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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1328653
審判番号 不服2016-6081  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-04-25 
確定日 2017-05-23 
事件の表示 特願2014-529855「光スプリッタを伴うデジタルカメラ」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 3月14日国際公開、WO2013/036648、平成26年10月 6日国内公表、特表2014-526825〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1 経緯
本件出願は、2012年(平成24年)9月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年9月9日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成27年2月26日付けで拒絶理由の通知がなされ、これに対し、平成27年8月4日付けで手続補正がなされたが、平成27年12月18日付け(発送日同年12月24日)で拒絶査定がなされた。
本件は、上記拒絶査定を不服として平成28年4月25日付けで請求された拒絶査定不服審判であり、請求と同時に手続補正がなされた。

2 査定の概要
原査定の理由は、概略、次のとおりである。

[査定の理由]
この出願の請求項1?22に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2008-224908号公報
引用文献2:特開2004-355010号公報
引用文献3:特開2003-43354号公報
引用文献4:特開2008-139893号公報
引用文献5:特開平6-209094号公報(周知技術)
引用文献6:特開平7-106538号公報(周知技術)
引用文献7:特開平7-46608号公報(周知技術)
引用文献8:特開2008-210904号公報(周知技術)

第2 補正却下の決定
平成28年4月25日付けの手続補正について次のとおり決定する。

[補正却下の決定の結論]
平成28年4月25日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
平成28年4月25日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正である。

補正前の請求項1?22
「 【請求項1】
デジタルカメラのコンポーネントであって、
カメラシーンからの入射光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、入射光を、前記光スプリッタキューブから、前記光スプリッタキューブの第1の面、第2の面、及び第3の面を通ってそれぞれ出てくる、第1、第2、及び第3の色成分に分離する、光スプリッタキューブと、
第1、第2、及び第3の画像センサであって、前記画像センサのそれぞれが、前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面から出てくる前記色成分のうちの対応する1つを受け取るように配置される、画像センサと、
を備え、
前記画像センサのそれぞれは、マイクロレンズによって覆われているがカラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサである、コンポーネント。
【請求項2】
前記光スプリッタキューブが、本質的に同一サイズの第1、第2、第3、及び第4の透明な多面体を備え、前記透明な多面体のそれぞれは、直角二等辺三角形の底部、直角二等辺三角形の頂部、及び当該直角二等辺三角形の底部及び当該直角二等辺三角形の頂部の対応する辺を結合する3つの面を有し、前記3つの面は斜辺面、左脚面、及び右脚面である、請求項1に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項3】
前記第1の透明な多面体の前記斜辺面が、前記光スプリッタキューブの前記入射面であり、
前記第1の透明な多面体の前記右脚面が、前記第2の透明な多面体の前記左脚面に第1のダイクロイック界面において隣接し、前記第1のダイクロイック界面が、前記第3の色成分を前記第1の透明な多面体内に反射し、前記第1及び第2の色成分を前記第2の透明な多面体内へ透過させ、
前記第1の透明な多面体の左脚面が、前記第4の透明な多面体の前記右脚面に第2のダイクロイック界面において隣接し、前記第2のダイクロイック界面が、前記第1の色成分を前記第1の透明な多面体内に反射し、前記第2及び第3の色成分を前記第4の透明な多面体内へ透過させる、請求項2に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項4】
前記カメラシーンからの前記入射光を偏向させるように配置される偏向器と、
前記偏向器と前記光スプリッタキューブの前記入射面との間の偏向入射光の経路内に配置される光学レンズ系と、を更に備える、請求項1に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項5】
前記偏向器が、前記入射光を約90度だけ偏向するように方向付けられている、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項6】
前記偏向器、光学レンズ系、光スプリッタキューブ、及び画像センサのz高さが、3mm?9mmの範囲である、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項7】
前記偏向器、光学レンズ系、光スプリッタキューブ、及び画像センサのx長さが、18mm?32mmの範囲である、請求項6に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項8】
前記光学レンズ系が、ズームレンズである、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項9】
前記光学レンズ系が、自動焦点レンズである、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項10】
前記光学レンズ系が、固定焦点レンズである、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項11】
前記偏向器が、電動アクチュエータによって自動制御下で傾斜又は回転されるように結合された折り畳みミラーを光学画像安定化(OIS)メカニズムの一部として備える、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項12】
前記画像センサのそれぞれが、a)前記センサの背後に配置されたプリント回路支持体に電気的に接続されており、b)前記センサの前方に配置された透明なカバープレートであって、前記カバープレートと前記マイクロレンズとの間に空隙を残すカバープレート、によって保護されている、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項13】
デジタルカメラモジュールであって、
前記デジタルカメラモジュールを内部に組み込んだ、カメラモジュール筐体と、
カメラシーンからの入射光を偏向するように配置される偏向器と、
偏向された入射光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、前記偏向された入射光を第1、第2、及び第3の色成分に分離し、本質的に同一の第1、第2、第3、及び第4の透明な多面体から構成され、前記透明な多面体のそれぞれが、直角二等辺三角形の底部、直角二等辺三角形の頂部、並びに前記直角二等辺三角形の底部及び前記直角二等辺三角形の頂部の対応する辺を結合する3つの面を有し、前記3つの面が、斜辺面、左脚面、及び右脚面であり、前記第1の透明な多面体の前記斜辺面は前記光スプリッタキューブの前記入射面であり、前記第1の透明な多面体の前記右脚面が、前記第2の透明な多面体の前記左脚面に第1のダイクロイック界面において隣接し、前記第1のダイクロイック界面が、前記第3の色成分を前記第1の透明な多面体内に反射し、前記第1及び第2の色成分を前記第2の透明な多面体内へ透過させ、前記第1の透明な多面体の前記左脚面が、前記第4の透明な多面体の前記右脚面に第2のダイクロイック界面において隣接し、前記第2のダイクロイック界面が、前記第1の色成分を前記第1の透明な多面体内に反射し、前記第2及び第3の色成分を前記第4の透明な多面体内へ透過させ、前記光スプリッタキューブが、更に、第1の出射面、第2の出射面、及び第3の出射面を有する、光スプリッタキューブと、
第1、第2、及び第3の画像センサであって、それぞれ前記第1、第2、及び第3の出射面に面するように配置される第1、第2、及び第3の画像センサであって、前記画像センサのそれぞれは、マイクロレンズによって覆われているがカラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサである、第1、第2、及び第3の画像センサと、
前記偏向器と前記光スプリッタキューブの前記入射面との間の前記偏光された入射光の経路内に配置される光学レンズ系と、
を備える、デジタルカメラモジュール。
【請求項14】
前記偏向器が、前記入射光を約90度だけ偏向するように方向付けられている、請求項13に記載のデジタルカメラモジュール。
【請求項15】
前記偏向器、光学レンズ系、光スプリッタキューブ、及び画像センサのz高さが、3mm?9mmの範囲である、請求項14に記載のデジタルカメラモジュール。
【請求項16】
前記偏向器、光学レンズ系、光スプリッタキューブ、及び画像センサのx長さが、18mm?32mmの範囲である、請求項14に記載のデジタルカメラモジュール。
【請求項17】
平凹レンズであって、平面側が、前記カメラシーンに面し、前記カメラシーンからの前記入射光を前記偏向器まで移動するように配置される、平凹レンズと、
凹凸レンズであって、凸状側が、前記偏向器に面し、前記偏向器と前記光学レンズ系との間に配置される、凹凸レンズと、
を更に備える、請求項14に記載のデジタルカメラモジュール。
【請求項18】
ポータブル無線通信デバイスであって、
外部筐体と、
前記外部筐体の内部に組み込まれたセルラーネットワーク無線通信回路構成と、
前記外部筐体の内部に組み込まれたデジタルカメラであって、カメラシーンからの入射光を約90度だけ偏向するように配置される偏向器と、偏向光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、偏光された入射光を、第1の出射面、第2の出射面、及び第3の出射面を通ってそれぞれ出てくる、第1、第2、及び第3の色成分に分離する、光スプリッタキューブと、それぞれ前記第1、第2、及び第3の出射面に面するように配置される第1、第2、及び第3の画像センサと、前記偏向器と前記光スプリッタキューブの前記入射面との間の前記偏光された入射光の経路内に配置される光学レンズ系と、を有する、デジタルカメラと、
を備え、
前記画像センサのそれぞれは、マイクロレンズによって覆われているがカラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサである、デバイス。
【請求項19】
前記外部筐体が、z高さ6mm?13mmを有する、請求項18に記載のポータブル無線通信デバイス。
【請求項20】
平凹レンズであって、平面側は前記カメラシーンに面し、前記カメラシーンからの入射光を前記偏向器まで移動するように配置される、平凹レンズと、
凹凸レンズであって、凸状側は前記偏向器に面し、前記偏向器と前記光学レンズ系との間に配置される、凹凸レンズと、
を更に備える、請求項18に記載のポータブル無線通信デバイス。
【請求項21】
前記第1、第2、及び第3の色成分が、加法混色の原色成分である、請求項18に記載のポータブル無線通信デバイス。
【請求項22】
前記第1、第2、及び第3の色成分が、青色、緑色、及び赤色成分である、請求項21に記載のポータブル無線通信デバイス。」

を、次のとおり補正後の請求項1?21に補正するものである。

「 【請求項1】
デジタルカメラのコンポーネントであって、
カメラシーンからの入射光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、入射光を、前記光スプリッタキューブから、前記光スプリッタキューブの第1の面、第2の面、及び第3の面を通ってそれぞれ出てくる、第1、第2、及び第3の色成分に分離する、光スプリッタキューブと、
第1、第2、及び第3の画像センサであって、前記画像センサのそれぞれが、前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面から出てくる前記色成分のうちの対応する1つを受け取るように配置される、画像センサと、
を備え、
前記画像センサのそれぞれは、a)マイクロレンズによって覆われているがカラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサであり、b)前記センサの背後に配置されたプリント回路支持体に電気的に接続されており、c)前記センサの前方に配置された透明なカバープレートであって、前記カバープレートと前記マイクロレンズとの間に空隙を残すカバープレート、によって保護されており、
前記透明なカバープレートは前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面のうちの一つに結合されている、コンポーネント。
【請求項2】
前記光スプリッタキューブが、本質的に同一サイズの第1、第2、第3、及び第4の透明な多面体を備え、前記透明な多面体のそれぞれは、直角二等辺三角形の底部、直角二等辺三角形の頂部、及び当該直角二等辺三角形の底部及び当該直角二等辺三角形の頂部の対応する辺を結合する3つの面を有し、前記3つの面は斜辺面、左脚面、及び右脚面である、請求項1に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項3】
前記第1の透明な多面体の前記斜辺面が、前記光スプリッタキューブの前記入射面であり、
前記第1の透明な多面体の前記右脚面が、前記第2の透明な多面体の前記左脚面に第1のダイクロイック界面において隣接し、前記第1のダイクロイック界面が、前記第3の色成分を前記第1の透明な多面体内に反射し、前記第1及び第2の色成分を前記第2の透明な多面体内へ透過させ、
前記第1の透明な多面体の左脚面が、前記第4の透明な多面体の前記右脚面に第2のダイクロイック界面において隣接し、前記第2のダイクロイック界面が、前記第1の色成分を前記第1の透明な多面体内に反射し、前記第2及び第3の色成分を前記第4の透明な多面体内へ透過させる、請求項2に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項4】
前記カメラシーンからの前記入射光を偏向させるように配置される偏向器と、
前記偏向器と前記光スプリッタキューブの前記入射面との間の偏向入射光の経路内に配置される光学レンズ系と、を更に備える、請求項1に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項5】
前記偏向器が、前記入射光を約90度だけ偏向するように方向付けられている、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項6】
前記偏向器、光学レンズ系、光スプリッタキューブ、及び画像センサのz高さが、3mm?9mmの範囲である、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項7】
前記偏向器、光学レンズ系、光スプリッタキューブ、及び画像センサのx長さが、18mm?32mmの範囲である、請求項6に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項8】
前記光学レンズ系が、ズームレンズである、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項9】
前記光学レンズ系が、自動焦点レンズである、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項10】
前記光学レンズ系が、固定焦点レンズである、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項11】
前記偏向器が、電動アクチュエータによって自動制御下で傾斜又は回転されるように結合された折り畳みミラーを光学画像安定化(OIS)メカニズムの一部として備える、請求項4に記載のデジタルカメラのコンポーネント。
【請求項12】
デジタルカメラモジュールであって、
前記デジタルカメラモジュールを内部に組み込んだ、カメラモジュール筐体と、
カメラシーンからの入射光を偏向するように配置される偏向器と、
偏向された入射光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、前記偏向された入射光を第1、第2、及び第3の色成分に分離し、本質的に同一の第1、第2、第3、及び第4の透明な多面体から構成され、前記透明な多面体のそれぞれが、直角二等辺三角形の底部、直角二等辺三角形の頂部、並びに前記直角二等辺三角形の底部及び前記直角二等辺三角形の頂部の対応する辺を結合する3つの面を有し、前記3つの面が、斜辺面、左脚面、及び右脚面であり、前記第1の透明な多面体の前記斜辺面は前記光スプリッタキューブの前記入射面であり、前記第1の透明な多面体の前記右脚面が、前記第2の透明な多面体の前記左脚面に第1のダイクロイック界面において隣接し、前記第1のダイクロイック界面が、前記第3の色成分を前記第1の透明な多面体内に反射し、前記第1及び第2の色成分を前記第2の透明な多面体内へ透過させ、前記第1の透明な多面体の前記左脚面が、前記第4の透明な多面体の前記右脚面に第2のダイクロイック界面において隣接し、前記第2のダイクロイック界面が、前記第1の色成分を前記第1の透明な多面体内に反射し、前記第2及び第3の色成分を前記第4の透明な多面体内へ透過させ、前記光スプリッタキューブが、更に、第1の出射面、第2の出射面、及び第3の出射面を有する、光スプリッタキューブと、
第1、第2、及び第3の画像センサであって、それぞれ前記第1、第2、及び第3の出射面に面するように配置される第1、第2、及び第3の画像センサと、
前記偏向器と前記光スプリッタキューブの前記入射面との間の前記偏光された入射光の経路内に配置される光学レンズ系と、
を備え、
前記画像センサのそれぞれは、a)マイクロレンズによって覆われているがカラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサであり、b)前記センサの背後に配置されたプリント回路支持体に電気的に接続されており、c)前記センサの前方に配置された透明なカバープレートであって、前記カバープレートと前記マイクロレンズとの間に空隙を残すカバープレート、によって保護されており、
前記透明なカバープレートは前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面のうちの一つに結合されている、デジタルカメラモジュール。
【請求項13】
前記偏向器が、前記入射光を約90度だけ偏向するように方向付けられている、請求項12に記載のデジタルカメラモジュール。
【請求項14】
前記偏向器、光学レンズ系、光スプリッタキューブ、及び画像センサのz高さが、3mm?9mmの範囲である、請求項13に記載のデジタルカメラモジュール。
【請求項15】
前記偏向器、光学レンズ系、光スプリッタキューブ、及び画像センサのx長さが、18mm?32mmの範囲である、請求項13に記載のデジタルカメラモジュール。
【請求項16】
平凹レンズであって、平面側が、前記カメラシーンに面し、前記カメラシーンからの前記入射光を前記偏向器まで移動するように配置される、平凹レンズと、
凹凸レンズであって、凸状側が、前記偏向器に面し、前記偏向器と前記光学レンズ系との間に配置される、凹凸レンズと、
を更に備える、請求項13に記載のデジタルカメラモジュール。
【請求項17】
ポータブル無線通信デバイスであって、
外部筐体と、
前記外部筐体の内部に組み込まれたセルラーネットワーク無線通信回路構成と、
前記外部筐体の内部に組み込まれたデジタルカメラであって、カメラシーンからの入射光を約90度だけ偏向するように配置される偏向器と、偏向光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、偏光された入射光を、第1の出射面、第2の出射面、及び第3の出射面を通ってそれぞれ出てくる、第1、第2、及び第3の色成分に分離する、光スプリッタキューブと、それぞれ前記第1、第2、及び第3の出射面に面するように配置される第1、第2、及び第3の画像センサと、前記偏向器と前記光スプリッタキューブの前記入射面との間の前記偏光された入射光の経路内に配置される光学レンズ系と、を有する、デジタルカメラと、
を備え、
前記画像センサのそれぞれは、a)マイクロレンズによって覆われているがカラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサであり、b)前記センサの背後に配置されたプリント回路支持体に電気的に接続されており、c)前記センサの前方に配置された透明なカバープレートであって、前記カバープレートと前記マイクロレンズとの間に空隙を残すカバープレート、によって保護されており、
前記透明なカバープレートは前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面のうちの一つに結合されている、デバイス。
【請求項18】
前記外部筐体が、z高さ6mm?13mmを有する、請求項17に記載のポータブル無線通信デバイス。
【請求項19】
平凹レンズであって、平面側は前記カメラシーンに面し、前記カメラシーンからの入射光を前記偏向器まで移動するように配置される、平凹レンズと、
凹凸レンズであって、凸状側は前記偏向器に面し、前記偏向器と前記光学レンズ系との間に配置される、凹凸レンズと、
を更に備える、請求項17に記載のポータブル無線通信デバイス。
【請求項20】
前記第1、第2、及び第3の色成分が、加法混色の原色成分である、請求項17に記載のポータブル無線通信デバイス。
【請求項21】
前記第1、第2、及び第3の色成分が、青色、緑色、及び赤色成分である、請求項20に記載のポータブル無線通信デバイス。」

2 補正の適合性
(1)新規事項、発明の特別な技術的特徴の変更、補正の目的
本件補正は、補正前の請求項1、13、18における「画像センサ」が「b)前記センサの背後に配置されたプリント回路支持体に電気的に接続されており、c)前記センサの前方に配置された透明なカバープレートであって、前記カバープレートと前記マイクロレンズとの間に空隙を残すカバープレート、によって保護されており、
前記透明なカバープレートは前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面のうちの一つに結合されている」ことを限定するもの、及び補正前の請求項12を削除し、それに伴い、項番を繰り上げるものである。
本件補正は、願書に最初に添付された明細書の段落【0003】、【0022】-【0023】、図7に基づくものであり、願書に最初に添付された明細書に記載された事項の範囲内である。
また、本件補正は、発明の特別な技術的特徴を変更する補正ではない。
さらに、本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。

(2)独立特許要件
上記のとおり本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的としているので、本件補正後における発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かを、以下に検討する。

(3)補正後発明
補正後の請求項1?21に係る発明のうち請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(この発明を以下「補正後発明」という。)。

(補正後発明)
「(A)デジタルカメラのコンポーネントであって、
(B)カメラシーンからの入射光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、入射光を、前記光スプリッタキューブから、前記光スプリッタキューブの第1の面、第2の面、及び第3の面を通ってそれぞれ出てくる、第1、第2、及び第3の色成分に分離する、光スプリッタキューブと、
(C)第1、第2、及び第3の画像センサであって、前記画像センサのそれぞれが、前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面から出てくる前記色成分のうちの対応する1つを受け取るように配置される、画像センサと、
を備え、
(C-1)前記画像センサのそれぞれは、a)マイクロレンズによって覆われているがカラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサであり、
(C-2)b)前記センサの背後に配置されたプリント回路支持体に電気的に接続されており、
(C-3)c)前記センサの前方に配置された透明なカバープレートであって、前記カバープレートと前記マイクロレンズとの間に空隙を残すカバープレート、によって保護されており、
(C-4)前記透明なカバープレートは前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面のうちの一つに結合されている、
(D)コンポーネント。」

((A)?(D)は、当審で付与した。以下各構成要件を「構成要件A」等という。)

(4)引用文献の記載及び引用文献に記載された発明
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-224908号公報(上記引用文献1、以下「引用文献1」という。)には、「結像光学系、光学機器、および結像方法」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

「 【0020】
以下、本願の好ましい実施形態について図を参照しながら説明する。本願発明に係る結像光学系を備えたデジタルスチルカメラCAMが図1に示されている。このデジタルスチルカメラCAMは、カメラ本体Bに内蔵された、物体(被写体)の像を色分解により3つ(複数)の色分解像に分解して当該3つの色分解像をそれぞれの像面I1?I3上に分けて結像させる結像光学系SYSと、各像面I1?I3にそれぞれ配設された3つの固体撮像素子(図示せず)とを主体に構成される。なお、結像光学系SYSと各像面I1?I3との間には、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等から構成されるフィルタ群FLが配設される。
【0021】
結像光学系SYSは、複数のレンズ群から構成されるズームレンズZLと、物体側からズームレンズZLを透過した光を色分解する色分解光学素子P2とを備えて構成される。ズームレンズZLは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを有して構成される。また、ズームレンズZLは、図2に示すように、広角端から望遠端へのズーミング(変倍)の際、第2レンズ群G2および第4レンズ群G4は光軸に沿って移動し、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は各像面I1?I3に対して固定されるようになっている。なお、図1に示すように、光路を折り曲げる折り曲げ光学素子P1が第1レンズ群G1に配設されている。ここで、折り曲げ光学素子P1に入射する光の光軸O1に沿った方向をX方向とし、折り曲げ光学素子P1により折り曲げられた後の光の光軸O2に沿った方向をY方向とする。
【0022】
色分解光学素子P2は、ガラスや樹脂等の光を透過可能な材料を用いて、XY平面における断面形状が正方形の断面を有する直方体形に形成され、内部に色分解面である第1および第2ダイクロイックミラー面M1,M2を有している。第1および第2ダイクロイックミラー面M1,M2は、色分解光学素子P2における正方形の断面の両方の対角線を含んで、正方形の断面と略直角な方向(Z方向)に延びる互いに直交する2つの平面上にそれぞれ形成される。そして、第1および第2ダイクロイックミラー面M1,M2は、色分解光学素子P2に入射する光の光軸O2に対して約45度傾斜しており、第1レンズ群G1の折り曲げ光学素子P1により折り曲げられる前の光の光軸O1と、折り曲げ光学素子P1により折り曲げられた後の光の光軸O2とを含むXY平面上に色分解を行うようになっている。このような色分解光学素子の一例としては、4つの三角柱形状のプリズムを貼り合わせて作るクロスダイクロイックプリズム(図3を参照)、ダイクロイックプリズム(図4を参照)、および複数のダイクロイックプリズムの組み合わせ(図5を参照)等が挙げられる。
【0023】
このように構成される結像光学系SYSにおいて、物体(被写体)からの光がズームレンズZLの第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、および第4レンズ群G4を順に透過して色分解光学素子P2に入射する。色分解光学素子P2に入射した光は、図3に示すように、R、G、B(赤、緑、青)のうち、G(緑)の光が第1ダイクロイックミラー面M1で(色分解光学素子P2に入射する光の光軸O2に対して略直角な方向のX方向の正の向きに)反射し、G(緑)の光による色分解像が第1像面I1で結像される。また、R、G、B(赤、緑、青)のうちB(青)の光は、第2ダイクロイックミラー面M2で(第1ダイクロイックミラー面M1で反射する方向と反対側であるX方向の負の向きに)反射し、B(青)の光による色分解像が第2像面I2で結像される。
【0024】
そして、R、G、B(赤、緑、青)のうちR(赤)の光は、第1および第2ダイクロイックミラー面M1,M2を透過し、R(赤)の光による色分解像が第3像面I3で結像される。なお、R、G、B(赤、緑、青)に限らず、Cy、Mg、Ye(シアン、マゼンタ、イエロー)を3色に色分解するようにしてもよい。なおこのとき、例えば、Ye(イエロー)の光による色分解像が第1像面I1で結像され、Cy(シアン)の光による色分解像が第2像面I2で結像され、Mg(マゼンタ)の光による色分解像が第3像面I3で結像される。」

「【図1】



「【図2】



「【図3】



(イ)引用文献1に記載された発明
段落【0020】によると、『デジタルスチルカメラは、カメラ本体に内蔵された、被写体の像を色分解により3つの色分解像に分解して当該3つの色分解像をそれぞれの像面上に分けて結像させる結像光学系と、各像面にそれぞれ配設された3つの固体撮像素子とにより構成され』、『結像光学系と各像面との間には、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等から構成されるフィルタ群が配設され』る。

段落【0021】によると、『結像光学系は、複数のレンズ群から構成されるズームレンズと、物体側からズームレンズを透過した光を色分解する色分解光学素子とを備えて構成され』る。

段落【0022】によると、『色分解光学素子は、XY平面における断面形状が正方形の断面を有する直方体形に形成され、内部に色分解面である第1および第2ダイクロイックミラー面を有』する。

段落【0023】、【0024】によると、『被写体からの光がズームレンズを透過して色分解光学素子に入射し、色分解光学素子に入射した光は、緑の光による色分解像が第1像面で結像され、青の光による色分解像が第2像面で結像され、赤の光による色分解像が第3像面で結像される』。

以上より、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。(この発明を以下「引用発明」という。)

(引用発明)
(a)デジタルスチルカメラであって、
(b)デジタルスチルカメラは、カメラ本体に内蔵された、被写体の像を色分解により3つの色分解像に分解して当該3つの色分解像をそれぞれの像面上に分けて結像させる結像光学系と、各像面にそれぞれ配設された3つの固体撮像素子とにより構成され、
(c)結像光学系と各像面との間には、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等から構成されるフィルタ群が配設され、
(d)結像光学系は、複数のレンズ群から構成されるズームレンズと、物体側からズームレンズを透過した光を色分解する色分解光学素子とを備えて構成され、
(e)色分解光学素子は、XY平面における断面形状が正方形の断面を有する直方体形に形成され、内部に色分解面である第1および第2ダイクロイックミラー面有し、
(f)被写体からの光がズームレンズを透過して色分解光学素子に入射し、色分解光学素子に入射した光は、緑の光による色分解像が第1像面で結像され、青の光による色分解像が第2像面で結像され、赤の光による色分解像が第3像面で結像される、
(g)デジタルスチルカメラ。

((a)?(g)は、引用発明の構成を区別するために付与した。以下各構成を「構成a」等という。)

イ 引用文献A
(ア)引用文献Aの記載
特開平2-244993号公報(以下「引用文献A」という。)には、「ビデオ装置」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。

「[実施例]
以下、第1図?第3図を使って本発明をカラーテレビカメラに適用した第1実施例を説明する。
図中、1は像分解プリズムで、コンポネント・プリズム1a,1b,1cを組合わせて構成されており、各コンポネント・プリズム間にダイクロイック膜が配される。分解プリズムの構成は周知であるから詳しい説明を省く。Lは、図式的に描いた撮影レンズから来る撮影光束である。2はカラートリミングフィルターで、像分解プリズムの各射出面に接着されている。3は固体撮像素子である。4は取付用ガラス板で、像分解プリズム1あるいはトリミングフィルターと同一又は類似の線膨張係数を持つ。本例はトリミングフィルターの上に取付用ガラス板を接着しているが、トリミングフィルター自体であっても良いし、トリミングフィルターのフィルター作用をプリズムの射出面に蒸着する多層干渉薄膜で代用すれば、プリズムの射出面に直接取付用ガラス板を接着しても良い。」(2頁右下欄16行?3頁左上欄14行)









(イ)引用文献Aに記載された技術
引用文献Aには、像分解プリズムの各射出面に、取付けガラスを有する固体撮像素子を接続することが記載されている。さらに、トリミングフィルターを多層干渉膜で代用すれば、プリズムの射出面に直接取付けガラス板を接着しても良いことも記載されている。
したがって、引用文献Aには、『像分解プリズムの各射出面に、取付けガラスを有する固体撮像素子を接続する』技術、及び『トリミングフィルターを多層干渉膜で代用して、プリズムの射出面に直接取付けガラス板を接続する』技術が記載されていると認められる。(この技術を以下「引用発明Aの技術」という。)

(5)対比
ア 補正後発明と引用発明との対比
補正後発明と引用発明とを対比する。

(ア)構成要件Aと構成a、bとを対比する。
引用発明における「デジタルスチルカメラ」は、「カメラ本体に内蔵された、被写体の像を色分解により3つの色分解像に分解して当該3つの色分解像をそれぞれの像面上に分けて結像させる結像光学系と、各像面にそれぞれ配設された3つの固体撮像素子とにより構成され」、結像光学系と3つの固体撮像素子により構成されるから、「デジタルカメラのコンポーネント」といえる。
したがって、補正後発明と引用発明とは「デジタルカメラのコンポーネント」として一致する。

(イ)構成要件Bと構成d、e、fとを対比する。
引用発明の「色分解光学素子」は、「XY平面における断面形状が正方形の断面を有する直方体形に形成され」(構成e)るから、「光スプリッタキューブ」といえる。
また、引用発明の「色分解光学素子」は、「物体側からズームレンズを透過した光を色分解する」(構成d)、「被写体からの光がズームレンズを透過して色分解光学素子に入射」(構成f)するから、「カメラシーンからの入射光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブ」といえる。
さらに、「色分解光学素子に入射した光は、緑の光による色分解像が第1像面で結像され、青の光による色分解像が第2像面で結像され、赤の光による色分解像が第3像面で結像される」(構成f)から、「入射光を、前記光スプリッタキューブから、前記光スプリッタキューブの第1の面、第2の面、及び第3の面を通ってそれぞれ出てくる、第1、第2、及び第3の色成分に分離する」といえる。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「カメラシーンからの入射光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、入射光を、前記光スプリッタキューブから、前記光スプリッタキューブの第1の面、第2の面、及び第3の面を通ってそれぞれ出てくる、第1、第2、及び第3の色成分に分離する、光スプリッタキューブ」を備える点で一致する。

(ウ)構成要件Cと構成b、d、fとを対比する。
上記(2)のとおり、補正後発明と引用発明とは、「カメラシーンからの入射光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、入射光を、前記光スプリッタキューブから、前記光スプリッタキューブの第1の面、第2の面、及び第3の面を通ってそれぞれ出てくる、第1、第2、及び第3の色成分に分離する、光スプリッタキューブ」を備える点で一致し、構成fの「第1像面」、「第2像面」、「第3像面」は、それぞれ、補正後発明の「第1の面」、「第2の面」、「第3の面」に相当するから、構成bの「各像面にそれぞれ配設された3つの固体撮像素子」は、構成要件Cの「第1、第2、及び第3の画像センサ」に相当する。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「第1、第2、及び第3の画像センサであって、前記画像センサのそれぞれが、前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面から出てくる前記色成分のうちの対応する1つを受け取るように配置される、画像センサ」を備える点で一致する。

(エ)構成要件C-1について
まず、「カラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサ」について検討する。
「画像センサ」は通常「透明」ではないが、「透明な画像センサ」がどのようなものか本願明細書の記載をみると、段落【0003】には、「画像センサは、カラーフィルタアレイも色分解能力もない透明な画素アレイセンサであっても良」いの記載があり、「カラーフィルタアレイも色分解能力もない」画素アレイを「透明な画素アレイ」としていることからして、「透明な画素センサ」は、カラーフィルタアレイも色分解能力もない画素センサを意味していると認められる。
一方、引用発明の固体撮像素子(構成b)は、色分解素子からの光を受光するものであるから、カラーフィルタがないものと認められ、補正後発明の「透明な画素センサ」に相当する。
また、固体撮像素子は、フォトセルのアレイを有するものである。
したがって、補正後発明と引用発明とは、「前記画像センサのそれぞれは、カラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサであ」る点で共通する。
しかしながら、「画像センサ」が、補正後発明においては、「マイクロレンズによって覆われている」のに対し、引用発明においては、「マイクロレンズによって覆われている」と特定されていない点で相違する。

(オ)構成要件C-2について
「画像センサ」が、引用発明においては、「前記センサの背後に配置されたプリント回路支持体に電気的に接続されて」いると特定されていない点で、補正後発明と相違する。

(カ)構成要件C-3、C-4について
「画像センサ」が、引用発明においては、「前記センサの前方に配置された透明なカバープレートであって、前記カバープレートと前記マイクロレンズとの間に空隙を残すカバープレート、によって保護されており、前記透明なカバープレートは前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面のうちの一つに結合されている」と特定されていない点で、補正後発明と相違する。

(キ)構成要件Dと構成gとを対比する。
上記(1)のとおり、補正後発明と引用発明とは「デジタルカメラのコンポーネント」として一致するから、補正後発明と引用発明とは「コンポーネント」として一致する。

イ 一致点、相違点
以上より、補正後発明と引用発明との一致点、相違点は次のとおりである。

(一致点)
「デジタルカメラのコンポーネントであって、
カメラシーンからの入射光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、入射光を、前記光スプリッタキューブから、前記光スプリッタキューブの第1の面、第2の面、及び第3の面を通ってそれぞれ出てくる、第1、第2、及び第3の色成分に分離する、光スプリッタキューブと、
第1、第2、及び第3の画像センサであって、前記画像センサのそれぞれが、前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面から出てくる前記色成分のうちの対応する1つを受け取るように配置される、画像センサと、
を備え、
前記画像センサのそれぞれは、カラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサである、
コンポーネント。」

(相違点1)
「画像センサ」が、補正後発明においては、「マイクロレンズによって覆われている」のに対し、引用発明においては、「マイクロレンズによって覆われている」と特定されていない点

(相違点2)
「画像センサ」が、補正後発明においては、「前記センサの背後に配置されたプリント回路支持体に電気的に接続されて」いると特定されているのに対し、引用発明においては、そのように特定されていない点

(相違点3)
「画像センサ」が、補正後発明においては、「前記センサの前方に配置された透明なカバープレートであって、前記カバープレートと前記マイクロレンズとの間に空隙を残すカバープレート、によって保護されており、前記透明なカバープレートは前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面のうちの一つに結合されている」と特定されているのに対し、引用発明においては、そのように特定されていない点

(6)相違点の判断
上記(4)イ(イ)のとおり、引用文献Aには、『像分解プリズムの各射出面に、取付けガラスを有する固体撮像素子を接続する』技術、及び『トリミングフィルターを多層干渉膜で代用して、プリズムの射出面に直接取付けガラス板を接続する』技術が記載されている。
引用文献Aの技術は、光学素子からの出力を画像センサにより受け取る技術として引用発明と同じ技術分野であるから、引用発明に引用文献Aの技術を適用することは、当業者が容易に着想することである。引用発明においては、画像センサ(固体撮像素子)はカラーフィルタがないから、引用発明に引用文献Aの技術を適用すると、光スプリッタキューブの第1の面、第2の面、第3の面に画像センサを結合することとなる。(相違点3)

また、マイクロレンズ、カバーガラスを有し、マイクロレンズとカバーガラスとの間に空隙がある画像センサは周知の技術(特開2010-98066号証の段落【0004】、図2、特開2005-347397号公報の段落【0016】-【0017】、図4、図5、特開2004-15427号公報の段落【0011】、図2等参照)であり、また、画像センサの背後に接続されたプリント基板に電気的に接続することは、周知の技術(特開2008-131228号公報の段落【0034】、図2等参照)である。

そうすると、引用発明に引用文献Aの技術を適用し、その際に上記周技術を勘案して、引用発明において、「画像センサ」を
「前記センサの前方に配置された透明なカバープレートであって、前記カバープレートと前記マイクロレンズとの間に空隙を残すカバープレート、によって保護されており、前記透明なカバープレートは前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面のうちの一つに結合されている」ようにし(相違点3)、
「マイクロレンズによって覆われ」るようにし(相違点1)、
「前記センサの背後に配置されたプリント回路支持体に電気的に接続され」るようにする(相違点2)ことは、当業者が容易に想到し得ることである。

なお、請求人は、審判請求書において、引用発明には、色分解光学素子と固体撮像素子との間にフィルタ群があり、カバープレートが第1の面等に結合することにならない旨主張する。
しかしながら、フィルタ群があっても、色分解光学素子(光スプリッタキューブに相当)からの色成分は固体撮像素子(画像センサに相当)に入力されるものであって、色分解光学素子の面とカバープレートは結合されているといえることは上記のとおりである。
また、仮に、「結合されている」の文言が直接結合されていることを意味しているとしても、ローパスフィルタ、赤外カットフィルタ等を色分解素子の前に配置することが周知の技術である(特開平6-292207号公報の段落【0013】、図1、特開2004-258497号公報の段落【0005】、図5等参照)から、引用発明に引用文献Aの技術を適用する際に、上記周知技術を勘案して、引用発明において、フィルタを色分解光学素子の前に配置することにより、光スプリッタキューブの面に画像センサを直接接続するようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
したがって、請求人の主張は採用できない。

そして、補正後発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。

したがって、補正後発明は、引用文献1、引用文献Aに記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反している。

3 まとめ
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成28年4月25日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?22に係る発明は、平成27年8月4日付け手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?22に記載した事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明は、次のとおりのものである(この発明を以下「本願発明」という。)。

(本願発明)
「(A)デジタルカメラのコンポーネントであって、
(B)カメラシーンからの入射光を受け取る入射面を有する光スプリッタキューブであって、入射光を、前記光スプリッタキューブから、前記光スプリッタキューブの第1の面、第2の面、及び第3の面を通ってそれぞれ出てくる、第1、第2、及び第3の色成分に分離する、光スプリッタキューブと、
(C)第1、第2、及び第3の画像センサであって、前記画像センサのそれぞれが、前記光スプリッタキューブの前記第1の面、前記第2の面、及び前記第3の面から出てくる前記色成分のうちの対応する1つを受け取るように配置される、画像センサと、
を備え、
(C-1)前記画像センサのそれぞれは、マイクロレンズによって覆われているがカラーフィルタは伴わないフォトセルのアレイを有する透明な画像センサである、
(D)コンポーネント。」

((A)?(D)は、当審で付与した。各構成要件において、補正後発明と同じ構成要件には、同じ符号を付与した。)

2 対比・判断
(1)対比
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1の記載は上記第2の2(4)ア(ア)のとおりであり、引用発明は、上記第2の2(4)ア(イ)を援用する。
本願発明は、補正後発明の構成要件C-2、C-3、C-4がないものであるから、本願発明と引用発明とを対比すると、一致点、相違点は、上記第2の2(5)イの一致点、相違点1のとおりである。
ここで、相違点1を再掲する。

(相違点1)
「画像センサ」が、本願発明においては、「マイクロレンズによって覆われている」のに対し、引用発明においては、「マイクロレンズによって覆われている」と特定されていない点

(2)判断
マイクロレンズによって覆われている画像センサは、周知の技術である(上記引用文献5?8等参照)から、引用発明に当該周知技術を適用して、引用発明の「画像センサ」を「マイクロレンズによって覆われている」画像センサとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
したがって、本願発明は引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものと認められる。

3 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、請求項2?22に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2016-12-12 
結審通知日 2016-12-19 
審決日 2017-01-05 
出願番号 特願2014-529855(P2014-529855)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内田 勝久鈴木 肇  
特許庁審判長 藤井 浩
特許庁審判官 冨田 高史
小池 正彦
発明の名称 光スプリッタを伴うデジタルカメラ  
代理人 那須 威夫  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 弟子丸 健  
代理人 西島 孝喜  
代理人 大塚 文昭  
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