンジオテンシンIIが産生される。したがって、AII受容体拮抗薬はACE阻害剤よりレニン・アンジオテンシン型を特異的に抑制すると考えられる。そのほかAII受容体拮抗薬の使用時には、レニン産生が亢進し、その結果増量したアンジオテンシンIIはII型受容体へ作用する。この受容体を介するアンジオテンシンIIの作用は、血圧上昇や臓器障害の進展を阻止するように働くものと考えられている。
AII受容体拮抗薬は緩徐ではあるが確実な降圧作用を示し、利尿薬やCa拮抗薬等と併用で、優れた相加・相乗効果を発揮する。
副作用は少なく125)、プラセボ使用時の副作用の頻度と同等で、めまい、動悸等を認める程度であり、治療の継続に有用である126)、127)。
使用上の注意は、ACE阻害薬に準じる。」

(摘示事項3E)
37頁右欄第16行?最下行
「まとめ
1)降圧薬の使用に際しては各薬物の特徴および副作用に関して添付文書を十分に読んで正しく把握し、各患者の病態にあわせて最も適するものを選択して使用する。
2)第一選択薬として推奨される薬物は、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、AII受容体拮抗薬、少量の利尿薬、β遮断薬、およびα遮断薬である。この中の1薬を投与して緩徐な降圧を図り、効果不十分な場合には、相加・相乗効果が期待できる薬物を併用するか、他薬に変更する。
3)降圧目標を達成できない場合は、高血圧専門家の意見を求める。」

甲第4号証
(摘示事項4A)
S-121頁?S-122頁左欄29行 「軽傷・中等症本態性高血圧患者に対するカルシウム拮抗薬またはサイアザイド系利尿薬との併用療法によるアンジオテンシンII受容体拮抗薬BIBR277(テルミサルタン)の臨床評価 -第II相後期併用療法試験-
・・(略)・・・
はじめに
高血圧症の治療目的は、降圧することにより主要臓器障害の進展を抑制し、心血管系疾患の発症を予防することである。降圧目標は「高血圧治療ガイドライン2000年版」1)によれば、若年、中年者や糖尿病患者では130/85mmHg未満、高齢者では収縮期は年齢を考慮し、140?160mmHg以下、拡張期血圧は90mmHg未満となっている。また、降圧薬の使用上の原則として、(1)降圧薬としては原則として1日1回投与のものを選ぶ、(2)降圧薬の投与量は低用量から始める、(3)副作用の発現を抑え、降圧効果を増強するためには降圧薬を組み合わせた併用療法を行う、(4)最初に投与した降圧薬ではほとんど降圧効果を認めなかった場合や忍容性がない場合は作用機序の異なる別の降圧薬に変更する、(5)他の疾患を合併している場合は、投与する降圧薬と他の疾患に投与されている薬物との相互作用を必ず確かめる、とされている。また、すでに本邦では種々の優れた降圧薬が使用可能であるが、降圧目標が以前と比較し、次第に低くなってきたこともあり、単剤で降圧目標を達成することが困難な例も少なからず見受けられる。
以上のことから、降圧目標を達成するためには、単剤で十分な降圧効果が得られない場合、一般に高血圧の治療は長期にわたるので、患者の病態や合併症を考慮して、作用機序の異なる複数の降圧薬の低用量の併用が推奨される。併用される降圧薬の組み合わせとしては、作用機序の異なるものを併用することが原則であり、上記ガイドラインによればアンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体拮抗薬の場合はカルシウム拮抗薬または利尿薬とされている。そのうち、カルシウム拮抗薬は本邦で最も多く使用されており、その処方頻度も諸外国と比べて高く、約6割の高血圧患者で使用されている。そのため本邦における高血圧治療においては、特にカルシウム拮抗薬との併用は軽症・中等症本態性高血圧患者の治療において最も処方の多い組み合わせと考えられる。」
(注 上記(1)?(5)は、○内に各々1?5の数字が記された記号である。)

(摘示事項4B)
S-122頁右欄下から2行?S-124頁左欄4行
「以上のことから、本治験ではカルシウム拮抗薬またはサイアザイド系利尿薬を服用しても十分な降圧効果が得られていない軽症・中等症本態性高血圧患者に対して、本薬を1日1回20mg?80mgを追加することで、本薬の併用療法の降圧効果および安全性を評価し、臨床推奨用量を検討した。(途中、「表1」略)」

(摘示事項4C)
S-136頁右欄30?34行
「以上のことから、本治験でカルシウム拮抗薬およびサイアザイド系利尿薬の単独投与では降圧効果が不十分な患者においても、本薬20mg?80mgの用量範囲で本薬を追加投与することにより良好な降圧効果が得られることが確認された。」

甲第5号証
(摘示事項5A)
請求項43?請求項49
「43.カルシウムチャネル遮断剤と、請求項1に記載の式(I)-(IX)の化合物から選択されるアンジオテンシンII受容体拮抗剤を段階的にまたは物理的に組み合わせて投与することからなる高血圧症の治療方法。
44.カルシウムチャネル遮断剤と、式(I)の化合物から選択されるアンジオテンシンII受容体拮抗剤を段階的にまたは物理的に組み合わせて投与することからなる高血圧症の治療方法。
45.アンジオテンシンII受容体拮抗剤が(E)-3-[2-n-ブチル-1-{(4-カルボキシフェニル)メチル}-1H-イミダゾール-5-イル]-2-(2-チエニル)メチル-2-プロペン酸またはその医薬上許容される塩である請求項44記載の方法。
46.アンジオテンシンII受容体拮抗剤が(E)-3-[2-n-ブチル-1-{(4-カルボキシフェニル)メチル}-1H-イミダゾール-5-イル]-2-(2-チエニル)メチル-2-プロペン酸・メタンスルホナートである請求項45記載の方法。
47.カルシウムチャネル遮断剤がニフェジピン、ジルチアゼムまたはペラパミルである請求項46記載の方法。
48.アンジオテンシンII受容体拮抗剤が(E)-3-[2-n-ブチル-1-{(4-カルボキシナフト-1-イル)メチル}-1H-イミダゾール-5-イル]-2-(2-チエニル)メチル-2-プロペン酸またはその医薬上許容される塩である請求項44記載の方法。
49.カルシウムチャネル遮断剤がニフェジピン、ジルチアゼムまたはペラパミルである請求項48記載の方法。」

甲第6号証
(摘示事項6A)
要約
「この発明は、薬学的有効量の(i)AT1-拮抗薬バルサルタンまたは薬学的に許容し得るその塩および(ii)カルシウムチャネル遮断薬または薬学的に許容し得るその塩、および、薬学的に許容し得る担体を治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、高血圧症、・・(略)・・、および脳卒中からなる群から選択される症状または疾患の治療または予防のための方法、並びに、対応する薬学的組み合わせ組成物に関する。」

甲第7号証
(摘示事項7A)
要約
「ジエチル(E)-4-[2-(tert-ブトキシカルボニル)ビニル]フェニル-1,4-ジヒドロ-2,6-ジメチルピリジン-3,5-ジカルボキシレート(ラシジピン)および4’-[[2-n-プロピル-4-メチル-6-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イル)ベンズイミダゾール-1-イル)メチル]ビフェニル-2-カルボン酸(テルミサルタン)を含んでなる組合せ、該組合せを含む薬学的組成物、および、高血圧を含む心血管系障害の治療におけるそれらの使用。」

甲第8号証
(摘示事項8A)
請求項1、同19、同22
「【請求項1】一般式(I)
【化1】



(式中、R^(1)は水素または置換されていてもよい炭化水素残基を示し、R^(2)はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示し、R^(3)は陰イオンを形成しうる基またはそれに変じ得る基を示し、Xはフェニレン基とフェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介して結合していることを示し、nは1または2を示し、環AはR^(2)で表される基以外にさらに置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Yは結合手,-O-,-S(O)m-(式中、mは0,1または2を示す)または-N(R^(4))-(式中、R^(4)は水素または置換されていてもよいアルキル基を示す)を示す)で表されるアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と利尿作用を有する化合物またはカルシウム拮抗作用を有する化合物とを組み合わせてなるアンジオテンシンII介在性諸疾患の予防または治療剤。
・・(略)・・
【請求項19】カルシウム拮抗作用を有する化合物が塩酸ジルチアゼム、塩酸テロジリン、塩酸ニカルジピン、塩酸バルニジピン、塩酸フルナリジン、塩酸ベラパミル、塩酸マニジピン、シンナリジン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、フェロジピン、ニルジピン、ニモジピン、ペニジピンおよびベニジピンからなる群から選択される請求項1記載の予防または治療剤。
・・(略)・・
【請求項22】アンジオテンシンII介在性諸疾患が高血圧症である請求項1記載の予防または治療剤。」

(摘示事項8B)
段落【0006】
「R^(1)としての炭化水素残基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられるが、なかでもアルキル基、アルケニル基およびシクロアルキル基が好ましい。R^(1)としてのアルキル基は炭素数1?8程度の低級アルキル基で直鎖状、分枝状のいずれでもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、i-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどがあげられる。・・(略)・・」

(摘示事項8C)
段落【0012】
「また、上記複素環残基(R^(3))は下記に示すような互変異性体が存在する。・・(略)・・さらに、R^(3)としては、カルボキシル基、テトラゾリル基、トリフルオロメタンスルホン酸アミド基(-NHSO_(2)CF_(3))、リン酸基、スルホン酸基、シアノ基、低級(C_(1-4))アルコキシカルボニル基などでもよく、これらの基が置換されていてもよい低級アルキル基またはアシル基などで保護されていてもよく、生物学的すなわち生理的条件下(例えば、生体内酵素などによる酸化、還元あるいは加水分解などの生体内反応など)で、または化学的に陰イオンを形成しうる基またはそれに変じ得る基であればいずれでもよい。」

(摘示事項8D)
段落【0015】?【0017】
「【0015】一般式(I)中、R^(2)としてのエステル化されていてもよいカルボキシル基としては、例えば式-CO-D〔式中、Dは水酸基または置換されていてもよいアルコキシ{例、アルキル部分が水酸基,置換されていてもよいアミノ(例、アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ピペリジノ、モルホリノなど),ハロゲン,低級(C_(1-6))アルコキシ、低級(C_(1-6))アルキルチオあるいは置換されていてもよいジオキソレニル(例、5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イルなど)で置換されていてもよい低級(C_(1-6))アルコキシ基、または式-O-CH(R^(6))-OCOR^(5)・・(略)・・で表される基など}を示す〕で表される基などが挙げられる。また、R^(2)としての置換基は、陰イオンを形成しうる基またはそれに変じうる基(例、アルキル(例、低級(C_(1-4))アルキルなど)もしくはアシル(例、低級(C_(2-5))アルカノイル、置換されていてもよいベンゾイルなど)で保護されていてもよいテトラゾリル基、トリフルオロメタンスルホン酸アミド基、リン酸基あるいはスルホン酸基など)であってもよい。
【0016】置換基R^(2)の例としては、-COOH及びその塩、-COOMe、-COOEt、-COOtBu、-COOPr、ピバロイルオキシメトキシカルボニル、1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エトキシカルボニル、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル、アセトキシメトキシカルボニル、プロピオニロキシメトキシカルボニル、n-ブチリロキシメトキシカルボニル、イソブチリロキシメトキシカルボニル、(1-エトキシカルボニロキシエトキシ)カルボニル、(1-アセトキシエトキシ)カルボニル、(1-イソブチリロキシエトキシ)カルボニル、シクロヘキシルカルボニルオキシメトキシカルボニル、ベンゾイルオキシメトキシカルボニル、シンナミロキシカルボニル、シクロペンチルカルボニロキシメトキシカルボニルなどが挙げられる。さらにR^(2)としては、生物学的すなわち生理条件下(例えば、生体内酵素による酸化・還元あるいは加水分解などの生体内反応など)で、または化学的に陰イオン(例、COO-、その誘導体など)を形成しうる基またはそれに変じうる基であればいずれであってもよい。R^(2)はカルボキシル基、またはそのプロドラッグ体であってもよい。R^(2)は生体内などで生物学的または化学的に陰イオンに変換せしめられるものであってもよい。
【0017】上記した中でもR^(2)としては、カルボキシル,エステル化されたカルボキシル(例、メチルエステル,エチルエステルまた式-O-CH(R^(6))-OCOR^(5)で示される基がカルボニルと結合したエステルなど)、保護されていてもよいテトラゾリル、カルボアルデヒド、ヒドロキシメチルなどが好ましい。一般式(I)中、環AはR^(2)で表される基以外にさらに置換基を有していてもよく、例えば、ハロゲン(例、F,Cl,Brなど),シアノ, ニトロ,低級(C_(1-4))アルキル,低級(C_(1-4))アルコキシ,置換されていてもよいアミノ基(例、アミノ,N-低級(C_(1-4))アルキルアミノ(例,メチルアミノなど),N,N-ジ低級(C_(1-4))アルキルアミノ(例,ジメチルアミノなど),N-アリールアミノ(例、フェニルアミノなど)、脂環式アミノ(例、モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、N-フェニルピペラジノなど)など)、式 -CO-D′〔式中、D′は水酸基またはアルキル部分が水酸基,低級(C_(1-4))アルコキシ,低級(C_(2-6))アルカノイルオキシ(例、アセトキシ,ピバロイルオキシなど)あるいは低級(C_(1-6))アルコキシカルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ,エトキシカルボニルオキシ,シクロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)で置換されていてもよい低級(C_(1-4))アルコキシを示す〕で表わされる基,または低級(C_(1-4))アルキルもしくはアシル(例、低級(C_(2-5))アルカノイル、置換されていてもよいベンゾイルなど)で保護されていてもよいテトラゾリル基、トリフルオロメタンスルホン酸アミド基、リン酸基あるいはスルホン酸基などが挙げられ、好ましくは、低級(C_(1-4))アルキル,ハロゲンなどである。これらの置換基が環状の任意の位置に1?2個同時に置換されていてもよい。」

(摘示事項8E)
段落【0029】
「試験例2
高血圧自然発症ラット(SHR)におけるカルシウム拮抗薬との併用による降圧作用
化合物1:(±)-1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2-エトキシ-1-〔〔2'-(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イル〕メチル〕ベンズイミダゾール-7-カルボキシラート
MDP:マニジピン
方法:20週齢雄性SHRを1群5匹として、6群に組み分けた。それぞれの群に化合物1(0.1または1mg/kg,p.o.)またはMDP(3mg/kg,p.o.)を単独で、または両薬物を併用して1日1回2週間経口投与した。投与1、7および14日目に血圧を無麻酔下で非観血的に測定した。
成績:〔表2〕に示す。MDP(3mg/kg/day,p.o.)は単独で、明らかな降圧作用が認められ、化合物1(0.1および1mg/kg/day)は用量に依存した降圧作用を示した。化合物1の降圧作用はMDP(3mg/kg/day)との併用投与により、その強さが増強された。
化合物1(0.1mg/kg)とMDPとを併用することにより化合物1単独の1mg/kgより強力また同等の降圧作用が認められた。両薬物を併用することにより、それぞれの薬物の投与量の減量が期待できる。
・・(後略)」

甲第9号証
(摘示事項9A)
127頁1?8行
「ここ数年続いているアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の開発・申請はさらに引き続き、現在テルミサルタン、イベルサルタン、オルメサルタンが申請中であり、ARBの市場はますます活性化されることが予想される。他の降圧薬としては長期作用型のアゼルニジピンの申請が行われており、長期作用型が主流となっているカルシウム拮抗薬の市場にまた一つ新たな降圧薬が加わることとなる。
また、レニン・アンジオテンシン系降圧薬と利尿剤といった合目的配合剤の開発も始まっている。厳密な意味での新薬ではないものの、新たな新薬開発の展開として注目したいところである。」

(摘示事項9B)
129頁右欄2?13行
「3)オルメサルタン【三共】
イミダゾール骨格変換型の化合物であり、生体内でカルボン酸エステルが加水分解されて活性体となるプロドラッグである。これまでの臨床試験において、ほかのAT1受容体拮抗薬の降圧効果と比べ、はるかに強い降圧作用を有していることが特徴である。国内第III相試験も終了し、現在申請中である。
以上のように2002年以降も新しいARBが市場に登場することとなり、臨床研究も合わせて、ますます様々な有効性が確立していくものと思われる。」

(摘示事項9C)
129頁右欄15?最下行
「カルシウム拮抗薬はアムロジピン(アムロジン;住友製薬、ノルバスク;ファイザー製薬)などの長期間作用型の薬剤が主流となっており、安定した強力な降圧作用を有することから、わが国では比較的汎用されている。このようなカルシウム拮抗薬のうち、現在申請中のものとしてアゼルニジピン(三共、宇部興産)がある。アゼルニジピンは図2に示すようなジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬でL型カルシウムチャネルに特異的に結合する。血中動態的には最高血中濃度が約3時間で半減期が18時間前後であり、アムロジピンに認められたような長期投与による体内蓄積性は認められなかった。本薬は第III相試験を終了し、現在新しいカルシウム拮抗薬として近年中に市場に登場する予定である。 ・・(後略)」

(摘示事項9D)
130頁左欄18?25行
「1990年代後半から2000年にかけてARBの開発・登場により降圧薬市場も活気を取り戻した感があったが、ARBの開発が終焉に向かっている現在では新しい機序を有する降圧薬の開発に大きな望みを託すことは難しい。今後はARBを中心とした大規模臨床試験から得られるエビデンスの蓄積と、ARB+利尿薬のような合目的な合剤の開発に注目していく必要があると考えられる。」

甲第10号証
(摘示事項10A)
112S頁左欄下から4行?右欄3行
「併用療法におけるオルメサルタンメドキソミル
現在推奨される血圧目標値を達成するためには、複数の降圧剤の併用投与が求められることが大規模試験により示された。オルメサルタン メドキソミルは、他の降圧剤と併用する場合に安全かつ有効であることが示された。」
(摘示事項10B)
112S頁右欄下から5行?113S頁左欄19行
「Treat-to-Goal試験 オープンラベルのマルチセンター試験において、軽度から中等度の本態性高血圧症の患者201人(座位平均拡張期血圧が95?110mmHg)に、まず、オルメサルタン メドキソミル20mgを、1日1回4週間投与した。次いで4週間の間隔をあけた後、≦130/85mmHgの血圧目標値を達成できなかった患者に対し、治療方法を次のとおり変更した:オルメサルタン メドキソミルの用量を40mg/日に増量、HCTZ12.5mg/日の追加、ベシル酸アムロジピン5mg/日の追加、および、ベシル酸アムロジピンの用量を10mg/日に増量。どの時点であっても血圧目標値を達成した患者は試験から外した。コプライマリー・エンドポイントは、それぞれ、血圧目標値である≦140/90mmHg、および、≦130/85mmHgを達成した患者のパセンテージであった。 24週目までに、93.3%の患者が≦140/90mmHgの血圧目標値を達成し、87.7%の患者が≦130/85mmHgの血圧目標値を達成した(図7)(参照43;非公表データ、株式会社三共、2002)さらに、95%の患者が≦140mmHgの収縮期血圧目標値を達成し、97.2%の患者が≦90mmHgの拡張期血圧目標値を達成した。これら目標値は、第6回高血圧の予防、発見、評価および治療についての合同全国委員会(JNC VI)の報告において推奨されたものである。」

甲第11号証
(摘示事項11A)
非臨床概要 (1)薬理、CS-866AZ 2.6.2 薬理試験の概要文、第11頁
「2.5 SHRにおける14日間反復経口投与時の降圧作用(4.2.1.1-5)
方法:腹部大動脈に血圧測定用のテレメトリー送信機を埋め込んだ雄性SHR(25週齢、体重307?410g)に、CS-866、CS-905、あるいはCS-866AZを1日1回14日間反復経口投与した。投与期間の前後に、それぞれ7日間及び5日間の観察期間を設け、溶媒のみを1日1回経口投与した。溶媒対照群、CS-866低用量単独投与群(0.2mg/kg)及びCS-866高用量単独投与群(1mg/kg)、CS-905低用量単独投与群(1.25mg/kg)及びCS-905高用量単独投与群(5mg/kg)、並びにCS-866AZ低用量投与群(O/A=0.2/1.25mg/kg)及びCS-866AZ高用量投与群(O/A=1/5mg/kg)の全7群(各N=8)注1)の、全例について投与前3日から投与期間及び休薬期間終了日まで血圧及び心拍数を連続測定した。得られた血圧値及び心拍数から、各投与日における24時間平均血圧及び24時間平均心拍数を算出した。また、投与1、8、及び14日目の日内推移についても観察した。
結果:投与1日目の血圧値及び心拍数の日内推移を図2.6.2.2-5に示す。CS-866AZ投与群は、低用量及び高用量ともに投与後徐々に血圧が下降し、投与5?6時間後に最大降圧に達した後、徐々に回復した。CS-866AZ低用量投与群では投与2?11時間後、CS-866AZ高用量投与群では投与1?24時間にわたり、それぞれ溶媒対照群に比較し血圧が有意に下降した。投与8及び14日目もほぼ同様の推移を示した。心拍数は、CS-866AZ低用量投与群では投与1及び3時間後、CS-866AZ高用量投与群では投与1?7時間後にそれぞれ溶媒対照群に比較し有意な増加が認められたが、投与8及び14日目には増加の程度は減弱した。
24時間平均血圧及び心拍数の推移を図2.6.2.2-6に示す。CS-866単独投与群、CS-905単独投与群、あるいはCS-866AZ投与群は、いずれも溶媒対照群に比較し、投与1日目から血圧が下降し、24時間平均血圧はCS-905低用量単独投与群が投与8日目を除く投与6日目以降、そのほかの投与群がすべての投与日において溶媒対照群に比較し有意な低値を示した。降圧作用の強さは、24時間平均血圧値で比較するとCS-866AZ高用量投与群>CS905高用量単独投与群>CS-866AZ低用量投与群≒CS-866高用量単独投与群>CS-866低用量単独投与群>CS-905低用量単独投与群の順に強く、併用による降圧作用の増強が認められた。・・(略)・・ 以上のように、CS-866AZ投与時の降圧作用は、投与後徐々に発現し持続的であり、また投与期間を通して安定しており、耐性は発現しなかった。休薬による血圧のリバウンド現象は認められなかった。」

(摘示事項11B)
非臨床概要 (1)薬理、CS-866AZ 2.6.2 薬理試験の概要文、第13頁の図2.6.2.2-6



甲第3号証の1
(摘示事項3の1A)
序文第14行、第83?101頁
ガイドライン作成に当たり、「日本人を対象とした高血圧関連論文を極力盛り込むこと」に特に留意した旨記載されており、325の引用文献のリストが提示されている。

甲第6号証の1
(摘示事項6の1A)
要約
「この発明は、薬学的有効量の(i)AT1-拮抗薬バルサルタンまたは薬学的に許容し得るその塩および(ii)カルシウムチャネル遮断薬または薬学的に許容し得るその塩、および、薬学的に許容し得る担体を、治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、高血圧症、・・(略)・・アテローム性動脈硬化症、・・(略)・・および脳卒中からなる群から選択される症状または疾患の治療または予防のための方法、並びに、対応する薬学的組み合わせ組成物に関する。」

(摘示事項6の1B)
段落【0015】?【0017】
「【0015】高血圧性の血管病変は、多因子性の性質をもつ。ある状況下では、異なる作用機序の薬剤が組合せられてきた。しかし、異なる作用機序の薬剤を組合せるだけでは、必ずしも有利な効果には繋がらない。
【0016】AT1拮抗薬とCCBは、細胞内カルシウムを、異なるメカニズムで相補的に引き下げ、一酸化窒素による血管拡張効果を促進し、血管内皮の機能障害の抑制に特に効果的である。
【0017】なおいっそう驚きであるのは、AT1-拮抗薬バルサルタンまたは薬学的に許容し得るその塩とカルシウムチャネル遮断薬または薬学的に許容し得るその塩との併用投与が相乗的治療効果をもたらすだけでなく、効果の驚異的な延長や広範な種類の治療といった追加的利益をももたらすことである。これには、血行動態の、抗増殖性の、抗血栓性の、および抗アテローム産生性の性質が含まれる。」

(摘示事項6の1C)
段落【0026】?【0027】
「【0026】SHRにおいて種々の実験が行われた。その結果、CCBの追加はバルサルタン単独治療に対して追加的な利益を付与することが示されている。血圧曲線下面積(AUC)は覚醒しているSHRにおける6週間の治療に対する応答変化を反映するものである。6週間の治療の完遂後、左心室の質量を評価するため、心臓がとり除かれ、体重に対し標準化される。 【0027】得られた結果は、本発明の組合せによる予期せぬ利益的効果を示すものである。」

(摘示事項6の1D)
特許請求の範囲
「1.薬学的有効量の(i)AT1-拮抗薬バルサルタンまたは薬学的に許容し得るその塩および(ii)カルシウムチャネル遮断薬または薬学的に許容し得るその塩、および、薬学的に許容し得る担体を治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、高血圧症、・・(略)・・アテローム性動脈硬化症、および脳卒中からなる群から選択される症状または疾患の治療または予防のための方法。
・・(略)・・
4.薬学的有効量の(i)AT1-拮抗薬バルサルタンまたは薬学的に許容し得るその塩および(ii)カルシウムチャネル遮断薬または薬学的に許容し得るその塩、および、薬学的に許容し得る担体を含んでなる、併用医薬組成物。
5.高血圧症、(急性および慢性)うっ血性心不全・・(略)・・、心筋梗塞および後遺症、アテローム性動脈硬化症、狭心症(不安定であるか安定であるかにかかわらず)、・・(略)・・および脳卒中からなる群から選択される症状または疾患の治療または予防のための請求項4記載の併用医薬組成物。
6.アムロジピン・・(略)・・または薬学的に許容し得るその塩からなる群から選択されるカルシウムチャネルブロッカーを含んでなる請求項4記載の併用医薬組成物。
7.アムロジピンまたは薬学的に許容し得るその塩を含んでなる請求項4記載の併用医薬組成物。
・・(略)・・」

甲第12号証
(摘示事項12A)
151頁1?6行
「Dahlの食塩感受性高血圧ラットが腎尿細管障害性高血圧であるにもかかわらず、Dahlはこの食塩感受性高血圧ラットを本態性高血圧症のモデルと主張した。しかし、現在では、Dahlの食塩感受性高血圧ラットは、食塩過食性高血圧または尿細管障害性の腎性高血圧に属すると考えられている。」

(摘示事項12B)
156頁左欄下から3行?同頁右欄27行
「8.4 降圧薬の開発のための動物モデルの利用
2次性高血圧では血圧上昇因子の除去が可能である。2次性高血圧の治療は、一般に、この血圧上昇因子の生体からの除去による。すなわち、食塩過食高血圧では、食塩の摂取量を減じ、肥満性高血圧では脂質と糖質の摂取量を減じ肥満を除去する。・・(略)・・これらは高血圧を正常圧に降圧する。2次性高血圧はこれらの治療で完全に治る。
本態性高血圧症では、血圧上昇因子である主遺伝子の除去、全身の動脈平滑筋の入れ替えは不可能である。したがって、本態性高血圧症の除去は、薬物すなわち、降圧薬の投与にて行われる。・・(略)・・
降圧薬の開発は、本態性高血圧症の高血圧を下げる、降圧薬の開発を意味する。したがって、新しく開発された薬物は本態性高血圧症の動物モデルである高血圧自然発症ラットSHRに投与され降圧効果が判定される。薬物をSHRの動脈平滑筋に作用させ、SHRの動脈平滑筋の収縮抑制効果、SHRの動脈の平滑筋の弛緩の促進効果など、細胞、分子の単位での薬物の降圧の効果は研究される。これらの結果を総合して、新しい降圧薬が開発される。その降圧薬が本態性高血圧症の臨床に用いられる。」

(摘示事項12C)
157頁左欄14?18行
「ヒトの本態性高血圧の動物モデルは高血圧自然発症ラット(SHR)が対応し、ヒトの2次性高血圧には動物モデルはDahlの食塩感受性高血圧ラット、・・(略)・・などが対応する。」

甲第13号証
(摘示事項13A)
191頁右欄4?6行
「日本人の高血圧の大部分は原因が特定できない、本態性高血圧と呼ばれるもので、全体のおよそ9割を占める。」

(摘示事項13B)
192頁右欄20?23行
「apoE KOマウスは、通常食の状態では高血圧になる系統ではなく、コレステロール負荷により動脈硬化を促進した際に高血圧になるものと推定した。」

甲第14号証
(摘示事項14A)
99頁概要
「目的:高血圧治療のためのアンジオテンシン受容体II拮抗薬 オルメサルタンメドキソミルの薬理学、薬物動態、有効性および副作用をレビューすること
データ・ソース:英語医学文献についてのMEDLINE検索(1996年-2002年4月)から情報を得た。・・(略)・・
研究の選択:データ・ソースから特定されたオルメサルタンメドキソミルについての関連情報を有する全ての文献を評価した。関連ありと見做された情報は、すべてこのレビューに包含された。
データ・シンセシス:オルメサルタンメドキソミルは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬のクラスに競争的な価格で投入されたものである。1日1回20?40mgのオルメサルタンメドキソミル単独による治療は、高血圧症患者の収縮期および拡張期血圧の著しい低下をもたらした。臨床試験におけるオルメサルタンメドキソミルの副作用は最小限であり、めまいのみがプラセボより頻繁に起こった副作用であった。さらに、オルメサルタンメドキソミルは、アテローム性動脈硬化症と同様糖尿病性神経症の治療にも有用な可能性があることを、動物実験の結果が示している。
結論:オルメサルタンメドキソミルは、他のアンジオテンシン受容体ブロッカー(すなわち、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン)と匹敵する血圧降下作用とともに、好ましい安全性および有効性に関するプロファイルを有している。今回、処方は経済的観点から主として決定されるであろう。動脈壁のアテローム形成の抑制およびアンジオテンシンII濃度の低下における代替薬と比較したより良いオルメサルタンメドキソミルの理論的利点は更なる研究によって決定されるであろう。
・・(略)・・」

(摘示事項14B)
第100頁左欄第16?30行
「食事誘発高脂血症のカニクイザルでのオルメサルタンメドキソミルの効果を検討した試験では、薬剤の血管内皮に対する効果を調べた。オルメサルタンメドキソミルは、大動脈弓において、脂肪線条堆積、アテローム性動脈硬化傷害の面積および内膜肥厚を著しく減少させた。これらの変化は、処置の期間中血圧や血清コレステロール濃度が変化しなかったにもかかわらず、起こった。これらの知見は、オルメサルタンメドキソミルは、その降圧能とは独立に、血管内皮に対して好ましい作用を有する可能性を示している。オルメサルタンの抗アテローム性動脈硬化作用は、成長因子、ケモカインおよび粘着分子の抑制、マクロファージの内膜への遊走阻害、および内皮障害の緩和に対し二次的なものであると考えられている。」

(摘示事項14C)
103頁右欄第34?48行
「要約 降圧剤市場に投入される最も新しいARBであるオルメサルタンメドキソミルは、安全性と有効性に関する臨床研究で、好ましい結果を示した。薬力学および薬物動態データは1日1回投与をサポートし、また、拡張期血圧に対する効果が他のARBの相当する服用量による効果を超えるかもしれないことを示唆している。・・(略)・・重篤な副作用や、短期および長期投与に関連した薬物相互作用が相対的にないことから、この薬は、高血圧の治療において、価値あるオプションである。」

甲第14号証の1
甲第14号証の1は甲第14号証の抄訳文であり、その記載内容は甲第14号証の摘示事項14A?14Cと実質的に同じである。

甲第14号証の2
(摘示事項14の2A)
6頁
甲第14号証の2は2003年1月1日に発行された文献のリストであり、6頁に甲第14号証の文献が記載されている。

甲第15号証
(摘示事項15A)
721頁左欄1?末行
「高血圧、虚血性心疾患および脳循環障害には基礎病変として動脈硬化が存在し、動脈硬化の進展がこれら病態を悪化させる要因の一つであると考えられている。Ca拮抗剤に動脈硬化を抑制する作用があることは、1981年にHenryら^(1))がニフェジピンを用いた実験で示して以来、多くの報告がなされている^(2?5))。アゼルニジピンは、ジヒドロピリジン系の持続型Ca拮抗剤であるが、作用発現が緩徐であるため、交換神経系の活性化やレニン・アンジオテンシン系の活性化を生じにくく、臓器保護効果の期待できる薬剤である^(6?8))。また、本剤は脂溶性が高く^(9))、また血管壁への移行性が高いため^(7、8))、特に動脈硬化への効果が期待される。そこで本報では、高コレステロール食負荷ウサギを用いて、アゼルニジピンの抗動脈硬化作用を検討した。」

(摘示事項15B)
726頁左欄1段落
「ウサギへの高コレステロール食負荷により作製した粥状動脈硬化モデルを用い、アゼルニジピンの抗動脈硬化作用を検討した。その結果、アゼルニジピンの投与により大動脈の病変面積率が顕著に低下し、かつ粥状硬化の進展に伴って増加する大動脈壁中のコレステロールやCaの蓄積が抑制されることが明らかとなった。しかし、アゼルニジピンは、血清総コレステロールやリポ蛋白に影響を与えなかったことより、アゼルニジピンによる抗動脈硬化作用は血中の脂質低下とは別の機序によりもたらされたと考えられる。他のCa拮抗剤においても同じ動脈硬化モデルを用いた実験において血清脂質に影響を与えずに粥状硬化を抑制することが報告されている^(1、3?5))。」

(摘示事項15C)
726頁右欄2段落
「既報^(8))でも示したように、アゼルニジピンはアムロジピンと同様の降圧推移を示す第三世代と呼びうるCa拮抗剤であるが、アゼルニジピンはアムロジピンに比べ、血管組織への親和性も高く^(7、8))、また脂溶性が高い^(9))。益本ら^(9))によると、脂溶性の指標である分配係数(Log P_(HPLC))は、アムロジピンの3.95に対しアゼルニジピンは5.18であり、この結果からアゼルニジピンのほうが17倍脂溶性が高いと言える。実際、アゼルニジピンはリポ蛋白へ高い結合性を有することも示されている(Ikedaら未発表データ)。このような性質を有するアゼルニジピンは、類薬の中でも特に動脈硬化に対する有用性が期待される。」

甲第16号証
(摘示事項16A)
703頁左欄1段落
「アゼルニジピン(CS-905)は、作用持続が長いのみならず作用発現が緩徐であることを目標に開発された新規ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤^(1?4))である(化学構造をFig.1に示す)。本報告では、アゼルニジピンのCa拮抗作用を受容体結合試験および摘出血管を用いた実験において検討し、その作用を類薬、特に、アムロジピンと比較した。」

(摘示事項16B)
708頁右欄3段落
「以上、本研究からアゼルニジピンは血管組織レベルで、緩徐な作用発現と作用の持続性を示し、それらの性質はアムロジピンなどの類薬に優ることが明らかとなった。このような性質には、本薬の高い脂溶性と高い血管組織親和性が関与しているものと考えられる。」

甲第17号証
(摘示事項17A)
711頁右欄最終行?712頁左欄5行
「本報告では、アゼルニジピンのSHRにおける降圧作用について、類薬(第二世代、第三世代のCa拮抗剤)と比較を行うとともに、降圧作用と薬物動態の関係を特に本剤の血管組織親和性に注目し、検討した。」

(摘示事項17B)
717頁左欄14行?右欄2行
「しかし、アゼルニジピンでは、降圧推移が酷似しているアムロジピンと比較しても、頻脈が軽度であり、両薬の心拍数に対する効果に質的に差があることを示唆している。」

(摘示事項17C)
719頁左欄2段落
「以上、アゼルニジピンは発現が緩徐で持続的な降圧作用を示し、交感神経系の活性化に基づく頻脈やレニン・アンジオテンシン系の活性化を生じにくい。これらの降圧特性はアムロジピンでも同様であるが、アゼルニジピンでは高い血管組織親和性と高い脂溶性がその降圧特性をもたらしていると考えられる。このような性質を有するアゼルニジピンは、臓器保護の面でも優れた効果が期待できよう。」

甲第18号証
(摘示事項18A)
2401頁左欄下から7行?末行
「動脈硬化に悪影響する可能性のある降圧薬
1.利尿薬
サイアザイド系利尿薬、ループ利尿薬のいずれによっても総コレステロールおよび中性脂肪が増加し、HDL-コレステロールは減少する。したがって、動脈硬化に対して好ましくない影響を与えると考えられる。」

甲第19号証
(摘示事項19A)
63頁右欄5行?64頁左欄4行
「1.利尿薬
これまで第一選択薬の降圧薬とされてきたが、特にサイアザイドやトリグリセリド、LDL-コレステロールを増加させることがある。しかし、この脂質代謝異常は長期療法時には減弱ないし消失するという報告がある。一方、K保持性の利尿薬は、血清脂質に対する影響が比較的少ないとされている。インスリン感受性に対しては、特にサイアザイド系利尿薬が糖代謝を悪化させることが知られている。」

甲第20号証
(摘示事項20A)
段落【0002】
「【産業上の利用分野】本発明は、すぐれたアンジオテンシンII(以下、AIIと略す。)拮抗作用、血圧降下作用を有するイミダゾール-5-カルボン酸誘導体に関する。」

(摘示事項20B)
段落【0204】
「実施例61
4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-{4-[2-(テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル}メチルイミダゾール-5-カルボン酸 (5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル(例示化合物番号2-17)
(a)4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-{4-[2-(トリチルテトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル}メチルイミダゾール-5-カルボン酸 (5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル
60℃に温めた炭酸カリウム0.97gのN,N-ジメチルアセトアミド100 ml懸濁液に、攪拌しながら、参考例31で得られた4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピルイミダゾール-5-カルボン酸 (5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル1.14gと4-[2-(トリチルテトラゾール-5-イル)フェニル]ベンジルブロマイド2.35gのN,N-ジメチルアセトアミド50ml溶液を滴加した。混合物を60℃で3.5 時間撹拌後、反応液に酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を分離した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を留去した。残留物をヘキサン-酢酸エチル(1:1)を溶媒系とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、泡沫状固体の目的化合物1.4 gを得た。さらにこの化合物をジイソプロピルエーテル中で結晶化させた。
融点 98-99℃(分解)。
NMR スペクトル(CDCl3) δ ppm: 0.89(3H, t, J=7.5Hz), 1.62(6H, s), 1.6-1.75(2H, m), 1.97(3H, s), 2.54(2H, t, J=8Hz), 4.70(2H, s), 5.30(2H, s),5.61(1H, s), 6.68(2H, d, J=7.5Hz), 6.90-7.52(20H, m), 7.87(1H, d, J=7.5Hz) 。
(b)4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-{4-[2-(テトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル}メチルイミダゾール-5-カルボン酸 (5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル
実施例61(a)で得られた4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-{4-[2-(トリチルテトラゾール-5-イル)フェニル]フェニル}メチルイミダゾール-5-カルボン酸 (5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル1.4 gの75%水性酢酸48mlを、60℃で1 時間加熱撹拌後、反応液を濃縮した。残留物をトルエンに溶解し、濃縮することを繰り返し、残存する酢酸と水を除去した後、メタノール-ジクロロメタン(1:9および1:4)を溶媒系とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、結晶性の目的化合物0.73gを得た。
融点 170-172℃。
NMR スペクトル(CDCl3) δ ppm: 0.93(3H, t, J=7.5Hz), 1.63(6H, s), 1.6-1.8(2H, m), 2.19(3H, s), 2.70(2H, t, J=7.5Hz), 5.00(2H, s), 5.45(2H, s),6.83(2H, d, J=8Hz), 7.10(2H, d, J=8Hz), 7.42-7.63(3H, m), 7.83(1H, dd,J=1,7.5Hz) 。」

甲第21号証
(摘示事項21A)
1頁右欄下から6行?2頁左欄5行
「発明の目的
本発明者等は循環器系薬の開発を目的としてジヒドロピリジン誘導体を合成し、その薬理試験を実施し、その構造-活性相関を検討した結果、後記一般式(I)を有する本発明の化合物が、カルシウム拮抗作用、抗高血圧作用、血管拡張作用、高脂血症改善作用および過酸化脂質生成阻害作用などの薬理活性を示し、しかも毒性が低いものであることを見い出し、高血圧症、狭心症などの循環系疾病を治療する医薬として有用であることを認めて本発明を完成するに至った。」

(摘示事項21B)
10頁右上欄下から6行?11頁左欄7行
「実施例1
2-アミノ-6-メチル-4-(3-ニトロフェニル)-1,4-ジヒドロピリジン-3,5-ジカルボン酸 3-(1-ベンズヒドリル-3-アゼチジニル)エステル 5-イソプロピルエステル及びその二塩酸塩



2-(3-ニトロベンジリデン)アセト酢酸インプロピルエステル1.39g(0.005モル)とアミジノ酢酸(1-ベンズヒドリル-3-アゼチゾニル)エステル酢酸塩1.62g(0.005モル)のイソプロピルアルコール溶液80ml)ナトリウムメチレート0.27g(0.005モル)を加え、4時間加熱還流した。冷却後、不溶物全除去し、溶媒を減圧下に留去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、これを水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=3:1)に付し、淡黄色結晶の目的物(フリ一体)を得た。
収量 2.17g(74%)
融点 95?98℃
・・(略)・・
上記のようにして得たフリー体0.87gのクロロホルム溶液20mlに塩化水素を5分間吹き込んだ。減圧下に溶媒を留去して、淡黄色結晶の目的物(二塩酸塩)を得た。
収量 0.95g
融点 118?120℃
・・(略)・・」

5-2.乙号証の記載事項
乙第3号証、乙第12号証、乙第13号証には、以下の記載がある。なお、原文が外国語で記載されているものについては、邦訳を示す。

乙第3号証
(摘示事項乙3A)
146頁右欄18?38行
「結果
カフ留置後の新生内膜形成におけるARBと各種CCBの併用効果
大腿動脈の周辺にカフを留置することにより、新生内膜形成を誘導した(図1)。我々の過去の研究では、ARB又はCCB単独で新生内膜形成を阻害することを示した。中又は高用量の各CCBは、単独で新生内膜形成を阻害した(補足図S1 オンライン 参照)。他方、低用量のニフェジピン(1.0mg/kg/day)、アムロジピン(0.1mg/kg/day)、及びアゼルニジピン(0.1mg/kg/day)は、新生内膜形成に影響を及ぼさなかった(補足図S1 オンライン 参照)。本研究では、我々は、単独では新生内膜形成を有意に抑制できない非有効量で各薬剤を使用した。オルメサルタンとCCBであるニフェジピン、アムロジピン又はアゼルニジピンの各組み合わせは、単独では効果が見られない用量で新生内膜形成を有意に抑制した(図1)。しかし、この組み合わせによる抑制作用は、オルメサルタンとアゼルニジピンの組み合わせで最も大きいものであった。他方、オルメサルタンと単独では効果が見られない用量のHCTZを組み合わせても、新生内膜形成に有意な変化が見られなかった(図1)。これらの組み合わせは、収縮期血圧に影響を及ぼさなかった(表1)。」

(摘示事項乙3B)
147頁 図1b




図1 ポリエチレンカフを留置して14日後の傷害動脈における新生内膜形成に対するOlmとカルシウムチャネル拮抗剤の影響
カフを留置して14日後に動脈サンプルを取り出し、パラフィン包理断面を調製した。・・・(b)方法に記載されるとおりの内膜・・・の断面積。各群についてn=5?7。値は平均値±偏差。Aml、アムロジピン(0.1mg/kg/day);Azel、アゼルニジピン(0.1mg/kg/day);HCTZ、ヒドロクロロチアジド(0.5mg/kg/day);Nif、ニフェジピン(1.0mg/kg/day);Olm、オルメサルタン(0.5mg/kg/day)。*P<0.05対コントロール又はOlm+HCTZ。†P<0.05対Olm+Nif又はOlm+Aml。」

乙第12号証
(摘示事項乙12A)
36頁6?16行
「相乗効果とは、両薬剤を併用したときの効果が、単剤の効果の和より有意に大きくなることを意味するものである。これらのデータを解析するにあたって、著者達は対照群との3回の比較にあたってDunnet検定を用いているが、この方法では相乗効果について直接評価することはできない。相乗効果を直接評価するためには、次のようにすべきである。この試験計画は実際にはA剤2用量、B剤2用量の2×2の要因実験であるので、解析は2元配置の分散分析(ANOVA)を用いるべきである。分散分析において相乗効果はAとBの交互作用についてのF検定によって、評価することが可能である。交互作用項が有意であれば、相乗効果を示す証拠になる。交互作用項が有意でない場合は、2つの薬剤の効果は単純に相加的であることを意味する。」

乙第13号証
(摘示事項乙13A)
補足図S1



6.当合議体の判断
当合議体は、本件訂正発明6?25の特許は、無効理由1、2によっては無効にすべきものであるとはいえない、と判断する。その理由は、以下のとおりである。

6-1.無効理由1について
(1)本件訂正発明6について
ア 本件訂正発明6に係る無効理由1の論旨は、概略、以下の(ア)?(カ)のとおりのものである。
(ア)甲第8号証の摘示事項8Aの記載事項からみて、甲第8号証には、「請求項1の一般式(I)で表されるアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物またはその塩と塩酸マニジピンとを組み合わせてなる高血圧症の予防または治療剤。」なる発明(以下、「甲8発明」ともいう。)が記載されている。

(イ)本件訂正発明6と甲8発明とを対比すると、その一致点・相違点は以下のとおりである。
<一致点>
いずれも、高血圧症の予防及び/又は治療の為の医薬であって、有効成分としてアンジオテンシンII受容体拮抗剤とカルシウム拮抗剤を含むものである点
<相違点>
アンジオテンシンII受容体拮抗剤が、本件訂正発明6では「オルメサルタン メドキソミル」であるのに対し、甲8発明では「甲8ARB」が認識できるに過ぎず、カルシウム拮抗剤が、本件訂正発明6では「アゼルニジピン」であるのに対し、甲8発明では「塩酸マニジピン」である点





(ウ)本件訂正発明6と甲8発明では、使用するアンジオテンシンII受容体拮抗剤とカルシウム拮抗剤が完全には一致しないものの、いずれも相互に構造的に類似した同系統の化合物が用いられていると言える。
そもそも、本件優先日当時の技術水準の項で説明したとおり、当時、アンジオテンシンII受容体拮抗剤とカルシウム拮抗剤とを併用することで優れた相加・相乗効果が期待できることは周知であったところ(甲第3号証)、そのような知見の下、例えば、甲第4号証?甲第7号証に記載のとおり、種々のアンジオテンシンII受容体拮抗剤とカルシウム拮抗剤の組合せが使用されていた。
そのような状況下、請求項1の一般式(I)で表されるアンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物と塩酸マニジピンを併用するという発明を開示した甲第8号証の記載に接した当業者が、相乗効果を期待して、その「アンジオテンシンII受容体拮抗剤」を甲8ARBと構造が類似した「オルメサルタン メドキソミル」に代え、かつ、その「カルシウム拮抗剤」を塩酸マニジピンと構造が類似した「アゼルニジピン」に代えてみる程度のことは、容易に想到できたことである。
したがって、本件訂正発明6は、甲第8号証に記載の発明から当業者が容易に想到できたものである。

(エ)本件優先日当時、新たなアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)としてオルメサルタンが、また、新たなカルシウム拮抗薬としてアゼルニジピンが承認申請中であり、今後、新しい機序を有する降圧薬の開発に大きな望みを託すことは難しく、ARB+利尿剤のような合目的な合剤の開発に注目していく必要があると考えられていた(甲第9号証)。甲第9号証には、さらに、オルメサルタンはほかのAT1受容体拮抗薬の降圧効果と比べ、はるかに強い降圧作用を有すること、また、アゼルニジピンにアムロジピンに認められた長期投与による体内蓄積性が認められないことが記載されており、これら甲第9号証の記載に接した当業者であれば、甲第8号証における「アンジオテンシンII受容体拮抗剤」と「カルシウム拮抗剤」を、今後市場投入が期待される「オルメサルタン」と「アゼルニジピン」に変更してみようと強く動機付けられたであろうことが明らかである。
したがって、本件訂正発明6は、甲第8号証に記載の発明に、甲第9号証を加味することにより当業者が容易に想到できたものである。

(オ)オルメサルタンメドキソミルは、動物実験(食事誘発高脂血症のカニクイザル)から既にアテローム性動脈硬化症の治療に有用である可能性が示されていたこと、その効果は降圧作用とは独立のものであろうと考えられていたことから、他のARB(具体的にロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン)よりも好ましい薬剤と位置づけられていた(甲第14号証)。また、アゼルニジピンも、本件優先日当時多くの処方がなされていた第三世代Ca拮抗剤の代表格であるアムロジピンとの比較で、血管組織への親和性が高く、また脂溶性が高いため、特に動脈硬化に対する有用性が期待されると位置づけられていた(甲第15号証?甲第17号証)。
そして、動脈硬化は高血圧症と密接に関連する疾患であり、動脈硬化を同時に治療することができればより好ましい降圧作用が期待できるといえるから、高血圧症の治療にARBとCa拮抗剤の組合せを採用するに際し、そのARBとして「オルメサルタンメドキソミル」を選択し、かつ、そのCa拮抗剤として「アゼルニジピン」を選択することは容易である。
したがって、本件訂正発明6は、甲第8号証に記載の発明に、甲第9号証、甲第14号証?甲第17号証を加味することにより、当業者が容易に想到できたものである。

(カ)本件優先日当時、既にアンジオテンシンII受容体拮抗剤とカルシウム拮抗剤とを併用することで優れた効果(相加・相乗効果)が得られるであろうことは甲第3号証から周知であったことを考慮すれば、本件訂正発明6に、進歩性の存在を肯定的に推認するのに役立つ、いわゆる「有利な効果」は認められない。
そして、本件明細書に記載された効果をみても、併用群が相乗効果を奏することを確認することはできない。すなわち、本件明細書の例2には、併用群についての降圧作用が記載されているのみであって、該降圧作用が単独投与群に比べて優れたものであったか否か判断できないし、ほぼ同じ内容の実験に関する結果を記載した甲第11号証を参酌する限り、相加効果以上の結果は読み取れない。そして、例2の結果が甲第11号証の図2.6.2.2-6の結果に対応するものであること、相加効果以上の効果を読み取れないことが被請求人も答弁書(49頁)において認めるところである。
また、本件明細書の例3において、高脂血症モデル動物を用いている点、単独投与群と併用群で各薬剤について同量用いている点、及び、標準誤差値が大きい点に照らせば、例3の試験結果から、単独投与に比べて併用群が降圧作用において相乗効果を奏したものとは認められない。
ところで、本件特許の出願手続中、平成18年6月14日付け実験成績証明書が提出された。該証明書記載のデータからは、2次性高血圧の動物モデルであるDahl食塩高血圧ラットを用いた降圧試験において、併用群が相乗的効果を示したことを理解することができる。このような試験結果は、上記ですでに検討した本件明細書に記載されている本態性高血圧に対する試験とは異なり、2次性高血圧に対する試験から得られたものである点、また、本件明細書記載の試験結果から読み取れる例2に記載の効果を超える効果を主張するデータである点に鑑みれば、高血圧症を対象疾患とする本件訂正発明6についての効果を示すものとして参酌すべきではない。

イ しかしながら、当合議体は、以下に述べる理由から、本件訂正発明6の特許を無効理由1によって無効にすることはできないと判断する。
(ウ)について
本件訂正発明6の成分(A)はアンジオテンシンII受容体拮抗剤である「オルメサルタン」であり、成分(B)はカルシウム拮抗薬である「アゼルニジピン」である。しかし、甲第8号証には、オルメサルタンは記載されていない。そもそも、オルメサルタンは、甲8発明の一般式(I)で表される化合物に包含される化合物ではない。また、甲第8号証には、アゼルニジピンも記載されていない。よって、甲第8号証の記載に接した当業者が、甲8発明から本件訂正発明6に想到するには、まず、甲8発明の一般式(I)で表されるアンジオテンシンII受容体拮抗作用を有する化合物の置換基の選択肢を組み合わせて、甲第8号証に具体的な記載のない甲8ARBを認識し、甲8ARBの化学構造をもとに、オルメサルタンの化学構造を発想して甲8ARBの代わりに用いることに想到するとともに、マニジピンの化学構造をもとに、アゼルニジピンの化学構造を発想して塩酸マニジピンの代わりに用いることに想到し、さらには、これらオルメサルタンとアゼルニジピンの製造方法も開発してこれらを製造しなければならない。
しかし、上記甲第8号証の記載に接した当業者がこれら一連の発想を得、実際に遂行するには、該当業者が、請求人のいう、甲第3号証、及び、テルミサルタン、エプロサルタン、バルサルタンなどのアンジオテンシンII受容体拮抗剤とカルシウム拮抗薬との併用の試みについての甲第4?7号証の記載などから把握される(摘示事項3A?3D、4A?4C、5A、6A、7A)技術常識を備えていたとしても、種々の創意工夫や試行錯誤を要したものと認められるから、上記当業者が上記一連の発想を得、実際に遂行することを格別の創意を要することなくなし得たものとはいえない。

(エ)について
甲第9号証に、アゼルニジピンが申請中のカルシウム拮抗薬であることが記載されていることは摘示事項9A、9Cに摘示のとおりである。そして、塩酸マニジピンは、甲第8号証においてはカルシウム拮抗薬の一つとして記載されるものであるから(摘示事項8A)、甲第8号証及び甲第9号証を併せ見た当業者であれば、甲8発明の塩酸マニジピンの代わりに、同じくカルシウム拮抗薬の一つである甲第9号証に記載のアゼルニジピンを採用することは格別の創意を要することなくなし得るとしても、その上さらに、甲8発明において使用するアンジオテンシンII受容体拮抗剤として特定されている式(I)で表される化合物を、それとは異なる化学構造をもつ甲第9号証に記載されているオルメサルタンに代えることまでは、それが申請中のアンジオテンシンII受容体拮抗薬として甲第9号証に記載され、また、当業者が請求人のいう技術常識を備えていようとも、格別の創意を要することなくなし得たこととはいえない。

(オ)について
(エ)で説示したことは、オルメサルタンやアゼルニジピンが動脈硬化に効果がある旨の甲第14号証?甲第17号証を当業者がさらに併せ見たとしても、変わるものではない。

(カ)について
本件明細書の降圧作用と題する例2において、高血圧自然発症ラットSHRにオルメサルタン・メドキソミルとアゼルニジピンを併用することにより、降圧作用を示すことが明らかにされている。このことから、本件明細書には、本件訂正発明6の医薬が、高血圧を自然に発症する患者において降圧作用を示すことが明らかにされているといえる。
また、本件明細書には、例3 降圧作用、とのタイトルの下、ApoEノックアウトマウスに、薬物投与開始時から高脂肪食(0.15%コレステロール、15%無塩バター含有)を与え、24週間薬物を経口投与した試験が記載されている。該試験の結果、オルメサルタンメドキソミル投与群、アゼルニジピン投与群、オルメサルタンメドキソミル+アゼルニジピン併用群における、23週目の投薬21?24時間後の収縮期血圧が、順に、121±4、127±4、112±3mmHgであり、コントロール群(129±3mmHg)と比べて、各々、8、2、17mmHgだけ低い血圧が得られたことが記載されている(表3)。そして、該試験結果について、2元配置分散分析において、オルメサルタンメドキソミル+アゼルニジピン併用群の降圧効果が単独投与群ではみられないような顕著なものと認められ、単独投与群に比べその効果は相乗的であったことが例3の末尾に記載されている。なお、2元配置分散分析は、薬剤の併用時における交互作用についての相乗効果を評価するために用いられる分析方法であるとされるものであるから(摘記事項乙12A)、このことからも本件明細書の例3においてオルメサルタンメドキソミル+アゼルニジピン併用群は、高脂肪食を与えたApoEノックアウトマウスにおいて降圧作用の相乗効果を示すことが明らかにされているといえる。してみれば、本件明細書には、本件訂正発明6の医薬が、高脂血症になっている患者における降圧作用の相乗効果を示すことが明らかにされているといえる。しかも、上記高脂肪食は、上記のように、0.15%コレステロールを含むものとされているところ、ApoEノックアウトマウスは、コレステロール負荷により動脈硬化を促進した際に高血圧になるものとされる実験動物であることからみて(摘示事項13B)、高血圧になっていることがうかがえる。してみると、上記例3においては、高脂肪食を与えた結果高血圧になっているマウスにオルメサルタンとアゼルニジピンを併用することにより、相乗的な降圧作用を示すことが明らかにされていることがうかがえる。このことから、本件明細書には、本件訂正発明6の医薬が、高脂血症、動脈硬化、及び高血圧になっている患者における降圧作用の相乗効果を示すことが明らかにされているともいえる。
さらに、動脈硬化抑制作用と題する本件明細書の例1には、カフ血管損傷モデルマウスにオルメサルタンとアゼルニジピンを併用することにより、血管平滑筋細胞の増殖を抑制するとともに血管リモデリングを改善する作用を示すことが明らかにされている。このことから、本件明細書には、本件訂正発明6が降圧作用に加え、血管リモデリング作用による動脈硬化抑制作用も併せ持つことが明らかにされているといえる。また、上記例1においては、「野生型マウスに、アゼルニジピン0.1mg/kg/dayとオルメサルタン0.5mg/kg/day(それぞれ単独では有意な効果を示さない用量である)を同時に投与すると、カフ傷害血管における血管平滑筋細胞のDNA合成増強及び新生内膜形成が有意に抑制された(第5図及び第6図)。この結果により、アゼルニジピンとオルメサルタンの併用により両者が相乗的に作用し、血管平滑筋細胞の増殖を抑制するとともに血管リモデリングを改善することがイン・ビボの実験で示された。」及び「上記の相乗作用をイン・ビトロの実験において検討した。第7図に示すように、ラット培養血管平滑筋細胞でのアンジオテンシンII刺激によるDNA合成亢進は、アゼルニジピン投与により用量依存的に抑制された。単独では効果の認められない低用量のアゼルニジピンと、単独では効果の認められない低用量のオルメサルタンとを併用すると、培養血管平滑筋細胞におけるDNA合成が有意に抑制された(第8図)。」と記載されていることからみて、オルメサルタンとアゼルニジピンを併用することにより、相乗的な血管リモデリング改善作用を示すことも明らかにされているといえる。このことから、本件明細書には、本件訂正発明6の医薬が、上記降圧作用及び降圧作用の相乗効果を示すとともに血管リモデリングの改善による動脈硬化抑制作用の相乗効果を示すことも明らかにされているといえる。
一方、甲第3号証には、アンジオテンシンII受容体拮抗薬とCa拮抗薬の併用により、相加・相乗効果を発揮する、との記載がある(摘示事項3D)。しかし、該記載は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬とCa拮抗薬とを併用すると、相加効果を示す場合もあれば、相乗効果を示す場合もある、ことを教示するにとどまり、アンジオテンシンII受容体拮抗薬とCa拮抗薬として、各々、オルメサルタンとアゼルニジピンを選択した場合に相乗効果が発揮されることまでをも教示するものではない。

そして、オルメサルタンとアゼルニジピンとの併用による上記2種類の相乗効果は、甲第8号証、甲第9号証、及び甲第14号証?甲第17号証の記載からは、当業者が請求人のいう技術常識を備えていようとも、予測し得たものとはいえない。

したがって、(ウ)について?(カ)について、にて説示した理由により、本件訂正発明6は、甲第8号証に記載された発明に基いて、必要に応じ周知技術を参酌することにより、さらには甲第9号証に記載された発明を加味することにより、さらには甲第14号証?甲第17号証に記載された発明を加味することにより、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件訂正発明7について
ア 本件訂正発明7に係る無効理由1の論旨は、概略、以下のとおりのものである。
(ア)本件訂正発明7は、訂正により、(1)有効成分が、「成分(A)(オルメサルタン及び薬理学的に許容されるそのエステル、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる物質)」と「成分(B)(アゼルニジピン)」のみになるとともに、(2)血管リモデリングの抑制による動脈硬化抑制作用を有することを特徴とするとの要件が付加されたが、依然として、無効であることに変わりない。なお、(1)の限定は、本件訂正発明6における限定と同じであり、(2)の限定は、本件訂正発明6における限定とは異なる固有の限定である。

(1)に関しては、既に本件訂正発明6の項で述べたのと同じ理由により、該訂正を経ても進歩性に対する判断は変わらない。
(2)は本件訂正発明6にはない新たな限定である。該限定に関し、血管リモデリングとは、本件明細書によれば、「血流量変化や血管壁の張力の変化などの血行動態変化に対してもたらされる血管の構造上の変化」とある(第4頁第5?6行)。そうとするならば、高血圧症の予防及び/又は治療の為の本件訂正発明の医薬は、「血圧降下作用」を有するものであるので、その下げた血圧に応じて必ずや血管リモデリングを抑制しそれによる「動脈硬化抑制作用」を有すると言える。したがって、(2)の限定は、本件訂正発明の医薬が「血圧降下作用」を有するものである限り、実質的には何ら限定として機能しないものである。
よって、本件訂正発明7は、本件訂正発明6が無効である限り、同様に無効であることを免れ得ない。

また、本件訂正発明7の「動脈硬化抑制作用」が血圧降下作用に依存しない独立のものを指すものであったとしても、結論は変わらない。
すなわち、前述したとおり、オルメサルタンメドキソミルは、動物実験(食事誘発高脂血症のカニクイザル)から既にアテローム性動脈硬化症の治療に有用である可能性が示され、その効果は降圧作用とは独立のものであろうと考えられていた(甲第14号証)。また、アゼルニジピンも、本件優先日当時多くの処方がなされていた第三世代Ca拮抗剤の代表格であるアムロジピンとの比較で、血管組織への親和性が高く、また脂溶性が高いため、特に動脈硬化に対する有用性が期待されると位置づけられていた(甲第15号証?甲第17号証)。
動脈硬化は高血圧症と密接に関連する疾患であるし、動脈硬化を同時に治療することができればより好ましい降圧作用が期待できる。
よって、本件訂正発明7の「動脈硬化抑制作用」が血圧降下作用に依存しない独立のものを指すものであったとしても、そのように血圧降下作用に加えて動脈硬化抑制作用をも奏するARBとCCBの組合せとして、「オルメサルタンメドキソミル」(ARB)と「アゼルニジピン」(CCB)を選択することは容易であった。なお、「血管リモデリングの抑制」は動脈硬化抑制のメカニズムに過ぎないから、このような限定を付加しても上記判断に影響がないことはいうまでもない。
そして、効果についても、本件訂正発明6におけると同様に、本件訂正発明7についても、いわゆる「有利な効果」は認定し得ない。
よって、本件訂正発明7は、甲第8号証に甲第14号証?甲第17号証を加味して判断することにより進歩性がなく、無効である。

イ 本件訂正発明7は、実質上、本件訂正発明6に、さらに、「かつ、血管リモデリングの抑制による動脈硬化抑制作用を有することを特徴とする」という発明特定事項を追加することにより本件訂正発明6を限定した発明であるといえる。
そうすると、本件訂正発明6についての理由と同様の理由により、本件訂正発明7も、甲第8号証に記載された発明に基いて、必要に応じ周知技術を参酌することにより、さらには甲第9号証に記載された発明を加味することにより、さらには甲第14号証?甲第17号証に記載された発明を加味することにより、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、本件訂正発明7の特許を無効理由1によって無効にすることはできない。

(3)本件訂正発明8?21について
ア 本件訂正発明8?21に係る無効理由1の論旨は、概略、本件訂正発明8?21は、本件訂正発明6に対し、発明的特徴をなんら追加しないから、本件訂正発明6に進歩性がない以上同様に進歩性がない、というものである。
より具体的には、以下のとおりのものである。
本件訂正発明8?21は、順に、本件訂正発明6における「高血圧症に由来する疾患」を、「心臓疾患」、「狭心症」、「心筋梗塞」、「不整脈」、「突然死」、「心不全」、「死因肥大」、「腎臓疾患」、「糖尿病性腎症」、「糸球体腎炎」、「腎硬化症」、「脳血管性疾患」、「脳梗塞」、「脳出血」とその疾患を特定した発明である。しかし、「高血圧症の予防及び/又は治療の為の医薬」である部分に関して進歩性が認められないことは本件特許発明6の進歩性に関して述べたとおりであるから、本件特許発明8?21も少なくともこの部分については同じ理由により進歩性がない。また、上記特定の疾患は、あくまで、「高血圧症に由来する疾患としての」疾患である。そして、「高血圧症の予防及び/又は治療の為の医薬」である部分に進歩性が認められないものである以上、それに付随した態様である「高血圧症に由来する疾患である」、上記特定の疾患の「予防及び/又は治療の為の医薬」である部分に関しても、進歩性がない。

イ 本件訂正発明8?21は、本件訂正発明6を引用してさらに限定した発明であるから、本件訂正発明6についての理由と同様の理由により、甲第8号証に基いて、必要に応じ周知技術を参酌することにより、さらには甲第9号証に記載された発明を加味することにより、さらには甲第14号証?甲第17号証に記載された発明を加味することにより、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、本件訂正発明8?21の特許を無効理由1によって無効にすることはできない。

(4)本件訂正発明22について
ア 本件訂正発明22に係る無効理由1の論旨は、概略、本件特許発明22は、本件特許発明1?21のいずれかにおいて、成分(A)を「(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル 4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-[2’-(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イルメチル]イミダゾール-5-カルボキシレート」と特定した発明であり、該化合物はオルメサルタン メドキソミルであるから、該限定を付したとしても、進歩性が生じないのは、本件訂正発明6の進歩性で検討したとおりである、したがって、本件訂正発明22は、本件特許発明6?21がいずれも進歩性を有さない以上、同様に進歩性を有さない、というものである。

イ 本件訂正発明22に係る無効理由1の論旨は、つまるところ、本件訂正発明6?21のいずれも無効理由1によって進歩性を有さない以上、同様に進歩性を有さない、というものであるのに対し、本件訂正発明6?21がいずれも無効理由1によって無効にすることはできないことは、(1)?(3)において説示したとおりである。
したがって、本件訂正発明22の特許を無効理由1によって無効にすることはできない。

(5)本件訂正発明23について
ア 本件訂正発明23に係る無効理由1の論旨は、概略、本件訂正発明23は、本件訂正発明1?22のいずれかの医薬を「成分(A)及び成分(B)の両者を有効成分として含む医薬組成物の形態」とした発明であるが、ここに言う医薬組成物にはなんら発明的特徴が認められないから、本件訂正発明6?22がいずれも進歩性を有さない以上、同様に進歩性を有さない、というものである。

イ 本件訂正発明23に係る無効理由1の論旨は、つまるところ、本件訂正発明6?22のいずれも無効理由1によって進歩性を有さない以上、同様に進歩性を有さない、というものであるのに対し、本件訂正発明6?22がいずれも無効理由1によって無効にすることはできないことは、(1)?(4)において説示したとおりである。
したがって、本件訂正発明23の特許を無効理由1によって無効にすることはできない。

(6)本件訂正発明24について
ア 本件訂正発明24に係る無効理由1の論旨は、概略、本件訂正発明24は、本件訂正発明23の医薬を「物理的に1個の単位投与形態」とした発明であるが、物理的に1個の単位投与形態とした点にはなんら発明的特徴が認められないから、本件訂正発明23が進歩性を有さない以上、同様に進歩性を有さない、というものである。

イ 本件訂正発明24に係る無効理由1の論旨は、つまるところ、本件訂正発明23が無効理由1によって進歩性を有さない以上、同様に進歩性を有さない、というものであるのに対し、本件訂正発明23が無効理由1によって無効にすることはできないことは、(5)において説示したとおりである。
したがって、本件訂正発明24の特許を無効理由1によって無効にすることはできない。

(7)本件訂正発明25について
ア 本件訂正発明25に係る無効理由1の論旨は、概略、本件訂正発明25は、本件訂正発明1?22のいずれかの医薬を「成分(A)及び成分(B)を、同時に、又は成分(A)及び成分(B)を時間を変えて投与する為のもの」と限定した発明であるが、かかる限定事項にはなんら発明的特徴が認められないから、本件特許発明6?22がいずれも進歩性を有さない以上、同様に進歩性を有さない、というものである。

イ 本件訂正発明25に係る無効理由1の論旨は、つまるところ、本件訂正発明6?22のいずれも無効理由1によって進歩性を有さない以上、同様に進歩性を有さない、というものであるのに対し、本件訂正発明6?22がいずれも無効理由1によって無効にすることはできないことは、(1)?(4)において説示したとおりである。
したがって、本件訂正発明25の特許を無効理由1によって無効にすることはできない。

6-2.無効理由2について
ア 本件訂正発明6に係る無効理由2の論旨は、概略、以下の(ア)?(カ)のとおりのものである。
(ア)甲第10号証の摘示事項10A、10Bの記載事項からみて、甲第10号証には、「アンジオテンシンII受容体拮抗剤であるオルメサルタンメドキソミルにHCTZを追加し、さらに、カルシウム拮抗剤であるベシル酸アムロジピンを追加することによる、高血圧の治療方法。」なる発明(以下、「甲10発明」ともいう。)が記載されている。

(イ)本件訂正発明6と甲第10号証に記載の発明とを対比すると、その一致点・相違点は以下のとおりである。
<一致点>
いずれも、高血圧症の治療の為に、有効成分としてアンジオテンシンII受容体拮抗剤であるオルメサルタン メドキソミルとカルシウム拮抗剤を使用するものである点
<相違点>
1.カルシウム拮抗剤が、本件特許発明6では「アゼルニジピン」であるのに対し、甲第10号証記載の発明では「ベシル酸アムロジピン」である点
2.本件特許発明6は「物」(医薬)の発明であるのに対し、甲第10号証に記載の発明は「方法」(治療方法)の発明である点
なお、発明の対象が「物」(医薬)であるか「方法」(治療方法)であるかは、単なるカテゴリー表現上の差異であって、実質的な相違ではない。

(ウ)本件優先日当時、アンジオテンシンII受容体拮抗剤とカルシウム拮抗剤とを併用することで優れた相加・相乗効果が期待できることは周知であったところ(甲第3号証)、そのような知見の下、例えば、甲第4号証?甲第7号証に記載のとおり、種々のアンジオテンシンII受容体拮抗剤とカルシウム拮抗剤の組合せが使用されていた。
そのような状況下、オルメサルタン メドキソミルとベシル酸アムロジピンを併用するという発明を開示した甲第10号証の記載に接した当業者が、相乗効果を期待して、その「カルシウム拮抗剤」をベシル酸アムロジピンと構造が類似した「アゼルニジピン」に代えてみる程度のことは、容易に想到できたことである。
また、AII受容体拮抗薬(ARB)は利尿剤やカルシウム拮抗剤(CCB)と併用で優れた相加・相乗効果を発揮する旨の甲第3号証の記載、甲第4号証、甲第5号証、甲第8号証および甲第10号証の記載をみるならば、利尿剤とCCBはアンジオテンシンII受容体拮抗剤との併用において等価なものとして捉えるべきである。甲10発明は、オルメサルタンメドキソミル(ARB)とアムロジピンベシレート(CCB)に加えて、代表的な利尿薬であるヒドロクロロチアジド(HCTZ)を投与するものではあるが、この場合のHCTZは、ARBの併用薬として、CCBと等価と考えられるものであるから、甲第10号証の記載から、オルメサルタンメドキソミル(ARB)とアムロジピンベシレート(CCB)の併用を認識することに、何ら不都合はない。そして、甲第18号証や甲第19号証の記載から、HCTZが動脈硬化に対して好ましくない影響を与える薬剤であると考えられていたことを当業者は理解できるから、抗動脈硬化作用をも念頭に高血圧の治療を考える場合、甲10発明において、「HCTZ」を、ARBの併用薬として等価な「CCB」に置き換えることに困難はない。
したがって、本件訂正発明6は、甲第10号証に記載の発明から当業者が容易に想到できたものである。

(エ)甲第9号証には、CCBとしてアゼルニジピンが、また、ARBとしてオルメサルタンが承認申請中であること、アゼルニジピンはアムロジピンに認められた長期投与による体内蓄積性が認められなかったこと、及び、今後は、ARBを中心とした大規模臨床試験から得られるエビデンスの蓄積と、ARB+利尿剤のような合剤の開発に注目していく必要があることが記載されており、これらの記載に接した当業者は、オルメサルタンの併用薬として、当時カルシウム拮抗薬として主流であった「アムロジピン」に代えて、同等の作用が期待でき、かつ、アムロジピンの欠点であった長期投与による体内蓄積性も認められない「アゼルニジピン」を使用してみようと、強く動機付けられることは明らかである。
そして、甲10発明から、HCTZ(利尿剤)を除いて、オルメサルタンメドキソミル(ARB)とアムロジピンベシレート(CCB)の併用に係る発明を認識することができることは上記(ウ)において述べたとおりである。
したがって、本件特許発明6は、甲第10号証に記載の発明に、甲第9号証を加味することにより、当業者が容易に想到できたものである。

(オ)「アムロジピンベシレート」から「アゼルニジピン」への変更は、甲15号証?甲17号証を加味することによっても容易であることは、前記6-1.無効理由1(1)ア(オ)で述べたとおりである。
したがって、本件訂正発明6は、甲第10号証に記載の発明に、甲第9号証、甲第15号証?甲第17号証を加味することにより、当業者が容易に想到できたものである。

(カ)本件特許発明については、参酌すべきいわゆる「有利な効果」も想定し得ず、かつ、認められもしないことは、すでに、前記6-1.無効理由1(1)ア(カ)で述べたとおりである。

イ しかしながら、当合議体は、以下に述べる理由から、本件訂正発明6の特許を無効理由2によって無効にすることはできないと判断する。
(ウ)について
甲第10号証の記載に接した当業者が、甲10発明から本件訂正発明6の医薬に想到するためには、まず、甲10発明の治療方法から、HCTZを除去し、ベシル酸アムロジピンを残してオルメサルタンと併用することに想到し、さらに該ベシル酸アムロジピンの化学構造をもとに、アゼルニジピンの化学構造を発想してベシル酸アムロジピンの代わりに用いることに想到し、さらには、該アゼルニジピンの製造方法も開発してこれを製造しなければならない。
しかし、甲10発明は、甲第10号証の摘示事項10Bの記載からみて、オルメサルタンが十分効かないときにHCTZを追加し、それでも十分効かないときに、ベシル酸アムロジピンを追加するという治療方法であるから、HCTZはベシル酸アムロジピンよりも優先的に追加するものとされている。そうすると、甲10発明の治療方法から、優先的に追加されるHCTZを除去し、劣後するベシル酸アムロジピンを残してオルメサルタンと併用することは、甲第10号証の教示内容に反することといえ、当業者が請求人のいう技術常識を備えていようとも、格別の創意を要することなくなし得たこととはいえない。
そうすると、もはや上記ベシル酸アムロジピンをアゼルニジピンに変更することの容易想到性を論ずる余地はないが、念のため説示すると、前記6-1.無効理由1(1)イ(ウ)について、の項で説示した理由と同様、アゼルニジピンをベシル酸アムロジピンの代わりに用いるためには、当業者が請求人のいう技術常識を備えていようとも、種々の創意工夫や試行錯誤を要したものと認められるから、当業者が格別の創意を要することなくなし得たこととはいえない。

また、甲第3号証の記載、甲第4号証、甲第5号証、甲第8号証および甲第10号証の記載をみると、本件優先日当時、利尿剤、CCBは、共にアンジオテンシンII受容体拮抗剤と併用しようとの認識がされ、いくつかの具体的な試みがなされていたことは理解できるものの、該併用において、利尿剤とCCBとが等価なものとして、互いに置き換え可能な薬剤であるとの認識があったとまでいうことはできない。よって、HCTZが動脈硬化に対して好ましくない影響を与えることが、本件優先日当時すでに知られていたとしても(摘示事項18A、19A)、HCTZをCCBに置き換えることを当業者が格別の創意を要することなくなし得たこととはいえない。仮に、置き換えることが可能であったとして、すでにCCBが併用されている甲10発明において、重ねてCCBを用いる、もしくはこれを他のCCBに置き換えるとする選択について動機付けは見当たらないし該選択に際しては、やはり、当業者が請求人のいう技術常識を備えていようとも、種々の創意工夫や試行錯誤を要したものと認められるから、当業者が格別の創意を要することなくなし得たこととはいえない。

(エ)について
(ウ)で説示したように、甲10発明の治療方法から、優先的に追加されるHCTZを除去し、劣後するベシル酸アムロジピンを残してオルメサルタンと併用することは、甲第10号証の教示内容に反することといえ、当業者が請求人のいう技術常識を備えていようとも、格別の創意を要することなくなし得たこととはいえないから、さらにベシル酸アムロジピンをアゼルニジピンに変更することの容易想到性を論ずる余地はないが、念のため説示すると、甲10発明は、甲第10号証の摘示事項10Bの記載からみて、オルメサルタンにHCTZを追加し、さらにベシル酸アムロジピンを追加することにより、高い割合の患者で血圧目標値を達成したとされているから、甲10発明におけるベシル酸アムロジピンは、該目標の達成に貢献した医薬とされるものである。そうすると、請求人のいう技術常識を備えた当業者が、甲第10号証及び甲第9号証を併せ見たとしても、甲10発明において目標の達成に貢献した医薬とされるベシル酸アムロジピンの代わりに、甲第9号証に記載されているアゼルニジピンを採用することを、格別の創意を要することなくなし得たこととはいえない。

(オ)について
(エ)で説示したことは、アゼルニジピンが動脈硬化に効果がある旨の甲第15号証?甲第17号証を当業者がさらに併せ見たとしても、変わるものではない。

(カ)について
本件訂正発明6は、前記6-1.無効理由1(1)イ(カ)について、の項で説示した、降圧作用(例2)、及び血管リモデリング作用/動脈硬化作用(例1)の、2つの作用についての相乗効果が示されているものである。
特に、血管リモデリング作用について、乙第13号証の図面からは、アゼルニジピン、アムロジピンの新生内膜低減効果は、ほぼ同等であり、1mg/Kg/日では有意な低減効果が得られるといえないことが理解できる(摘示事項乙13A)。これに対して、アゼルニジピン、アムロジピン各々にオルメサルタンを併用した場合、アゼルニジピンとオルメサルタン併用投与群は、アムロジピンとオルメサルタン併用投与群に対して、有意に優れた作用を示したことが認められる(指摘事項乙3A、3B)。
そして、上記2つの作用についての相乗効果、及び、アムロジピンとオルメサルタンを併用した場合の効果に比較して優れたものである、アゼルニジピンとオルメサルタンを併用した場合の効果は、甲第10号証、甲第9号証、及び甲第15号証?甲第17号証の記載からは、当業者が請求人のいう技術常識を備えていようとも、予測し得たものとはいえない。

したがって、(ウ)?(カ)にて説示した理由により、本件訂正発明6は、甲第10号証に記載の発明に基いて、必要に応じ周知技術を参酌することにより、さらには甲第9号証を加味することにより、さらには甲第15号証?甲第17号証を加味することにより、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件訂正発明7について
ア 本件訂正発明7に係る無効理由2の論旨は、概略、以下のとおりのものである。
本件訂正発明7に係る上記(1)や(2)の限定が進歩性の判断に影響を与えないものであることは、すでに前記6-1.無効理由1(2)アについて、の項で述べたとおりであるから、本件訂正発明7は、無効理由2に関しても、本件訂正発明6が無効である限り、同様に無効であることを免れ得ない。
また、本件訂正発明7の「動脈硬化抑制作用」が血圧降下作用に依存しない独立のものを指すものであったとしても、結論は変わらないことも、前記6-1.無効理由1(2)ア、の項で述べたとおりである。すなわち、本件訂正発明7は、甲10号証に甲第15号証?甲第17号証を加味して判断することにより進歩性がなく、無効である。

イ 本件訂正発明7は、実質上、本件訂正発明6に、さらに、「かつ、血管リモデリングの抑制による動脈硬化抑制作用を有することを特徴とする」という発明特定事項を追加することにより本件訂正発明6を限定した発明であるといえる。
そうすると、本件訂正発明6についての理由と同様の理由により、本件訂正発明7も、甲第10号証に記載された発明に基いて、必要に応じ周知技術を参酌することにより、さらには甲第9号証に記載された発明を加味することにより、さらには甲第15号証?甲第17号証に記載された発明を加味することにより、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、本件訂正発明7の特許を無効理由2によって無効にすることはできない。

(3)本件訂正発明8?25について
ア 本件訂正発明8?25に係る無効理由2の論旨は、概略、本件訂正発明8?25は、本件訂正発明6または同7に従属し、かつ、これら本件訂正発明に対し、なんら発明的特徴を付加するものではない、そして、本件特許発明6、7に進歩性が認められない結論となることは、上記(1)(2)において検討のとおりであるから、本件訂正発明8?25は、本件訂正発明6または同7と同じ無効理由を有する、というものである。

イ 本件訂正発明8?25に係る無効理由2の論旨は、つまるところ、本件訂正発明6、7がいずれも無効理由2によっって進歩性を有さない以上、同様に進歩性を有さない、というものであるのに対し、本件訂正発明6、7がいずれも無効理由2によって無効にすることができないことは、(1)、(2)において説示したとおりである。
したがって、本件訂正発明8?25の特許を無効理由2によって無効にすることはできない。

なお、請求書と同時と提出された甲第1号証、甲第2号証は、各々、本件訂正発明の成分(A)、(B)の構造、効果を示すが、本件優先日後に頒布された刊行物である。口頭審理陳述要領書と同時に提出された甲第20号証、甲第21号証は、オルメサルタンメドキソミル、アゼルニジピンが本件優先日当時すでに知られていたことを、同甲第3号証の1は、同号証の記載が客観的であり、本件優先日当時の技術水準を表すものであることを、甲第6号証の1は甲第6号証の抄訳文を、甲第14号証の1、2は、各々、甲第14号証の抄訳文、頒布日を示すにとどまるものであるから、それら甲各号証の記載は、以上の認定、判断を左右しない。

6-3.むすび
そうすると、本件訂正発明6?25の特許を無効理由1、2によって無効にすることはできない。


7.むすび
以上のとおり、本件訂正請求による訂正を認め、また、本件訂正発明6?25の特許は、無効理由1、2によって無効にすべきものであるとはいえない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動脈硬化の予防及び/又は治療のための医薬であって、下記の成分:
(A)下記の式(I):
【化1】

で表される化合物及び薬理学的に許容されるそのエステル、並びに薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群から選ばれる物質;及び
(B)アゼルニジピン
を有効成分として含む医薬。
【請求項2】
血管平滑筋細胞の増殖抑制のための医薬であって、請求項1に記載の成分(A)及び成分(B)を有効成分として含む医薬。
【請求項3】
血管新生内膜形成の抑制のための医薬であって、請求項1に記載の成分(A)及び成分(B)を有効成分として含む医薬。
【請求項4】
血管リモデリングの抑制のための医薬であって、請求項1に記載の成分(A)及び成分(B)を有効成分として含む医薬。
【請求項5】
冠動脈インターベンション後の再狭窄の予防のための医薬であって、請求項1に記載の成分(A)及び成分(B)を有効成分として含む医薬。
【請求項6】
高血圧症又は高血圧症に由来する疾患の予防及び/又は治療の為の医薬であって、請求項1に記載の成分(A)及び成分(B)のみを有効成分として含む医薬。
【請求項7】
高血圧症の予防及び/又は治療の為の医薬であって、請求項1に記載の成分(A)及び成分(B)のみを有効成分として含み、かつ血管リモデリングの抑制による動脈硬化抑制作用を有することを特徴とする医薬。
【請求項8】
高血圧症に由来する疾患が、心臓疾患である請求項6に記載の医薬。
【請求項9】
高血圧症に由来する疾患が、狭心症である請求項6に記載の医薬。
【請求項10】
高血圧症に由来する疾患が、心筋梗塞である請求項6に記載の医薬。
【請求項11】
高血圧症に由来する疾患が、不整脈である請求項6に記載の医薬。
【請求項12】
高血圧症に由来する疾患が、突然死である請求項6に記載の医薬。
【請求項13】
高血圧症に由来する疾患が、心不全である請求項6に記載の医薬。
【請求項14】
高血圧症に由来する疾患が、心肥大である請求項6に記載の医薬。
【請求項15】
高血圧症に由来する疾患が、腎臓疾患である請求項6に記載の医薬。
【請求項16】
高血圧症に由来する疾患が、糖尿病性腎症である請求項6に記載の医薬。
【請求項17】
高血圧症に由来する疾患が、糸球体腎炎である請求項6に記載の医薬。
【請求項18】
高血圧症に由来する疾患が、腎硬化症である請求項6に記載の医薬。
【請求項19】
高血圧症に由来する疾患が、脳血管性疾患である請求項6に記載の医薬。
【請求項20】
高血圧症に由来する疾患が、脳梗塞である請求項6に記載の医薬。
【請求項21】
高血圧症に由来する疾患が、脳出血である請求項6に記載の医薬。
【請求項22】
成分(A)が、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル 4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-2-プロピル-1-[2’-(1H-テトラゾール-5-イル)ビフェニル-4-イルメチル]イミダゾール-5-カルボキシレートである、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項23】
成分(A)及び成分(B)の両者を有効成分として含む医薬組成物の形態の請求項1乃至22のいずれか1項に記載の医薬。
【請求項24】
物理的に1個の単位投与形態である、請求項23に記載の医薬。
【請求項25】
成分(A)及び成分(B)を、同時に、又は成分(A)及び成分(B)を時間を変えて投与する為の請求項1乃至22のいずれか1項に記載の医薬。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-02-20 
結審通知日 2017-02-22 
審決日 2017-03-10 
出願番号 特願2005-504752(P2005-504752)
審決分類 P 1 123・ 121- YAA (A61K)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 内藤 伸一
特許庁審判官 松澤 優子
穴吹 智子
登録日 2006-11-02 
登録番号 特許第3874419号(P3874419)
発明の名称 動脈硬化及び高血圧症の予防及び治療のための医薬  
代理人 特許業務法人朝日奈特許事務所  
代理人 市川 さつき  
代理人 高石 秀樹  
代理人 箱田 篤  
代理人 岩澤 朋之  
代理人 箱田 篤  
代理人 辻居 幸一  
代理人 市川 さつき  
代理人 辻居 幸一  
代理人 岩澤 朋之  
代理人 高石 秀樹  
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