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審決分類 審判 一部無効 1項3号刊行物記載  B65D
審判 一部無効 2項進歩性  B65D
管理番号 1328139
審判番号 無効2015-800219  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2015-11-30 
確定日 2017-05-08 
事件の表示 上記当事者間の特許第4976547号発明「製品保持手段を有する改善されたパケット」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4976547号の請求項1ないし4、6ないし12に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
本件に係る主な手続の経緯を以下に示す。
平成20年 6月16日 特許出願(特願2010-512793、
優先権主張日平成19年6月18日)
平成24年 4月20日 設定登録(特許第4976547号)
平成24年12月17日 審判請求(無効2012-800207)
平成25年 4月22日付け 審判事件答弁書及び訂正請求書
平成27年10月 1日付け 審決(第2次審決)
平成27年11月 9日 審決の確定(請求項1?12)
平成27年11月30日 本件審判請求
平成28年 1月 4日付け 答弁指令(審判請求書副本送達)
平成28年 6月20日付け 審決の予告

平成28年1月4日付け答弁指令及び平成28年6月20日付け審決の予告に対して、指定期間内に被請求人から応答がなかった。


以下、本件特許の請求項1ないし4、請求項6ないし12に係る発明を、「本件発明1」ないし「本件発明4」、「本件発明6」ないし「本件発明12」といい、「甲第1号証」等を、「甲1」等と略記する。


第2.本件発明
本件特許に係る無効2012-800207審判事件の平成27年10月1日付け審決(第2次審決)において訂正が認められ確定した本件発明1ないし4、6ないし12は、以下のとおりである。
なお、請求項1、12のA等の分説符号は、請求人の審判請求書によるものに準じて付した。

「【請求項1】
A.各々の個包装(11)中に包装されるスティック状の製品についてのパケットであって、
B.上記個包装(11)は製品周囲で折り畳んだシートからなり、
C.上記パケットは、少なくとも1つの外箱(41)を備え、この外箱(41)は、製品を少なくとも部分的に収容する複数の面と、製品を取り出すための1つの開口面と、を有し、
D.さらに、上記製品を該パケット内に保持するために上記個包装(11)の少なくとも一部を該パケットの少なくとも一部に接着する永久接着手段(80)を備えてなるパケットにおいて、
C1.上記スティック状の製品は、上記製品の取り出し方向に沿った幅の広い2つの主要面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの側面と、2つの端縁と、を有する偏平形状をなし、複数の製品が上記側面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されており、
E.上記永久接着手段(80)は、上記個包装(11)の切離し部分(170)上に与えられ、この個包装(11)の切離し部分(170)は、製品をパケットから引き出したときに上記切離し部分(170)に覆われていた製品の部分(9)が剥き出されるように、個包装(11)に設けられた切取線(171)を介して個包装の残部(170b)につながっているとともに、上記個包装(11)上の上記切取線(171)が、個包装された製品の両端縁の間に位置しており、
E1.上記永久接着手段(80)は、上記切離し部分(170)の中で、上記主要面の一方において上記切取線(171)と上記端縁との間に配置されており、この永久接着手段(80)によって個包装されたスティック状の製品が上記主要面の一方においてパケットに個々に固定されている一方、隣接する製品同士は互いに接着されておらず、
F.上記個包装(11)上の切取線(171)と個包装された製品の一端縁との間の上記切離し部分(170)の長さが、上記切取線(171)と個包装された製品の他端縁との間の残部(170b)の長さよりも短いことを特徴とするパケット。

【請求項2】
上記外箱(41)は、該外箱(41)の面の一つに接続されて製品(10)を取り出すための開口面を閉じるように設計された蓋(43)を有することを特徴とする請求項1に記載のパケット。

【請求項3】
上記外箱(41)内に配置された少なくとも1つのシート(110)を備え、
上記永久接着手段(80)は、上記主要面において個包装(11)の上記切離し部分の一部をシート(110)の一部に接着し、
上記シート(110)と上記外箱(41)との間にさらに永久接着手段(140)を有することを特徴とする請求項1または2に記載のパケット。

【請求項4】
上記シート(110)は、個包装された製品のグループの少なくとも5つの面を取り囲むことを特徴とする請求項3に記載のパケット。

【請求項6】
上記個包装(11)は、紙、パラフィン紙、金属フォイル、プラスチックフォイルまたはこれらの材料の種々の組み合わせから形成されることを特徴とする請求項1?5のいずれかに記載のパケット。

【請求項7】
上記製品は、チューインガムであることを特徴とする請求項1?6のいずれかに記載のパケット。

【請求項8】
隣り合わせに配置された製品のグループを収容している請求項1?7のいずれかに記載のパケット。

【請求項9】
隣り合わせに配置された製品のグループを2つ以上重ねて収容している請求項8に記載のパケット。

【請求項10】
上記切取線(171)は、少なくとも一部は、個包装(11)を形成している材料中に形成された穴あき線の形態であることを特徴とする請求項1?9のいずれかに記載のパケット。

【請求項11】
上記切取線(171)は、少なくとも一部は、個包装(11)を形成している材料中に押圧された非穴あき刻み目線の形態であることを特徴とする請求項1?9のいずれかに記載のパケット。

【請求項12】
G.製品を箱詰めする方法であって、
H.切取線によって区画された切離し部分を有する各々の個包装で各製品を包装し、
I.上記切離し部分においてシートに上記個包装製品を永久的に接着し、
J.上記シートを外箱内に挿入するとともに該外箱に永久的に固定し、
K.消費者が切離し部分を引き裂くことによって上記製品を掴んで小出しすることができるように上記外箱の形成を完了すること、を含む方法。」


第3.請求人の主張の概要
1.主張の要点
(1)無効理由1
本件発明1、6、8?11は、甲3に記載された発明であり、又は、甲3に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。

(2)無効理由2
本件発明1?4、6?12は、甲2に記載された発明に、甲3及び甲4に記載の公知技術を適用することによって、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。

(3)無効理由3
本件発明1?4、6?12は、甲1に記載された発明に、甲2、甲3及び甲4に記載の公知技術を適用することによって、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。


2.証拠
甲1:実願平5-45394号(実開平7-11569号)のCD-ROM
甲2:実願昭46-041637号(実開昭47-37883号)のマイクロフィルム
甲3:米国特許出願公開第2004/0118713号明細書
甲3の2:米国特許出願公開第2004/0118713号明細書の訳文
甲4:米国特許出願公開第2005/0255199号明細書
甲4の2:米国特許出願公開第2005/0255199号明細書の部分訳文
甲5:特開平11-77872号公報


第4.当審の判断
1.証拠記載事項
(1)甲1
甲1には、以下の記載がある。

ア.「【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、チューインガム等の被包装物を、紙等の包装体で包装し、これを、更に収納容器に収納した形態の容器入り包装体に係り、更に詳しくは、収納容器から包装体を取り出す際、包装体を片手で引っ張ることにより、包装体の一部を剥離し、被包装物の一部を露出させながら包装体を取り出すことのできる容器入り包装体に関する。」

イ.「【0002】
【従来の技術】
一般に、チューインガム、キャンディ、チョコレート等の小形菓子は、ポケット菓子とも呼ばれ、ポケット等に入れて手軽に持ち運び、場所を選ばず喫食できる特長がある。
上記小形菓子のうち、例えば、チューインガムは、図6に示すように、チューインガム13を、まず内装紙11、12で順に包装し、次に外装体14に複数枚収納して開口部を閉じ、包装されていることが一般的である。
しかしながら、上記チューインガムを喫食する際には、まず、外装体14を開封し、内装紙11、12で包装されたチューインガムを取り出し、次いで、内装紙11、12を順に剥離して喫食しなければならない。従って、例えば、歩行中や車の運転中、通勤通学途上等、片手が塞がっている場合には喫食する事が困難となる。
上記問題を解決する方法として、例えば、内装紙を省略する事が考えられるが、長期保存中の風味の保持や吸湿防止等の品質維持の点でも内装紙は必要であり、特にチューインガムの場合、喫食したあとの噛みカスを包んで捨てるためにも内装紙は必要である。また、他の小形菓子の場合でも、高級感を付与したり、包装時の滑りを良くするために内装紙を必要とする場合が多い。」

ウ.「【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、このような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、包装体で包装し、更に、容器に収納されている形態の被包装物を、片手で簡便に取り出すことを可能とする容器入り包装体を提供するにある。」

エ.「【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、包装体とそれを収納する有底収納容器とからなり、包装体下方部を前記収納容器に固着すると共に、包装体の適宜位置に収納容器底面と略平行な切目線を設けたことを特徴とする容器入り包装体によって達成される。」

オ.「【0005】
【作用】
本考案の容器入り包装体は、被包装物を包装してなる包装体を有底収納容器に収納する際、包装体下方部を収納容器底面もしくは側面に固着し、かつ、包装体に収納容器底面に略平行となるような切目線を設けることにより、包装体を収納容器から取り出す際、片手で包装体を引っ張るだけで、包装体が切目線の部分で切り離され、包装体を被包装物の一部が露出した状態で取り出すことができる。
従って、例えば、被包装物が食品の場合、露出した被包装物をそのまま口にくわえて、残りの包装体を引っ張るだけで簡単に残りの包装体が剥離され、両手を使わなくても被包装物を喫食することができる。」

カ.「【0007】
まず、包装体2は、チューインガム等の被包装物を包装するものである。
この包装体2の材質は、特に限定されるものではなく、切目線を設けることが可能で、通常包装材料として用いられているものの中から、適宜選択して用いればよい。例えば、チューインガム等の小形菓子を包装する包装体としては、紙、ポリプロピレン、アルミ等の単品やこれらを数種ラミネートしたもの等が挙げられる。
また、内装体の厚みは、通常20?25μ程度である。また、包装形態は、図2(a)に示すような折り込みの他、ヒートシール等の通常用いられている包装形態の中から適宜選択すればよい。」

キ.「【0008】
次に、収納容器3は、上記包装体2を収納するものである。
……
収納容器3の形状は、例えば、図1のような立方体等の有底の任意形状とすればよく、また、予め成形しておくことが好適である。」

ク.「【0009】
また、上記包装体2は、例えば、上記収納容器3の底面に固着していることが必要である。固着する手段としては、例えば、接着剤等を用いて貼着する方法や、ヒートシールする方法等が挙げられる。また、固着する部分は、包装体2端部の一部でも全面でもよく、固着する強度に応じて適宜設定すればよい。
また、包装体を収納容器下方側面部に固着させるようにしてもよい。」

ケ.「【0010】
また、包装体2には、図1に示すように、包装体2を切り離して2分割するための切目線4を設けておく。
……
また、切目線4を施す位置は、適宜任意に設定すればよいが、収納容器底面3bに近い位置とする方が、取り出す際に包装体2で包装された部分を、余裕を持って手で掴みながら、取り出すことができ、また、被包装物に直接手を触れずに済み、好適である。
また、切目線4としては、ミシン目等の、一般に包装紙等の切り取りに使われている切目線とすればよい。更に、切目線4は、全周の1/2以上に設けることが包装体の切り離し容易性の点で好ましい。」

コ.「【0011】
次に、本考案の容器入り包装体は、例えば、図2に示すようにして製造される。すなわち、まず、被包装物10、例えば、チューインガムを適宜位置に切目線4を設けた包装体2で包装する(図2(a))。
次いで、上記包装体2を、収納容器3に包装体2を収納する(図2(b))。このとき、収納容器内部底面3bと、この底面に接触する包装体端部2aとを固着する。……
このようにして包装体2が収納された収納容器開口部3aを、折り込みにより封止することにより、容器入り包装体1が得られる(図2(c))。」

サ.「【0012】
上記のようにして得られた容器入り包装体から、被包装物を取り出すにあたっては、図3に示すように、収納容器3(図3(a))の上部を開封部5から開封し、包装体2の上部を手で掴み、上へ引っ張ると(図3(b))、収納容器底面3bに固着された、包装体2の切目線4より下部は、そのまま残り、被包装物10が一部露出した形態で包装体2を取り出すことができる(図3(c))。更に、例えば、被包装物が食品の場合、この露出部分を口で加えて包装体2を剥離することにより(図3(d))、被包装物を手で直接持つことなく、また、片手で、簡便に喫食することができる。」

シ.「【0017】
【考案の効果】
以上のように、本考案の容器入り包装体は、被包装物が、包装体と収納容器とで二重に包装されているにも拘わらず、被包装物を取り出す際に、包装体を片手で引っ張るだけで、包装体がその切目線の部分で切り離され、被包装物を、その一部が露出した状態で、収納容器から包装体を取り出す事ができるものである。
従って、例えば、被包装物が食品の場合、露出した被包装物そのまま口にをくわえて、残りの包装体を引っ張るだけで簡単に残りの包装体が剥離され、喫食することができる。しかも、取り出す際に、被包装物は、包装体で一部包装されたままで取り出すことが出来るので、手が直接食品に触れることがなく、衛生的である。
また、これらの操作を全て片手で行うことが出来るので、車の運転中や歩行中等で手を使っているときにも取り出し操作をすることができる。
また、被包装物を包装した包装体が収納容器に固着されているので、包装体と収納容器との間に空間が生じても、輸送中ばらばらになることなく整列した状態を保つことができる。」

ス.図1ないし図3から、包装体2の形状、及びチューインガム等の被包装物の形状は、「板状」といえる。また、包装体2で包装された被包装物は、その取り出し方向に沿った幅の広い2つの面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの面と、包装体端部2a及びその反対の端部とを有する偏平形状であることが見て取れる。さらに、複数の上記包装体2で包装された被包装物は収納容器3内で幅の広い面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されていることが見て取れる。

セ.図1ないし図3から、収納容器3は、各々の包装体2で包装された被包装物を収容する6つの面を有しており、収納容器3から被包装物を取り出す際には、収納容器3の上部を開封部5から開封して、被包装物を取り出すための1つの開口面とすることが見て取れる。また、収納容器3の上部を開封部5から開封すると、収納容器3は、包装体2で包装された被包装物を部分的に収容する5つの面を備えた状態になることが見て取れる。

ソ.図1ないし図3から、包装体2の切目線4が、包装体2で包装された被包装物の包装体端部2aと、その反対の端部との間に位置していることが見て取れる。


(2)甲2
甲2には、以下の記載がある。
なお、「挟」の旧字体は「挟」と表記した。

ア.「2.実用新案登録請求の範囲
開閉蓋体2を連設し、一側縁に止着片3を折曲連設した台板1と、菓子6を内包した包装体4の一端部4aとを固着し、包装体4の適宜箇所には破線5を設けたことを特徴とする包装菓子。」

イ.「3.考案の詳細な説明
本考案は包装菓子に関し、開閉蓋体を連設した台板の一側縁に折曲連設した止着片と、菓子を内包した包装体の一端部とを固着し、包装体の適宜箇所には破線を設けることにより携帯に便利にして、製品菓子の取り出しも容易な包装菓子を提供せんとするものである。
以下図面に従つて本考案の一実施例を詳述すると、第1図においてやや硬質の板紙から成る台板1には折線aを介して開閉蓋体2を折畳み可能に連設し、台板1の一側縁には止着片3を内側へ折曲連設する。
この台板1と止着片3間には包装体4の一端部4aが挟持され、糊着けその他適宜方法により固着される。
包装体4は板状チユーインガムの様な菓子を内包しており、上部或は下部にはミシン線の如き破線5を設けておく。」

ウ.「第2図乃至第4図により包装体4の各態様について説明する。第2図示のものは……上部には破線5を設け、前記摘み片7を引つ張ることにより包装体4の上部を破つて内包する菓子6を一個ずつ取り出す。」

エ.「第3図示のものは一個の菓子6をヒートシール法により各個に包装したもので、破線5は包装体4の上部の他下部或は固定片8上に設けて良く、また摘み片7を設けることは任意である。」

オ.「第3図、第4図に示すような包装体4が単個の場合には、第5図の如く補助片9を使用し、各包装体4を例えば5個一組として固定片8を補助片9に貼着し、この補助片9を台板1と止着片3間に固着して良い。」

カ.「上記に述べた如く本考案によれば……破線5を破るのみで菓子6の取り出しが容易となり、……。」

キ.第3図から、包装体4はシート状であり、菓子6を、その各面に沿って包装していることが見て取れる。

ク.第1図から、台板1の一側縁に止着片3が設けられ、他側縁に開閉蓋体2が設けられていることが見て取れる。

ケ.第3図から、菓子6は、菓子6の長手方向に沿った幅の広い面と、同じく長手方向に沿った幅の狭い面と、同じく長手方向に垂直な2つの端部と、を有する偏平形状をなすことが見て取れる。

コ.第3図及び第5図から、複数の菓子6が、幅の狭い面同士が隣り合わせとなるように並べられ、かつ、互いに離して配置されていることが見て取れる。

サ.第3図から、包装体4の固定片8は、菓子6の端部より、菓子6とは反対側に突出して設けられていることが見て取れる。

シ.第3図及び第5図から、包装体4の固定片8の幅の広い面の一方が、補助片9に対向していることが見て取れる。


(3)甲3
甲3には、以下の記載がある。

ア.「ABSTRACT
A tamper resistant package comprises a packaging enclosure in the form of an open-ended sleeve or carton with a plurality of product packs inside the enclosure engaging the interior surface thereof. Each of the product packs includes outer wrap material at least a portion of which is secured to the interior surface of the enclosure. Upon removal of a product pack from the enclosure at least a portion of the outer wrap material remains within the enclosure thereby destroying the integrity of the outer wrap material which effectively prevents the product packs from being removed from the package and individually sold. The wrapping material is disturbed sufficiently so that the pack is not suitable for sale after being separated from the enclosure.」
(日本語訳(訳は当審による。以下同様。))
「要約
不正防止パッケージは、端を開封した袋またはカートンの形態のパッケージ用筐体を備え、筐体内に、その内面に係合する複数の製品パックを有している。各製品パックは外装材料を含んでおり、外装材料の少なくとも一部が、筐体の内面に固定されている。製品パックを筐体から取り外す際、外装材料の少なくとも一部が筐体内に残って、外装材料の無傷の状態を破壊し、それにより、製品パックがパッケージから取り外されて個別に売られることを効果的に防止する。包装材料が十分に乱されるので、筐体から分離された後で、パックは売るのに適さない。」

イ.「[0027] Referring in particularity to the drawings, FIGS. 1-3 illustrate a multi-pack tamper resistant package 10 comprising a packaging enclosure 12 having an interior surface 14 with a plurality of product packs 16 within the enclosure engaging the interior surface thereof. The product packs may comprise packs of cigarettes although other such packs are equally suitable for packaging within the enclosure. Such other product packs may include candy, over-the-counter drugs as well as other consumer goods such as toothpaste, dental floss, shaving cream and deodorant to name a few. The packaging enclosure 12 may be fabricated from a variety of different materials, such as paperboard, for example.
[0028] The packaging enclosure 12 of FIGS. 1-3 fundamentally comprises an open-ended sleeve with two pack-receiving pockets 18, 20. Pack-receiving pocket 18 is dimensioned to receive a single product pack 16 while the other pocket 20 of the sleeve is dimensioned to receive two product packs in back-to-back relationship. Pocket 18 includes opposite side walls 22 and opposite end walls 24 while pocket 20 includes opposite side walls 26 and opposite end walls 28. Each pocket includes one or two partial top walls 30 in the form of triangular segments that extend between the side and end walls, as shown best in FIG. 2.
[0029] Several dots of adhesive 32 extends across one of the side walls 22 of the single pack-receiving pocket 18, and similar dots of adhesive 32 extend across the interior of each of the side walls 26 of the pack-receiving pocket 20 holding the two product packs. Moreover, these adhesive dots are located on an upper portion of each side approximately within the upper one third of the height of the packaging sleeve.」
(日本語訳)
「[0027]特に図面を参照して、図1?図3は、パッケージ用筐体12を備えるマルチパック不正防止パッケージ10を示している。パッケージ用筐体12は、内面14を有し、筐体内に、その内面に係合する複数の製品パック16を有している。製品パックは、たばこのパックであってもよいが、他のそのようなパックが、筐体内に入れられるのに同様に適している。そのような他の製品パックは、少し例を挙げれば、キャンディー、市販の薬、ならびに、練り歯磨き、デンタルフロス、髭剃りクリームおよび防臭剤などの他の消費財を含んでいてもよい。パッケージ用筐体12は、例えば板紙などの、さまざまな異なる材料で作られていてもよい。
[0028]図1?図3のパッケージ用筐体12は基本的に、2つのパック受け入れ用ポケット18、20を有する端を開封した袋を備えている。パック受け入れ用ポケット18が、単独の製品パック16を受け入れる寸法とされているのに対し、袋の他のポケット20は、2つの製品パックを背中合わせで受け入れる寸法とされている。ポケット18が両側壁22および両端壁24を含んでいるのに対し、ポケット20は両側壁26および両端壁28を含んでいる。各ポケットは、図2に最もよく示すように、側壁と端壁との間に延びる三角形の区画の形態の、1つまたは2つの部分頂壁30を含んでいる。
[0029]接着剤の小点32がいくつか、単独のパック受け入れ用ポケット18の側壁22の1つを横切って延びており、類似の接着剤の小点32が、2つの製品パックを保持するパック受け入れ用ポケット20の側壁26のそれぞれの内部を横切って延びている。そのうえ、これらの接着剤小点は、パッケージ用袋の高さの上側のほぼ3分の1内において、各側の上側の部分に配置されている。」

ウ.「[0031] When the tamper resistant package 10 is assembled, the product packs 16 are inserted into the pack-receiving pockets 18, 20 of packaging enclosure 12 until the upper portions of the packs engage the triangular shaped top walls 30 of each pocket. The outer wrap material 34 is secured to interior surface 14 of the pack-receiving pockets 18, 20 where the dots of adhesive 34 have been placed beforehand. With this arrangement the upper portion of the outer wrap material 34 of each product pack 16 is secured to the interior of the packaging enclosure 12. Accordingly, upon removal of product packs 16 from the pockets of the enclosure the upper portion of the outer wrap 34 breaks away from the pack and remains within the enclosure while the lower unsecured portion of the outer wrap is removed with the product pack. Assuming certain indicia and the required tax stamp have been positioned on the portion of the outer wrap remaining with the packaging sleeve, the removed product pack has the appearance of being opened due to destruction of the integrity of the outer wrap material.」
(日本語訳)
「[0031]不正防止パッケージ10を組み立てるとき、製品パック16が、パックの上側の部分が各ポケットの三角形状の頂壁30に係合するまで、パッケージ用筐体12のパック受け入れ用ポケット18、20内へ挿入される。外装材料34は、接着剤の小点34があらかじめ配置された、パック受け入れ用ポケット18、20の内面14に固定される。この構成により、各製品パック16の外装材料34の上側の部分が、パッケージ用筐体12の内部に固定される。したがって、製品パック16を筐体のポケットから取り外すと、外装材料34の上側の部分がパックから剥離して筐体内に残るが、外装の下側の固定されていない部分は、製品パックとともに取り外される。特定のしるしおよび必要な税印がパッケージ用袋とともに残る外装の部分に位置するようにされていれば、取り外された製品パックは、外装材料の無傷の状態が破壊されて開いているという外観を有する。」

エ.「[0033] Preferably, the outer wrap material 34 of each product pack 16 includes a weakened line of separation 36 between the top and bottom portions of the outer wrap. In the case of cigarette packs, the line may be located near the top of the pack at the juncture of the lid and the bottom portion of the pack. Upon removal of a product pack from the package, the outer wrap 34 separates at the weakened line 36 thereby leaving the upper portion secured to the interior surface 14 of sleeve 12 while the lower portion of the outer wrap material remains with the removed product pack.
[0034] The outer wrap material comprises a thin transparent film traditionally used for outer wrap purposes. Moreover, the weakened line of separation 36 may comprise a perforated or cut line that extends around each product pack 16. Tear tape may be placed on the outer wrap material covering the perforated or cut line which tape acts as a seal.」
(日本語訳)
「[0033]好ましくは、各製品パック16の外装材料34は、外装の頂部および底部の間に、弱くした分離線36を含んでいる。たばこのパックの場合、線は、パックの頂の近くにおいて、パックの蓋および底部の継ぎ目に配置されていてもよい。製品パックをパッケージから取り外すと、外装34が、弱くした線36で分離して、袋12の内面14に固定された上側の部分を残すが、外装材料の下側の部分は、取り外した製品パックにくっついたままになる。
[0034]外装材料は、外装目的で従来から使用される薄い透明のフィルムから成る。さらに、弱くした分離線36は、各製品パック16の周りに延びるミシン目または切断線を備えていてもよい。開封テープが、ミシン目または切断線を覆う外装材料の上に配置されていてもよく、このテープは封止として働く。」

オ.「[0036] ……It should be understood that the term "adhesive" as used herein refers to not only traditional adhesives such as glues, but also to any other suitable material that will form a bond between the pack outer wrap and the surrounding enclosure. However, the important feature is that the adhesive be positioned between the interior of the pack-receiving enclosure and the exterior of the outer wrap material. Accordingly, the adhesive may be directly applied to the outer wrap material as an alternative to applying adhesive to the interior of the packaging enclosure.」
(日本語訳)
「[0036]……本明細書中で使用される「接着剤」という用語が、グルーなどの従来の接着剤のみを意味せず、パック外装と、取り囲む筐体との間に結合を形成することになる、他の適切な材料をも意味することを理解されたい。しかし、重要な特徴は、接着剤が、パック受け入れ用筐体の内部と、外装材料の外部との間に配置されることである。したがって、接着剤をパッケージ用筐体の内部に塗布する代わりに、接着剤を外装材料に直接塗布してもよい。」

カ.「[0040] FIGS. 8-10 illustrate another multi-pack tamper resistant package 50 comprising an enclosure 52 having an interior surface 54 with a plurality of product packs 16 within the enclosure engaging the interior surface thereof. The packaging enclosure comprises a standard ten pack carton with the product packs arranged in two rows with five packs in each row. Other arrangements may also be used such as a five pack carton where five product packs are aligned in a single row, for example. The packaging enclosure may be fabricated from a variety of different materials, such as paperboard, for example.
[0041] Packaging enclosure 52 includes opposite side walls 56, opposite interconnecting end walls 58, and top and bottom walls 60, 62, respectively. Dots of adhesive 64 extends across the interior of each of the side walls 56 along the upper portions thereof to secure the outer wrap material 34 of the product packs to the interior of the carton.
[0042] Fundamentally, the carton of FIGS. 8-10 is used in the same manner as the other embodiments described above and shown in FIGS. 1-7. Accordingly, upon removal of product packs 16 from the carton the upper portion of the outer wrap material 34 breaks away from the packs and remains within the carton while the lower unsecured portion of the outer wrap is removed with the product packs.
[0043] The weakened line of separation 36 may be the same as described above with the line at the junction of lid and bottom portion of the pack.
[0044] …… the top wall 62 ……」
(日本語訳)
「[0040]図8?図10は、筐体52を備える別のマルチパック不正防止パッケージ50を示している。筐体52は、内面54を有し、筐体内に、その内面に係合する複数の製品パック16を有している。パッケージ用筐体は、各列に5つのパックを有する2つの列に配置された製品パックを有する、標準の10パックカートンを備えている。例えば5つの製品パックが単独の列に整列されている5パックカートンなどの、他の構成も使用することができる。パッケージ用筐体は、例えば板紙などの、さまざまな異なる材料で作られていてもよい。
[0041]パッケージ用筐体52はそれぞれ、両側壁56、両相互接続端壁58、ならびに、頂壁および底壁60、62を含んでいる。接着剤の小点64が、側壁56のそれぞれの内部を横切り、その上側の部分に沿って延びて、製品パックの外装材料34をカートンの内部に固定している。
[0042]基本的に、図8?図10のカートンは、上述し図1?図7に示した他の実施形態と同じ仕方で使用される。したがって、製品パック16をカートンから取り外すと、外装材料34の上側の部分がパックから剥離してカートン内に残るが、外装の下側の固定されていない部分は、製品パックとともに取り外される。
[0043]弱くした分離線36は、上述したものと同じで、パックの蓋と底部との継ぎ目に線を有していてもよい。
[0044]……頂壁62……」

キ.図1ないし図3、図8ないし図10から、1つの製品パック16は、1つの外装材料34と、1つの外装材料34に覆われる1つのもの(以下、本書では「物品」という。)とから成り、外装材料34は物品を、その各面に沿って覆っていることが見て取れる。

ク.図8ないし図10から、パッケージ用筐体52は、製品パック16を収容する両側壁56、両相互接続端壁58、頂壁62を有しており、底壁60側に形成された1つの開口面から製品パック16を取り出すことが見て取れる。

ケ.図8ないし図10から、製品パック16及び物品の形状は、「箱状」といえる。また、製品パック16及び物品は、これらの取り出し方向に沿った幅の広い2つの面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの面と、取り出し方向前端の底部と、取り出し方向後端の頂部と、を有する偏平形状をなし、上記幅の狭い面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されていることが見て取れる。

コ.図8ないし図10から、接着剤の小点64は、各々の外装材料34の上側の部分の中で、取り出し方向に沿った幅の広い面の一方において、分離線36と、取り出し方向後端の頂部との間に配置されており、この接着剤の小点64によって製品パック16が幅の広い面の一方において、マルチパック不正防止パッケージ50のパッケージ用筐体52の側壁56の内面に個々に固定されていることが見て取れる。

サ.図8ないし図10から、外装材料34と側壁56の内面との間のみに接着剤の小点64が設けられていることが見て取れる。


(4)甲4
甲4には、以下の記載がある。

ア.「[0019] Referring now to FIGS. 1 and 2, the present invention provides a packaging assembly 10 which supports therein an array 12 of gum slabs 14. Gum slabs 14 are typically elongate rectangularly shaped members which may optionally include wrappers (not shown in FIG. 2) individually around each gum slab. The gum slabs are arranged in a side-by-side fashion to form array 12. The gum slabs 14 are supported in the array in a package housing 16.」
(日本語訳(訳は当審による。以下同様。))
「[0019]図1及び図2を参照すると、本発明は、板状ガム14の配列12をその内部にて支持するパッケージ組立体10を提供する。板状ガム14は、個別に各板状ガムの回りの包装紙(図2に図示せず)を選択的に含むことができる、典型的に細長い矩形形状の部材である。板状ガムは、横に並べた状態に配置されて配列12を形成する。板状ガム14は、パッケージハウジング16内にて配列内に支持される。」

イ.「[0024] As particularly shown in FIG. 4, package assembly 110 includes an array 112 of gum slabs 114 which are supported within package housing 116. The gum slabs 114 are further contained within a band 131. Band 131 may be formed of a wide variety of materials including paper, foil or combinations thereof. 」
(日本語訳)
「[0024]図4に特に示すように、パッケージ組立体110は、パッケージハウジング116内に支持される板状ガム114の配列112を有している。板状ガム114はさらに、バンド131内に収容されている。バンド131は、紙、フォイルまたはそれらの組み合わせを含む幅広い種類の材料にて形成されていてもよい。」

ウ.「[0025] In the present illustrative, the band 131 is formed into a pouch or U-shaped configuration having opposed front and back walls, side walls and a bottom wall. The array 112 of gum slabs 114 is positioned within the band with the aligned lower ends thereof contained within the U-shaped band. While a U-shaped band is shown herein, other configurations may be employed. 」
(日本語訳)
「[0025]本例では、バンド131は、対向する前壁および後壁、側壁ならびに底壁を有する小袋又はU字状の形態に形成されている。板状ガム114の配列112はバンド内に配置されており、その整列された他端がU字状のバンド内に収容されている。本明細書にはU字状のバンドを示しているが、他の形態を採用してもよい。」

エ.「[0035] The embodiment of FIG. 5 employs a single adhesive location on the front wall 218 and achieves adhesive retention without the need of a band (FIG. 3) supporting the array 212 of gum slabs 214. 」
(日本語訳)
「[0035]図5の実施の形態は、前壁218に単一の接着剤の位置を採用し、また、板状ガム214の配列212を収容するバンド(図3)を必要とせずに、接着剤にて保持することを実現する。」

オ.図1ないし図4から、バンド131は、板状ガム114とパッケージハウジング116との間の下方部に設けられていることが見て取れる。


(5)甲5
甲5には、以下の記載がある。

ア.「【0016】また、本発明の易カット性積層フィルム包材は、シーラント層側から切り離し線の形状にレーザー光線を照射して加熱溶融若しくは軟化させながら、その溶融若しくは軟化している部分に沿ってライナー状若しくはローラー状の押し罫型を用いてプレス押圧により押し罫加工して薄膜層にした切り離し線が設けられており、この積層フィルムに形成された薄膜層の層厚は、積層フィルムの全層厚に対してもかなり薄くなっているため、ハーフカット状の切り離し線である薄膜層に沿って低い引裂抵抗によって容易にカッティングすることができるものである。」


2.無効理由の検討
請求人の主張する無効理由を、無効理由3、無効理由1、無効理由2の順に検討する。

2-1.無効理由3
(1)本件発明
本件発明は、上記第2のとおりである。

(2)甲1に記載された発明
甲1には上記1.(1)のア?ソの記載があるところ、オには、包装体下方部を収納容器の側面に固着することが記載されていること、及び、ク、サ及び図3(b)から、甲1には、包装体2の下方部を収納容器3の下方側面部に接着剤等を用いて貼着することで固着し、被包装物を容器入り包装体1から1枚ずつ取り出すにあたっては、包装体2の上部を手で掴み、上へ引っ張ることで、収納容器3の下方側面部に固着された、包装体2の切目線4より下部は、収納容器3の下方側面部に固着されたまま残り、被包装物10が一部露出した形態で包装体2を取り出すことができることが開示されている。
また、サ及び図1ないし図3から、包装体2の切目線4よりも包装体端部2a側である包装体2の切目線4より下部は、包装体2の切目線4を介して、包装体2の切目線4よりも包装体端部2aとは反対側である包装体2の切目線4より上部につながっていることが明らかである。

そうすると、甲1に記載された事項を本件発明1の記載に倣って整理すると、甲1には次の発明(以下、「甲1発明A」という。)が記載されている。
《甲1発明A》
a-1.各々の包装体2中に包装される板状のチューインガム等の被包装物についての容器入り包装体1であって、
b-1.上記包装体2は被包装物を折り込みにより包装する、紙、ポリプロピレン、アルミ等の単品やこれらを数種ラミネートしたものからなり、
c-1.上記容器入り包装体1は、収納容器3を備え、この収納容器3は、包装体2で包装された被包装物を部分的に収容する5つの面と、上記包装体2で包装された被包装物を取り出すための1つの開口面と、を有し、
d-1.さらに、上記包装体2で包装された被包装物を該収納容器3に固着するために上記包装体2の下方部を該収納容器3の下方側面部に貼着する接着剤等を備えてなる容器入り包装体1において、
c1-1.上記板状の包装体2で包装された被包装物は、上記包装体2で包装された被包装物の取り出し方向に沿った幅の広い2つの面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの面と、包装体端部2a及びその反対の端部と、を有する偏平形状をなし、複数の包装体2で包装された被包装物が上記幅の広い面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されており、
e-1.上記接着剤等は、上記包装体2の下方部に備えられ、この包装体2の切目線4より下部は、包装体2で包装された被包装物を容器入り包装体1から引っ張って取り出したときに、収納容器3の下方側面部に固着されたまま残り、被包装物10が一部露出した形態となるように、包装体2に設けられた、ミシン目等の、一般に包装紙等の切り取りに使われている切目線4を介して包装体2の切目線4より上部につながっているとともに、上記切目線4が、包装体2で包装された被包装物の包装体の包装体端部2aと、その反対の端部との間に位置しており、
e1-1.上記接着剤等は、包装体2で包装された板状の被包装物を容器入り包装体1から1枚ずつ引っ張って取り出したときに、被包装物の包装体2の切目線4より下部が収納容器3に固着されて、そのまま残るようにするために、包装体2の下方部を該収納容器3の下方側面部に貼着するものであり、
f-1.上記切目線4を収納容器底面3bに近い位置とする容器入り包装体1。


また、コには、包装体2で包装された被包装物を収納容器3に収納して容器入り包装体1を得るための手順が記載されているから、包装体2で包装された被包装物を収納容器3に収納する方法が開示されているといえる。

そうすると、甲1に記載された事項を本件発明12の記載に倣って整理すると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明B」という。)が記載されている。
《甲1発明B》
g-1.包装体2で包装された被包装物を収納容器3に収納する方法であって、
h-1.切目線4によって区画された部分を有する各々の包装体2で各被包装物を包装し、
i-1.上記包装体2の下方部において、包装体2で包装された板状の被包装物を容器入り包装体1から1枚ずつ引っ張って取り出したときに、被包装物の包装体2の切目線4より下部が収納容器3の下方側面部に固着されたまま残るように、収納容器3に上記包装体2で包装された被包装物を接着剤等によって固着し、
k-1.包装体2の切目線4より下部を切り離すことによって上記包装体2で包装された被包装物を掴んで1枚ずつ取り出すことができるように上記収納容器3を形成すること、を含む方法。

以下、甲1発明Aと甲1発明Bとを総称して、「甲1発明」という。


(3)本件発明1と甲1発明Aとの対比
本件発明1と甲1発明Aとを対比する。

ア.甲1発明Aの「包装体2」は、本件発明1の「個包装(11)」に相当する。

イ.甲1発明Aの「板状」は、構成要素c1-1より、「取り出し方向に沿った幅の広い2つの面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの面と、包装体端部2a及びその反対の端部と、を有する偏平形状をなし」ているものの形状を意味するところ、本件発明1の「スティック状」は、構成要件C1より「取り出し方向に沿った幅の広い2つの主要面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの側面と、2つの端縁と、を有する偏平形状をなし」ているものの形状を意味するものであり、甲1発明Aの「幅の広い2つの面」は、本件発明1の「幅の広い2つの主要面」に相当し、同様に、「幅の狭い2つの面」は、「幅の狭い2つの側面」に、「包装体端部2a及びその反対の端部」は、「2つの端縁」に、それぞれ相当するから、甲1発明Aの「板状」と本件発明1の「スティック状」は同じ形状を意味するので、甲1発明Aの「板状」は、本件発明1の「スティック状」に相当する。

ウ.甲1発明Aの「チューインガム等の被包装物」は、本件発明1の「製品」に相当し、同様に、「容器入り包装体1」は、「パケット」に相当する。

エ.「紙、ポリプロピレン、アルミ等の単品やこれらを数種ラミネートしたもの」はシート状であるから、甲1発明Aの「上記包装体2は被包装物を折り込みにより包装する、紙、ポリプロピレン、アルミ等の単品やこれらを数種ラミネートしたものからなり」は、本件発明1の「上記個包装(11)は製品周囲で折り畳んだシートからなり」に相当する。

オ.甲1発明Aの「収納容器3」は、本件発明1の「外箱(41)」に相当し、同様に、「上記容器入り包装体1は、収納容器3を備え」は、「上記パケットは、少なくとも1つの外箱(41)を備え」に相当する。

カ.甲1発明Aの「包装体2で包装された被包装物」は、本件発明1の「製品」に相当し、同様に、「包装体2で包装された被包装物を部分的に収容する5つの面」は、「製品を少なくとも部分的に収容する複数の面」に相当する。

キ.甲1発明Aの「収納容器3に固着する」は、本件発明1の「パケット内に保持する」に相当し、同様に、
「包装体2の下方部」は、「個包装(11)の少なくとも一部」に、
「収納容器3の下方側面部」は、「パケットの少なくとも一部」に、
「貼着する」は、「接着する」に、
それぞれ相当する。

ク.甲1発明Aの「接着剤等」は、構成要素e-1より、「包装体2の下方部に備えられ、この包装体2の切目線4より下部は、包装体2で包装された被包装物を容器入り包装体1から引っ張って取り出したときに、収納容器3の下方側面部に固着されたまま残」るものであるところ、本件明細書の段落【0060】には、「一般に、接着手段は、製品が接着されている面の一部を引き裂くのに必要な力よりも製品を剥がすのに必要とする力の方が大きいときに、永久的であるとみなすことができる。」と記載されていることから、甲1発明Aの「接着剤等」は、永久的といえる。
よって、甲1発明Aの「接着剤等」は、本件発明1の「永久接着手段(80)」に相当する。

ケ.甲1発明Aの「複数の包装体2で包装された被包装物が上記幅の広い面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されており」は、「複数の製品が特定の面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されており」という限りにおいて、本件発明1の「複数の製品が上記側面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されており」と共通する。

コ.甲1発明Aの接着剤等は、構成要素e-1より、「包装体2の下方部に備えられ」、構成要素e1-1より、「包装体2で包装された板状の被包装物を容器入り包装体1から1枚ずつ引っ張って取り出したときに、被包装物の包装体2の切目線4より下部が収納容器3に固着されて、そのまま残るようにするために、包装体2の下方部を該収納容器3の下方側面部に貼着する」ものであるから、包装体2の切目線4より下部に配置されるものであり、少なくとも、個々の包装体2と容器入り包装体1とが接触する側面である包装体2の幅の狭い面に配置されるものであることは明らかである。
また、甲1発明Aの「包装体2の切目線4より下部」は、本件発明1の「個包装(11)の切離し部分(170)」に相当する。
してみると、甲1発明Aの接着剤等は、「包装体2の切目線4より下部に配置され」は、本件発明1の「個包装(11)の切離し部分(170)上に与えられ」に相当する。

サ.甲1発明Aの「この包装体2の切目線4より下部は、包装体2で包装された被包装物を容器入り包装体1から引っ張って取り出したときに、収納容器3の下方側面部に固着されたまま残り、被包装物10が一部露出した形態となる」は、本件発明1の「この個包装(11)の切離し部分(170)は、製品をパケットから引き出したときに上記切離し部分(170)に覆われていた製品の部分(9)が剥き出される」に相当し、同様に、
「包装体2に設けられた切目線4を介して包装体2の上部につながっている」は、「個包装(11)に設けられた切取線(171)を介して個包装の残部(170b)につながっている」に、
「切目線4が、包装体2で包装された被包装物の包装体の包装体端部2aと、その反対の端部との間に位置して」は、「個包装(11)上の上記切取線(171)が、個包装された製品の両端縁の間に位置して」に、
それぞれ相当する。

シ.上記コに記載したとおり、甲1発明Aの接着剤等は、包装体2の切目線4より下部に配置されるものであり、少なくとも、個々の包装体2と容器入り包装体1とが接触する側面である包装体2の幅の狭い面に配置されるものであることは明らかである。
してみると、甲1発明Aの接着剤等は、「包装体2の幅の狭い面において切目線4と包装体端部2aとの間に配置されている」から、「切り離し部分(170)の中で、特定の面において上記切取線と上記端縁との間に配置されている」という限りにおいて、本件発明1の「切り離し部分(170)の中で、上記主要面の一方において上記切取線(171)と上記端縁との間に配置されており」と共通する。
また、甲1発明Aでは「接着剤等によって包装体2で包装された板状の被包装物が上記幅の狭い面において容器入り包装体1の収納容器3に個々に固着されている」から、「この永久接着手段によって個包装されたスティック状の製品が特定の面においてパケットに個々に固定されている」という限りにおいて、本件発明1の「この永久接着手段によって個包装されたスティック状の製品が上記主要面の一方においてパケットに個々に固定されている」と共通する。

ス.甲1発明Aの「切目線4を収納容器底面3bに近い位置とする」は、本件発明1の「個包装(11)上の切取線(171)と個包装された製品の一端縁との間の上記切離し部分(170)の長さが、上記切取線(171)と個包装された製品の他端縁との間の残部(170b)の長さよりも短い」に相当する。

そうすると、本件発明1と甲1発明Aとの一致点、相違点は、それぞれ次のとおりである。
《一致点》
A.各々の個包装中に包装されるスティック状の製品についてのパケットであって、
B.上記個包装は製品周囲で折り畳んだシートからなり、
C.上記パケットは、少なくとも1つの外箱を備え、この外箱は、製品を少なくとも部分的に収容する複数の面と、製品を取り出すための1つの開口面と、を有し、
D.さらに、上記製品を該パケット内に保持するために上記個包装の少なくとも一部を該パケットの少なくとも一部に接着する永久接着手段を備えてなるパケットにおいて、
C1’’’.上記スティック状の製品は、上記製品の取り出し方向に沿った幅の広い2つの主要面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの側面と、2つの端縁と、を有する偏平形状をなし、複数の製品が特定の面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されており、
E.上記永久接着手段は、上記個包装の切離し部分上に与えられ、この個包装の切離し部分は、製品をパケットから引き出したときに上記切離し部分に覆われていた製品の部分が剥き出されるように、個包装に設けられた切取線を介して個包装の残部につながっているとともに、上記個包装上の上記切取線が、個包装された製品の両端縁の間に位置しており、
E1’’’.上記永久接着手段は、上記切離し部分の中で、特定の面において上記切取線と上記端縁との間に配置されており、この永久接着手段によって個包装されたスティック状の製品が特定の面においてパケットに個々に固定されており、
F.上記個包装上の切取線と個包装された製品の一端縁との間の上記切離し部分の長さが、上記切取線と個包装された製品の他端縁との間の残部の長さよりも短いパケット。

《相違点3-1》
構成要件C1に関して、複数の製品を並べて配置した際に「隣り合わせとなる特定の面」が、本件発明1は製品の「側面」同士であるのに対し、甲1発明Aは製品の「幅の広い面」同士であり、
構成要件E1に関して、「永久接着手段が配置され、かつ製品が固定される特定の面」が、本件発明1は「主要面の一方」であるのに対し、甲1発明Aは「幅の狭い面」であるとともに「一方」との特定が無い点。

《相違点3-2》
構成要件E1に関して、本件発明1では「隣接する製品同士は互いに接着されておらず」と特定されているのに対し、甲1発明Aではそのように特定されていない点。


(4)相違点の判断
相違点3-1について検討する。
スティック状のチューインガム等の製品を複数配置するパケットの構成として、甲1発明Aのような、隣り合わせとなる特定の面が製品の幅の広い面同士となるタイプのものも、甲2(上記1.(2)ケ、コ)に記載されているような、隣り合わせとなる特定の面が製品の側面同士となるタイプのものも、共に周知のものであり、どちらのタイプとするかは、パケットをコンパクトにしたいか薄くしたいか等を考慮して、適宜選択し得るものである。
そして、隣り合わせとなる特定の面が製品の側面同士となるタイプのものでは、各々の個包装がパケットと接触する部位は、幅の狭い側面ではなく、幅の広い主要面であるから、永久接着手段が配置されることで製品が固定される特定の面が主要面となることは、甲1発明Aにおいて隣り合わせとなる特定の面が製品の側面同士となるタイプのパケットを採用するに伴い必然的に生じることである。
また、上記1.(3)カ、コのとおり、甲3には、製品の切離し部分の中で主要面に永久接着手段を配置し、製品をパケットから引き出したときに切離し部分に覆われていた製品の部分が剥き出されるようにしたものにおいて、永久接着手段を、切離し部分の中で、主要面の一方において配置する構成が記載されている。
そして、上記1.(1)クの「固着する部分は、包装体2端部の一部でも全面でもよく、固着する強度に応じて適宜設定すればよい。」という記載から、必ずしもパケットと接触する切離し部分の全ての範囲で固着を必要としないことが示唆されているところ、甲1発明Aにおいて、甲2に記載されているような、「隣り合わせとなる特定の面」が製品の「側面」同士となるタイプのものにする際に、甲3の記載を採用することで、「永久接着手段が配置され、かつ製品が固定される特定の面」を「主要面の一方」とすることは、当業者が容易になし得たことである。

相違点3-2について検討する。
スティック状のチューインガム等の製品を複数配置するパケットとして、隣接する製品同士が互いに接着されていないように配置するものは、周知のものであり、甲1発明Aも製品を1枚ずつ取り出すものであるから、甲1発明Aにおいて、「隣接する製品同士は互いに接着されておらず」とすることは、当業者が容易になし得たことである。

また、製品を簡単に箱詰めできるとともに、隣の製品が取り出された後でも、残りの製品を、使用される瞬間まで適切に保持することができるという本件発明1の効果は、甲1発明Aから予測し得ることであり、上記両相違点を総合勘案しても、格別の技術的意義が生じるとは認められない。
よって、本件発明1は、甲1発明A、甲2記載事項、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


(5)本件発明2?4、6?11
ア.本件発明2
本件発明2と甲1発明Aとを対比すると、相違点3-1、相違点3-2に加えて、以下の点で相違する。
《相違点3-3》
本件発明2は、「上記外箱は、該外箱の面の1つに接続されて製品を取り出すための開口面を閉じるように設計された蓋を有する」のに対し、甲1発明Aは蓋を有しない点。

相違点3-1、相違点3-2は、上記(4)で検討したとおりである。
相違点3-3について検討する。
スティック状のチューインガム等の製品を複数配置するパケットであって、隣り合わせとなる特定の面が製品の側面同士となるタイプのものにおいて、外箱が、該外箱の面の1つに接続されて製品を取り出すための開口面を閉じるように設計された蓋を有することは、周知の技術である。
そして、甲1発明Aにおいて、「隣り合わせとなる特定の面」が製品の「側面」同士となるタイプのものにする際に、上記周知技術を適用して、外箱に、該外箱の面の1つに接続されて製品を取り出すための開口面を閉じるように設計された蓋を付加することは、当業者が容易になし得たことである。

また、これらの相違点を総合勘案しても、格別の技術的意義が生じるとは認められない。
よって、本件発明2は、甲1発明A、甲2記載事項、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。

なお、以下、同様の相違点については検討したとおりである旨の記載、相違点を総合勘案しても格別の技術的意義が生じるものではない旨の記載を、省略する。


イ.本件発明3
本件発明3と甲1発明Aとを対比すると、相違点3-1、相違点3-2に加えて、以下の点で相違する。
《相違点3-4》
本件発明3は、「上記外箱内に配置された少なくとも1つのシートを備え、上記永久接着手段は、上記主要面において個包装の上記切離し部分の一部をシートの一部に接着し、上記シートと上記外箱との間にさらに永久接着手段を有する」のに対し、甲1発明Aはシートを有しない点。

相違点3-4について検討する。
上記1.(4)イ、エ、オのとおり、甲4には、製品と外箱との間の下方部に、製品を収容するシートとしてのバンド131を介在させる構成と介在させない構成とが記載されており、どちらの構成をとるかは、当業者が実施に際し適宜選択し得ることである。
そして、甲1発明Aにおいて、製品と外箱との間の下方部に、製品を収容するシートを付加すると、各々の個包装の切離し部分に接するパケットの側面は、外箱ではなく、シートとなるから、永久接着手段によって切離し部分の一部が接着する対象がシートの一部となることは、当業者にとって自明である。
また、上記1.(2)オのとおり、甲2には、製品と外箱との間にシートとしての補助片9を介在させ、各製品はシートに接着するものにおいて、シートを外箱に接着する構成が記載されている。
してみると、甲4に記載されているシートを付加する際に、永久接着手段によって切離し部分の一部が接着する対象をシートの一部とすること、及び、シートと外箱との間にさらに永久接着手段を設けることは、当業者が容易になし得たことである。

よって、本件発明3は、甲1発明A、甲2記載事項、甲3記載事項、甲4記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


ウ.本件発明4
本件発明4と甲1発明Aとを対比すると、相違点3-1、相違点3-2、相違点3-4に加えて、以下の点で相違する。
《相違点3-5》
本件発明4は、「上記シートは、個包装された製品のグループの少なくとも5つの面を取り囲む」のに対し、甲1発明Aはシートを有しない点。

相違点3-5について検討する。
上記1.(4)ア、イ、ウのとおり、甲4には、製品と外箱との間に介在させるシートとしてのバンド131が、個包装された製品のグループの少なくとも5つの面を取り囲む構成であることが記載されているから、甲4に記載されているシートを付加することで、相違点3-5の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

よって、本件発明4は、甲1発明A、甲2記載事項、甲3記載事項、甲4記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


エ.本件発明6
本件発明6と甲1発明Aとを対比する。
本件発明6は本件発明1において、「上記個包装(11)は、紙、パラフィン紙、金属フォイル、プラスチックフォイルまたはこれらの材料の種々の組み合わせから形成される」という事項を特定したものであるが、甲1発明Aは、構成要素b-1より、「上記包装体2は被包装物を折り込みにより包装する、紙、ポリプロピレン、アルミ等の単品やこれらを数種ラミネートしたものからなり、」という構成を有しており、甲1発明Aは「個包装は、紙、金属フォイル、プラスチックフォイルまたはこれらの材料の種々の組み合わせから形成される」ものであるから、上記特定事項において相違点はない。
したがって、本件発明6と甲1発明Aは、相違点3-1、相違点3-2でのみ相違する。

よって、本件発明6は、甲1発明A、甲2記載事項、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


オ.本件発明7
本件発明7と甲1発明Aとを対比する。
本件発明7は本件発明1において、「上記製品は、チューインガムである」という事項を特定したものであるが、甲1発明Aは製品が「チューインガム等の被包装物」であるから、上記特定事項において相違点はない。
したがって、本件発明7と甲1発明Aは、相違点3-1、相違点3-2でのみ相違する。
よって、本件発明7は、甲1発明A、甲2記載事項、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


カ.本件発明8
本件発明8と甲1発明Aとを対比すると、相違点3-1、相違点3-2に加えて、以下の点で相違する。
《相違点3-6》
本件発明8は、複数の製品を並べて配置した際に「隣り合わせとなる特定の面」が製品の「側面」同士であるものにおいて、「隣り合わせに配置された製品のグループを収容している」のに対し、甲1発明Aは、複数の製品を並べて配置した際に「隣り合わせとなる特定の面」が製品の「幅の広い面」同士であるものにおいて、「隣り合わせに配置された製品のグループを収容している」点。

相違点3-6について検討する。
上記1.(2)オ、ケ、コのとおり、甲2には、隣り合わせとなる特定の面が製品の側面同士であるものであって、隣り合わせに配置された製品のグループを収容しているものが記載されている。
そうすると、甲1発明Aのパケットとして甲2に記載されているものを用いれば、上記相違点3-6の構成となることは当然のことである。

よって、本件発明8は、甲1発明A、甲2記載事項、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


キ.本件発明9
本件発明9と甲1発明Aとを対比すると、相違点3-1、相違点3-2、相違点3-6に加えて、以下の点で相違する。
《相違点3-7》
本件発明9は、「隣り合わせに配置された製品のグループを2つ以上重ねて収容している」のに対し、甲1発明Aは、隣り合わせに配置された製品のグループを2つ以上重ねて収容していない点。

相違点3-7について検討する。
パケット内に製品を何列配置するかは、パケット内に何個の製品を入れるかや、パケットの許容サイズによって決まるものであるから、隣り合わせに配置された製品のグループを重ね合わせないか、重ね合わせるかは、当業者が実施に際し適宜選択し得ることである。

よって、本件発明9は、甲1発明A、甲2記載事項、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


ク.本件発明10
本件発明10と甲1発明Aとを対比する。
本件発明10は本件発明1において、「上記切取線(171)は、少なくとも一部は、個包装(11)を形成している材料中に形成された穴あき線の形態である」という事項を特定したものであるが、甲1発明Aは、構成要素e-1より、切目線4が、「ミシン目等の、一般に包装紙等の切り取りに使われている」ものであるところ、「ミシン目」は「穴あき線の形態」であるから、上記特定事項において相違点はない。
したがって、本件発明10と甲1発明Aは、相違点3-1、相違点3-2でのみ相違する。
よって、本件発明10は、甲1発明A、甲2記載事項、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


ケ.本件発明11
本件発明11と甲1発明Aとを対比すると、相違点3-1、相違点3-2に加えて、以下の点で一応相違する。
《相違点3-8》
本件発明11は、「切取線は、少なくとも一部は、個包装を形成している材料中に押圧された非穴あき刻み目線の形態である」のに対し、甲1発明Aは、切取線は、ミシン目等の、一般に包装紙等の切り取りに使われているものである点。

相違点3-8について検討する。
甲5(上記1.(5)ア)に記載されているような、材料中に押圧された非穴あき刻み目線の形態のものは、切取線として周知の技術であり、切取線として、ミシン目のような穴あきのものも、非穴あきのものも、従前選択的に用いられているものであるから、「切取線は、少なくとも一部は、個包装を形成している材料中に押圧された非穴あき刻み目線の形態である」ことは、上記周知技術を考慮すれば、甲1に実質的に記載されていたことである。

よって、本件発明11は、甲1発明A、甲2記載事項、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


(6)本件発明12と甲1発明Bとの対比
本件発明12と甲1発明Bとを対比する。

ア.甲1発明Bの「包装体2で包装された被包装物」は、本件発明12の「製品」又は「個包装製品」に相当し、同様に、
「収納容器3に収納する」は「箱詰めする」に、
「切目線4によって区画された部分」は「切取線によって区画された切離し部分」に、
「包装体2で各被包装物を包装し」は「個包装で各製品を包装し」に、
それぞれ相当する。

イ.甲1発明Bの包装体2の固着は、「包装体2の下方部において、包装体2で包装された板状の被包装物を容器入り包装体1から1枚ずつ引っ張って取り出したときに、被包装物の包装体2の切目線4より下部が収納容器3の下方側面部に固着されたまま残るように」行うものであるから、包装体2の切目線4より下部で行われることは明らかである。
そして、甲1発明Bの「包装体2の切目線4より下部」は、本件発明12の「切離し部分」に相当するから、甲1発明Bの包装体2の固着位置は、本件発明12の「切離し部分」である。

ウ.甲1発明Bの「固着」は、構成要素i-1より、「包装体2で包装された板状の被包装物を容器入り包装体1から1枚ずつ引っ張って取り出したときに、被包装物の包装体2の切目線4より下部が収納容器3の下方側面部に固着されたまま残る」ように「接着剤等によって」行われるところ、本件明細書の段落【0060】には、「一般に、接着手段は、製品が接着されている面の一部を引き裂くのに必要な力よりも製品を剥がすのに必要とする力の方が大きいときに、永久的であるとみなすことができる。」と記載されていることから、甲1発明Bの「固着」は、永久的といえる。
よって、甲1発明Bの「固着し」は、本件発明12の「永久的に接着し」に相当する。

エ.上記1.(1)サのとおり、被包装物の取り出しは喫食時になされるものであるから、「消費者」により行われることは、明らかである。

オ.甲1発明Bの「切り離す」は、本件発明12の「引き裂く」に相当する。

カ.甲1発明Bの「1枚ずつ取り出すことができる」は、本件発明12の「小出しすることができる」に相当し、同様に、「収納容器3を形成する」は「外箱の形成を完了する」に相当する。

そうすると、本件発明12と甲1発明Bとの一致点、相違点は、それぞれ次のとおりである。
《一致点》
G.製品を箱詰めする方法であって、
H.切取線によって区画された切離し部分を有する各々の個包装で各製品を包装し、
I’’’.上記切離し部分において上記個包装製品を永久的に接着し、
K.消費者が切離し部分を引き裂くことによって上記製品を掴んで小出しすることができるように上記外箱の形成を完了すること、を含む方法。

《相違点3-9》
構成要件I、Jに関して、本件発明12は、「シート」に個包装製品を永久的に接着し、「上記シートを外箱内に挿入するとともに該外箱に永久的に固定」するものであるのに対し、甲1発明Bは、「収納容器3」に個包装製品を永久的に接着するものである点。


(7)相違点の判断
相違点3-9について検討する。
上記1.(4)イ、エ、オのとおり、甲4には、製品と外箱との間の下方部に、製品を収容するシートとしてのバンド131を介在させる構成と介在させない構成とが記載されており、どちらの構成をとるかは、当業者が実施に際し適宜選択し得ることである。
そして、甲1発明Bにおいて、製品と外箱との間の下方部に、製品を収容するシートを付加すると、各々の個包装の切離し部分に接するパケットの側面は、外箱ではなく、シートとなるから、切離し部分が接着する対象がシートとなることは、当業者にとって自明である。
また、上記1.(2)オのとおり、甲2には、製品と外箱との間にシートとしての補助片9を介在させ、各製品はシートに接着するものにおいて、シートに個包装製品を永久的に接着し、上記シートを外箱内に配置するとともに該外箱に永久的に固定することが記載されており、シートを外箱内に配置する方法として、シートを外箱内に挿入する方法は周知の技術である。
してみると、甲1発明Bにおいて、甲4に記載されているシートを付加する際に、甲2の記載を参酌して、「シート」に個包装製品を永久的に接着し、「上記シートを外箱内に挿入するとともに該外箱に永久的に固定」することで、相違点3-9の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

また、上記相違点において、格別の技術的意義が生じるとは認められない。
よって、本件発明12は、甲1発明B、甲2記載事項、甲4記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


(8)小括
本件発明1?4、6?12は、甲1発明、甲2?4記載事項、周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これについての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第123条第1項第2号の規定に該当するので、無効とすべきものである。


2-2.無効理由1
(1)本件発明
本件発明は、上記第2のとおりである。

(2)甲3に記載された発明
甲3には上記1.(3)のア?サの記載があるところ、甲3の図8ないし図10に示されたマルチパック不正防止パッケージ50を、本件発明1の記載に倣って整理すると、甲3には、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されている。
《甲3発明》
a-3.各々の外装材料34に覆われる箱状の物品についてのマルチパック不正防止パッケージ50であって、
b-3.上記外装材料34は、物品を、その各面に沿って覆っている、外装目的で従来から使用される薄い透明のフィルムから成り、
c-3.上記マルチパック不正防止パッケージ50は、各列に5つのパックを有する2つの列に配置された製品パック16を有する標準の10パックカートンを備えているパッケージ用筐体52を備え、このパッケージ用筐体52は、製品パック16を収容する両側壁56、両相互接続端壁58、頂壁62と、製品パック16を取り出すための1つの開口面と、を有し、
d-3.さらに、上記製品パック16の外装材料34を該カートンの内部に固定するために上記外装材料34の上側の部分を該カートンの内部に接着する接着剤の小点64を備えてなるマルチパック不正防止パッケージ50において、
c1-3.上記箱状の物品は、上記物品の取り出し方向に沿った幅の広い2つの面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの面と、取り出し方向前端の底部と、取り出し方向後端の頂部と、を有する偏平形状をなし、複数の物品が上記幅の狭い面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されており、
e-3.上記接着剤の小点64は、上記外装材料34の上側の部分上に塗布され、この外装材料34の上側の部分は、製品パック16をカートンから取り外したときに、ミシン目または切断線を備えた弱くした分離線36で分離して、製品パック16から剥離してカートン内に残るが、外装材料34の下側の部分は、製品パック16とともに取り外されるとともに、上記外装材料34上の上記分離線36が、外装材料34の頂部および底部の間に配置され、
e1-3.上記接着剤の小点64は、上記外装材料34の上側の部分の中で、上記幅の広い面の一方において上記分離線36と上記頂部との間に配置されており、この接着剤の小点64によって外装材料34に覆われた箱状の物品が、上記幅の広い面の一方において、マルチパック不正防止パッケージ50のパッケージ用筐体52の側壁56の内面に個々に固定されている一方、外装材料34と側壁56の内面との間のみに接着剤の小点64が設けられており、
f-3.上記外装材料34上の分離線36は製品パック16の頂の近くに配置されているマルチパック不正防止パッケージ50。


(3)本件発明1と甲3発明との対比
本件発明1と甲3発明とを対比する。

ア.甲3発明の「外装材料34」は、対象物を各々覆っているものであるから、本件発明1の「個包装(11)」に相当し、甲3発明の「覆われる」は、本件発明1の「包装される」に相当する。

本件発明1の「製品」は、本件の請求項1の記載より、構成要件Aの「個包装(11)中に包装される」、及び、構成要件C1の「上記製品の取り出し方向に沿った幅の広い2つの主要面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの側面と、2つの端縁と、を有する偏平形状をなし」を満たすものであるところ、甲3発明の「物品」は、構成要素a-3より「各々の外装材料34に覆われる」ものであり、構成要素c1-3より、「上記物品の取り出し方向に沿った幅の広い2つの面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの面と、取り出し方向前端の底部と、取り出し方向後端の頂部と、を有する偏平形状をなし」ているものである。そして、上述のとおり、甲3発明の「各々の外装材料34に覆われる」は、本件発明1の「個包装(11)中に包装される」に相当し、また、甲3発明の「幅の広い2つの面」は、本件発明1の「幅の広い2つの主要面」に相当し、同様に、「幅の狭い2つの面」は、「幅の狭い2つの側面」に、「取り出し方向前端の底部と、取り出し方向後端の頂部」は、「2つの端縁」に、それぞれ相当するから、甲3発明の「物品」は本件発明1の「製品」と、その形状において差異がない。
また、本件において「製品」についての特段の定義がないところ、「製品」は「製造した品物」を意味し、「品物」は「売買の対象となる商品」を意味するから(広辞苑第6版)、「製品」は「製造した売買の対象となる商品」を意味すると解される。一方、甲3発明の「物品」は、1.(3)ア、カより、各々の外装材料34に覆われた上でマルチパック不正防止パッケージ50内に入れられて販売されるものである。
よって、甲3発明の「物品」は、本件発明1の「製品」に相当する。

甲3発明の「箱状」は、構成要素c1-3より、「取り出し方向に沿った幅の広い2つの面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの面と、取り出し方向前端の底部と、取り出し方向後端の頂部と、を有する偏平形状をなし」ているものの形状を意味するところ、本件発明1の「スティック状」は、構成要件C1より「取り出し方向に沿った幅の広い2つの主要面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの側面と、2つの端縁と、を有する偏平形状をなし」ているものの形状を意味するものであり、両者は同じ形状を意味するものであるから、甲3発明の「箱状」は、本件発明1の「スティック状」に相当する。

よって、甲3発明の「各々の外装材料34に覆われる箱状の物品」は、本件発明1の「各々の個包装(11)中に包装されるスティック状の製品」に相当する。

イ.甲3発明の「マルチパック不正防止パッケージ50」は、本件発明1の「パケット」に相当し、同様に、「外装材料34は、物品を、その各面に沿って覆っている、外装目的で従来から使用される薄い透明のフィルムから成り」は、「個包装(11)は製品周囲で折り畳んだシートからなり」に相当する。

ウ.甲3発明の「パッケージ用筐体52」は、本件発明1の「外箱(41)」に相当し、同様に、「マルチパック不正防止パッケージ50は、……パッケージ用筐体52を備え」は、「パケットは、少なくとも1つの外箱(41)を備え」に相当する。

エ.甲3発明の「製品パック16を収容する両側壁56、両相互接続端壁58、頂壁62」は、本件発明1の「製品を少なくとも部分的に収容する複数の面」に相当し、同様に、
「製品パック16を取り出す」は、「製品を取り出す」に、
「製品パック16の外装材料34を該カートンの内部に固定する」は、「製品を該パケット内に保持する」に、
「外装材料34の上側の部分」は、「個包装(11)の少なくとも一部」又は「個包装(11)の切離し部分(170)」又は「切離し部分(170)」に、
「カートンの内部」は、「パケットの少なくとも一部」に、
それぞれ相当する。

オ.甲3発明の「接着剤の小点64」は、構成要素e-3より、「外装材料34の上側の部分上に塗布され、外装材料34の上側の部分は、製品パック16をカートンから取り外したときに、ミシン目または切断線を備えた弱くした分離線36で分離して、製品パック16から剥離してカートン内に残る」ものであるところ、本件明細書の段落【0060】には、「一般に、接着手段は、製品が接着されている面の一部を引き裂くのに必要な力よりも製品を剥がすのに必要とする力の方が大きいときに、永久的であるとみなすことができる。」と記載されていることから、甲3発明の「接着剤の小点64」は、永久的といえる。
よって、甲3発明の「接着剤の小点64」は、本件発明1の「永久接着手段(80)」に相当する。

カ.甲3発明の「幅の狭い面同士」は、本件発明1の「側面同士」に相当し、同様に、「塗布され」は、「与えられ」に相当する。

キ.甲3発明の「製品パック16をカートンから取り出したとき」は、本件発明1の「製品をパケットから引き出したとき」に相当し、同様に、「分離線36」は、「切取線(171)」に、「外装材料34の下側の部分」は、「個包装の残部(170b)」に、それぞれ相当する。
甲3発明では「外装材料34の上側の部分は、製品パック16をカートンから取り外したときに、ミシン目または切断線を備えた弱くした分離線36で分離して、製品パック16から剥離してカートン内に残る」ことから、製品をパケットから引き出したときに個包装(11)の切離し部分(170)に覆われていた製品の部分が剥き出されるものであり、「外装材料34の上側の部分は、ミシン目または切断線を備えた弱くした分離線36で分離して、製品パック16から剥離してカートン内に残るが、外装材料34の下側の部分は、製品パック16とともに取り外される」ことから、個包装(11)の切離し部分(170)は、個包装(11)に設けられた切取線(171)を介して個包装の残部(170b)につながっているものである。
よって、甲3発明の「外装材料34の上側の部分は、製品パック16をカートンから取り外したときに、ミシン目または切断線を備えた弱くした分離線36で分離して、製品パック16から剥離してカートン内に残るが、外装材料34の下側の部分は、製品パック16とともに取り外される」は、本件発明1の「個包装(11)の切離し部分(170)は、製品をパケットから引き出したときに上記切離し部分(170)に覆われていた製品の部分(9)が剥き出されるように、個包装(11)に設けられた切取線(171)を介して個包装の残部(170b)につながっている」に相当する。

ク.甲3発明の「外装材料34の頂部および底部の間」は、本件発明1の「個包装された製品の両端縁の間」に相当し、同様に、
「配置され」は、「位置しており」に、
「幅の広い面」は、「主要面」に、
「頂部」は、「端縁」に、
「外装材料34に覆われた箱状の物品」は、「個包装されたスティック状の製品」に、
「マルチパック不正防止パッケージ50のパッケージ用筐体52の側壁56の内面に個々に固定されている」は、「パケットに個々に固定されている」に、
それぞれ相当する。

ケ.甲3発明は、「外装材料34と側壁56の内面との間のみに接着剤の小点64が設けられて」いるものであるから、隣接する製品同士は互いに接着されていないことは明らかである。
よって、甲3発明の「外装材料34と側壁56の内面との間のみに接着剤の小点64が設けられており」は、本件発明1の「隣接する製品同士は互いに接着されておらず」に相当する。

コ.甲3発明の「外装材料34上の分離線36は製品パック16の頂の近くに配置されている」は、本件発明1の「個包装(11)上の切取線(171)と個包装された製品の一端縁との間の上記切離し部分(170)の長さが、上記切取線(171)と個包装された製品の他端縁との間の残部(170b)の長さよりも短い」に、それぞれ相当する。

そうすると、本件発明1と甲3発明との一致点は、次のとおりである。
《一致点》
A.各々の個包装中に包装されるスティック状の製品についてのパケットであって、
B.上記個包装は製品周囲で折り畳んだシートからなり、
C.上記パケットは、少なくとも1つの外箱を備え、この外箱は、製品を少なくとも部分的に収容する複数の面と、製品を取り出すための1つの開口面と、を有し、
D.さらに、上記製品を該パケット内に保持するために上記個包装の少なくとも一部を該パケットの少なくとも一部に接着する永久接着手段を備えてなるパケットにおいて、
C1.上記スティック状の製品は、上記製品の取り出し方向に沿った幅の広い2つの主要面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの側面と、2つの端縁と、を有する偏平形状をなし、複数の製品が上記側面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されており、
E.上記永久接着手段は、上記個包装の切離し部分上に与えられ、この個包装の切離し部分は、製品をパケットから引き出したときに上記切離し部分に覆われていた製品の部分が剥き出されるように、個包装に設けられた切取線を介して個包装の残部につながっているとともに、上記個包装上の上記切取線が、個包装された製品の両端縁の間に位置しており、
E1.上記永久接着手段は、上記切離し部分の中で、上記主要面の一方において上記切取線と上記端縁との間に配置されており、この永久接着手段によって個包装されたスティック状の製品が上記主要面の一方においてパケットに個々に固定されている一方、隣接する製品同士は互いに接着されておらず、
F.上記個包装上の切取線と個包装された製品の一端縁との間の上記切離し部分の長さが、上記切取線と個包装された製品の他端縁との間の残部の長さよりも短いパケット。

よって、本件発明1は、甲3発明である。


(4)本件発明6、8?11
ア.本件発明6
本件発明6と甲3発明とを対比すると、以下の点で一応相違する。
《相違点1-1》
本件発明6は、個包装が、「紙、パラフィン紙、金属フォイル、プラスチックフォイルまたはこれらの材料の種々の組み合わせから形成される」のに対し、甲3発明は、構成要素b-3より、個包装が、「物品を、その各面に沿って覆っている、外装目的で従来から使用される薄い透明のフィルムから成」っている点。

相違点1-1について検討する。
物品を、その各面に沿って薄い透明のフィルムで覆うことで外装する際に、プラスチックフォイルから形成される薄い透明のフィルムを使用することは、従来から周知の技術であるから、個包装が「プラスチックフォイルから形成される」ことは、上記周知技術を考慮すれば、甲3に実質的に記載されていたことである。

よって、本件発明6は、甲3発明である。


イ.本件発明8
本件発明8と甲3発明とを対比する。
本件発明8は本件発明1において、「隣り合わせに配置された製品のグループを収容している」という事項を特定したものであるが、甲3発明は、構成要素c-3より、「各列に5つのパックを有する2つの列に配置された製品パック16を有する標準の10パックカートンを備えている」という構成を有しているから、上記特定事項において相違点はない。
よって、本件発明8は、甲3発明である。


ウ.本件発明9
本件発明9と甲3発明とを対比する。
本件発明9は本件発明8において、「隣り合わせに配置された製品のグループを2つ以上重ねて収容している」という事項を特定したものであるが、甲3発明は、構成要素c-3より、「各列に5つのパックを有する2つの列に配置された製品パック16を有する標準の10パックカートンを備えている」という構成を有しており、「隣り合わせに配置された製品のグループを2つ重ねて収容している」ものであるから、上記特定事項において相違点はない。
よって、本件発明9は、甲3発明である。


エ.本件発明10
本件発明10と甲3発明とを対比する。
本件発明10は本件発明1において、「上記切取線(171)は、少なくとも一部は、個包装(11)を形成している材料中に形成された穴あき線の形態である」という事項を特定したものであるが、甲3発明は、構成要素e-3より、分離線36が「ミシン目または切断線を備えた」ものであるところ、「ミシン目」は「穴あき線の形態」であるから、上記特定事項において相違点はない。
よって、本件発明10は、甲3発明である。


オ.本件発明11
本件発明11と甲3発明とを対比すると、以下の点で一応相違する。
《相違点1-2》
本件発明11は、「切取線は、少なくとも一部は、個包装を形成している材料中に押圧された非穴あき刻み目線の形態である」のに対し、甲3発明は、切取線は、ミシン目または切断線を備えたものである点。

相違点1-2について検討する。
甲5(上記1.(5)のア)に記載されているような、材料中に押圧された非穴あき刻み目線の形態のものは、切取線として周知の技術であり、切取線として、ミシン目のような穴あきのものも、非穴あきのものも、従前選択的に用いられているものであるから、「切取線は、少なくとも一部は、個包装を形成している材料中に押圧された非穴あき刻み目線の形態である」ことは、上記周知技術を考慮すれば、甲3に実質的に記載されていたことである。

よって、本件発明11は、甲3発明である。


(5)小括
本件発明1、6、8?11は、甲3発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当するから、これについての特許は、特許法第123条第1項第2号の規定に該当するので、無効とすべきものである。


2-3.無効理由2
(1)本件発明
本件発明は、上記第2のとおりである。

(2)甲2に記載された発明
甲2には上記1.(2)のア?シの記載があるところ、甲2の第3図及び第5図に示された包装体4を用いた包装菓子を、本件発明1の記載に倣って整理すると、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明A」という。)が記載されている。
《甲2発明A》
a-2.各々の包装体4中に包装される板状チユーインガムの様な菓子6についての包装菓子であって、
b-2.上記包装体4は菓子6を、その各面に沿って包装したシート状のものであり、
c-2.上記包装菓子は、他側縁に開閉蓋体2を連設し、一側縁に止着片3を折曲連設した台板1を備え、この一側縁に止着片3を折曲連設した台板1は、包装体4の一端部4aを挟持する台板1及び止着片3と、台板1の他側縁側に設けられた菓子6を取り出すための1つの開口面と、を有し、
d-2.さらに、上記菓子6の包装体4を例えば5個一組として、包装体4の固定片8を補助片9に貼着し、この補助片9を台板1と止着片3間に、糊着けその他適宜方法により固着する包装菓子において、
c1-2.上記板状チユーインガムの様な菓子6は、上記菓子6の取り出し方向に沿った幅の広い2つの面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの面と、2つの端部と、を有する偏平形状をなし、複数の菓子6が上記幅の狭い面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されており、
e-2.上記固定片8は補助片9に貼着され、菓子6を包装菓子から取り出すときに、包装体4の固着片8が補助片9に貼着した状態、かつ、補助片9が台板1と止着片3間に固着した状態で、包装体4のミシン線の如き破線5が破られ、包装体4の破線5より下側は、包装体4に設けられた破線5を介して包装体4の破線5より上側につながっているとともに、上記包装体4の上記破線5が、包装体4で覆われた菓子6の両端部の間に位置しており、
e1-2.上記板状チユーインガムの様な菓子6の包装体4の固定片8の幅の広い面の一方が補助片9に対向し、個々の固定片8は補助片9に貼着され、補助片9は台板1と止着片3間に固着され、固定片8は、菓子6の端部より、菓子6とは反対側に突出して設けられているものである一方、隣り合わせの複数の菓子6が互いに離して配置されており、
f-2.上記包装体4の破線5が、包装体4で覆われた菓子6の両端部の間のうち、固定片8の近傍に位置している包装菓子。

また、甲2の第3図及び第5図に示された包装体4を用いた菓子6を、止着片3を折曲連設した台板1に固着する方法を、本件発明12の記載に倣って整理すると、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明B」という。)が記載されている。
《甲2発明B》
g-2.菓子6を、止着片3を折曲連設した台板1に固着する方法であって、
h-2.菓子6は、破線5より固定片8側を有する各々の包装体4で各個に包装されており、
i-2.上記固定片8において補助片9に上記包装体4で各個に包装された菓子6を貼着し、
j-2.上記補助片9を台紙1と止着片3間に固着し、
k-2.包装体4の固着片8が補助片9に貼着した状態、かつ、補助片9が台板1と止着片3間に固着した状態で、破線5を破るのみで、菓子6を取り出せる包装菓子とすること、
を含む方法。

以下、甲2発明Aと甲2発明Bとを総称して、「甲2発明」という。


(3)本件発明1?4、6?12
ア.本件発明1
本件発明1と甲2発明Aとを対比すると、一致点、相違点は、それぞれ次のとおりである。
《一致点》
A.各々の個包装中に包装されるスティック状の製品についてのパケットであって、
B.上記個包装は製品周囲で折り畳んだシートからなり、
C’’.上記パケットは、少なくとも1つの外箱を備え、この外箱は、個包装及び製品が一体になったものを少なくとも部分的に収容する複数の面と、製品を取り出すための1つの開口面と、を有し、
D.さらに、上記製品を該パケット内に保持するために上記個包装の少なくとも一部を該パケットの少なくとも一部に接着する永久接着手段を備えてなるパケットにおいて、
C1.上記スティック状の製品は、上記製品の取り出し方向に沿った幅の広い2つの主要面と、同じく取り出し方向に沿った幅の狭い2つの側面と、2つの端縁と、を有する偏平形状をなし、複数の製品が上記側面同士が隣り合わせとなるように並べて配置されており、
E.上記永久接着手段は、上記個包装の切離し部分上に与えられ、この個包装の切離し部分は、製品をパケットから引き出したときに上記切離し部分に覆われていた製品の部分が剥き出されるように、個包装に設けられた切取線を介して個包装の残部につながっているとともに、上記個包装上の上記切取線が、個包装された製品の両端縁の間に位置しており、
E1’’.上記永久接着手段は、上記切離し部分の中で、主要面の一方に配置されており、この永久接着手段によって個包装されたスティック状の製品が上記主要面の一方においてパケットに個々に固定されている一方、隣接する製品同士は互いに接着されておらず、
F.個包装上の切取線と個包装された製品の一端縁との間の上記切離し部分の長さが、上記切取線と個包装された製品の他端縁との間の残部の長さよりも短いパケット。

《相違点2-1》
構成要件Cに関して、本件発明1は、外箱が、「製品」を少なくとも部分的に収容する複数の面を有していることが特定されているのに対し、甲2発明Aは、外箱は、個包装の一部である固定片を少なくとも部分的に収容する複数の面を有するが、「製品」を少なくとも部分的に収容する複数の面を有していない点。

《相違点2-2》
構成要素E1に関して、本件発明1は、永久接着手段は、切離し部分の中で、主要面の一方において「切取線と端縁との間」に配置されているのに対し、甲2発明Aは、永久接着手段は、切離し部分の中で、主要面の一方において「切取線と端縁との間」に配置されていない点。

相違点2-1について検討する。
スティック状のチューインガム等の製品を、側面同士が隣り合わせとなるように並べて複数配置するパケットの構成として、外箱を形成する複数の面が、製品を少なくとも部分的に収容するようにしたタイプのものは周知のものであり、外箱を形成する複数の面が、個包装及び製品をどの程度の範囲まで収容するかは、取り出し易さ等を考慮して、適宜設定し得るものである。 よって、甲2発明Aにおいて、外箱を、固定片に加えて「製品」を少なくとも部分的に収容する複数の面を有するものとすることは、当業者が適宜なし得たことである。

相違点2-2について検討する。
永久接着手段の配置箇所は、配置のし易さ等を考慮して、適宜選択し得るものであり、上記1.(3)コのとおり、甲3には、接着剤の小点64を、各々の外装材料34の上側の部分(切離し部分)の中で、取り出し方向に沿った幅の広い面(主要面)の一方において、分離線36(切取線)と、取り出し方向後端の頂部(端縁)との間に配置する構成が記載されているところ、当該接着剤の小点64は、上記1.(3)カのとおり、「製品パック16をカートンから取り外すと、外装材料34の上側の部分がパックから剥離してカートン内に残るが、外装の下側の固定されていない部分は、製品パックとともに取り外される」ようにするためのものであるから、甲2発明Aにおける永久接着手段と同じ作用を奏するものである。
してみると、甲2発明Aにおいて、甲3に記載されている永久接着手段を設ける位置を採用し、「永久接着手段は、切離し部分の中で、主要面の一方において切取線と端縁との間に配置されている」構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

また、製品を簡単に箱詰めできるとともに、隣の製品が取り出された後でも、残りの製品を、使用される瞬間まで適切に保持することができるという本件発明1の効果は、甲2発明Aから予測し得ることであり、上記両相違点を総合勘案しても、格別の技術的意義が生じるとは認められない。
よって、本件発明1は、甲2発明A、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


イ.本件発明2
本件発明2と甲2発明Aとを対比する。
本件発明2は本件発明1において、「上記外箱(41)は、該外箱(41)の面の一つに接続されて製品(10)を取り出すための開口面を閉じるように設計された蓋(43)を有する」という事項を特定したものであるが、甲2発明Aは構成要素c-2を有しており、甲2発明Aの「開閉蓋体2」は、本件発明2の「開口面を閉じるように設計された蓋(43)」に相当するから、上記特定事項において相違点はない。
したがって、本件発明2と甲2発明Aは、相違点2-1、相違点2-2でのみ相違する。

相違点2-1、相違点2-2は、上記アで検討したとおりである。
よって、本件発明2は、甲2発明A、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。

なお、以下、同様の相違点については検討したとおりである旨の記載を省略する。


ウ.本件発明3
本件発明3と甲2発明Aとを対比する。
本件発明3は本件発明1において、「上記外箱(41)内に配置された少なくとも1つのシート(110)を備え、上記永久接着手段(80)は、上記主要面において個包装(11)の上記切離し部分の一部をシート(110)の一部に接着し、上記シート(110)と上記外箱(41)との間にさらに永久接着手段(140)を有する」という事項を特定したものであるが、甲2発明Aは構成要素d-2、e-2を有しており、甲2発明Aの「補助片9」は、本件発明3の「シート」に相当するから、上記特定事項において相違点はない。
したがって、本件発明3と甲2発明Aは、相違点2-1、相違点2-2でのみ相違する。
よって、本件発明3は、甲2発明A、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


エ.本件発明4
本件発明4と甲2発明Aとを対比すると、相違点2-1、相違点2-2に加えて、以下の点で相違する。
《相違点2-3》
本件発明4は、「上記シートは、個包装された製品のグループの少なくとも5つの面を取り囲む」ものであるが、甲2発明Aのシートは、個包装された製品のグループの少なくとも5つの面を取り囲んではいない点。

相違点2-3について検討する。
上記1.(4)のア、イ、ウのとおり、甲4には、製品と外箱との間に介在させるシートとしてのバンド131が、個包装された製品のグループの少なくとも5つの面を取り囲む構成であることが記載されているから、甲4に記載されているシートの形状を採用することで、相違点2-3の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

また、これらの相違点を総合勘案しても、格別の技術的意義が生じるとは認められない。
よって、本件発明4は、甲2発明A、甲3記載事項、甲4記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。

なお、以下、相違点を総合勘案しても格別の技術的意義が生じるものではない旨の記載を、省略する。


オ.本件発明6
本件発明6と甲2発明Aとを対比すると、相違点2-1、相違点2-2に加えて、以下の点で一応相違する。
《相違点2-4》
本件発明6は、個包装が、「紙、パラフィン紙、金属フォイル、プラスチックフォイルまたはこれらの材料の種々の組み合わせから形成される」のに対し、甲2発明Aは、個包装の材料に関して特定がない点。

上記相違点2-4について検討する。
板状チユーインガムの様な菓子を包装する個包装を、紙、パラフィン紙、金属フォイル、プラスチックフォイルまたはこれらの材料の種々の組み合わせから形成することは、文献を挙げるまでもなく周知の技術であり、板状チユーインガムの様な菓子を包装する個包装として、これらのものは、従前選択的に用いられているものであるから、個包装が、「紙、パラフィン紙、金属フォイル、プラスチックフォイルまたはこれらの材料の種々の組み合わせから形成される」ことは、上記周知技術を考慮すれば、甲2に実質的に記載されていたことである。
よって、本件発明6は、甲2発明A、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


カ.本件発明7
本件発明7と甲2発明Aとを対比する。
本件発明7は本件発明1において、「上記製品は、チューインガムである」という事項を特定したものであるが、甲2発明Aは構成要素a-2を有しているから、上記特定事項において相違点はない。
したがって、本件発明7と甲2発明Aは、相違点2-1、相違点2-2でのみ相違する。
よって、本件発明7は、甲2発明A、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


キ.本件発明8
本件発明8と甲2発明Aとを対比する。
本件発明8は本件発明1において、「隣り合わせに配置された製品のグループを収容している」という事項を特定したものであるが、甲2発明Aは構成要素d-2、c1-2を有しているから、上記特定事項において相違点はない。
したがって、本件発明8と甲2発明Aは、相違点2-1、相違点2-2でのみ相違する。
よって、本件発明8は、甲2発明A、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


ク.本件発明9
本件発明9と甲2発明Aとを対比すると、相違点2-1、相違点2-2に加えて、以下の点で相違する。
《相違点2-5》
本件発明9は、「隣り合わせに配置された製品のグループを2つ以上重ねて収容している」のに対し、甲2発明Aは、隣り合わせに配置された製品のグループを2つ以上重ねて収容していない点。

相違点2-5について検討する。
パケット内に製品を何列配置するかは、パケット内に何個の製品を入れるかや、パケットの許容サイズによって決まるものであるから、隣り合わせに配置された製品のグループを重ね合わせないか、重ね合わせるかは、当業者が実施に際し適宜選択し得ることである。

よって、本件発明9は、甲2発明A、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


ケ.本件発明10
本件発明10と甲2発明Aとを対比する。
本件発明10は本件発明1において、「上記切取線(171)は、少なくとも一部は、個包装(11)を形成している材料中に形成された穴あき線の形態である」という事項を特定したものであるが、甲2発明Aは構成要素e-2より、破線5が、「ミシン線の如き」ものであるところ、「ミシン線」は「穴あき線の形態」であるから、上記特定事項において相違点はない。
したがって、本件発明10と甲2発明Aは、相違点2-1、相違点2-2でのみ相違する。
よって、本件発明10は、甲2発明A、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


コ.本件発明11
本件発明11と甲2発明Aとを対比すると、相違点2-1、相違点2-2に加えて、以下の点で一応相違する。
《相違点2-6》
本件発明11は、「切取線は、少なくとも一部は、個包装を形成している材料中に押圧された非穴あき刻み目線の形態である」のに対し、甲2発明Aは、切取線は、ミシン線の如きものである点。

相違点2-6について検討する。
甲5(上記1.(5)のア)に記載されているような、材料中に押圧された非穴あき刻み目線の形態のものは、切目線として周知の技術であり、切取線として、ミシン目のような穴あきのものも、非穴あきのものも、従前選択的に用いられているものであるから、「切取線は、少なくとも一部は、個包装を形成している材料中に押圧された非穴あき刻み目線の形態である」ことは、上記周知技術を考慮すれば、甲2に実質的に記載されていたことである。

よって、本件発明11は、甲2発明A、甲3記載事項、周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。


サ.本件発明12
本件発明1と甲2発明Bとを対比すると、一致点、相違点は、それぞれ次のとおりである。
《一致点》
G.製品を箱詰めする方法であって、
H’’.切取線によって区画された切離し部分を有する各々の個包装で各製品が包装された状態となり、
I.上記切離し部分においてシートに上記個包装製品を永久的に接着し、
J.上記シートを外箱内に挿入するとともに該外箱に永久的に固定し、
K.消費者が切離し部分を引き裂くことによって上記製品を掴んで小出しすることができるように上記外箱の形成を完了すること、を含む方法。

《相違点2-7》
構成要件Hに関して、本件発明12は、切取線によって区画された切離し部分を有する各々の個包装で各製品を包装するのに対し、甲2発明Bは、切取線によって区画された切離し部分を有する各々の個包装で各製品が包装された状態となってはいるが、切取線によって区画された切離し部分を個包装に設けてから、各製品を包装することは特定されていない点。

相違点2-7について検討する。
包装部材の加工を、包装前に行うか包装後に行うかは、加工のし易さや包装のし易さを考慮することで、当業者が適宜選択し得ることであるから、甲2発明Bにおいて、各製品を包装する前に、切取線によって区画された切離し部分を個包装に設けることで、切取線によって区画された切離し部分を有する各々の個包装で各製品を包装する構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

また、上記相違点において、格別の技術的意義が生じるとは認められない。
よって、本件発明12は、甲2発明Bに基づいて容易に発明をすることができたものである。


(4)小括
本件発明1?4、6?12は、甲2発明、甲3?4記載事項、周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これについての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第123条第1項第2号の規定に該当するので、無効とすべきものである。


第5.むすび
以上のとおり、本件発明1ないし4、6ないし12についての特許は無効とすべきものである。
審判費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-11-21 
結審通知日 2016-11-24 
審決日 2016-12-12 
出願番号 特願2010-512793(P2010-512793)
審決分類 P 1 123・ 121- Z (B65D)
P 1 123・ 113- Z (B65D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 石田 宏之  
特許庁審判長 千葉 成就
特許庁審判官 山田 由希子
久保 克彦
登録日 2012-04-20 
登録番号 特許第4976547号(P4976547)
発明の名称 製品保持手段を有する改善されたパケット  
代理人 稲岡 耕作  
代理人 京村 順二  
代理人 川崎 実夫  
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