• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部無効 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降)  E01H
審判 一部無効 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明  E01H
審判 一部無効 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張  E01H
審判 一部無効 2項進歩性  E01H
審判 一部無効 特許請求の範囲の実質的変更  E01H
管理番号 1328118
審判番号 無効2013-800063  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2013-04-16 
確定日 2017-04-10 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3900500号「構造物の目地の構造」の特許無効審判事件についてされた平成27年 2月 4日付け審決に対し,知的財産高等裁判所において審決取消しの判決(平成27年(行ケ)第10051号,平成28年 2月18日判決言渡)があったので,さらに審理のうえ,次のとおり審決する。 
結論 特許第3900500号の明細書,特許請求の範囲及び図面を訂正請求書に添付された訂正明細書,特許請求の範囲及び図面のとおり訂正後の請求項1-5について訂正することを認める。 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 
理由 第1 事案の概要
本件特許第3900500号(請求項の数[5],以下「本件特許」という。)は,平成18年8月23日(優先権主張平成17年9月26日,平成18年3月29日)に特許出願された特願2006-226761号に係るものであって,その請求項1乃至5に係る発明について,平成19年1月12日に特許の設定登録がなされた。
そして,平成25年4月16日に,本件特許の請求項1及び2に係る発明の特許に対して,本件無効審判請求人(以下「請求人」という。)により本件無効審判〔無効2013-800063号〕が請求されたものである。


第2 本件審判の経緯
平成25年 4月16日 審判請求
平成25年 7月 5日 審判事件答弁書提出(被請求人)
平成25年10月22日 審理事項通知書
平成25年11月15日 口頭審理陳述要領書提出(被請求人)
平成25年11月18日 口頭審理陳述要領書提出(請求人)
平成25年12月 3日 口頭審理
平成26年 5月22日 審決の予告
平成26年 7月31日 訂正請求書及び上申書提出(被請求人)
平成26年10月 2日 (訂正請求書の)手続補正書(被請求人)
平成26年11月17日 弁駁書提出(請求人,受付日)
平成27年 2月 4日 一次審決(請求成立)
平成27年 3月11日 審決取消訴訟提起(被請求人)
平成28年 2月18日 判決言渡(審決取消)

第3 訂正請求についての当審の判断
1 訂正請求の内容
被請求人が平成26年7月31日にした訂正請求(平成26年10月2日付手続補正書で補正。以下,同訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。)は,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲及び図面(以下「本件特許明細書等」という。)について,訂正請求書に添付した訂正明細書,特許請求の範囲及び図面のとおり一群の請求項ごとに訂正することを請求するものであって,以下の訂正事項をその訂正内容とするものである(下線は訂正された箇所を示す)。

(1)訂正事項1
訂正前の特許請求の範囲の請求項1,
「【請求項1】
ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と,この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって,
このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部とし,
この湾曲連結部は,前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とした構造物の目地の構造。」
を,
「【請求項1】
ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と,この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって,
このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)とし,
この湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)は,前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし,
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)は,前記下向傾斜面と,前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。」
に訂正する。

(2)訂正事項2
訂正前の特許請求の範囲の請求項2,
「【請求項2】
ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と,この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって,
このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部とするとともに,この下向き傾斜面と,上向き傾斜面との連結箇所を連結凹部とし,
この湾曲連結部と連結凹部は,前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とした構造物の目地の構造。」
を,
「【請求項2】
ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と,この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって,
このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)とするとともに,この下向き傾斜面と,上向き傾斜面との連結箇所を連結凹部とし,
この湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)と連結凹部は,前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし,
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)は,前記下向き傾斜面と,前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。」
に訂正する。

(3)訂正事項3
訂正前の特許請求の範囲の請求項3,
「【請求項3】
ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し,略W字形の防草傾斜面と,この略W字形の防草傾斜面に充填される舗装面又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し,逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって, このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部とし,
この湾曲連結部は,前記ブロックの略W字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とした構造物の目地の構造。」
を,
「【請求項3】
ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し,略W字形の防草傾斜面と,この略W字形の防草傾斜面に充填される舗装面又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し,逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって,このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)とし
この湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)は,前記ブロックの略W字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし,
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)は,前記下向き傾斜面と,前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。」
に訂正する。

(4)訂正事項4
訂正前の特許請求の範囲の請求項4,
「【請求項4】
ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し,略W字形の防草傾斜面と,この略W字形の防草傾斜面に充填される舗装面又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し,逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって,
このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部とするとともに,この下向き傾斜面と,上向き傾斜面との連結箇所を二重或いは複数に構成し,略W字形の連結凹部とし,
この略W字形の湾曲連結部と略W字形の連結凹部は,前記ブロックの略W字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とした構造物の目地の構造。」
を,
「【請求項4】
ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し,略W字形の防草傾斜面と,この略W字形の防草傾斜面に充填される舗装面又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し,逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって,
このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)とするとともに,この下向き傾斜面と,上向き傾斜面との連結箇所を二重或いは複数に構成し,略W字形の連結凹部とし,
この略W字形の湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)と略W字形の連結凹部は,前記ブロックの略W字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし,
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)は,前記下向き傾斜面と,前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。」
に訂正する。

(5)訂正事項5
明細書の段落【0015】の
「【0015】
上記に鑑み本発明は,[1] 目地の境界部に,湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造とすることで,ブロック及び/又は舗装面の欠損を回避すること,??(中略)??,等を意図する。」
を,
「【0015】
上記に鑑み本発明は,[1] 目地の境界部に,湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造とすることで,ブロック及び/又は舗装面の欠損と,舗装面の亀裂とを回避すること,??(中略)??,等を意図する。」
に訂正する。

(6)訂正事項6
明細書の段落【0017】の請求項1を引用する箇所を,訂正事項1で訂正する請求項1の記載どおりに訂正する。

(7)訂正事項7
明細書の段落【0018】の請求項2を引用する箇所を,訂正事項2で訂正する請求項2の記載どおりに訂正する。

(8)訂正事項8
明細書の段落【0020】の請求項3を引用する箇所を,訂正事項3で訂正する請求項3の記載どおりに訂正する。

(9)訂正事項9
明細書の段落【0021】の請求項4を引用する箇所を,訂正事項4で訂正する請求項4の記載どおりに訂正する。

(10)訂正事項10
明細書の段落【0023】の
「【0023】
請求項5は,??(中略)??車道等の舗装構造物でなる構造物の目地の構造」
を,
「【0023】
請求項5は,??(中略)??車道等の舗装構造物でなる構造物の目地の構造である。」
に訂正する。

(11)訂正事項11
明細書の段落【0024】の請求項1を引用する箇所を,訂正事項1で訂正する請求項1の記載どおりに訂正する。

(12)訂正事項12
明細書の段落【0025】の請求項2を引用する箇所を,訂正事項2で訂正する請求項2の記載どおりに訂正する。

(13)訂正事項13
明細書の段落【0027】の
「【0027】
[1] 目地の境界部に,湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造とすることで,ブロック及び/又は舗装面の欠損の回避が図れること,??(中略)??,等である。」
を,
「【0027】
[1] 目地の境界部に,湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造とすることで,ブロック及び/又は舗装面の欠損と,舗装面の亀裂との回避が図れること,??(中略)??,等である。」
に訂正する。

(14)訂正事項14
明細書の段落【0028】の請求項3を引用する箇所を,訂正事項3で訂正する請求項3の記載どおりに訂正する。

(15)訂正事項15
明細書の段落【0029】の請求項4を引用する箇所を,訂正事項4で訂正する請求項4の記載どおりに訂正する。

(16)訂正事項16
明細書の段落【0030】の
「【0030】
従って,請求項3・4は,前述の[1]?[5]の目的を達成できることと,[7] ブロックに設けた下向き傾斜面と,??(中略)??,等の特徴を有する。」
を,
「【0030】
従って,請求項3・4は,前述の[1]?[5]の目的を達成できることと,[6] ブロックに設けた下向き傾斜面と,??(中略)??,等の特徴を有する。」
に訂正する。

(17)訂正事項17
図面【図1-1-2】の符号「9」を削除する。

(18)訂正事項18
図面【図6-1】の符号「89」を削除する。

(19)訂正事項19
図面【図7-2】の符号「109」を削除する。

(20)訂正事項20
図面【図9】の4つの符号「149」の内,下側左右の端にある2つを削除する。

2 訂正の適否について
(1)訂正事項1乃至4について
ア 訂正の目的について
訂正事項1乃至4は,請求項1乃至4及びこれらの請求項を引用する請求項5(以下,請求項1乃至5という。)において,ブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との湾曲連結部について,当該湾曲連結部を示す図面に付された図番「(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)」を付記することにより,当該湾曲連結部を明瞭なものとし,また,当該図番を付された「この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169),又は(189)」について,訂正前の請求項1乃至4に記載されていた「このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部とし」との特定に代えて,「前記下向き傾斜面と,前記側面鉛直面との連設箇所に形成した」と特定することにより,当該湾曲連結部を明瞭なものとするものである。
したがって,訂正事項1乃至4は,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

新規事項の追加,特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
付記された図番「(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)」については,【図1-1-1】,【図1-1-3】,【図1-2】,【図1-3】,【図2-1】,【図3-1】,【図4-1-1】,【図5】,【図6】,【図6-1】,【図7-1】,【図8-1】,【図9】,【図10-1-1】,【図10-1-2】及び【図11】に,それぞれ下向き傾斜面と側面鉛直面との連結箇所である湾曲連結部に明確に記載されている。
また,「この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169),又は(189)」について,「前記下向き傾斜面と,前記側面鉛直面との連設箇所に形成した」との説明を加えたことについては,上記アで述べたとおり,訂正前の請求項1乃至4に記載された「このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部と」することを,単に表現を代えたものである。
よって,訂正事項1乃至4は,本件特許明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものであって,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないことは明らかであるから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ウ 請求人の主張について
請求人は、訂正事項1乃至4について,「【図1-1】の左下側の「湾曲連結部9」は【図1-1-2】からも明らかなとおり,舗装面ではなく地中に向けて設けられている。同様に【図7】の左下側の「湾曲連結部109」(【図7-2】),【図9】の左下側の「湾曲連結部149」も,舗装面ではなく地中に向けて設けられている。少なくとも,上記「湾曲連結部9」,「湾曲連結部109」及び「湾曲連結部149」のうち地中に向けて設けたれたものについては,被請求人の上申書に添付された資料1からも明らかなとおり,舗装面を通行する車両などの荷重がかかることはないから,「舗装面の亀裂を回避する」との作用効果を有しないことは明らかである。したがって,被請求人の訂正は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしておらず、特許法第134条の2第9項が準用する同法第126条第5項に違反するものであるから,訂正を認めることはできない。」(弁駁書4頁)と主張する。
しかしながら,請求人が主張する「舗装面ではなく地中に向けて設けられている」「湾曲連結部」は,「略V字形の防草傾斜面」の片方の傾斜面を構成する「下向きの傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所」に位置するものではないから,請求項1乃至5で規定する「湾曲連結部」に含まれていないことは明らかである。
そして,上記イで述べたように,「湾曲連結部」に図番を付した訂正は,本件特許明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものであるから,請求人の主張は採用することができない。

エ 特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項に規定する要件について
本件訂正後の請求項5は,訂正の請求がされた複数の請求項である請求項1乃至4の記載を引用するものであるから,本件訂正後の請求項1乃至5は,特許法施行規則第46条の2第3号に規定する関係を有する一群の請求項を構成する。
したがって,訂正事項1乃至4は,特許法第134条の2第9項で準用する第126条第4項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項5及び13について
訂正事項5は,明細書の段落【0015】に,本願の発明が解決しようとする課題として,目地の境界部を,湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造とすることでブロック及び/又は舗装面の欠損を回避することに加えて「舗装面の亀裂」を回避することを追記するものである。また,訂正事項13は,明細書の段落【0027】に,本願の発明の効果として,訂正事項5と同様に,湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造とすることでブロック及び/又は舗装面の欠損を回避することに加えて「舗装面の亀裂」を回避することを追記するものである。
訂正前の明細書には,実施例である第一?九の各実施例の説明として,それらの特徴として,連結部を曲面形状とすることで,当該ブロックの欠損を回避できること,取扱い・管理の容易化が図れること,又は舗装面の亀裂防止に有効であること等の特徴があるとの記載がある(段落【0048】,【0056】,【0061】,【0067】,【0074】,【0084】,【0088】,【0095】)。
第一?九の各実施例は,特許請求の範囲に記載されている請求項1乃至5に係る発明の実施例であることから,訂正事項5及び13は,請求項1乃至5に係る本願発明の課題あるいは効果を,それらの実施例の課題あるいは効果と整合させるものであるので,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とする。
また,訂正事項5及び13は,本件特許明細書等に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(3)訂正事項6乃至9,11,12,14,15について
訂正事項6乃至9は,それぞれ,請求項1乃至4の訂正により対応する明細書の段落【0017】,【0018】,【0020】,【0021】を訂正するものであり,また,訂正事項11,12,14,15は,同様に,それぞれ,請求項1乃至4の訂正により対応する明細書の段落【0024】,【0025】,【0028】,【0029】を訂正するものであり,これらの訂正事項は,何れも,請求項の記載の訂正に応じて,明細書の対応する箇所の記載を,訂正後の請求項の記載に整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また,訂正事項6乃至9,11,12,14,15は,本件特許明細書等に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(4)訂正事項17,19,20について
訂正事項17,19,20は,それぞれ,請求項1?4の訂正により対応する図面の【図1-1-2】,【図7-2】,【図9】を訂正するものであり,ブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との湾曲連結部について,「舗装又は他の構造物の下側に位置する」ものではないものの符号[9](【図1-1-2】),[109](【図7-2】),[149](【図9】の4つの符号「149」の内,下側左右の端にある2つのもの)を削除するものである。これらの訂正事項は,何れも,請求項の記載の訂正に応じて,図面の対応する箇所の記載を,訂正後の請求項の記載に整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また,訂正事項17,19,20は,本件特許明細書等に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(5)訂正事項10について
訂正事項10は,明細書の段落【0023】の「目地の構造」との記載を「目地の構造である。」に訂正して,文章の文末に「である。」との文言を付記することにより,文法上の誤記を訂正するものであるので,特許法第134条の2第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
また,訂正事項10は,本件の願書に最初に添付された明細書等に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもなく,特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由もないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。

(6)訂正事項16について
訂正事項16は,明細書の段落【0030】の「前述の[1]?[5]の目的を達成できることと,[7] ブロックに設けた下向き傾斜面」との記載を「前述の[1]?[5]の目的を達成できることと,[6] ブロックに設けた下向き傾斜面」に訂正するものである。明細書の段落【0030】は[1]?[5]の目的につづいて6番目の目的を記載していることから,訂正前に記載されていた[7]を[6]に訂正することは,特許法第134条の2第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
また,訂正事項16は,本件の願書に最初に添付された明細書等に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもなく,特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由もないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。

(7)訂正事項18について
訂正事項18は,【図6-1】の符号「89」を削除するものである。符号「89」については,明細書の段落【0072】に「この下向き傾斜面85と上縁片側82aの鉛直面86との連結箇所を湾曲連結部89とする。」と記載されているものの,訂正事項18で訂正する符号「89」は,これとは別の箇所を示していることから,この符号「89」を削除することは,特許法第134条の2第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
また,新規事項の追加,特許請求の範囲の拡張ないし変更の有無について
訂正事項18は,本件の願書に最初に添付された明細書等に記載された事項の範囲内でするものであり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもなく,特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由もないから,特許法第134条の2第9項において準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。

3 小括
以上のとおりであるから,本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書第1項又は第3項に掲げる事項を目的とし、同法第134条の2第9項で準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合するから、本件訂正を認める。


第4 本件訂正発明
上記第3のとおり,本件訂正が認められたので,本件特許の請求項1及び2に係る発明は,本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載した,次のとおりのものと認められる(以下,本件訂正後の各請求項に係る発明を「本件訂正発明1」及び「本件訂正発明2」という。)。

1 本件訂正発明1(【請求項1】)
ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と,この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって,
このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)とし,
この湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189) は,前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし,
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)は,前記下向傾斜面と,前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。

2 本件訂正発明2(【請求項2】)
【請求項2】
ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と,この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって,
このブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)とするとともに,この下向き傾斜面と,上向き傾斜面との連結箇所を連結凹部とし,
この湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)と連結凹部は,前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし,
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)は,前記下向き傾斜面と,前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。


第5 当事者の主張
1 請求人の主張の概要
請求人は,本件特許第3900500号の特許請求の範囲の請求項1乃至2にかかる発明についての特許を無効とする,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,審判請求書,平成25年11月18日付け口頭審理陳述要領書,平成26年11月17日付け弁駁書において,以下のように主張するとともに,証拠方法として甲第1号証?8号証を提示し,以下の無効理由を主張した。

〔無効理由〕特許法第29条第2項(特許法第123条第1項第2号)
本件特許発明1及び2は,その出願前に発行された刊行物である甲第1号証,及び甲第2号証ないし甲第8号証に記載された発明及び,その出願時に周知の技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件特許発明1及び2は,特許法第29条2項の規定に違反してなされたものであり,同法第123条1項2号に該当し,無効とすべきものである。
(第1回口頭審理調書参照。)

〔具体的理由〕
(1)審判請求書による主張
本件特許発明1は,本件特許出願の優先目(平成17年9月26日)前の時点で頒布された刊行物である甲第1号証に記載された発明(甲1発明)及び甲第2号証ないし甲第8号証に記載された従来周知技術(角部を曲面化すること)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,本件特許発明2は,甲第1号証に記載された発明(甲1発明)及び甲第2号証に記載された発明並びに甲第2号証ないし甲第8号証に記載された従来周知の技術(角部を曲面化すること)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。従って,本件特許発明1及び2は,特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから,同法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものである。
(審判請求書24頁)

(2)平成25年11月15日付け口頭審理陳述要領書における主張の概要
被請求人の答弁書中,「第5無効理由3(進歩性欠如)」に記載された下記の内容は,以下の理由により失当である。
相違点の認定について
特許庁合議体による暫定的な見解にもあるように,甲1発明の図3のコンクリートブロックの左下方の切欠き棚の構成は,本件特許請求の範囲の請求項1に係る発明の「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の傾斜面」に相当するものであり前記の相違点1-1及び相違点1-2,並びに相違点2-1及び相違点2-2の認定は失当である。
(口頭審理陳述要領書 (1)「相違点1-1及び相違点1-2」並びに「相違点2-1及び相違点2-2」について)

イ 相違点の検討について
(ア)甲1発明の図3のコンクリートブロックの左下方の切欠き棚の構成は,本件特許請求の範囲の請求項1に係る発明の「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の傾斜面」に相当するものであることは明らかで,被請求人も答弁書で主張し,かつ特許庁合議体による暫定的な見解にもあるように,「略V字形の傾斜面」による防草効果は,当業者であれば技術常識に基づいて理解できる事項である。また,甲1発明には,作用として「雑草が生えるのを防止し」等の記載(【0011】)もあることから,当業者であれば十分に示唆でき動機付けを得られるものである。
よって,甲1発明が「防草効果を果たさないという点で,両者の発明の技術的本質を異にするものである。そもそも,甲1発明には,この相違点1-1及び相違点1-2(並びに2-1及び相違点2-2)の相違によって,本件特許発明の主要かつ重要な構成要件を欠き,その示唆もなく動機付けもなく,主引例としての適格を欠くものである。」
との主張は失当である。
(口頭審理陳述要領書 (2)相違点1-1及び相違点1-2の検討」及び「相違点2-1及び相違点2-2の検討」について)

(イ)本件特許明細書において,本件特許発明lの『下向き傾斜面と側面鉛直面との連結箇所を「湾曲連結部」とした構成』,及び本件特許発明2の『下向き傾斜面と側面鉛直面との連結箇所を「湾曲連結部」と下向き傾斜面と上向き傾斜面との連結箇所を「連結凹部」とした構成』の特徴,すなわち効果として次の記載がある。
「このブロック1の略V字形の防草傾斜面13は,全ての連結部(湾曲連結部9,連結凹部10,又は湾曲表面連結部12)を曲面形状とすることで,当該ブロック1の欠損を回避できること,取扱い・管理の容易化が図れること,又は舗装面2の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。」【0048】
この記載中には「下向き傾斜面と側面鉛直面との連結箇所」かつ「下向き傾斜面と上向き傾斜面との連結箇所」ではない「湾曲表面連結部12」についても含まれていることから明らかなように,それらの効果は「下向き傾斜面と側面鉛直面との連結箇所」及び「下向き傾斜面と上向き傾斜面との連結箇所」に限ったものでもなく,もちろん防草効果に直接的または間接的にも寄与するものでもない。当該「湾曲連結部」及び「連結凹部」は,単に,欠損回避や運搬時,取扱い時の容易化,簡略化を目的としたものであり,甲第2号証乃至甲第8号証に示すように,上記目的のため本発明の属する技術分野において当業者の常識に属する周知・慣用技術事項である。
(口頭審理陳述要領書 (3)相違点1-3の検討」及び「相違点2-3,2-4の検討」について)

(3)平成26年11月17日付け弁駁書による主張の概要
ア 甲第2号証の図45の防草突部82,83は地中に埋設された構造であるところ,突部の形状は,略V字形の防草傾斜面の傾斜面80と突部を形成する鉛直面の連結部分は曲面化されている構成が開示されている。
そして,審決予告21頁に記載されているとおり「コンクリートブロックの角部を曲面化することにより,ブロックの欠損を回避し,舗装面の亀裂防止に有効であるとの作用効果が得られることも自明の事項である。」から(特に被請求人が訂正した「舗装面の亀裂防止」については,被請求人が提出した資料1からしても,連結部を曲面化すれば応力が少なくなることが自明なことは明らかである),舗装面の亀裂防止は,訂正後の本件発明の構成によって奏する格別の作用効果ではない。
(弁駁書7頁)

イ すなわち,本件訂正発明1についても,審決予告が認定したとおり「コンクリートブロックの角部を曲面化することは当業者の常識に属する周知・慣用の技術であり」(甲2,甲3,甲7等),そのうち甲第2号証には地中に埋設された突部の形状として,略V字形の防草傾斜面の傾斜面80と突部を形成する鉛直面の連結部分は曲面化されている構成が開示されている。
そして,地上もしくは地中に埋設したコンクリートブロックの角部をすべて曲面化すれば,コンクリートブロックの欠損を回避し,舗装面の亀裂防止に有効であるとの作用効果が得られることは自明である。
(弁駁書7?8頁)

[証拠方法]
甲第1号証:特開平8-113906号公報
甲第2号証:特開2004-169544号公報
甲第3号証:実願昭60-42636号(実開昭61-159406号)
のマイクロフィルム
甲第4号証:実願昭55-130604号(実開昭57-56876号)
のマイクロフィルム
甲第5号証:特開2005-290745号公報
甲第6号証:実願昭60-21002号(実開昭61-141385号)
のマイクロフィルム
甲第7号証:実願昭63-18709号(実開平1-124806号)
のマイクロフィルム
甲第8号証:特開平10-82012号公報

2 被請求人の主張の概要
これに対して,被請求人は,平成25年7月5日付け審判事件答弁書,同年11月15日付け口頭審理陳述要領書,平成26年7月31日付け上申書において,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求の負担とするとの審決を求め,乙第1?2号証を提示し,請求人の無効理由に対して以下のように反論した。
(1)答弁書による主張
ア 引用例の動機付けと本件特許発明1の容易推考性
甲1発明は,明細書内で引用した従来技術(特許文献1)に係るもので,本件特許発明の技術的本質である植物の屈光性及び屈地性に基づく防草構造ではなく,発明の本質を異にするものであって,本件特許発明1がこの甲1発明に基づいて容易推考できたとする請求人の主張は,当該甲1発明に構成上の開示・示唆もなく,動機付けを全く欠き,明らかに失当である。
(答弁書23頁)

イ 甲1発明の認定について
甲1発明についての,請求人による認定は誤りである。
請求人は,図3の切り欠き棚(9)(なお,図3の左下部分も同じ)の「下り勾配」に関して,これとコンクリートブロック面の「垂直面」とによって「略V字状」の傾斜面を構成しているなどと主張しているが(審判請求書16頁12,15?18,21行。同17頁4?5,8行),雨水流下用の「下り勾配」面(なお,これも「下向きの傾斜面」の一であることは認める。)と垂直面とによって形成されるのは「略L字状」であって,これをもって「略V字状」とするのは,日本語としてはもちろん当業者の技術常識上明らかな誤りである。
また,この雨水流下用の「下り勾配」面とコンクリートブロックの「垂直面」とによって,植物の屈光性及び屈地性に基づく防草構造のための「略V字状」を示唆することはありえない。課題の提示も動機付けもない。
(答弁書24頁)

ウ 本件特許発明1と甲1発明との相違点について
本件特許発明1と甲1発明との相違点1-1について検討するに,まずもって,引用例1の「単純な切欠き棚」にあっては「雑草の屈光性及び/又は屈地性を阻害するまでの角度はなく,望むような防草効果は期待でき」ずと本件特許発明の従来技術の説明の項に記載されているところのものである(「0012」)。
また,本件特許発明1は,相違点1-1及び相違点1-2に関して,前記したように,「この所定角度の下向き傾斜面5を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できる(。)下向きの経年による間隙14(下向き経年隙間)が,略V字形の防草傾斜面13と逆略V字形の防草傾斜面15との間に形成されても防草効果が図れる」ものである。
従って,この相違点1-1及び相違点1-2の相違は,本件特許発明が雑草の根の屈地性及び/又は雑董の芽の屈光性を阻害することによる防草効果を図るものであるに対し,甲1発明はそのような防草効果を果たさないという点で,両者の発明の技術的本質を異にするものである。
そもそも,甲1発明には,この相違点1-1及び相違点1-2の相違によって,本件特許発明の主要かつ重要な構成要件を欠き,その示唆もなく動機付けも欠き,主引例としての適格を欠くものである。
いずれにしろ,請求人は,これらの相違点1-1及び相違点1-2に対応する副引例を提示しておらず,甲1発明に基づいて容易推考できたとする請求人の主張は,構成上の開示・示唆もなく,明らかに失当である。
(答弁書25?26頁)

エ 本件特許発明2と甲1発明との相違点2について
本件特許発明2と甲1発明との相違点2について検討するに,前記(ウ)の本件特許発明1の項で述べたと同様に,まずもって,引用例1の「単純な切欠き棚」にあっては「雑草の屈光性及び/又は屈地性を阻害するまでの角度はなく,望むような防草効果は期待でき」ずと本件特許発明の従来技術の説明の項に記載されているところのものである(【0012】)。
また,本件特許発明2は,相違点2-1及び相違点2-2に関して,前記したように,「この所定角度の下向き傾斜面5を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できる(。)下向きの経年による間隙14(下向き経年隙間)が,略V字形の防草傾斜面13と逆略V字形の防草傾斜面15との間に形成されても防草効果が図れる」ものである。
従って,この相違点2-1及び相違点2-2の相違は,本件特許発明が雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害することによる防草効果を図るものであるに対し,甲1発明はそのような防草効果を果たさないという点で,両者の発明の技術的本質を異にするものである。
そもそも,甲1発明には,この相違点2-1及び相違点2-2の相違によって,本件特許発明の主要かつ重要な構成要件を欠き,その示唆もなく動機付けもなく,主引例としての適格を欠くものである。
いずれにしろ,請求人は,これらの相違点2-1及び相違点2-2に対応する副引例を提示しておらず,甲1発明に基づいて容易推考できたとする請求人の主張は,構成上の開示・示唆もなく,明らかに失当である。
(答弁書27?28頁)

オ まとめ
以上説明したように,そもそも甲1発明は,明細書で引用した従来技術に係るもので,本件特許発明の技術的本質である植物の屈光性及び屈地性に基づく防草構造ではなく,発明の本質を異にするものであって,本件特許発明がこの甲1発明に基づいて容易推考できたとする請求人の主張は,構成上の開示・示唆もなく,動機付けを欠き明らかに失当である。
(答弁書28頁)

(2)平成25年11月15日付け口頭審理陳述要領書における主張
ア 被請求人の意見の要旨
平成25年10月22日付(発送日:平成25年10月24日)の審理事項通知書の「第2合議体の暫定的な見解」には,以下の通り記載されている。
『1.甲第1号証における「傾斜面に連設して設けた傾斜面」の認定について
甲第1号証(特開平8-113906号公報)図3には,コンクリートブロックの左下方にも右上方の切り欠き棚(9)と同様に切り欠き棚が形成されており,コックリートブロックの内方向に下り勾配とされており,かかる切り欠き棚を構成するコンクリートブロックの左側面は垂直面でなく,右側に傾いた傾斜面として構成され,これらの下り勾配の傾斜面と右側に傾いた傾斜面とは連設されて連結略V時形の傾斜面を構成したものが図示されており,この構成は,本件特許請求の範囲の請求項1に係る発明の「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の傾斜面」に相当する。
2.本件請求項1に係る発明の「略V字形の傾斜面」による防草効果について
植物が屈光性及び屈地性を有するという性質は学術上周知であると認められることから,本件特許発明においての被請求人が主張する屈光性及び屈地性を利用した上記1.の「略V字形の傾斜面」による雑草の防草効果(「鉛直面と舗装面との隙間から雑草が伸びてきた場合?茎や葉が下向き傾斜面に沿って本来の成長とは逆方向(下方向)へ誘導されることで,その成長が阻止される。 一方,上向き傾斜面と舗装面との隙間から雑草が伸びてきた場合?根が下向き傾斜面に沿って本来の成長とは逆方向(上方向)へ誘導されることでその成長が阻止される。」(答弁書第21?22頁「3.(2)参照」)は,当業者であれば技術常識に基づいて理解できる事項である。』
(イ)被請求人は,上記合議体の暫定的な見解(以下,「暫定見解」と略称する)の「1」項については,次項記載の通り,否認ないし争い,同「2」項については,認める。
(口頭審理陳述要領書2?3頁)

イ 「下り勾配の傾斜面と右側に傾いた傾斜面とが連設されている」からといって,それだけでは「略V字形」とはいえない。
(ア)暫定見解は,甲第1号証(図3)のコンクリートブロックの「左下方の切り欠き棚」(参考図参照)が,「コンクリートブロック内方向に下り勾配とされている」こと,「左側面が右側に傾いた傾斜面である」こと,「これらの下り勾配の傾斜面と右側に傾いた傾斜面とが連設されている」ことから,本件請求項1の発明の「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の傾斜面」に相当する,と認定している。
しかし,これは「略V字形」という構成要件を無視した判断である。
2つの傾斜面が下部で連設されている文字としては「略L字」もあり,ただそれだけで「略V字形」と判断することは一般常識上誤りである。
(口頭審理陳述要領書3頁)

(イ)「略V字形」の要件
「V」という文字については,下方への斜め線と下部で連設する上方への斜め線からなるものであるけれども,少しでも傾斜しておれば「V」字形ということではないことはいうまでもない。一般に,景気や売り上げなどが「V字的に回復」などと称されるように,「V字」とは,
(a)連設する2つの傾斜線の角度が,連設部での垂直線に対してほぼ等しいこと(つまり,下りと上りが略同じである)と,
(b)少なくとも一方の傾斜線が水平線に近似していないこと(「L字」との相違点である)。
の各要件を常識上挙げることができる。
つまり,要件(a)は,2つの斜め線の連設点を通る垂直線に対し,各斜め線の傾斜がほぼ左右対称となる状態をいい,要件(b)は2つの斜め線がいずれも横線(略水平線)と認識されない状態をいう。
(口頭審理陳述要領書3頁)

従って,甲1発明の連設傾斜面が,「2つの傾斜面が連設されている」という点を有していたとしても,これだけで連設傾斜面の形状を「略V字形」ということはできない。
(口頭審理陳述要領書5頁)

ウ 明細書の説明
甲1発明の切り欠き棚部分に関しては,本件特許発明の明細書段落「0012」において,「文献(1)の発明は,単純な切欠き棚による防草では,雑草の屈光性及び/又は屈地性を阻害するまでの角度はなく」という記載のとおり,「略V字形の防草傾斜面」に相当するものでないことが既に明示されている。
よって,明細書の説明からも,甲1発明の連設傾斜面について,本件特許発明にいうところの「略V字形」とすることはできない。
(口頭審理陳述要領書5?6頁)

エ 本件特許発明の「略V字状の防草傾斜面」と甲1発明の「連設傾斜面」
甲1発明の「連設傾斜面』と本件特許発明の「略V字形の防草傾斜面」(以下,「防草傾斜面」という)とは,仮に甲1発明の「連設傾斜面」が「略V字形」であったとしても,以下の通り,本質的に相違するものである。
(ア)甲1発明について,単に形式的に「略V字形」といえなくはない(と審判体が考える)部位の開示があるからといって,これが本件特許発明の「略V字状の防草傾斜面」であることの具体的な技術的開示も記載もなく,かつその示唆もなく,さらに動機付けも認められないのであるから,これをもってただちに本件特許発明の「略V字状の<防草>傾斜面」に相当すると判断するのは誤りである。
ここで重要なことは,甲1発明も「発明」であり,特許法第2条の規定されたところの「技術的思想」の創作であるから,「発明」である以上,当該開示から,技術の解決課題(目的)及び作用,効果が当業者に客観的に認識されるものでなければならないのである。
(イ)甲1発明の本件特許発明1の技術的事項の記載が存在しない
(中略)
(ウ)甲1発明に具体的な技術開示がない
(中略)
(エ)甲1発明には本件特許発明1の目的についての動機付けがない
(中略)
(口頭審理陳述要領書6?8頁)

オ まとめ
以上説明したように,甲1発明の「コンクリートブロックの内方向に下り勾配の切り欠き棚と,右側に傾いたコンクリートブロック左側面とが連接された傾斜面」(連設傾斜面)は,「略L字形」の傾斜面であって,略V字形と認定することは誤りである。
また,仮に甲1発明の連設傾斜面が略V字形であるとしても,前述の「エ(ア)?(エ)」のとおり,本件特許発明の「防草傾斜面」が『屈光性及び/又は屈地性を阻害して防草を図る』ものであるのに対し,甲1発明の連設傾斜面はそのような防草効果を果たさないから,両者は発明の技術的本質を異にするものである。
このように甲1発明は,本件特許発明の主要かつ重要な構成要件を欠き,その示唆もなく動機付けも欠き,主引例としての適格を欠くものであるから,本件審判の請求が成り立たないことは明白である。
よって,被請求人は,答弁の趣旨のとおり審決を求める次第である。
(口頭審理陳述要領書8?9頁)

(3)平成26年7月31日付け上申書による主張の概要
ア 前記審決の予告の文書による,周知・慣用技術であるコンクリートブロックの角部を曲面化することを適用することと,本件発明1の「湾曲連結部は,前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する」構成とは,全く相違するものです。
(上申書(4-3-1))

イ また,この度,訂正した明細書の【0027】に記載の如く,「 [1]目地の境界部に,湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造とすることで,ブロック及び/又は舗装面の欠損と,舗装面の亀裂との回避が図れること,」が特徴である。しかし,甲第1号証では,この特徴は,期待できません。
(上申書(4-3-2))

[証拠方法]
乙第1号証:株式会社岩波書店発行の1991年11月15日第4版第1刷発行広辞苑の740頁「屈光性」の項及び同741頁「屈地性」の項(写)
乙第2号証:ウィキペディアのオーキシン「屈光性」の項及び「屈地性」の項(写)


第6 無効理由についての判断
1 甲乙各号証の記載事項
(1)甲第1号証の記載事項
本願優先権主張日前に頒布された刊行物である甲第1号証には,コンクリートブロックとコンクリート壁およびコンクリート壁の製造のための部材に関し,図面とともに,次の事項が記載されている。

ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】背面の上縁部に切り欠き棚(9)または突出棚(10)を設け,それらの棚(9)または(10)の棚面を前面方向に下り勾配としたコンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)。
【請求項2】背面の上縁に切り欠き棚(9)または突出棚(10)を設け,それらの切り欠き棚(9)または突出棚(10)の棚面を,コンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)の内部方向に下り勾配とし,棚面の奥側と,コンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)の前面とに開口(7),(8)を有する排水孔(6)を設けたコンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)。」

イ 「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,コンクリートブロックおよびコンクリート壁およびそれらの製造のための部材に関するものである。」

ウ 「【0002】
【従来の技術】従来のコンクリートブロック(1)またはコンクリート壁(12)の,アスファルトまたはコンクリート(3)が接する面に水切りまたは排水孔が設けられていない。」

エ 「【0003】
【発明が解決しようとする課題】アスファルトまたはコンクリート(3)が収縮し,コンクリートブロック(1)またはコンクリート壁(12)との接する面に,隙間ができ,その隙間から,雨水が入り込むため,雑草が生える。雑草が生えることにより,より多くの雨水が入り込むため,クラッシャラン(4)が沈下し,それに伴いアスファルトまたはコンクリート(3)も沈下またはひび割れが生じ,多量に雑草が生え,危険を伴う問題点がある。
【0004】図2に示すように、従来のコンクリートブロック(1)の場合、天場(5)にアスファルトまたはコンクリート(3)が被さっているため水が入り込みにくいが、天場(5)に土が溜まる。また、アスファルトまたはコンクリート(3)が、薄いためアスファルトまたはコンクリート(3)が削れ、車道の残骸になり、車や二輪車のスリップ事故が発生する問題点がある。
【0005】この発明は、アスファルトまたはコンクリート(3)に接するコンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)の面に雨水が流れるのを防止し、従って、雑草が生えにくく、クラッシャラン(4)やアスファルトまたはコンクリート(3)も沈下したりひび割れしたりすることがない、コンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)および、コンクリート壁(11)の製造のための部材(14)を提供することを目的とする。」

オ 「【0011】
【作用】コンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)の切り欠き棚(9)または突出棚(10)は,クラッシャラン(4)からの雑草が生えるのを防止し,かつ,排水孔(6)は,雨水を前面に流し,雨水がコンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)の背面を伝わって流下するのを防止し,クラッシャラン(4)への直接の雨水の進入を防ぐため,クラッシャラン(4)の沈下,かつ,アスファルト又はコンクリート(3)の沈下,ひび割れを防止する。」

カ 「【0022】
【発明の効果】本発明は,以上説明したように構造されているので,以下に記載されているような効果を有する。コンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)が,アスファルトまたはコンクリート(3)に接する部分に内方向に下り勾配の棚を付けたことにより,アスファルトまたはコンクリートが棚面を覆うので,クラッシャラン(4)からの直接の雑草が生えることを防止する。
【0023】そして,棚を設け,排水孔(6)を設けることにより,水はブロックの背面を伝わらず,ブロックの前方へ流出するので,背面側のアスファルトまたはコンクリート(3),または,クラッシャラン(4)の沈下またはひび割れを防げる。そのため,歩車道の通行が安全であり,事故等の防止ができる。アスファルトまたはコンクリート(3)の残骸が車道に散らばらないため,車や二輪車の事故が防げる。」

キ 「【図面の簡単な説明】
・・・(中略)・・・
【図3】この発明に係るコンクリートブロックの敷設説明図である。」

ク 上記エ及びカの「アスファルトまたはコンクリート(3)」及び「車道」に関する記載を参照して、図2及び図3をみると、アスファルトまたはコンクリート(3)は,車道を形成し,その上面は舗装面となることが理解できる。

ケ 図3には,コンクリートブロックの左下方にも右上方の切り欠き棚(9)と同様に切り欠き棚が形成されており,その上面はコンクリートブロックの内方向に下り勾配とされており,かかる切り欠き棚を構成するコンクリートブロックの左側面は垂直面でなく,右側に傾いた傾斜面として構成され,これらの下り勾配の傾斜面と右側に傾いた傾斜面とは連設されて連結傾斜面を構成し,当該切り欠き棚の上面及びこれに連接するコンクリートブロックの傾斜面の左側及び右側の連接部分はアスファルトまたはコンクリートにより被覆されて,コンクリートブロックとアスファルトまたはコンクリート(3)との接触面が目地を構成していることが図示されている。

上記記載事項及び図面の記載から,甲第1号証には,次の発明(以下,「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。
「コンクリートブロックの左側面に切り欠き棚が設けられており,当該切り欠き棚の上面はコンクリートブロックの内部方向に向かって下り勾配の傾斜面として形成され,この切り欠き棚の左側及び右側に連接するコンクリートブロックの左側面は鉛直方向に対して右側に傾いた傾斜面として形成されており,当該切り欠き棚の上面及びこれに連接するコンクリートブロックの傾斜面の左側及び右側の連接部分が,その上面が舗装面となる車道を形成するアスファルトまたはコンクリートにより被覆されているコンクリートブロックと車道の目地の構造」

(2)甲第2号証
本願優先権主張日前に頒布された刊行物である甲第2号証の図3には,コンクリートブロックの上面と側面との連結部を曲面化したものが記載されており,また,下向き斜面及び上向き斜面が図示され,下向き斜面と上向き斜面の連結部が曲面で構成された連詰凹部が記載されている。さらに図24及び図25には,防草板40,41,44,45の先端部分を曲面に形成したことが記載されている。
さらに,甲第2号証の【0244】には,「図44および図45は第27実施例を示す。」と記載され,【0255】には,「本第27実施例は,前記図24および図25に示す第11実施例における防草板40,44および41,45の変形例で,壁面1aにおいて,上面80を外方に向かって上方へ傾斜する傾斜面とし,下面81を外方に向かって下方へ傾斜する傾斜面とした防草突部82,83を突設し,更に,該防草突部82,83の上下面に,壁面に沿った水平方向において突条30と溝31からなる凹凸の面を形成した境界ブロック1Qである。」ことが記載されていることから,甲第2号証の図45には,コンクリートブロックに設けた防草突部82,83が舗装材により地中に埋設され,その突部の形状は,略V字形の防草傾斜面の傾斜面80と突部の先端を構成する鉛直面の連結部分が曲面化されている構成が開示されている。

(3)甲第3号証
本願優先権主張日前に頒布された刊行物である甲第3号証の第2図には,上面と側面の角部が曲面化されていることが示されている。

(4)甲第7号証
本願優先権主張日前に頒布された刊行物である甲第7号証の第1図には,上面と側面の角部が曲面化されていることが示されている。

(5)甲第8号証
本願優先権主張日前に頒布された刊行物である甲第8号証の図1には,上面と側面の角部が曲面化されていることが示されている。

(6)乙第1号証
本願優先権主張日前に頒布された刊行物である乙第1号証には,以下の事項が記載されている。
ア 「くっこうせい【屈光性】光刺激による屈性。植物の茎は一般に正の屈光性(向日性),根は負の屈光性(背日性)を示す。光(ひかり)屈性。」(740頁)

イ 「くっちせい【屈地性】重力刺激による屈性。植物の芽ばえを水平に保っておくと、根の先端は下方に,茎の上部は上方へ向かって屈曲する。前者は正の屈地性(向地性),後者は負の屈地性(背地性)。重力屈性。」(741頁)

(7)乙第2号証
乙第2号証には,以下の事項が記載されている。
「屈光性
植物が光に向かって屈曲する性質を「正の屈光性」という。光屈性ともいうことがある。
オーキシンは光を避けるように移動するため,茎が光に当たったとき,茎の内部のオーキシン濃度に偏りができる。具体的には,茎の光に当たっている側の濃度が低く,光に当たっていない側の濃度が高くなる。そのため,光に当たっていない側でのオーキシン濃度が茎の最適濃度に近づき,より成長するようになる。結果的に,その成長の差によって,茎が光の方向へ屈曲する。
オーキシンが光を避けるように移動する原因には,光によって活性が変化するとあるタンパク質がかかわっているとされる。
屈地性
植物を水平に置いたとき,根が地面に向かって屈曲する性質を「正の屈地性」という。重力屈性ということもある。
オーキシンは,茎や根に対して水平方向には重力に従って移動するため,植物が水平に置かれたとき,根の内部のオーキシン濃度に偏りができる。具体的には,根の上側の濃度が低く,下側の濃度が高くなる。そのため,下側のオーキシン濃度が最適濃度を超え,成長が抑制されるようになる。結果的に,その成長の差によって,根が地面の方向へ屈曲する。
オーキシンの水平移動が重力に従う原因は,重力を感知し,その方向へオーキシンを移動させるようななんらかの機構が働いているようである(現在有力な説では,重力を感知する特殊な細胞(平衡細胞)が関係しているとのことである。)」(2頁)

2 本件訂正発明1について
(1)本件訂正発明1と甲1発明との対比
ア 甲1発明の「コンクリートブロック」及び「その上面が舗装面となる車道を形成するアスファルトまたはコンクリート」は,それぞれ本件訂正発明1の「ブロック」及び「舗装」に相当する。
また,甲1発明のコンクリートブロックに設けた「切り欠き棚」は,その上面はコンクリートブロックの内部方向に向かって下り勾配の傾斜面として形成されていることから,本件訂正発明1の「ブロックに設けた下向き傾斜面」に相当する。そして,甲1発明の「切り欠き棚」及びその右側に連接する鉛直方向に対して右側に傾いた「コンクリートブロックの左側面」とからなる構成と本件訂正発明1の「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面」は,「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した連接傾斜面」である点で共通する。
また,甲1発明の「切り欠き棚」及びその左側に連接する鉛直方向に対して右側に傾いた「コンクリートブロックの左側面」と,本件訂正発明1の「ブロックの下向き傾斜面と,側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部とし」ていることは,「ブロックの下向き傾斜面と,ブロックの側面との連結箇所を連結部」としている点で共通する。
さらに,甲1発明において「アスファルトまたはコンクリート」が「その上面を舗装面として車道を形成する」ことは,本件訂正発明1において「舗装面を舗装」することに相当する。
そして,甲1発明の「切り欠き棚の上面及びこれに連接するコンクリートブロックの傾斜面の左側及び右側の連接部分が,その上面が舗装面となる車道を形成するアスファルトまたはコンクリートにより被覆されているコンクリートブロックと車道の目地の構造」は,「切り欠き棚の上面及びこれに連接するコンクリートブロック」の「右側の連接部分」からなる「連接傾斜面」及び「切り欠き棚の上面及びこれに連接するコンクリートブロック」の「左側の連接部分」の「連結部」が「アスファルトまたはコンクリート」により被覆されることになるので,本件発明1の「略V字形の防草傾斜面に充填された舗装」及び「湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)は,前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし,」並びに「この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)は,前記下向傾斜面と,前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。」とは,「連接傾斜面に充填された舗装」及び「この連結部は,ブロックの連接傾斜面に,舗装面を舗装した際に,この舗装の下側に位置する構成とし,」並びに「この舗装の下側に位置する連結部は,前記下向き傾斜面と,前記ブロックの側面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。」である点で共通する。

イ そうすると,両者は,
「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した連接傾斜面と,この連接傾斜面に充填された舗装とで構成される構造物の目地であって,
このブロックの下向き傾斜面と,ブロックの側面との連結箇所を連結部として,
この連結部は,前記ブロックの連接傾斜面に舗装面を舗装した際に,この舗装の下側に位置する構成とし,
この舗装の下側に位置する連結部は,前記下向き傾斜面と,前記ブロックの側面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。」である点で一致する。

ウ そして,両者は,以下の点で相違する。
(ア)「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した」「連接傾斜面」を,本件訂正発明1では「略V字形」であり機能的に「防草傾斜面」であるとしているのに対して,甲1発明では,このような特定をしていない点。
(イ)「ブロックの下向き傾斜面と,ブロックの側面との連結箇所を連結部として,この連結部は,前記ブロックの連接傾斜面に舗装面を舗装した際に,この舗装の下側に位置する構成とし,この舗装の下側に位置する連結部は,前記下向き傾斜面と,前記ブロックの側面との連設箇所に形成」される「連結部」を,本件訂正発明1では「湾曲連結部(9),(29),(49),(69),(89),(109),(129),(149),(169)又は(189)」としているのに対して,甲1発明では「湾曲」した連結部としてはいない点。
(ウ)ブロックの下向き傾斜面に連結する側面が,本件訂正発明1では鉛直面であるのに対して,甲1発明ではそうではない点。

2 相違点についての判断
上記相違点(ア)ないし(ウ)について検討する。
(1)相違点(ア)について
ア 請求人の主張について
請求人は,「甲1発明の図3のコンクリートブロックの左下方の切欠き棚の構成は,本件特許請求の範囲の請求項1に係る発明の「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の傾斜面」に相当するものであることは明らかで,・・・『略V字形の傾斜面』による防草効果は,当業者であれば技術常識に基づいて理解できる事項である。また,甲1発明には,作用として『雑草が生えるのを防止し』等の記載(【0011】)もあることから,当業者であれば十分に示唆でき動機付けを得られるものである。」(上記「第5 1(2)イ(ア)」参照)と主張していることから,甲1発明の「下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した」「連設傾斜面」が,「略V字形」かどうかは別として,機能的に,本件訂正発明1の「防草傾斜面」であるかどうかについて検討する。

イ 本件訂正発明1の「略V字形の防草傾斜面」の意義について
(ア)本件訂正発明1の特許請求の範囲(本件訂正後の請求項1)には,「略V字形の防草傾斜面」は,「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面」で構成されるとの記載があるが,「略V字形の防草傾斜面」にいう「略V字形」について定義した記載はなく,「下向き傾斜面」及び「上向き傾斜面」の水平面に対するそれぞれの角度や,「下向き傾斜面」及び「上向き傾斜面」とで形成される連接傾斜面の角度について特定した記載もない。
また,本件訂正後の請求項1には,「この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地」との記載があるが,「略V字形の防草傾斜面」にいう「防草傾斜面」について定義した記載はなく,「防草」の具体的な機能を特定した記載はない。

(イ)次に,本件訂正明細書には,本件訂正発明1の「略V字形の防草傾斜面」にいう「略V字形」に関し,「下向き傾斜面」及び「上向き傾斜面」の水平面に対するそれぞれの角度や,「下向き傾斜面」及び「上向き傾斜面」とで形成される連接傾斜面の角度について特定した記載はない。
一方で,本件訂正明細書には,本件訂正発明1及び2は,「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と,この略V字形の防草傾斜面に充填される逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であり,この下向き傾斜面及び/又は上向き傾斜面に経年で隙間が生じても,自然の摂理で防草を図ること」を課題とし,その効果を奏すること(段落【0015】,【0026】,【0027】),略V字形の防草傾斜面13と逆略V字形の防草傾斜面15との間に下向きの経年による間隙14(図1-1-3の下向き経年隙間14)が形成されても,所定角度の下向き傾斜面5を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できるので,防草効果が図れること(段落【0049】)が記載されている。上記記載によれば,本件訂正明細書には,本件訂正発明1は,ブロックと舗装構造物との境目に,経年による隙間の発生が避けられないことを想定して,隙間が発生しても,「略V字形の防草傾斜面」を構成する所定角度の下向き傾斜面5を利用して,雑草の根の屈地性及び芽の屈光性を阻害することによって,「防草効果」が図れることが開示されていることが認められる。
もっとも,本件訂正明細書には,雑草の根の屈地性及び芽の屈光性の阻害の意味について述べた記載はないが,屈地性とは,植物の芽ばえを水平に保っておくと,根の先端は下方に,茎の上部は上方へ向かって屈曲する性質をいい,屈光性とは,茎が光に向かって屈曲する性質をいい,この屈地性及び屈光性により,植物の茎は上方へ成長するが,下方へは成長せず,根は下方に成長するが,上方へ成長しない性質をを有することは,一般に知られていたこと(上記「1 (6)及び(7)」参照)に照らすと,本件訂正明細書記載の屈地性及び屈光性の阻害による「防草効果」とは,所定角度の下向き傾斜面を利用して,茎・葉や根を本来の成長方向とは逆方向(茎・葉については「下方向」,根については「上方向」)へ誘導することにより,その成長を阻止することを意味するものと理解することができる。

(ウ)前記(ア)及び(イ)から,本件訂正発明1の特許請求の範囲(本件訂正後の請求項1)の記載及び本件訂正明細書の記載によれば,本件訂正発明1の「略V字形の防草傾斜面」とは,「略V字形」の連接傾斜面を構成する「下向き傾斜面」を利用して,植物の屈地性及び屈光性の特性を阻害することにより雑草の成長を阻止する「防草機能」を有する「傾斜面」を意味するものと解される。

ウ 甲1発明の「連接傾斜面」について
(ア)甲1発明は,甲1の図3のコンクリートブロックの左側面に示すように,「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した連接傾斜面」を有することは,前記「1(1)」で認定したとおりである。

(イ)前記「1(1)」の記載によれば,甲第1号証には,(i)従来のコンクリートブロック(1)又はコンクリート壁(12)とアスファルト又はコンクリート(3)が接する面に,水切り又は排水孔が設けられていないため,アスファルト又はコンクリート(3)の収縮により,上記接する面に隙間ができ,その隙間から,雨水が入り込み,雑草が生え,更に雑草が生えることにより,より多くの雨水が入り込むため,クラッシャラン(4)が沈下し,それに伴いアスファルト又はコンクリート(3)も沈下又はひび割れが生じ,多量に雑草が生え,危険を伴うといった問題点があること(段落【0003】),(ii)「この発明は,アスファルトまたはコンクリート(3)に接するコンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)の面に雨水が流れるのを防止し,従って,雑草が生えにくく,クラッシャラン(4)やアスファルトまたはコンクリート(3)も沈下したりひび割れしたりすることがない,コンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)および,コンクリート壁(11)の製造のための部材(14)を提供することを目的とする」こと(段落【0005】),(iii)「発明の効果」として,「コンクリートブロック(2)またはコンクリート壁(11)が,アスファルトまたはコンクリート(3)に接する部分に内方向に下り勾配の棚を付けたことにより,アスファルトまたはコンクリートが棚面を覆うので,クラッシャラン(4)からの直接の雑草が生えることを防止する」こと(段落【0022】),「そして,棚を設け,排水孔(6)を設けることにより,水はブロックの背面を伝わらず,ブロックの前方へ流出するので,背面側のアスファルトまたはコンクリート(3),または,クラッシャラン(4)の沈下またはひび割れを防げる」こと(段落【0023】)が記載されていることが認められる。上記記載によれば,甲第1号証記載のコンクリートブロック又はコンクリート壁は,コンクリートブロック又はコンクリート壁がアスファルト又はコンクリートに接する部分に内方向に下り勾配の棚を付ける構成とし,アスファルト又はコンクリートが棚面を覆うことにより,クラッシャランからの直接の雑草が生えることを防止し,さらに,その棚に排水孔を設けることにより,水はブロックの背面を伝わらず,ブロックの前方へ流出するので,クラッシャランに水が入り込むことがなく,背面側のアスファルト若しくはコンクリート又はクラッシャランの沈下又はひび割れを防げる効果を奏することを理解することができる。

(ウ)前記(イ)のとおり,甲第1号証には,コンクリートブロック又はコンクリート壁がアスファルト又はコンクリートに接する部分に内方向に下り勾配の棚を付ける構成とし,アスファルト又はコンクリートが棚面を覆い,さらには,その棚に排水孔を設けることにより,クラッシャランからの直接の雑草が生えることやクラッシャランの沈下を防止する発明を開示するものであり,その技術的意義は,コンクリートブロック又はコンクリート壁とアスファルト又はコンクリートとの接合面に隙間を発生させないようにし,さらには,排水孔を設けることで,クラッシャランに水が流れ込まないようにすることにより,クラッシャランからの直接の雑草が生えることやクラッシャランの沈下を防止することにあるものと理解することができる。
他方で,前記「1(1)」の記載のとおり,甲第1号証には,図3におけるコンクリートブロックの左側面の切り欠き棚について言及した記載はなく,その構成の技術的意義についての明示的な記載もない。

(エ)また,甲第1号証の記載事項(図面を含む。)を全体としてみても,コンクリートブロック又はコンクリート壁がアスファルト又はコンクリートに接する部分に内方向に下り勾配の棚を付ける構成は,このような棚を設けてもコンクリートブロック又はコンクリート壁とアスファルト又はコンクリートとの接合面に隙間が発生することを想定して,所定角度の下向き傾斜面を利用して,植物の屈地性及び屈光性の特性を阻害することにより雑草の成長を阻止するものであることについての記載や示唆はない。
さらに,本件訂正明細書には,甲第1号証を従来技術として挙げて,単純な切り欠き棚による防草では,雑草の屈光性及び屈地性を阻害するまでの角度がなく,望むような防草効果は期待できない旨の記載(段落【0008】,【0012】)がある。

(オ)前記(ア)ないし(エ)を踏まえると,植物の屈地性及び屈光性により,植物の茎は上方へ成長するが,下方へ成長せず,根は下方へ成長するが,上方へ成長しない性質を有することは,一般に知られていたことを勘案しても,甲第1号証から,甲第1号証の図3におけるコンクリートブロックの左側面の切り欠き棚の上面(棚面)が,植物の屈地性及び屈光性の特性を阻害することにより雑草の成長を阻止する「防草機能」を有することが開示されているとまで認めることはできない。
また,本件訂正発明1の特許請求の範囲(本件訂正後の請求項1)の記載及び本件訂正明細書に,本件訂正発明1の「防草傾斜面」の開く向きや傾斜面の角度に応じて,植物の屈光性及び屈地性の阻害に起因して,どの程度に植物の茎や葉あるいは根の成長が阻害されて植物の成長が阻止されるのかについての具体的な開示がないからといって,必ずしも,甲1の図3におけるコンクリートブロックの左側面の切り欠き棚の上面(棚面)が,植物の屈地性及び屈光性の特性を阻害することにより雑草の成長を阻止する「防草機能」を有することが開示されているという論理的帰結になるものではない。
したがって,請求人の上記主張は採用することができず,甲1発明の「連接傾斜面」は,本件訂正発明1の「略V字形の防草傾斜面」にいう「防草傾斜面」に相当するものとは認められない。

エ 容易想到性について
植物の屈地性及び屈光性により,植物の茎は上方へ成長するが,下方へ成長せず,根は下方へ成長するが,上方へ成長しない性質を有することは,一般に知られていたとしても,屈地性及び屈光性の特性を阻害する防草機能を有する傾斜面をどのように設けるかは,当業者が適宜なし得る設計事項とはいえないから,甲1発明が,クラッシャラン(4)からの雑草が生えるのを防止する課題を有するとしても,「ブロックに設けた下向き傾斜面と,この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した」「連接傾斜面」を,機能的に「防草傾斜面」とすることは,当業者が容易に想到し得たことではない。

(2)相違点(イ)について
本件訂正発明1のブロックの連接傾斜面に舗装面を舗装した際に,この舗装の下側に位置する「湾曲連結部」の作用効果について,本願の明細書には「全ての連結部(湾曲連結部9,連結凹部10,又は湾曲表面連結部12)を曲面形状とすることで,当該ブロック1の欠損を回避できること,取扱い・管理の容易化が図れること,又は舗装面2の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。」(【0048】)と記載されていることから,当該「湾曲連結部」は,コンクリートブロックの連結部が曲面として構成されることによって,ブロックの欠損を回避し,舗装面の亀裂防止に有効であるとの作用効果もたらすものであると認められる。
他方,甲第2号証の図45には,コンクリートブロックに設けた防草突部82,83が舗装材により地中に埋設され,その突部の形状は,略V字形の防草傾斜面の傾斜面80と突部の先端を構成する鉛直面の連結部分が曲面化されている構成が開示されているとともに,コンクリートブロックの角部を曲面化することは当業者の常識に属する従来周知の技術である(上記「1 (2)?(5)」参照)。
そして,舗装の下側に位置するブロックの連結箇所を,曲面化して「湾曲連結部」とすれば,一般的に,連結箇所による舗装への応力の集中が緩和されて,ブロックの欠損を回避し,舗装面の亀裂防止に有効であることは,当業者にとっては,力学における技術常識から,自明なことである。
よって,ブロックの下向き傾斜面と,ブロックの側面との連結箇所を連結部とし,前記ブロックの連接傾斜面に舗装面を舗装して,この連結部を舗装の下側に位置させるにあたり,その連結箇所を曲面化して相違点(イ)に係る「湾曲連結部」とすることは,当業者であれば甲第1号証の甲1発明に甲第2号証記載の技術的事項及び周知の技術並びに技術常識を適用することにより,容易に想到することができたものである。
また,被請求人は平成26年7月31日付け上申書で「「[1]目地の境界部に,湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造とすることで,ブロック及び/又は舗装面の欠損と,舗装面の亀裂との回避が図れること,」が特徴である。しかし,甲第1号証では,この特徴は,期待できません。」(上記「第5 2(3)イ」参照)旨主張しているが,上記のごとく,亀裂防止は当業者が予測し得たものであり,この主張は採用できない。

(3)相違点(ウ)について
下向き傾斜面を形成したブロックの側面を鉛直側面とすることは周知の技術にすぎないことから(例えば,甲第1号証の図3及び図4には,コンクリートブロックに設けた切り欠き棚9の下部の側面を鉛直面に形成したコンクリートブロックが記載されており,甲第2号証の図54にも切り欠き棚205の下部の側面を鉛直面としたブロックが記載されている。),甲1発明のブロックの下向き傾斜面に連結する側面についても,これを鉛直側面として,本件訂正発明1の相違点(ウ)に係る発明特定事項とすることは,当業者が容易に想到することができたものである。

(4)まとめ
したがって,本件訂正発明1は,甲第1号証に記載された甲1発明に甲第2号証に記載された技術的事項及び甲第3号証,甲第7号証及び甲第8号証に記載された従来周知の技術的事項並びに技術常識を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 本件訂正発明2について
本件訂正発明2は,本件訂正発明1の構成に,「下向き傾斜面と,上向き傾斜面との連結箇所を連結凹部」とし,この「連結凹部」は「ブロックの略V字形の防草傾斜面に,舗装面を舗装,又は他の構造物を設置した際に,この舗装又は他の構造物の下側に位置する」との構成を付加したものである。
してみると,上記2のとおり,本件訂正発明1は,甲第1号証に記載された甲1発明に甲第2号証に記載された技術的事項及び甲第3号証,甲第7号証及び甲第8号証に記載された従来周知の技術的事項並びに技術常識を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない以上,本件訂正発明2も同様に,甲第1号証に記載された甲1発明に甲第2号証に記載された技術的事項及び甲第3号証,甲第7号証及び甲第8号証に記載された従来周知の技術的事項並びに技術常識を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 小括
以上のとおり,本件訂正発明1及び2は,本件特許出願の優先権主張日(平成17年9月26日)前の時点で頒布された刊行物である甲第1号証に記載された発明(甲1発明)並びに甲第2号証,甲第3号証,甲第7号証及び甲第8号証に記載された従来周知技術及び技術常識を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。


第7 むすび
以上のとおりであるから,審判請求人の主張する無効理由によっては,本件訂正発明1及び2の特許を無効とすることはできない。

審判に関する費用については,特許法第169条第2項の規定において準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。

よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
構造物の目地の構造
【技術分野】
【0001】
本発明は防草等を意図した各種の構造物(構築物、舗装面、護岸舗装面、法面舗装面又は護岸ブロック、法面ブロック等の各種のブロック「コンクリート二次製品」と道路舗装構造と舗装面等、又は前記これら同士等)の目地の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、道路における車道と歩道、又は車道と中央分離帯等において、その境界を仕切るコンクリート製の境界ブロック、例えば、縁石(一方の構造物とする)が設置されている。このような道路の施工は、養生、乾燥されたコンクリート製の境界ブロックの側面(壁面)に、現場打ち(打設)のコンクリートやアスファルトコンクリート等の流動体の舗装構造物(他方の構造物とする)を打設した後に乾燥硬化させて車道等を形成することから、経年により上記のコンクリートやアスファルトコンクリート等の舗装構造物が乾燥収縮及び/又は接着剤の経年変化等によって、このコンクリート製の境界ブロックと舗装構造物との境目に隙間が発生する。即ち、境界ブロックの壁面と舗装構造物との間に縦方向(鉛直方向)の段差隙間(段差目地)が発生する。
【0003】
また同じような状況は、コンクリートの建物、駆体等(ブロックの一種とみなす)と、隣接する打設コンクリート路面、同床面等の舗装構造物(他方の構造物とする)においても、同様に縦方向の目地(面一目地)が発生する。
【0004】
さらに同じ状況は、側溝、水路、フェンスブロック(ガードウォール)等のコンクリート構造物(ブロック)と、隣接する打設コンクリート路面、同床面等(他方の構造物とする)においても同様な状況となり、縦方向に目地(段差目地)が発生する。
【0005】
この目地が垂直方向(鉛直方向)に発生した場合には、この垂直目地(鉛直目地)内に在留及び/又は飛来する種子、又はこの目地内に雨水等で流れ込む種子がある状況では、光及び/又は水分が確保されることで、発芽し、光合成を基にしてすくすくと生育し、この目地外に成長することが判明している。このように雑草の繁殖を許すことは、草刈を要することによる各種の問題の発生と、雑草の影響による見通し悪化等の交通事故の発生の要因となることが懸念されている。従って、主として平坦地に設置されるブロックを対象とする雑草の繁殖を防止する(防草)対策が重要である。
【0006】
そして、また河川、土手、溜池等の法面に設置される傾斜地に対するブロック同士においても、前述のような目地の状況は発生する。殊に、このコンクリート同士をモルタル等の流動体で連繋する場合、下地としてモルタル及び/又はグリ石等を施工後に設置する場合等においては、前述のような状況になり易く、この種の防草対策が重要になる。そして、この法面における草刈、その後の処理の危険性と、作業の困難性は極めて大変である故、一層の配慮が要求される。
【0007】
このような構造物の目地の構造として、従来、次のような文献(1)?(4)の発明が知られている。以下、その概要を説明する。
【0008】
文献(1)として、特開平8-113906号の「コンクリートブロックとコンクリート壁およびコンクリート壁の製造のための部材」がある。この発明は、コンクリートブロックの略垂直な前面及び背面の下部に切り欠き棚を形成し、この切り欠き棚で防草を図る構成である。
【0009】
また文献(2)として、特開平10-82012号の「雑草防止型歩車道境界ブロック」がある。この発明は、歩車道境界ブロックの歩道側の側面上端角部に切り込みを設け、歩道のアスファルト舗装との接合部の隙間の発生を回避し、この接合部からの雑草の発生を防止することを意図する。
【0010】
さらに文献(3)として、特開2004-169544の「防草等を意図した構造物の構造と構造物と構造物の防草等の工法」がある。この発明は、構造物等に形成された目地が存在しても、防草用凹部の形状が、雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害する機能があり、この機能を利用した画期的な防草等を意図した構造物の構造、構造物と構造物の防草等の工法を提供する。
【0011】
【特許文献1】特開平8-113906号
【特許文献2】特開平10-82012号
【特許文献3】特開2004-169544
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
文献(1)の発明は、単純な切欠き棚による防草では、雑草の屈光性及び/又は屈地性を阻害するまでの角度はなく、望むような防草効果は期待できない。そして、この発明は、傾斜面の横の目地となる部分に隙間ができると、防草効果を図るためには、傾斜面に対し物理的に遮断する手段が必要となり、その手段が、明細書の[0022]に記載されている。棚面をコンクリートで覆う手段として転圧をすることから、経年的に、この棚面と、コンクリート面との間には隙間が形成されるので、防草効果が期待できない。
【0013】
また文献(2)の発明は、単純な接合部の隙間の発生の回避による防草では、雑草の屈光性及び/又は屈地性を阻害するまでには到らず、望むような防草効果は期待できない。また雑草は、僅かな隙間でも発芽及び/又は成長することから、これによる防草効果も単に願望の域に留まるものと思料される。
【0014】
文献(3)の発明は、防草用凹部の形状が、雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害する機能があり、この機能を利用した画期的な防草効果が図れることは確かであり、有益な発明である。しかし、この発明は、鉛直面と防草用凹部とが、湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えない構造であるので、欠損の虞があること、又は成形時の型抜きに手間と熟練とを有すること等の改良点がある。そして、また、この防草用凹部に、コンクリート舗装の流動はよいが、アスファルト舗装を図る際に、転圧を要すること、又は押込み手段・施工を要すること等の問題的を、一部に含んでいる。
【0015】
上記に鑑み本発明は、[1] 目地の境界部に、湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造とすることで、ブロック及び/又は舗装面の欠損と、舗装面の亀裂とを回避すること、[2] 目地の境界部に、湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造を採用して、雑草の屈光性及び/又は屈地性を阻害し、防草効果が図れる目地の構造を提供すること、[3] またブロック成形の容易化、簡略化等を介して経済性の向上と、工期の短縮化等の如く、現実に即した防草効果が発揮できる目地用のブロックを提供すること、[4] またブロックに、湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造を採用して、このブロックの運搬時、取扱い時の容易化、簡略化等を図ること、[5] 前記の如し、ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と、この略V字形の防草傾斜面に充填される逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であり、この下向き傾斜面及び/又は上向き傾斜面に経年で隙間が生じても、自然の摂理で防草を図ること、等を意図する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1・2の発明は、前述の[1]?[5]の目的を達成することを意図する。
【0017】
請求項1は、ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と、この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
このブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とし、
この湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記下向き傾斜面と、前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造である。
【0018】
請求項2は、ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と、この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
このブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とするとともに、この下向き傾斜面と、上向き傾斜面との連結箇所を連結凹部とし、
この湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)と連結凹部は、前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記下向き傾斜面と、前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造である。
【0019】
請求項3・4の発明は、前述の[1]?[5]の目的を達成することと、[6] ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、略W字形の防草傾斜面と、この略W字形の防草傾斜面に充填される舗装逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地を提供し、防草効果を略100%達成することを意図する。
【0020】
請求項3は、ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、略W字形の防草傾斜面と、この略W字形の防草傾斜面に充填される舗装面又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
このブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とし、
この湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記ブロックの略W字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記下向き傾斜面と、前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造である。
【0021】
請求項4は、ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、略W字形の防草傾斜面と、この略W字形の防草傾斜面に充填される舗装面の又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
このブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とするとともに、この下向き傾斜面と、上向き傾斜面との連結箇所を二重或いは複数に構成し、略W字形の連結凹部とし、
この略W字形の湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)と略W字形の連結凹部は、前記ブロックの略W字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記下向き傾斜面と、前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造である。
【0022】
請求項5の発明は、請求項1?請求項4の目的を達成すること、この目的を達成するに最適な舗装面の構造を提供することを意図する。
【0023】
請求項5は、請求項1?請求項4に記載の構造物の目地の構造であって、この舗装面は、コンクリート、アスファルトコンクリート等の歩道、車道等の舗装構造物、又はコンクリート、アスファルトコンクリート等の建物、躯体、塀等の構造物で、他方の構造物がコンクリート、アスファルトコンクリート等の舗装面でなる歩道、車道等の舗装構造物でなる構造物の目地の構造である。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明は、ブロックに設けた下向き傾斜面と、下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と、略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
ブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とし、
湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、ブロックの略V字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、下向き傾斜面と、側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造である。
【0025】
請求項2の発明は、ブロックに設けた下向き傾斜面と、下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と、略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
ブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部とするとともに、下向き傾斜面と、上向き傾斜面との連結箇所を連結凹部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とし、
湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)と連結凹部は、ブロックの略V字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、下向き傾斜面と、側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造である。
【0026】
従って、請求項1・2は、下記の[1]?[5]の特徴を有する。
【0027】
[1] 目地の境界部に、湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造とすることで、ブロック及び/又は舗装面の欠損と、舗装面の亀裂との回避が図れること、[2] 目地の境界部に、湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造を採用して、雑草の屈光性及び/又は屈地性を阻害し、防草効果が図れる目地の構造を提供できること、[3] またブロック成形の容易化、簡略化等を介して経済性の向上と、工期の短縮化等の如く、現実に即した防草効果が発揮できる目地用のブロックを提供できること、[4] またブロックに、湾曲連結部及び/又は連結凹部を備えた構造を採用して、このブロックの運搬時、取扱い時の容易化、簡略化等が図れること、[5] 前記の如し、ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と、この略V字形の防草傾斜面に充填される逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であり、この下向き傾斜面及び/又は上向き傾斜面に経年で隙間が生じても、自然の摂理で防草が図れること、等である。
【0028】
請求項3の発明は、ブロックに設けた下向き傾斜面と、下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、略W字形の防草傾斜面と、略W字形の防草傾斜面に充填される舗装面又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
ブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とし、
湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、ブロックの略W字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、下向き傾斜面と、側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造である。
【0029】
請求項4の発明は、ブロックに設けた下向き傾斜面と、下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、略W字形の防草傾斜面と、略W字形の防草傾斜面に充填される舗装面又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
このブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とするとともに、この下向き傾斜面と、上向き傾斜面との連結箇所を二重或いは複数に構成し、略W字形の連結凹部とし、
略W字形の湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)と略W字形の連結凹部は、ブロックの略W字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、下向き傾斜面と、側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造である。
【0030】
従って、請求項3・4は、前述の[1]?[5]の目的を達成できることと、[6]ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、略W字形の防草傾斜面と、この略W字形の防草傾斜面に充填される舗装逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地を提供し、防草効果を略100%達成できること、等の特徴を有する。
【0031】
請求項5の発明は、請求項1?請求項4に記載の構造物の目地の構造であって、舗装面は、コンクリート、アスファルトコンクリート等の歩道、車道等の舗装構造物、又はコンクリート、アスファルトコンクリート等の建物、躯体、塀等の構造物で、他方の構造物がコンクリート、アスファルトコンクリート等の舗装面でなる歩道、車道等の舗装構造物(構築物、又は建造物等の構造物)でなる構造物の目地の構造である。
【0032】
従って、請求項5は、請求項1?請求項4の目的を達成できること、この目的を達成するに最適な舗装面の構造を提供できること等の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図面の説明をする。
【0035】
第一実施例を示した図1-1は境界ブロック等のブロックとコンクリート及び/又はアスファルトコンクリート等の舗装面(歩道、車道又は中央分離帯等であり、舗装面とする)との関係による目地の一例を示した断面図、図1-1-1は図1の上縁片側の要部を拡大した断面図、図1-1-2は図1の下縁片側の要部を拡大した断面図、図1-1-3は図1の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した断面図、またこの第一実施例の他の第一実施例を示した図1-2は図1-1の鉛直面を傾斜面とした断面図、さらにこの第一実施例の別の第一実施例を示した図1-3は図1-1の鉛直面を傾斜面とした断面図である。
【0036】
第二実施例を示した図2は街渠ブロック、エプロンブロック等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図、図2-1は図2の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図、図2-2は図2の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した下縁片側の要部を拡大した断面図である。
【0037】
またこの第二実施例の他の第二実施例を示した図3は図2の他の例を示した断面図(下向き傾斜面と、上向き傾斜面との連結箇所を二重に構成した例である。この二重は複数重の場合もあり得る)、図3-1は図3の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図である。
【0038】
第三実施例を示した図4-1は略U字型ブロック(側溝)等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図、図4-1-1は図4-1の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図、図4-2はU字型ブロック(水路)等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図である。
【0039】
第四実施例を示した図5はカーブ形状の境界ブロック等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図である。
【0040】
第五実施例を示した図6は舗装面同士の関係による目地の一例を示した断面図、図6-1は図6の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図である。
【0041】
第六実施例を示した図7は境界ブロック等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図、図7-1は図7の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図、図7-2は図7の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した下縁片側の要部を拡大した断面図である。
【0042】
第七実施例を示した図8は躯体と舗装面との関係による目地の一例を示した断面図、図8-1は図8の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図である。
【0043】
第八実施例を示した図9は境界ブロック等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図である。
【0044】
第九実施例を示した図10-1は暗渠ブロックとコンクリート及び/又はアスファルトコンクリート等の舗装面との関係による目地の一例を示した断面図、図10-1-1は図10-1の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、要部を拡大した断面図、図10-1-2は図10-1の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した要部(図10-1-2と反対側)を拡大した断面図、また第十実施例を示した図10-2は暗渠ブロックとコンクリート及び/又はアスファルトコンクリート等の舗装面との関係による目地の他の一例を示した断面図である。
【0045】
第十一実施例を示した図11はガードレール用、標識用、その他の基礎等の立設物用のコンクリートブロック構造物における目地の関係を示した斜視図である。
【0046】
先ず、図1-1に示した第一実施例を説明すると、境界ブロック等のブロック1(コンクリート二次製品の一例である)とコンクリート及び/又はアスファルトコンクリート等の舗装面2との関係による目地の一例を示した断面図において、1は工場において成形、養生、硬化されたプレキャストコンクリート製、アスファルトコンクリート製、或いは樹脂入りコンクリート製等による境界ブロック等のブロックで、このブロック1(一方の構造物となる)の上縁片側1aと舗装面2(他方の構造物)で形成される目地3には、所定角度の下向き傾斜面5と、この下向き傾斜面5に連設して上向き傾斜面4で略V字形の防草傾斜面13を形成する。そして、この下向き傾斜面5と上縁片側1aの鉛直面6との連結箇所を湾曲連結部9とする。この略V字形の防草傾斜面13は、充填された舗装(他方の構造物)で形成される逆略V字形の防草傾斜面15で隠蔽される。
【0047】
また下向き傾斜面5と上向き傾斜面4との連結箇所を連結凹部10(湾曲連結凹部か、又は鋭角連結凹部とする)とする。さらにブロック1の表面1cと上向き傾斜面4との連結箇所を湾曲表面連結部12とする。尚、連結凹部10を湾曲連結凹部とすれば、欠損に有効であり、又は連結凹部10を鋭角連結凹部とすれば、防草効果が期待できる。また前記湾曲表面連結部12は、アスファルト等の流動体の充填材に有効である(他の各実施例も同じ)。さらにこの湾曲表面連結部12を鋭角表面連結部(図示せず)とし、コンクリートの充填材に対応することが望ましい(他の各実施例も同じ)。
【0048】
従って、このブロック1の略V字形の防草傾斜面13は、全ての連結部(湾曲連結部9、連結凹部10、又は湾曲表面連結部12)を曲面形状とすることで、当該ブロック1の欠損を回避できること、取扱い・管理の容易化が図れること、又は舗装面2の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。
【0049】
また前述した鉛直面6は、この鉛直面6の上端に形成された湾曲連結部9を介して下向き傾斜面5に連設され、この下向き傾斜面5は連結凹部10を介して上向き傾斜面4に連設され、さらにこの上向き傾斜面4の上端に形成された湾曲表面連結部12を経由してブロック1の表面1cに至る構成である。尚、この鉛直面6は、略鉛直面を含む構造である(以下、同じであり省略する)。そして、この所定角度の下向き傾斜面5を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できる下向きの経年による間隙14(下向き経年隙間)が、略V字形の防草傾斜面13と逆略V字形の防草傾斜面15との間に形成されても防草効果が図れる。この下向き経年隙間14は、ブロック1と舗装面2との伸縮差に起因するものであり、通常は二?三年を経過することで発生する。しかし、本発明では、前述の如く、下向き傾斜面5を有する限り防草効果が図れる構造である。
【0050】
またこのブロック1の下縁片側1bの下縁1b-1には、舗装面2とで形成される目地3には、鉛直面6の下縁片側1bを欠截して設けた略倒L 字形となる所定角度の下向き傾斜面5に連設して鉛直面6a又は傾斜面(図示せず。以下同じ)を設ける。この例においても、湾曲連結部9と、連結凹部10が形成される。そして、この例における構成及び/又は効果は、前記上縁片側1aに準ずる。
【0051】
そして、図1-1-3は、下向き経年隙間14の理解を容易にするために、幾分、誇張して示した断面図である。
【0052】
図1-2に示した他の第一実施例は、前記図1-1の第一実施例を変更した構成である。この他の第一実施例を説明すると、ブロック1の下縁片側1bに、傾斜目地3aを形成した構成であり、この下縁片側1bの鉛直面6を少し傾斜させて傾斜面6a-1とする。そして、この鉛直面6が傾斜面6a-1となることで、傾斜目地3aに対する転圧がかかりやすくなり、例えば、この傾斜目地3aに対する防草効果に寄与できると考えられる。その他の構成、効果は第一実施例に準ずる。
【0053】
さらに図1-3の別の第一実施例は、前記他の第一実施例の舗装面2の深さを変更した例であり、その他の構成及び/又は効果は、この他の第一実施例に準ずる。
【0054】
次に、図2に示した第二実施例を説明すると、20は工場において成形、養生、硬化されたプレキャストコンクリート製、アスファルトコンクリート製、或いは樹脂入りコンクリート製等による街渠ブロック、エプロンブロック等のブロックで、このブロック20(一方の構造物となる)の上縁片側20aと舗装面22(他方の構造物)で形成される目地23には、所定角度の下向き傾斜面25と、この下向き傾斜面25に連設して上向き傾斜面24で略V字形の防草傾斜面33を形成する。そして、この下向き傾斜面25と上縁片側20aの鉛直面26との連結箇所を湾曲連結部29とする。この略V字形の防草傾斜面33は、充填された舗装(他方の構造物)で形成される逆略V字形の防草傾斜面38で隠蔽される。
【0055】
また下向き傾斜面25と上向き傾斜面24との連結箇所を連結凹部30とする。さらにブロック20の表面20cと上向き傾斜面24との連結箇所を湾曲表面連結部32とする。
【0056】
従って、このブロック20の略V字形の防草傾斜面33は、全ての連結部(湾曲連結部29、連結凹部30、又は湾曲表面連結部32)を曲面形状とすることで、当該ブロック20の欠損を回避できること、取扱い・管理の容易化が図れること、又は舗装面22の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。
【0057】
また前述した鉛直面26は、この鉛直面26の上端に形成された湾曲連結部29を介して下向き傾斜面25に連設され、この下向き傾斜面25は連結凹部30を介して上向き傾斜面4に連設され、さらにこの上向き傾斜面24の上端に形成された湾曲表面連結部32を経由してブロック20の表面20cに至る構成である。
【0058】
そして、このブロック20の下縁片側20bと舗装面22とで形成される目地23には、鉛直面26と凹形状の略70°の上向き傾斜面24及び/又はこの下向き傾斜面25に連設して上向き傾斜面24と鉛直面26aを設ける。そして、この所定角度の下向き傾斜面25を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できる下向きの経年による間隙34(下向き経年隙間)又は上下向き経年隙間34aが、略V字形の防草傾斜面33と逆略V字形の防草傾斜面38との間に形成されても防草効果が図れる。尚、この例に於いても、前述した第一実施例の下縁片側1bの構造を採用することは可能である。図中35は上向き傾斜面24及び/又は下向き傾斜面25で形成される凹部を示す。またこの下向き傾斜面25は湾曲連結凹部36を介して上向き傾斜面24に連設される。この湾曲連結凹部36は、前記連結凹部30に対して大きい湾曲角度を備えており、舗装面22を構築する際に、コンクリートの自然な流動を図ること、またこの流動の際に、転圧を要せず構築可能とすること等を意図する。
【0059】
また、図3に示した他の第二実施例を説明すると、基本的な構成は、前記第二実施例に準ずるが、この例では、ブロック20の上縁片側20aと舗装面22で形成される目地23には、所定角度の下向き傾斜面25と、この下向き傾斜面25に連設して上向き傾斜面24で略V字形の防草傾斜面33を形成する。そして、この下向き傾斜面25と上向き傾斜面24で形成した略V字形の防草傾斜面33を二重に構成し、略W形の防草傾斜面37を形成する。またこの下向き傾斜面25と上縁片側20aの鉛直面26との連結箇所を湾曲連結部29とする。そして、この図3は下向き傾斜面24と、上向き傾斜面25との連結箇所を二重に構成した例であるが、この二重は複数重の場合もあり得る。そして、複数重では、防草効果があることは明らかである。
【0060】
また下向き傾斜面25と上向き傾斜面24との連結箇所を連結凹部30とする。さらにブロック20の表面20cと上向き傾斜面24との連結箇所を、それぞれ湾曲表面連結部32とする。
【0061】
従って、このブロック20の略W字形の防草傾斜面37は、全ての連結部(湾曲連結部29、連結凹部30、又は湾曲表面連結部32)を曲面形状とすることで、当該ブロック20の欠損を回避できること、取扱い・管理の容易化が図れること、又は舗装面22の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。尚、図中39は逆略W字形の防草傾斜面で、この逆略W字形の防草傾斜面39は、略W字形の防草傾斜面37に充填された舗装の下面を示す。
【0062】
また前述した鉛直面26は、この鉛直面26の上端に形成された湾曲連結部29を介して下向き傾斜面25に連設され、この下向き傾斜面25は連結凹部30を介して上向き傾斜面4に連設され、さらにこの上向き傾斜面24の上端に形成された湾曲表面連結部32を経由してブロック20の表面20cに至る構成である。
【0063】
そして、この他の第二実施例で説明した略W字形の防草傾斜面37は、前述の第一、第二実施例と、後述する第三?第九実施例において採用可能であることは勿論である。
【0064】
また、このブロック20の下縁片側20bと舗装面22とで形成される目地23には、鉛直面26を設ける。そして、この鉛直面26には、この鉛直面26に隣接して打設される舗装面22に対する転圧力を利用して幾分の雑草の根及び/又は芽の生長を阻害することも可能である。そして、この例においても、前述した各実施例に準じた構成を採用する。
【0065】
図4-1に示した第三実施例を説明すると、40は工場において成形、養生、硬化された水路用の略U字型ブロック(側溝を含む。)で、このブロック40(一方の構造物となる)の左右の上縁片側40a(一方側で説明する)と各舗装面42(他方の構造物)で形成される各目地43(一方側で説明する)には、所定角度の下向き傾斜面45と、この下向き傾斜面45に連設して上向き傾斜面44で略V字形の防草傾斜面53を形成する。そして、この下向き傾斜面45と上縁片側40aのテーパ形状の鉛直面46との連結箇所を湾曲連結部49とする。
【0066】
また下向き傾斜面45と上向き傾斜面44との連結箇所を連結凹部50とする。さらにブロック40の表面40cと上向き傾斜面44との連結箇所を湾曲表面連結部52とする。
【0067】
従って、このブロック40の略V字形の防草傾斜面53は、全ての連結部(湾曲連結部49、連結凹部50、又は湾曲表面連結部52)を曲面形状とすることで、当該ブロック40の欠損を回避できること、取扱い・管理の容易化が図れること、又は舗装面42の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。この略V字形の防草傾斜面53は、充填された舗装(他方の構造物)で形成される逆略V字形の防草傾斜面55で隠蔽される。
【0068】
尚、鉛直面46は、この鉛直面46の上端に形成された湾曲連結部49を介して下向き傾斜面45に連設され、この下向き傾斜面45は連結凹部50を介して上向き傾斜面44に連設される。そして、この上向き傾斜面44の上端に形成される湾曲表面連結部52を経由してブロック40の表面40cに至る構成である。そして、この所定角度の下向き傾斜面45を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できる下向きの経年による間隙54(下向き経年隙間)が、略V字形の防草傾斜面53と逆略V字形の防草傾斜面55との間に形成されても防草効果が図れる。この下向き経年隙間54は、ブロック40と舗装面42との伸縮差に起因するものであり、通常は二?三年を経過することで発生する。しかし、本発明では、前述の如く、下向き傾斜面45を有する限り防草効果が図れる構造である。
【0069】
また、図4-1-1は、図4-1のブロック40の上縁片側40aを拡大して示した断面図である。
【0070】
図4-2は水路用のU字型ブロック等のブロック40で、このブロック40と舗装面42との関係による目地43の一例を示した断面図であり、この例は図4-1等の略U字型ブロックの構造に準ずる。但し、上向き傾斜面44及び/又は下向き傾斜面45に連設して鉛直面46を設ける構成とする。その他の構成は、前述の図4-1等の略U字型ブロックの構造に準ずる。
【0071】
次に図5に示した第四実施例を説明すると、第一実施例のブロック1と舗装面2に準ずる構造であるが、その相違点は、下記の構成となる。このブロック60がカーブ形状であること、また下縁片側60bが鉛直形状であること等が挙げられる。尚、略V字形の防草傾斜面73は、充填された舗装(他方の構造物)で形成される逆略V字形の防草傾斜面75で隠蔽される。
【0072】
図6に示した第五実施例を説明すると、舗装面82、82は現場において成形、養生、硬化されたプレキャストコンクリート製、アスファルトコンクリート製、或いは樹脂入りコンクリート製等であり、この舗装面82(一方の構造物となる)の上縁片側82aと舗装面82(他方の構造物)で形成される目地83には、所定角度の下向き傾斜面85と、この下向き傾斜面85に連設して上向き傾斜面84で略V字形の防草傾斜面93を形成する。そして、この下向き傾斜面85と上縁片側82aの鉛直面86との連結箇所を湾曲連結部89とする。この略V字形の防草傾斜面93は、充填された舗装(他方の構造物)で形成される逆略V字形の防草傾斜面95で隠蔽される。
【0073】
また下向き傾斜面85と上向き傾斜面84との連結箇所を連結凹部90とする。さらに舗装面82の表面82cと上向き傾斜面84との連結箇所を湾曲表面連結部92とする。
【0074】
従って、この舗装面82の略V字形の防草傾斜面93は、全ての連結部(湾曲連結部89、連結凹部90、又は湾曲表面連結部92)を曲面形状とすることで、当該舗装面82の欠損を回避できること、取扱い・管理の容易化が図れること、又は舗装面82の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。
【0075】
また前述した鉛直面86は、この鉛直面86の上端に形成された湾曲連結部89を介して下向き傾斜面85に連設され、この下向き傾斜面85は連結凹部90を介して上向き傾斜面84に連設され、さらにこの上向き傾斜面84の上端に形成された湾曲表面連結部92を経由して舗装面82の表面82cに至る構成である。そして、この所定角度の下向き傾斜面85を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できる下向きの経年による間隙94(下向き経年隙間)が、略V字形の防草傾斜面93と逆略V字形の防草傾斜面95との間に形成されても防草効果が図れる。この下向き経年隙間94は、舗装面82と舗装面82との伸縮差に起因するものであり、通常は二?三年を経過することで発生する。しかし、本発明では、前述の如く、下向き傾斜面85を有する限り防草効果が図れる構造である。
【0076】
尚、舗装面82(他の構造物)は、図1-1の下縁片側1bと同様な構成のため、説明を省略する。
【0077】
図7に示した第六実施例を説明すると、100は工場において成形、養生、硬化されたプレキャストコンクリート製、アスファルトコンクリート製、或いは樹脂入りコンクリート製等による境界ブロック等のブロックで、このブロック100(一方の構造物となる)の上縁片側100aと舗装面102(他方の構造物)で形成される目地103には、所定角度の下向き傾斜面105と、この下向き傾斜面105に連設して上向き傾斜面104で略V字形の防草傾斜面113を形成する。そして、この下向き傾斜面105と上縁片側100aの鉛直面106との連結箇所を湾曲連結部109とする。この略V字形の防草傾斜面113は、充填された舗装(他方の構造物)で形成される逆略V字形の防草傾斜面115で隠蔽される。
【0078】
また下向き傾斜面105と上向き傾斜面104との連結箇所を連結凹部110とする。
【0079】
従って、このブロック100の略V字形の防草傾斜面113は、全ての連結部(湾曲連結部109、連結凹部110)を曲面形状とすることで、当該ブロック100の欠損を回避できること、取扱い・管理の容易化が図れること、又は舗装面102の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。
【0080】
また前述した鉛直面106は、この鉛直面106の上端に形成された湾曲連結部89を介して下向き傾斜面105に連設され、この下向き傾斜面105は連結凹部110を介して上向き傾斜面104に連設される。そして、この所定角度の下向き傾斜面105を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できる下向きの経年による間隙94(下向き経年隙間)が、略V字形の防草傾斜面113と逆略V字形の防草傾斜面115との間に形成されても防草効果が図れる。この下向き経年隙間114は、ブロック100と舗装面102との伸縮差に起因するものであり、通常は二?三年を経過することで発生する。しかし、本発明では、前述の如く、下向き傾斜面105を有する限り防草効果が図れる構造である。
【0081】
またこのブロック100の下縁片側100bの下縁100b-1には、舗装面102とで形成される目地103には、鉛直面106の下縁片側100bを欠截して設けた略倒L字形となる所定角度の下向き傾斜面105に連設して鉛直面106a又は傾斜面(図示せず。以下同じ)を設ける。この例においても、湾曲連結部109と、連結凹部110が形成される。そして、この例における構成及び/又は効果は、前記上縁片側100aに準ずる。そして、この下縁片側100bの構成は、図1-1と同じである。
【0082】
また図8に示した第七実施例を説明すると、躯体120(基礎、又は柱、建物等を躯体とする)と舗装面122との関係による目地の一例を示した断面図において、躯体120は現場において成形、養生、硬化されたプレキャストコンクリート製、アスファルトコンクリート製、或いは樹脂入りコンクリート製等であり、この躯体120(一方の構造物となる)の上縁片側120aと舗装面122(他方の構造物)で形成される目地123には、所定角度の下向き傾斜面125と、この下向き傾斜面125に連設して上向き傾斜面124で略V字形の防草傾斜面133を形成する。そして、この下向き傾斜面125と上縁片側120aの鉛直面126との連結箇所を湾曲連結部129とする。この略V字形の防草傾斜面133は、充填された舗装(他方の構造物)で形成される逆略V字形の防草傾斜面135で隠蔽される。
【0083】
また下向き傾斜面125と上向き傾斜面124との連結箇所を連結凹部130とする。
【0084】
従って、この躯体120の略V字形の防草傾斜面133は、全ての連結部(湾曲連結部129、連結凹部130)を曲面形状とすることで、当該躯体120の欠損を回避できること、取扱い・管理の容易化が図れること、又は舗装面122の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。
【0085】
また前述した鉛直面126は、この鉛直面126の上端に形成された湾曲連結部129を介して下向き傾斜面125に連設され、この下向き傾斜面125は連結凹部130を介して上向き傾斜面124に連設される。そして、この所定角度の下向き傾斜面125を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できる下向きの経年による間隙94(下向き経年隙間)が、略V字形の防草傾斜面133と逆略V字形の防草傾斜面135との間に形成されても防草効果が図れる。この下向き経年隙間134は、躯体120と舗装面122との伸縮差に起因するものであり、通常は二?三年を経過することで発生する。しかし、本発明では、前述の如く、下向き傾斜面125を有する限り防草効果が図れる構造である。
【0086】
図9に示した第八実施例を説明すると、境界ブロック等のブロック140と舗装面142との関係による目地143の一例を示した断面図において、140は工場において成形、養生、硬化されたプレキャストコンクリート製、アスファルトコンクリート製、或いは樹脂入りコンクリート製等による境界ブロック等のブロックで、このブロック140(一方の構造物となる)の上縁片側140aと舗装面142(他方の構造物)で形成される目地143には、所定角度の下向き傾斜面145と、この下向き傾斜面145に連設して上向き傾斜面144で略V字形の防草傾斜面153を形成する。そして、この下向き傾斜面145と上縁片側140aの鉛直面146との連結箇所を湾曲連結部149とする。この略V字形の防草傾斜面153は、充填された舗装(他方の構造物)で形成される逆略V字形の防草傾斜面155で隠蔽される。
【0087】
また下向き傾斜面145と上向き傾斜面144との連結箇所を連結凹部150とする。さらにブロック140の表面140cと上向き傾斜面144との連結箇所を湾曲表面連結部152とする。
【0088】
従って、このブロック140の略V字形の防草傾斜面153は、全ての連結部(湾曲連結部149、連結凹部150、又は湾曲表面連結部152)を曲面形状とすることで、当該ブロック140の欠損を回避できること、取扱い・管理の容易化が図れること、又は舗装面142の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。
【0089】
また前述した鉛直面146は、この鉛直面146の上端に形成された湾曲連結部149を介して下向き傾斜面145に連設され、この下向き傾斜面145は連結凹部150を介して上向き傾斜面144に連設される。さらにこの上向き傾斜面144の上端に形成された湾曲表面連結部152を経由してブロック140の表面140cに至る構成である。そして、この所定角度の下向き傾斜面145を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できる下向きの経年による間隙94(下向き経年隙間)が、略V字形の防草傾斜面153と逆略V字形の防草傾斜面155との間に形成されても防草効果が図れる。この下向き経年隙間154は、ブロック140と舗装面142との伸縮差に起因するものであり、通常は二?三年を経過することで発生する。しかし、本発明では、前述の如く、下向き傾斜面145を有する限り防草効果が図れる構造である。
【0090】
またこのブロック140の下縁片側140bの下縁140b-1には、舗装面142とで形成される目地143には、鉛直面146の下縁片側140bを欠截して設けた略倒L字形となる所定角度の下向き傾斜面145に連設して鉛直面146a又は傾斜面(図示せず。以下同じ)を設ける。この例においても、湾曲連結部149と、連結凹部150が形成される。そして、この例における構成及び/又は効果は、前記上縁片側140aに準ずる。
【0091】
またこの例は中央分離帯を想定しており、前述のブロック140が対峙するように設けられ、この中央分離帯が構成(構築)される。
【0092】
尚、下向き経年隙間154は、図1-1-3と同じ構成であるため、図示を省略する。
【0093】
図10-1に示した第九実施例を説明すると、暗渠ブロック160の一方に、所定角度の下向き傾斜面165と、この下向き傾斜面165に連設して上向き傾斜面164で略V字形となる防草傾斜面173を形成した各例を示しており、この例では、上向き傾斜面164及び/又は下向き傾斜面165に連設して鉛直面166を設ける。この略V字形の防草傾斜面173は、充填された舗装(他方の構造物)で形成される逆略V字形の防草傾斜面175で隠蔽される。
【0094】
また下向き傾斜面165と上向き傾斜面164との連結箇所を連結凹部170とする。
【0095】
従って、この暗渠ブロック160の略V字形の防草傾斜面173は、全ての連結部(湾曲連結部169、連結凹部170)を曲面形状とすることで、当該暗渠ブロック160の欠損を回避できること、取扱い・管理の容易化が図れること、又は舗装面102の亀裂防止に有効であること等の特徴がある。
【0096】
また前述した鉛直面166は、この鉛直面166の上端に形成された湾曲連結部169を介して下向き傾斜面165に連設され、この下向き傾斜面165は連結凹部170を介して上向き傾斜面165に連設される。そして、この所定角度の下向き傾斜面165を利用して雑草の根の屈地性及び/又は雑草の芽の屈光性を阻害できる下向きの経年による間隙174(下向き経年隙間)が、略V字形の防草傾斜面173と逆略V字形の防草傾斜面175との間に形成されても防草効果が図れる。この下向き経年隙間174は、暗渠ブロック160と舗装面162との伸縮差に起因するものであり、通常は二?三年を経過することで発生する。しかし、本発明では、前述の如く、下向き傾斜面165を有する限り防草効果が図れる構造である。
【0097】
図10-2の第十実施例は、前述の第九実施例に順ずる。
【0098】
以上、主としてブロック等のコンクリート製二次製品と、舗装面等に関して説明したが、舗装面同士の構造物で、例えば、コンクリート及び/又はアスファルト製の各種の目地等、さらに、図11に示した第十一実施例の如く、ガードレール用のコンクリートブロック構造物180(ブロック)における目地183等に関しても同様である。尚、略V字形の防草傾斜面193は、充填された舗装(他方の構造物)で形成される逆略V字形の防草傾斜面195で隠蔽される。尚、本発明の特徴は、前述の下向き経年隙間等において、本発明が提唱する所定角度の下向き傾斜面等を備える限り、この下向き経年隙間等に隙間が発生しても防草効果が達成できる点が最大のポイントである。尚、この下向き傾斜面等の角度を変更した構成例では、その長さとの関係も必要により考慮するべきである。また所定角度の下向き傾斜面等においても、気候等の条件及び/又は雑草の種類・繁殖の状態等において、その長さとの関係も必要により考慮するべき場合もあり得る。
【0099】
そして、前述した所定角度の下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して上向き傾斜面で略V字形の防草傾斜面を形成する場所は、各種の構造物の側壁(側面)に限定されず、上端、又は上面、下面等の何れでも採用可能であり、全ての目地等に対応でき重宝すること、汎用性があること、簡便であること等の実用的な効果を有する。またポール等の建柱のブロック等に於いても、その目地の箇所に本発明を採用することで防草が図れる卓効がある。
【0100】
尚、図示しないが、本発明の構成は、他の構造物、例えば、ボックスカルバート、電線類用ブロック、その他のブロック等においても可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1-1】図1-1は境界ブロック等のブロックとコンクリート及び/又はアスファルトコンクリート等の舗装面(歩道、車道又は中央分離帯等であり、舗装面とする)との関係による目地の一例を示した断面図
【図1-1-1】図1-1-1は図1の上縁片側の要部を拡大した断面図、
【図1-1-2】図1-1-2は図1の下縁片側の要部を拡大した断面図
【図1-1-3】図1-1-3は図1の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した断面図
【図1-2】図1-2は図1-1の鉛直面を傾斜面とした断面図
【図1-3】図1-3は図1-1の鉛直面を傾斜面とした断面図
【図2】図2は街渠ブロック、エプロンブロック等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図
【図2-1】図2-1は図2の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図
【図2-2】図2-1は図2の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、下縁片側の要部を拡大した断面図
【図3】図3は図2の他の例を示した断面図
【図3-1】図3-1は図3の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図
【図4-1】図4-1は略U字型ブロック(側溝)等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図
【図4-1-1】図4-1-1は図4-1の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図
【図4-2】図4-2はU字型ブロック(水路)等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図
【図5】図5はカーブ形状の境界ブロック等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図
【図6】図6は舗装面同士の関係による目地の一例を示した断面図
【図6-1】図6-1は図6の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図
【図7】図7は境界ブロック等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図
【図7-1】図7-1は図7の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図
【図7-2】図7-2は図7の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した下縁片側の要部を拡大した断面図
【図8】図8は躯体と舗装面との関係による目地の一例を示した断面図
【図8-1】図8-1は図8の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、上縁片側の要部を拡大した断面図
【図9】図9は境界ブロック等のブロックと舗装面との関係による目地の一例を示した断面図
【図10-1】図10-1は暗渠ブロックとコンクリート及び/又はアスファルトコンクリート等の舗装面との関係による目地の一例を示した断面図
【図10-1-1】図10-1-1は図10-1の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した、要部を拡大した断面図
【図10-1-2】図10-1-2は図10-1の経年変化で下向き経年隙間が形成された状態を示した要部(図10-1-2と反対側)を拡大した断面図
【図10-2】図10-2は暗渠ブロックとコンクリート及び/又はアスファルトコンクリート等の舗装面との関係による目地の他の一例を示した断面図
【図11】図11はガードレール用、標識用、その他の基礎等の立設物用のコンクリートブロック構造物における目地の関係を示した斜視図
【符号の説明】
【0102】
1 ブロック
1a 上縁片側
1b 下縁片側
1b-1 下縁
1c 表面
2 舗装面
3 目地
3a 傾斜目地
4 上向き傾斜面
5 下向き傾斜面
6 鉛直面
6a 鉛直面
6a-1 傾斜面
9 湾曲連結部
10 連結凹部
12 湾曲表面連結部(鋭角表面連結部)
13 略V字形の防草傾斜面
14 下向き経年隙間
15 逆略V字形の防草傾斜面
20 ブロック
20a 上縁片側
20b 下縁片側
20c 表面
22 舗装面
23 目地
24 上向き傾斜面
25 下向き傾斜面
26 鉛直面
26a 鉛直面
29 湾曲連結部
30 連結凹部
32 湾曲表面連結部(鋭角表面連結部)
33 略V字形の防草傾斜面
34 下向き経年隙間
34a 上下向き経年隙間
35 凹部
36 湾曲連結凹部
37 略W字形の防草傾斜面
38 逆略V字形の防草傾斜面
39 逆略W字形の防草傾斜面
40 ブロック
40a 上縁片側
40c 表面
42 舗装面
43 目地
44 上向き傾斜面
45 下向き傾斜面
46 鉛直面
49 湾曲連結部
50 連結凹部
52 湾曲表面連結部(鋭角表面連結部)
53 略V字形の防草傾斜面
54 下向き経年隙間
55 逆略V字形の防草傾斜面
60 ブロック
60a 上縁片側
60c 表面
62 舗装面
63 目地
64 上向き傾斜面
65 下向き傾斜面
66 鉛直面
69 湾曲連結部
70 連結凹部
72 湾曲表面連結部(鋭角表面連結部)
73 略V字形の防草傾斜面
75 逆略V字形の防草傾斜面
82 舗装面
82a 上縁片側
82c 表面
83 目地
84 上向き傾斜面
85 下向き傾斜面
86 鉛直面
89 湾曲連結部
90 連結凹部
92 湾曲表面連結部(鋭角表面連結部)
93 略V字形の防草傾斜面
94 下向き経年隙間
95 逆略V字形の防草傾斜面
100 ブロック
100a 上縁片側
100b 下縁片側
100b-1 下縁
102 舗装面
103 目地
104 上向き傾斜面
105 下向き傾斜面
106 鉛直面
106a 鉛直面
109 湾曲連結部
110 連結凹部
113 略V字形の防草傾斜面
114 下向き経年隙間
115 逆略V字形の防草傾斜面
120 躯体
120a 上縁片側
122 舗装面
123 目地
124 上向き傾斜面
125 下向き傾斜面
126 鉛直面
129 湾曲連結部
130 連結凹部
133 略V字形の防草傾斜面
134 下向き経年隙間
135 逆略V字形の防草傾斜面
140 ブロック
140a 上縁片側
140b 下縁片側
140b-1 下縁
140c 表面
142 舗装面
143 目地
144 上向き傾斜面
145 下向き傾斜面
146 鉛直面
146a 鉛直面
149 湾曲連結部
150 連結凹部
152 湾曲表面連結部(鋭角表面連結部)
153 略V字形の防草傾斜面
154 下向き経年隙間
155 逆略V字形の防草傾斜面
160 暗渠ブロック
160a 上縁片側
160c 表面
162 舗装面
163 目地
164 上向き傾斜面
165 下向き傾斜面
166 鉛直面
169 湾曲連結部
170 連結凹部
172 湾曲表面連結部(鋭角表面連結部)
173 略V字形の防草傾斜面
174 下向き経年隙間
175 逆略V字形の防草傾斜面
180 ブロック構造物
180a 上縁片側
180c 表面
183 目地
184 上向き傾斜面
185 下向き傾斜面
186 鉛直面
189 湾曲連結部
190 連結凹部
192 湾曲表面連結部(鋭角表面連結部)
193 略V字形の防草傾斜面
195 逆略V字形の防草傾斜面
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と、この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
このブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とし、
この湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記下向き傾斜面と、前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。
【請求項2】
ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面と、この略V字形の防草傾斜面に充填された舗装又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
このブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とするとともに、この下向き傾斜面と、上向き傾斜面との連結箇所を連結凹部とし、
この湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)と連結凹部は、前記ブロックの略V字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記下向き傾斜面と、前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。
【請求項3】
ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、略W字形の防草傾斜面と、この略W字形の防草傾斜面に充填される舗装面又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、このブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とし、
この湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記ブロックの略W字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記下向き傾斜面と、前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。
【請求項4】
ブロックに設けた下向き傾斜面と、この下向き傾斜面に連設して設けた上向き傾斜面で構成した略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、略W字形の防草傾斜面と、この略W字形の防草傾斜面に充填される舗装面又は他の構造物の逆略V字形の防草傾斜面を二重或いは複数に構成し、逆略W字形の防草傾斜面とで構成される構造物の目地であって、
このブロックの下向き傾斜面と、側面鉛直面との連結箇所を湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)とするとともに、この下向き傾斜面と、上向き傾斜面との連結箇所を二重或いは複数に構成し、略W字形の連結凹部とし、
この略W字形の湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)と略W字形の連結凹部は、前記ブロックの略W字形の防草傾斜面に、舗装面を舗装、又は他の構造物を設置した際に、この舗装又は他の構造物の下側に位置する構成とし、
この舗装又は他の構造物の下側に位置する湾曲連結部(9)、(29)、(49)、(69)、(89)、(109)、(129)、(149)、(169)又は(189)は、前記下向き傾斜面と、前記側面鉛直面との連設箇所に形成した構造物の目地の構造。
【請求項5】
請求項1?請求項4に記載の構造物の目地の構造であって、この舗装面は、コンクリート、アスファルトコンクリート等の歩道、車道等の舗装構造物、又はコンクリート、アスファルトコンクリート等の建物、躯体、塀等の構造物で、他方の構造物がコンクリート、アスファルトコンクリート等の舗装面でなる歩道、車道等の舗装構造物でなる構造物の目地の構造。
【図面】




























 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-02-03 
結審通知日 2017-02-07 
審決日 2017-02-27 
出願番号 特願2006-226761(P2006-226761)
審決分類 P 1 123・ 854- YAA (E01H)
P 1 123・ 853- YAA (E01H)
P 1 123・ 121- YAA (E01H)
P 1 123・ 855- YAA (E01H)
P 1 123・ 841- YAA (E01H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 深田 高義  
特許庁審判長 前川 慎喜
特許庁審判官 赤木 啓二
住田 秀弘
登録日 2007-01-12 
登録番号 特許第3900500号(P3900500)
発明の名称 構造物の目地の構造  
代理人 竹中 一宣  
代理人 木村 満  
代理人 榊原 靖  
代理人 関口 かおる  
代理人 田中 淳  
代理人 大友 良浩  
代理人 日高 一樹  
代理人 竹中 一宣  
代理人 木村 満  
代理人 飯田 秀郷  
代理人 奥津 啓太  
代理人 榊原 靖  
代理人 田中 淳  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ