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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 C12Q
管理番号 1328745
審判番号 不服2016-7320  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-05-19 
確定日 2017-05-30 
事件の表示 特願2014- 46097「サルモネラの検出および/またはモニタリングのための組成物、キットおよび関連方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 6月19日出願公開、特開2014-110809〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成21年5月29日(パリ条約による優先権主張 平成20年5月30日 米国)を国際出願日とする特願2011-511875号の一部を、特許法第44条第1項の規定により、平成26年3月10日に新たな特許出願としたものであり、平成28年1月15日付けで拒絶査定されたところ、同年5月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同日付けで手続補正書が提出された。

第2 平成28年5月19日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成28年5月19日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.平成28年5月19日付けの手続補正
この補正は、特許請求の範囲において、補正前の請求項1、
「本願明細書に記載された発明。」を、補正後の請求項1、
「T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のための組成物であって、該T7プロバイダーオリゴヌクレオチドがE.coli 23S rRNAの塩基約268?320に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして該プライマーオリゴヌクレオチドがサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、
ここで、該増幅アッセイにおいて使用される該T7オリゴヌクレオチドおよび該プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅される該サルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする、組成物。」にするものである。
この補正は、請求項の削除、及び誤記の訂正には該当せず、また、願書に最初に添付した明細書の記載をみても、補正前の請求項1の発明が本来補正後の請求項1の発明を意味するものであったことが明らかではないから、明りょうでない記載の釈明にも該当しない。
さらに、補正前の請求項1に係る発明は、具体的な発明特定事項が明らかでないものであり、発明特定事項のいずれかを限定した補正であるとはいえないため、特許請求の範囲の減縮にも該当しない。

したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明
平成28年5月19日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願請求項1に係る発明は、願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項1に記載された、「本願明細書に記載された発明。」である。

第4 原査定の拒絶理由の概要
原査定の拒絶理由の概要は、請求項1の「本願明細書に記載された発明。」という特定によって、発明を特定するための事項が何ら具体的に記載されておらず、特許を受けようとする発明の構成を明確且つ一義的に把握することができないから、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないというものである。

第5 当審の判断
本願明細書には、次のような記載がある。
「【0060】
・・(省略)・・
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のための組成物であって、該T7プロバイダーオリゴヌクレオチドがE.coli 23S rRNAの塩基約268?320に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして該プライマーオリゴヌクレオチドがサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、
ここで、該増幅アッセイにおいて使用される該T7オリゴヌクレオチドおよび該プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅される該サルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする、組成物。
(項目2)
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基268?302に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、項目1に記載の組成物。
・・(省略)・・
(項目145)
項目143に記載の増幅オリゴヌクレオチドを使用して核酸増幅アッセイを実施する工程、および増幅された核酸を項目144に記載の1種以上のプローブを用いて検出する工程を包含する、サンプル中のサルモネラの存在を検出するための方法。」
つまり、本願明細書には、(項目1)?(項目145)のような、多種多様な発明が記載されている。
そして、本願特許請求の範囲の記載は、発明を特定するための事項が何ら具体的に記載されておらず、本願明細書中の多種多様な発明のうち、どの発明について特許を受けようとしているのか不明であり、特許を受けようとする発明の構成を明確且つ一義的に把握することができないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

第6 結語
以上のことから、本願の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-01-05 
結審通知日 2017-01-06 
審決日 2017-01-18 
出願番号 特願2014-46097(P2014-46097)
審決分類 P 1 8・ 537- Z (C12Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 戸来 幸男  
特許庁審判長 中島 庸子
特許庁審判官 瀬下 浩一
山本 匡子
発明の名称 サルモネラの検出および/またはモニタリングのための組成物、キットおよび関連方法  
代理人 山本 秀策  
代理人 森下 夏樹  

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